JP2628927B2 - 光ソリトン伝送方法 - Google Patents

光ソリトン伝送方法

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JP2628927B2 JP2122672A JP12267290A JP2628927B2 JP 2628927 B2 JP2628927 B2 JP 2628927B2 JP 2122672 A JP2122672 A JP 2122672A JP 12267290 A JP12267290 A JP 12267290A JP 2628927 B2 JP2628927 B2 JP 2628927B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光ソリトン伝送方法に係り、特に長距離、
超高速大容量光通信の高性能化に用いて好適な光ソリト
ン伝送方法に関するものである。
[従来の技術] 光ファイバの異常分散領域に於て形成される規格化振
幅A=1の光ファイバによる伝送損失が無い場合には、
群速度分散による広がりと非線形光学効果による圧縮が
つり合うことにより、この光ファイバ中を波形を変えず
に伝搬するという特徴がある。このため、光ソリトンを
用いた光通信方法は、長距離、超高速大容量光通信を実
現する手段として非常に有望視されている方法である。
ところで、実際に用いられている光ファイバには光損
失があるため、光ソリトンといえども光パルスの振幅が
減少するにつれてパルス幅の広がりを生ずる。そこで、
従来、この光損失を補償し光ソリトンを無歪で長距離に
渡り伝送する方法としては、ラマン増幅を用いる方法と
エルビウム(Er)増幅を用いる方法があった。
第8図は従来のラマン増幅を用いる方法を示す図であ
る。この方法は、ATTのBell研究所の長谷川が提案した
もので、ラマン増幅を用いて光損失を補償する光ソリト
ン伝送方式Lである(参考文献:A.Hasegawa,Appl.Opt.2
3,3302(1984).)。
図において、1は電気−光変換器、2は光ソリトン伝
送用光ファイバ(以下、光ファイバと略称する)、3は
ファイバカップラ、4は励起用光源、5は光バンドパス
フィルタ、6は光−電気変換器である。
この光ソリトン伝送方式Lを動作させるには、まず、
電気−光変換器1により、電気信号を光ソリトンパルス
に変換する。次に、この光ソリトンの波長、パルス幅、
振幅のそれぞれの値が、光ファイバ2内において規格化
振幅A=1の条件を満たすように設定する。発生した光
ソリトンは、ファイバカップラ3を通じて、光ファイバ
2内を伝搬する。ここで光ファイバ2の光損失により光
ソリソンの波形が劣化するのを防ぐために、光ファイバ
2の両端において、励起用光源4からの励起光をファイ
バカップラ3を通じて結合し、誘導ラマン散乱により光
ファイバ2内に生じる利得により、光ファイバ2の光損
失を等価的に打ち消す。励起用光源4の波長は、光ソリ
トン信号の波長において最大の利得が得られる波長(例
えば、1.55μmの信号光に対しては、1.45〜1.47μm)
に設定し、その強度は、光ファイバ2の損失が等価的に
0となるように設定する。なお、光ファイバ2の両端か
ら励起光を結合しているのは、光ファイバ2の全長を通
じて均一なラマン利得を得るためである。この過程を繰
り返し、受信端で信号波長成分のみをバンドパスフィル
タ5で取り出し、光ソリトンを光−電気変換器6で電気
信号に変換する。
第9図は従来のエルビウム増幅を用いる方法を示す図
である。これは、エルビウム(Er)添加光ファイバ増幅
器を用いて光増幅を行い、この光増幅により光損失を補
償する光ソリトン伝送方式Mである。
図において、7は非飽和領域で動作するエルビウム添
