JP2629748B2 - 二次元有限長インパルス応答フィルタ - Google Patents

二次元有限長インパルス応答フィルタ

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JP2629748B2
JP2629748B2 JP62290356A JP29035687A JP2629748B2 JP 2629748 B2 JP2629748 B2 JP 2629748B2 JP 62290356 A JP62290356 A JP 62290356A JP 29035687 A JP29035687 A JP 29035687A JP 2629748 B2 JP2629748 B2 JP 2629748B2
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H17/00Networks using digital techniques
    • H03H17/02Frequency selective networks
    • H03H17/0202Two or more dimensional filters; Filters for complex signals

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は画像を表し連続したデジタルデータから成る
信号のための二次元有限長インパルス応答(FIR)フィ
ルタの構成に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、連続する複数のクロック期間の各々に、配
列状の上記デジタルデータの組の各々を対応する組の重
み係数群の各重み係数を乗算することによって、上記画
像の所定領域にわたってフィルタ処理をし、得られた乗
算値を合計してフィルタを通過した出力デジタルデータ
を生成するように作動する二次元有限長インパルス応答
フィルタを含む、画像を表し連続したデジタルデータか
ら成る信号を通すための二次元有限長インパルス応答フ
ィルタ構成に関する。上記フィルタは、ある軸の周りに
回転すると、上記フィルタの必要な二次元応答特性に対
応する重み係数値の三次元像を発生する輪郭を定義する
重み係数データを記憶する記憶装置と、上記デジタルデ
ータの各々に応じて、上記像内の対応する重み係数の位
置の上記軸からの半径を計算し、以て上記配列内の位置
の各々に対応する各重み係数値が対応する上記半径の値
に応じて上記記憶装置から得られるように作動する、第
1の計算手段と、上記デジタルデータの各々を上記対応
する重み係数の組の夫々の重み係数と乗算し、得られた
乗算値を合計して、上記必要なフィルタを通過した出力
デジタルデータを得る、第2の計算手段とを含む。この
構成により、従来のものに比べ記憶装置の記憶容量を大
幅に減少することができる。
〔従来の技術〕
二次元の画像を走査することによって得られる例えば
テレビ信号のような信号をサンプリング周波数fs、即ち
所定の間隔またはクロック時間T(T=1/fs)でサンプ
リングすることによってデジタル化し、時間Tの間隔で
連続してデジタルデータまたはサンプル(例えば8ビッ
トデータまたはサンプル)を生成する方法が知られてい
る。このような画像信号は都合よく操作することが可能
である。例えば、横方向(画像がラインに沿って走査さ
れる方向)と縦方向(画像走査方向を横断する方向)の
どちらか一方向または両方向に、デジタルビデオ効果を
利用して画像の大きさを縮小(圧縮)することができ
る。しかしながら、後述するように、適切な寸法補正を
行わないと画像の圧縮によってアライアシングを生じる
恐れがある。
画像の特徴は空間周波数という二次元のパラメータに
よって表すことができる。空間周波数は、画像の視覚的
スペクトラム構成要素によって画像を見る人の目に対す
る角度の逆数に比例する。空間周波数の概念は、一定間
隔を開けて並べられた直線群の画像を考えれば、より簡
単に理解されよう。このような画像に対して見る人の位
置が不変である場合、この画像は見掛け上の線の間隔に
反比例する唯1つの空間周波数を有する。(空間周波数
は、線が縦方向に並び横方向に間隔が開いているときは
水平であり、線が横方向に並び縦方向に間隔が開いてい
るときは垂直であり、その他の場合は斜めである。)画
像が圧縮され線同士が近づいて見えると、見る人の目に
対する画像の角度は減少し、従って空間周波数は増加す
る。
スケーリングの原理はフーリエ分析の中で次のように
述べられている。画像信号が空間領域で圧縮されると、
即ち画像の空間周波数が増加すると、この信号のフーリ
エ変換は周波数領域で増加し(即ち信号の周波数(Hz)
が増加する)、逆も成り立つ。
上述の画像信号はサンプリングされた信号であり、信
号のサンプル化に関するナイキストの法則は次のように
述べている。信号中に含まれる情報を失わないようにす
るには、信号の周波数の少なくとも2倍に等しい周波数
(fs)、または信号の帯域(fB)の2倍の周波数でサン
プル化する必要がある。この基準は、始めにアナログ信
号を横方向にサンプル化してデジタル入力信号を形成す
れば、満たされる。サンプル化された信号の周波数領域
における周波数スペクトラム(フーリエ変換)を添付図
面の第1図に示す。これは振幅と周波数(Hz)のグラフ
である。この周波数スペクトラムはベースバンド要素
(10)(周波数fBまで)を含んでいる。又、ベースバン
ドはサンプリング周波数fs及びその高調波2fs,3fs等の
付近で対称的に反射してより高い周波数要素(12)を生
ずる。ナイキストの法則が満たされ(従ってfs/2はfBよ
り大)且つ信号は帯域制限され(ローパスフィルタをか
ける)約fs/2のカットオフ周波数を有するようにすれ
ば、高周波要素(12)は抑制される。
上述のように、サンプル化された信号が空間領域で圧
縮される時、そのフーリエ変換は周波領域の膨張を示
す。従って、第1図の要素(10),(12)の帯域は拡大
する。第1図の点線で示すように、これは信号のアライ
アシングを起こし、信号の帯域fBはナイキスト限度(fs
/2)を越えるかもしれない。そのため、より高い周波数
要素(12)の少なくとも一番低い周波数の1つの部分が
下方に拡張し、ベースバンド(10)と混成され、これに
よって信号及びこの信号が表す画像が劣化されることに
なる。
圧縮によるアライアシングを防止するには、圧縮手段
に先立ってフィルタを設け、圧縮が行われるとナイキス
ト限度周波数(fs/2)を越える恐れのある二次元入力ス
ペクトラムの部分を除去することが考えられる。理想的
には、フィルタは平坦な通過帯域と、帯域が0に近いス
トップバンド及び移行バンドで無限の減衰とを有するも
のがよい。しかし、このような理想的なフィルタは実際
上当然不可能である。しかしながら、二次元(2D)FIR
フィルタを用いることによって、適切なフィルタ特性を
得ることができる。
2D−FIRフィルタは、T(=1/fs)に等しい連続した
クロック期間にわたって動作可能であり、所定の空間関
係にある画像信号のデータまたはサンプルの組を処理す
ることにより、二次元の画像の所定の領域内でフィルタ
をかけ、フィルタを透過したデータまたはサンプルを生
成することができる。具体的には、各クロック期間内で
2D−FIRフィルタは、入力された信号の縦方向及び横方
向に間隔をとったデータまたはサンプルの所定の組(行
列)と夫々の重み係数とを乗算し、乗算によって得られ
た積を総計することによって、出力データまたはサンプ
ルを計算するようになっている。入力データまたはサン
プルの所定の組の所望の空間関係を達成するのに必要な
一時的な遅延は、乗算処理を行うのに用いられる各乗算
器の前または後に遅延素子を設けることによって得るこ
とができる。このように、遅延素子は画像信号を両方向
に出力するもの(タップ)と考えることができる。この
タップの数が大い程フィルタの応答は理想的フィルタの
応答により近づくことになる。
ここで、例えばゼロ圧縮(1:1)から100:1までの圧縮
が可能で、圧縮比を無限に変化させることのできる圧縮
手段(例えばデジタルビデオ効果装置)を考えてみる。
また、この圧縮手段の前に、圧縮の際に上述のようなア
ライアシングが起こらないか少なくとも減少させるよう
に圧縮比に応じて帯域を調整された2D−FIRフィルタを
備えるとする。実際には、フィルタを無限可変の圧縮比
に正確に対応するように、フィルタの帯域も無限可変に
設計することは不可能であろう。しかし、夫々の圧縮域
に対応した帯域群(即ち一群の応答を生成することので
きる)を有する2D−FIRフィルタを設計すること可能で
あろう。(これに関して、周知のように、ある構成のフ
ィルタの帯域は重み係数に対して選択された値によって
決められるので、前もって対応する一群の重み係数を計
算し記憶しておくことによって、一群の応答を得ること
ができる。)従って、上述のフィルタは、例えばfs/2
(ゼロ圧縮)からfs/200(100:1の圧縮)までの帯域群
を生成するように設計されたものと仮定する。添付の第
2図A,B,C,及びDは夫々1:1,2:1,3:1,及び100:1の圧縮
比に対して得れる応答を(理想的な形で)示したもので
ある。
画像は、横方向または縦方向若しくは両方向にしかも
夫々異なる比で圧縮でき、更に2D−FIRフィルタは重み
係数値を適切に選択することにより、互いに独立して変
化させることができる水平及び垂直帯域を有する。従っ
て、帯域及び圧縮に関する上述の(そしてこれから述べ
る)コメントは横方向及び縦方向に夫々独立して適用さ
れる。
二次元(水平/垂直サンプル画像信号を処理するシス
テムの帯域は第3図に示すように、空間領域において二
次元周波数応答によって表される。第3図の横軸は正及
び負方向(H+とH−)の水平空間周波数のスケールを
絵(画像)の幅当たりのサイクルを単位として表し、ま
た縦軸は正及び負方向(V+とV−)の垂直空間周波数
のスケールを画像の高さ当たりのサイクルを単位として
表す、長方形(14)はこのシステムの二次元帯域を表
し、範囲(16),(18)は垂直及び水平帯域を夫々表
す。もしこのシステムが3D−FIRフィルタを備えていれ
ば、垂直及び水平帯域は重み係数値を変えることで制御
することができる。しかし、例えば上述のfs/2からfs/2
00の範囲のように帯域が広範囲にわたって変化する場
合、さらにフィルタの応答が全範囲にわたって理想的な
応答に近くなければならない場合、非常に多数のタップ
が必要となる。その結果、各方向に対するハードウエア
量はタップの個数に比例するので、フィルタは非常に大
きく高価なものとなる。
この問題を克服するために、本願の出願人はイギリス
国特許出願GB−A−2184316において、画像を表し時間
Tの間隔をおいて配置された一連のデジタルデータを含
む信号に用いる2D−FIRフィルタ構成を提案した。この
フィルタは次の要素で構成されている。
(1) Tに等しい複数の連続したクロック期間の各々
において、画像信号の内所定の空間関係を有するデータ
群を処理して中間データを生成することによって、画像
信号の所定の領域にわたってフィルタをかけるように作
動する2D−FIRフィルタ。
(2) 連続したクロック期間に生成された中間データ
の内少なくとも数個を記憶する記憶手段。
(3) 画像の圧縮比を示す信号に応じて、ゼロ圧縮に
対する対域の値に関して、圧縮比だけ縮小された帯域に
FIRフィルタを適合させ、圧縮比に関連した数の中間デ
ータを組合わせて、上記所定の領域の倍数である画像の
より広い領域にわたるフィルタ処理を表す出力データを
生成する、制御手段。
このような2D−FIRフィルタ構成には、画像信号が実
質的に圧縮される時にこの画像信号の内のあるものが不
要になるという利点がある。従って、このフィルタ構成
は、夫々各クロック期間内に発生した中間データの組合
せを含む出力データを生成する。よって、各出力データ
は、各クロック期間に処理されたデータ群に対応した所
定の領域の倍数である画像領域にわたるフィルタ処理を
表す。言い替えれば、各出力データは、2D−FIRフィル
タのタップの数が同じ倍数だけ増加されれば得られるデ
ータと、事実上等しい。従って、このフィルタ構成は、
圧縮比(圧縮ファクタ)の増加に伴ってタップの数が増
加するかのように作動する。従って、ハードウエアのリ
サイクルとでも言える動作によって、事実上ゼロ圧縮ま
たは低い比の圧縮にのみ用いられ得る数のタップしかな
いフィルタを構成でも、従来のフィルタで良好な応答を
得るには非常に多くのタップを必要とするような広い範
囲の圧縮ファクタにわたって作動させることができる。
このような2D−FIRフィルタ構成は、更に、複数の乗
算器と、複数の異なるフィルタ帯域に対応する複数の異
なる重み係数のセットを含む係数記憶装置とを含んでい
る。制御手段は、圧縮比と最適な対応関係にある帯域を
有するフィルタ構成を生ずる重み係数のセットを記憶装
置から選択して、乗算器に供給するように作動する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような2D−FIRフィルタ構成では、また一般的に
画像を表し連続したデジタルデータを含む信号のための
もので記憶装置から得た夫々の重み係数を入力されたデ
ジタル信号と乗算することによって作動する2D−FIRフ
ィルタ構成では、記憶装置のビット数が過度に多くなる
可能性がある。このために、記憶容量は、フィルタ構成
が必要とする二次元の各方向のタップの数の乗算値、フ
ィルタサイズの最大値(1つの画像信号の横方向のサン
プル数と縦方向のサンプル数との乗算値である)、配列
内に挿入された位置の数、各重み係数を表すのに使われ
るビット数によって決定される。明らかに、これでは記
憶すべきビット数が受け入れられない程大きな数になっ
てしまったり、記憶すべきビット数を許容範囲内に収め
るためにフィルタ構成の質を落とさざるを得ないという
可能性がある。
上記のフィルタ構成の代わりに考えられるのは、分離
可能な可変フィルタを用いることである。このようなフ
ィルタでは、帯域が横方向及び縦方向に良好に制御でき
るが、斜め方向にはうまく制御できない。従って、この
ようなフィルタは、画像を回転させる場合に斜め方向か
らはずれた要素が横方向及び縦方向に入り込んでしまい
アライアシングを起こすため、デジタルビデオ効果を必
要とする場合には用いることはできない。
本発明の目的は、改善された二次元有限長インパルス
応答フィルタ構成を提供することである。
本発明の他の目的は、重み係数データ用に必要な記憶
容量が少なくて済む二次元有限長インパルス応答フィル
タ構成を提供することである。
本発明の更に他の目的は、ある軸の周りに回転する
と、上記フィルタの必要な二次元応答特性に対応する重
み係数値の三次元像を発生する輪郭を定義する重み係数
データを記憶する記憶装置を有する二次元有限長インパ
ルス応答フィルタ構成を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、画像を表し連続したデジタルデータ
から成る信号を通すための二次元有限長インパルス応答
フィルタ構成が提供され、上記フィルタ構成は、連続す
る複数のクロック期間の各々に、配列上の上記デジタル
データの組の各々を対応する組の重み係数群の各重み係
数を乗算することによって、上記画像の所定領域にわた
ってフィルタ処理をし、得られた乗算値を合計してフィ
ルタを通過した出力デジタルデータを生成するように作
動する二次元有限長インパルス応答フィルタを含み、更
に上記フィルタは、 (1) ある軸の周りに回転すると、上記フィルタの必
要な二次元応答特性に対応する重み係数値の三次元像を
発生する輪郭を定義する重み係数データを記憶する記憶
装置、 (2) 上記デジタルデータの各々に応じて、上記像内
の対応する重み係数の位置の上記軸からの半径を計算
し、以て上記配列内の位置の各々に対応する各重み係数
値が対応する上記半径の値に応じて上記記憶装置から得
られるように作動する、第1の計算手段、及び (3) 上記デジタルデータの各々を上記対応する重み
係数の組の夫々の重み係数と乗算し、得られた乗算値を
合計して、上記必要なフィルタを通過した出力デジタル
データを得る、第2の計算手段を含む。
〔作 用〕
本発明によるフィルタ構成の実施例では、上述した従
来の2D−FIRフィルタ構成に比べ、記憶装置の記憶容量
を場合によっては数桁減少することができる。従って、
記憶されるべき重み係数データ量は、事実上、二次元フ
ィルタ配列ではなく一次元フィルタ配列のそれに相当す
る。本発明では、第1の計算手段を付け加えなければな
らないが、さほど重大なハードウエアの付加にはならな
い。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第4−23図を参照しながら説
明する。
第4図は、画像を連続するラインに沿って走査するこ
とによって生成されたアナログ信号(例えばテレビ又は
ビデオ信号)をデジタル化することによって得られた二
次元のデジタル画像信号を表す。具体的には、このデジ
タル信号はアナログ信号をサンプリング周波数fs、即ち
所定の間隔T(T=1/fs)でサンプリングすることによ
って得られ、時間間隔Tのサンプルを表すデジタルデー
タを生成する。最上列の“X"は画像の第一(走査)ライ
ンを表し、画像を走査する方法に対応した方向(ここで
は横方向とする)にTの間隔で配置されている。1ライ
ン当たりのサンプル数は、各システムによって予め決め
られており、例えば864個とする。第一ラインを構成す
るサンプルに、画像の次のラインを表す同一数のサンプ
ル(第4図の第二列)等が、第4図の配列(例えばテレ
ビ信号の1フレームまたは1フィールドに相当する)を
構成する分だけ続いている。縦方向、即ち画像を走査す
る方向を横切る方向に隣接する2つのサンプルは、サン
プリング間隔Tに1ライン当たりのサンプル数を乗算し
た値だけ間隔をおいて配置されている。
第4図に示された画像信号が、フィルタ通過後に行う
圧縮によって起こる上述のアライアシングを防止できる
ような帯域を有する従来の2D−FIRフィルタにかけられ
ると仮定する。フィルタ通過後、信号は第5図に示すよ
うになる。同図でフィルタを通ったサンプルまたはデー
タはドットで表されている。この図からわかるように、
第5図のフィルタ通過後の配列と第4図のフィルタに入
力される配列との間には、1対1の対応関係がある。つ
まり、Tに等しい各クロック期間において、フィルタは
夫々の出力データを計算するのであり、言い替えれば、
フィルタは各入力データに対して1つの出力データを生
成する訳である。しかし、この画像が実質的に圧縮され
るものとすると、これらの計算の内多くのものが不要と
なる。例として、画像が横方向及び縦方向の各々に2:1
で圧縮される場合を考える。圧縮された画像を作るに
は、圧縮を行う手段(例えばデジタルビデオ効果装置)
は第5図に示された配列から1つおきにデータを選択す
ればよい。この様子は、第5図の配列の小領域を示す部
分に表されており、フィルタを通過したデータまたはサ
ンプルの内、丸で囲まれたものだけが出力される配列を
構成するのに用いられている。“+”で表された出力さ
れる配列は、横方向に間隔Tで配置された、圧縮された
信号のデータを表す。縦方向の圧縮では、全部のライン
に対して計算する必要はなく(2:1の圧縮の場合1本お
き)、横方向の圧縮では、用いられるライン(2:1の圧
縮の場合1本おき)中にあるデータの計算の内あるもの
は不必要となる。
このように、フィルタからの出力信号の内1/4した圧
縮手段によって用いられないので、2D−FIRフィルタに
よって行われる計算の3/4は不必要となる。より一般的
には、画像を横方向に横方向圧縮係数HCFで圧縮し、縦
方向に縦方向圧縮係数VCFで圧縮する場合、出力データ
の1/HCF.VCFだけが圧縮手段によって用いられる。不必
