JP2633344B2 - 水素ガス精製装置のＰｄ合金パイプのろう付け方法 - Google Patents
水素ガス精製装置のＰｄ合金パイプのろう付け方法Info
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- JP2633344B2 JP2633344B2 JP2552789A JP2552789A JP2633344B2 JP 2633344 B2 JP2633344 B2 JP 2633344B2 JP 2552789 A JP2552789 A JP 2552789A JP 2552789 A JP2552789 A JP 2552789A JP 2633344 B2 JP2633344 B2 JP 2633344B2
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、水素ガス精製装置のPd合金パイプのろう付
け方法に関する。
け方法に関する。
（従来の技術） 水素ガス精製方法の一つにPd−Ag合金薄膜透過法があ
る。これを実施するに用いられる水素ガス精製装置は、
第２図に示す如く多数のPd−Ag合金の薄膜のパイプ１の
下端1aを密封し、上端部1bをSUS製カップ２の底2aのパ
イプ貫通穴３に貫通し、ろう付けして成るもので、パイ
プ１の外側に加圧された原料水素ガスを供給し、一定温
度（通常200〜300℃）まで昇温することにより、パイプ
１の表面に接触している水素分子が原子状に解離し、Pd
と固溶体を形成し、Pd合金内にとり込まれる。そして金
属内に吸蔵された水素原子は、パイプ１内外の水素分圧
により、その圧力が高いパイプ１の外側から低い内側へ
拡散し、その内外表面で再度水素分子となり、原料水素
ガスに含有されている多くの不純物はPd合金と反応しな
い為、パイプ１の外側に残留し、原料水素ガスは完全に
精製される。
る。これを実施するに用いられる水素ガス精製装置は、
第２図に示す如く多数のPd−Ag合金の薄膜のパイプ１の
下端1aを密封し、上端部1bをSUS製カップ２の底2aのパ
イプ貫通穴３に貫通し、ろう付けして成るもので、パイ
プ１の外側に加圧された原料水素ガスを供給し、一定温
度（通常200〜300℃）まで昇温することにより、パイプ
１の表面に接触している水素分子が原子状に解離し、Pd
と固溶体を形成し、Pd合金内にとり込まれる。そして金
属内に吸蔵された水素原子は、パイプ１内外の水素分圧
により、その圧力が高いパイプ１の外側から低い内側へ
拡散し、その内外表面で再度水素分子となり、原料水素
ガスに含有されている多くの不純物はPd合金と反応しな
い為、パイプ１の外側に残留し、原料水素ガスは完全に
精製される。
斯かる水素ガス精製装置のSUS製カップ２の底2aに貫
通したパイプ１の上端部1bをろう付けするには、従来第
３図に示す如くパイプ１の上端部1bの周囲に粉末ろう材
４をふりまいてろう付けするか、または第４図に示す如
く個々のパイプ１の上端部1bの外周にリング状又はパイ
プ状のろう材５を嵌装してろう付けしていた。
通したパイプ１の上端部1bをろう付けするには、従来第
３図に示す如くパイプ１の上端部1bの周囲に粉末ろう材
４をふりまいてろう付けするか、または第４図に示す如
く個々のパイプ１の上端部1bの外周にリング状又はパイ
プ状のろう材５を嵌装してろう付けしていた。
（発明が解決しようとする課題） ところで、第３図の如く粉末ろう材４をパイプ１の上
端部1bの周囲にふりまいてろう付けする方法では、パイ
プ１内に粉末ろう材４が入ってしまい、パイプ１の水素
ガス精製機能を阻害することがあり、また粉末ろう材４
のふりまきの不均一さによりろう回り不良が生じて、ろ
う付けにむらが生じる為、高価なろう材（Au−Niろう）
を多量に使用せざるを得なかった。また第４図の如くリ
ング状又はパイプ状のろう材５をパイプ１の上端部1bの
外周に嵌装してろう付けする方法では、パイプ１の本数
が多い為、ろう付け準備に手間がかかり、甚だ作業性が
悪かった。
端部1bの周囲にふりまいてろう付けする方法では、パイ
プ１内に粉末ろう材４が入ってしまい、パイプ１の水素
ガス精製機能を阻害することがあり、また粉末ろう材４
のふりまきの不均一さによりろう回り不良が生じて、ろ
う付けにむらが生じる為、高価なろう材（Au−Niろう）
を多量に使用せざるを得なかった。また第４図の如くリ
ング状又はパイプ状のろう材５をパイプ１の上端部1bの
外周に嵌装してろう付けする方法では、パイプ１の本数
が多い為、ろう付け準備に手間がかかり、甚だ作業性が
悪かった。
そこで本発明は、パイプ内にろう材が入らず、ろう付
けむらが生ぜず、ろう付けの準備作業に手間がかから
ず、安定したろう付け強度が得られる水素ガス精製装置
のPd合金パイプのろう付け方法を提供しようとするもの
である。
けむらが生ぜず、ろう付けの準備作業に手間がかから
ず、安定したろう付け強度が得られる水素ガス精製装置
のPd合金パイプのろう付け方法を提供しようとするもの
である。
（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するための本発明の水素ガス精製装置
のPd合金パイプのろう付け方法は、SUS製カップの底に
穿設した多数のパイプ貫通穴と同一寸法形状のパイプ貫
