JP2632662B2 - バケット搬送供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物などの荷体を上
方前方へ搬送し特定個所へ供給することを繰り返すもの
としたバケット搬送供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】荷体を上方前方へ供給する搬送装置とし
て従来ではベルトコンベアとか、無端状のベルトに比較
的小さなバケットを列設したバケットコンベアなどが存
在している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記したような在来の
搬送装置にあっては、形体や性質の種々異なった物質の
混在した荷体（例えば、一般家庭や工場などから排出さ
れる廃棄物など）に対し不向きであったり使用不可能と
なることがある。

【０００４】本発明は、上記したような荷体でも支障な
く迅速に処理し得るものとしたバケット搬送供給装置を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては垂直に上昇し続いて斜め上方へ向
かうものとした溝形案内軌道を並行状に対設し、これら
案内軌道間にはバケットを配置してこれの各側面の概ね
中央部に設けたローラを各案内軌道の溝内に嵌合させ、
またバケットに止着されたロープを巻き上げ或いは繰り
出すことによりバケットを案内軌道に沿って上下作動さ
せるものとした昇降駆動装置を設けると共に、案内軌道
に沿った個所にはバケットの上下作動中にその水平を保
持するための案内手段を付設し、またバケットの少なく
とも一方の側面にローラの支持中心と関連させて円弧状
歯部材を固定すると共に、案内軌道の上部近傍には案内
部材に支持されて特定方向へスライド駆動されるラック
を設け、バケットが前記ラックと噛合可能となる一定高
さ位置に達する昇降駆動装置が停止し、次にこれと関連
してラックがスライド駆動されてバケットをローラの支
持部中心廻りへ転回揺動させられるようにする。

【０００６】上記ローラはバケットの左右側面に一つ設
けたものでもよいが、バケットが案内軌道から脱落する
のを規制するには、その左右側面に二つのローラを設け
るのがよいのであり、具体的にはバケットの左右側面に
支持軸を突設すると共にこの支持軸の先端に旋回部材を
装着し、この旋回部材の外面側で前記支持軸を中心とし
た前後位置にローラを設けるようになす。

【０００７】

【作用】バケットは案内軌道の低い位置で荷体を供給さ
れ、昇降駆動装置のロープ巻き上げ作動により先ず垂直
方向へ上昇され続いて斜め上方の前方へ移動され、一定
高さ位置に達する。これに関連して、ラックがスライド
駆動され円弧状歯部材の歯と噛み合い、この歯部材をバ
ケットと同体にローラの支持中心廻りへ転回揺動させ
る。

【０００８】本発明において、バケットは比較的大きく
形成し得るものとなり、このため形体や性質の種々異な
る荷体であってもこれを一挙に多量に搬送し、且つ瞬時
に排出し得るものとなる。

【０００９】また、バケットが案内軌道やロープを介し
て昇降されラック及び円弧状歯部材を介して転回揺動さ
れる構成は、全体の構造複雑化を回避するものとなる。

【００１０】

【実施例】図１は本発明に係る搬送供給装置の側面視説
明図、図２は図１のｘ−ｘ部断面図である。

【００１１】図において、１は装置フレームで型鋼など
を結合したトラス構造のものとなしても或いは鋼板など
でボックス状に形成してもよい。

【００１２】２は溝形鋼を屈曲した案内軌道で、先ず垂
直方向へ上昇し続いて斜め上方へ向かうものとなしてあ
る。この案内軌道２は装置フレーム１の側面を介して並
行状に対設され且つ各軌道２の溝２ａ開口が対向するよ
うになされている。

【００１３】３は一対の案内軌道２、２の間に配置され
たバケットであって、各側面に支持軸４、４を突設する
と共に各軸４に旋回部材５の中央個所を回転変位自在に
装着し、さらにこの旋回部材５の両端部にローラ６、６
を軸着し、且つ一方の支持軸４には円弧状歯部材７であ
る平歯車を固定したものとなしてある。このさい各側面
の二つのローラ６、６は案内軌道の溝２ａ、２ａ内に嵌
合させるのであり、また円弧状歯部材７は図示例のよう
な円形のものでなく、欠円形のものであっても差し支え
ない。

【００１４】８は昇降駆動装置で、先端がバケット３の
支持軸４、４に止着されたロープ９・・を巻取りドラム
１０を介して巻き取り或いは繰り出すようにようになし
てある。このさい所要個所にはロープ９が他部材に干渉
しないように滑車などの案内部材９ａを設ける。

【００１５】バケット３はこの昇降駆動装置８の作動に
より昇降されるが、その移動中常に水平に保持されなけ
ればならないのであり、このため図示例ではバケット３
の両側面の前後に一対の小ローラ１０ａ、１０ｂを設け
ると共に、装置フレーム１の側面にはこれらローラ１０
ａ、１０ｂの移動を案内するものとした溝形鋼からなる
案内条部材１１ａ、１１ｂを前記案内軌道２、２に沿わ
せて設けてある。

【００１６】このさい、各案内条部材１１ａ、１１ｂは
案内軌道２、２の上端よりも低い位置で終了させると共
に、一方のもの１１ａの上端は一部を切り欠いて一方の
ローラ１０ａを下方からのみ支持するものとなす。

