JP2627297B2 - 吊下型空気調和機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は厨房室や機械切削工場内に据付けられる天井
吊型又は天井埋込型の吊下型空気調和機に関する。

（ロ）従来の技術 空気調和機を吊り下げたままで内部の送風機や熱交換
器を清掃することは困難であるため、例えば実公昭45−
20059号公報で提示されているように、送風機とモータ
が取りついている取付板を取り外すようにしていた。

（ハ）発明が解決しようとする課題 上記公報では提示の吊下型空気調和機では清掃時に送
風機とモータが取りついている重量のある取付板を機体
から取り外して室内底面上におろさなければならず、作
業者が一人で作業しづらい難点があった。

又、取付板を取り外しても熱交換室と送風室とを区画
する仕切板が機体内にあるため、熱交換器の清掃をやづ
らい不具合さも有していた。

本発明はかかる課題を解決し吊下型空気調和機を提供
することを目的としたものである。

（ニ）課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は、送風機を取りつ
けた仕切板を上下方向へ摺動自在に案内する案内部材を
機体内に設けるようにしたものである。

併せて、仕切板を送風機が取りつけられた可動板と、
固定板とに分割してこの固定板を案内部材として兼用す
れば良く、更にはこの吐出口から熱交換器へ吐出空気を
導く導風板を仕切板の下端に着脱自在に取りつけると共
にこの導風板と送風室とに臨ませて空気吸込口を機体の
下面に設けると良い。

又、送風機のケーシングの底所に排水口を設け、更に
はこの排水口に排水ホースの接続具を着脱自在に取りつ
けると好ましい。

（ホ）作 用 上記のように構成された吊下型空気調和機では、厨房
室内の空気中に漂う食用油や、機械切削工場内の空気中
に漂う機械切削油が送風機や熱交換器に付着した場合、
機体下面の空気吸込口から作業者が手を差し入れて導風
板を取り外した後、仕切板の可動板を送風機と一緒に固
定板に沿って下方へ摺動させて機体の下方に露出させる
ことにより一人で清掃が行なえる。この清掃時におい
て、送風機のケーシングに排水ホースを接続することに
より洗剤で汚れた排液がこぼれずに排出される。

又、導風板を取り外したことにより熱交換器の清掃も
容易に行なえる。

（へ）実 施 例 本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、（１）
は前面の外装パネル（２）と左右両側面の外装パネル
（３）（４）と下面の外装パネル（５）とをステンレス
で形成し、上面の外装パネル（６）と背面の外装パネル
（７）とを塗装していない鋼板で形成した天吊型空気調
和機の機体で、前面の外装パネル（２）にはステンレス
製の風向変更羽根（８）を着脱自在に取りつけた空気吹
出口（９）が、且つ、下面の外装パネル（５）にはエア
ーフィルター（10）付きのステンレス製の吸込グリル棧
（11）を着脱自在に取りつけた空気吸込口（12）が夫々
設けられている。

（13）は機体（１）内を前後二室に区画する仕切板
で、前側の熱交換室（14）に熱交換器（15）とドレンパ
ン（16）が内蔵され、且つ、後側の送風室（17）に二連
の両吸込型送風機（18）（18）と同軸モータ（19）が内
蔵されている。この仕切板（13）は上面の外装パネル
（６）とボルト、ナット（20）で固定された左右一対の
固定板（21）と、送風機（18）（18）の吐出口（22）
（22）とモータ（19）の固定具（23）を有し固定板（2
1）の長孔（24）とピン（25）が嵌まり合い下方に摺動
する可動板（26）とに分割されている。この固定板（2
1）及び可動板（26）の下端とドレンパン（16）とに跨
がって吐出口（22）（22）から熱交換器（15）へ吐出空
気を導く導風板（27）が着脱自在に取りつけられてお
り、この導風板（27）と送風室（17）とに空気吸込口
（12）を臨ませている。

（28）は送風機（18）（18）のケーシング（29）の底
所に設けられた排水口、（30）はこの排水口（28）の口
縁に嵌め込まれる溝（31）と排水ホース（図示せず）が
嵌め込まれる筒部（32）を有する接続具である。

以上の如く構成されており、機体（１）を厨房室の天
井板（図示せず）に吊り具（33）で吊り下げて据付け、
冷暖房運転すると、厨房室内の室内空気が空気吸込口
（12）の吸込グリル棧（11）より吸入されてエアーフィ
ルター（10）、送風機（18）（18）を順次経て熱交換器
（15）で冷却又加温された後、空気吹出口（９）から厨
房室内へ吹き出される。

