JP2631749B2 - 高周波焼入れ装置 - Google Patents

高周波焼入れ装置

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JP2631749B2 JP1167710A JP16771089A JP2631749B2 JP 2631749 B2 JP2631749 B2 JP 2631749B2 JP 1167710 A JP1167710 A JP 1167710A JP 16771089 A JP16771089 A JP 16771089A JP 2631749 B2 JP2631749 B2 JP 2631749B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は例えば鋳鉄、鋳鋼等の材料によって形成さ
れたエンジンのカム軸等の被熱処理材を高周波焼入れす
る高周波焼入れ装置に関する。
(従来の技術) 一般に、例えば車両用のエンジンのカム軸等のように
強度が要求されている金属部品には高周波焼入れ等の熱
処理を行うことにより、部品強度を高めることが従来か
ら行われている。この高周波焼入れ等の熱処理はカム軸
等の被熱処理材を例えば900℃程度の高温状態に高周波
加熱して被熱処理材の金属組織をオーステナイト化した
後、臨界冷却速度以上の冷却速度で急冷することによ
り、マルテンサイト組織を生成させ、きわめてかたい強
い状態にする熱処理であり、炭素鋼等の鉄鋼材料を高周
波焼入れする場合には良好な熱処理効果を得ることがで
きることが知られている。
しかしながら、エンジンのカム軸等を鋳鉄によって形
成し、この鋳鉄製の被熱処理材を炭素鋼等の鉄鋼材料と
同様に高周波焼入れした場合にはマルテンサイト変態時
のマルテンサイト組織の膨脹によって焼割れが発生し易
いので、高周波焼入れ処理を施した鋳鉄製の被熱処理材
の焼入れ品質を安定化させることは難しい問題があっ
た。そのため、鋳鉄製の被熱処理材に高周波焼入れ処理
を施した高周波焼入れ処理製品を量産した場合には歩留
まりが悪くなり易く、鋳鉄製の高周波焼入れ処理製品の
量産製を高めることが難しい問題があった。
(発明が解決しようとする課題) エンジンのカム軸等の被熱処理材を鋳鉄によって形成
し、この鋳鉄製の被熱処理材を炭素鋼等の鉄鋼材料と同
様に高周波焼入れした場合には焼割れが発生し易く、高
周波焼入れ処理を施した鋳鉄製の被熱処理材の焼入れ品
質を安定化させることは難しいので、鋳鉄製の被熱処理
材に高周波焼入れ処理を施した高周波焼入れ処理製品を
量産した場合には歩留まりが悪くなり、鋳鉄製の高周波
焼入れ処理製品の量産性を高めることが難しい問題があ
った。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、被熱
処理材を全周に亘り均一に高周波焼入れ処理を施した焼
きムラの発生を防止することができ、鋳鉄製の被熱処理
材のように高周波焼入れした場合に焼割れが発生し易い
被熱処理材の焼入れ品質を安定化させて鋳鉄製の高周波
焼入れ処理製品の量産性を高めることができる作業効率
の高い高周波焼入れ装置を提供することを目的とするも
のである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は被熱処理材をこの被熱処理材の中心軸を中
心に回転自在に支持する第1の支持機構と、この第1の
支持機構に支持された被熱処理材を回転駆動する第1の
回転駆動機構と、前記被熱処理材を高周波加熱する第1
の加熱コイルと、前記被熱処理材に第1の冷却液を吹付
ける第1の吹付けノズルと、前記被熱処理材がオーステ
ナイト化する高周波加熱温度を検出する第1の温度セン
サと、前記被熱処理材がオーステナイト化された高温状
態から冷却され、マルテンサイト組織に変換するMs点以
下の所定温度まで1次冷却された状態を検出する第2の
温度センサとを備え、前記被熱処理材をオーステナイト
化する高温状態に加熱したのち、前記被熱処理材がマル