【００１７】１２は案内軌道２の上部近傍に前記円弧状
歯部材７と噛み合い可能に設けたラックで、下面側に直
状の歯１２ａを有し、装置フレーム１に固定された水平
案内部材１３を介し水平方向のスライド自在に支持され
ている。

【００１８】１４はラック１２をスライド駆動するため
のラック駆動装置で装置フレーム１に固定された吊下部
材１５に軸１６着された本体部１７と、先端をラック１
２に結合された伸縮シリンダ１８とからなる。

【００１９】１９はバケット３が最下位置に達したとき
これを支持するための受台、２０はバケット３内に荷体
を投入するための作業床面、そして２１は荷体を供給さ
れる受入れホッパーである。

【００２０】このさいホッパー２１は焼却炉などの二次
処理装置の原料供給口に連通させるなどする。

【００２１】上記した実施例品の使用例及びその作動を
説明すると、廃棄物などの荷体をバケット３内に入れる
さいはバケット３が仮想線で示すように受台１９上に載
った状態となされた後、適当な作業車を使用するなどし
て床面２０上から廃棄物の投入作業を実施する。

【００２２】荷体がバケット３に充たされた後、昇降駆
動装置８を作動させるのであり、これによりロープ９、
９が巻取りドラム１０で巻き取られ、バケット３は上昇
力を付与されて案内軌道２、２上を上昇変位される。こ
の変位中、各側面の二つのローラ１０ａ、１０ｂが各案
内条部材１１ａ、１１ｂに案内され、バケット３は水平
状態を保持される。

【００２３】バケット３が案内軌道２、２の斜状部の一
定高さ位置に達したとき、昇降駆動装置８は自動的に停
止されるのであり、これに関連してラック駆動装置が作
動を開始される。図示例のものではモータが回転して伸
縮シリンダ１８を短縮作動させる。

【００２４】これによりラック１２は水平方向へスライ
ド駆動されるものとなり、このさいバケット３はこれに
作用した重力と案内軌道２、２の支持反力とで位置を規
制されるため、ラック１２は確実かつ円滑に平歯車７と
噛み合い続いてこれをバケット３と同体に支持軸４中心
の右廻りへ転回させる。

【００２５】このバケット３は最終的には支持軸４廻り
へ凡そ９０度程度転回されて停止され、このさい内方の
荷体は重力作用により排出され一挙に受入れホッパー２
１へ供給される。

【００２６】この後、ラック駆動装置１４及び昇降駆動
装置８を復帰作動させるのであり、これによりバケット
３は水平状態に復帰された後、受台１９上まで降下移動
して自動的に停止される。以後は上記した作動の繰り返
しである。

【００２７】

【発明の効果】上記した本発明によれば、荷体をその大
きさや種類に制限され難い状態で迅速かつ確実に一定高
さ位置まで持ち上げ瞬時に目的場所へ供給するものとな
り、またロープの巻き取り繰り出しによりバケットを昇
降させ且つラック及び円弧状歯部材の関連作動によりバ
ケットを転回させる構成が装置全体の構造を簡易かつ安
価となすのである。

【００２８】請求項２に記載のものによれば、バケット
の各側面の二つのローラが案内軌道の溝内に案内方向へ
並んだ状態で嵌合されるため、たとえバケットの一方の
側面に止着されたロープが切断してバケットが傾いたと
してもローラの外側面が前記溝の底面と当接してバケッ
トのそれ以上の傾斜を阻止するものとなり、このためロ
ーラがその溝内から抜け出ることは生じず、安全が確保
されるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る搬送供給装置の側面視説明図であ
る。

【図２】図１のｘ−ｘ部断面図である。

【符号の説明】

２ 溝形案内軌道 ２ａ 溝 ３ バケット ４ 支持軸 ５ 旋回部材 ６ ローラ ７ 円弧状歯部材 ８ 昇降駆動装置 ９ ロープ １１ａ及び１１ｂ 案内手段 １２ ラック １３ 案内部材

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 垂直に上昇し続いて斜め上方へ向かうも
   のとした溝形案内軌道を並行状に対設し、これら案内軌
   道間にはバケットを配置してこれの各側面の概ね中央部
   に設けたローラを各案内軌道の溝内に嵌合させ、またバ
   ケットに止着されたロープを巻き上げ或いは繰り出すこ
   とによりバケットを案内軌道に沿って上下作動させるも
   のとした昇降駆動装置を設けると共に、案内軌道に沿っ
   た個所にはバケットの上下作動中にその水平を保持する
   ための案内手段を付設し、またバケットの少なくとも一
   方の側面にローラの支持中心と関連させて円弧状歯部材
   を固定すると共に、案内軌道の上部近傍には案内部材に
   支持されて特定方向へスライド駆動されるラックを設
   け、バケットが前記ラックと噛合可能となる一定高さ位
   置に達すると昇降駆動装置が停止し、次にこれと関連し
   てラックがスライド駆動されてバケットをローラの支持
   部中心廻りへ転回揺動させることを特徴とするバケット
   搬送供給装置。
2. 【請求項２】 バケットの左右側面に支持部を突設する
   と共にこの支持軸の先端に旋回部材を装着し、この旋回
   部材の外面側で前記支持軸を中央とした前後位置にロー
   ラを設けたことを特徴とする請求項１記載のバケット搬
   送供給装置。