要な計算に要する時間は圧縮比が高い程(そしてアライ
アシングを防止するためにフィルタの帯域を狭める
程)、長くなる。
後述する本発明の2D−FIRフィルタは、圧縮比に応じ
て必要な数の出力データだけを生成し、不必要なデータ
計算に要していた時間を必要なデータの計算のみに使
い、これによって、フィルタの基本構成で得られる数よ
り多い数の出力データを効果的に計算することができ、
より理想的応答に近い応答を得ることができる。
本発明を実施した2D−FIRフィルタを、第6図にブロ
ック図で示す。図にあるように、ライン(20)上にある
入力画像信号(上述の形態のもの)は、メモリ(22)に
供給される。メモリ(22)は、予備記憶部(24)、配列
記憶部(26)、中間乗算値記憶部(28)から成ってい
る。上述のように、ライン(20)上にある入力画像信号
は、間隔T(T=1/fs)で配置されたサンプルを表す一
連のデジタルデータを含む。サンプルはマルチビット
(例えば8ビットデータ)のデータで表され、これらの
ビットは通常周波数(サンプリング比)fsでパラレルに
転送される。同様に、第6図の回路内部で生成される種
々のデータもビットも、回路の様々な要素間をパラレル
で転送される。更に、第6図の回路から出力されるフィ
ルタを通過したデータの各ビットも一般的にパラレルに
送り出される。従って、第5図で示し説明した“ライ
ン”は、実際はバスまたはハイウエイの形状をしてい
る。
メモリ(22)の予備記憶部(24)、配列記憶部(2
6)、中間乗算値記憶部(28)は、各々複数のライン記
憶部を備えている。このライン記憶部については後述す
るが、画像のライン当たりのサンプル数、例えば864
個、と等しい数のデータを記憶することができる。
配列記憶部(26)と、乗算器群(30)と、重み係数計
算器(32)と、合計計算手段(34)とは、互いに協動
し、2D−FIRフィルタを構成する。2D−FIRフィルタは、
Tに等しい連続するクロック期間の各々で、画像の所定
の領域内の画像信号をフィルタにかける。この動作は、
連続するクロック期間の各々の間に、所定の空間関係を
有する入力信号の縦方向及び横方向に配置されたサンプ
ルの所定の組に対応するデジタルデータを夫々の重み係
数と乗算し、乗算値の合計を求めて、出力デジタルデー
タを計算することによって行われる。このフィルタで
は、配列記憶部(26)が必要に応じて一時的遅延を生
じ、入力サンプルの所定組の好ましい空間関係を作り出
している。具体的には、各クロック期間に、配列記憶部
(26)は上述の画像の所定領域を構成する入力サンプル
の1組を、横方向、縦方向に夫々n,mの大きさを持つ二
次元配列の形に編成し、n×m個のサンプルに対応する
夫々のデジタルデータをn×m本のライン(36)を介し
て同時に(パラレルに)乗算器群(30)に供給する。
第7図で、n×m個のデジタルデータd0−d(n×
m)は、乗算器群(30)内でn×m個の乗算器(38)の
夫々に供給っされ、n×m本のライン(40)を介して重
み係数計算器(32)から供給されるn×m個の重み係数
w1−w(n×m)と夫々乗算される。乗算器(38)によ
って発生された乗算データは、n×m本のライン(42)
を介して合計計算手段(34)に供給されて互いに加算さ
れ、各クロック期間に対するフィルタの出力データをラ
イン(44)に発生する。
後述する理由によって、第6図のフィルタ構成に入力
された信号と同じ周波数fsでライン(44)に送出され
た、フィルタからの出力データは、フィルタ構成全体に
対して「中間データ」または「中間乗算値」と考えられ
る。
次に、重み係数計算器(32)について詳細に説明す
る。第8図は、27タップ×27タップの2D−FIRフィルタ
の重み係数値をコンピュータを用いて三次元にプロット
したものである。二次元では、第一ベッセル関数を用い
て理想的なフィルタ応答を得ることができる。従って、
この場合も第一ベッセル関数を用いて重み係数値を求
め、更に得られるフィルタ特性を改良するために円筒形
ウインドウを用いることにする。
第9図は、円筒形ウインドウを用いて得られたフィル
タ特性をコンピュータを用いて三次元にプロットしたも
のである。第8図からピーク周辺に重み係数値の波があ
ることがわかる。第9図に見られるように、この波はフ
ィルタ特性の通過帯及びストップバンドの波として現れ
る。
この波は、第10図及び第11図に示すように、ハミング
ウインドウを用いることにより減少することができる。
第10図は27タップ×27タップの2D−FIRフィルタの重
み係数値をコンピュータを用いて三次元にプロットした
もう1つの図である。重み関数値は第一ベッセル関数を
用いて求められ、更に得られるフィルタ特性を改良する
ためにハミングウインドウを用いている。
第11図は、ハミングウインドウを用いて得られたフィ
ルタ特性をコンピュータを用いて三次元にプロットした
ものである。第11図から、重み係数値のピーク周辺の波
及びフィルタ特性の通過帯域及びストップバンドの波
は、第9図と比較して減少されていることがわかる。
第10図に戻って、重み係数計算器(32)を、画像信号
から選択された位置を表す大量の配列の夫々に対応する
重み係数を記憶するメモリー群に置き換えるとすれば、
許容できない程大量の記憶容量が必要となることは明ら
かである。しかしながら、第10図から、重み係数のピー
ク値に対応する位置を通る垂直軸Aを基準に輪郭線Pを
回転させれば図全体ができあがるので、輪郭線Pを定義
するデータだけ記憶できれば充分であることがわかる。
この重み係数の輪郭のデータが与えられ、更に垂直軸A
から例えば点Sまでの半径Rがわかっていれば、点Sの
ようなあらゆるサンプル位置に対応する重み係数値でも
計算することができる。
あらゆるサンプル位置Sに対する半径Rはサンプルア
ドレスから計算することができる。これはピタゴラスの
定理を用いて計算できるが、この計算に含まれる二乗や
平方根は簡単にはできない。従って、必要な計算はロガ
リズムや三角関数を用いて行うことが望ましく、これに
よって計算中に得られる数を表すビット数はより簡単
に、要求される精度を達成するように制御される。第12
図は軸Aから半径Rの位置にありアドレスx0+xgm′+y
0+ygn′のサンプル位置Sを表し、x0,y0はフィルタの
中心のタップ0,0に対するオフセット座標、xg,ygはフィ
ルタの横方向及び縦方向のタップの配置空間(これによ
ってフィルタの全体のサイズが決まる)、m,nは配列内
のサンプルの横方向及び縦方向の位置を示し、Qは半径
Rと横軸との角度である。簡素化するために、第12図の
辺をa,b,cとする。従って、 Q=tan-1{log-1(log b−log a)} …(1) これから R=log-1{log a −log〔costan-1log-1(log b−log a)〕} …(2) が求められる。
式(2)は第13図に示す重み係数計算回路またはプロ
セッサで数値化することができる。入力値a,bは、参照
テーブルを記憶しているプログラマブルリードオンリー
メモリ(PROM)(100),(101)内で夫々log a,log b
に変換され、得られたlog値は減算器(102)で減算さ
れ、更に減算器(102)の出力値は参照テーブルを記憶
しているPROM(103)によってlog cos θに変換され
る。PROM(103)の出力は、減算器(104)によってlog
aから減算され、減算器(104)から得られた値は、参照
テーブルを記憶しているPROM(105)によって半径Rに
変換される。半径RはPROM(106)に記憶されている参
照テーブルを用いて輪郭Pを半径に関する重み係数値で
定義するために使われ、これによって必要となる重み係
数値を得ることができる。PROM(106)に記憶されてい
るデータは、輪郭P、即ち重み係数値を高精度で表すこ
とができるように高密度なものである。
必要な重み係数はリアルタイムで発生されなければな
らない。つまり、各クロック期間内に対応するサンプル
位置の配列の全部の位置に対応する全重み係数を発生し
なければならない。例えば、フィルタを通過した各出力
データを得るのに4×4の配列を用いた場合(m=n=
4)、各クロック期間内に16の重み係数を発生しなけれ
ばならない。
第14図は16の重み係数を同時に発生する配列プロセッ
サを示す。この配列プロセッサは加算器(110)−(11
3)を備えている。y0は加算器(110)に供給され、ygは
加算器(110)−(113)の各々に供給される。更に加算
器(110)には、配列の横方向補間オフセット係数であ
るΔyが供給される。加算器(110)−(113)の各出力
はカスケード状に接続される、即ち加算器(110)の出
力は加算器(111)に入力されるというようにして、加
算器(112)の出力は加算器(113)に入力される。同様
に、配列プロセッサは加算器(114)−(117)を備えて
おり、これらにはx0,xg,Δxが供給される。但し、Δx
は縦方向補間オフセット係数である。加算器(110)−
(113)の出力は夫々PROM(118)−(121)に供給さ
れ、加算器(114)−(117)の出力は夫々PROM(112)
−(125)に供給される。PROM(118)−(125)は参照
テーブルを記憶しており、夫々の入力をlog値に変換す
るように作動する。
配列プロセッサは更に16の重み係数プロセッサ(12
6)−(141)を備えており、各重み係数プロセッサは第
13図を参照して述べたプロセッサの素子(102)−(10
6)で構成されている。第14図では、プロセッサ(126)
−(141)は、配列内の重み係数の横方向及び縦方向位
置を示す座標n,mに対応して、(0,0),(0,1),(0,
2),(0,3),(1,0),…,(3,3)を付番されてい
る。例として、プロセッサ(126)はlog a,log b(第12
図)に対応するPROM(118)−(122)の出力を受取り、
上述の半径Rと輪郭Pとを介して配列の位置(0,0)に