テンサイト組織に変換するMs点以下の所定温度まで冷却
する1次冷却処理を行う第1の処理部と、この第1の処
理部から搬送された前記被熱処理材をこの被熱処理材の
中心軸を中心に回転自在に支持する第2の支持機構と、
この第2の支持機構に支持された被熱処理材を回転駆動
する第2の回転駆動機構と、前記被熱処理材に第2の冷
却液を吹付ける第2の吹付けノズルと、前記被熱処理材
が約90度C以下に設定された2次冷却温度まで2次冷却
された状態を検出する第3の温度センサとを備え、前記
被熱処理材の2次冷却処理を行う第2の処理部と、この
第2の処理部から搬送された前記被熱処理材をこの被熱
処理材の中心軸を中心に回転自在に支持する第3の支持
機構と、この第3の支持機構に支持された被熱処理材を
回転駆動する第3の回転駆動機構と、前記被熱処理材を
高周波加熱する第2の加熱コイルとを備え、前記被熱処
理材のテンパー処理を行う第3の処理部と、前記第1の
処理部と前記第2の処理部との間に設けられ、前記第1
の処理部で1次冷却が完了後、前記被熱処理材を前記第
2の処理部へ空冷状態で搬送する第1の搬送機構と、前
記第2の処理部と第3の処理部との間に設けられ、前記
第2の処理部で2次冷却処理が終了した前記被熱処理材
を前記第3の処理部へ搬送する第2の搬送機構と、前記
第1の処理部で前記被熱処理材をオーステナイト化する
高周波加熱処理と、前記第1の処理部で高周波加熱され
た前記被熱処理材に前記第1の吹付けノズルから第1の
冷却液を所定流量で吹付けて前記被熱処理材を1次冷却
する1次冷却処理と、この1次冷却処理後、前記第1の
搬送機構によって前記第1の処理部から前記第2の処理
部へ前記被熱処理材を搬送する搬送作業にともなう冷却
液吹付け中止時間を経て前記第2の処理部で前記第2の
吹付けノズルから第2の冷却液を前記1次冷却時の流量
よりも小流量で前記被熱処理材に吹付けて前記被熱処理
材を2次冷却する2次冷却処理と、前記第3の処理部に
おける前記被熱処理材のテンパー処理とをそれぞれ制御
する制御手段とを具備したものである。
(作用) 被熱処理材の高周波焼入れ時には第1の処理部で被熱
処理材をオーステナイト化する高温状態に加熱したの
ち、被熱処理材がマルテンサイト組織に変換するMs点以
下の所定温度まで冷却する1次冷却処理を行い、1次冷
却が完了後、第1の処理部で1次冷却された被熱処理材
を第1の搬送機構によって第2の処理部へ空冷状態で搬
送し、この第2の処理部で被熱処理材を約90度C以下に
設定された2次冷却温度まで2次冷却する被熱処理材の
2次冷却処理を行い、さらに第2の処理部で2次冷却処
理が終了した被熱処理材を第2の搬送機構によって第3
の処理部へ搬送し、この第3の処理部で被熱処理材のテ
ンパー処理を行う。この一連の熱処理作業中、第1の処
理部において、Ms点以下の所定温度まで冷却した1次冷
却の完了後、第1の処理部から第2の処理部へ被熱処理
材を第1の搬送手段により空冷状態で搬送することによ
り、被熱処理材を徐々に冷却して搬送工程をも全熱処理
工程の一部としたことにより、熱処理作業の作業効率を
高め、さらに第1の処理部、第2の処理部、第3の処理
部ではそれぞれ各回転駆動機構によって被熱処理材をこ
の被熱処理材の中心軸を中心に回転駆動させながら熱処
理を行うことにより、被熱処理材を全周に亘り均一に高
周波焼入れ処理を施して焼きムラの発生を防止するとと
もに、第2の処理部での2次冷却処理では第1の搬送手
段による搬送作業にともなう冷却液吹付け中止時間を経
て第2の吹付けノズルから冷却液を1次冷却時の流量よ
りも小流量で被熱処理材に再度吹付けて被熱処理材を冷
却することにより、鋳鉄製の被熱処理材のように高周波
焼入れした場合に焼割れが発生し易い被熱処理材の焼入
れ品質を安定化させて鋳鉄製の高周波焼入れ処理製品の
量産性を高めるようにしたものである。
(実施例) 以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。
