JP2635352B2 - 不透明歯科用セラミック材料 - Google Patents
不透明歯科用セラミック材料Info
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Description
【発明の詳細な説明】 クラウン及びブリッジのような、セラミック製歯科取
付具の製造に際して使用される、歯科用基礎構造に塗布
するための不透明歯科用セラミック（陶材）ペースト、
並びにその使用法が提供される。
付具の製造に際して使用される、歯科用基礎構造に塗布
するための不透明歯科用セラミック（陶材）ペースト、
並びにその使用法が提供される。
クラウン、ブリッジ及び他の金属製歯科用基礎構造
〔コーピング（coping）〕が上張りされる（veneered）
場合には、歯科技工士はまず不透明セラミックペースト
層を塗布しかつ焼結しなければならない。この層は上張
りセラミックとの結合性を良好にし、しかも良好な美的
外観を得る上で必要な基礎構造の好ましくない金属色を
遮蔽する。
〔コーピング（coping）〕が上張りされる（veneered）
場合には、歯科技工士はまず不透明セラミックペースト
層を塗布しかつ焼結しなければならない。この層は上張
りセラミックとの結合性を良好にし、しかも良好な美的
外観を得る上で必要な基礎構造の好ましくない金属色を
遮蔽する。
不透明ペーストの塗布前に、場合により不透明スラリ
ーが焼結されてもよい。この目的のためには、不透明セ
ラミックの希薄懸濁液が混合され、塗布されて、焼結さ
れる。
ーが焼結されてもよい。この目的のためには、不透明セ
ラミックの希薄懸濁液が混合され、塗布されて、焼結さ
れる。
従来の不透明セラミックペーストは、歯科技工士によ
り水又は特製モデリング用（modeling）液体と混合され
た微細不透明セラミック粉末からなる。不透明粉末自体
は、自らの化学的組成によって温度1000℃以下で溶融し
うる微細ガラスフリット、及び不透明化剤からなる。焼
結中において、白榴石（leucite）が一部晶出するた
め、ガラスの熱膨張率は金属の熱膨張率と適合してい
る。不透明化剤の割合が高い場合には、暗色金属の良好
なマスキング（masking）を確実化することができる。
不透明材料は、それらが望ましい歯の色調のための色的
基礎を形成することから、いくつかの色調で販売されて
いる。
り水又は特製モデリング用（modeling）液体と混合され
た微細不透明セラミック粉末からなる。不透明粉末自体
は、自らの化学的組成によって温度1000℃以下で溶融し
うる微細ガラスフリット、及び不透明化剤からなる。焼
結中において、白榴石（leucite）が一部晶出するた
め、ガラスの熱膨張率は金属の熱膨張率と適合してい
る。不透明化剤の割合が高い場合には、暗色金属の良好
なマスキング（masking）を確実化することができる。
不透明材料は、それらが望ましい歯の色調のための色的
基礎を形成することから、いくつかの色調で販売されて
いる。
不透明セラミックペーストを調製する場合に、歯科技
工士は、ゆがみを生じないで金属製基礎構造に付着しう
るほど十分に粘稠であるが一方容易に塗布しえないほど
粘稠ではないペーストを得るために、ペーストの粘稠性
を調整しなければならない。この操作には多大な試行錯
誤を必要とし、しかも非常に時間を要する。
工士は、ゆがみを生じないで金属製基礎構造に付着しう
るほど十分に粘稠であるが一方容易に塗布しえないほど
粘稠ではないペーストを得るために、ペーストの粘稠性
を調整しなければならない。この操作には多大な試行錯
誤を必要とし、しかも非常に時間を要する。
従来の不透明材塗布では、非常に均一な層の厚さが得
られねばならないため、多大な時間と技術とを要する。
不透明セラミック層が薄すぎる場合には金属製基礎構造
は金属色を残してしまい、不透明層が厚すぎる場合には
後の本体及びエナメル層の十分な塗布のために残された
空間が不十分になるため、美的効果が減少してしまう。
られねばならないため、多大な時間と技術とを要する。
不透明セラミック層が薄すぎる場合には金属製基礎構造
は金属色を残してしまい、不透明層が厚すぎる場合には
後の本体及びエナメル層の十分な塗布のために残された
空間が不十分になるため、美的効果が減少してしまう。
したがって、作業室内でペーストを混合するという時
間のかかる操作を避けることができ、しかもより少ない
工程で更に容易にかつ更に均一に不透明セラミックペー
ストを歯科用基礎構造に塗布することができ、もって一
様な層の厚さが得られるような方法、及び不透明ペース
トに関する必要性が当業界に存在しているのである。
間のかかる操作を避けることができ、しかもより少ない
工程で更に容易にかつ更に均一に不透明セラミックペー