加光ファイバ増幅器(以下、Er添加光増幅器と略称す
る)、8は光ソリトン伝送用光ファイバ(以下、光ファ
イバと略称する)である。なお、電気−光変換器1及び
光−電気変換器6は、上記の光ソリトン伝送方式Lにお
いて用いられたものと同一の構成である。
この光ソリトン伝送方式Mを動作させるには、まず、
電気−光変換器1により、電気信号を光ソリトンパルス
に変換し、この光ソリトンパルスを初段の光ファイバ8
中を伝搬させる。次に、この光ファイバ8の光損失によ
る振幅の低下を補うために、Er添加光増幅器7によりこ
の光ソリトンパルスを前段の光ファイバ8に入射する前
の強度まで増幅した後、次段の光ファイバ8に入射す
る。このようにして、伝搬と光増幅器を繰り返した後、
光−電気変換器6により、電気信号に変換する。
第10図は、Er添加光増幅器7の1構成例を示す図であ
る。
図において、11は入射端、12は1.48μm帯の励起光
源、13は信号光と励起光を合波する光ファイバカップ
ラ、14は無偏波型光アイソレータ(光アイソレータ)、
15はエルビウム(Er)添加光ファイバ、16は光バンドパ
スフィルタ、17は出射端である。
このEr添加増幅器7の動作について説明する。
入射端11に入射した信号光と励起光源12から照射され
た励起光は、光ファイバカップラ13により合波し、光ア
イソレータ14を通して、Er添加光ファイバ15に結合す
る。光アイソレータ14は、光パルスの反射を防ぐことに
より、Er添加光ファイバ15の発振を防止するために用い
られるものである。上記の励起光によりエルビウム(E
r)原子が励起され反転分布が形成されたEr添加光ファ
イバ15中を1.5μm帯の信号光が通過すると、誘電放出
により信号光が増幅される。Er添加光ファイバ15の出射
端には信号光を通す光バンドパスフィルタ16が接続され
ており、この光バンドパスフィルタ16により励起光や雑
音となる自然放出光を取り除いた後、出射端17から増幅
された信号光を取り出す。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記のラマン増幅を用いる光ソリトン伝送
方式Lでは、増幅器の飽和信号入力光強度が非常に高い
ため増幅器は線形増幅器として動作する。このことは、
パルス幅10〜20ps、ピーク強度10〜100mW程度の光ソリ
トンパルスの入力に帯しても成り立つ。ラマン増幅の利
得をgR、光ファイバ2の光損失をαとすると、光ソリト
ンパルスが光ファイバ2中を伝搬した後では、gR<αの
ときはパルス羽場が増加し、gR>αのときはパルス幅が
減少する。したがって、gR≠αの条件、すなわちラマン
増幅の利得gRと光ファイバ2の光損失αが異なる場合で
は、入力のパルスと異なるパルス幅のパルスが出力側で
得られることになり、光ソリトンが無歪で伝搬すること
ができなくなるという問題があった。この場合、長距離
にわたり安定に光ソリトンを伝送するためには、ラマン
増幅の利得gRと光ファイバ2の光損失αとを各区間で一
致させる必要があり、光増幅器の利得を各区間でgR=α
となるように調整する必要がある。また、エルビウム増
幅を用いる光ソリトン伝送方式Mにおいては、光ファイ
バ8の光損失補償のために増幅をおこなった後の光ソリ
トンの振幅を、光損失前の状態に保つように増幅器の利
得を調整する必要がある。この場合、光損失の量に応じ
て、光増幅毎に増幅度を調整する必要があり、特に多段
接続の場合に於ては作業能率が著しく低下する。
また、一旦光増幅の増幅度を調整した後に、光ファイ
バの曲がり、光ファイバの接続状態、電気−光変換効率
等の変動によって光信号の振幅が変化した場合、あるい
は、増幅度の調整が不適切であった場合には、増幅度の
光ソリトンの振幅がつりあいの状態からはずれることと
なり、光ソリトンの波形の変化をもたらすことになる。
したがって、光ソリトンが無歪で伝搬することができな
くなる。
本発明の目的は、多段に接続した光ファイバの各中継
部に設置して多段に中継伝送させる場合に、入力光信号
の振幅変動に影響されずに増幅後の光信号の振幅を一定
に保つ増幅機構を用いることにより、光ソリトンの波形
変化をおさえ、無歪で伝搬することができる光ソリトン
伝送方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するために、本発明は次のような光ソ
リトン伝送方法を採用した。すなわち、請求項1記載の
光ソリトン伝送方法としては、単一モード光ファイバの
異常分散領域で形成される光ソリトンを用いる光ソリト
ン伝送方法で、光ソリトン伝送用光ファイバの損失を補
償するための光増幅器を多段接続した光ファイバの各中
継部に設置して多段に中継伝送させる光ソリトン伝送方
法であって、その光増幅器を信号の強度が増大すると利
得が減少する利得の飽和が起こる領域で使用することを
特徴とする。
特許請求の範囲大2項記載のソリトン伝送方法として
は、特許請求の範囲第1項において、光増幅器としてエ
ルビウムもしくはネオジウムを添加したレーザーロッ
ド、光ファイバ、光導波路および半導体レーザ増幅器を
用いることを特徴とする。
特許請求の範囲第3項記載のソリトン伝送方法として
は、特許請求の範囲第1項において、光ソリトン伝送用
光ファイバと光増幅器の代わりに、コア部にエルビウム
を0.01〜10ppmの濃度で添加し、かつ光ソリトンの波長
より短波長側に零分散波長を有する光ファイバを用い、
この光ファイバをエルビウムの固有の吸収波長と一致す
る波長帯の励起光線で励起することを特徴とする。
本発明の請求項1記載の光ソリトン伝送方法によれ
ば、光ソリトン伝送用光ファイバの損失を補償するため
に用いる光増幅器をその利得の飽和が起こる領域で使用
することにより、入力信号の光強度が変動る場合であっ
ても増幅後に常に一定のピーク強度及びパルス幅を有す
る光ソリトンのなるように光ソリトンの増幅を行う。
また、光増幅器を継続接続された光ソリトン伝送用光
ファイバの中継部に設置することにより、多段増幅後の
光ソリトンの振幅の変動及びパルス幅を変動がなくな
る。したがって、光ソリトンが無歪で伝搬することが可
能になる。
また、請求項2記載の光ソリトン伝送方法によれば、
特許請求の範囲第1項において、光増幅器としてエルビ
ウムもしくはネオジウムを添加したレーザーロッド、光
ファイバ、光導波路および半導体レーザ増幅器を用いる
ことにより、光ソリトンパルスの振幅を増幅し損失前の
状態に安定に復帰させる。
また、請求項3記載の光ソリトン伝送方法としては、
特許請求の範囲第1項において、光ソリトン伝送用光フ
ァイバと前記光増幅器の代わりに、コア部にエルビウム
を0.01〜10ppmの濃度で添加し、かつ光ソリトンの波長
より短波長側に零分散波長を有する光ファイバを用い、
この光ファイバをエルビウムの固有の吸収波長帯と一致
する波長帯の励起光源で励起することにより、入力され
る光ソリトンの振幅変動にかかわらず、増幅後に常に一
定の振幅及びパルス幅を有する光ソリトンパルスとなる
ように増幅を行う。
[実施例] 以下、図面の参照して本発明の実施例について説明す
る。
[第1実施例] 第1図は、本発明の第1実施例である光ソリトン伝送
方式Sの構成を示す図である。
図において、1は電気−光変換器、8は光ソリトン伝
送用光ファイバ(光ファイバ)、9は飽和領域で動作す
る光増幅器、6は光−電気変換器である。なお、電気−
光変換器1及び光−電気変換器2は、従来の光ソリトン