第1図および第2図はこの発明の一実施例の高周波焼
入れ装置全体の概略構成を示すものである。すなわち、
この実施例の高周波焼入れ装置には第2図に示すように
第1の処理部1、第2の処理部2、第3の処理部3、徐
冷部4がそれぞれ設けられている。これらの第1の処理
部1、第2の処理部2、第3の処理部3、徐冷部4はそ
れぞれ独立に設けられており、第3図に示すようにエン
ジンのカム軸5等の被熱処理材が第1の処理部1と第2
の処理部2との間の第1の搬送機構6、第2の処理部2
と第3の処理部3との間の第2の搬送機構7、第3の処
理部3と徐冷部4との間の第3の搬送機構8によって順
次搬送されるようになっている。この場合、被熱処理材
のカム軸5は例えば鋳鉄、鋳鋼等の材料によって形成さ
れている。そして、このカム軸5には略円柱状の軸体5a
上の複数箇所にカム部5b…が突設されている。
また、第1の処理部1にはカム軸5等の被熱処理材を
回転自在に支持する第1の支持機構9と、この第1の支
持機構9に支持されたカム軸5等の被熱処理材を回転駆
動する第1の回転駆動機構10と、カム軸5等の被熱処理
材の周囲を局部的に覆う高周波加熱用の複数の第1の加
熱コイル11…と、カム軸5等の被熱処理材に冷却液を吹
付ける複数の第1の吹付けノズル12…とがそれぞれ設け
られている。この場合、第1の加熱コイル11……は第4
図に示すように断面が略半円形状に形成されており、こ
の略半円形状の第1の加熱コイル11…がカム軸5のカム
部5b…と対応する位置にそれぞれ配設されている。さら
に、第1の吹付けノズル12…はカム軸5の周囲、例えば
上下左右に適宜配設されている。また、第1の回転駆動
機構10および第1の加熱コイル11…は例えばマイクロコ
ンピュータおよびその周辺回路によって形成される制御
部(制御手段)13の加熱制御手段14に接続されている。
そして、この加熱制御手段14によって第1の回転駆動機
構10および第1の加熱コイル11…の動作が制御されるよ
うになっている。さらに、この制御部13には加熱制御手
段14とともに、後述する第1次冷却制御手段15、第2次
冷却制御手段16およびテンパー加熱手段17がそれぞれ設
けられている。
また、第1の吹付けノズル12には第1の冷却液制御機
構18の送液通路19の先端部が連結されている。この第1
の冷却液制御機構18には送液通路18の基端部側に連結さ
れた図示しない送液ポンプ、送液通路19内に介設させた
図示しない流量制御弁等が設けられており、この第1の
冷却液制御機構18を介して第1の吹付けノズル12に所定
流量の冷却液が供給されるようになっている。この場
合、冷却液はカム軸5等の被熱処理材がマルテンサイト
組織に変態するMs点(例えば200℃程度)より低温度の
所定の状態変化温度(例えば74℃または90℃程度)以下
でベース液体(例えば水)中に均一に混入し、この状態
変化温度より高い高温状態でベース液体から分離する焼
入れ剤{例えばポリアルキレングリコール(PAG)}を
所定の濃度で添加したものが使用されている。なお、冷
却液としてはこれ以外に油や、ビニール等であってもよ
い。
さらに、この第1の冷却液制御機構18は制御部13の第
1次冷却制御手段15に接続されている。この第1次冷却
制御手段15にはさらに第1の搬送機構6、第1の温度セ
ンサ20aおよび第2の温度センサ20bがそれぞれ接続され
ている。この場合、第1の温度センサ20aはカム軸5等
の被熱処理材の金属組織がオーステナイト化する高温状
態(900℃程度)に高周波加熱された状態(高周波加熱
温度)、第2の温度センサ20bはカム軸5等の被熱処理
材がマルテンサイト組織に変態するMs点以下まで第1次
冷却された状態(第1次冷却温度)をそれぞれ検出する
ものである。
また、第2の処理部2には第1の処理部1の第1の支
持機構9、第1の回転駆動機構10、第1の吹付けノズル
12…と略同一構成の第2の支持機構、第2の回転駆動機
構21、第2の吹付けノズルがそれぞれ設けられている。