ストを歯科用基礎構造に塗布することができ、もって一
様な層の厚さが得られるような方法、及び不透明ペース
トに関する必要性が当業界に存在しているのである。
本発明は、不透明セラミックペーストを金属製基礎構
造に塗布し、塗布された不透明ペーストに平均粒径約40
μｍ〜100μｍの粗セラミック粉末を散布し、不透明層
を焼結し、及び必要なだけ更にセラミックを塗布して焼
結することからなる歯科取付具用金属製基礎構造のコー
ティング方法を提供する。散布用のセラミック粉末は、
粒子構造が焼結条件下で維持されるような熱的安定性を
有していなければならない。かかる方法は、セラミック
粉末をグリセロールのような有機液体と混合することに
より調製された調製済ペーストを用いる付加工程を含ん
でいてもよい。セラミックペーストの少なくとも１つの
付加層が次いで焼結された不透明層に加えることができ
るが、かかる付加層は場合によりセラミック粉末を有機
液体と混合することによって調製されたペーストを用い
て塗布されてもよい。好ましくは、セラミックペースト
は事前に調製されて、それが貯蔵されかつ容易に取出さ
れうるようなパッケージ中に充填される。
造に塗布し、塗布された不透明ペーストに平均粒径約40
μｍ〜100μｍの粗セラミック粉末を散布し、不透明層
を焼結し、及び必要なだけ更にセラミックを塗布して焼
結することからなる歯科取付具用金属製基礎構造のコー
ティング方法を提供する。散布用のセラミック粉末は、
粒子構造が焼結条件下で維持されるような熱的安定性を
有していなければならない。かかる方法は、セラミック
粉末をグリセロールのような有機液体と混合することに
より調製された調製済ペーストを用いる付加工程を含ん
でいてもよい。セラミックペーストの少なくとも１つの
付加層が次いで焼結された不透明層に加えることができ
るが、かかる付加層は場合によりセラミック粉末を有機
液体と混合することによって調製されたペーストを用い
て塗布されてもよい。好ましくは、セラミックペースト
は事前に調製されて、それが貯蔵されかつ容易に取出さ
れうるようなパッケージ中に充填される。
調製済で即使用可能な不透明ペースト、粗セラミック
粉末、及び場合により歯科取付具を完成させるために必
要な他のセラミック材料を含有するキットも提供され
る。
粉末、及び場合により歯科取付具を完成させるために必
要な他のセラミック材料を含有するキットも提供され
る。
本発明の方法、調製済ペースト及びキットを用いるこ
とにより、歯科技工士はより少ない工程でより少時間で
かつ長たらしくない方法でクラウン又はブリッジのよう
な歯科取付具を完成することが可能となる。提供された
調製済ペーストは、作業質内において時間を要する試行
錯誤的混合の必要性を解消する。使用されるペーストの
確実な品質管理及びそれが使用されている方法は、薄す
ぎるか又は厚すぎる不透明層を形成してしまう可能性を
減少させる。
とにより、歯科技工士はより少ない工程でより少時間で
かつ長たらしくない方法でクラウン又はブリッジのよう
な歯科取付具を完成することが可能となる。提供された
調製済ペーストは、作業質内において時間を要する試行
錯誤的混合の必要性を解消する。使用されるペーストの
確実な品質管理及びそれが使用されている方法は、薄す
ぎるか又は厚すぎる不透明層を形成してしまう可能性を
減少させる。
マクリーン（McLean）らの米国特許第4,064,311号明
細書は、金属基材上に陶材を焼結することからなるセラ
ミック品に関する方法について開示している。金属基材
はその上に載置された金属酸化物の付着層を有している
が、この層においては融合状態で陶材が混入している。
細書は、金属基材上に陶材を焼結することからなるセラ
ミック品に関する方法について開示している。金属基材
はその上に載置された金属酸化物の付着層を有している
が、この層においては融合状態で陶材が混入している。
マーチン（Martin）らの米国特許第4,557,691号明細
書は、ウレタンポリマーの水性コロイド分散液と混合さ
れた不透明陶材粉末からなる不透明陶材ペーストについ
て開示している。このペーストは歯科用コーピングに第
一層として塗布することができ、しかも陶剤層本体の付
着前に焼結されなくともよい。
書は、ウレタンポリマーの水性コロイド分散液と混合さ
れた不透明陶材粉末からなる不透明陶材ペーストについ
て開示している。このペーストは歯科用コーピングに第
一層として塗布することができ、しかも陶剤層本体の付
着前に焼結されなくともよい。
欧州特許出願第0,119,062号明細書は、陶材粉末、
水、並びに陶材粉末及び水の混合物の自然分離を回避し
うる少量の微細セラミック物質からなる陶製義歯製造用
の貯蔵可能なペースト様材料について開示している。