伝送方式L,Mにおいて用いられたものと同一の構成であ
る。
この光ソリトン伝送方式Sを動作させるには、まず、
電気信号を電気−光変換器1によって、光ソリトンパル
スに変換し、このパルスを初段の光ファイバ8中を伝搬
させる。次に、光ファイバ8の光損失による光ソリトン
の振幅の低下を補うために、光増幅器9によりこのパル
スを増幅した後、次段の光ファイバ8に入射する。この
ようにして、光ソリトンの伝搬と光増幅を繰り返した
後、光−電気変換器6により、電気信号に変換する。
この光増幅器9としては、飽和領域で動作するエルビ
ウム(Er)添加光ファイバ増幅器(Er添加光増幅器)を
用い、その構成は例えば第10図に示すものを用いる。そ
の際、ソリトン領域での利得の飽和を発生させるために
は、Er添加光ファイバ15の励起光強度を比較的高く設定
した状態で強い光ソリトン信号を入射する。
第2図は、本発明の動作原理を説明する第1の図であ
って、Er添加光増幅器の利得係数の平均信号強度依存性
を示すグラフである。このとき、Er添加光増幅器の利得
係数は式(1)で表わされる。
g=g0/(1+I/Is) (1) ここで、gはEr添加光増幅器の利得係数、g0は小信号利
得係数、Iは平均信号光強度、Isは g=g0/2 (2) となる平均信号光強度である。また、Er添加光増幅器の
利得係数(g)の定義より次の式が成り立つ。
(1/I)・(dI/dz)=g (3) 従来の方法である1≪Isを満たす小信号入力の場合、
g≒g0となり、Er添加光増幅器の利得は平均信号強度に
よらず一定となる。この場合、式3)は解析的に解け
て、出力端に於ける平均信号光強度は Iout=Iin・exp(g0L) (4) と表わされる。ここで、Ioutは平均出力信号光強度、Ii
nは平均入力信号光強度、LはEr添加光ファイバの長さ
である。従って、平均出力信号光強度は平均入力信号光
強度のexp(g0L)倍に比例する。そのため、入力信号の
変動が生じた場合、その変動のexp(g0L)倍の出力信号
の変動が生じることになる。
一方、I≒Isとなる強い平均入力信号光強度の場合
(=飽和領域)、式(1)および第2図にわかるように
Er添加光増幅器の利得には飽和が生じ、Iが増加するに
つれてgは減少する。従って、変動によりIが増大する
とgが小さくなりIの増大を小さくし、また、変動によ
りIが減少するとgが大きくなり1の減少を小さくする
というように、常に変動を小さくするように働く。
第3図は本発明の動作原理を説明する第2の図であっ
て、Er添加光増幅器の平均出力信号光強度の平均入力信
号光強度依存性を示したものである。ここでは、式
(1)と式(3)を用いてIを数値的に解くことにより
求めた。
I≪Isとなる小信号入力の場合は、平均出力信号光強
度は平均入力信号光強度に比例、即ち、グラフの傾きが
Iとなるが、I≒Isとなる飽和領域では、グラフの傾き
は小信号領域より小さくなる。これより、飽和領域に於
いては、小信号領域に比べて入力信号の変動による出力
信号の変動が小さくなることがわかる。
第4図は本発明の動作原理を説明する第3の図であっ
て、飽和領域で動作するEr添加光増幅器を多段接続した
場合の特性を示すものである。ここでは、第3図の特性
を持つEr添加光増幅器と損失を有する伝送用光ファイバ
を多段縦続接続した場合に於いて、第1段のEr添加光増
幅器への平均入力信号光強度と最終段の光ファイバから
の平均出力信号光強度の関係を数値計算によって求め、
段数をパラメータとして示している。
Er添加光増幅器を縦続接続すると、初段の入力信号強度
と最終段の出力信号強度の関係のグラフの傾きは、各々
の増幅器特性のグラフの傾きの積として求められる。第
3図の短属の増幅器特性からわかるように、飽和領域で