対する重み係数を得る。同様に、配列中の他の15の位置
に対応する重み係数は、プロセッサ(127)−(141)に
よって得られ、これらの重み係数は、ライン(40)(第
6図)に供給される。本例では、n×mは4×4に等し
い。
このように参照テーブルから重み係数を得る方法は、
特に多数の参照テーブルから重み係数を得る場合(上述
の例では、第14図のプロセッサ(122)−(141)の夫々
に含まれる第13図の16個のPROM(106)に対応して16の
テーブルがある)、除去できない問題がある。これは標
準化の問題、即ち確実に全重み係数を乗算してひとつに
する問題である。この問題を克服する方法については後
述する。
第6図に戻って、合計計算手段(34)は二入力加算器
(46)の収束構成を備えたものとすることができる。こ
の加算器(46)の構成(及び第7図の回路の残りの部
分)は、第15図からより容易に理解することができる。
第15図は第7図の回路に対応しているが、上述の4×4
の配列、即ちn=m=4の具体例に適合させたものであ
る。
ライン(44)上の中間データは加算器(48)の1つの
入力に達する。一方、加算器(48)の他の入力はライン
(50)を介して中間乗算値記憶部(28)に接続されてい
る。加算器(48)の出力はライン(52)を介してデータ
スイッチ(54)の入力に接続されている。データスイッ
チ(54)は、分かり易くするため二位置機械的スイッチ
とする。図示の位置では、データスイッチ(54)は、画
像を圧縮することができるデジタルビデオ効果(DVE)
装置に接続されている出力ライン(56)にライン(52)
を接続する。データスイッチ(54)の別の位置では、ラ
イン(52)は中間乗算値記憶部(28)に戻すライン(5
8)に接続される。
制御手段(60)は、ライン(62),(64),(68)に
よって夫々メモリー(22)、データスイッチ(54)及び
重み係数計算器(32)に接続されており、これらの要素
を後述するように作動させる。制御手段(60)は、DVE
装置からのライン(70),(72)上の入力信号を受け取
る。ライン(70)上の信号は、上述の横方向圧縮係数HC
F、即ちDVE装置が画像を横方向に圧縮したい比率を表
す。同様に、ライン(72)上の信号は、上述の縦方向圧
縮係数VCF、即ちDVE装置が画像を縦方向に圧縮したい比
率を表す。圧縮比率HCF,VCFはDVE装置により公知の方法
で発生することができる。圧縮比率HCF,VCFの夫々は、
画像の領域にわたって変化してもしなくてもよい。
制御手段(60)は圧縮比率HCF,VCFを表す信号に応じ
て、各方向に圧縮比率が複数の範囲の内のどこにあるか
を検出し、検出した範囲に適したモードでフィルタ構成
を作動させる。即ち、選択された圧縮に適した数のサン
プルを取り込むのである。モードを選択すると、制御手
段(60)はライン(38)を介して重み係数計算器(32)
を制御し、計算を行わせ、各クロック期間に、n×mの
重み係数の組の内、第1図及び第2図A−Dを参照して
上述したように、圧縮に起因するアライアシングを防止
するか少なくとも減少させることのできるフィルタの横
方向及び縦方向の帯域を決める1つを乗算器群(30)に
供給する。しかし、n×m組の重み係数の同一組を、あ
るモードに対して、各クロック期間中に乗算器群(30)
に適用することはできない。実際、あるモードに用いら
れる重み係数の組数は、後述するように、そのモードに
おいて効果的に組み合わされてより大きな配列を構成す
るn×mの配列の数に対応し、これによって、より大き
な配列の各要素に対して別個の重み係数を得ることがで
きる。即ち、ゼロ圧縮または低率の圧縮を除いて、n×
m組の内の複数個が各モードで用いることができる。
制御手段(60)は、ライン(62)を介して各々の異な
るクロック期間に選択されたモードに応じてデータスイ
ッチ(54)の2つの位置を切り換えるように作動する。
又、制御手段(60)は、ライン(64)を介して定期的
に中間乗算値記憶部(28)に記憶されている中間データ
(中間乗算値)をライン(50)を介して加算器(48)に
送出し、出力データを生成するために発生された中間デ
ータ(中間乗算値)に加算される。この動作は選択され
たモードに応じて制御される。
従って、制御手段(60)は、次の2つの動作を行う。
(i)上述したように、制御手段(60)は、ゼロ圧縮時
の各方向の帯域を基準にして圧縮比に応じた量だけ減少
された帯域に2D−FIRフィルタを適合させる。従って、
第1図及び第2図A−Dを参照して上述したように、圧
縮比が増加すれば、これに応じてフィルタの帯域は減少
され、このフィルタ構成から出力される信号の2Dスペク
トラムはナイキスト限度周波数以下とされ、圧縮に依る
アライアシングは回避されるか少なくとも減少される。
(ii)制御手段(60)は、以下に詳細に述べるように、
フィルタによって生成された圧縮比に応じた数の中間デ
ータ(中間乗算値)を定期的に結合させ、出力ライン
(56)に配列記憶部(26)に形成されたm×nのサンプ
ル配列に対応する複数の所定領域である画像の一領域に
おけるフィルタ処理を表す出力データを生成する。従っ
て、圧縮された画像を形成するためにDVEユニットが必
要とする出力データのみが、第6図のフィルタ構成によ
って生成される。即ち、出力データが生成される全体の
比率は入力信号データの比率(fs)より小さく、圧縮比
が大きい程出力データの総数は減少する。このフィルタ
構成は、不要なデータを計算するのに要する時間を必要
なデータを計算するために使うので、フィルタの基本構
成によって得られる横方向n、縦方向mのタップ数より
も多いタップ数の出力データを効果的に計算することが
でき、他の場合より理想的応答により近い応答を得るこ
とができる。
圧縮比が増大すれば(そして帯域が減少すれば)、有
効なタップ数も増大し、従ってフィルタ構成の質及び能
力は向上する。
第6図に示すフィルタ構成は、周波数fs(=1/T)の
クロックパルスを発生するクロックパルス発生器を含ん
でおり、このパルスは第6図に示す種々の素子に供給さ
れ、連続するクロック期間に後述するように作動させ
る。
後述の標準化の問題に対処する方法を、第16図を参照
して以下に述べる。第16図は第6図のフィルタ構成から
制御装置(60)と関連したラインを除去して簡単にした
ものである。
第16図で、中間乗算値記憶部(28)はデータ記憶部
(28A)と係数記憶部(28B)の2つの部分を備えてい
る。更に、合計計算手段(150)、加算器(151)、デー
タスイッチ(54)と連動する係数スイッチ(152)、及
び縮尺手段(153)とを備えている。n×m本のライン
(40)は合計計算手段(150)と接続され、合計計算手
段(150)は重み係数計算器(32)によって供給される
重み係数の各々を受取り、合計する。得られた合計値
は、加算器(151)に供給され、中間乗算値記憶部の係
数記憶部(28B)に記憶されている重み係数合計値に加
算され、この合計値は係数スイッチ(152)を介して係
数記憶部(28B)に戻される。この方法で、重み係数の
現在の合計が、データ記憶部(28A)に保持されている
デジタルデータの現在の合計に対応して、係数記憶部
(28B)に保持される。
必要なフィルタを通過したデジタルデータがデータス
イッチ(54)によってライン(56)に供給される時、実
際は縮尺手段(153)を介して供給されるのであり、縮
尺手段(153)は係数スイッチ(152)を介して対応する
重み係数の現在の合計も供給される。縮尺手段(153)
はデジタルデータを重み係数の合計で除算する。言い替
えれば、縮尺手段(153)はデジタルデータの表す信号
の振幅を調整し、重み係数の各組の合計の内の1つから
のいかなるずれをも補正する。
第6図のフィルタ構成の動作を例をあげながらより詳
しく述べる。簡素化のために、以下の例では4×4の配
列を用い(n=m=4)、乗算器群(30)及び合計計算
手段(34)は第7図に示した構成であるとする。
1.ゼロ/低率圧縮 縦方向圧縮比VCF及び横方向圧縮比HCFの双方の値が1:
1(ゼロ圧縮)と2:1との間である時、制御手段(60)は
フィルタ構成がゼロ/低率圧縮モードで作動すると判断
する。制御手段(60)はこのモードの中間データスイッ
チ(54)を図示の位置に固定する。又、制御手段(60)
は、中間乗算値記憶部(28)からのデータを加算器(4
8)に供給させないので、中間データは加算器(48)を
通過するだけで変化しない。更に、制御手段(60)は、
メモリー(32)に記憶されている16個で一組の重み係数
値群から、このモードで得られる最大の圧縮の際にもフ
ィルタの帯域が圧縮によるアライアシングを回避できる
か少なくとも最小限に留めることを保証するものを選択
する。同じ組の重み係数は、連続する各クロック期間の
間乗算器群(30)に供給される。
予備記憶部(22)はこのモードでは用いられない。各
クロック期間に、配列記憶部(26)は4×4の配列の16
個の入力信号サンプル、即ちデータを乗算器群(30)に
ロードする。フィルタ構成はこのモードでは従来の2D−
FIRフィルタと同じように作動し、乗算器群(30)で配
列のデータが夫々の重み係数値と乗算され、乗算データ
は合計計算手段(34)で合計され、中間データを生成す
る。中間データは直接、加算器(48)、データスイッチ
(54)、および縮尺手段(153)(第16図)を介し、連
続して出力ライン(56)に送出される。縮尺手段(15
3)では、用いられた16個の重み係数の一組の合計が1
からそれた量を修正するための調整が行われる。従って
このモードでは、出力データは中間データであり、入力
データの周波数fsと同じ周波数で生成され、中間データ
は結合されない。連続する出力データの各々は、第17図
に示すA1,A2及びA3のような横方向に1ワードの間隔で
配置されている入力データの連続した4×4の配列を処
理することによって得られる。
2.2:1横方向圧縮 制御手段(60)は、横方向圧縮係数HCFが2:1より大き