水、並びに陶材粉末及び水の混合物の自然分離を回避し
うる少量の微細セラミック物質からなる陶製義歯製造用
の貯蔵可能なペースト様材料について開示している。
本発明で用いられるセラミック粉末は、広義では公知
の組成物群に属する。通常、歯科用セラミックペースト
を製造するために用いられる粉末は約60μｍ未満の粒系
を有している。本発明のペーストに用いられるセラミッ
ク粉末において、粒径は約50μｍ未満、好ましくは約40
μｍ未満に保たれており、しかも粒径約２μｍ未満の粉
末が一緒に混合されている。約40〜100μｍの平均粒径
をもつ粉末は、散布工程で使用される。
の組成物群に属する。通常、歯科用セラミックペースト
を製造するために用いられる粉末は約60μｍ未満の粒系
を有している。本発明のペーストに用いられるセラミッ
ク粉末において、粒径は約50μｍ未満、好ましくは約40
μｍ未満に保たれており、しかも粒径約２μｍ未満の粉
末が一緒に混合されている。約40〜100μｍの平均粒径
をもつ粉末は、散布工程で使用される。
本発明の方法において、不透明セラミックペーストを
製造するために用いられる粉末は通常より小さな粒径に
粉砕されているか、又は粒径約２μｍ以下の一部の微細
粉末が不透明セラミック粉末に加えられており、その結
果約10〜20％のセラミック粉末は粒径約２μｍ未満のセ
ラミック粉末からなっている。微細粉末が不透明セラミ
ック粉末に加えられる場合において、添加される微細粉
末は微細不透明フリットであるか、あるいはCeO2、ZrSi
O4、SnO2、ZrO2、もしくはTiO2又はそれらの混合物のよ
うな不透明化剤である。これらの不透明化剤が微細な粒
径で製造者から供給される場合には、それらは再度粉砕
されなくともよい。
製造するために用いられる粉末は通常より小さな粒径に
粉砕されているか、又は粒径約２μｍ以下の一部の微細
粉末が不透明セラミック粉末に加えられており、その結
果約10〜20％のセラミック粉末は粒径約２μｍ未満のセ
ラミック粉末からなっている。微細粉末が不透明セラミ
ック粉末に加えられる場合において、添加される微細粉
末は微細不透明フリットであるか、あるいはCeO2、ZrSi
O4、SnO2、ZrO2、もしくはTiO2又はそれらの混合物のよ
うな不透明化剤である。これらの不透明化剤が微細な粒
径で製造者から供給される場合には、それらは再度粉砕
されなくともよい。
本発明の方法において、不透明粉末は沸点300℃下の
有機液体と混合されて、ペーストを形成する。使用され
る有機液体は、所要焼結時間を引伸ばすものであっては
ならず、かつ焼結中にいかなる有害ガスも発生してはな
らない。本発明の方法で使用されうる有機液体は、グリ
セロール類、グリコール類、それらの誘導体又はジメチ
ルスルホキシドから選択される。特に好ましくはグリセ
ロールである。ペーストの粘度を高めるアルギン酸塩及
び安定化塩のような添加剤も使用可能である。ペースト
の粘稠性は、それがブラシの一塗りで金属製基礎構造に
均一層として塗布されうるように調整されなければなら
ない。
有機液体と混合されて、ペーストを形成する。使用され
る有機液体は、所要焼結時間を引伸ばすものであっては
ならず、かつ焼結中にいかなる有害ガスも発生してはな
らない。本発明の方法で使用されうる有機液体は、グリ
セロール類、グリコール類、それらの誘導体又はジメチ
ルスルホキシドから選択される。特に好ましくはグリセ
ロールである。ペーストの粘度を高めるアルギン酸塩及
び安定化塩のような添加剤も使用可能である。ペースト
の粘稠性は、それがブラシの一塗りで金属製基礎構造に
均一層として塗布されうるように調整されなければなら
ない。
上記本発明のペーストを用いた場合には、従来技術で
記載されているような不透明スラリーの複数回塗布及び
焼結工程に関する必要性を解消しうる。
記載されているような不透明スラリーの複数回塗布及び
焼結工程に関する必要性を解消しうる。
便宜上、所要量が技工士によって簡単に押出されるよ
うに、不透明セラミックペーストはチューブ又はシリン
ジ中に調製後充填されていることが好ましい。工場でペ
ーストを予め調製しておくことは、特定の粘度をもつペ
ースト及びそれを使用する組成物が全部一定に製造され
ることを確実化するため、作業室内で時間のかかるペー
スト調製を省略しうるようになる。微細粒子、即ち径２
μｍ以下の粒子の添加又は存在は、ペースト貯蔵中にお
けるその中での歯科用粉末からの有機液体の分離を防止
し、かつペーストの塗布性を改善する。
うに、不透明セラミックペーストはチューブ又はシリン
ジ中に調製後充填されていることが好ましい。工場でペ
ーストを予め調製しておくことは、特定の粘度をもつペ
ースト及びそれを使用する組成物が全部一定に製造され