通穴を同一位置に穿設した板状ろう材を、前記SUS製カ
ップ内の底に重合して相互のパイプ貫通穴を合致させ、
然る後このパイプ貫通穴にPd合金パイプの上端部を一定
長さ貫通し、板状ろう材にてSUS製カップ内の底にろう
付けすることを特徴とするものである。
のPd合金パイプのろう付け方法は、SUS製カップの底に
穿設した多数のパイプ貫通穴と同一寸法形状のパイプ貫
通穴を同一位置に穿設した板状ろう材を、前記SUS製カ
ップ内の底に重合して相互のパイプ貫通穴を合致させ、
然る後このパイプ貫通穴にPd合金パイプの上端部を一定
長さ貫通し、板状ろう材にてSUS製カップ内の底にろう
付けすることを特徴とするものである。
（作用） 上述の如く本発明の水素ガス精製装置のPd合金パイプ
のろう付け方法は、Pd合金パイプの上端部を貫通する穴
を多数有するSUS製カップの底と同一構造の板状ろう材
を前記SUS製カップの底に重合して相互のパイプ貫通穴
を合致させ、その貫通穴にPd合金パイプの上端部を一定
長さ貫通させて板状ろう材にてSUS製カップの底にろう
付けするのであるから、従来のようにろう材がPd合金パ
イプ内に入ることが無い。また各Pd合金パイプの上端部
周囲に均一な量のろう材が配されることになるので、ろ
う付けむら及びリークが無くなり、ろう付け強度が安定
する。さらに板状ろう材はSUS製カップの底に重合し、
パイプ貫通穴を合致させ、その合致したパイプ貫通穴に
Pd合金パイプの上端部を貫通後直ちにろう付けできるの
で、ろう付けの準備作業に手間がかからず、作業性が良
い。
のろう付け方法は、Pd合金パイプの上端部を貫通する穴
を多数有するSUS製カップの底と同一構造の板状ろう材
を前記SUS製カップの底に重合して相互のパイプ貫通穴
を合致させ、その貫通穴にPd合金パイプの上端部を一定
長さ貫通させて板状ろう材にてSUS製カップの底にろう
付けするのであるから、従来のようにろう材がPd合金パ
イプ内に入ることが無い。また各Pd合金パイプの上端部
周囲に均一な量のろう材が配されることになるので、ろ
う付けむら及びリークが無くなり、ろう付け強度が安定
する。さらに板状ろう材はSUS製カップの底に重合し、
パイプ貫通穴を合致させ、その合致したパイプ貫通穴に
Pd合金パイプの上端部を貫通後直ちにろう付けできるの
で、ろう付けの準備作業に手間がかからず、作業性が良
い。
（実施例） 本発明の水素ガス精製装置のPd合金パイプのろう付け
方法の一実施例を図によって説明すると、第１図ａに示
す如く外径23mm、内径21mm、深さ30mm、肉厚1mmのSUS31
6L製のカップ２の底2aに千鳥配列に0.2mm間隔に穿設し
た40個の内径1.7mmのパイプ貫通穴３と、同一寸法形状
のパイプ貫通穴６を同一位置に穿設した外径20.5mm、厚
さ0.3mmのAu−Ni18wt％より成る板状ろう材７を、第１
図ｂに示す如く前記カップ２内の底2aに重合して相互の
パイプ貫通穴３、６を合致させ、然る後このパイプ貫通
穴３、６に第１図ｃに示す如く外径1.6mm、内径1.472m
m、長さ640mmのPd−Ag23wt％合金より成るパイプ１の上
端部1bを貫通して10mm突出させ、超高純度H2雰囲気中で
1050℃にて板状ろう材７を溶融して、Pd−Ag23wt％合金
パイプ１の上端部1bをカップ２内の底2aにろう付けし
た。
方法の一実施例を図によって説明すると、第１図ａに示
す如く外径23mm、内径21mm、深さ30mm、肉厚1mmのSUS31
6L製のカップ２の底2aに千鳥配列に0.2mm間隔に穿設し
た40個の内径1.7mmのパイプ貫通穴３と、同一寸法形状
のパイプ貫通穴６を同一位置に穿設した外径20.5mm、厚
さ0.3mmのAu−Ni18wt％より成る板状ろう材７を、第１
図ｂに示す如く前記カップ２内の底2aに重合して相互の
パイプ貫通穴３、６を合致させ、然る後このパイプ貫通
穴３、６に第１図ｃに示す如く外径1.6mm、内径1.472m
m、長さ640mmのPd−Ag23wt％合金より成るパイプ１の上
端部1bを貫通して10mm突出させ、超高純度H2雰囲気中で
1050℃にて板状ろう材７を溶融して、Pd−Ag23wt％合金
パイプ１の上端部1bをカップ２内の底2aにろう付けし
た。
一方、従来例として第３図に示す如く実施例のカップ
２と同一構造のカップ２の底2aのパイプ貫通穴３に、実
施例のパイプ１と同一のパイプ１の上端部を貫通して10
mm突出させ、その突出端の周囲に粒径20〜50μｍのAu−
Ni18wt％合金の粉末ろう材４を厚さ1mmとなるようにふ
りまいた後、実施例と同じろう付け条件にてパイプ１の
上端部1bをカップ２内の底2aにろう付けした。
２と同一構造のカップ２の底2aのパイプ貫通穴３に、実
施例のパイプ１と同一のパイプ１の上端部を貫通して10
mm突出させ、その突出端の周囲に粒径20〜50μｍのAu−
Ni18wt％合金の粉末ろう材４を厚さ1mmとなるようにふ
りまいた後、実施例と同じろう付け条件にてパイプ１の
上端部1bをカップ２内の底2aにろう付けした。
こうしてPd−Ag23wt％合金パイプ１の上端部をSUS316
L製のカップ２内の底2aに貫通しろう付けして得た実施
例及び従来例の水素ガス精製装置のPd−Ag23wt％合金パ
イプ１のろう付け部分を検査した処、従来例のものはろ