はグラフの傾きが1より小さいため、多数の増幅器を縦
続接続するとグラフの傾きはきわめて小さくなる。即
ち、第4図に示すように、飽和領域では出力信号光強度
は入力信号光強度によらずほぼ一定となり、入力信号強
度が変動しても出力信号光強度は常に一定に保たれるこ
とがわかる。また、設続段数を増加するにしたがって、
出力光強度が一定となる入力光強度の範囲が広くなるこ
とがわかる。
また、Er添加光増幅器は3単位系のレーザ媒質で記述
することができ、この飽和入力強度Isは、式(5)で表
される。
Is=(hνs/σs)・(Wp+1/τs) (5) ここで、hはプランク定数、νsは信号光周波数、σ
sは誘導放出断面積、Wpはポンピング率、τsは励起準
位の緩和時間を表す。従って、飽和入力強度Isはポンピ
ング率Wpに比例して変化することがわかる。
Er添加光増幅器は、光励起によって増幅作用を行って
いるが、(5)式のポンピング率Wpは励起光入力により
変化させることが可能である。
光ファイバ中におけるN=1光ソリトンパワーP(N
=1)は、 で与えられる。ここで、λは光ソリトンの波長、cは光
速、n2は非線形屈折率で、例えば、石英系光ファイバの
場合では、3.2×10-20m2/Wである。また、Dは光ファイ
バの群速度分散、τは光ソリトンのパルス幅、W0は光フ
ァイバのスポットサイズである。一例として、τ=10p
s、λ=1.55μm、D=−2ps/km/nm、W0=3μmとする
と、P(N=1)は17.2mWとなる。
Er添加光増幅器は、τsが1msと長いため、1kHz以上
の繰り返しパルス列の入力に対しては、平均入力強度に
より利得が決定される。(文献:M.Nakazawa,Y.Kimura,
K.Suzuki,and H.Kubota,J.Appl.Phys.66,2803(198
9).) 一方、光ソリトンパルスをパルス間の干渉が起きない
様に長距離伝送するためには、光ソリトンパルス間隔を
パルス幅の10倍程度に離す必要があり、上記例にこれを
あてはめると、平均パワーは1.7mWとなる。
上記のEr添加光増幅器においては、励起入力を調整し
て飽和入力Isを1mW程度に設定することができ、かつ光
ソリトン伝送用光ファイバの損失を補償できる利得(〜
6dB)を容易に得ることができる。
飽和領域で動作する光増幅器を使用した光ソリトン伝
送方式を構成することにより平均光ソリトン信号光強度
を一定に保つ効果があり、さらに、飽和出力強度の光ソ
リトン信号を形成する平均信号光強度(=マーク率×光
ソリトンのピーク強度×デューティ比)に一致させるこ
とにより、なんらかの原因により光増幅器への平均入力
信号強度が変動したとしても光増幅器の出力は一定とな
り、光ソリトン波形変化を生じさせないという効果があ
る。ここで、マーク率とは1と0からなる信号列におい
て1の出現する割合であり、通常の信号では1/2とな
る。また、デューティ比とは、パルス幅をτ、繰り返し
周期をTとするとτ/Tで与えられ、一繰り返し周期にお
けるパルスの占める割合を表わす。
次に、飽和領域で動作するEr添加光増幅器9を複数用
いて得られた実験結果を第5図に示す。図において、横
軸は初段のEr添加光増幅器9への平均入力信号光強度を
表し、縦軸は最終段の光ファイバ8の終端における光ソ
リトンのピーク強度およびパルス幅を表す。この図から
6dB以上の入力変化に対して出力パルスのピーク強度及
びパルス幅が一定に保たれていることがわかる。即ち、
本発明の光ソリトン伝送方法により、入力信号光強度の
変化に対して増幅器利得が自動的に調整され、長距離に
わたって光ソリトンを伝送できることがわかる。ここ
で、低入力側においてピーク光強度が減少しパルス幅が
広がっている理由は、入力信号が光ソリトンパワーP
(N=1)よりはるかに低くなり、線形領域に入ったた
めである。
上記のEr添加光増幅器9の代わりに半導体レーザの飽
和特性を用いることも可能である。この場合、半導体増
幅器の利得の飽和時間が大変短いのでIsは大きくなり、
入力Iの変化に対して、I/Isの変化が小さくなるため利
得の飽和が小さくなる。したがって、上記のEr添加光増
幅器9に比べれば、入力信号光強度の変化に対して増幅
器利得の飽和が小さく、本発明の効果が小さくなる可能
性がある。
以上詳細に説明したように、上記の構成による光ソリ
トン伝送方法Sによれば、光ソリトン伝送用光ファイバ
の損失を補償するために用いる光増幅器をその利得の飽
和が起こる領域で使用することにより、入力信号の光強
度が変動する場合であっても増幅後に常に一定のピーク
強度及びパルス幅を有する光ソリトンとなるように増幅
を行い、入力信号光強度の変化に対して増幅利得が自動
的に調整されて平均光ソリトン信号光強度を一定に保
ち、長距離にわたって光ソリトンを伝送することができ
る。また、光増幅器への平均入力信号強度が変動したり
しても光増幅器の出力は一定となり、光ソリトン波形変
化を生じさせない。また、多段増幅後の光ソリトンの振
幅の変動及びパルス幅を変動を減少させることができ、
励起入力を調整して飽和入力を一定の値に設定すること
により、光ソリトン伝送用光ファイバの損失を補償でき
る利得を容易に得ることができる。
[第2実施例] 第6図は、本発明の第2実施例である光ソリトン伝送
方式Tの構成を示す図である。
図において、1は電気−光変換器、10は異常分散を有
し飽和領域で動作する分布定数型のエルビウム(Er)添
加光ファイバ増幅器(分布定数型Er添加光増幅器)、6
は光−電気変換器である。なお、電気−光変換器1及び
光−電気変換器6は、上記の光ソリトン伝送方式Sにお
いて用いられたものと同一の構成である。
この光ソリトン伝送方式Tを動作させるには、まず、
電気信号を電気−光変換器1により光ソリトンパルスに
変換し、このパルスを初段の分布定数型Er添加光増幅器
10中を伝搬させる。初段の分布定数型Er添加光増幅器10
中を伝搬した光ソリトンパルスを次段の分布定数型Er添
加光増幅器10に結合し伝搬させる。このような伝搬を繰
り返した後に、光−電気変換器6により電気信号に変換
する。
分布定数型Er添加光増幅器10の構成は、付10の集中定
数型Er添加光増幅器と同様であり、第10図に示す構成の
場合、集中定数型Er添加光増幅器が、長さの短く、高濃
度にエルビウム(Er)を添加したEr添加光ファイバを使
用し、等価的には集中定数型増幅器として扱うのに対し
て第6図に示す第2実施例で用いる分布定数型Er添加光
増幅器10では、長さが長く、低濃度にエルビウム(Er)
を添加したEr添加光ファイバを使用し、等価的には分布
定数型増幅器として扱う点が異なる。
分布定数型Er添加光増幅器10の終端を飽和領域で動作
させるのに十分な光強度の光ソリトンが入力されている
という条件では、増幅器の励起光強度を調整して、終端
における飽和出力光強度をN=1光ソリトンが形成され
る光強度になるように設定する。これにより、光ファイ
バ増幅器の終端からは常にN=1の光ソリトンが得られ
ることとなる。
即ち、分布定数型Er添加光ファイバは、前段のN=1
の光ソリトン出力を入力とし、常に終端ではN=1の光
ソリトンを出力する。従って、入出力される光ソリトン
強度は常に、分布定数型Er添加光ファイバは、常に等価
的に無損失の光ファイバとして働くことができる。この
結果、光ソリトンパルスは分布定数型Er添加光ファイバ
中を波形を変えずに伝搬することができる。
[第3実施例] 第7図は、本発明の第3実施例である光ソリトン伝送
方式Uの構成を示す図である。
図において、1は電気−光変換器、8は光ソリトン伝
送用光ファイバ(光ファイバ)、10は異常分散を有し飽
和領域で動作するエルビウム(Er)添加光ファイバ増幅
器(分布定数型Er添加光増幅器)、6は光−電気変換器
である。なお、電気−光変換器1、光−電気変換器6及
び分布定数型Er添加光増幅器10は、上記の光ソリトン伝
送方式Tにおいて用いられたものと同一の構成である。
この光ソリトン伝送方式Uの動作は、上記の光ソリト
ン伝送方式Sと同一であるから説明を省略する。
この光ソリトン伝送方式Uでは、増幅媒体として長い
Er添加光ファイバを用いる分布定数型Er添加光増幅器10
を使用することにより、第1実施例の光ソリトン伝送方
式Sと比較して、Er添加光ファイバの長さだけ光ソリト
ンの伝搬距離を延長することができる。
この分布定数型光増幅器10は第2実施例で用いた分布
定数型Er添加光増幅器10と同じものであるが、第2実施
例では、等価的に無損失な光ファイバとして働くのに対
して、この第3実施例では、前後に接続される伝送用光
ファイバによる光損失を補うために、増幅度のある光フ
ァイバとして動作する。分布定数型Er添加光増幅器10の
少なくとも終端では飽和領域で動作するような条件で、
伝送用光ファイバの損失を補償して終端においてN=1
の光ソリトンパルスが形成されるように励起光強度を調
整した分布定数型Er添加光増幅器10を使用する。飽和領
域で動作しているため、出力光ソリトン強度は入力光ソ
リトン強度の大きさにかかわらず常に一定の値となり、
次段に接続される伝送用光ファイバ中においては、安定
な光ソリトンの伝搬が可能となる。また、飽和領域で動
作している分布定数型Er添加増幅器10中においても入力
光強度の大きさにかかわるず、その位置における励起光
強度に応じた飽和出力光強度に保たれる。従って、分布
定数型Er添加光増幅器10中においても入力光強度の変動
に対して安定な光ソリトンの伝搬が可能となる。
[発明の効果] 以上詳細に説明した様に、本発明の請求項1記載の光
ソリトン伝送方法によれば、単一モード光ファイバの異
常分散領域で形成される光ソリトンを用いる光伝送方法
に於て、光ソリトン伝送用光ファイバの損失を補償する
ために用いる光増幅器をその利得の飽和が起こる領域で
使用することとしたので、入力信号の光強度が変動する
場合であっても増幅後に常に一定のピーク強度及びパル
ス幅を有する光ソリトンとなるように増幅を行うことが
できる。したがって、光増幅器から一定の出力信号光強
度を得ることができ、光増幅器の利得調整の手間を省く
ことができる。また、偶発的な信号光強度の変動に帯し
ても光増幅器の出力は一定となるため、光ソリトン伝送
用ファイバには常に一定振幅の光ソリトンを結合するこ
とができ、したがって、光パルスの波形変化を生じない
安定な光ソリトンパルスを長距離にわたって伝搬するこ
とができる。
また、該光増幅器を縦続接続された光ソリトン伝送用
光ファイバの中継部に設置することとしたので、多段増
幅後の光ソリトンの振幅の変動及びパルス幅を変動をな
くすことができ、したがって、光ソリトンが無歪で伝搬
することが可能になる。
また、請求項2記載の光ソリトン伝送方法によれば、
特許請求の範囲第1項において、光増幅としてエルビウ
ムもしくはネオジウムを添加したレーザーロッド、光フ
ァイバ、光導波路および半導体レーザ増幅器を用いるこ
ととしたので、光ソリトンパルスの振幅を増幅し損失前
の状態に安定に復帰させることができる。
また、請求項3記載の光ソリトン伝送方法によれば、
特許請求の範囲第1項において、光ソリトン伝送用光フ
ァイバと光増幅器の代わりに、コア部にエルビウムを0.