ることを確実化するため、作業室内で時間のかかるペー
スト調製を省略しうるようになる。微細粒子、即ち径２
μｍ以下の粒子の添加又は存在は、ペースト貯蔵中にお
けるその中での歯科用粉末からの有機液体の分離を防止
し、かつペーストの塗布性を改善する。
ペースト層が塗布された後、被覆された基礎構造に平
均粒径40μｍ〜100μｍの粗セラミック粉末が散布され
る。散布工程では、粗セラミック粉末が幅広い乾燥した
ブラシに取着される。ブラシは目的物の上でたたかれ、
その結果粗粉末粒子が塗りたてのペースト上に散布され
る、他の散布手段は当業者にとって明らかであろう。
均粒径40μｍ〜100μｍの粗セラミック粉末が散布され
る。散布工程では、粗セラミック粉末が幅広い乾燥した
ブラシに取着される。ブラシは目的物の上でたたかれ、
その結果粗粉末粒子が塗りたてのペースト上に散布され
る、他の散布手段は当業者にとって明らかであろう。
使用される粗セラミック粉末としては、セラミックペ
ースト組成物を焼結させるために必要な条件下で熱的安
定性を有するものを選択することが好ましい。即ち、粗
粒子は、基礎構造が焼結された場合にセラミックペース
トと強い焼結結合を形成する一方で、サンドペーパーの
表面と類似した粗粒状表面が得られるような焼結によっ
て粒子が著しく融解又は湾曲したりしない性質を有して
いる。
ースト組成物を焼結させるために必要な条件下で熱的安
定性を有するものを選択することが好ましい。即ち、粗
粒子は、基礎構造が焼結された場合にセラミックペース
トと強い焼結結合を形成する一方で、サンドペーパーの
表面と類似した粗粒状表面が得られるような焼結によっ
て粒子が著しく融解又は湾曲したりしない性質を有して
いる。
一方、特に大きな粉末粒子が散布工程で使用される場
合には、粒子構造の実質的部分が焼結中に維持されるよ
うな熱的安定性を有するセラミック粉末が選択され、そ
の際には上記のようなサンドペーパー状表面が得られ
る。
合には、粒子構造の実質的部分が焼結中に維持されるよ
うな熱的安定性を有するセラミック粉末が選択され、そ
の際には上記のようなサンドペーパー状表面が得られ
る。
次いで、セラミックペーストの第二層は基本構造に塗
布されてセラミック不透明層表面上の粗粒子突出物間の
ギャップを埋め、しかる後焼結される。
布されてセラミック不透明層表面上の粗粒子突出物間の
ギャップを埋め、しかる後焼結される。
なお、焼結前に、セラミック第二層は歯の異色性を模
写させるために着色しておいてもよい。当業者であれば
知っているように、天然歯は完全になめらかではなく、
しかも完全に同一の色調を有しているわけでもない。し
たがって、完全に同一の色調を有する人工歯が得られた
場合には、それらは自然のものに見えない。この問題を
解消しかつ自然の外観を作出するため、通常人工歯は焼
結される前に微細ガラス融剤及び顔料からなる着色ペー
ストで被覆され、再び焼結される。焼結中に着色ペース
トはセラミックと融合して、セラミックと融合した着色
表面を与える。不透明層を塗布する従来の方法では、１
回目の焼結は着色ペーストの塗布前に必要とされるが、
その理由は明らかに未焼結セラミックが“湿潤”着色ペ
ーストと適合するほどには十分安定でないためである。
本発明のセラミックペースト及び方法を利用する場合、
着色ペーストは焼結前にセラミック第二層に塗布するこ
とができるため、最終製品の製造に必要な工程数を更に
減少することができる。当業者であれば知っているよう
に、着色ペーストは着色物粉末（微細ガラス融剤及び顔
料）の乾燥製品をモデリング用液体と混合することによ
って製造することができる。本発明におけるモデリング
用液体は、グリセロール、グリコール、それらの誘導体
又はジメチルスルホキシドのような沸点300℃未満の有
機液体である。本発明において、必要であれば、着色ペ
ーストは焼結前にセラミックの未焼結層と混合させてお
くこともできる。
写させるために着色しておいてもよい。当業者であれば
知っているように、天然歯は完全になめらかではなく、
しかも完全に同一の色調を有しているわけでもない。し
たがって、完全に同一の色調を有する人工歯が得られた
場合には、それらは自然のものに見えない。この問題を
解消しかつ自然の外観を作出するため、通常人工歯は焼
結される前に微細ガラス融剤及び顔料からなる着色ペー
ストで被覆され、再び焼結される。焼結中に着色ペース
トはセラミックと融合して、セラミックと融合した着色
表面を与える。不透明層を塗布する従来の方法では、１
回目の焼結は着色ペーストの塗布前に必要とされるが、
その理由は明らかに未焼結セラミックが“湿潤”着色ペ
ーストと適合するほどには十分安定でないためである。
本発明のセラミックペースト及び方法を利用する場合、
