JP2639130B2 - プランジャポンプ - Google Patents

プランジャポンプ

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JP2639130B2
JP2639130B2 JP1247023A JP24702389A JP2639130B2 JP 2639130 B2 JP2639130 B2 JP 2639130B2 JP 1247023 A JP1247023 A JP 1247023A JP 24702389 A JP24702389 A JP 24702389A JP 2639130 B2 JP2639130 B2 JP 2639130B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は液体クロマトグラフなどに用いられるプラン
ジャポンプに関するものである。
(従来の技術) プランジャポンプのポンプ室には一方向にのみ液が流
れるようにポンプ室の入口側と出口側にそれぞれチェッ
ク弁が設けられており、ポンプ室をプランジャが往復移
動することによりポンプ室の容積を変化させて送液を行
なう。
送液される液がプランジャに沿ってポンプ室から漏れ
出すのを防ぐために、プランジャはプランジャシールに
よって封止されており、プランジャシールに対して摺動
しながら往復運動を行なう。
プランジャシールが設けられていてもごく僅かではあ
るがプランジャに沿って液が漏れ出す。液体クロマトグ
ラフの移動相にはリン酸溶液などのバッファ液が入れら
れており、そのバッファ液がプランジャシールから漏れ
出すと、プランジャシール後部に析出したり結晶化した
りして、ポンプヘッドの送液動作を困難にしてしまう。
そこで、プランジャシールに隣接して洗浄室を設けて
洗浄液を流すことにより、プランジャシールから漏れ出
した液の成分が析出したり結晶化したりするのを防いで
いる。第5図はその一例を表わしたものであり、プラン
ジャ2が摺動して往復移動するプランジャシール6と洗
浄用シール8の間に洗浄室10を形成し、洗浄室10には洗
浄液の入口と出口を設け、注射器12によって洗浄液を流
すようにしている。4はポンプ室である。
洗浄室10を洗浄液を流すために、洗浄液専用のポンプ
を設けたものもある。
(発明が解決しようとする課題) 注射器によって洗浄液を流す洗浄機能を備えたプラン
ジャポンプでは、洗浄を自動化することができない。
洗浄液を自動的に流すために専用のポンプを設ける
と、その分だけプランジャポンプのコストが高くなって
しまう。
そこで、本発明はプランジャを駆動する駆動力を利用
してプランジャの駆動とともに洗浄室の洗浄液の送液も
行なうことができるようにして、洗浄動作を自動化し、
かつ、低コストに実現できる洗浄機構付きのプランジャ
ポンプを提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明のプランジャポンプでは、ポンプヘッドが2台
以上備えられ、各ポンプヘッドには往復移動してポンプ
室の容積を変化させるプランジャが摺動するプランジャ
シールに隣接して洗浄室が設けられ、その洗浄室の一壁
面にはプランジャとともに作動するダイヤフラムが設け
られており、それらの洗浄室が直列に接続されるように
洗浄室間が液の流動方向に対して方向性をもたないチュ
ーブで連結され、洗浄液の流れに対し最も上流側となる
洗浄室の入口には洗浄液を洗浄室方向にのみ流す逆止弁
を備えた流路が接続されて洗浄液が供給され、最も下流
側の洗浄室の出口には洗浄液を洗浄室から排出される方
向にのみ流す逆止弁を備えた流路が接続されている。
(作用) 1台のポンプヘッドについて考えると、ポンプ室の容
積を変化させて送液を行なうためにプランジャを往復運
動させると、プランジャとともに洗浄室のダイアフラム
も作動して洗浄室の容積を変化させる。洗浄室には洗浄
液が一方向にのみ流れることのできる流路が接続されて
いるので、洗浄室の容積変化によって洗浄液が流れる。
もし、プランジャシールからポンプ室の液が漏れ出して
きたとしても、その液は洗浄液で薄められるので析出し
たり結晶化したりすることがない。
2台以上のポンプヘッドを備え、それらの洗浄室を直
列に接続したときは、ポンプ室により送液される液が連
続して流れるようにポンプヘッドが駆動されるため、ポ
