JP2632751B2 - 再帰反射シート - Google Patents

再帰反射シート

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JP2632751B2 JP3045725A JP4572591A JP2632751B2 JP 2632751 B2 JP2632751 B2 JP 2632751B2 JP 3045725 A JP3045725 A JP 3045725A JP 4572591 A JP4572591 A JP 4572591A JP 2632751 B2 JP2632751 B2 JP 2632751B2
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Description

【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路標識や自動車のナ
ンバープレートなどに使用され、夜間ライトや自動車の
ヘッドライトの光を反射することにより、道路標識やナ
ンバープレートを遠方から確認・識別することを可能と
する再帰反射シートに関する。
【0002】
【従来の技術】図2に従来の再帰反射シートの断面図を
示すが、図2に示すように、硝子球粒子を使用した再帰
反射シート(以下、単に反射シートと称す)1は、基板2
上に接着剤層3 を介して形成されている反射鏡4 と硝
子球粒子(以下、総称して硝子球と称す)5,5,…群の背
面側との間に透明な焦点樹脂層6 が設けられ、さらに、
硝子球粒子5 の表面側には透明な表面樹脂層7 が形成さ
れている。上記焦点樹脂層6 の厚さは、反射シート1 に
入射した光線8 がその入射した方向に光線9 として反射
する、いわゆる再帰反射性を確保するために、入射した
光線8 が反射鏡4 の面上で反射し入射方向に光線9 を出
射するように設定される。すなわち、反射シート1 にお
いては、反射シート1 に入射した光線8 は硝子球5 内で
焦点を結ばないで硝子球5 の外側の反射鏡4 の面上で焦
点を結ぶように構成されており、通常、屈折率2.1〜
2.4程度の単一の屈折率、例えば屈折率2.3の硝子
球5 が使用される。
【0003】また、反射鏡4 の面は硝子球5 と同心球面
状に形成されており、このように形成することにより、
反射シート1 に直角に入射する光線8 、あるいはある角
度を有して入射する光線(不図示)は、硝子球5 を通過
し反射鏡4 面上に焦点を結ぶので、再帰反射性が反射シ
ート1 に得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記焦
点樹脂層6 は、樹脂溶液を塗布することにより形成され
るので、塗布樹脂の流動などの影響を受け、硝子球5 と
反射鏡4 との同心球面関係を維持できないことが発生す
る。硝子球5 と反射鏡4 との同心球面関係を維持できな
くなると、反射シート1 に対して一定角度以下で斜めの
方向から入射する光線10は、図2に示すように、硝子球
5 の外面と反射鏡4 との間隔が大きくなって反射鏡4 上
の反射位置がずれてしまい、反射鏡4 で反射される反射
光11は破線で示す反射光12のように入射光10に平行とは
ならない。この結果、反射シート1 の再帰反射性が低下
する。
【0005】上記したように、硝子球粒子を使用した再
帰反射シートは、反射シートの面に直角に入射する光や
反射シートの面に対して一定角度以上で入射する光に対
しては入射光の入射方向に反射する、再帰反射性が良好
であるが、反射シートの面に対して一定角度以下で入射
する光に対しては再帰反射性が低下するという問題点を
有している。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、角度特性を向上した再帰反射シートを提供すること
を目的とする。
【0007】[発明の構成]
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、球面状反射面を有する反射鏡と、この反
射鏡の反射面との間に透明な焦点樹脂層を介在させるよ
うにして設けられた硝子球粒子と、この硝子球粒子の表
面側に透明な表面樹脂層を具備した再帰反射シートにお
いて、硝子球粒子が、単一の屈折率を有する第1の硝子
球粒子群に、この第1の硝子球粒子群と屈折率の異なる
第2の硝子球粒子群を10〜50%混合したものである
ことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明は上記のように構成したので、広角度の
再帰反射性が得られ、再帰反射シートの角度特性が向上
される。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。なお、図2と同一部分には同一符号を付し、その
詳細な説明は省略する。
【0011】図1において、本発明の一実施例の反射シ
ート20は、基板2 上に接着剤層3 を介して形成されてい