着色ペーストは焼結前にセラミック第二層に塗布するこ
とができるため、最終製品の製造に必要な工程数を更に
減少することができる。当業者であれば知っているよう
に、着色ペーストは着色物粉末（微細ガラス融剤及び顔
料）の乾燥製品をモデリング用液体と混合することによ
って製造することができる。本発明におけるモデリング
用液体は、グリセロール、グリコール、それらの誘導体
又はジメチルスルホキシドのような沸点300℃未満の有
機液体である。本発明において、必要であれば、着色ペ
ーストは焼結前にセラミックの未焼結層と混合させてお
くこともできる。
代わりに又は更に、顔料は例えば羊皮紙又は可燃性ポ
リマーの基材上に印刷されて、焼結前にセラミック上に
おかれてもよい。焼結中に基材は焼去又は蒸発して、顔
料をセラミックに融合させる。
リマーの基材上に印刷されて、焼結前にセラミック上に
おかれてもよい。焼結中に基材は焼去又は蒸発して、顔
料をセラミックに融合させる。
以上のように、着色層は更に焼結させなくとも歯科取
付具に形成させることができる。
付具に形成させることができる。
当業者であれば知っているように、使用される第一ペ
ースト層はそれが覆うべき金属を完全にマスクするため
に特に不透明に調整され、かつ金属と良好な結合を形成
するように配合される。第二層は所望の歯の色調に合わ
せて調製される。象牙室及びエナメル質層は事が順調に
運べば加えられてもよい。
ースト層はそれが覆うべき金属を完全にマスクするため
に特に不透明に調整され、かつ金属と良好な結合を形成
するように配合される。第二層は所望の歯の色調に合わ
せて調製される。象牙室及びエナメル質層は事が順調に
運べば加えられてもよい。
不透明セラミック第一層に散布される粗セラミック粒
子は、技工士が均一層を得るために粒子間のギャップを
埋めることのみに集中すればよいため、セラミックペー
スト第二層の付加を容易化させる。しかも、端々まで積
重なった壁のレンガのように、粒子は次のセラミック層
の結合性を改善するためのポスト又はアンカーとして機
能する。
子は、技工士が均一層を得るために粒子間のギャップを
埋めることのみに集中すればよいため、セラミックペー
スト第二層の付加を容易化させる。しかも、端々まで積
重なった壁のレンガのように、粒子は次のセラミック層
の結合性を改善するためのポスト又はアンカーとして機
能する。
粗粒子間の空間に形成される不透明ペーストの第二層
において、組成物中にTiO2又はSnO2のように不透明化さ
せる酸化物を更に加えることは、それらの高い不透明化
作用の理由から望ましくない。第二層に用いられるペー
スト中で歯科用粉末とモデリング用液体との分離を防止
するためには、約３％の疎水性エァロジル〔例えば、デ
グッサR972（Degussa R972）〕が有機液体（好ましく
は、グリセロール）に加えられることが好ましい。この
ペーストの塗布性は微粒子（２μｍ未満）が存在しない
故に第一層の塗布性ほど良好ではないが、第二層の高い
塗布性は、第一ペースト層上で焼結される粗粒子の存在
の故に第二層の塗布が容易であることから、必要とされ
ない。
において、組成物中にTiO2又はSnO2のように不透明化さ
せる酸化物を更に加えることは、それらの高い不透明化
作用の理由から望ましくない。第二層に用いられるペー
スト中で歯科用粉末とモデリング用液体との分離を防止
するためには、約３％の疎水性エァロジル〔例えば、デ
グッサR972（Degussa R972）〕が有機液体（好ましく
は、グリセロール）に加えられることが好ましい。この
ペーストの塗布性は微粒子（２μｍ未満）が存在しない
故に第一層の塗布性ほど良好ではないが、第二層の高い
塗布性は、第一ペースト層上で焼結される粗粒子の存在
の故に第二層の塗布が容易であることから、必要とされ
ない。
粗セラミック粒子の使用に起因する粗表面は、シラン
結合剤がアクリル系樹脂上張り塗布かつ重合させるため
に使用される場合に利用することができる。本発明は接
着結合技術に関しても利用しうる。双方の方法とも当業
界において周知である。
結合剤がアクリル系樹脂上張り塗布かつ重合させるため
に使用される場合に利用することができる。本発明は接
着結合技術に関しても利用しうる。双方の方法とも当業
界において周知である。
本発明の方法は、複数層のペーストの塗布が更に容易
化されていることから、歯科技工士の少なからぬ時間を
節約しうるという利点を有している。技術が簡素化さ
れ、しかも作業室内でペーストを混合する時の試行錯誤
に要する時間が実質上省略されることから、材料の浪費
量は低下する。不透明層は特に薄くかつ均一に形成され
るため、本体及びエナメル層のために十分な空間を設け
ることができ、その結果良好な美的外観が得られるよう