ンプヘッドの駆動サイクルは互いにタイミングのずれた
ものとされる。そのため、洗浄室のダイアフラムの作動
のサイクルもポンプヘッド間で互いにタイミングのずれ
たものとなり、一洗浄室の容積減少により送り出された
洗浄液が他の洗浄室の容積増大により吸収される期間が
発生し、全体として洗浄液の流量を少なくすることがで
きる。
(実施例) 第1図は一実施例を表わす。
ポンプヘッドはA,Bで示される2台が備えられ、それ
らのポンプヘッドA,Bの洗浄室34a,34bがチューブ50によ
って直列に接続されている。
ポンプヘッドAについて説明すると、ポンプヘッド14
のポンプ室16には液体クロマトグラフの移動相など、送
液しようとする液が流れ込む流路と流れ出す流路が設け
られ、流入側流路にはチェック弁18が設けられ、流出側
流路にはチェック弁20が設けられている。これらのチェ
ック弁18、20により液は流入側からポンプ室16を経て流
出側へ一方向に流れる。ポンプヘッド14にはポンプ室16
を往復移動するプランジャ24が設けられており、プラン
ジャ24に沿って液が漏れるのを防ぐためにプランジャシ
ール26が設けられ、プランジャ24はプランジャシール26
に対して摺動して往復移動する。プランジャ24はシャフ
ト28aの先端に取りつけられており、シャフト28aの基端
部にはカムフォロワ30aが設けられ、カムフォロワ30aが
カム32aに当接している。
ポンプヘッドBもポンプヘッドAと同じ構造をしてお
り、プランジャが取りつけられるシャフト28bもその基
端部にはカムフォロワが設けられ、そのカムフォロワを
介して他方のカム(図示略)に当接している。ポンプヘ
ッドAを駆動するカム32aとポンプヘッドBを駆動する
カムは同じカム軸に取りつけられており、1台のモータ
で駆動される。
ポンプヘッドAには洗浄室34aが設けられ、ポンプヘ
ッドBには洗浄室34bが設けられている。両洗浄室34a,3
4bは同じ構造をしているので、一方の洗浄室34aについ
て説明すると、洗浄室34aは対向する2枚の壁面をもっ
ており、一方の壁面はポンプヘッド14側にあってプラン
ジャシール26と接触したヘッドホルダ36であり、他方の
壁面はシャフト28aに中央部が取りつけられ、周辺部が
ヘッドホルダ36と取りつけ部(第2図参照)とに固定さ
れたゴム製のダイアフラム38である。
両ポンプヘッドの洗浄室34aと34bは直列に接続されて
おり、洗浄液タンク40の洗浄液42が逆止弁44を経てチュ
ーブ48から洗浄室34bに入り、洗浄室34bを出た洗浄液が
チューブ50を経て洗浄室34aに入り、洗浄室34aからチュ
ーブ52及び逆止弁46を経て洗浄液タンク40に戻る。
ポンプヘッド及び洗浄室を第2図に詳細に示す。
プランジャ24はシャフト28a(又は28b)にねじ止めさ
れ、プランジャ24とシャフト28a(又は28b)の間にドー
ナツ型ダイアフラム38の内周部が固定される。ダイアフ
ラム38の周辺部はヘッドホルダ36と取りつけ部62の間に
挟まれて固定される。プランジャ24はヘットホルダ36の
中心の穴を通り、プランジャシール26を経てポンプヘッ
ド14に入る。ポンプヘッドAとBの構造は同じである。
54は両ポンプヘッドA,Bにそれぞれの入口側チェック弁1
8を経て移動相などの液を供給する流路であり、56は両
ポンプヘッドA,Bの出口側チェック弁20に接続されて液
を送り出す流路である。流路56からは圧力センサ58を経
て液が送られる。
60はカムや駆動用モータを備えた駆動室である。
第3図に洗浄液を一方向のみに流すための逆止弁44,4
6を示す。
逆止弁44では内部に弁座をもつ弁体44aにシート体44b
が入れられ、その上にストッパ44cが入れられる。シー
ト体44bは弁体44a内で弁座とストッパ44cの間でのみ移
動できる。44dは弁体44aと組み合わされる弁体である。
他方の逆止弁46も同じ構造をしている。これらの逆止弁
44,46は第3図では下側から上側方向のみに液を流すこ
とができる。
次に、本実施例の動作について説明する。
まず、ポンプヘッドAについて説明する。カム32aの
回転によりプランジャ24が往復運動し、ポンプ室16の容
積を変化させて移動相などの液をチェック弁18から20の
方向に流す。シャフト28aにはダイアフラム38が取りつ
