JP2631716B2 - 半導体発光装置 - Google Patents

半導体発光装置

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JP2631716B2 JP63235751A JP23575188A JP2631716B2 JP 2631716 B2 JP2631716 B2 JP 2631716B2 JP 63235751 A JP63235751 A JP 63235751A JP 23575188 A JP23575188 A JP 23575188A JP 2631716 B2 JP2631716 B2 JP 2631716B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 大容量長距離光通信用半導体レーザに関し、 高速変調時の多モード化あるいは、チャーピングの問
題を解決することを目的とし、 分布帰還型または分布反射型半導体レーザにおいて、
電気的に分離され、活性層にキャリアを注入する変調部
と増幅部とを有し、該活性層における該変調部の長さ
は、該増幅部の1/2以下の長さに構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は大容量長距離光通信用半導体レーザを指向す
る半導体発光装置に関する。
〔従来の技術〕
大容量長距離光通信用半導体レーザとして、光ファイ
バの分散による伝送特性劣化を避けるため、単一軸モー
ド発振が要求されている。単一軸モード発振半導体レー
ザとして、従来より分布帰還型(DFB)あるいは、分布
反射型(DBR)レーザが提供されている。
第3図Aは従来の半導体レーザの要部の模式的断面構
造図を示す。第3図Aにおいて、100はN電極、101はP
電極、112はPクラッド層、113は活性層、114は光ガイ
ド層、115はコルゲーション、116は基板、117はバイア
ス電源、118はパルス発振器である。
単一軸モード半導体レーザにおいても、高速変調時発
振波長の多モード化、更には、単一軸発振を行ってもチ
ャーピングと呼ばれる軸モード幅の増大という問題点が
ある。
第3図Bは、従来の半導体レーザの入出力特性を示
し、光出力、キャリア密度、駆動電流をそれぞれ時間軸
に対して示している。
第3図Bにおいて、半導体レーザのしきい値電流Ib
近にバイアスしておいて、矩形波の駆動電流Ipを半導体
レーザに印加した場合、原理的には矩形波の光出力が出
るはずであるが、実際上は、第3図B中に示す活性層の
キャリア密度は、定常値Npよりオーバーシュートし、緩
和振動が生じる。このため、第3図Bの光出力にもキャ
リア密度の変動にともない緩和振動が生じる。
このような現象が起きるのは、注入される電流と、発
光との間に時間遅れδtが存在するためであり、駆動電
流Ipが印加された時、定常光出力Ppが得られるキャリア
密度の定常値Npよりも多くのキャリアが流れ込み、第3
図B中に示す如くキャリア密度がオーバーシュートし、
光は定常光出力Ppよりも多く出力する。次にこの光出力
にともなうキャリアの再結合効果によって、キャリア密
度は定常値Npよりも減少する。これに従って、光出力も
減少する。このようにして、キャリア密度と、光出力に
は緩和振動が生じる。
この緩和振動による半導体レーザ特性への影響を第3
図Cを用いて説明する。即ち、第3図Cは従来の半導体
レーザの(a)しきい値利得と(b)発振スペクトル図
を示す。実際には、分布帰還型(DFB)レーザにも第3
図C中に示すようにメインモードの他にメインモードよ
りもしきい値が高いいくつかのモードが存在する。その
ため、緩和振動のピークが大きい場合には、メインモー
ド以外の副次モードの発光が生じることになり、第3図
C中に示すように、発光スペクトルにメインモードB以
外の副次モードAが出現する。
更に、緩和振動のもう一つの影響は、第3図C中にΔ
λで示されるようなスペクトル幅の広がりが出現する
ことである。
キャリア密度の変動ΔNによって、屈折率の変動Δn
が発生する。キャリア密度が高くなると、屈折率が小さ
くなる。このため、半導体レーザの発光スペクトルは短
波長側に寄り、波長の短い側に発光スペクトルの膨らみ
(スペクトル幅の広がりΔλ)が発生する。キャリア
密度の変動が大きいと発光スペクトルの膨らみも大きく
なる。
以上のように、従来の半導体レーザの構造では、キャ
リア密度のオーバーシュートのために、分布帰還型(DF
B)メインモードしきい値利得よりも大きな他の副次モ
ードのしきい値利得以上に全体の利得が増大し、多モー
ド発振するという欠点が存在する。更に、このキャリア
密度のオーバーシュートによって過剰になったキャリア
のために活性領域における屈折率が減少し、分布帰還型
(DFB)メインモード自身が短波長側にずれる。このた
め、スペクトル幅Δλだけ増大するという問題点があ
った。
従来の分布帰還型(DFB)レーザ或いは分布反射型(D
BR)レーザにおける高速変調時の多モード化或いはチャ
ーピングの原因は、前述のように、高速変調における活
性領域のキャリア密度の時間的,空間的不均一による。
従って、これらの現象を防止し、高速変調時にも安定な
単一軸モード発振を実現するには、活性領域のキャリア
密度変動をできるだけ小さくする必要がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、高速変調時のキャリア変動を有効に
抑制して安定な単一軸モード発振を実現でき、またチャ
ーピングによる軸モード広がりも抑制可能な半導体発光
装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の構成は以下に示す通りである。即ち、本発明
は分布帰還型または分布反射型半導体レーザにおいて、
電気的に分離され、活性層にキャリアを注入する変調部
と増幅部とを有し、該活性層における該変調部の長さ
は、該増幅部の1/2以下の長さとする半導体発光装置と
しての構成を有し、光スイッチ及び増幅器として動作さ
せる際の上記従来の問題点を解決するものである。
第1図Aは本発明の半導体発光装置の原理を説明する
ための模式的断面構造図を示す。第1図中A中、12はP
クラッド層、13は活性層、14は光ガイド層、15はコルゲ
ーション、16は基板を示す。N電極10とP電極11によっ
て増幅部電極を構成し、一方20,21によって変調部電極
を構成している。増幅部電極としてのP電極11と変調部
電極21とは電気的に分離されている。この電気的分離
は、例えば、第1図A中に図示されたような高抵抗部41
を形成することによって行なわれる。
17は増幅部バイアス電源、18は変調部バイアス電源、
19はパルス発振器である。
第1図Aの半導体発光装置において、増幅部電極とし
てのP電極11、及び変調部電極21に、順方向のバイアス
を印加した時の所要の光出力をP0とする。この時増幅部
電極としてのP電極11及び変調部電極21から注入される
電流密度を同一とする。この状態は第3図Aに示す従来
例としての半導体レーザに順方向バイアスを印加した場
合と同じである。
次に、変調部電極21の順バイアスを減少させる。P0
大の場合、順バイアスを零としても分布帰還型(DFB)
レーザは発振し続けている。この時、変調部に逆バイア
スを印加することにより、非発振の状態にすることがで
きる。これは、逆バイアス時フランツ・ケルデイシュ効
果により、変調部の光吸収による損失が増大するためで
ある。この非発振の状態で変調部に順方向バイアスとな
るパルスを印加する。
直接変調を行う普通の半導体レーザの場合、緩和振動
の影響があって、光出力が定常状態より上昇し、緩和振
動する。本発明の半導体発光装置でも、変調部では同じ
ことが起こるが、全体で見るとキャリアは増幅部に多く
存在するから、全体を平均して見るとキャリアの変動は
小さい。
この様子を第1図Bに示す入出力特性を用いて説明す
る。即ち、第1図Bは本発明の半導体発光装置の入出力
特性であって、光出力、平均キャリア密度、キャリア密
度、駆動電流の時間変化を示す図である。第1図B中に
示すように、矩形波の駆動電流Ipを印加しても変調部で
は、従来の場合と同様にキャリア密度に緩和振動が生じ
るので、光出力にはキャリア密度の変動に応じた緩和振
動が生じる。即ち、矩形波の駆動電流Ipが印加されて
も、発光に時間遅れδtが存在するので活性層13の中に
キャリアが溜ってしまい、実際の活性層13中のキャリア
密度は第1図B中に斜線で示すように定常値Npよりも多