この場合、第2の処理部2の第2の吹付けノズルも第1
の処理部1の第1の冷却液制御機構18と略同一構成の第
2の冷却液制御機構22に連結されている。そして、これ
らの第2の処理部2の第2の回転駆動機構21および第2
の冷却液制御機構22は制御部13の第2次冷却制御手段16
に接続されている。この第2次冷却制御手段16にはさら
に第2の搬送機構7および第3の温度センサ20cがそれ
ぞれ接続されている。この場合、第3の温度センサ20c
は冷却液中の焼入れ剤がベース液体中に均一に混入され
る所定の状態変化温度(例えば74℃または90℃程度)以
下に低下した状態(第2次冷却温度)を検出するもので
ある。
さらに、第3の処理部3には第1の処理部1の支持機
構9、第1の回転駆動機構10、第1の加熱コイル11…と
略同一構成の第3の支持機構、第3の回転駆動機構23、
第2の加熱コイル24…がそれぞれ設けられている。この
場合、第3の処理部3の第3の回転駆動機構23、第2の
加熱コイル24…は制御部13のテンパー加熱手段17に接続
されている。このテンパー加熱手段17にはさらに第3の
搬送機構8が接続されている。
次に、上記構成の高周波焼入れ装置の作用について説
明する。
まず、エンジンのカム軸5等の被熱処理材の高周波焼
入れ時には最初に第1の処理部1の第1の支持機構9に
カム軸5等の被熱処理材をセットする。そして、この状
態で高周波焼入れ装置の図示しない電源スイッチをオン
操作すると、制御部13の加熱制御手段14によって第1の
処理部1の第1の回転駆動機構10が駆動され、カム軸5
が回転駆動されるとともに、第1の加熱コイル11…に通
電され、この第1の加熱コイル11…によってカム軸5が
高周波加熱される。また、この加熱制御手段14の動作信
号は第1次冷却制御手段15に出力される。
さらに、第1次冷却制御手段15に加熱制御手段14から
の動作信号が入力されると、第1の温度センサ20aから
の検出信号にもとづいてカム軸5等の被熱処理材の金属
組織がオーステナイト化する高温状態(900℃程度)に
高周波加熱された状態が検出された時点(第5図中にA
で示す)で、加熱制御手段14に第1の加熱コイル11…へ
の通電遮断信号が出力され、第1の加熱コイル11…へ通
電が遮断されるとともに、続いて第1の冷却液制御機構
18に駆動信号が出力され、この第1の冷却液制御機構18
を介して第1の吹付けノズル12…に所定流量の冷却液が
供給されて第1の吹付けノズル12…からカム軸5等の被
熱処理材に冷却液が吹付けられ、カム軸5等の被熱処理
材が冷却される。この場合、カム軸5等の被熱処理材に
吹付けられた冷却液は焼入れ剤がベース液体中に均一に
混入される所定の状態変化温度(例えば74℃または90℃
程度)よりも高温状態に加熱されるので、この状態では
冷却液中の焼入れ剤がベース液体から分離し、この焼入
れ剤によってカム軸5等の被熱処理材の表面に被覆層
(被膜)が形成される。そのため、この焼入れ剤成分の
被覆層(被膜)によってカム軸5等の被熱処理材の表面
からの冷却液のベース液体の蒸発を防止することができ
るので、冷却速度を調整する(遅らせる)ことができ
る。
また、第2の温度センサ20bによってカム軸5等の被
熱処理材がマルテンサイト組織に変態するMs点以下まで
第1次冷却された状態(第5図中にBで示す)が検出さ
れると第1次冷却制御手段15からの制御信号によって第
1の冷却液制御機構18の駆動が停止されるとともに、加
熱制御手段14に第1の回転駆動機構10への駆動停止信号
が出力される。第1の回転駆動機構10の駆動が停止され
たのち、続いて第1の搬送機構6に駆動信号が出力され
る。そして、この第1の搬送機構6によってカム軸5等
の被熱処理材が第1の処理部1から第2の処理部2に搬
送され、この第2の処理部2の第2の支持機構にセット
される。なお、この第1の搬送機構6によるカム軸5等
の被熱処理材の搬送時間中(第5図中のB−C間)は冷