けられているので、シャフト28aの往復運動にともなっ
てダイアフラム38も運動し、洗浄室34aの容積を変化さ
せる。シャフト28aが図で右方向に移動して洗浄室34aの
容積が増大するときは洗浄液を吸入し、シャフト28aが
左方向に移動して洗浄室34aの容積が減少するときは洗
浄液を吐出する。
ポンプヘッドBにおけるポンプ動作及び洗浄室34bの
動作も同じである。
ポンプヘッドを1台のみ備えたプランジャポンプにお
いては、洗浄室が単独で洗浄液の吸入と吐出を繰り返す
ことになる。
第1図の実施例においては2個の洗浄室34aと34bが直
列に接続されている。第4図に各洗浄室34a,34bの容積
変化と、直列接続された2つの洗浄室34a,34bの容積変
化を示す。60aは洗浄室34aの容積変化、60bは洗浄室34b
の容積変化である。60cは2つの洗浄室34a,34bを合わせ
た容積変化である。2つのポンプヘッドA,Bでそれぞれ
のプランジャの往復運動サイクルがずれていることに対
応して、2つの洗浄室の溶積変化60a,60bもサイクルが
ずれたものとなり、2つの洗浄室の容積変化の和は60c
に示されるように1つの洗浄室の容積変化に比べて約1/
4となる。これは、2つの洗浄室の間に逆止弁が設けら
れておらず、また、各洗浄室から逆止弁までの流路が長
くなることにより、一方の洗浄室の容積変化の一部が他
方の洗浄室の容積変化で吸収されるからである。このよ
うに、2つの洗浄室を直列接続して容積変化を小さくす
ることにより、逆止弁44,46を流れる洗浄液の流量も少
なくてすむようになる。これにより、ポンプ駆動のため
の負荷が減少し、ダイアフラム38にかかる負荷も減少し
てダイアフラム38の耐久性がよくなる。
実施例は2台のポンプヘッドが備えられているプラン
ジャポンプにおいてそれぞれの洗浄室を直列接続した例
を表わしているが、3台以上のポンプヘッドを備えたプ
ランジャポンプでそれぞれの洗浄室を直列接続してもよ
く、又は1台だけのポンプヘッドを備えたプランジャポ
ンプに本発明を適用してもよい。
(発明の効果) 本発明ではプランジャの往復運動に連動して洗浄室の
ダイアフラムを作動させ、洗浄液を自動的に流すように
したので、例えばポンプがバッファ液を送液中にプラン
ジャシールからバッファ液が漏れ出しても洗浄液により
洗い流し、バッファの析出や結晶化を防ぐことができ
る。
2台以上のポンプヘッドの洗浄室を液の流動方向に対
して方向性をもたないチューブで直列に接続すれば全体
としての洗浄液の流量を減少させることができ、ポンプ
駆動力に対する負荷を小さくし、またダイアフラムを長
持ちさせることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は一実施例を示す構成図、第2図は同実施例にお
けるポンプヘッドと洗浄室の分解斜視図、第3図は同実
施例における逆止弁を示す分解斜視図、第4図は動作を
示す洗浄室の容積変化の図、第5図は従来の洗浄方法を
示す断面図である。 14……ポンプヘッド、16……ポンプ室、24……プランジ
ャ、26……プランジャシール、28a,28b……シャフト、3
2a……カム、34a,34b……洗浄室、36……ヘッドホル
ダ、38……ダイアフラム、42……洗浄液、44,46……逆
止弁。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポンプヘッドが2台以上備えられ、各ポン
    プヘッドには往復移動してポンプ室の容積を変化させる
    プランジャが摺動するプランジャシールに隣接して洗浄
    室が設けられ、その洗浄室の一壁面にはプランジャとと
    もに作動するダイヤフラムが設けられており、それらの
    洗浄室が直列に接続されるように洗浄室間が液の流動方
    向に対して方向性をもたないチューブで連結され、洗浄
    液の流れに対し最も上流側となる洗浄室の入口には洗浄
    液を洗浄室方向にのみ流す逆止弁を備えた流路が接続さ
    れて洗浄液が供給され、最も下流側の洗浄室の出口には
    洗浄液を洗浄室から排出される方向にのみ流す逆止弁を
    備えた流路が接続されていることを特徴とするプランジ
    ャポンプ。
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