になる。更に、技術が簡素化されかつより均一な層が得
られるようになったため、欠陥の発生頻度が低下する。
化されていることから、歯科技工士の少なからぬ時間を
節約しうるという利点を有している。技術が簡素化さ
れ、しかも作業室内でペーストを混合する時の試行錯誤
に要する時間が実質上省略されることから、材料の浪費
量は低下する。不透明層は特に薄くかつ均一に形成され
るため、本体及びエナメル層のために十分な空間を設け
ることができ、その結果良好な美的外観が得られるよう
になる。更に、技術が簡素化されかつより均一な層が得
られるようになったため、欠陥の発生頻度が低下する。
第一不透明層のために用いられる組成物の例として
は、下記のものがある。
は、下記のものがある。
実施例 第一層用不透明材の組成： SiO2 42 重量％ Al2O3 12 重量％ K2O ８ 重量％ Na2O ４ 重量％ Li2O 0.5重量％ CaO 1.5重量％ B2O3 １ 重量％ ZrO2 １ 重量％ SnO2 10 重量％ TiO2 20重量％ すべての酸化物が微細ガラスフリットの成分である。
TiO2のみが微粉末としての存在を確保するために混合さ
れているが、これはペーストの良好な塗布性を確保する
上で必要とされる。
TiO2のみが微粉末としての存在を確保するために混合さ
れているが、これはペーストの良好な塗布性を確保する
上で必要とされる。
第二層用不透明ペーストの組成は、不透明化剤の一部
が所望の歯の色調を作出するために顔料で代用されるこ
とから、上記組成とわずかに異なる。
が所望の歯の色調を作出するために顔料で代用されるこ
とから、上記組成とわずかに異なる。
TiO2を含有しない不透明材は、下記の粒子径分布を有
する： ＜５ ＜12 ＜24 ＜40 μｍ 21 66 98 100 ％ 平均すると、TiO2は約１μｍ未満の粒系を有してい
る。
する： ＜５ ＜12 ＜24 ＜40 μｍ 21 66 98 100 ％ 平均すると、TiO2は約１μｍ未満の粒系を有してい
る。
ペーストは下記組成を有する： 不透明粉末 67.7重量％ グリセロール 32.0重量％ ミョウバン又は他の安定化塩 0.3重量％ 不透明ペーストが歯科取付具用基礎構造に塗布された
後において、その上に塗布される粗セラミック粉末は、
下記組成を有する： SiO2 56 重量％ Al2O3 13 重量％ K2O 9 重量％ Na2O 4 重量％ CeO2 18 重量％ 使用される節分画：＜80μｍ ＞40μｍ 実施例で記載されたペースト及び散布粉末は約980℃
で焼結される。
後において、その上に塗布される粗セラミック粉末は、
下記組成を有する： SiO2 56 重量％ Al2O3 13 重量％ K2O 9 重量％ Na2O 4 重量％ CeO2 18 重量％ 使用される節分画：＜80μｍ ＞40μｍ 実施例で記載されたペースト及び散布粉末は約980℃
で焼結される。
便宜上、本発明の方法に用いられる材料はキットとし
て提供することができる。
て提供することができる。
既知の焼結性をもつ調製済の不透明ペーストは、調製
剤ペーストを焼結させるために必要な焼結条件下におい
て本方法で要求される熱的安定性を有する粗セラミック
粉末と一緒に、キットに収納される。別々の塗布用に異
なる性質を有しかつ異なる焼結条件を要する２種以上の
セラミックペーストと２種以上の粗セラミック粉末が同
一キットに収納される場合には、それらを含有したパッ
ケージは正しい粗セラミック粉末が正しいセラミックペ
ーストと組合わされるように色分けしておいてもよい。
当業者であれば明らかなように、当業界で公知の物理的
性質を比較することにより、多数の特定セラミック組成
物が多数の特定散布粉末と適合するであろう。
剤ペーストを焼結させるために必要な焼結条件下におい
て本方法で要求される熱的安定性を有する粗セラミック
粉末と一緒に、キットに収納される。別々の塗布用に異
なる性質を有しかつ異なる焼結条件を要する２種以上の
セラミックペーストと２種以上の粗セラミック粉末が同
一キットに収納される場合には、それらを含有したパッ
ケージは正しい粗セラミック粉末が正しいセラミックペ
ーストと組合わされるように色分けしておいてもよい。
当業者であれば明らかなように、当業界で公知の物理的
性質を比較することにより、多数の特定セラミック組成
物が多数の特定散布粉末と適合するであろう。
不透明ペースト以外に、キットは本体層、象牙質及び
エナメル質層並びに他の必要な慣用的材料のために用い
られる別のセラミックに関して提供されてもよい。可能
な程度まで、これらの材料は調製済のペーストとして又
は慣用的状態で供給される。例えば上記のように、第二
不透明層のペースト組成物が供給される。