却液の吹付けが中止され、カム軸5等の被熱処理材が空
冷状態で徐々に冷却されるようになっている。
さらに、カム軸5等の被熱処理材が第2の処理部2の
第2の支持機構にセットされると第2次冷却制御手段16
によって第2の処理部2の第2の回転駆動機構21が駆動
され、カム軸5が回転駆動されるとともに、第2の冷却
液制御機構22に駆動信号が出力され、この第2の冷却液
制御機構22を介して第2の吹付けノズルに所定流量の冷
却液が供給されて第2の吹付けノズルからカム軸5等の
被熱処理材に冷却液が吹付けられ、カム軸5等の被熱処
理材が冷却される。この場合、第2の吹付けノズルから
吹付けられる冷却液の流量は第1次冷却時の流量よりも
小流量に設定されており、第1次冷却時よりも緩やかに
冷却される(冷却時間が比較的長くなる)ようになって
いる。例えば、第5図に示すように1次冷却時の冷却液
の供給時間が13秒程度、2次冷却時の冷却液の供給時間
が24秒程度になる。そして、第3の温度センサ20cによ
ってカム軸5等の被熱処理材が第2次冷却温度まで冷却
されたことが検出された時点(第5図中にDで示す)
で、第2の冷却液制御機構22の駆動が停止されるととも
に、第2の回転駆動機構21への駆動停止信号が出力さ
れ、第2の回転駆動機構21の駆動が停止される。この場
合、第3の温度センサ20cによってカム軸5等の被熱処
理材が第2次冷却温度まで冷却されたことが検出された
状態ではカム軸5等の被熱処理材が冷却液の所定の状態
変化温度(例えば74℃または90℃程度)以下に低下して
いるので、冷却液中の焼入れ剤はベース液体中に全て均
一に混入される。そのため、カム軸5等の被熱処理材が
第2次冷却温度まで冷却された時点Dでは第5図中のA
−C間でカム軸5等の被熱処理材の表面に形成された焼
入れ剤成分の被覆層(被膜)を全てカム軸5等の被熱処
理材の表面から剥離させることができるので、カム軸5
等の被熱処理材の表面に焼入れ剤成分の被覆層(被膜)
が形成された状態で保持されることを防止することがで
きる。
また、第2の冷却液制御機構22および第2の回転駆動
機構21の駆動が停止されたのち、続いて第2の搬送機構
7に駆動信号が出力される。そして、この第2の搬送機
構7によってカム軸5等の被熱処理材が第2の処理部2
から第3の処理部3に搬送され、この第3の処理部3の
第3の支持機構にセットされる。そして、カム軸5等の
被熱処理材がこの第3の処理部3の第3の支持機構にセ
ットされると、テンパー加熱手段17によって第3の処理
部3の第3の回転駆動機構23が駆動され、カム軸5が回
転駆動されるとともに、第2の加熱コイル24…に通電さ
れ、この第2の加熱コイル24…によってカム軸5等の被
熱処理材が適宜のテンパー処理温度まで高周波加熱さ
れ、テンパー処理が行われる。
さらに、このテンパー処理の終了後、テンパー加熱手
段17によって第3の処理部3の第2の加熱コイル24…へ
の通電が遮断されるとともに、第3の回転駆動機構23の
駆動が停止されたのち、第3の搬送機構8が駆動され
る。そして、この第2の搬送機構7によってカム軸5等
の被熱処理材が第3の処理部3から徐冷部4に搬送さ
れ、この徐冷部4で徐冷される。
そこで、上記構成のものにあっては高周波焼入れ時に
は加熱制御手段14によって第1の回転駆動機構10の駆動
させた状態で第1の加熱コイル11…によってカム軸5等
の被熱処理材をオーステナイト化する高温状態に高周波
加熱し、続いて高周波加熱されたカム軸5等の被熱処理
材に第1次冷却制御手段15によって第1の吹付けノズル
12…から冷却液を所定流量で吹付けてカム軸5等の被熱
処理材をこの被熱処理材がマルテンサイト組織に変態す
るMs点以下まで比較的緩やかに第1次冷却し、さらにこ
の第1次冷却後、カム軸5等の被熱処理材を第1の処理
部1から第2の処理部2に搬送させることにより、適宜
の冷却液吹付け中止時間を介して第2の吹付けノズルか
ら冷却液を第1次冷却時の流量よりも小流量でカム軸5
等の被熱処理材に再度吹付けて被熱処理材を冷却するよ
うにしたので、高周波焼入れ作業時のカム軸5等の被熱
処理材の冷却速度を比較的緩やか(遅らせる方向)に調
整することができる。そのため、鋳鉄製のカム軸5等の
被熱処理材のように高周波焼入れした場合に焼割れが発
生し易い被熱処理材の焼入れ品質を安定化させて鋳鉄製
の高周波焼入れ処理製品の量産性を高めることができ
る。さらに、高周波焼入れ作業中は第1,第2,第3の各回
転駆動機構10,21,23によってカム軸5等の被熱処理材を
回転駆動させるようにしたので、カム軸5等の被熱処理
材を全周に亘り均一に高周波焼入れ処理を施して焼きム
ラの発生を防止することができる。また、第1の処理部
1、第2処理部2、第3の処理部3、徐冷部4をそれぞ
れ独立に設け、カム軸5等の被熱処理材を第1の搬送機
構6、第2の搬送機構7、第3の搬送機構8によって各
処理部間を順次搬送させるようにしたので、単一の処理
槽内で一連の高周波焼入れ作業を実施する場合に比べて
作業能率の向上を図ることができ、量産性を高めること
ができる。さらに、第1の処理部1の第1の加熱コイル
11…をカム軸5のカム部5b…と対応する位置にそれぞれ
局部的に配設したので、カム軸5の軸体5aに比べてこの
カム部5b…の硬度をさらに高めることができ、カム軸5
の耐久性の向上を図ることができる。
なお、この発明は上記実施例に限定されるものではな
く、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施で
きることは勿論である。
[発明の効果] この発明によれば第1の処理部、第2の処理部、第3
の処理部をそれぞれ独立に構成し、被熱処理材の高周波
焼入れ時には熱処理作業を各処理部で分業するととも
に、且つ各処理部間を搬送手段で連結構成し、被熱処理
材を順次下流側の熱処理部へ搬送して熱処理する構成と
したので、被熱処理材の高周波焼入れ作業の作業効率を
高めることができる。
また、第1〜第3の各処理部での一連の熱処理作業
中、第1の処理部において、Ms点以下の所定温度まで冷
却した1次冷却の完了後、第1の処理部から第2の処理
部へ被熱処理材を第1の搬送手段により空冷状態で搬送
することにより、被熱処理材を徐々に冷却して搬送工程
をも全熱処理工程の一部としたので、高周波焼入れ作業
の作業効率を一層高めることができる。
さらに、第1〜第3の各処理部ではそれぞれ各回転駆
動機構によって被熱処理材をこの被熱処理材の中心軸を
中心に回転駆動させながら熱処理を行うようにしたの
で、被熱処理材を全周に亘り均一に高周波焼入れ処理を
施して焼きムラの発生を防止することができる。
また、第2の処理部での2次冷却処理では第1の搬送
手段による搬送作業にともなう冷却液吹付け中止時間を
経て第2の吹付けノズルから冷却液を1次冷却時の流量
よりも小流量で被熱処理材に再度吹付けて被熱処理材を
冷却するようにしたので、鋳鉄製の被熱処理材のように
高周波焼入れした場合に焼割れが発生し易い被熱処理材
の焼入れ品質を安定化させて鋳鉄製の高周波焼入れ処理
製品の量産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の一実施例を示すもので、第1図は制御
部の具体的な構成図、第2図は高周波焼入れ装置全体の
概略構成図、第3図は第1の処理部内のカム軸の取付け
状態を示す正面図、第4図は同側面図、第5図は高周波
焼入れ処理中の被熱処理材の温度変化状態を示す特性図
である。 1……第1の処理部、2……第2の処理部、3……第3
の処理部、5……カム軸(被熱処理材)、6……第1の
搬送機構、7……第2の搬送機構、9……第1の支持機
構、10……第1の回転駆動機構、11……第1の加熱コイ
ル、12……第1の吹付けノズル、13……制御部(制御手
段)、14……加熱制御手段、15……第1次冷却制御手
段、16……第2次冷却制御手段、20a……第1の温度セ
ンサ、20b……第2の温度センサ、20c……第3の温度セ
ンサ、21……第2の回転駆動機構、23……第3の回転駆
