JP2639114B2 - 多孔質球状アルミナ粒子の製造方法 - Google Patents
多孔質球状アルミナ粒子の製造方法Info
- Publication number
- JP2639114B2 JP2639114B2 JP1176483A JP17648389A JP2639114B2 JP 2639114 B2 JP2639114 B2 JP 2639114B2 JP 1176483 A JP1176483 A JP 1176483A JP 17648389 A JP17648389 A JP 17648389A JP 2639114 B2 JP2639114 B2 JP 2639114B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- spherical alumina
- temperature
- spherical
- heat treatment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は多孔質球状アルミナ粒子の製造方法に係り、
特に、触媒担体、液体クロマトグラフ用充填材等として
有用な、微細孔を有し、かつ、真球に近い形状を有する
アルミナ微粒子を提供する多孔質球状アルミナ粒子の製
造方法に関する。
特に、触媒担体、液体クロマトグラフ用充填材等として
有用な、微細孔を有し、かつ、真球に近い形状を有する
アルミナ微粒子を提供する多孔質球状アルミナ粒子の製
造方法に関する。
[従来の技術] 多孔質の粒子は、触媒担体、液体クロマトグラフ用充
填材等に広く使用されている。中でも、最近は分取用高
速液体クロマトグラフィの充填材用に用途が広がってお
り、この分野に好適なものとして、数100Åから数1000
Åまでの細孔径を有する多孔質粒子が望まれている。
填材等に広く使用されている。中でも、最近は分取用高
速液体クロマトグラフィの充填材用に用途が広がってお
り、この分野に好適なものとして、数100Åから数1000
Åまでの細孔径を有する多孔質粒子が望まれている。
従来、触媒担体、液体クロマトグラフ用充填材等とし
て用いられる多孔質球状粒子、とりわけ多孔質球状微粒
子の製造には、金属アルコキシドを原料として、その加
水分解液をキシレン、ヘキサン等の有機溶剤中に分散さ
せて球状にゲル化させる方法(特願昭59−34877)等が
知られている。
て用いられる多孔質球状粒子、とりわけ多孔質球状微粒
子の製造には、金属アルコキシドを原料として、その加
水分解液をキシレン、ヘキサン等の有機溶剤中に分散さ
せて球状にゲル化させる方法(特願昭59−34877)等が
知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述のような従来法では、近年その需
要が高められている数100Å以上の細孔径を有する多孔
質微粒子を得ることは困難である。
要が高められている数100Å以上の細孔径を有する多孔
質微粒子を得ることは困難である。
本発明は上記従来の問題点を解決し、細孔径数100Å
〜数1000Åの範囲の細孔を有する多孔質球状アルミナ粒
子を製造する方法を提供することを目的とする。
〜数1000Åの範囲の細孔を有する多孔質球状アルミナ粒
子を製造する方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の多孔質球状アルミナ粒子の製造方法は、アル
ミニウム塩0.01〜0.2mol/濃度と加水解離剤0.04〜0.4
mol/濃度とを含む原料溶液を、80〜98℃の範囲で選択
された温度T℃に対して±1℃の範囲内で加熱して得ら
れた球状アルミナ水和物粒子を1000〜1600℃の温度で熱
処理することを特徴とする。
ミニウム塩0.01〜0.2mol/濃度と加水解離剤0.04〜0.4
mol/濃度とを含む原料溶液を、80〜98℃の範囲で選択
された温度T℃に対して±1℃の範囲内で加熱して得ら
れた球状アルミナ水和物粒子を1000〜1600℃の温度で熱
処理することを特徴とする。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の方法においては、まず、所定濃度のアルミニ
ウム塩と加水解離材とを含む原料溶液を加熱して、球状
アルミナ水和物粒子を製造する。
ウム塩と加水解離材とを含む原料溶液を加熱して、球状
アルミナ水和物粒子を製造する。
本発明において、アルミニウム塩としては硫酸アルミ
ニウム(Al2(SO4)3)に硝酸アルミニウム(Al(N
O3)3)、塩化アルミニウム(AlCl3)等を一部混合し
て用いることができるが、特に硫酸アルミニウムが好適
である。硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩は、0.01
〜0.2mol/、特に0.01〜0.1mol/濃度で原料溶液中に
溶解される。アルミニウム塩濃度が0.01mol/未満で
も、0.2mol/を超えても、良好な球状アルミナ水和物
粒子を得ることができない。
ニウム(Al2(SO4)3)に硝酸アルミニウム(Al(N
O3)3)、塩化アルミニウム(AlCl3)等を一部混合し
て用いることができるが、特に硫酸アルミニウムが好適
である。硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩は、0.01
〜0.2mol/、特に0.01〜0.1mol/濃度で原料溶液中に
溶解される。アルミニウム塩濃度が0.01mol/未満で
も、0.2mol/を超えても、良好な球状アルミナ水和物
粒子を得ることができない。
また、沈殿剤として用いる加水解離剤としては、尿素
((NH2)2CO)、アセトアミド、ヘキサメチレンテトラ
ミン等の加水解離によりアルカリを生成するものが用い
られるが、好ましくは尿素が用いられる。その濃度は、
0.04〜0.4mol/となるように原料溶液中に溶解され
る。
((NH2)2CO)、アセトアミド、ヘキサメチレンテトラ
ミン等の加水解離によりアルカリを生成するものが用い
られるが、好ましくは尿素が用いられる。その濃度は、
0.04〜0.4mol/となるように原料溶液中に溶解され
る。
本発明において、原料の硫酸アルミニウムと尿素との
割合(モル比)は、1:3〜30の範囲で選択できるが、好
ましくは、この割合は1:3〜10とするのが好適である。
割合(モル比)は、1:3〜30の範囲で選択できるが、好
ましくは、この割合は1:3〜10とするのが好適である。
本発明において、原料溶液を調製するには、所定濃度
の硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩水溶液と、尿素
等の加水解離剤の水溶液とを、所定割合で混合しても良
く、また、容器内の硫酸アルミニウムと尿素に水を添加
して所定濃度の原料溶液としても良い。なお、水溶液同
志を混合する場合、各々の水溶液は予め混合前に50〜90
℃程度に加熱しておくのが望ましい。
の硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩水溶液と、尿素
等の加水解離剤の水溶液とを、所定割合で混合しても良
く、また、容器内の硫酸アルミニウムと尿素に水を添加
して所定濃度の原料溶液としても良い。なお、水溶液同
志を混合する場合、各々の水溶液は予め混合前に50〜90
℃程度に加熱しておくのが望ましい。
本発明においては、このようにして得られた原料溶液
が均一な混合状態とされたところで加熱して反応させ
る。加熱は80〜98℃、好ましくは90〜98℃の温度にて設
定した温度T℃に対して±1℃の変動範囲、好ましくは
±0.3℃の変動範囲となる、変動幅の非常に少ない反応
温度にて行なう。
が均一な混合状態とされたところで加熱して反応させ
る。加熱は80〜98℃、好ましくは90〜98℃の温度にて設
定した温度T℃に対して±1℃の変動範囲、好ましくは
±0.3℃の変動範囲となる、変動幅の非常に少ない反応
温度にて行なう。
このような変動幅の非常に少ない反応温度となるよう
に加熱反応を行なうためには、溶液からの熱の放出をで
きるだけ少なくする目的で、反応容器の全方向より加熱
するのが好ましい。例えば、蓋状部を有する反応容器の
全表面をヒーター等の加熱体で覆うか、反応容器を定温
高温槽内に設置するか、或いは反応容器をウォーターバ
ス中に浸漬するなどの方法を採用することができる。更
に、反応容器を適当な保温材で被覆するのが好ましい。
に加熱反応を行なうためには、溶液からの熱の放出をで
きるだけ少なくする目的で、反応容器の全方向より加熱
するのが好ましい。例えば、蓋状部を有する反応容器の
全表面をヒーター等の加熱体で覆うか、反応容器を定温
高温槽内に設置するか、或いは反応容器をウォーターバ