くなる。時間遅れδt後の発光時にはキャリアの再結合
によりキャリアが定常より小さくなり、キャリア密度の
緩和振動が生じる。
ところが、本発明の構造においては、変調部と増幅部
とが分離しており、周りの増幅部の電流密度は一定であ
り、キャリア密度も一定になっていることから、半導体
レーザ全体としてみたときの活性層の平均キャリア密度
は、変動のない増幅部と変動のある変調部との平均値と
なり、変調部と増幅部の大きさの割合で平均化されるこ
とになり、第1図B中に示すように、それだけ平均キャ
リア密度の変動幅が小さくなる。例えば、増幅部2:変調
部1の割合ならば、キャリア密度の変動幅は1/3にな
る。従って、定常光出力Ppの変動幅も第1図B中に示す
ように小さくなる。
〔作用〕
上述のように、本発明によれば、キャリア密度の緩和
振動のピークが従来より小さくなるので、次の2つの作
用が得られる。
第1図Cは本発明の半導体発光装置の(a)しきい値
利得と(b)発振スペクトル図を示す。
第1図C(b)に示すように、高速変調時の多モード
発振が防止される。
本発明では、キャリア密度の緩和振動のピーク値が従
来より低くなるので、第1図C(a)に示すように基本
モードよりも高いしきい値を有する他の副次モードのし
きい値利得に到達することがなく、副次的モードの発振
が生じない。
第1図C(b)に示すように、高速変調時の発振スペ
クトルの広がりΔλの増大が従来より軽減される。
先に、第3図C(b)に関して説明したように、キャ
リア密度の変動ΔNによって、屈折率の変動Δnが発生
する。キャリア密度が高くなると、屈折率が小さくな
る。このため、半導体レーザの発光スペクトルは短波長
側に寄り、波長の短い側に発光スペクトルの膨らみ(ス
ペクトル幅の広がりΔλ)が発生する。キャリア密度
の変動が大きいと膨らみも大きくなる。ところが、本発
明によれば従来より共振器内のキャリア密度の変動が小
さいので、第1図C(b)の発振スペクトル幅の広がり
Δλが小さくなる。
次に、本発明において、変調部は増幅部の1/2以下の
長さに限定されることを説明する。
増幅部と変調部との割合は、第一に発振の安定性から
考えなければならない。変調部は増幅部の1/2程度ない
しそれ以下であることが、高速変調時に安定な発振を得
るために必要である。
これを試算してみる。
分布帰還型(DFB)レーザにおいて、安定な単一モー
ド発振を維持する条件は、 κL=0.5〜1.0 …(1) であることが知られている。ここで、κは結合係数、L
はキャビティ長である。
変調時に安定な単一モード動作を行うためには、半導
体レーザがON及びOFFの両状態とも、(1)式の安定条
件を満足しなければならない。
〔試算1〕 ON状態κLON=1.0の上限とした場合、増幅部の長さを
2、変調部の長さを1を割合としたとき、OFF状態で
は、 κLOFF=κ×〔2/(2+1)〕LON =κ×〔2/3〕LON=0.66 となり、分離層の長さを考慮して、 κLOFF≒0.5 となる。
即ち上記(1)式の範囲内であり、安定な単一モード
動作が行われることを示している。
次にもっと変調部が小さい場合の試算をする。
〔試算2〕 ON状態κLON=1.0の上限とした場合、増幅部の長さが
3、変調部の長さが1の場合、 κLOFF=κ×〔3/(3+1)〕LON =κ×〔3/4〕LON=0.75 となり、分離層の長さを考慮しても、 0.75>κLOFF>0.5 とでき、やはり(1)式の安定条件を満たしている。
この試算から明らかなように、増幅部は変調部の2倍
以上(即ち、変調部は増幅部の1/2以下)であれば、
(1)式の安定な単一モード発振条件を満たすことにな
る。
一方、変調部は次の2つの理由により小さい方が良
い。
変調部の寸法を小さくすると、容量が小さくなり、高
速動作上有利となる。
変調部が小さければそれだけ平均キャリア密度の変動
量が小さくなる。
以上から、変調部は小さい程よいが、あまり小さ
くすると、発振を有効にON、OFFできなくなる。従っ
て、レーザ発振をOFFするのに必要な損失と電極形成可
能なサイズにより限界がある。
〔実施例〕
第2図はInGaAsP系分布帰還型(DFB)半導体レーザに
本発明の半導体発光装置を適用した実施例を示す。
(a)は平面図、(b)は共振器方向断面図、(c)は