エナメル質層並びに他の必要な慣用的材料のために用い
られる別のセラミックに関して提供されてもよい。可能
な程度まで、これらの材料は調製済のペーストとして又
は慣用的状態で供給される。例えば上記のように、第二
不透明層のペースト組成物が供給される。
本発明の具体的状態が本発明書において記載されてき
たが、本発明は特定請求の範囲から逸脱しない限り改良
されかつ様々に実施されうることが当業者であれば明ら
かであろう。
たが、本発明は特定請求の範囲から逸脱しない限り改良
されかつ様々に実施されうることが当業者であれば明ら
かであろう。
Claims (14)
- 【請求項１】歯科取付具用金属構造をコーティングする
ための方法であって、 上記金属構造を不透明セラミックペーストでコーティン
グし、上記不透明セラミックペーストに平均粒径約40μ
ｍ〜約100μｍの粗セラミック粉末を散布し、該粉末は
上記粒子構造の少なくとも実質的部分が上記コーティン
グの焼結条件下で維持されるような熱的安定性を有して
いる、セラミック不透明ペーストの少なくとも１つの付
加層を塗布し、及びセラミック不透明ペーストの上記少
なくとも１つの付加層を焼結する諸工程からなることを
特徴とする方法。 - 【請求項２】セラミック粉末を沸点約300℃未満の有機
液体と混合することにより不透明セラミックペーストを
調製する工程を含む、請求項１に記載の方法。 - 【請求項３】有機液体がグリセロール、グリコール、そ
れらの誘導体又はジメチルスルホキシドからなる群より
選択され、かつセラミックペーストがSnO2、CeO2、T
iO2、ZrO2、ZrSiO4又はそれらの混合物の微細粉末を含
有する請求項２に記載の方法。 - 【請求項４】最初の不透明ペーストに使用されるセラミ
ック粉末が粒径約40μｍ未満の粒子を含有する、請求項
１に記載の方法。 - 【請求項５】その粉末の約10％〜約20％が約２μｍ未満
の粒径を有する、請求項４に記載の方法。 - 【請求項６】歯科用セラミック粉末を有機液体と混合す
ることによりセラミックの少なくとも１つの付加層に使
用されるセラミック不透明ペーストを調製する工程を更
に含む、請求項１に記載の方法。 - 【請求項７】粗セラミック物質の突出粒子間のギャップ
が埋められるような方法で不透明ペーストの第二層を塗
布する工程を含む、請求項１に記載の方法。 - 【請求項８】不透明ペーストの第二層に着色ペーストを
塗布する工程を含む、請求項７に記載の方法。 - 【請求項９】着色ペーストの乾燥製品をグリセロール、
グリコール、それらの誘導体又はジメチルスルホキシド
からなる群より選択される有機液体と混合することによ
り着色ペーストを調製する工程を含む、請求項８に記載
の方法。 - 【請求項１０】少なくとも１種の調製済で即使用可能な
不透明セラミックペースト；及び 平均粒径約40μｍ〜100μｍのセラミック粉末、該セラ
ミック粉末は、上記粒子構造の少なくとも一部が焼結条
件下で維持されるような熱的安定性を有している； からなることを特徴とする歯科取付具製造用キット。 - 【請求項１１】調製済の不透明ペーストが該ペーストの
簡易取出用のシリンジ中に充填されていて、慣用的な象
牙質及びエナメル質層用の材料を含有しており、かつセ
ラミック不透明ペーストがセラミック粉末を沸点300℃
未満の有機液体と混合することにより調製されている、
請求項10に記載のキット。 - 【請求項１２】有機液体がグリセロール、グリコール、
それらの誘導体又はジメチルスルホキシドからなる群よ
り選択される、請求項11に記載のキット。 - 【請求項１３】調製済の不透明セラミックペーストが粒
径約40μｍ未満のセラミック粉末を用いて調製されてお
り、該粉末がSnO2、CeO2、TiO2、ZrO2、ZrSiO4又はそれ
らの混合物からなる、請求項10に記載のキット。 - 【請求項１４】歯科用セラミック粉末、該粉末の約80％
〜90％が粒径約40μｍ未満の微細ガラスフリットの酸化
物からなり、約10％〜12％が粒径約２μｍ未満の微細ガ
ラスフリット又は不透明剤からなる、及びグリセロール
からなる調製済の不透明セラミックペースト。
Applications Claiming Priority (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US07/018,211 US4806383A (en) | 1987-02-24 | 1987-02-24 | Method of applying opaque dental cermic material to a metal structure |
| US018,211 | 1987-02-24 | ||
| US18,211 | 1987-10-15 | ||
| US07/109,140 US4879136A (en) | 1987-02-24 | 1987-10-15 | Method of applying opaque dental ceramic material to a metal structure |
| US109,140 | 1987-10-15 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01125312A JPH01125312A (ja) | 1989-05-17 |
| JP2635352B2 true JP2635352B2 (ja) | 1997-07-30 |
Family
ID=26690859
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63039752A Expired - Lifetime JP2635352B2 (ja) | 1987-02-24 | 1988-02-24 | 不透明歯科用セラミック材料 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4879136A (ja) |
| JP (1) | JP2635352B2 (ja) |
| AU (1) | AU605550B2 (ja) |
Families Citing this family (24)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5192530A (en) * | 1987-01-30 | 1993-03-09 | Colgate-Palmolive Company | Antibacterial antiplaque oral composition |
| US5178851A (en) * | 1987-01-30 | 1993-01-12 | Colgate-Palmolive Company | Antiplaque antibacterial oral composition |
| US5180578A (en) * | 1987-01-30 | 1993-01-19 | Colgate-Palmolive Company | Antibacterial antiplaque anticalculus oral composition |
| US5188821A (en) * | 1987-01-30 | 1993-02-23 | Colgate-Palmolive Company | Antibacterial antiplaque oral composition mouthwash or liquid dentifrice |
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| DE4119483A1 (de) * | 1991-06-13 | 1992-12-24 | Ivoclar Ag | Mischung und verwendung derselben |
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| EP2828100B1 (en) | 2012-03-20 | 2018-05-16 | Biomet 3i, LLC | Surface treatment for an implant surface |
| CN111467246A (zh) | 2019-01-23 | 2020-07-31 | 株式会社松风 | 牙科用陶材膏 |
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1987
- 1987-10-15 US US07/109,140 patent/US4879136A/en not_active Expired - Lifetime
-
1988
- 1988-02-22 AU AU12043/88A patent/AU605550B2/en not_active Expired
- 1988-02-24 JP JP63039752A patent/JP2635352B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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|---|---|
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| AU605550B2 (en) | 1991-01-17 |
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