ス中に浸漬するなどの方法を採用することができる。更
に、反応容器を適当な保温材で被覆するのが好ましい。
反応時間は、通常の場合、4〜24時間程度である。
このような反応により球状のアルミナ水和物粒子が沈
殿する。この沈殿物を分離することにより容易に球状ア
ルミナ水和物粒子を回収することができる。
殿する。この沈殿物を分離することにより容易に球状ア
ルミナ水和物粒子を回収することができる。
得られる球状アルミナ水和物粒子の粒径は、原料溶液
中のアルミニウム塩濃度等によっても異なるが、一般に
は平均粒径0.8〜15μmといった小径から比較的大径の
ものまで様々な粒径を有し、かつ、真球に近い良好な球
状アルミナ水和物粒子が合成される。
中のアルミニウム塩濃度等によっても異なるが、一般に
は平均粒径0.8〜15μmといった小径から比較的大径の
ものまで様々な粒径を有し、かつ、真球に近い良好な球
状アルミナ水和物粒子が合成される。
このようにして製造された球状アルミナ水和物粒子
は、90〜120℃にて好ましくは絶乾まで乾燥した後、100
0〜1600℃の温度で熱処理する。熱処理温度は得られる
多孔質球状アルミナ粒子の細孔径の大きさに影響し、熱
処理温度が低く1000℃程度であると100〜数100Åの細孔
径が得られ、熱処理温度が高く1500〜1600℃程度である
と数1000Åの細孔径が得られる。従って、熱処理温度
は、目的とする細孔径に応じて、1000〜1600℃の範囲で
適宜選定する。
は、90〜120℃にて好ましくは絶乾まで乾燥した後、100
0〜1600℃の温度で熱処理する。熱処理温度は得られる
多孔質球状アルミナ粒子の細孔径の大きさに影響し、熱
処理温度が低く1000℃程度であると100〜数100Åの細孔
径が得られ、熱処理温度が高く1500〜1600℃程度である
と数1000Åの細孔径が得られる。従って、熱処理温度
は、目的とする細孔径に応じて、1000〜1600℃の範囲で
適宜選定する。
このような熱処理により、アルミナ水和物粒子は球状
のアルミナ粒子集合体となるが、これは軽い粉砕(解
砕)を行なうことにより容易に単離することができ、多
孔質の球状アルミナ粒子が得られる。この多孔質球状ア
ルミナ粒子の粒径は、前述の球状アルミナ水和物粒子の
製造条件や分級手段(湿式分級、気流分級等)を選定す
ることにより、数μm〜数10μmまでの範囲に任意に調
整することができる。
のアルミナ粒子集合体となるが、これは軽い粉砕(解
砕)を行なうことにより容易に単離することができ、多
孔質の球状アルミナ粒子が得られる。この多孔質球状ア
ルミナ粒子の粒径は、前述の球状アルミナ水和物粒子の
製造条件や分級手段(湿式分級、気流分級等)を選定す
ることにより、数μm〜数10μmまでの範囲に任意に調
整することができる。
[作用] 従来の金属アルコキシドの加水分解で得られたアルミ
ナ水和物球状粒子は、1000℃までの熱処理により安定な
アルミナとなるが、この間に、水和物の脱水や残存する
未反応の硫酸根の分解、ガス化によると思われる気孔が
生じる。この程度の熱処理温度では、粒子間の付着は殆
どないが、その細孔径は高々100Å程度までである。
ナ水和物球状粒子は、1000℃までの熱処理により安定な
アルミナとなるが、この間に、水和物の脱水や残存する
未反応の硫酸根の分解、ガス化によると思われる気孔が
生じる。この程度の熱処理温度では、粒子間の付着は殆
どないが、その細孔径は高々100Å程度までである。
これ以上の細孔径を得ようと、更に高温で熱処理する
と、通常、粒子内と粒子間で焼結が進み、粒子間は強固
に結合し、粒子内は緻密になり、数100Å以上の細孔径
をもつ単一の多孔質粒子は従来法では得られないと判断
される。
と、通常、粒子内と粒子間で焼結が進み、粒子間は強固
に結合し、粒子内は緻密になり、数100Å以上の細孔径
をもつ単一の多孔質粒子は従来法では得られないと判断
される。
これに対して、本発明の方法に従って、所定濃度のア
ルミニウム塩と加水解離剤とを含む原料溶液を、所定の
温度にて、±1℃以内の極めて少ない温度変動範囲にて
均一加熱して反応させることにより得られた球状アルミ
ナ水和物粒子を用いることにより、1600℃に達する高温
の熱処理によっても、粒子間での焼結は進行せず、個々
の球状粒子に容易に単離でき、しかも粒子内では熱処理
温度の上昇に従って、気孔が成長し、数100Å〜数1000
Åの細孔を有する多孔質球状アルミナ粒子を容易に得る