動機構、24……第2の加熱コイル。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−38518(JP,A) 特開 昭62−228429(JP,A) 特開 昭64−47810(JP,A) 特開 昭61−130418(JP,A) 実開 昭63−192456(JP,U) 特許183075(JP,C2) 「熱処理失敗の予防対策」昭49.12. 30,日刊工業新聞社発行,P.94〜97, P.108〜110

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被熱処理材をこの被熱処理材の中心軸を中
    心に回転自在に支持する第1の支持機構と、この第1の
    支持機構に支持された被熱処理材を回転駆動する第1の
    回転駆動機構と、前記被熱処理材を高周波加熱する第1
    の加熱コイルと、前記被熱処理材に第1の冷却液を吹付
    ける第1の吹付けノズルと、前記被熱処理材がオーステ
    ナイト化する高周波加熱温度を検出する第1の温度セン
    サと、前記被熱処理材がオーステナイト化された高温状
    態から冷却され、マルテンサイト組織に変換するMs点以
    下の所定温度まで1次冷却された状態を検出する第2の
    温度センサとを備え、前記被熱処理材をオーステナイト
    化する高温状態に加熱したのち、前記被熱処理材がマル
    テンサイト組織に変換するMs点以下の所定温度まで冷却
    する1次冷却処理を行う第1の処理部と、 この第1の処理部から搬送された前記被熱処理材をこの
    被熱処理材の中心軸を中心に回転自在に支持する第2の
    支持機構と、この第2の支持機構に支持された被熱処理
    材を回転駆動する第2の回転駆動機構と、前記被熱処理
    材に第2の冷却液を吹付ける第2の吹付けノズルと、前
    記被熱処理材が約90度C以下に設定された2次冷却温度
    まで2次冷却された状態を検出する第3の温度センサと
    を備え、前記被熱処理材の2次冷却処理を行う第2の処
    理部と、 この第2の処理部から搬送された前記被熱処理材をこの
    被熱処理材の中心軸を中心に回転自在に支持する第3の
    支持機構と、この第3の支持機構に支持された被熱処理
    材を回転駆動する第3の回転駆動機構と、前記被熱処理
    材を高周波加熱する第2の加熱コイルとを備え、前記被
    熱処理材のテンパー処理を行う第3の処理部と、 前記第1の処理部と前記第2の処理部との間に設けら
    れ、前記第1の処理部で1次冷却が完了後、前記被熱処
    理材を前記第2の処理部へ空冷状態で搬送する第1の搬
    送機構と、 前記第2の処理部と第3の処理部との間に設けられ、前
    記第2の処理部で2次冷却処理が終了した前記被熱処理
    材を前記第3の処理部へ搬送する第2の搬送機構と、 前記第1の処理部で前記被熱処理材をオーステナイト化
    する高周波加熱処理と、前記第1の処理部で高周波加熱
    された前記被熱処理材に前記第1の吹付けノズルから第
    1の冷却液を所定流量で吹付けて前記被熱処理材を1次
    冷却する1次冷却処理と、この1次冷却処理後、前記第
    1の搬送機構によって前記第1の処理部から前記第2の
    処理部へ前記被熱処理材を搬送する搬送作業にともなう
    冷却液吹付け中止時間を経て前記第2の処理部で前記第
    2の吹付けノズルから第2の冷却液を前記1次冷却時の
    流量よりも小流量で前記被熱処理材に吹付けて前記被熱
    処理材を2次冷却する2次冷却処理と、前記第3の処理
    部における前記被熱処理材のテンパー処理とをそれぞれ
    制御する制御手段と を具備したことを特徴とする高周波焼入れ装置。
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