る球面状反射面を有する反射鏡4 の反射面前方側に、
折率2.3の硝子球5 群に屈折率2.1の硝子球21群を
所定の割合で均一に混合したものを、透明な焦点樹脂層
6 が各硝子球5 ,21の背面側との間に設けられ、さらに
各硝子球5 ,21の表面側に透明な表面樹脂層7 が設けら
れるようにして構成されている。このように、屈折率
2.1の硝子球21を屈折率2.3の硝子球5 に所定量混
合することにより、反射シート20は、直角に入射する光
線8 について良好な再帰反射性を示すことは勿論である
が、反射シート20に対して一定角度以下で斜めの方向か
ら入射する光線22についても、一部混合した屈折率の低
い硝子球21が存在するので、反射鏡4 の反射面と各硝子
球5 ,21の背面側との間の焦点樹脂層6 の厚さが塗布樹
脂の流動の影響でばらついた場合でも、硝子球21を通過
した入射光線22は焦点距離が長くなり、この結果、反射
鏡4 面上で反射した後入射光線22に平行な反射光線23と
して入射方向へ反射することにより、反射シート20は再
帰反射性を示す。
【0012】したがって、反射シート20に対して一定角
度以下で斜めの方向から入射する光線22は、反射鏡4 で
再帰反射され、硝子球21を通過後光線23となって反射さ
れるので、反射シート20の角度特性が向上される。
【0013】以下に、反射シート20の反射強度と屈折率
の異なる硝子球21の混合比との関係について,JIS Z-91
17に準じて測定した結果を表1に示す。
【0014】
【0015】表中、試料Aは屈折率2.3の硝子球5 の
みからなる従来の反射シート1 、試料Bは屈折率2.3
の硝子球5 に屈折率2.1の硝子球21を10%混合した
反射シート20、試料Cは屈折率2.3の硝子球5 に屈折
率2.1の硝子球21を30%混合した反射シート20、お
よび試料Dは屈折率2.3の硝子球5 に屈折率2.1の
硝子球21を50%混合した反射シート20である。
【0016】また、観測角は投光器から発する入射光に
対する、反射シート1,20からの反射光を受光する受光器
が位置する観測点の角度を、入射角は入射光に対して反
射シート1,20の向きを変化させたときの入射光に対す
る、反射シート1,20の垂直方向の角度をそれぞれ表す。
ただし、入射角は、投光器に対し、受光器側を「+」、
受光器の反対側を「−」で表している。
【0017】上記表1から明らかなように、屈折率の異
なる硝子球21を混合することにより、屈折率の異なる硝
子球21の混合割合を増加するに従いほぼ直角方向の反射
強度が低下するが、実用上の支障はなく、むしろ広角度
の再帰反射性が得られることの方が実用的効果が大なる
ことが判明した。
【0018】したがって、屈折率の異なる硝子球21の混
合割合は10〜50%が好ましく、反射シート20の角度
特性が向上される。また、特に20〜40%の混合割合
であれば、ほぼ直角方向の反射強度の低下を小さなな範
囲に抑え、かつ広角度の再帰反射性を得ることができ
る。
【0019】なお、上記実施例では、屈折率の小さな硝
子球21を混合した例について説明したが、これに限るこ
とはなく、屈折率の大きな硝子球粒子を混合してもよ
く、これは硝子球5 の外面と反射鏡4 との間隔が小さく
なって反射鏡4 の手前で結像しない場合に適用される。
【0020】また、本発明は上記実施例に限定されるこ
となく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々
変形可能なことは勿論である。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の再帰反射
シートによれば、単一の屈折率を有する第1の硝子球粒
子群に屈折率が異なる第2の硝子球粒子群を10〜50
%混合した硝子球粒子を使用した構成としたことによ
り、広角度の再帰反射性を得ることができ、かつ再帰反
射シートの角度特性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の再帰反射シートを示す断面
図である。
【図2】従来の再帰反射シートを示す断面図である。
【符号の説明】
5 …硝子球粒子(第1の硝子球粒子) 21…硝子球粒子(第2の硝子球粒子)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球面状反射面を有する反射鏡と、この反
    射鏡の反射面との間に透明な焦点樹脂層を介在させるよ
    うにして設けられた硝子球粒子と、この硝子球粒子の表
    面側に透明な表面樹脂層を具備した再帰反射シートにお
    いて、前記硝子球粒子が、単一の屈折率を有する第1の
    硝子球粒子群に、この第1の硝子球粒子群と屈折率の異
    なる第2の硝子球粒子群を10〜50%混合したもので
    あることを特徴とする再帰反射シート。
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