ことができる。
ルミニウム塩と加水解離剤とを含む原料溶液を、所定の
温度にて、±1℃以内の極めて少ない温度変動範囲にて
均一加熱して反応させることにより得られた球状アルミ
ナ水和物粒子を用いることにより、1600℃に達する高温
の熱処理によっても、粒子間での焼結は進行せず、個々
の球状粒子に容易に単離でき、しかも粒子内では熱処理
温度の上昇に従って、気孔が成長し、数100Å〜数1000
Åの細孔を有する多孔質球状アルミナ粒子を容易に得る
ことができる。
即ち、本発明方法で採用する均一沈殿法により製造さ
れた真球形状アルミナ水和物は、 かなりの高温までの熱処理において球状粒子間の焼
結が殆ど進まず、粒子間は軽い粉砕(解砕)で容易に個
々の粒子に単離できるくらいの付着力しか持たない。
れた真球形状アルミナ水和物は、 かなりの高温までの熱処理において球状粒子間の焼
結が殆ど進まず、粒子間は軽い粉砕(解砕)で容易に個
々の粒子に単離できるくらいの付着力しか持たない。
粒子内においては、逆に熱処理温度が高くなるに従
って焼結が進むが、気孔も同時に生成する。
って焼結が進むが、気孔も同時に生成する。
という特性を有する。
この理由については、定かでないが次の事が考えられ
る。
る。
熱処理のために充填された球状粒子は、真球形状のた
めにお互いの接触が点接触であり粒子間の接触が小さ
く、他形状の粒子のように接触面積の大きいものはみら
れない。その結果、特に良好な真球形状を有する本発明
に係る粒状アルミナ水和物粒子では、粒子間の接触が著
しく小さいため、高温度の熱処理によっても、接触面積
に比例すると思われる粒子間の焼結が進みにくい。
めにお互いの接触が点接触であり粒子間の接触が小さ
く、他形状の粒子のように接触面積の大きいものはみら
れない。その結果、特に良好な真球形状を有する本発明
に係る粒状アルミナ水和物粒子では、粒子間の接触が著
しく小さいため、高温度の熱処理によっても、接触面積
に比例すると思われる粒子間の焼結が進みにくい。
一方、球状粒子自体では、熱処理によるα−アルミナ
化までの過程で水和物の脱水や残存する未反応の硫酸根
等の分解ガス化等による微粒子化とその再配列による密
集化が生じ、密接な凝集粒になっていると思われた。そ
こで粒子間と粒子内の焼結性を比較すると、密集化によ
り密接に微粒子が集合している粒子内での焼結がより速
く進むと考えられる。特に、焼結が粒子表面より内部に
向かっていると仮定すると、他場所に比べて粒子表面は
いち速く安定となり、その焼結力も減少し、粒子間の焼
結は益々進みにくくなる。
化までの過程で水和物の脱水や残存する未反応の硫酸根
等の分解ガス化等による微粒子化とその再配列による密
集化が生じ、密接な凝集粒になっていると思われた。そ
こで粒子間と粒子内の焼結性を比較すると、密集化によ
り密接に微粒子が集合している粒子内での焼結がより速
く進むと考えられる。特に、焼結が粒子表面より内部に
向かっていると仮定すると、他場所に比べて粒子表面は
いち速く安定となり、その焼結力も減少し、粒子間の焼
結は益々進みにくくなる。
更に、球状粒子自体の内部に気孔を成長させながら進
む焼結についても、粒子表面より内部に向って進んでお
れば、焼結による強度の付与も粒子表面で、いち速く進
み強固になり、その為に、その後の内部での焼結の進行
に伴う粒子自体の収縮を妨げる。その結果、収縮により
粒子の外に気孔が追い出されることなく残存するものと
考えられる。
む焼結についても、粒子表面より内部に向って進んでお
れば、焼結による強度の付与も粒子表面で、いち速く進
み強固になり、その為に、その後の内部での焼結の進行
に伴う粒子自体の収縮を妨げる。その結果、収縮により
粒子の外に気孔が追い出されることなく残存するものと
考えられる。
即ち、球状粒子内部の焼結は、構成する微粒子同志が
焼結により互いに合一し、微粒子間に存在する空隙を追
い出すが、この焼結による合一を繰り返すことにより、
微粒子は粒成長して大きくなる。この粒成長に比例して
追い出される微粒子間に存在する空隙も増え、球状粒子
が収縮すれば粒子の外に出て行くが、収縮できない場合
は、その空隙は気孔として粒子内に残る。
焼結により互いに合一し、微粒子間に存在する空隙を追
い出すが、この焼結による合一を繰り返すことにより、
微粒子は粒成長して大きくなる。この粒成長に比例して
追い出される微粒子間に存在する空隙も増え、球状粒子