い時(しかし3:1より小さい)、フィルタ構成をこのモ
ードにする。
このモードでは、8×4(2n×m)のサンプル配列に
わたるフィルタ処理に対処する出力データが2つおきの
クロック期間に生成される。このために同じ4×4の配
列の16個のデータが2つの連続したクロック期間を含む
1サイクルの間乗算器群(30)に供給される。しかしな
がら、16個の重み係数値の組は、4×4の配列が8×4
配列の右側か左側かによって、当然変えられる。従っ
て、制御手段(60)は、記憶装置(32)に2つの異なっ
た組の16個の重み係数を交互のクロックサイクルの間乗
算器群(30)に供給させる。勿論、重み係数値は、この
モードであろうと他のあらゆるモードであろうと、圧縮
によるアライアシングを防止するか少なくとも減少する
制限された帯域を適用させるものである。
2つのクロック期間の終わりに、配列記憶部(26)は
乗算器群(30)に、前の配列よりワード分横方向に移さ
れたもう1つの4×4の配列を供給する。この過程は無
制限に続けられる。
2つのクロック期間を含む各サイクルに発生された2
つの中間データの内、1つはデータスイッチ(54)とラ
イン(58)を介して中間乗算値記憶部(28)に戻され、
他の1つは、加算器(48)でライン(50)を介して中間
乗算値記憶部(28)から戻された前の中間データと組み
合わされ、出力データ(横方向に隣接する2つの4×4
の配列を含む8×4の配列にわたるフィルタ処理に対応
する)を形成し、縮尺手段(153)(第16図)を通じて
出力ライン(56)に送出される。制御手段(60)はデー
タスイッチ(54)、係数スイッチ(152)、及び中間乗
算値記憶部(28)を制御し、これらの動作をさせる。縮
尺手段(153)では、用いられた二組の16個の重み係数
の合計が2からそれた量を修正するための調整が行われ
る。
前述の過程は、第18図を参照することにより簡単に理
解できる。2クロック期間からなる最初のサイクルで、
4×4の配列はA1は2度処理され(夫々異なった組の16
個の重み係数で)、1組の中間データW1a,W1bを生成す
る。中間データW1aは、加算器(48)で中間乗算値記憶
部(28)に既に記憶されている中間データと結合され出
力データを形成する。この出力データはデータスイッチ
(54)を介して縮尺手段(153)と出力ライン(56)に
送出される。中間データW1bはデータスイッチ(54)と
ライン(58)とを介して中間乗算値記憶部(28)に供給
され、対応するクロック期間に出力データは発生されな
い。2クロック期間の次のサイクルで、4×4の配列A3
は、2度処理され(最初のサイクルのように夫々異なっ
た組の16個の重み係数で)、1組の中間データW3a,W3b
を生成する。中間データW3aは、加算器(48)で中間乗
算値記憶部(28)に既に記憶されている中間データと結
合され出力データを形成し、一方中間データW3bは中間
乗算値記憶部(28)に転送される。この過程は、次の第
1表にあるように、連続するクロック期間継続する。
第1表から、出力データが各1つおきのクロック期間
に、横方向に、フィルタの基本構成のタップ数(4個)
の2倍のタップ数(8個)で生成されることがわかる。
又、圧縮によって不必要となるデータ、即ち図示の配列
A1,A3の間の配列に基づく出力データは発生されず、こ
れらの不必要なデータを発生するのに要する時間を、他
のデータと結合する中間データを発生するのに使用し、
それによって8×4の配列を基本とした出力データを形
成することができる。
又、第1表の右側のコラムから、このモードでは中間
乗算値記憶部(28)で使用される記憶容量は2つの中間
データまたはサンプルに必要な量と同じであることがわ
かる。
3.3:1横方向圧縮 制御手段(60)は、横方向圧縮比HCFが3:1以上の時、
フィルタ構成をこのモードに切り換える。
このモードでは、12×4(3n×m)のサンプル配列で
のフィルタ処理に対応する出力データを3クロック期間
に一度生成する。モード2とは反対に、異なる4×4の
配列の入力データまたはサンプルが各クロック期間に乗
算器群(30)に供給され、連続する配列は、モード1の
ように、横方向に1ワードの間隔をおいて配置されてい
る。しかしモード1とは反対に、異なる3組の16個の重
み係数群が3クロック期間を含む1サイクルの間に順番
に用いられる。これは、1サイクルを構成する連続する
3クロック期間に処理される3つの4×4の配列は12×
4の配列の右側、中央、左側を構成するためのものであ
り、対応する出力データはこの12×4の配列を基にして
いるために必要なのであり、更に、16×3(12×4)の
独立した重み係数が必要となる。
このモードで実行される処理は、下記の第2表からよ
りよく理解されよう。
第2表からわかるように、クロック期間1−3,4−6,7
−9等は、出力データの基となる12×4の配列の右側、
中央、左側の夫々に対応する4×4の配列が処理される
サイクルに対応している。
第2表から、出力データが各3クロック期間に一回、
横方向に、フィルタの基本構成のタップ数(4個)の3
倍のタップ数(12個)で生成されることがわかる。
又、第2表の右側のコラムから、このモードでは中間
乗算値記憶部(28)で使用される記憶容量は5つの中間
データまたはサンプルに必要な量と同じであることがわ
かる。
最後に、第2表から、このモードでは制御手段(60)
は数個の中間データを以前の中間データに加算し、得ら
れた合計値を次に発生された中間データに加算して、出
力データを発生する。例えば、W1はW5に加算され、加算
値は記憶された後にW9に加算され出力データを生成す
る。W1とW5は、W5が発生された時にW1を中間乗算値記憶
部(28)から加算器(48)に逆転送して、加算器(48)
内で加算することができ、この合計値はデータスイッチ
(54)によって直接記憶部(28)に戻される。このよう
な中間データの中間合計は、本モードより大きな横方向
圧縮比の時にも勿論必要である。
4.より大きな横方向圧縮 上述のモード2及び3で述べた技法は、横方向圧縮係
数HCFがもっと大きな値の場合にも対処することができ
る。HCF値が増大してフィルタ構成が別のモードに入る
しきい値は自由に選択することができる。HCF値が1増
えるごとに別のモードにすることも可能である。しか
し、特にNより大きな値に対しては、それ程頻繁にモー
ドを変えないようにすることも可能である。例えば、フ
ィルタ構成の帯域が以前の(より広い)帯域の値に対し
て1/8に減少されるようにHCF値が増加するごとに異なる
モードになるようにしてもよい。
横方向圧縮のみの場合、中間乗算値記憶部(28)の必
要とする記憶容量は最小となる。これは、一般的にある
ラインの長さよりかなり短い時間に対して特定の中間乗
算値(中間データ)だけを記憶すればよいからである。
以下に説明するように、縦方向圧縮のばあいに中間乗算
値記憶部(28)の必要とする記憶容量はより多きくな
る。
5.2:1縦方向圧縮−横方向圧縮なし 制御手段(60)は、縦方向圧縮係数VCFが2:1より大き
く(しかし3:1より小さい)、且つ横方向圧縮係数HCFが
2:1より小さいことを判別した時、フィルタ構成をこの
モードに切り換える。
このモードのフィルタ構成は、2:1横方向圧縮に非常
に近い動作をするが、各出力データが横方向に隣接する
4×4の配列を含む8×4の配列(例えば、第18図の配
列A1とA5)ではなく、縦方向に隣接する2つの4×4配
列を含む4×8(n×2m)の配列(例えば、第19図の2
つの配列A(1,1)とA(1,5)を基準にしている点で異
なる。縦方向に隣接した4×4の配列は複数のライン
(複数のクロック期間ではなく)によって隔てられてい
るので、縦方向圧縮の場合のフィルタ構成の動作は、横
方向圧縮の場合の動作とは3つの観点で異なる。第一
に、記憶装置に送られる中間データ即ち中間乗算値を計
算するために用いられる間隔は、多数のライン全体を含
む。(従って、2:1縦方向圧縮の場合、一つおきのライ
ンの間に出力データは生成されない。)第二に、中間乗
算値は一本のライン全体に対して発生されるので、中間
乗算値記憶部(28)の少なくとも1ライン分の容量がな
くてはならない。(実際にこのモードでは少なくとも2
ライン分必要である。)第三に、(以下に説明するが)
フィルタは4本のラインのグループを通る2本の経路を
作るので、予備記憶部(22)は、現在の時間の間に入力
され次の処理に用いられる信号を蓄積するためのバッフ
ァとしての役割も果たさねばならない。
このモードでのフィルタ構成の動作を、第19図を参照
しながら説明する。フィルタ構成は、第19図に示される
配列A(1,1),A(2,1),A(3,1)等、即ち横方向に1
クロック期間(1データまたはサンプル)ずつ増加して
第19図のライン1−4までシフトすることによって得ら
れた配列を処理する。この処理の間、出力データの基準
となる下半分の4×8の配列に対応する16個の重み係数
値群が各クロック期間に用いられる。各クロック期間に
生成された中間データは、縦方向に隣接する4×4の配
列に対応する中間データと結合され、4×8の配列を基
にした出力データを生成する。従って、このモードでは
1本のライン全体に及ぶので、出力データは各クロック
期間ごとに生成される。
フィルタは同一配列(ライン1−4)を再度処理する
が、4×8の配列の上半分に対応する16個の重み係数値
群を用いる。この処理で得られた全ての中間データは1
ライン全体に対応し、中間乗算値記憶部(28)に記憶さ
れ、出力データは生成されない。
フィルタは、次にラインを2本飛び越して、第19図の
ライン3−6に対して同様な処理を2度行い(配列A
(1,3)から始める)、再度1ライン期間記憶しておく
(出力データではない)中間データを生成し、別のライ
ン期間の各クロック期間に出力データを生成する。
次に、フィルタは更にラインを2本飛び越して、第19
図のライン4−8に対して同様な処理を2度行い(配列