う回り不良によるリークがパイプ40本中11本もあったの
に対し、実施例のものにはそのようなろう回り不良によ
るリークは皆無であった。
L製のカップ２内の底2aに貫通しろう付けして得た実施
例及び従来例の水素ガス精製装置のPd−Ag23wt％合金パ
イプ１のろう付け部分を検査した処、従来例のものはろ
う回り不良によるリークがパイプ40本中11本もあったの
に対し、実施例のものにはそのようなろう回り不良によ
るリークは皆無であった。
（発明の効果） 以上の説明で判るように本発明の水素ガス精製装置の
Pd合金パイプのろう付け方法によれば、従来のようにろ
う材がPd合金パイプ内に入ることが無いので、Pd合金パ
イプの水素ガス精製機能を阻害することが無い。また各
Pd合金パイプの上端部周囲に均一な量のろう材が配され
ることになるので、ろう付けむら及びリークが無くな
り、ろう付け強度が安定する。さらに板状ろう材をカッ
プの底に重合し、パイプ貫通穴を合致させ、その合致し
たパイプ貫通穴にPd合金パイプの上端部を貫通後直ちに
ろう付けできるので、ろう付けの準備作業に手間がかか
らない等の効果がある。
Pd合金パイプのろう付け方法によれば、従来のようにろ
う材がPd合金パイプ内に入ることが無いので、Pd合金パ
イプの水素ガス精製機能を阻害することが無い。また各
Pd合金パイプの上端部周囲に均一な量のろう材が配され
ることになるので、ろう付けむら及びリークが無くな
り、ろう付け強度が安定する。さらに板状ろう材をカッ
プの底に重合し、パイプ貫通穴を合致させ、その合致し
たパイプ貫通穴にPd合金パイプの上端部を貫通後直ちに
ろう付けできるので、ろう付けの準備作業に手間がかか
らない等の効果がある。
第１図ａ乃至ｃは本発明の水素ガス精製装置のPd合金パ
イプのろう付け方法の工程を示す図、第２図は水素ガス
精製装置の要部を示す縦断面図、第３図及び第４図は夫
々従来の水素ガス精製装置のPd合金パイプのろう付け方
法を示す図である。
イプのろう付け方法の工程を示す図、第２図は水素ガス
精製装置の要部を示す縦断面図、第３図及び第４図は夫
々従来の水素ガス精製装置のPd合金パイプのろう付け方
法を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−200375（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−197372（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−52262（ＪＰ，Ｕ) 特公 平４−9724（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭45−33884（ＪＰ，Ｙ１) 実公 平４−7154（ＪＰ，Ｙ２)
Claims (1)
- 【請求項１】水素ガス精製装置のSUS製カップの底に、
多数のPd合金パイプを貫通ろう付けするに於いて、SUS
製カップの底に穿設した多数のパイプ貫通穴と同一寸法
形状のパイプ貫通穴を同一位置に穿設した板状ろう材
を、前記SUS製カップ内の底に重合して相互のパイプ貫
通穴を合致させ、然る後このパイプ貫通穴にPd合金パイ
プの上端部を一定長さ貫通し、板状ろう材にてSUS製カ
ップ内の底にろう付けすることを特徴とする水素ガス精
製装置のPd合金パイプのろう付け方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2552789A JP2633344B2 (ja) | 1989-02-03 | 1989-02-03 | 水素ガス精製装置のＰｄ合金パイプのろう付け方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2552789A JP2633344B2 (ja) | 1989-02-03 | 1989-02-03 | 水素ガス精製装置のＰｄ合金パイプのろう付け方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02205258A JPH02205258A (ja) | 1990-08-15 |
| JP2633344B2 true JP2633344B2 (ja) | 1997-07-23 |
Family
ID=12168515
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2552789A Expired - Lifetime JP2633344B2 (ja) | 1989-02-03 | 1989-02-03 | 水素ガス精製装置のＰｄ合金パイプのろう付け方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2633344B2 (ja) |
-
1989
- 1989-02-03 JP JP2552789A patent/JP2633344B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02205258A (ja) | 1990-08-15 |
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