が収縮すれば粒子の外に出て行くが、収縮できない場合
は、その空隙は気孔として粒子内に残る。
このような焼結による粒成長は加熱条件により制御可
能であり、その結果、それに伴う気孔の成長(細孔径の
大きさ)も同様に制御可能であると思われる。
能であり、その結果、それに伴う気孔の成長(細孔径の
大きさ)も同様に制御可能であると思われる。
なお、本発明においては、1000〜1600℃といった高温
での熱処理を行なうため、得られる多孔質球状アルミナ
粒子が高強度であるという効果も奏される。
での熱処理を行なうため、得られる多孔質球状アルミナ
粒子が高強度であるという効果も奏される。
[実施例] 以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体
的に説明する。
的に説明する。
実施例1 試薬特級硫酸アルミニウム14〜16水塩13gと試薬特級
尿素4.8gとをビーカーに計量し、容積200mlまで純水を
加えて撹拌溶解後、樹脂フィルムにて蓋をして90±0.3
℃の高温定温槽中に24時間静置した。その結果、真球形
状の粒子が沈殿物として得られ、その平均粒子径は約10
μmであった。これを、濾過し120℃にて絶乾まで乾燥
後、白金ルツボに採り大気中1200℃の電気炉中に2時間
置いて熱処理した後、取り出した、熱処理後も粒子は真
球形状を有し、粒子同志の付着はなかった。このもの
は、X線回折の結果、α−アルミナであることが確認さ
れた(第3図)。この粒子の細孔径を水銀圧入法にてポ
ロシメータで測定したところ、細孔径分布は第1図に示
す通りであり、100Å付近に細孔径を有することが確認
された。
尿素4.8gとをビーカーに計量し、容積200mlまで純水を
加えて撹拌溶解後、樹脂フィルムにて蓋をして90±0.3
℃の高温定温槽中に24時間静置した。その結果、真球形
状の粒子が沈殿物として得られ、その平均粒子径は約10
μmであった。これを、濾過し120℃にて絶乾まで乾燥
後、白金ルツボに採り大気中1200℃の電気炉中に2時間
置いて熱処理した後、取り出した、熱処理後も粒子は真
球形状を有し、粒子同志の付着はなかった。このもの
は、X線回折の結果、α−アルミナであることが確認さ
れた(第3図)。この粒子の細孔径を水銀圧入法にてポ
ロシメータで測定したところ、細孔径分布は第1図に示
す通りであり、100Å付近に細孔径を有することが確認
された。
実施例2 実施例1と同様にして硫酸アルミニウムと尿素との反
応を行なって得られた平均粒子径約10μmの真球形状の
粒子を、濾過し120℃にて絶乾まで乾燥後、高純度アル
ミナルツボに採り大気中1550℃のカンタルスーパー炉中
に2時間置いて熱処理した後、取り出した。熱処理物は
僅かに粒子同志の付着がみられた。これはジェットミル
にて容易にもとの真球形状粒子に単離できた。この粒子
の細孔径を実施例1と同様にして測定したところ、細孔
径分布は第1図に示す通りであり、数1000Å付近に細孔
径を有することが確認された。なお、得られた粒子のSE
M写真(2000倍)を第2図に示す。
応を行なって得られた平均粒子径約10μmの真球形状の
粒子を、濾過し120℃にて絶乾まで乾燥後、高純度アル
ミナルツボに採り大気中1550℃のカンタルスーパー炉中
に2時間置いて熱処理した後、取り出した。熱処理物は
僅かに粒子同志の付着がみられた。これはジェットミル
にて容易にもとの真球形状粒子に単離できた。この粒子
の細孔径を実施例1と同様にして測定したところ、細孔
径分布は第1図に示す通りであり、数1000Å付近に細孔
径を有することが確認された。なお、得られた粒子のSE
M写真(2000倍)を第2図に示す。
以上の結果から、本発明の方法において、熱処理温度
を上げることにより、粒子内の細孔径が大きくなり、熱
処理温度を1000〜1600℃の範囲で選定することにより、
数100Å〜数1000Åの任意の細孔径を得ることができる
ことが明らかである。
を上げることにより、粒子内の細孔径が大きくなり、熱
処理温度を1000〜1600℃の範囲で選定することにより、
数100Å〜数1000Åの任意の細孔径を得ることができる
ことが明らかである。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の多孔質球状アルミナ粒子
の製造方法によれば、従来法では得ることが困難であっ