共振器に垂直な断面図である。
第2図(a)〜(c)において、11は増幅部電極とし
てのP電極、21は変調部電極である。23はN−InP基板3
2に至る溝であり、レーザの容量低減と共に増幅部電極
としてのP型電極11と変調部電極21とを分離するもので
ある。
22はInGaAsP活性層35に至らない溝であり、光路を遮
断することなく増幅部電極としてのP電極11と、変調部
電極21とを分離する。また、電気的分離を確実にするた
めにプロトン照射により高抵抗部41を形成している。
31はN電極、33はコルゲーション、34はN−GaInAsP
光ガイド層、36はP−InPクラッド層、37はP−InGaAsP
コンタクト層である。
ここで、共振器長Lcは400μm、増幅電極部としての
P電極の長さl11は60μm、変調部電極長さl21は60μ
m、分離部幅l22は20μmである。
本実施例で共振器部を中央に設けたのは、各増幅部で
の順方向バイアス時、分布帰還型(DFB)発光を抑制す
るためである。
本実施例では、全領域に電流を均一に流した時のしき
い値Ithは、30mA、光出力5mWとするためには、50mAの駆
動電流を要した。この状態で、変調部に2Vの逆バイアス
を印加することにより、非発光状態にすることができ
る。順方向に3.3Vのパルス電圧を印加することにより、
パルス発振(ピーク光出力5mW)を得ることができる。5
Gb/s変調時単一軸モード発振が得られ、チャーピングに
よる軸モード広がりも20dBダウン幅で、従来0.8nmであ
ったものを0.4nmまで狭くすることができた。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の半導体発光装置によれ
ば、高速変調時のキャリア変動を有効に抑制でき、安定
な単一軸発振が可能となる。また、チャーピングによる
軸モード広がりも抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図Aは、本発明の半導体発光装置の原理を説明する
ための模式的断面構造図、 第1図Bは、本発明の半導体発光装置の入出力特性であ
って、光出力、平均キャリア密度、キャリア密度、駆動
電流の時間変化を示す図、 第1図Cは、本発明の半導体発光装置の(a)しきい値
利得と(b)発振スペクトル図、 第2図は本発明の一実施例としての半導体発光装置の模
式的構成図であって、(a)は平面図、(b)は共振器
方向断面図、(c)は共振器に垂直な断面図、 第3図Aは、従来の半導体レーザの要部の模式的断面構
造図、 第3図Bは、従来の半導体レーザの入出力特性であっ
て、光出力、キャリア密度、駆動電流の時間変化を示す
図、 第3図Cは、従来の半導体レーザの(a)しきい値利得
と(b)発振スペクトル図である。 10,31,100……N電極 11,101……P電極 12,112……Pクラッド層 13,113……活性層 14,114……光ガイド層 15,33,115……コルゲーション 16,116……基板 17……増幅部バイアス電源 18……変調部バイアス電源 19,118……パルス発振器 20,21……変調部電極 22,23……溝 32……N−InP基板 34……N−GaInAsP光ガイド層 35……InGaAsP活性層 36……P−InPクラッド層 37……P−InGaAsPコンタクト層 41……高抵抗部 117……バイアス電源

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分布帰還型または分布反射型半導体レーザ
    において、電気的に分離され、活性層にキャリアを注入
    する変調部と増幅部とを有し、該活性層における該変調
    部の長さは、該増幅部の1/2以下の長さとしたことを特
    徴とする半導体発光装置。
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JPS5878488A (ja) * 1981-11-05 1983-05-12 Kokusai Denshin Denwa Co Ltd <Kdd> 分布帰還形半導体レーザの駆動方法

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