JP2628679B2 - 可撓性連続材の一時貯留装置 - Google Patents

可撓性連続材の一時貯留装置

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幸男 日下部
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は樹脂ホースや樹脂帯状体やゴムホース等の可
撓性連続材の製造プラントにおいて、連続製造する時に
次々と出てくる可撓性連続材を一時的に貯留し、かつ次
工程において最終出荷製品状態にボビンに巻取る際に発
生する非取り出し時間内に、製造プラントから流れてく
る可撓性連続材を一時的に貯留する為のものである。
(ロ)従来技術 従来から、該目的の為に可撓性連続材を一時貯留する
効果的な装置はなかったのである。
そして製品としてボビンに巻取る為に発生する非取り
出し時間内においては、一時的に大きな箱の中に入れた
り、吊り滑車等に出来上がった可撓性連続材を連続的に
巻回させていたのである。しかしどちらの場合にも、広
い場所を必要として空間の使用効率が悪かったのであ
る。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 可撓性連続材の製造プラントにおいては、製造された
可撓性連続材は連続した状態で送り出され、その後一定
長さごとにコイル状にボビンに巻き付けられて出荷され
るのであるが、巻き終わったコイルから次に新しいコイ
ルを巻き取る作業に入る間に、一定の非取り出し時間を
必要としていたのである。
またこのような可撓性連続材の製造プラントにおいて
は、入る側が高速で間歇的に挿入され、出る側が遅速で
連続的に取り出されたり、逆に入る側が遅速で連続挿入
され、出る側が高速で間歇的に取り出されることがあ
り、何方の場合にも、一時的に入る側と出る側の差を吸
収してやる必要があるのである。
該非取り出し時間を吸収する為に従来は、可撓性連続
材を一時的に箱等に入れたり、天井から吊るした滑車に
巻回させて、その差を吸収していたのである。
しかしこのような従来の方法であると、この目的の為
だけに人手を要することとなり、無駄が多かったのであ
る。
また、可撓性連続材に汚れを生じさせたり、コイルに
巻き付ける際に可撓性連続材の捩れ撓みを生じさせるこ
とが多かったのである。
本発明は可撓性連続材の一時貯留装置を設けてこの問
題を解消したものである。
(ニ)問題を解決するための手段 本発明の目的は以上の如くであり、次に該目的を達成
するための構成を説明すると。
間に空間を設けて螺旋状に配置した外側バスケットロ
ーラー列5・・・と内側バスケットローラー列6・・・
との間に、貯留ピンチローラー8・9により可撓性連続
材1を挿入し、該可撓性連続材1の先端部を取出ピンチ
ローラー12・13により保持し、更に強制的に可撓性連続
材1を挿入することにより、可撓性連続材1の中途部に
U型撓み部1aを構成し、該U型撓み部1aが、外側バスケ
ットローラー列5・・・と内側バスケットローラー列6
・・・の間に構成された螺旋状の空間内に挿入されるこ
とにより可撓性連続材1を貯留すべく構成したものであ
る。
(ホ)実施例 本発明の目的・構成は以上の如くであり、次に添付の
図面に示した実施例の構成を説明すると。
第1図は本発明の可撓性連続材の一時貯留装置の平面
図、第2図は同じく略前面図、第3図は同じく側面図、
第4図は内側バスケットローラー部分の取付状態を示し
た側面図である。
第1図〜第4図において説明すると。
支持台2・2によって支持された背面板3及び前面板
4の間において、複数段の螺旋空間を構成した螺旋板7
を配置しており、螺旋板7の前部に前面板4により閉鎖
し前方から可撓性連続材1が飛び出さないように構成
し、螺旋板7の後面には背面板3を配置して、螺旋板7
の最終端に至った可撓性連続材1のU型撓み部1aの部分
が飛び出さないように構成している。
そして螺旋状に構成された螺旋板7の螺旋空間に、内
側には単位内側バスケットローラー6を連続配置した内
側バスケットローラー列6・・・を構成し、外側には単
位外側バスケットローラー5により構成した外側バスケ
ットローラー列5・・・を配置しているのである。
そして内側バスケットローラー列6・・・と外側バス
ケットローラー列5・・・との間に、可撓性連続材1が
無理に挿入された際に中途部において出来るU型撓み部
1aが、螺旋に沿って浸入可能な螺旋空間を構成している
のである。
そしてU型撓み部1aが出来る為の、外側バスケットロ
ーラー5と内側バスケットローラー6の間の距離は、該
巻取られる可撓性連続材1が折れたり、ヒビが入った
り、外れたりしない程度の、可撓性連続材1毎に適当な
空間としているのである。