かかる冷暖房運転により、室内空気中を漂う食用油が
前面、左右両側面、下面の外装パネル（２）（３）
（４）（５）に付着しても何れもステンレスであるた
め、洗剤を用いて容易に拭きとることができ、吸込グリ
ル棧（11）及び空気吹出口（９）の風向変更羽根（８）
に付着した食用油は吸込グリル棧（11）及び風向変更羽
根（８）を機体（１）から取り外すことにより容易に拭
きとることができる。

又、エアーフィイルター（10）は使い捨ての安価な不
織布を用いているため、食用油がかなり付着した場合は
交換し、エアーフィルター（10）を通って送風機（18）
（18）のファン（34）及びケーシング（29）並びに熱交
換器（15）に食用油が付着した場合は吸込グリル棧（1
1）を取り外して次のように清掃を行なう。この吸込グ
リル棧（11）を取り外すと送風機（18）（18）と仕切板
（13）と導風板（27）が下から見え、螺子（35）（35）
を取り外して導風板（27）を下方へ取り出した後、この
導風板が外れたサービス開口から熱交換器（15）の空気
吹込面に付着した食用油を洗剤を用いてドレンパン（1
6）上で洗い落とす。次に上面の外装パネル（６）とボ
ルトで固定されている可動板（26）のナットを取り外し
て送風機（18）（18）及びモータ（19）が固定された可
動板（26）を固定板（21）に沿って下方へ摺動させる
と、吐出口（22）（22）及びケーシング（29）の吸込ノ
ズル口（36）が機体（１）の下方に露出した状態とな
り、排水口（28）に付属部品である排水ホースの接続具
（30）を接続してファン（34）に付着した食用油を洗剤
を用いてケーシング（29）内で洗い落すとすとその排液
はケーシング（29）の底所の排水口（28）から排水され
る。

（ト）発明の効果 以上に説明したように本発明によれば、送風機を仕切
板に取りつけたままの状態で案内部材に沿って機体の下
方へ摺動できるので、作業者は一人でも容易に重量のあ
る送風機を機体外へ引き出して清掃することができる。
仕切板は送付機が取り付けられる可動板と、案内部材と
なる固定板とに分割されているので、部品点数が少なく
して製造コストを安く抑えることができる。

また、吐出口から熱交換器へ吐出空気を導く導風板を
仕切板の下端に着脱自在に取りつけると共に、この導風
板と送風室とに臨ませて空気吸込口を機体の下面に設け
ることにより、送風機の引き出し作業と熱交換器の清掃
作業を空気吸込口を利用して行えるため、機体の外装板
に清掃作業用の開口を設ける必要がなくなる。

さらに、送風機のケーシングの底所に排水口を設ける
ことにより、ケーシング内の洗浄後の排液がこの排水口
より排出するのでケーシングから排液がこぼれ落ちるこ
とはなく、好ましくは排水口に排水ホースの接続具を持
続することにより排液を自動的に排出することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は吊下型空
気調和機の透視図、第２図は吊下型空気調和機の斜視
図、第３図は第２図のIII−III線で切断した吊下型空気
調和機の断面図、第４図は仕切板の斜視図、第５図は排
水ホース接続具の斜視図である。 （１）……機体、（９）……空気吐出口、（12）……空
気吸込口、（13）……仕切板、（14）……熱交換室、
（15）……熱交換器、（17）……送風室、（18）……送
風機、（21）……固定板（案内部材）、（22）……吐出
口、（26）……可動板、（27）……導風板、（28）……
排水口、（29）……ケーシング、（30）……排水ホース
接続具。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】空気吸込口と空気吹出口とを有する機体内
   を仕切板で熱交換室と送風室とに区画して、熱交換室内
   に熱交換器を収納すると共に、送風室内に前記仕切板に
   取り付けられ且つこの仕切板の吐出口と連通する送風機
   を収納した吊下型空気調和機において、前記仕切板を前
   記送風機が取り付けられる可動板と、前記機体内に設け
   られ前記可動板を上下方向へ摺動自在に案内する案内部
   材となる固定板とに分割したことを特徴とする吊下型空
   気調和機。
2. 【請求項２】吐出口から熱交換器へ吐出空気を導く導風
   板を仕切板の下端に着脱自在に取りつけると共に、この
   導風板と送風室とに臨ませて空気吸込口を機体の下面に
   設けた請求項１に記載の吊下型空気調和機。
3. 【請求項３】送風機のケーシングの底所に排水口を設け
   た請求項１に記載の吊下型空気調和機。
4. 【請求項４】排水口に排水ホースの接続具を着脱自在に
   取りつけた請求項３に記載の吊型片空気調和機。