JP2625962B2 - 金属カチオンの分離法 - Google Patents
金属カチオンの分離法Info
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- JP2625962B2 JP2625962B2 JP63231040A JP23104088A JP2625962B2 JP 2625962 B2 JP2625962 B2 JP 2625962B2 JP 63231040 A JP63231040 A JP 63231040A JP 23104088 A JP23104088 A JP 23104088A JP 2625962 B2 JP2625962 B2 JP 2625962B2
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- Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、非電解質高分子ゲルを用いた水系クロマト
グラフィーによる金属カチオンの分離法に関する。
グラフィーによる金属カチオンの分離法に関する。
(従来の技術) 従来、金属カチオンの分離法としては、充填材として
イオン交換樹脂を用いたイオン交換クロマトグラフィー
やイオンクロマトグラフィーが一般的であり、分析手法
として広く用いられている。この場合、樹脂に対するカ
チオンのイオン交換吸着力の強弱により分離する。
イオン交換樹脂を用いたイオン交換クロマトグラフィー
やイオンクロマトグラフィーが一般的であり、分析手法
として広く用いられている。この場合、樹脂に対するカ
チオンのイオン交換吸着力の強弱により分離する。
一方、樹脂に対する親和力にあまり大きな差がなくて
も、一旦樹脂に吸着されたイオンを樹脂から溶離させる
際、溶離液中にキレート剤を添加することにより分離さ
せることが可能である。
も、一旦樹脂に吸着されたイオンを樹脂から溶離させる
際、溶離液中にキレート剤を添加することにより分離さ
せることが可能である。
また、特定のカチオンだけを選択的に取り出したい場
合には、選択性の高いキレート樹脂(キレート性陽イオ
ン交換樹脂)が用いられている。
合には、選択性の高いキレート樹脂(キレート性陽イオ
ン交換樹脂)が用いられている。
(発明が解決しようとする課題) 上記のイオン交換樹脂やキレート樹脂を用いる手段に
おいては、水中に存在しているイオンと樹脂に結合して
いるイオンの交換速度を最適分離状態が得られるように
調整するため、展開液(溶離液)中に異種の電解質、通
常は酸やアルカリ、或は前記キレート剤等を添加する必
要があるため、分取後も目的とするカチオン中に添加剤
が混在する。従って、分析を目的とする場合はともか
く、分取の場合には展開液中の添加剤を除去する必要が
ある。また、これら添加剤は除去困難なものも少なくな
く、更に、キレート樹脂を用いる場合、ゲル浸透クロマ
トグラフィー(GPC)とは異なり吸着と脱着との2つの
操作が必要であった。
おいては、水中に存在しているイオンと樹脂に結合して
いるイオンの交換速度を最適分離状態が得られるように
調整するため、展開液(溶離液)中に異種の電解質、通
常は酸やアルカリ、或は前記キレート剤等を添加する必
要があるため、分取後も目的とするカチオン中に添加剤
が混在する。従って、分析を目的とする場合はともか
く、分取の場合には展開液中の添加剤を除去する必要が
ある。また、これら添加剤は除去困難なものも少なくな
く、更に、キレート樹脂を用いる場合、ゲル浸透クロマ
トグラフィー(GPC)とは異なり吸着と脱着との2つの
操作が必要であった。
即ち、本発明の目的は、展開液中に電解質等の添加剤
を使用することなく、GPCと同様1つの操作によって金
属カチオンを分離精製することのできる手段を提供する
ことである。
を使用することなく、GPCと同様1つの操作によって金
属カチオンを分離精製することのできる手段を提供する
ことである。
(課題を解決するための手段) 本発明の目的は、非電解質高分子ゲルを用いた水系ク
ロマトグラフィーにおいて、展開液として水−親水性有
機溶媒を使用することにより達成される。
ロマトグラフィーにおいて、展開液として水−親水性有
機溶媒を使用することにより達成される。
本発明で用いる非電解質高分子ゲルとしては、デキス
トラン系ゲル、ヒドロキシエチルメタクリレート重合体
系ゲル、グリシジルメタクリレート変成重合体ゲル、ア
クリルアミド重合体系ゲル、ポリエチレンオキシド系ゲ
ルなどのイオン交換容量が乾燥ゲル重量に対して10μeq
/g以下のものが挙げられる。
トラン系ゲル、ヒドロキシエチルメタクリレート重合体
系ゲル、グリシジルメタクリレート変成重合体ゲル、ア
クリルアミド重合体系ゲル、ポリエチレンオキシド系ゲ
ルなどのイオン交換容量が乾燥ゲル重量に対して10μeq
/g以下のものが挙げられる。
水と混合し展開液として使用する親水性有機溶媒とし