外側バスケットローラー列5・・・と内側バスケット
ローラー列6・・・はそれぞれ螺旋板7の螺旋空間に沿
った螺旋状に延長している。
この螺旋は外側バスケットローラー列5・・・が大径
の螺旋で、内側バスケットローラー列6・・・が小径の
螺旋で、前面板4から背面板3まで同じ径の螺旋として
いる。
背面板3及び前面板4との間には、内側バスケットロ
ーラー列6・・・と外側バスケットローラー列5・・・
の段差の間隔ごとに位置するように、螺旋状に構成され
た1枚の螺旋板7を位置させている。
該螺旋板7には、各螺旋空間毎の外側バスケットロー
ラー5と内側バスケットローラー6を連続的に軸受支持
したローラー軸が貫通可能な孔を有した形状としてあ
る。
そして前面板4を螺旋板7の前部に配置し、背面板3
を螺旋板7の後部に配置している。
さらに該螺旋板7と前面板4の中央部は、大きく開口
させてあり、前面板4と各螺旋板7・・・と背面板3間
との間隔を一定に保つ為に、前面板4から螺旋板7を経
て、背面板3に至る間を支持体26・・・で係止した構成
としてある。
螺旋板7の最前面と前面板4の内面との間には、モー
ター11により駆動される貯留ピンチローラー8・9を配
置し、可撓性連続材1を強制的に内側バスケットローラ
ー列6・・・と外側バスケットローラー列5・・・との
作る螺旋空間内に挿入すべく構成している。
また前面板4において、ピンチローラー8・9と対立
する側方端上部付近には、可撓性連続材1の先端を保持
したり、一時貯留された可撓性連続材1を取り出す為の
ガイドローラー12・13が取付板14によって枢支された構
成としてある。
各螺旋位置毎の外側バスケットローラー5と内側バス
ケットローラー6は、連設された状態でローラー軸に支
持されて、前面板4及び背面板3間で枢支された状態に
してある。
内側バスケットローラー列6・・・は、背面板3の背
面に装備してある駆動モーター15によって、一時貯留さ
れた可撓性連続材1の取り出し時において、軽く取り出
し出来るように駆動する構成としてある。
すなわち内側バスケットローラー列6・・・の一端す
なわち背面板3からの突出端に、チェーンスプロケット
16・・・をそれぞれ装備すると共に、各スプロケット16
・・・と駆動モーター15側のスプロケット18との間にチ
ェーン17を掛けて、駆動モーター15により強制回転して
いるのである。
一時貯留装置において貯留した可撓性連続材1を取り
出す場合において、内側バスケットローラー列6・・・
が取出方向に駆動回転すべく構成している。
なお、第1図〜第4図においては、外側バスケットロ
ーラー列5・・・、及び内側バスケットローラー列6・
・・は、それぞれ軸方向に連続成形した一体構成として
あるが、第5図及び第6図の如く軸方向に多数の単体の
ローラーを嵌装して組み合わせた構成とすることも可能
である。
(ヘ)発明の作用 続いて第7図・第8図・第9図・第10図に基づいて、
一時貯留する可撓性連続材1の流れを説明すると。
第7図に示すように、貯留ピンチローラー8・9間に
挟み込まれるようにして可撓性連続材1は本装置内に強
制的に挿入され、最初の先端部はそのまま内側バスケッ
トローラー列6・・・の外周に沿って取出ピンチローラ
ー12・13まで至り、該取出ピンチローラー12・13に挟持
される位置まで延長されるのである。
該停止された取出ピンチローラー12・13により、先端
部は取り出しされない状態で固定されるのである。
次に第7図の状態から第8図の状態で示す如く、該先
端部が取出ピンチローラー12・13により固定された状態
で、更に貯留ピンチローラー8・9により可撓性連続材
1を挟持して、可撓性連続材1の後端を本装置内に強制
的に挿入して行くと、先端部が取出ピンチローラー12・
13により挟持固定されているので、可撓性連続材1の中
途部がU型撓み部1aを構成するのである。
そして、第9図・第10図に示す如く、更に可撓性連続
材1を貯留ピンチローラー8・9により強制的に装置内
に送り込んでいくと、該U型撓み部1aが、螺旋状に多数
段に構成された、外側バスケットローラー列5・・・と
内側バスケットローラー列6・・・の間の螺旋空間に沿
って、前面板4から背面板3の方向へ徐々に螺旋にそっ
て巻取られていくのである。
即ち、U型撓み部1aより取出ピンチローラー12・13ま
での間の可撓性連続材1は、内側バスケットローラー列
6・・・の周囲に巻付き、U型撓み部1aより貯留ピンチ
ローラー8・9側の部分は、外側バスケットローラー列
5・・・の内周に巻付いて行くのである。
そしてU型撓み部1aの先端が背面板3に接当し、それ
以上外側バスケットローラー列5・・・内側バスケット
ローラー列6・・・の螺旋が無くなる部分まで挿入され
るのである。