た、触媒担体、液体クロマトグラフ用充填剤等として有
用な細孔径数100Å〜数1000Åの範囲の細孔を有する、
真球状の多孔質球状アルミナ粒子を容易かつ効率的に製
造することができる。
の製造方法によれば、従来法では得ることが困難であっ
た、触媒担体、液体クロマトグラフ用充填剤等として有
用な細孔径数100Å〜数1000Åの範囲の細孔を有する、
真球状の多孔質球状アルミナ粒子を容易かつ効率的に製
造することができる。
しかも、本発明の方法によれば、 熱処理温度を選定することにより、数100Å〜数100
0Åの細孔径を任意に形成することができる。
0Åの細孔径を任意に形成することができる。
高温熱処理を行なうため、得られる粒子は安定かつ
高強度の粒子である。
高強度の粒子である。
製造条件や分級手段を選択することにより、数μm
〜数100μmまでの範囲で任意の粒径分布のものを得る
ことができる。
〜数100μmまでの範囲で任意の粒径分布のものを得る
ことができる。
等の効果も奏され、工業的に極めて有利である。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例1及び実施例2で得られた多孔質球状ア
ルミナ粒子の細孔径分布を示すグラフ、第2図は実施例
2で得られた多孔質球状アルミナ粒子の粒子構造を示す
SEM写真、第3図は実施例1で得られた多孔質球状アル
ミナ粒子のX線回折線図である。
ルミナ粒子の細孔径分布を示すグラフ、第2図は実施例
2で得られた多孔質球状アルミナ粒子の粒子構造を示す
SEM写真、第3図は実施例1で得られた多孔質球状アル
ミナ粒子のX線回折線図である。
Claims (1)
- 【請求項1】アルミニウム塩0.01〜0.2mol/濃度と加
水解離剤0.04〜0.4mol/濃度とを含む原料溶液を、80
〜98℃の範囲で選択された温度T℃に対して±1℃の範
囲内で加熱して得られた球状アルミナ水和物粒子を1000
〜1600℃の温度で熱処理することを特徴とする多孔質球
状アルミナ粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1176483A JP2639114B2 (ja) | 1989-07-07 | 1989-07-07 | 多孔質球状アルミナ粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1176483A JP2639114B2 (ja) | 1989-07-07 | 1989-07-07 | 多孔質球状アルミナ粒子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0340917A JPH0340917A (ja) | 1991-02-21 |
JP2639114B2 true JP2639114B2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=16014457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1176483A Expired - Lifetime JP2639114B2 (ja) | 1989-07-07 | 1989-07-07 | 多孔質球状アルミナ粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2639114B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107500326A (zh) * | 2017-10-24 | 2017-12-22 | 福州阳光福斯新能源科技有限公司 | 一种零排放高纯氧化铝的制备方法 |
CN111484056A (zh) * | 2020-03-25 | 2020-08-04 | 河南大学 | 一种形貌可控的中空氧化铝微球、其制备方法及应用 |
CN112374514B (zh) * | 2020-11-11 | 2022-09-30 | 广州大学 | 一种室温下双水解快速制备粒径均匀的拜尔石微球的方法 |
CN113233486B (zh) * | 2021-04-23 | 2023-03-21 | 中铝山东有限公司 | 一种类球形氧化铝及其制备方法和应用 |
-
1989
- 1989-07-07 JP JP1176483A patent/JP2639114B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0340917A (ja) | 1991-02-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Oguri et al. | Processing of anatase prepared from hydrothermally treated alkoxy-derived hydrous titania | |
KR100427005B1 (ko) | 구상으로 응집된 염기성 탄산코발트(ii) 및 구상으로 응집된 수산화코발트(ii), 그의 제조방법 및 그의 용도 | |
Hector | Materials synthesis using oxide free sol–gel systems | |
CN108339562B (zh) | 一种铁离子掺杂的氮化碳纳米管的制备方法及所得产品 | |
Choi et al. | Growth mechanism of cubic MgO granule via common ion effect | |
CA2169891A1 (en) | Alpha-alumina and method for producing the same | |
CN108996557B (zh) | 一种空心球结构氧化镍/氧化铜复合纳米材料及其制备方法 | |
JP2639114B2 (ja) | 多孔質球状アルミナ粒子の製造方法 | |
EP0889005B1 (en) | Yttrium oxide-aluminum oxide composite particles and method for the preparation thereof | |
CN111470867B (zh) | 一种碳化锆陶瓷空心微球及其制备方法 | |
Mitchell et al. | Preparation of forsterite (Mg2SiO4) powders via an aqueous route using magnesium salts and silicon tetrachloride (SiCl4) | |
KR20160040186A (ko) | 아연 화합물의 제조 및 용도 | |
US3743709A (en) | Preparation of highly porous alumina | |
JPH10245226A (ja) | 結晶質チタニア微粒子/粘土複合体およびその製造方法 | |
Hasegawa | Porous reduced ceramic monoliths derived from silicon-and titanium-based preceramic polymer gels | |
Banjerdteerakul et al. | Synthesis of mesoporous tin dioxide via sol-gel process assisted by resorcinol–formaldehyde gel | |
US4774068A (en) | Method for production of mullite of high purity | |
KR100680847B1 (ko) | 나노 세공을 갖는 니켈포스페이트 분자체의 제조방법 | |
JPH01122964A (ja) | イツトリウムで安定化されたジルコニア及びその製造方法 | |
CN108706631B (zh) | 一种矩形片状单斜氧化锆的制备方法 | |
Ocaña et al. | Preparation of uniform colloidal dispersions by chemical reactions in aerosols—V. Tin (IV) oxide | |
CN110642280A (zh) | 一种α-Al2O3纳米管及其制备方法 | |
JP3102082B2 (ja) | 耐熱性遷移アルミナの製造法 | |
CN110776020A (zh) | 一种棒组装的NiMnO3纳米花的合成方法 | |
JPH03215399A (ja) | 繊維状窒化アルミニウムの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100425 Year of fee payment: 13 |