JP2627803B2 - 金属窒化物薄膜の形成方法 - Google Patents

金属窒化物薄膜の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、誘電体薄膜、抵抗体薄膜、導体薄膜、超電
導体薄膜、熱放散性薄膜などとして使用される金属窒化
物の薄膜を、基体上に形成する方法に関する。
従来の技術 金属窒化物材料は、その優れた耐熱性、機械的強度を
生かした高温材料として有用であるとともに、窒化アル
ミニウムAINに代表されるような高熱伝導性材料として
も、又超電導体から絶縁体まで広範囲の材料が得られる
ので、電子材料としても重要である。ところが、これら
の窒化物の薄膜は、従来ほとんどスパッタリング法で作
られており、膨大な設備投資を必要とするだけでなく、
高価な窒化物ターゲットを使用するか、若しくは制御の
難しい反応性スパッタリングを行うしかないのが現状で
ある。
一方金属や金属酸化物の薄膜を製造する方法として、
古くから有機金属の熱分解法が知られている。この方法
は、有機金属化合物の有機溶媒溶液を基体に塗布し、該
化合物の熱分解温度以上の温度で焼成することによって
有機物を分解除去し、金属又は金属酸化物薄膜を形成す
るものであって、大型で高価な設備を必要とせず、多種
の薄膜を容易に形成できる。しかも原料を溶液の状態で
混合するため極めて均一に混合され、かつ熱分解時に成
分元素が活性な原子状態で反応して複合化するので、組
成的にも均一な薄膜が得られ、更に複雑な形状の基体上
にも容易に成膜することができる利点がある。有機金属
化合物としては、金属のメルカプチド、硫化バルサム、
レジネートが一般的であり、その他金属石鹸類や金属錯
塩類、金属アルコキシドなどが知られている。しかしこ
れらの化合物は、窒素含有の非酸化性雰囲気で焼成して
も膜化しなかったり、均一な膜ができなかったりして、
窒化物薄膜の形成には必ずしも適していない。
発明が解決しようとする課題 本発明者等は先に、薄膜形成原料として有用な、新規
な化合物である金属セスキテルペンアルコキシドを合成
するとともに(特願昭63−160573号)、この化合物を原
料として用いて、熱分解法により均一な酸化物薄膜を形
成することに成功した(特願昭62−308862号)。本発明
者等は更に研究を続けた結果、この化合物が、窒化物薄
膜の製造にも極めて適していることを見出した。
即ち本発明の目的は、有機金属化合物の熱分解法によ
り均一な金属窒化物の薄膜を形成することであり、特
に、薄膜形成材料として多くの利点を有する上記金属セ
スキテルペンアルコキシドを原料として使用し、熱分解
法により金属窒化物の薄膜を形成する方法を提供するこ
とにある。
課題を解決するための手段 本発明は、一般式M(OR)z−x(OA)x(但しMは
金属元素、Rはアルキル基、Aはセスキテルペニル基、
zは金属元素の原子価、xは1≦x≦zの整数)で表わ
される金属セスキテルペンアルコキシドの1又は2以上
を有機媒体に溶解させた組成物を、基体に塗布した後、
非酸化性雰囲気中該金属セスキテルペンアルコキシドの
熱分解温度以上の温度で熱処理して、該金属セスキテル
ペンアルコキシドを炭化させ、次いで窒素を含む非酸化
性雰囲気中で熱処理して、基体上に金属窒化物の薄膜を
形成する方法である。
一般式M(OR)z−x(OA)xの化合物において、金
属Mとしては、アルミニウム、チタン、タンタル、硼
素、珪素、ガリウム、クロム、タングステン、モリブデ
ン、ジルコニウムなどが使用される。
アルキル基Rは、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基な
どの低級アルキル基が好ましい。