A(1,3)から始める)、以下同様に続ける。
上述の説明から、中間乗算値記憶部(28)は一度に2
ライン以上の記憶容量が必要であることがわかる。又、
予備記憶部(22)の他のデータの処理中に入力されるデ
ータを記憶するために少なくとも1ライン分の記憶容量
を必要とすることもわかる。例えば、ライン1−4に対
して行われる2度目の処理の間、ライン5が入力され、
ライン3−6に対して行われる次の2回の処理で用いる
ために記憶される。(ライン6は入力時に、配列記憶部
(26)の適切なライン記憶部に直接供給することができ
る。これについては後に詳しく述べる。)このモードの
動作は次の第3表によってより明瞭に理解されよう。第
3表で符号「L」(ナンバー)sa(またはsb)は上述の
ように生成された中間データ(小計)のラインを示す。
「L」(ライン)に続く番号は中間データのラインが出
力データ(中間データのラインのデータを結合して形成
された)の連続ラインのどれに属するかを示す。「s」
(小計)に続く文字「a」または「b」は、上述の2回
の処理動作の内のどちらで中間データのラインが生成さ
れたかを示す。即ち、そのラインが4×8の配列の上半
分と下半分のどちらに対応する中間データを含むのかを
示す。(同様な方法は以下に現れる第4−6表でも用い
られる。)従って、例えば出力データの第1ラインは小
計(中間データのライン)L1sa,L1sbを結合することに
よって形成される。これは第19図を参照すると、小計L1
saは配列A(1,1)等(ライン1−4)を4×8の配列
の上半分に対応する重み係数群で処理することによって
形成された中間データを含み、小計L1sbは配列A(1,
5)等(ライン5−8)を4×8の配列の下半分に対応
する重み係数群で処理することによって形成された中間
データを含む。
第3表から、このモードにおいてこの構成でいかなる
ラインにも必要なライン記憶容量の最大値は、予備記憶
部(24)に1ライン分、配列記憶部(26)に4ライン
分、中間乗算値記憶部(28)に2ライン分で、合計7ラ
イン分の容量となる(例えば、ライン9、及び11を見
よ)。従って、7ライン分の容量があれば、4×4配列
の基本構成を有するフィルタを4×8構成の効果を持つ
フィルタ構成に変更することができる。
6.2:1横方向及び縦方向圧縮 制御手段(60)は、縦方向圧縮係数と横方向圧縮係数
の双方が2:1より大きく3:1より小さいことを判別した
時、フィルタ構成をこのモードにする。
このモードでは、出力データは4つの隣接した4×4
の配列、例えば第20図のA(1,1),A(5,1),A(1,5),
A(5,5)、に対応する8×8の配列を基準にする、モー
ド5(2:1縦方向圧縮、横方向圧縮なし)のように、一
本おきのラインで出力データは生成されない。他のライ
ンではモード2(2:1横方向圧縮)のように、1つおき
のクロック期間で出力データは生成される。従って、こ
のモードはモード2と5の組合せを含んでおり、例えば
次のように機能する。モード5のようにライン1−4は
2回処理される。しかしながら、モード5とは逆に、こ
のモードで処理される配列は配列A(1,1),A(2,1),A
(3,1)等の全てではない。代わりに、モード2のよう
に1つおきの配列A(1,1),A(3,1),A(5,1)等が処
理される。これらの各配列は夫々異なる2組の16(4×
4)個の重み係数群で2度処理され、2つの中間データ
を生成する。モード5と同じようにライン1−4は2度
処理される。従って、このような4×4の配列の各々は
4つの対応する出力の基本となる4つの8×8の配列の
夫々異なった部分に対応するので、1つおきの4×4の
配列A(1,1),A(3,1)等の各々は4つの異なる重み係
数群で4度処理される。
フィルタ構成が最初にライン1−4を処理する時の動
作を考える。上述のように、各1つおきの配列は2度処
理され(2つの連続したクロック期間またはサイク
ル)、2つの中間データを生成する。これらの中間デー
タ即ち中間乗算値の内の1つは加算器(48)によって中
間乗算値記憶部(28)から戻され記憶されていた中間乗
算値と加算され出力データを生成する。中間乗算値記憶
部(28)は、出力データの基本となる8×8の配列の3/
4に対応する3つの中間乗算値の合計を記憶している。
もう1つの中間データは、中間乗算値記憶部(28)から
戻され記憶されていた中間乗算値(出力データの基本と
なる8×8の配列の上半分に対応する前に得られた2つ
の中間乗算値の合計)と加算され、その合計、即ち加算
によって得られた中間乗算値は中間乗算値記憶部(28)
に戻される。この中間乗算値は2クロック期間後に中間
乗算値記憶部(28)から取り出され、新しく発生された
中間乗算値に加算され、上述のような出力データを生成
する。従って、このモードでは1つおきのクロック期間
に1つの出力データを生成する。
次に、フィルタ構成が二度目にライン1−4を処理す
る時の動作を考える。再び各一つおきの配列が二度処理
され(2つの連続したクロック期間またはサイクル)、
2つの中間データを生成する。これらの中間データの各
々は、中間乗算値記憶部(28)に送られ、2クロック期
間後に取り出され、新しく発生された中間データと加算
され、再び中間乗算値記憶部(28)に送られ記憶され
る。このように、モード5のように二度目の処理動作で
は出力データは生成されない。又、同じくモード5のよ
うに、動作の終了時に中間乗算値記憶部(28)はこの処
理によって生成された、1ライン当たりのサンプルの数
と等しい数の中間乗算値を記憶している。しかしなが
ら、モード5では記憶された中間乗算値の各々が出力デ
ータの基本となる4×8の配列の上半分(4×4)に対
応しているのに対し、このモードでは記憶された中間乗
算値の各々が出力データの基本となる8×8の配列の上
半分(8×4)に対応している。(尚、縦方向及び横方
向に2:1の圧縮を行う場合に中間乗算値記憶部(28)に
要求される記憶容量、縦方向のみに2:1の圧縮を行う場
合と同じである。) 3ライン後、ライン5−8が初めて処理される時、ラ
イン1−4が2度目に処理された時に生成された中間乗
算値が中間乗算記憶部(28)から取り出され、ライン1
−4に対して最初に行われた処理について上述したのと
同じように、出力データの生成に用いられる。即ち、各
中間乗算値(8×8の配列の上半分に対応する)は呼び
戻され、新しく発生された中間乗算値に加算され、8×
8の配列の3/4に対応する新しい中間乗算値を生成す
る。この新しい中間乗算値は、中間乗算値記憶部(28)
に送られ2クロック期間後に取り出され、新しく発生さ
れた中間乗算値と加算され出力データを生成する。上述
の原理は必要な変更を加えてより大きい度合の縦方向及
び横方向の圧縮に適用することができる。従って、2:1
以上の縦方向圧縮について述べる下記の例は付随する横
方向圧縮については述べない。
以前に示したように、縦方向及び横方向に2:1の圧縮
を行うのに必要な中間乗算値記憶部(28)の記憶容量は
2:1の縦方向のみの圧縮を行う時に必要な記憶容量より
大きくない。従って、縦方向及び横方向に2:1の圧縮を
行う場合、必要な記憶容量は、2:1の縦方向圧縮のみを
行うのに必要な7ライン分の容量を越えることはない。
このことは、以下に述べる2:1以上の比率の縦方向圧縮
の場合にも適用できる。これらのどの場合においても、
縦方向圧縮に横方向圧縮を加えても、以下にあげる例に
示される記憶容量の総数を越える記憶容量を必要とする
ことはない。
7.3:1縦方向圧縮 制御手段(60)は、縦方向圧縮係数VCFが3:1より大き
いことを判別した時、フィルタ構成をこのモードにす
る。
この場合、4×12の配列(各々縦方向に隣接する3つ
の4×4配列によって形成される)を基にした出力デー
タが3ラインに1回のみ生成され、他のラインの時は出
力データは生成されない。出力データが生成されるライ
ンでは、2:1以下の横方向圧縮の場合各クロック期間で
1つのデータが生成され、2:1以上の横方向圧縮の場合
各クロック期間でそれ以下のデータが生成される。後者
の場合、出力配列の横方向のサイズは勿論4の倍数であ
る。
このモードでは、(モード5のように)4ラインの各
グループをフィルタに2度入力信号の連続する2本のラ
インに対して供給し、2本のラインを飛び越す必要がな
いので、予備記憶部(24)は必要ない。その代わりに、
配列記憶部(26)から乗算器群に供給される4本のライ
ンは、入力信号の各ラインに対してライン1本増加され
る。
このモードの作動は次の第4表からよりよく理解され
よう。
第4表からわかるように、各出力データが4×4の配
列を基にしているので、制御手段(60)はある小計(中
間データのライン)を以前に発生され記憶されている小
計に加算し、この結果できた小計を次に発生される小計
に加算して、出力データのラインを発生する。例えば、
出力ライン3では、L3saが発生されライン10に記憶され
る。次にL3sbが発生され(ライン14)、モード6のよう
にL3sbが発生される時そのデータがL3saのデータに加え
られる。しかし、モード5とは反対に、結果として生じ
た小計(L3sa+L3sb)は出力ライン(56)から出力され
ず、代わりにデータスイッチ(54)によって記憶部に転
送される。L3scがライン18に発生されると、小計(L3sa
+L3sb)が記憶部(28)から呼び戻され、そのデータが
L3scに加算され出力ライン3を生成する。このような中
間小計の中間合計は、縦方向圧縮係数が本モードより大
きい時にも勿論必要である。
第4表から、このモードにおいてこの構成でいかなる
ラインにも必要なライン記憶容量の最大値は、配列記憶
部(26)に4ライン分、中間乗算値記憶部(28)に3ラ
イン分で、合計7ライン分の容量となる。従って、7ラ
イン分の容量があれば、4×4配列の基本構成を有する
フィルタを4(最低)×12構成の効果を持つフィルタ構
成に変更することができる。