ては、アルコール類、アミド類、ニトリル類などのいず
れでも差し支えないが、好ましくは疎水性定数(logP)
が−5.0〜4.0、更に好ましくは−3.0〜2.0の範囲内のも
のが望ましい。このような溶媒としては、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ホルムア
ミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラ
ハイドロフラン、ジメチルスルホキシドなどが例示さ
れ、中でも、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、アセトン、テトラハイドロフラン、アセトニトリル
など低沸点のものが、分取後の有機溶媒除去等の操作上
好ましい。
ては、アルコール類、アミド類、ニトリル類などのいず
れでも差し支えないが、好ましくは疎水性定数(logP)
が−5.0〜4.0、更に好ましくは−3.0〜2.0の範囲内のも
のが望ましい。このような溶媒としては、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ホルムア
ミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラ
ハイドロフラン、ジメチルスルホキシドなどが例示さ
れ、中でも、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、アセトン、テトラハイドロフラン、アセトニトリル
など低沸点のものが、分取後の有機溶媒除去等の操作上
好ましい。
なお、疎水性定数(logP)は、n−オクタノール−水
間の分配係数(P)から算出した親水・疎水性の指標の
一つで、Chemicol Reviews第71巻、第6号、第525〜616
頁(1971年)に記載される如く、次式で与えられるPの
常用対数によって算出される。
間の分配係数(P)から算出した親水・疎水性の指標の
一つで、Chemicol Reviews第71巻、第6号、第525〜616
頁(1971年)に記載される如く、次式で与えられるPの
常用対数によって算出される。
水と有機溶媒との混合割合は、金属カチオンの種類等
に応じて適宜設定されるが、水と有機溶媒との比率(重
量)を概ね95:5〜30:70、更に好ましくは70:30〜40:60
の範囲内に設定することが望ましい。
に応じて適宜設定されるが、水と有機溶媒との比率(重
量)を概ね95:5〜30:70、更に好ましくは70:30〜40:60
の範囲内に設定することが望ましい。
金属カチオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチ
ウム、セシウム、ルビジウムなどのアルカリ金属、カル
シウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウムなど
のアルカリ土類金属、銅、亜鉛、ニッケル、カドミウ
ム、コバルト、鉛、鉄などの重金属の塩の中で、水に易
溶のものが挙げられる。
ウム、セシウム、ルビジウムなどのアルカリ金属、カル
シウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウムなど
のアルカリ土類金属、銅、亜鉛、ニッケル、カドミウ
ム、コバルト、鉛、鉄などの重金属の塩の中で、水に易
溶のものが挙げられる。
(作 用) このように、展開液として水−親水性有機溶媒を使用
することにより、無機塩の溶出速度は低下し、しかも金
属カチオンの種類によって溶出速度の低下度合が異なる
ため、水を展開液とすることによって分離できない金属
カチオンの分離が可能になるものと考えられる。
することにより、無機塩の溶出速度は低下し、しかも金
属カチオンの種類によって溶出速度の低下度合が異なる
ため、水を展開液とすることによって分離できない金属
カチオンの分離が可能になるものと考えられる。
(発明の効果) このように、これまでイオン交換樹脂やキレート樹脂
を用いた分離のように、添加剤を用いたり、吸着と脱着
との2つの操作を要することなく、非電解質高分子ゲル
を用いた水系クロマトグラフィーによって金属カチオン
を有効に分離し、しかも純粋成分回収に有利な状態で分
取する手段を提供し得た点が、本発明の特筆すべき効果
である。
を用いた分離のように、添加剤を用いたり、吸着と脱着
との2つの操作を要することなく、非電解質高分子ゲル
を用いた水系クロマトグラフィーによって金属カチオン
を有効に分離し、しかも純粋成分回収に有利な状態で分
取する手段を提供し得た点が、本発明の特筆すべき効果
である。
(実施例) 本発明の理解を容易にするため、以下に実施例を示
す。なお、実施例中に示される部及び百分率は、断わり
のない限り重量基準による。
す。なお、実施例中に示される部及び百分率は、断わり
のない限り重量基準による。
分配係数(K)は、次式により求めた。