01〜10ppmの濃度で添加し、かつ光ファイバの波長によ
り短波長側に零分散波長を有する光ファイバを用い、こ
の光ファイバをエルビウムの固有の吸収波長帯と一致す
る波長帯の励起光源で励起することとしたので、入力さ
れる光ソリトンの振幅変動にかかわらず、増幅後に常に
一定の振幅及びパルス幅を有する光ソリトンパルスとな
るように増幅を行うことができる。したがって、出力光
ソリトン強度は入力光ソリトン強度の大きさにかかわら
ず常に一定の値となり、次段に接続される伝送用光ファ
イバ中においては、安定な光ソリトンの伝搬が可能とな
る。また、飽和領域で動作している分布定数型増幅中に
おいても入力光強度の大きさにかかわらず、その位置に
おける励起光強度に応じた飽和出力光強度を保つことが
でき、したがって、分布定数型増幅器中においても入力
光強度の変動に対して安定な光ソリトンの伝搬が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例である光ソリトン伝送方式
の概略図、第2〜4図は本発明の動作原理を説明する図
であって、第2図はEr添加光増幅器の利得係数の平均強
度依存性を示すグラフ、第3図はEr添加光増幅器の平均
出力信号強度の平均入力信号光強度依存性を示すグラ
フ、第4図はEr添加光増幅器と伝送用光ファイバを多段
接続した伝送系の平均入力信号光強度と平均出力信号光
強度の関係を示すグラフ、第5図は、初段の光増幅器へ
の平均入力光強度を変化させた場合の最終段の光ファイ
バの終端における出力光ビーム強度と半値幅のグラ
フ、、第6図は本発明の第2実施例である光ソリトン伝
送方式の概略図、第7図は本発明の第3実施例である光
ソリトン伝送方式の概略図である。 第8図及び第9図は従来の光ソリトン伝送方式の概略
図、第10図はEr添加光ファイバ増幅器の構成例を示す図
である。 1……電気−光変換器、 2……光ソリトン伝送用光ファイバ、 3……ファイバカップラ、4……励起用光源、 5……光バンドパスフィルタ、 6……光−電気変換器、 7……非飽和領域で動作するエルビウム(Er)添加光フ
ァイバ増幅器、 8……光ソリトン伝送用光ファイバ、 9……飽和領域で動作するエルビウム8Er)添加光ファ
イバ増幅器、 10……飽和領域で動作する分布定数型エルビウム(Er)
添加光ファイバ増幅器、 11……入射端、 12……1.48μm帯の励起光源、 13……信号光と励起光を合波する光ファイバカップラ、 14……無偏波型光アイソレータ、 15……エルビウム(Er)添加光ファイバ、 16……光バンドパスフィルタ、 17……出射端。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単一モード光ファイバの異常分散領域で形
    成される光ソリトンを用いる光ソリトン伝送方法で、光
    ソリトン伝送用光ファイバの損失を補償するための光増
    幅器を多段接続した光ファイバの各中継部に設置して多
    段に中継伝送させる光ソリトン伝送方法であって、その
    光増幅器を信号の強度が増大すると利益が減少する利益
    を飽和が起こる領域で使用することを特徴とする光ソリ
    トン伝送方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、光増幅器
    としてエルビウムもしくはネオジウムを添加したレーザ
    ロッド、光ファイバ、光導波路および半導体レーザ増幅
    器を用いることを特徴とする光ソリトン伝送方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、光ソリト
    ン伝送用光ファイバと光増幅器の代わりに、コア部にエ
    ルビウムを0.01〜10ppmの濃度で添加し、かつ光ファリ
    トンの波長より短波長側に零分散波長を有する光ファイ
    バを用い、この光ファイバをエルビウムの固有の吸収波
    長と一致する波長帯の励起光線で励起することを特徴と
    している光ソリトン伝送方法。
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