逆に、該一時貯留装置内に貯留された可撓性連続材1
を取り出す場合には、取出ピンチローラー12・13を駆動
するか、または可撓性連続材1の先端部を引っ張り、駆
動モーター15により内側バスケットローラー列6・・・
の全てを駆動することにより、内側バスケットローラー
列6・・・の外周に巻付いたU型撓み部1aから取出ピン
チローラー12・13までの可撓性連続材1の部分が取出ピ
ンチローラー12・13より外部に取り出されるのである。
そして多数段に構成された螺旋状の外側バスケットロ
ーラー列5・・・と内側バスケットローラー列6・・・
への巻付き部を終了し、U型撓み部1aが前面板4の前面
に表れて、取出ピンチローラー12・13と貯留ピンチロー
ラー8・9との間に緊張状態となり、U型撓み部1aが消
える寸前の状態で可撓性連続材1が保持された状態ま
で、可撓性連続材1の取り出しが行われるのである。
尚、本実施例の図面においては、前面板4と螺旋板7
と背面板3により構成される螺旋空間を立てた状態に構
成したが、これを水平に寝せて水平螺旋空間内に保持す
べく構成しても良いものである。
また前面板4の側に貯留ピンチローラー8・9と取出
ピンチローラー12・13を設けたが、背面板3の側に設け
ても良いものである。
(ト)発明の効果 本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を
奏するのである。
第1に、前面板4と背面板3との間に、外側バスケッ
トローラー5により構成された外側バスケットローラー
列5・・・と、内側バスケットローラー6により構成さ
れた内側バスケットローラー列6・・・の列を、多数の
螺旋段に構成することにより、内部に保留出来る可撓性
連続材1の長さは数10mから数百mとすることができ、
狭い場所で大容量の可撓性連続材1を整然と、捩れを発
生することなく貯留することができるのである。
第2に、次工程において、製品として出荷可能な如く
ボビンに巻取る場合にも、本発明の如く内側バスケット
ローラー列6・・・と外側バスケットローラー列5・・
・に巻取った状態から取り出すことにより、捩れが発生
しにくいのである。
第3に、本装置の場合には、貯留ピンチローラー8・
9と取出ピンチローラー12・13とを、別々に駆動するこ
とが出来るので、一方で出来上がった可撓性連続材1
を、貯留ピンチローラー8・9により貯留しながら、先
端部は取出ピンチローラー12・13により取り出して、製
品としてボビンに巻取るという操作を同時に行うことが
できるものである。
第4に、スイッチの操作ひとつで簡単に貯留すること
が出来、人手や労力の軽減を図ることが出来たのであ
る。
また、人手により可撓性連続材を箱等に貯留する構成
であると、ホースが地面に溢れたりして、可撓性連続材
を汚したりしていたのを、本装置を装備したことによ
り、可撓性連続材を汚すこともなくなったのである。
また、人手により可撓性連続材を箱等に貯留する方法
であると、コイルに巻き込む際に可撓性連続材にねじれ
が生じたり、可撓性連続材のもつれ等があったのである
が、本装置は螺旋状にかつローラーの段差ごとに可撓性
連続材を貯留する構成であるので、これらの不具合が無
くなったのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の可撓性連続材の一時貯留装置の平面
図、第2図は同じく略前面図、第3図は同じく側面図、
第4図は内側バスケートローラー部分の取付状態を示し
た側面図、第5図及び第6図はバスケットローラーの取
付状態及び遮蔽板の構成を示した斜視図、第7図・第8
図・第9図・第10図はそれぞれ貯留される可撓性連続材
の流れを示した略斜視図である。 1……可撓性連続材 5……外側のバスケットローラー 6……内側のバスケットローラー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】間に空間を設けて螺旋状に配置した外側バ
    スケットローラー列5・・・と内側バスケットローラー
    列6・・・との間に、貯留ピンチローラー8・9により
    可撓性連続材1を挿入し、該可撓性連続材1の先端部を
    取出ピンチローラー12・13により保持し、更に強制的に
    可撓性連続材1を挿入することにより、可撓性連続材1
    の中途部にU型撓み部1aを構成し、該U型撓み部1aが、
    外側バスケットローラー列5・・・と内側バスケットロ
    ーラー列6・・・の間に構成された螺旋状の空間内に挿
    入されることにより、可撓性連続材1を貯留すべく構成
    した可撓性連続材の一時貯留装置。
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