JP2627802B2 - タイヤ成形機に於けるビードリングの脱着装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、タイヤ成形機に於けるビードリングの脱
着装置に係わり、更に詳しくは第１段階タイヤ成形機に
於けるビードリングの段取り替え作業を改善したタイヤ
成形機に於けるビードリングの脱着装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来、第１段階タイヤ成形機においては、タイヤの種
類に応じてビードリングの段取り替え作業が行われてい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

然しながら、従来のビードリングは、脱着装置のホル
ダーにボルト等により固定されていたため、段取り替え
時にボルトの取付け，取外しに多くの手間と時間を要
し、また、プライダウン用の複数枚のフィンガープレー
トを使用する場合には、ビードリングを取外すと、フィ
ンガープレートの先端が開いてしまい、交換作業には熟
練を要する上に、作業性を悪化させていた。

〔発明の目的〕

この発明は、かかる従来の課題に着目して案出された
もので、ビードリングの交換作業を容易にして、交換時
間の短縮化を図り、作業能率を著しく向上させることが
出来るタイヤ成形機に於けるビードリングの脱着装置を
提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は上記目的を達成するため、ホルダーに回転
自在に支持された回転リングと、回転止め手段を備え、
かつ係脱部を介して脱着自在なビードリングとを設け、
前記ホルダーに、複数枚のフィンガープレートを支持す
るヒレ状のフィンガーサポート部材を設け、ビードリン
グの交換時には、回転リングとビードリングとの係脱部
を一致させることで簡単に取付け，取外しを行うことが
出来、またビードリングの取外し時には、フィンガーサ
ポート部材でフィンガープレートを支持するので、先端
が開くことがなく、作業性を向上させることが出来るこ
とを要旨とするものである。

〔発明の作用〕

この発明は上記のように構成され、ビードリングの取
外し時には、回転リングとビードリングとの係脱部を一
致させることで簡単に取外しが出来、また新たなビード
リングを装着する場合には、回転止め手段のガイドピン
とガイド穴とを角度合わせした後、ビードリングと回転
リングとの係脱部を一致させた状態で嵌め込み、そして
ハンドルを介して回転リングを回転させ一方の係脱部
で、他方の係脱部を押さえることで簡単に組込んで固定
することが出来るのである。

〔発明の実施例〕

以下、添付図面に基づき、この発明の実施例を説明す
る。

第１図は、この発明を実施した第１段階タイヤ成形機
に於けるビードリングの脱着装置の一部拡大正面図、第
２図は第１図のII−II矢視側面図を示し、上記脱着装置
１は、プッシャーリング２及びビードリング３を備えた
環状のホルダー４と、図示しないタイヤ成形ドラムに向
かって進退自在に配設したプライダウン用の複数枚のフ
ィンガープレート５とを具備している。

前記ホルダー４は、周方向に配設された複数個のスラ
イドプッシュ６に摺動可能に挿通された複数本（この実
施例では４本）のガイドロッド７の先端に偏芯リング８
を介して取付けられ、ホルダー４の前面には、前述した
プッシャーリング２が突設されている。

また、ホルダー４の内側には、ホルダー４の周上の数
箇所（この実施例では４箇所）に設けた押さえ爪９を介
して回転リング10が回転自在に取付けられ、更に回転リ
ング10の内側には、ビードＷを保持する断面Ｌ字状のビ
ードリング３が支持されている。

前記、回転リング10とビードリング３とは、係合爪12
と切欠穴13とから成る係脱部14を介して脱着出来るよう
に構成され、この実施例では、回転リング10の内側の周
方向の数箇所（この実施例では４箇所）に、前記係合爪
12を設け、またビードリング３の周方向の数箇所（この
実施例では４箇所）に、前記係合爪12が嵌合する切欠穴
13が形成されている。なお、係合爪12と切欠穴13とは、
逆の部材に取付けて構成することも可能である。

また、前記ホルダー４には、ビードリング３の周方向
の数箇所（この実施例では４箇所）に設けた回転止め手
段で言うところのガイド穴が係合する図示しないガイド
ピン15が設けられており、この回転リング10には、ハン
ドル16の取付け用穴が設けられ、前記ガイドピン15とガ
イド穴とは、ビードリング３の交換時にビードリング３
の回り止めと角度合わせを行うものである。

なお、第２図において、18は回転リング10の裏面側に
弾性的に当接するスプリングプランジャー、19はビード
リング３の裏面側に当接する調節用のネジである。

次に、プライダウン用の複数本（この実施例では12
枚）のフィンガープレート５は、第２図〜第４図に示す
ように、前記スライドブッシュ６から垂設された支持部
材20の先端に、フィンガーブラケット21が取付けられ、
このフィンガーブラケット21の先端には、ヒンジ22を介
して揺動可能な断面Ｌ字状のフィンガー支持部材23が取
付けられ、このフィンガー支持部材23には、フィンガー
プレート５の基端部が支持されている。

各フィンガープレート５は、板バネ材等により構成さ
れ、そして各フィンガープレート５の両側縁部は、周方
向において互いに重なるように配設され、また前記ホル
ダー４の裏面側の周方向の数箇所（この実施例では12箇
所）に配設されたヒレ状のフィンガーサポート部材24に
よって支持され、特に第４図に示すような戻り限におい
て、ビードリング３の脱着時に先端が跳ねないように支
持されている。

次に、ビードリング３の脱着操作を説明する。まず、
ビードリング３の段取り替え時において、ビードリング
３をホルダー４の回転リング10から取外す時には、回転
リグ10とビードリング３との係合爪12と切欠穴13とから
成る係脱部14を一致させるように回転リング10をハンド
ル16を使用して回転させ、そして一致したところでビー
ドリング３を前側に引張出すことで簡単に取外すことが
できる。

また、この時にはフィンガープレート５が、各ヒレ状
のフィンガーサポート部材24によって支持されているの
で、フィンガープレート５の先端が跳ねてビードリング
３の装着に支障を来すことはない。

また、新たなビードリング３を装着する場合には、回
転止め手段のガイドピン15とガイド穴とを角度合わせし
た後、ビードリング３と回転リング10との係脱部を一致
させた状態で嵌め込み、そしてハンドル16を介して回転
リング10を回転させ、係合爪12と切欠穴13とが互いにず
れた位置となるようにすることで、ビードリング３を押
さえることが出来、これにより簡単に組込んで固定する
ことが出来るのである。

〔発明の効果〕

この発明は、上記のようにホルダーに回転自在に支持
された回転リングと、回転止め手段を備え、かつ係脱部
を介して着脱自在なビードリングとを設け、前記ホルダ
ーに、複数枚のフィンガープレートを支持するヒレ状の
フィンガーサポート部材を設けたので、ビードリングの
交換作業を容易にして、交換時間の短縮化を図り、作業
能率を著しく向上させることが出来る効果があり、また
従来のように熟練を要することなく、誰でもが簡単に行
うことが出来、作業性を向上させることが出来る効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明を実施した第１段階タイヤ成形機に
於けるビードリングの脱着装置の一部拡大正面図、第２
図は第１図のII−II矢視側面図、第３図はフィンガープ
レートの一部拡大側面図、第４図は第３図のIV−IV矢視
正面図である。 １……脱着装置、２……プッシャーリング、３……ビー
ドリング、４……ホルダー、５……フィンガープレー
ト、10……回転リング、12……係合爪、13……切欠穴、
15……ガイドピン、24……フィンガーサポート部材。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プッシャーリング及びビードリングを備え
   たホルダーと、タイヤ成形ドラムに向かって進退自在に
   配設したプライダウン用の複数枚のフィンガープレート
   とを有するタイヤ成形機に於けるビードリングの脱着装
   置において、前記ホルダーに回転自在に支持された回転
   リングと、回転止め手段を備え、かつ係脱部を介して脱
   着自在なビードリングとを設け、前記ホルダーに、複数
   枚のフィンガープレートを支持するヒレ状のフィンガー
   サポート部材を設けたことを特徴とするタイヤ成形機に
   於けるビードリングの脱着装置。