8.4:1縦方向圧縮 制御手段(60)は、縦方向圧縮係数VCFが4:1より大き
いことを判別した時、フィルタ構成をこのモードにす
る。
この場合、4×16の配列(各々縦方向に隣接する4つ
の4×4配列によって形成される)を基にした出力デー
タが4ラインに1回のみ生成され、他のラインの時は出
力データは生成されない。出力データが生成されるライ
ンでは、2:1以下の横方向圧縮の場合各クロック期間で
1つのデータが生成され、2:1以上の横方向圧縮の場合
各クロック期間でそれ以下のデータが生成される。後者
の場合、出力配列の横方向のサイズは勿論4の倍数であ
る。
このモードでは、予備記憶部(24)が必要であり、入
力信号の3ライン以上を一時的に記憶できなければなら
ない。このモードでは4ラインの各グループが4回フィ
ルタを通過し、配列記憶部(26)は4ライン先にジャン
プするため、介在する3ラインを一時的に記憶しなけれ
ばならないので、上述の容量が必要となる。
このモードの作動は次の第5表からよりよく理解され
よう。
第5表から、このモードにおいてこの構成でいかなる
ラインにも必要なライン記憶容量の最大値は、予備記憶
部(24)に3ライン分、配列記憶部(26)に4ライン
分、中間乗算値記憶部(28)(例えばライン19)に3ラ
イン分、または予備記憶部(24)に2ライン分、配列記
憶部(26)に4ライン分、中間乗算値記憶部(28)(例
えばライン18)に4ライン分で、いずれの場合でも合計
10ライン分の容量となる。従って、10ライン分の容量が
あれば、4×4配列の基本構成をするフィルタを4(最
低)×16構成の効果を持つフィルタ構成に変更すること
ができる。
9.縦方向圧縮 制御手段(60)は、縦方向圧縮係数VCFが8:1より大き
いことを判別した時、フィルタ構成をこのモードにす
る。
この場合、4×32の配列(各々縦方向に隣接する8つ
の4×4配列によって形成される)を基にした出力デー
タが8ラインに1回のみ生成され、他のラインの時は出
力データは生成されない。出力データが生成されるライ
ンでは、2:1以下の横方向圧縮の場合各クロック期間で
1つのデータが生成され、2:1以上の横方向圧縮の場合
各クロック期間でそれ以下のデータが生成される。後者
の場合、出力配列の横方向のサイズは勿論4の倍数であ
る。
このモードでは、モード8のように、4ラインの各グ
ループが4回フィルターを通過し、配列記憶部(26)は
4ライン先にジャンプするので、予備記憶部(24)はモ
ード8と全く同じ動作をする。
このモードの作動は次の第6表からよりよく理解され
よう。予備記憶部(24)に記憶されているラインは、上
述のモード8と同一であり、従って第5図に示されてい
るものと同一なので、第6表では省略されている。更に
簡素化のために、新たに発生された小計に加算される既
に得られた小計のコラムも、それらの起原が明らかなの
で、第6表から省略されている。このモードの作動は次
の第6表からよりよう理解されよう。
第6表からわかるように、予備記憶部(24)の内容が
第5表と同じであることを念頭において、予備記憶部
(24)に必要な最大記憶容量はモード8と同様10ライン
分である。
従って、10ライン分の容量があれば、4×4配列の基
本構成を有するフィルタを4(最低)×32構成の効果を
持つフィルタ構成に変更することができる。
10.更に大きい比率の縦方向圧縮 モード5−9で述べた技法は更に大きい縦方向圧縮比
率VCFにも適用することができる。モード8及び9で必
要とされた10ライン分の最大記憶容量は最大値即ち天井
値であることは特に大切なことである。つまり、縦方向
圧縮比率がさらに大きくなっても、10ライン分以上の記
憶容量は必要でない。又、上述のように横方向圧縮には
中間乗算値の記憶容量を付け加える必要がないので、現
在のフィルタ構成で、天井値である10ライン分の記憶容
量以上に増加することなく、無限に大きな縦方向及び横
方向圧縮係数にも対処することができる。
縦方向圧縮係数VCFが増大してフィルタ構成が別のモ
ードに入るしきい値は自由に選択することができる。VC
F値が1増える毎に別のモードにすることも可能であ
る。しかし、特にNより大きな値に対しては、それ程頻
繁にモードを変えないようにすることも可能である。例
えばフィルタ構成の帯域が以前の(より広い)帯域の値
に対して1/8に減少されるようにVCF値が増加する毎に異
なるモードになるようにしてもよい。
横方向及び縦方向圧縮係数は互いに独立して変えるこ
とができる。従って、DVE装置が要求する横方向(また
は縦方向)圧縮係数に対して、フィルタ構成はDVE装置
が要求するいかなる縦方向(または横方向)圧縮係数に
も適切に応答する。
メモリ(22)を具体的に構成する一方法を第21図を参
照しながら次に説明する。
上述のように、メモリ(22)は最大10ライン分の記憶
容量を含んでいなければならない。これらは第21図にLS
I−LS10と示されている。各ライン記憶部は実際上シフ
トレジスターとして作動し、入力信号の1ライン当たり
のサンプル数(例えば864個)と同じ数のステージを有
する。各ステージは入力信号のサンプル当たりのビット
数(例えば8ビット)と同数のビットを処理することが
できる。
予備記憶部(24)はライン記憶部L1−L3で構成されて
示されている。入力画像信号ライン(20)はライン記憶
部LS1の入力に接続されている。ライン記憶部LS1の出力
はライン記憶部LS2の入力に接続され、ライン記憶部LS2
の出力はスイッチSW1を介してライン記憶部LS3の入力に
接続可能とされている。従って、スイッチSW1がライン
記憶部LS1−LS3を連続して接続する位置にすると、入力
サンプルはこれらに転送され、入力信号の3本のライン
の間、これらの3本のラインはライン記憶部LS1−LS3に
記憶される。
配列記憶部(26)はライン記憶部LS4−LS7で構成され
ている。これらの内の3個LS4−LS6は、予備記憶部(2
2)のライン記憶部LS1−LS3にメモリマップされてお
り、必要な際にライン記憶部LS1−LS3の内容をライン記
憶部LS4−LS6にメモリマップすることができる。配列記
憶部(26)のライン記憶部LS7は入力画像信号ライン(2
0)に直接接続されている。これは先にモード5及び8
で説明したように、第4ラインを直接配列記憶部に供給
するために最大3ラインを一時的に記憶する必要がある
からである。
中間乗算値記憶部(28)は、3個のライン記憶部LS8
−LS10を連続して接続して構成されており、データスイ
ッチ(54)からのライン(58)に送られた小計(中間乗
算値のライン)がこの3個のライン記憶部内をシフトす
るようになっている。中間乗算値記憶部(28)の最後の
ライン記憶部LS8の出力は、スイッチSW2を介して乗算器
(48)に通じるライン(50)に接続可能とされている。
ライン記憶部LS8の出力は更にスイッチSW1を介して、予
備記憶部(24)のライン記憶部LS3に接続可能であり、
またライン記憶部LS3の出力はスイッチSW2を介してライ
ン(50)に接続可能である。スイッチSW1,SW2はライン
(62)を介して制御手段(60)によって作動される。
スイッチSW1,SW2を設けた理由は、上述のモード8の
記載から理解できよう。モード8の記載で示したよう
に、あるライン(例えばライン19)では予備記憶部(2
4)に3ライン分、また中間乗算値記憶部(28)にも3
ライン分の記憶容量が必要となる。一方、ほかのライン
(例えばライン18)では、予備記憶部(24)に2ライン
分、また中間乗算値記憶部(28)にも4ライン分の記憶
容量が必要となる。即ち、予備記憶部(24)には最大3
ライン分、または中間乗算値記憶部(28)には最大4ラ
イン分の記憶容量が必要であるが、ある特別のラインの
期間ではこれら2個の記憶部に必要な全記憶容量は7ラ
イン分ではなく、6ライン分である。
勿論、予備記憶部(24)に3ライン分、中間乗算値記
憶部(28)に4ライン分の容量を設けることは可能であ
る。しかし、このことはメモリー(22)に11ライン分の
容量を使うことになる。全記憶容量を10ライン分に減少
することによってメモリーにかかる費用を節約するた
め、必要に応じてライン記憶部LS3を制御手段(60)に
よって予備記憶部(24)と中間乗算値記憶部(28)とに
切り換えるようにしている。従って、スイッチSW1,SW2
の第1の位置ではライン記憶部LS3は第21図に示すよう
に予備記憶部(24)の一部となり、第2の位置では中間
乗算値記憶部(28)の一部となる。第1の位置では、ラ
イン記憶部LS2の出力はライン記憶部LS3の入力にスイッ
チSW1を介して接続され、またライン記憶部LS8はスイッ
チSW2を介してライン(50)に接続される。第2の位置
では、ライン記憶部LS3はスイッチSW1を介してライン記
憶部LS8−LS10と連続的に接続され、ライン記憶部LS3の
出力はスイッチSW2を介してライン(50)に接続され
る。
上述の説明から、モード8及び9の場合の第6図に示
すメモリ(22)の機能は明白であろう。又、第6図に示
すメモリ(22)はモード5及び7の場合に制御手段(6
0)によって作動されるスイッチ(図示せず)を設ける
ことによって、これらのモードでは必要ない部分を切り
離せることも明白であろう。
以上の記載からわかるように、圧縮比率または度合が
大きい程上述のフィルタ構成の機能は高くなり、効率も
よくなる。これは圧縮係数の増加に伴いタップの数が事
実上増加することによる。このフィルタ構成の利点の基
本的な形は、横方向及び縦方向のゼロ/低率圧縮モード
(モード1)における最大圧縮比で、即ち2:1圧縮モー
ドに移行する少し手前の圧縮比で防止できるアライアシ
ング要素の量によって決まる。なぜなら、この状態のフ
ィルタ構成は最も基本的な形態となっているからであ
る。一方、利点は基礎となる配列のサイズが大きい程増
大するという意味から、利点は基礎となる配列のサイズ
によって決まる。上述の具体例では、基礎となる配列の
サイズを4×4(m=n=4)とした。しかし、2×2
以上の基礎配列サイズを用い、n及びm(夫々配列の横
方向及び縦方向のサイズを示す)を異なる数にしても、
本発明の範囲を逸脱しない。
上述のように、第5−21図を参照して述べた2D−FIR
フィルタはデジタルビデオ効果(DVE)装置の形態の圧
縮手段と共に用いられるものである。同じく上述のよう
に、DVE装置は横方向及び縦方向圧縮係数を画像全体
(例えば、テレビ信号1フィールド)にわたって変化さ
せるように要求することもある。この場合、DVE装置に
よって処理された画像信号の様々な部分に対して圧縮係
数を変化させるようなビデオ効果が望ましい。このよう
な場合、フィルタ構成の特性のダイナミック制御と呼ば
れる方法を行うのが望ましい。
勿論、予備記憶部(24)または配列記憶部(26)に記
憶されていないサンプルに対する圧縮を行うことは不可
能である。これは次の2つの結果を生む。
(i)フィルタ構成は基本配列サイズに応じた可変時間
遅れを生じる。即ち、4×4フィルタに4:1で縦方向に
圧縮をかけると、中間乗算値(小計)を計算するのにか
かる時間のために12ライン分の遅れを生じる。このフィ
ルタ構成そのままでは8ライン分同時に出力を生成す
る。出力データ即ちサンプルの観点から、4:1縦方向圧
縮に用いられる4×16の配列の上部の4×4の配列にあ
る入力サンプルは、通常1.5ライン後、即ち第1ライン
及び第4ラインの中間に出力されることを期待するであ
ろう。この状態は圧縮比率が大きくなる程更に悪くな
る。例えば、6:1の圧縮では、サンプルは7.5ライン後に
出力されることを期待されるのに対し、60ラインの遅れ
をフィルタに生じてしまう。
(ii)中間乗算値の計算のタイミングを調整することに
関して、初めに1:1(モード1)の圧縮係数を通し、従
って以前に得られた中間乗算値を全てクリアせずに、縦
方向と横方向に奇数及び偶数の圧縮係数を交替すること
は実用的でない。
第22及び23図は、第6図に示す2D−FIRフィルタの改
良例であり、上記(i)の変化する遅れを補正できる。
第22図に示す2D−FIRフィルタは、出力ライン(56)
がライン(82)を介して制御手段(60)によって制御さ
れる可変遅延記憶装置(80)に接続され、フィルタ構成
の出力信号が可変遅延記憶装置(80)からの出力ライン
(84)に得られる点を除いて、第6図に示す2D−FIRフ
ィルタに対応している。可変遅延記憶装置(80)は、ラ
イン(56)上の出力信号をフィルタ構成の動作モードに
応じた量(従ってフィルタ構成の伝達遅れ)だけ遅ら
せ、選択したモードには関係なくライン(20)上の入力
信号とライン(84)上の出力信号との間に常に所定の遅
れが生じるようにする。
第23図に示す2D−FIRフィルタ構成は、第6図に示す2
D−FIRフィルタに対応しているが、次のような変更があ
る。出力ライン(56)はフィールド記憶装置(86)に接
続される。フィールド記憶装置(86)はDVE装置のフィ
ールド記憶装置でもよく、フィルタを通過後の画像信号
がこれに供給される。メモリ(22)はライン(90)上の
入力アドレスが供給されるアドレス記憶装置(88)を含
む。アドレス記憶装置(88)はライン(92)を介して制
御手段(60)によって制御される。アドレスはアドレス
記憶装置(88)からライン(94)を介してフィールド記
憶装置(86)に供給される。
第23図の構成では、DVE装置によって発生されたフィ
ールド記憶装置のアドレス情報は、DVE装置によってラ
イン(90)を介してアドレス記憶装置(88)に送られ
る。制御手段(60)は、対応する出力サンプルがライン
(56)を通ってフィールド記憶装置(86)に供給される
と、各フィルタ配列(出力サンプル毎に1度)の中央点
を判断し、ライン(94)を介して供給された完全に一致
したアドレスをフィールド記憶装置(86)に記憶するよ
うに作動する。アドレスは用いられていない中間乗算値
と考えることができ、必要な記憶容量は実際上4ライン
分である。フィルタ全体の遅れは、フィルタ構成の有効
配列サイズが大きくなると、フィールド期間の観点から
重要になってくる。しかしながら、最も大きい配列はフ
ィールド全体のデータに対してのみ必要となるのであ
り、1フィールド期間よりはるかに短い期間でこれを得
ることができるので、これ以上の遅れ補償は必要ない。
上述のフィルタ構成の全体的な動作は、本出願人のイ
ギリス国特許GB−A−2 172 167に記載されているよう
に、欠如したアドレスを補うための補間器としても同時
に作動するように、拡張してもよい。
本発明は、更に、中間乗算値をリサイクルする機能を
持たないフィルタ構成や、サンプル配列サイズが可変の
フィルタ構成や、一般的に画像を表し連続するデジタル
データを含む信号を二次元でフィルタを通過させる補間
器として作動するフィルタ構成にも適用することができ
る。
添付図面を参照しながら本発明の実施例を述べてきた
が、本発明はこれらの実施例に正確に限定されるもので
はなく、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明
の範囲を逸脱せずに種々の変化変様が当業者によって行
われ得ることは理解されよう。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によるフィルタ構成は、従
来の2D−FIRフィルタ構成に比べ、記憶装置の記憶容量
を場合によっては数桁減少することができる。従って、
記憶されるべき重み係数データ量は、事実上に、二次元
フィルタ配列ではなく、一次元フィルタ配列のそれに相
当する。
【図面の簡単な説明】 第1図は、周波数領域におけるサンプル画像信号の周波
数応答、即ち振幅と周波数(Hz)の関係を示すグラフで
あり、画像の圧縮によってアライアシングが起こる様子
を示す線図、第2図A−Dは、圧縮手段の前に用いてア
ライアシングを防止するために信号の帯域を減少させる
理想的フィルタを夫々1:1,2:1,3:1,100:1の圧縮係数の
場合に用いた際の振幅/周波数特性を示す線図、第3図
は、空間領域における2D−FIRフィルタの二次元帯域を
示す線図、第4図は、サンプリングされた画像信号を構
成するサンプルを配列の形状に示す線図、第5図は、従
来の2D−FIRフィルタを通過させた後の画像信号のサン
プルを示す第4図に対応する図で、フィルタを通過した
配列の内の圧縮手段が必要とするサンプルだけを示す線
図、第6図は、本発明の2D−FIRフィルタ構成を示すブ
ロック図、第7図は、第6図のフィルタ構成の乗算器群
と合計計算手段とを詳細に示す構成図、第8図は、2D−
FIRフィルタの重み係数値を示す線図、第9図は、第8
図に対応する円筒形ウィンドウフィルタの特性を示す線
図、第10図は、2D−FIRフィルタの重み係数値を示す線
図、第11図は、第10図に対応するハミングウィンドウフ
ィルタの特性を示す線図、第12図は、重み係数値を得る
のに必要な半径の計算を表す図、第13図は、半径の計算
をする回路のブロック図、第14図は、第6図のフィルタ
構成の重み係数配列プロセッサのブロック図、第15図
は、第6図の2D−FIRフィルタ構成を具体的に示した図
で、第7図に対応するブロック図、第16図は、第6図の
フィルタ構成の重み係数標準化回路を更に詳細に示した
ブロック図、第17図は、ゼロ/低率圧縮モード時の第6
図のフィルタ構成による入力信号のサンプルの処理を示
す線図、第18図は、2:1横方向圧縮モードの時の第6図
のフィルタ構成による入力信号のサンプルの処理を示す
線図、第19図は、2:1縦方向圧縮モード(横方向圧縮
無)の時の第6図のフィルタ構成による入力信号のサン
プルの処理を示す線図、第20図は2:1横方向及び縦方向
圧縮モードの時の第6図のフィルタ構成による入力信号
のサンプルの処理を示す線図、第21図は、第6図の2D−
FIRフィルタ構成のメモリを詳細に示すブロック図、第2
2及び23図は、夫々本発明を実施した別の2D−FIRフィル
タ構成を示すブロック図である。 図中、(22)はメモリ、(24)は予備記憶部、(26)は
配列記憶部、(28)は中間乗算値記憶部、(30)は乗算
器群、(32)は重み係数計算器、(34)は合計計算手
段、(54)はデータスイッチ、(60)は制御手段であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像を表し連続したデジタルデータから成
    る信号を通すための二次元有限長インパルス応答フィル
    タ構成であって、上記フィルタ構成は、連続する複数の
    クロック期間の各々に、配列状の上記デジタルデータの
    組の各々を対応する組の重み係数群の各重み係数を乗算
    することによって、上記画像の所定領域にわたってフィ
    ルタ処理をし、得られた乗算値を合計してフィルタを通
    過した出力デジタルデータを生成するように作動する二
    次元有限長インパルス応答フィルタを含み、更に上記フ
    ィルタは、 (1) ある軸の周りに回転すると、上記フィルタの必
    要な二次元応答特性に対応する重み係数値の三次元像を
    発生する輪郭を定義する重み係数データを記憶する記憶
    装置、 (2) 上記デジタルデータの各々に応じて、上記像内
    の対応する重み係数の位置の上記軸からの半径を計算
    し、以て上記配列内の位置の各々に対応する各重み係数
    値が対応する上記半径の値に応じて上記記憶装置から得
    られるように作動する、第1の計算手段、及び (3) 上記デジタルデータの各々を上記対応する重み
    係数の組の夫々の重み係数と乗算し、得られた乗算値を
    合計して、上記必要なフィルタを通過した出力デジタル
    データを得る、第2の計算手段を含むことを特徴とする
    二次元有限長インパルス応答フィルタ。
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