セスキテルペニル基は、組成式C15HxO(x=18〜2
6)、代表的にはC15H24Oで示されるテルペンアルコー
ル、例えばベチベノール、ネロリドール、ファルネソー
ル、サンタロールなどから誘導される。
本発明で使用される金属セスキテルペンアルコキシド
は、下記のような方法で製造される。
各金属の低級アルキルアルコキシドM(OR)zとセス
キテルペンアルコールAOHとを反応させ、アルコキシ基O
Rの1又は2以上をセスキテルペンアルコキシ基OAで置
換する。
金属アセテートM(OCOCH3)zとセスキテルペンアル
コールとを反応させる。
金属塩化物MClz又は金属アセテートM(OCOCH3)zと
ナトリウムセスキテルペンアルコキシドNaOAとを反応さ
せる。
金属窒化物薄膜を形成するための組成物は、金属セス
キテルペンアルコキシドの1又は2以上を有機媒体に溶
解させて調製する。有機媒体としては、該金属セスキテ
ルペンアルコキシドを溶解し得る有機溶媒を用いるが、
カルボン酸、アミン、炭化水素、アルコール、ハロゲン
化炭化水素、アルデヒド、ケトン、エーテル、エステル
など、通常用いられるほとんどの有機溶媒が使用でき
る。又、樹脂などの粘度調整剤や可塑剤を添加してもよ
い。
この組成物を金属、セラミック、ガラスなど種々の基
体上に、浸漬法、引き上げ法、スピンナー法、スクリー
ン印刷法などの公知の手法で塗布し、好ましくは乾燥工
程を経た後、非酸化性雰囲気中、該金属セスキテルペン
アルコキシドの熱分解温度以上の温度で熱処理して、組
成物中の有機成分を炭化させる。1回の塗布で所望の膜
厚が得られない場合は、この塗布、炭化処理工程を必要
なだけ繰返せばよい。その後、窒素を含む非酸化性雰囲
気中で熱処理することにより、基体上に金属窒化物の薄
膜を析出させる。窒素を含む非酸化性雰囲気とは、アン
モニア、窒素、窒素−水素、或いはこれらの混合ガス雰
囲気であればよい。
作用 本発明の方法では、金属セスキテルペンアルコキシド
を原料として用い、炭化工程を経て窒化を行うことによ
り、種々の基体上に、均一で表面の平滑な金属窒化物薄
膜が形成される。しかも得られる窒化物薄膜は、残留炭
素を含まない極めて純度の高いものであり、特に電子材
料として利用する場合に優れた特長を有している。
尚、本発明で用いる金属セスキテルペンアルコキシド
は、低級アルキルアルコールから誘導される周知の金属
アルコキシドに比べて、耐湿性、耐加水分解性が極めて
良好である上、取扱いが簡単で保存安定性に優れてい
る。又多種類の有機溶媒に対する溶解度が高く、溶媒に
対する安定性も良い。かつ溶液状態での長期保存が可能
であり、組成物調製後、長時間経過しても均一な薄膜が
得られる利点がある。又特に、溶媒の選択性が少ないこ
とは、複数の金属成分を含む金属複合窒化物の薄膜を形
成する際、極めて有利である。従ってこの化合物を用い
ることにより、ピンホールやクラックのない、均一な薄
膜を、簡単な工程で形成することができる。
実施例 実施例1 式Al(OVe)2(OC3H7)(但しOVeはベチベノキシ基)
で表わされるアルミニウムイソプロポキシベチベノキシ
ドを、ベンゼンとローズマリー油の混合溶媒に溶解し
て、金属含有率約0.3重量%の溶液を調製した。この組
成物をスピンナー法で99.5%アルミナ基板上に塗布し、
乾燥した。この乾燥膜を窒素雰囲気中880℃で60分間熱
処理した。この塗布、熱処理の操作を6回繰返した後、
再び窒素雰囲気中700℃で2時間熱処理して、アルミニ
ウムイソプロポキシベチベノキシドを炭化させた。炭化
被膜は黒色であった。
次に、この基板を非晶質カーボン板に載せ、アンモニ
アガス雰囲気中、1100℃で2時間保持した後、徐冷し
て、膜厚約0.8μmの、均一で無色透明な薄膜を得た。
得られた膜は、X線回折によりA1Nの単一相であること
が確認された。又カーボンの残留は全くなかった。又走
査型電子顕微鏡で観察したところ、亀裂やピンホールの
ない平滑な連続膜であった。
実施例2 式Ti(OVe)2(OC3H72で表わされるチタニウムイソ
プロポキシベチベノキシドを、ベンゼンとローズマリー
油の混合溶媒に溶解して、金属含有率約0.3重量%の溶
液を調製した。この組成物を実施例1と同様にしてアル
ミナ基板上に塗布し、炭化処理を行って黒色の被膜を得
た。次いで基板を非晶質カーボン板に載せ、アンモニア
ガス雰囲気中、1250℃で2時間保持した後、徐冷して、
膜厚約1.0μmの均一かつ平滑な黄金色の連続膜を得
た。この膜は、X線回折によりTiNであることが確認さ
れた。
実施例3 式Ta(OVe)3(OC3H72で表わされるタンタルイソプ
ロポキシベチベノキシドを、ベンゼンとローズマリー油
の混合溶媒に溶解して、金属含有率約1.0重量%の溶液
を調製した。この組成物を実施例1と同様にしてアルミ
ナ基板上に塗布し、炭化処理を行って黒色の被膜を得
た。次いで基板を非晶質カーボン板に載せ、アンモニア
ガス雰囲気中、860℃で2時間保持して熱処理した後、
徐冷して、均一かつ平滑な橙赤色の連続膜を得た。膜厚
は約0.5μmであり、X線回折によりTa3N5膜であること
が確認された。
比較例1 アルミニウムアセチルアセナートA1(C5H7O23をロ
ーズマリー油とアセチルアセトンの混合溶媒に溶解し、
金属含有率約0.3重量%の溶液を調製した。この組成物
を実施例1と同様にしてアルミナ基板上に塗布し、炭化
処理を行った。次いで基板を非晶質カーボン板に載せ、
アンモニアガス雰囲気中、1100℃で2時間保持して熱処
理したが、膜化せず、粉末状になった。
比較例2 チタニウムブトキシアセチルアセナートA1(OC4H92
(C5H7O22をローズマリー油とブタノールの混合溶媒
に溶解し、金属含有率約0.3重量%の溶液を調製した。
この組成物を実施例2と同様にしてアルミナ基板上に塗
布し、炭化処理した後、アンモニアガス雰囲気中860℃
で熱処理したところ、黄金色のTiN膜は形成されたが、
膜密度が極めて低く、平滑な被膜とならなかった。
発明の効果 本発明は、安定な金属セスキテルペンアルコキシドを
原料として使用し、これを炭化処理した後窒化すること
によって、純度、均一性、平滑性、外観、電気的性能の
極めて優れた窒化物薄膜を形成できるものであり、エレ
クトロニクスをはじめ、様々な分野において利用価値が
大きい。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式M(OR)z−x(OA)x(但しMは
    金属元素、Rはアルキル基、Aはセスキテルペニル基、
    zは金属元素の原子価、xは1≦x≦zの整数)で表わ
    される金属セスキテルペンアルコキシドの1又は2以上
    を有機媒体に溶解させた組成物を、基体に塗布した後、
    非酸化性雰囲気中該金属セスキテルペンアルコキシドの
    熱分解温度以上の温度で熱処理して、該金属セスキテル
    ペンアルコキシドを炭化させ、次いで窒素を含む非酸化
    性雰囲気中で熱処理して、基体上に金属窒化物の薄膜を
    形成する方法。
  2. 【請求項2】金属元素Mがアルミニウム、チタン、タン
    タル、硼素、珪素、ガリウム、クロム、タングステン、
    モリブデン、ジルコニウムからなる群より選ばれたもの
    である請求項1に記載された金属窒化物の薄膜を形成す
    る方法。
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