実施例 1 ファルマシア・ファイン・ケミカル社製セファデック
スG−10(イオン交換容量2.1μeq/g)を充填したガラ
ス製カラム(内径×高さ=15×300mm)に、塩化リチウ
ム、塩化セシウム、塩化カリウム夫々1モルの混合水溶
液0.1mlを添着した後、展開液として50%メタノール水
溶液を流速1ml/分で通し、示差屈折計で検出して第1図
に示すクロマトグラムが得られた。
スG−10(イオン交換容量2.1μeq/g)を充填したガラ
ス製カラム(内径×高さ=15×300mm)に、塩化リチウ
ム、塩化セシウム、塩化カリウム夫々1モルの混合水溶
液0.1mlを添着した後、展開液として50%メタノール水
溶液を流速1ml/分で通し、示差屈折計で検出して第1図
に示すクロマトグラムが得られた。
比較のため、展開液として純水を用いる外は上記と同
様にして第2図に示すクロマトグラムが得られた。
様にして第2図に示すクロマトグラムが得られた。
以上の結果から、本発明により金属カチオンを有効に
分離、回収し得る事実が、明瞭に理解される。
分離、回収し得る事実が、明瞭に理解される。
実施例 2 グリシジルメタクリレート(GMA)180部とエチレング
リコールジメタクリレート20部からなる共重合体粒子を
酸により加水分解してエポキシ基を開環させたGMA変成
重合体ゲル(粒子径55μ、イオン交換容量4.6μeq/g)
を用い、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化スト
ロンチウム夫々1モルの混合水溶液を添着する外は、実
施例1と同様にして分離操作を行なった。
リコールジメタクリレート20部からなる共重合体粒子を
酸により加水分解してエポキシ基を開環させたGMA変成
重合体ゲル(粒子径55μ、イオン交換容量4.6μeq/g)
を用い、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化スト
ロンチウム夫々1モルの混合水溶液を添着する外は、実
施例1と同様にして分離操作を行なった。
分配係数を求めた結果を、第1表に示す。
上表より、本発明により分離能が向上することが明ら
かである。
かである。
実施例 3 展開液として50%エタノール水溶液を使用し、種々の
アルカリ金属の塩酸塩について、実施例2と同様にして
分配係数を求めた。
アルカリ金属の塩酸塩について、実施例2と同様にして
分配係数を求めた。
結果を第2表に示す。
上表より、エタノールの添加により、アルカリ金属カ
チオンの分離能が向上する事実が理解される。
チオンの分離能が向上する事実が理解される。
第1図及び第2図は、夫々実施例1において、展開液と
して50%メタノール水溶液及び純水を用いて求められた
クロマトグラムを示す。
して50%メタノール水溶液及び純水を用いて求められた
クロマトグラムを示す。
Claims (1)
- 【請求項1】非電解質高分子ゲルを用いた水系クロマト
グラフィーにおいて、展開液として水−親水性有機溶媒
を使用することを特徴とする金属カチオンの分離法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63231040A JP2625962B2 (ja) | 1988-09-15 | 1988-09-15 | 金属カチオンの分離法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63231040A JP2625962B2 (ja) | 1988-09-15 | 1988-09-15 | 金属カチオンの分離法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0278955A JPH0278955A (ja) | 1990-03-19 |
JP2625962B2 true JP2625962B2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=16917335
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63231040A Expired - Fee Related JP2625962B2 (ja) | 1988-09-15 | 1988-09-15 | 金属カチオンの分離法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2625962B2 (ja) |
-
1988
- 1988-09-15 JP JP63231040A patent/JP2625962B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0278955A (ja) | 1990-03-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |