JP2625577B2 - 磁気標識した結合要素を用いた磁気制御型結合アッセイ - Google Patents
磁気標識した結合要素を用いた磁気制御型結合アッセイInfo
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Description
いて検査試料中の被分析物質の存在を決定するための方
法に関する。本発明は特に、磁引性材料の、検出可能な
ラベルとしての使用に関する。
疫反応を代表とする被分析物質と特異的な結合要素との
相互反応を用いて検査試料中の被分析物質を検出するの
に不可欠な手段となった。結合反応の検出は、問題の被
分析物質と結合する抗体に付着する検出可能なタグ又は
ラベルが使用されてきた。生成した標識抗体/被分析物
質複合体又は未結合のままの標識抗体を検出して、検査
試料中での被分析物質の存在又はその量を指摘する。
に標識した結合要素を使用するラジオイムノアッセイ
(RIA)及びエンザイムイムノアッセイ(EIA)である。
RIAは、放射性同位体を、結合要素に付着する追跡可能
物質として使用する。放射性同位体は非常に少量で検出
可能なので、少量の被分析物質の検出又は定量に使用す
ることができる。しかしながら、このRIAには実質的な
欠点が幾つかある。これらの欠点には、放射性材料の取
り扱いに特別の設備や細心の注意を要すること、かかる
試薬のコストが高いこと、及び独自の試薬廃棄が必要で
あることが含まれる。
し、酵素活性を用いて免疫反応を検出する。EIAにはRIA
と同じ欠点はないが、EIA技術は通常、検出可能な酵素
反応を誘起するために基質材料を加える必要がある。酵
素基質は更にしばしば不安定であり、使用直前に調製す
るか又は冷凍貯蔵しなければならない。更には、酵素ラ
ベルは、精製及び結合要素への結合が困難であり得、ま
た室温貯蔵中不安定であり得る。この方法は通常複雑な
インキュベーション、多数の液体添加及び多数の洗浄段
階を必要とするため、エンザイムイムノアッセイも満足
の行くものではない。
ッセイ技術が開発された。これらの技術では、金属(例
えば金、銀、白金)、金属化合物、又は金属若しくは金
属化合物でコーティングした非金属物質を使用して、水
性粒子分散液を生成する。一般に、標識すべき結合要素
を吸着によって金属ゾル粒子上にコーティングし、被分
析物質の存在下で粒子を捕捉するか又は凝集させる。金
属ゾル粒子には、肉眼で検出可能で、計器による測定が
可能なシグナルを生成するという利点がある。しかしな
がら、無機粒子は実用的であるにもかかわらす、幾つか
の欠点がある。金属粒子は定量測定が困難である。金属
粒子は更に色の強度が制限され、従ってアッセイによっ
ては感度が制限される。更には、無機金属コロイド粒子
(例えば金)の表面は結合要素との共有結合を容易には
受け入れない。従って、結合アッセイでの使用中には、
吸着した結合要素が、他のタンパク質又は界面活性剤に
よる置換を組み合わせることによって、また非特異的に
結合した材料を除去するために使用する洗浄段階に伴っ
て生ずる剪断力によって無機粒子から離脱しないよう注
意しなければならない。ゾル粒子は凝集を引き起こさず
にコーティングすることが困難であり得る。貯蔵すれば
凝集し得るし、緩衝液又は塩を添加すれば凝集し得る。
更には、このような粒状ラベルは濃縮が困難で、使用中
に凝集し得、分散させるのが困難である。
まれる。非金属粒子(例えば染色又は着色ラテックス及
びセレン粒子)も可視ラベルとして使用されていた。
本発明の以前には、磁性粒子は一般に、検査試料の被分
析物質成分を除去又は隔絶するための手段として使用さ
れていた。例えば、米国特許第4,070,246号及び米国特
許第3,985,649号は、強磁性粒子に付着した結合要素を
使用して、結合要素と問題の被分析物質とで複合体を形
成し、形成した複合体を磁場によって反応混合物から取
り出すことを開示してある。あるいは、Hersh等(米国
特許第3,933,997号)は、検査物質上に放射性材料を集
中させる手段としての磁性粒子の使用を開示している。
Ebersole(米国特許第4,219,335号)は、キャパシタン
ス測定で粒子が表面上に存在するかどうかを判定する、
電気抵抗に作用し得る特性を有する磁性粒子の使用を開
示している。
可能なラベルとして使用する。磁場がラベルに及ぼす力
を測定すれば、検査試料中の被分析物質の存在又はその
量が分かる。
識試薬と共にインキュベートすることからなる。固相試
薬は固相に付着した第1結合要素を含み、磁気標識試薬
は磁引性ラベルに付着した第2結合要素を含む。第1結
合要素は被分析物質又は第2結合要素と結合するものを
選択し、第2結合要素は被分析物質又は第1結合要素と
結合するものを選択して、それぞれを競合アッセイ方式
及びサンドイッチアッセイ方式の両方で使用する。結合
反応によって、磁気標識試薬は、検査試料中に存在する
被分析物質の量に比例して、結合していない磁気標識試
薬と固相に結合した磁気標識試薬との間に分配される。
結合していない磁気標識試薬を、固相に結合した磁気標
識試薬と分離する。次いで、固相に結合した磁気標識試
薬に磁場を印加する。磁気標識試薬の磁気反応性によっ
て、標識試薬及び固相に力が作用する。固相に作用する
力の程度を測定することによって、検査試料中の被分析
物質の量を決定する。
の見掛け重量変化を観察するか、結合試薬の変位(disp
lacement)を測定するか、ラベルの質量変化を測定する
か又は磁場内での結合試薬の移動を測定することによっ
て決定され得る。このような観察を行うための検出手段
には、量り又は秤り手段、移動検出器、圧力センサー、
位置センサー、光センサー、周波数センサー等が含まれ
得る。結合した又は結合していない磁気標識試薬の磁気
反応性の検出に適した任意の手段を使用することができ
る。
の量を決定するためのデバイスを包含する。デバイス
は、固定化した磁気標識試薬が検査試料中の被分析物質
の量に比例して生成する反応容器;固相化した磁気標識
試薬と遊離した磁気標識試薬とを分離するための分離手
段;遊離した及び/又は固定化した磁気標識試薬に磁場
を印加するための磁場発生手段;並びに遊離した及び/
又は固定化した磁気標識試薬の磁場に対する磁気反応性
を評価するための測定手段を含む。適切な磁場発生手段
には永久磁石及び電磁石の両方が含まれる。
ないアッセイ手順を提供することである。
排除して、例えば発色のための酵素−基質インキュベー
ション、蛍光基質のターンオーバー又は化学ルミネセン
スの開始を排除して、より単純で、より迅速なアッセイ
手順を作成することである。
結合していないアッセイ試薬と検査試料成分とを完全に
除去する必要がないアッセイ方法を提供することであ
る。
用を可能とすることである。
試薬の結合親和力に最も適合するように、結合していな
い又は非特異的に結合したラベルと特異的に結合したラ
ベルとの分離を電子式に自動調節することができるアッ
セイ手順を提供することである。
g)であり、単純な使い捨て用品を使用し、可動部品が
ほとんどなく、コンピューター制御可能な機能を有する
アッセイ装置を提供することである。
気制御検出(magnetically assisted detection)の概
略図である。
中の秤り手段を示す概略図である。
制御検出の概略図である。
中の光センサー手段を示す概略図である。
磁引力の測定を示す。
る結合アッセイの結果を示す。
る結合アッセイの結果を阻害曲線としてプロットした図
である。
ング磁性粒子を含む固相への磁場の接近/引き離しを繰
り返すことによって生じる作用を示す。
ング磁性粒子を含む固相への磁場の接近/引き離しを1
サイクル実施して生じる作用を示す。
中における、遊離抗体の存在による重量変化の減少を示
す。
す。
の測定手段の概略図を示す。
の磁石の接近による重量変化の計器記録値を示す。
場が最も強い領域の方に移動するか又は離れる傾向にあ
る。例えば、常磁性材料(例えばフェライト)は磁場に
引き付けられるが、反磁性材料(例えばポリスチレン)
は磁場から離れる。このような磁気反応性材料の反応力
又は動きを、存在する材料の量の測定値としてみなして
もよい。本発明は、磁気反応性材料を結合アッセイのラ
ベルとして使用すると、印加した磁場がラベルに及ぼす
凝集力を測定することによって遊離した又は結合してい
ないラベルの存在又は量を検出することができるという
驚くべき発見から生まれた。更には、検出可能な力の強
さは、結合した又は遊離した磁引性ラベルの量と一定の
関係を有するので、検査試料中での被分析物質の存在又
はその量を決定することができる。この発見から幾つか
の重要な結論が導かれる。
と結合していない標識試薬とを分離し勝つ材料の固相へ
の非特異的結合を抑制するために、固相の徹底的な洗浄
を必要とする。このような洗浄段階はアッセイ手順を複
雑にし、アッセイを、親和力の高い、即ちこのような物
理操作に耐える結合強度を有する結合要素の使用に限定
する。ある特徴としては、本発明では、特異的に結合し
たラベルを第2の磁場で検出する前に第1の磁場を印加
して、結合していない又は非特異的に結合したラベルを
反応混合物から分離することができるので、結合アッセ
イの複雑な洗浄段階の必要性が回避される。磁場に関し
て高度の調整が可能なため、特異的に結合したラベルに
は作用せずに遊離した又は非特異的に結合したラベルを
反応混合物から分離するのに適した第1の磁場を使用す
ることができ、これによって、結合が第1の磁場を作用
をそれほど受けていない親和力の低い結合要素を使用す
ることができる。
部位が協働して高い親和性が得られるため、親和力の低
い結合要素を使用することができる。また洗浄段階がな
いために、アッセイ方式を簡略化しつつ、弱い会合を維
持することができる。少数の結合部位が相互作用すると
寸法及び質量が元の要素よりも数桁大きい結合要素が凝
集して、肉眼で判定できる巨視的変化を生じるために、
シグナルが増幅する。残念ながら、粒子凝集アッセイの
判定はしばしば困難であり、定量的な結果が得られず、
自動化は容易でない。
する磁力を測定して定性又は定量アッセイ読み取り値を
提供することによって、前述の問題を回避する。磁場の
力が磁性ラベルに作用すると、任意の非磁性物質による
非特異的な妨害が抑制される一方で、捕捉又は凝集した
磁性ラベルの検出が高まる。磁場を印加して、磁場内で
磁性ラベルに作用する力を検出することによって力は3
桁高まった。結合反応による重量変化の検出(例えば従
来の重量分析の測定による結合被分析物質の重量検出)
と比較して、本発明では、結合アッセイのシグナルが9
桁高まり、また本発明は濃度がフェムトモル(810-15モ
ル)範囲の被分析物質を検出するのに十分である。
可動式永久磁石で正確に操作することができる。特定の
アッセイ及び特定の結合試薬に最適な磁場強さを選択す
ることができるため、結合要素間に生じた会合を崩壊さ
せずに、未結合及び非特異的に結合した磁性ラベルを除
去するのに十分な磁場を印加することができる。これに
よって、通常結合アッセイで有用であることが判明して
いる結合要素よりも結合親和力の低い結合要素を使用す
る機会が得られる。
も、被分析物質の測定の支障にはならない。固相上の形
成された結合複合体又は試薬の総重量を測定するのとは
対照的に、磁場内で磁性ラベルに及ぶ力だけを測定す
る。
力を容易に測定することができる。検出手段には電子式
秤り、光センサー、圧電圧力感知デバイス(例えば超小
型機械シリコンデバイス又は電子チップ)、振動ファイ
バーデバイス及びカンチレバービームデバイス(例えば
原子力顕微鏡で力変化を感知するために使用されている
デバイス)が含まれるが、これらに限定はされない。こ
のため、非常に感受性の高いアッセイが可能となり、従
来の多くのアッセイでは必要とされるラベルの増幅が不
要となる。
コンピューター制御に容易に適応させることができる。
従って、本発明は自動化システムに適している。
合要素間で生じた会合を崩壊させることができる。従っ
て、本発明は更に、結合要素の結合親和力、即ち会合定
数を評価するための手段を提供する。
使用する幾つかの用語を定義する。
析物質を含むと思われる材料を意味する。検査試料は、
供給源から得たものを直接使用することもできるし、試
料の特性を変えるために前処理してから使用することも
できる。検査試料は、任意の生物源(例えば血液、唾
液、水晶体液、髄液、汗、尿、乳、腹水液、粘液、滑
液、腹膜液、羊水等の生理液)から誘導され得る。検査
試料は使用前に、例えば血液から血漿を調製する、粘液
を希釈する等の方法で前処理することできる。処理方法
には、濾過、蒸留、濃縮、妨害成分の不活性化並びに試
薬(緩衝液及び抽出試薬)の添加が含まれ得る。環境又
は食品製造アッセイの性能のため、生理液の他に、水、
食品等のような他の液体試料を使用することができる。
更には、被分析物質を含むと思われる固体材料を検査試
料として使用することができる。場合によっては、固体
検査試料を変性させて液体媒質を生成するか又は被分析
物質を放出させることが有益であり得る。
対の要素、即ち一方の分子が化学的又は物理的手段で第
2の分子に特異的に結合する2個の異なる分子を意味す
る。よく知られている抗原及び抗体の結合要素以外に、
他の結合要素としては例えばビオチンとアビジン、炭水
化物とレクチン、相補的なムクレオチド配列、相補的な
ペプチド配列、エフェクター分子とレセプター分子、補
酵素と酵素、酵素阻害剤と酵素、ペプチド配列とこの配
列又は全タンパク質に特異的な抗体、ポリマー酸と塩
基、色素とタンパク質結合剤、ペプチドと特異的タンパ
ク質結合剤(例えばリボヌクレアーゼ、S−ペプチド及
びリボヌクレアーゼS−タンパク質)、糖と硼素酸(bo
ronic acid)、結合アッセイでの会合を可能とする親和
力を有する同様の分子等が非制限的に含まれる。更に
は、結合対には、元の結合要素の類似体である要素、例
えば被分析物質類似体、又は組換え技術若しくは分子工
学で製造される結合要素を含めることができる。結合要
素が免疫反応体の場合は例えば、抗体、抗原、ハプテン
又はこれらの複合体であり得る。抗体を使用する場合、
モノクローナル又はポリクローナル抗体、組換えタンパ
ク質又は抗体、キメラ抗体、これらの混合物又は断片、
及び抗体と他の結合要素との混合物であり得る。このよ
うな抗体、ペプチド及びヌクレオチドの製造方法や、結
合アッセイでの結合要素としての使用適性の詳細は当業
者によく知られている。
析物質”という用語は、少なくとも1個のエピトープ又
は結合部位を有する、検出又は測定すべき化合物又は組
成物を意味する。被分析物質は、天然結合要素が存在す
るか又は結合要素を生成できる任意の物質であり得る。
被分析物質には、毒素、有機化合物、タンパク質、ペプ
チド、微生物、アミノ酸、核酸、ホルモン、ステロイ
ド、ビタミン、薬物(治療のために投与される薬物及び
不正な目的のために投与される薬物を含む)並びに前述
のいずれかの物質の代謝物又はこれに対する抗体が含ま
れるが、これらに限定はされない。“被分析物質”とい
う用語には、任意の抗原性物質、ハプテン、抗体、高分
子、及びこれらを組み合わせたものも含まれる。
は、被分析物質に特異的な結合要素と交差反応する物質
を意味する。但し、被分析物質類似体は被分析物質自体
と比べて高反応性であても低反応性であってもよい。被
分析物質類似体が問題の被分析物質と共通のエピトープ
部位を少なくとも1個含んでいる限り、被分析物質類似
体は、変性被分析物質及び被分析物質分子の断片部分又
は合成部分を包含し得る。被分析物質類似体の一例は、
被分析物質類似体が被分析物質に特異的な結合要素に結
合し得るように被分析物質の分子全体の少なくとも1個
のエピトープを複製する合成ペプチド配列である。
結合要素に付着(attach)する磁引性ラベル(magnetic
allyattractable label)を含む物質を意味する。共有
又は非共有結合手段、結合アーム等で付着され得るが、
本発明では付着方法は重要でない。磁場を印加すると、
磁引性ラベルによって、試薬は検査試料中の被分析物質
の量に直接的又は間接的に関係する検出可能な反応を生
じ得る。被分析物質に直接結合するか又は以下で詳しく
説明する補助的特異結合要素で間接的に結合するように
試薬の結合要素成分を選択してもよい。磁気標識試薬に
は、検査試料及び/又は他のアッセイ試薬とのインキュ
ベーションの前でも、最中でも、後でも磁引性ラベルに
付着する結合要素が含まれる。“磁引性粒子に付着する
結合要素”、“磁性材料に付着する結合要素”、“磁性
ラベルに付着する結合要素”、“磁気反応性ラベルに付
着する結合要素”という用語や同類の用語は同意語であ
り、本発明の磁気標識試薬の主な特性、即ちラベルを磁
場付近に置くと検出可能な反応を生じることを示すため
に使用する。
ないが、幾つかの要件が適用される。磁引性材料は、検
査試料中に存在する別のアッセイ試薬又は成分と結合す
る結合要素に付着するように結合するか、担持するか又
は変性可能でなければならない。ラベルは、好ましくは
磁場に暴露すると未結合の磁気標識試薬を速やかに除去
又は分離すると共に検出可能な磁力を発生し得る程度ま
で磁引性でなければならない。本発明のために材料は磁
気反応性であり、材料は磁場の印加の作用を受けると、
例えば引き付けられるか、反発するか又は検出可能な磁
気感受性若しくは磁気誘導を有する。試薬のラベル成分
又は結合要素成分を変えることによって、様々な磁気標
識試薬を生成することができる。この選択が、検出すべ
き被分析物質の考察及びアッセイ技術の望ましい最適化
に関連することは当業者には自明であろう。
質、被分析物質複合体又はアッセイ試薬が結合し、また
未反応のアッセイ試薬、検査試料又は検査溶液を分離す
ることができる任意の材料を意味する。結合した磁気標
識試薬と結合していない磁気標識試薬との分離は、反応
混合物及び/又は固相に固定化した磁気標識試薬から結
合していない磁気標識試薬を完全に除去することからな
り得る。他の実施態様では、結合した磁気標識試薬と結
合していない磁気標識試薬との分離は、固相に固定化し
た磁気標識試薬から結合していない磁気標識試薬を隔離
して、結合した磁気標識試薬を磁場付近に置いたときに
結合していない磁気標識試薬が反応混合物中に残留して
も、検出可能な反応をそれほど生じないようにすること
からなり得る。代替の実施態様では、結合していない又
は結合した磁気標識試薬の磁場に対する反応を観察す
る。代替の実施態様では、未結合及び結合した磁気標識
試薬の磁場に対する反応を観察する。
は、磁気標識試薬の又は固相の結合要素の他にアッセイ
で使用する結合対の要素を意味する。1個以上の補助的
結合要素をアッセイで使用することができる。例えば、
補助的結合要素は、被分析物質自体が磁気標識試薬に直
接付着し得ない場合に、磁気標識試薬を問題の被分析物
質に結合させ得る。補助的特異結合要素は、アッセイデ
バイスに導入するか又は別の試薬溶液としてデバイスに
加えることができる。
磁引性材料は市販のものであるか又は当業界ではよく知
られた生産技術で製造される。磁引性ラベルの必要特性
も広範な磁性材料が満たしている。
重要な磁性である。磁引性材料には、強磁性材料、フェ
リ磁性材料、常磁性材料、超常磁性材料が含まれる。
“強磁性”という用語は一般に、磁石に高度に引き付け
られ、磁場に暴露すると通常永久に磁化する材料を説明
するために使用する。各粒子が単一領域であるように、
強磁性材料の粒度を小さくしてもよい。このように細分
した状態の強磁性材料は、測定可能な永久磁化がないこ
とを特徴とする“超常磁性”と称してもよい。適切な磁
気反発性材料は反磁性材料を包含し、反磁性材料にはポ
リスチレンのような有機ポリマーが含まれるが、これに
限定はされない。
コバルト、クロム及びマンガン)、ランタン系列元素
(例えばネオジム、エルビウム)、合金(例えばアルミ
ニウム、ニッケル、コバルト、銅の磁性合金)、酸化物
(例えばFe3O4、γ−Fe3O4、CrO2、CoO、NiO2、Mn
2O3)、複合材料(例えばフェライト)並びに固溶体
(例えば酸化第二鉄を含む磁鉄鉱)が含まれる。好まし
い磁性材料には、磁鉄鉱、酸化第二鉄(Fe3O4)及び酸
化第一鉄(Fe3O3)が含まれる。
特定の粒子型からなる。
ルは場合によって、磁性材料若くは非磁性材料又はこれ
らの混合物からなる追加の被膜又は層を含み得る。マト
リックス組成物は、任意の適切な手段で、例えば磁引性
材料を特定のモノマーと重合するか、又はマトリックス
の孔内に磁引性材料を導入してマトリックス材料を膨潤
させることによって製造することができる。マトリック
スは有機及び無機材料(例えばガラス、セルロース、合
成ポリマー材料、アガロース等)を含み得る。適切なポ
リマー材料としては、スチレン,置換スチレン,ナフタ
レン誘導体,アクリル酸,メタクリル酸,アクリルアミ
ド及びメタクリルアミドのポリマー、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリアミド、ポリピロール、アミノ
芳香族酸、アルデヒド、タンパク質材料(例えばゼラチ
ン及びアルブミン)、多糖類(例えば澱粉及びデキスト
ラン)、並びにポリマー材料のコポリマーが含まれる
が、これらに限定はされない。ポリマーは不活性充填剤
と混合して使用してもよいし、吸収材料を含んでいても
よい。
る。但し他の形状が適切で、有利になる場合もあり得
る。他の可能な形状としてはプレート、ロッド、バー及
び不規則な形状が含まれる。
ン(μm)である。磁性ラベルの寸法は通常10ミクロン
以下であるが、本発明では寸法は重要でない。
合要素の反応性を高めるような比重を有する磁性粒子を
選択してもよい。平均直径が約0.03μm(300Å)未満
の小さな磁性粒子を熱撹拌によって溶液中飯に維持させ
ることができ、これらは自然には沈降しない。代替の実
施態様では、反応混合物内に沈降して結合要素と固相上
の固定化した試薬との反応性を高めるような比重を有す
る磁性粒子を選択してもよい。平均直径が10ミクロン以
上の大きな磁性粒子は弱い磁場に反応し得る。大きい又
は稠密なラベルを使用してもよいが、この場合粒子の沈
降を阻止するため、インキュベーション段階中に反応混
合物を撹拌させる必要があり得る。他の実施態様では、
撹拌手段も混合手段も用いずに必要な結合反応を実施し
得るのに十分な時間、反応混合物中に分散した状態の磁
性粒子を選択する。
法及び密度は大幅に変動し得る。望ましいラベル特性は
経験的に決定される。ラベルは、問題の被分析物質や望
ましいアッセイ手順のような要因に応じて選択する。
手段[例えば吸着、共有結合、(化学的な若しくは結合
要素による)架橋、又はこのような付着手段を組み合わ
せたもの]によって結合要素の磁引性材料への付着が実
施され得る。結合要素を磁引性ラベルに共有結合させる
場合、一方の成分と、化学活性形態の他方の成分との間
で共有結合が生じ得る。例えばN−ヒドロキシスクシン
イミドのような活性エステルを一方の成分に導入し、他
方の成分上の遊離アミンと反応させると、両成分の共有
結合が生じ得る。他の例としては、非制限的ではある
が、マレイミドを一方の成分に導入して、他方の成分に
内在する若しくは導入したスルフヒドリル部分と反応さ
せ得るか、又は一方の成分に内在する若しくは導入した
炭水化物基を酸化してアルデヒドを生成し、これを他方
の成分上の遊離アミン若しくはヒドラジドと反応させ得
る方法が含まれる。このような修飾及び結合を実施する
ために多くの試薬が市販されている。このような結合を
提供するために適切なホモ二価性及びヘテロ二価性リン
カーアーム試薬も利用可能である。適切な試薬及び結合
技術は当業者にはよく知られている。他の実施態様で
は、磁引性ラベルがポリマー被膜又はマトリックスを含
む場合、ポリマーは、結合要素の付着を容易にするた
め、適切な反応性基(例えばアジド、ブロモアセチル、
アミノ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、エポキシド、
カルボキシル又は他の基)を含むか又は備え得るように
選択するのがよかろう。
結合活性がラベルへの付着によって実質的に変化も破壊
も被らないように選択する。磁引性ラベルに付着し得る
結合要素の量は、その濃度、使用状態、磁引性ラベル又
は結合剤上で利用可能な官能基の量及び種類に依存す
る。
り、この非多孔質材料には、非制限的ではあるが、スチ
レン,置換スチレン,ナフタレン誘導体,アクリル酸,
メタクリル酸,アクリルアミド及びメタクリルアミドの
ポリマー、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリピロール、ポリプロピレン、ラテックス、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ
カーボネート、ガラス又は類似材料、アミノ芳香族酸、
アルデヒド、タンパク質材料(例えばゼラチン及びアル
ブミン)、多糖類(例えば澱粉及びデキストラン)、並
びにポリマー材料のコポリマーが含まれる。このような
材料は通常、粒子、ビーズ、チューブ、スライド、テー
プ、ウェブ、プレート又はウェルの形状である。従っ
て、固相は、結合アッセイを実施する“反応容器”、例
えばマイクロタイターウェルであってもよいし、反応容
器内に含まれる材料、例えば試験管内のビーズであって
もよい。
吸水性材料、多孔質材料又は毛管状材料であり得る。本
発明では、固相材料には、非制限的ではあるが、1種以
上のアッセイ試薬を含む1つ以上の層を有するフロース
ルーアッセイデバイスで使用するガラス繊維、セルロー
ス若しくはナイロンパット;浸漬読み取り(dip and re
ad)アッセイ用ディップスチック;試薬の1種又は全て
が固相材料の単一ストリップの別の領域に含まれるクロ
マトグラフィー技術用テストストリップ(例えば紙若し
くはガラス繊維)若しくは薄層クロマトグラフィー技術
用テストストリップ(例えばニトロセルロース);又は
当業者によく知られた吸収材料が含まれ得る。
性させた天然材料を固相材料として使用することができ
る。このような材料としては、多糖類[例えばセルロー
ス材料(例えば酢酸セルロースやヒトロセルロースのよ
うなセルロース誘導体や紙)];シリカ;シリコン粒
子;無機材料(例えば不活化アルミナ)又はポリマー
(例えばポリ塩化ビニル、プロピレンと塩化ビニルとの
ポリマー及び酢酸ビニルと塩化ビニルとのポリマー)と
共に多孔質ポリマーマトリックスに均一に分散した他の
無機微粉細材料;天然(例えば綿)及び合成(例えばナ
イロン)の織物;多孔質ゲル(例えばシリカゲル、アガ
ロース、デキストラン及びゼラチン);ポリマー膜(例
えばポリアクリレート);タンパク質結合膜等が含まれ
る。
によって強度を付与することができる。固相材料は検出
可能なシグナルの生成を妨げてはならない。更には、固
相材料は通常磁性であるか又はアッセイに対する固相材
料の磁気作用は修正可能である。
るため、一般に固相は表面上又は表面内に固定化した結
合要素を有する。更には、固定化する結合要素は、被分
析物質と直接結合するように選択してもよいし、補助的
特異結合要素によって被分析物質と間接的に結合するよ
うに選択してもよい。
は重要ではない。物理的、化学的又は生化学的手段によ
って固相内に物理的に捕捉又は保持されて、固定化した
他の材料に結合要素を付着させることができる。例え
ば、その後多孔質材料によって保持される不溶性微粒子
に、被分析物質に特異的な結合要素を付着させることが
できる。試薬を微粒子に付着させる手段には、共有手段
及び非共有手段の両方が含まれる。一般に、結合要素を
共有手段によって微粒子に付着させることが好ましい。
“保持される”とは、微粒子が一旦多孔質材料上に来る
と、多孔質材料内の他の場所への実質的な移動が不可能
となることを意味する。微粒子は、任意の適切な型の材
料(例えばポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポ
リアクリルアミド、ポリプロピレン、ラテックス、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ
カーボネート、ガラス又は類似材料)の中から当業者に
よって選択され得る。
査試料及び/又は他のアッセイ試薬とのインキュベーシ
ョンの前でも、最中でも、後でも固相に付着する結合要
素が含まれる。しかしながら大抵の実施態様では、固定
化した試薬は、固相を検査試料と接触させる前に固相に
結合又は付着する。以下では説明を簡略化するために、
固相は本質的に、プラスチックウェル構造(例えば少な
くとも望ましい結合アッセイの性能のために必要な固定
化結合要素を含む反応容器)からなるものとして説明す
る。
述した結合要素(これらに限定はされない)に関係する
適切なアッセイ方式に適用され得る。説明を簡略化する
ため、以下の実施例では通常抗体/抗原結合アッセイを
基準とする。
液相と固相との間に分配させる様々な競合アッセイやサ
ンドイッチアッセイが文献に記載されている。本発明は
競合アッセイ方式に適用可能である。第1結合要素が磁
引性ラベルに付着すると、結合要素と検査試料とのイン
キュベーションの前でも、最中でも、後でも磁気標識試
薬が生成する。ある考えられるアッセイでは、検査試料
中の被分析物質と磁気標識した被分析物質類似体とが、
固相に付着した結合対要素との結合のために競合する。
あるいは、固相に付着する結合要素は、磁気標識した結
合対要素との結合のために被分析物質と競合するように
選択された被分析物質類似体であってもよい。固相に結
合した磁気標識試薬の比率は検査試料中の被分析物質の
量と逆の関係がある。
1結合要素は、結合要素と検査試料とのインキュベーシ
ョンの前でも、最中でも、後でも磁引性ラベルに付着す
る。固相に付着して固相試薬を生成する第2結合要素を
選択して、問題の被分析物質と直接的又は間接的に結合
させる。固相試薬と結合した被分析物質と結合すること
によって、磁気標識試薬は固相上に固定化する。従っ
て、固相と結合する磁気標識試薬の比率は検査試料中の
被分析物質の量と直接関係する。
用して、被分析物質を磁気標識試薬又は固相試薬に間接
的に結合させることを包含し得る。更には、アッセイ手
順は、試薬を全て検査試料と一緒に又は規定した順序
で、被分析物質の結合に適した時間インキュベートする
ことからなり得る。インキュベーション後、結合してい
ない磁気標識試薬を結合した磁気標識試薬と分離する。
結合していない磁気標識試薬を反応混合物から完全に除
去してもよい。あるいは、結合していない磁気標識試薬
が、固相化した磁気標識試薬の磁気制御測定に実質的な
作用を及ぼさないように、この試薬を固相上に固定化し
た磁気標識試薬と隔絶させてもよい。
識試薬の反応を利用して、結合対要素間の結合の程度を
定性又は定量測定する。被分析物質の存在を媒介とし
て、固相上に固定化した結合要素が磁気標識結合要素を
捕捉する。通常、結合していない磁気標識試薬を固相か
ら遠ざけるのに十分な磁場を印加して、固相上に捕捉/
結合していない磁気標識試薬を固相から分離する。
察又は検出され得る。例えば、磁場を印加した際に生じ
る固定化した磁気標識試薬の見掛け重量の変化を量り手
段で検出することができる。他の実施態様では、磁場を
印加した際に生じる固定化した磁気標識試薬の見掛け質
量の変化を石英結晶等の周波数変化で検出することがで
きる。他の実施態様では、固定化した磁気標識試薬に及
ぶ力の作用を、固定化した磁気標識試薬の物理的変位、
又は磁気標識試薬を固定化する容器若しくは材料の変位
として観察してもよい。光センサー手段を用いて、磁場
内の固定化した磁気標準試薬、固相材料又は容器によっ
て想定される初期位置から後続位置までの変化の大きさ
を評価することができる。他の実施態様では、移動検出
手段を用いて、磁場を印加した際に生じる固定化した磁
気標識試薬の移動を評価することができる。例えばある
実施態様では、応力感受性材料(例えば圧電膜)を使用
して、移動を検出し得る。他の実施態様では、磁場を印
加した際に応力変化を検出できるように、応力感受性材
料を容器又は固相材料に組み込むことができる。他の実
施態様では、結合していない磁気標識試薬を適切な検出
手段で検出することが好ましいであろう。他の実施態様
では、結合した磁気標識試薬及び結合していない磁気標
識試薬の両方を検出して、分配率を評価することが好ま
しいであろう。
一つのサンドイッチアッセイ型を例示したものである。
に付着させて、磁気標識試薬を生成する; 2)被分析物質上の第2結合部位に特異的な2結合要素
を固相に付着させて、固定化した結合要素又は固相試薬
を生成する; 3)検査試料を固定化した結合要素と接触させると、被
分析物質が被分析物質に特異的な結合要素によって固相
に結合する; 4)固相を磁気標識試薬と接触させると、磁気標識試薬
が、捕捉された被分析物質と結合することによって固相
上に固定化する(固相に結合する磁気標識試薬の比率は
検査試料中に被分析物質の量と直接関係する); 5)結合していない磁気標識試薬を固相から除去する; 6)固相を微量天秤の秤量皿の上に置き、秤りをゼロに
する; 7)固相上に固定化した磁気標識試薬に磁力が及ぶよう
に固相を磁場に暴露し、捕捉された磁性試薬に対するこ
の磁力の作用を秤りのゼロから読み取り値までの偏差
(deviation)として表す; 8)測定可能な秤り偏差の大きさでもって、固相上に捕
捉された磁性微粒子の量を直接測定する。
影響しない。
の概略図を示す。固相、例えばウェル(20)は、特定の
アッセイ方式の後に固定化した磁気標識試薬(10)を含
んでいる。固相を支持手段(30)上に設置するか又は固
定させる。支持手段は秤り手段(50)上に位置する。通
常の微量天秤において、天秤は支持体を受ける皿(40)
を有する。秤りが支持体を受けるか又は支持体が固相を
受けると、秤りを平衡状態にセットする(ゼロにする)
ことができる。
場の力が固相上に固定化された磁気標識試薬に作用す
る。磁気標識試薬に作用する力は、秤り手段(50)の目
盛板で記録される見掛けの固相重量の変化として表され
る。一般に、磁石はアーム手段(70)に固定されている
ため、固相に対する磁石の動きを微調整することができ
る。
てもよい。また断続的に印加してもよいし、連続的に印
加してもよい。磁場が磁石又は固相の動きを必要とする
よりもむしろ磁場を発生/消失させることができるよう
に電磁石を使用してもよい。電磁石はコンピューター制
御できるので、磁場強さの微調整が可能である。更に
は、電磁石を使用して、交番磁場を発生させることがで
きる。交番磁場は、所望とあれば反応混合物中で磁気標
識試薬を混合させるという更なる利点を有し得る。
の概略図を示す。固相、例えば屈曲性材料のストリップ
(25)は特定の結合反応後に固定化した磁気標識試薬
(10)を含んでいる。固相は基礎手段(45)上に支持さ
れている。検出手段は、固相と接触して、固相の動きを
検出するカンチレバービーム(35)を含んでいる。検出
は、レーザー光源(80)及び光センサー手段(50)で実
施する。レーザーからの可干渉性の光はカンチレバービ
ームから光センサー上に反射する。カンチレバービーム
の位置が偏倚すると、光センサーに当たる反射光の位置
の移動又は偏向が生じて、出力が変化する。光がたどる
距離が長くなれば、このような測定手段の感受性は大き
くなる。
磁場の力が固相上に固定化された磁気標識試薬に作用す
る。固相に力が作用すると、材料が移動するか又は材料
の形状が歪む。固相の最初の位置からの変位又は歪みの
程度を検出手段で観察することができる。
る力を検出することからなる他の結合反応決定手段の概
略図を示す。固相、例えばウェル(10)は、少なくとも
一部分が特定のアッセイ処理後にウェルに固定化した磁
気標識試薬(20)を含んでいる。固相は秤り手段(50)
上に設置又は固定されている。この実施例では、秤り
は、ウェルを受ける皿(40)を有する。秤りがウェルを
受けると、秤りを平衡状態にセットする(ゼロにする)
ことができる。図5(b)では、磁石(60)をウェル中
身の表面付近に挿入すると、磁場の力が磁気標識試薬に
及ぶ。この力の作用下では、結合していない磁力標識試
薬(25)が、磁石により近いため、磁引力が強い気液界
面に移動する。結合した磁気標識試薬はこのようなレベ
ルの磁場強さでは動かず、被分析物質を通じてウェル底
部に結合したままである。気液界面の磁気標識試薬は液
面の界面張力を受けて上方が変形し、固相の見掛け重量
が変化する。これを秤り手段(50)の目盛板で読み取り
値の変化として記録する。磁石がウェルに接近すると、
気液界面の遊離試薬の量が多くなり、また磁場の強さが
増して、固相の見掛け重量の変化が更に大きくなる。磁
場強さが増すと、非特異的に結合した磁気標識試薬とウ
ェル底部との弱い会合が崩壊して、非特異的に結合した
磁気標識試薬と特異的に結合した磁気標識試薬とが分離
する。
定することができる。磁石がウェルに接近すると、ウェ
ル底部で磁引力が増して、特異的に結合した磁気標識試
薬がウェル底部から、磁石がウェル上での凝集物の上昇
力に更に大きく寄与する気液界面の方に引っ張られ始め
る。結合要素間の会合強さを決定方法を以下で更に詳し
く説明する。
の作用を検出するために使用する手段に作用されないこ
とは当業者には自明である。様々な計器を使用して、磁
気標識試薬の質量変化、位置変化及び動き、反磁性標識
試薬の動き、増加重量、減少重量、力変化、磁気感受性
並びに磁気誘導を検出することができる。これらは全
て、磁場と磁気標識試薬との相互作用によって生じる。
様々な検出方法を自動化操作に容易に適用することがで
きる。本明細書で使用する“自動化”という用語は、特
定のアッセイ処理の手動での実施の可能性を排除するも
のではない。
気標識試薬を結合した又は固定化した試薬と分離しても
よい。例えば、磁性プローブを反応混合物内に挿入し、
次いでプローブをこのプローブに引き付けられた結合し
ていない磁気標識試薬と共に除去することによって、結
合していない磁気標識試薬を反応混合物から除去しても
よい。他の実施態様では、反応容器の外側に磁石を置
き、磁石を容器の底部及び/又は壁に沿って移動させて
結合していない磁気標識試薬を反応混合物から引き出す
か又は固相に固定化した試薬から遠ざけることによっ
て、結合していない磁気標識試薬を反応混合物から引き
出してもよい。結合していない磁気標識試薬を反応混合
物及び固相から完全に除去してもよいし、遊離試薬が結
合した磁気標識試薬の検出に影響を及ぼさないように結
合していない磁気標識試薬を固定化した磁気標識試薬か
ら遠ざけてもよい。他の実施態様では、結合していない
磁気標識試薬を反応混合物の気液界面で隔絶して、結合
していない磁気標識試薬と固定化した試薬とを分離する
ように、磁気手段を反応混合物の表面に近づけてもよ
い。他の実施態様では、結合していない試薬を固定化し
た磁気標識試薬から遠ざけ、結合していない試薬が結合
試薬の固定化した固相領域に戻らないように適切な方法
で保持してもよい。
ッセイを実施するためのデバイスを説明する。
tler Instrument Corporation,Heightson,NJ)の皿容
器に挿入した。支持体は、ウェルの底部がクロスピース
の底部よりも下方に来るように単一のマイクロタイター
ウェル(Nuncスナップ別(snap−apart)、8ウェルモ
ジュールストリップ;Nunc Incorporated,Naperville,I
L)を収納する穴を上方クロスピースに備えていた。機
械段(mechanical stage)を動かして、懸吊型マイクロ
タイターウェル底部の下方で磁石の正確で再現性のある
位置決めができるように、顕微鏡の機械段に取り付けら
れたプラスチック棒の端部にネオジム−鉄−ホウ素固定
式磁石(Racoma Incorporated,Boonton,NJ)を設置し
た。
いるポリスチレン/ビニル/COOH/磁鉄鉱粒子(Bang′s
Laboratories,Incorporated,Carmel,IN)であった。
この懸濁液に水を加えて10倍に希釈し、粒子濃度を10mg
/mlにした。5〜40μl(粒子:50〜400μg)のアリコ
ートを、支持体に挿入したミクロタイターウェルにピペ
ットで加えた。粒子懸濁液を更に10倍に希釈して、5〜
40μgの粒子を含む別のアリコートを生成して、より少
量の粒子からの反応を評価した。測定した量の磁性粒子
をマイクロタイターウェルに置き、磁石を除去して秤り
をゼロにした。
するために、磁石をウェル底部から約2mm下方に配置
し、漸進的にウェル底部の方に移動させた。1回の移動
毎に秤りの読み取り値を記録し、磁石がウェル底部に接
触する前に得た最終読み取り値を記録した。この手順を
用いて、700を超える平均増加係数(enhancement facto
r)を観察した。表2のデータに示すように、作用は、
少なくとも20μgの磁性粒子までは実質的に直線的であ
るように思えた。
た常磁性微粒子(Advanced Magnetics,Cambridge,MA;
平均直径1ミクロン、5×108個/mgの粒子含有、5mg/ml
懸濁液として供給)であった。粒子の結合能力は、懸濁
液1ml当たりビオチン3.2μgであった。検査試料は、ビ
オチン濃度の異なるリン酸緩衝塩水を含んでいた。
−BSA;Sigma Chemical Company,St,Louis,MO;BSA1モ
ル当たりビオチン8.9モル)でコーティングしたスナッ
プ別ポリスチレンマイクロタイターウェル(Nunc 8−
ウェルマイクロウェルモジュールストリップ)からなっ
ていた。ビオチン−BSAをリン酸緩衝塩水(PBS)pH7.2
に溶解し、濃度を50μg/mlにした。アリコート(10μ
l)を各ウェルにピペットで加えた。37℃で1時間イン
キュベートした後に、溶液をウェルから除去し、オーバ
ーコートとしての1%(非ビオチニル化)BSAのPBS溶液
400μlで置換した。37℃で更に45分間インキュベーシ
ョンを継続した。次いでウェルを空にし、洗浄ビンを用
いてPBSで洗浄した。この手順の総合結果は、ビオチン
分子をマイクロタイターウェル底部に(ビオチン−BSA
として)固定化し、ウェルを不活性化し、非ビオチニル
化BSAでオーバーコーティングしてタンパク質を更に非
特異的に結合させることであった。
生成し、これを37℃で1時間インキュベートした。各反
応混合物のアリコート(80μl)を固相に移動して、37
℃で更に1時間インキュベートし、アビジン−ビオチン
結合させた。結合していない磁気標識試薬を磁引力によ
って反応混合物から除去した。
ビジンコーティングした磁性粒子のアビジン部分上の利
用可能なビオチン結合部位と結合し始め、その後ウェル
底部に固定化したビオチンによる磁気標識試薬の捕捉は
阻害された。阻害度は検査資料中の遊離ビオチンの濃度
に依存した。従って、固相によって結合した磁気標識試
薬の量は、検査試料中のビオチンの量と反比例した。
を、実質的に前記実施例1に記載する装置を用いて決定
した。各ウェルの固定化した磁気標識試薬の磁気反応性
による重量変化を、インキュベーション中に存在する検
査試料からの遊離ビオチンの量の関係として記録した。
の遊離ビオチン濃度が0ng/mlから125ng/mlまで増すと、
力変化が12mgから0mgまで減少することが判明した(ア
ッセイ量:80μl)。従って、検査試料中の遊離ビオチ
ンの量が増すと、固相に結合した磁気標識試薬の量が相
対的に減少し、これに付随して磁場を印加した際の結合
試薬の見掛け重量の変化が減少した。
捕捉された磁気標識試薬の磁気による重量増加を阻害す
る%としてプロットしたアッセイ結果を示す。40ng/ml
の遊離ビオチン濃度で50%の阻害を観察した。これらの
結果から、このアッセイ方式がフェムトモル範囲の感度
を備えた検査試料中の遊離ビオチンについてのアッセイ
を提供することが判明した。
するため、Cahn Model D−200電子式微量天秤(Cahn
Instruments Incorporated,Cerritos,CA)を使用し
た。この秤りは、電気モーターの回転子に接続された秤
りビームからなっている。一方の懸吊皿にある重さが存
在するとビームが移動し、この移動を光学位置決め装置
が感知し、ビームを元の位置に戻すのに十分な電流がモ
ーターに流れる。この電流の大きさを秤りの電子回路に
よって重量読み取り値に変換する。
Parker Hannifin Corporation,Harrison City,P
A)から、固定式磁石を正確に位置決めするための装置
を設計し、組み立てた。2つのテーブルはマイクロメー
ター調整式であり、磁石を水平面のX、Y方向に位置付
けるために使用した。垂直方向に装着された第3のテー
ブルは、マイクロステッパー(microstepper)モーター
駆動式で、磁石の垂直方向、即ちZ方向の移動を調節し
た(Compumoter Division of Parker Hannifin Co
rporation,Rohnert Park,CA)。固定式磁石(Racoma3
5;Recoma,Inc.,Boonton,NJ)はブラケットによってZテ
ーブルに取り付けられており、このブラケットが、天秤
皿を取り囲んで空気流を妨げているエンクロージャーの
内部に磁石を位置決めした。モーターの移動はコンピュ
ーターとインターフェースで接続されたマイクロプロセ
ッサー回路で制御した。移動の加速度、速度及び距離、
並びに最終位置をコンピューターにプログラミングし
て、複雑な反復移動を自動的に実行することができた。
1インチの移動は、100,000マイクロステップからな
り、1マイクロステップの制御移動が可能であった。
関係を確認した。常磁性粒子を含む懸濁液(100μg/ml;
前記実施例1に記載)のアリコート10μlを天秤皿にピ
ペットで加え、秤りを平衡化し、磁石を皿に接近させ
て、読み取り値の変化を記録した。次いで、更に10μl
のアリコートを加え、計100μlを加えるまで処理を繰
り返した。表3は、ウェル中の磁気標識試薬の量と(重
量増加として測定した)磁場が試薬に及ぼす力との関係
を示す。磁性試薬の量が増すと、磁石の移動による秤り
の偏差(balance deviation)が直線的に増した。
実証した: 磁気標識試薬は、マウスIgG(重鎖及び軽鎖)に対す
る抗体でコーティングした常磁性粒子(Advanced Magn
etics)を1mg/ml(5×108個/mlの粒子)含む懸濁液か
らなっていた。
ml溶液100μl)でコーティングしたマイクロタイター
プレートのウェルからなっていた。次いで、固相を1%
BASのPBS溶液でオーバーコーティングした。
BS緩衝溶液からなっていた。
固定化した抗体と共にインキュベートした。磁気標識試
薬は固相に結合し、磁場を印加しても離れなかった。BS
Aだけをコーティングした固相と共にインキュベートす
ると、同じ磁気標識試薬が同じ磁場を印加した場合除去
されたので、磁気標識試薬の結合は固定化したマウス抗
体に特異的であることが判明した。
すると、ウェル底部上にコーティングされたマウスIgG
と磁気標識抗マウスIgGとその後の結合が阻害された。
ウェルを天秤皿上に置き、秤りをゼロにし、磁石を所定
位置に移動させることによって、結合していない磁気標
識試薬の磁気分離後に固相に結合したままの磁気標識試
薬の量を測定した。
在しない、即ち磁気標識試薬とウェル底部の固定化した
抗体との結合が阻害されないウェル底部付近への磁石の
接近/隔離を繰り返すことによって生じる作用を示す。
(a)は、磁場を接近させると重量が磁気によって増加
することを示し、(b)は磁場を除去すると0点に戻る
ことを示している。図9は、前述の条件下で磁場を1サ
イクル印加/消失させた場合の値を示す。この場合、見
掛け重量が5.8mg変化した。
ウスIgGが存在すると、観察される磁場作用が減少し
た。図10に示すように、磁気標識試薬を2.5μg/ml濃度
の遊離マウスIgGと共にインキュベートすると、見掛け
重量が0mgから2.8mgに変化した(図9の垂直軸変化に留
意)。インキュベーション中に濃度の異なる遊離マウス
IgGの存在が及ぼす作用を、遊離マウスIgGが存在しない
場合に得られた値の阻害%として決定した。
数としてプロットした結果を示す。データは、1μg/ml
濃度の遊離マウスIgGが存在すると50%が阻害される典
型的な阻害曲線を示している。
和力を測定した。方法は、ウェル壁高さを約5mmと低く
するため切断したマイクロタイターウェルと、上方から
ウェルに接近する磁気手段とを使用することからなって
いた。
た。マウスIgGをウェルに固定化し、抗マウスIgG抗体で
コーティングした磁性粒子の懸濁液をウェル内に置き、
反応混合物をインキュベートして、結合を生起した。
ェル内の磁気標識抗体に作用する上方磁引力を調整しな
がら増した。図12に手順を示す。12(a)は、結合反応
によって幾つかが固相上に固定化した磁気標識試薬を示
し、秤りの読み取り値は磁場を固相に近づける前のもの
である。磁場を懸濁液表面に向けて最初に移動させると
(50,000マイクロステップ)、固定化した抗体と結合し
なかった磁気標識抗体が懸濁液の気液界面に移動した。
磁石が(5,000マイクロステップの移動で)表面付近に
移動すると、これに対応して遊離粒子に対する磁引力が
増し、12(b)に示すように1回毎の移動で容器重量の
増加が観察された。界面に集まった遊離粒子は、液面の
界面張力に対して上昇力を作用させて、ウェルの見掛け
重量の減少が観察された。重量の減少は、実質的に前記
実施例1に記載した方法に基づき秤り手段で決定した。
ウェル底部の固定化した抗体と結合した磁気標識抗体に
も磁場で上昇力が作用した。しかしながら、結合した試
薬から磁石までの方が距離が長いため、結合した試薬が
及す力は遊離試薬が表面に及ぼす力よりも小さかった。
磁石がウェル上部に達して、磁気標識抗体に対して上昇
力が増すと、ウェル底部の固定化した結合要素と結合し
た磁気標識抗体は12(c)に示すように、ウェル底部か
ら解離して、液面に移動し始めた。
す。ウェル上部に向けての磁石の最初の50,000マイクロ
ステップの移動13(a)中磁引性磁場は比較的弱く、気
液面に集まった遊離した磁気標識抗体に作用する上昇力
が増すことによって見掛け重量が減少した。磁石が(5,
000マイクロステップの移動で)表面付近に移動する
と、これに対応して遊離粒子に対する磁引力が、増し、
13(b)に示すように1回毎の移動で容器重量の減少が
観察された。磁石の移動と移動との間の停止中には重量
変化は観察されず、このことは磁場強さの変化の間に粒
子位置が変化しなかったことを示している。
た結合要素と結合した磁気標識抗体が解離して、液面か
ら移動し始めた。解離した粒子が液面に達すると、粒子
はより大きな磁引力の領域内に位置し、従ってこれらの
粒子はウェルに対してより大きな上昇力を作用させた。
これによって、磁気標識抗体がウェル底部から解離し、
その後の液面への移動は、磁石の移動間のウェル重量の
漸進的な減少となって表れた。見掛け重量の変化を磁石
の移動13(b)間で重量追跡値のその水平値からの偏差
としてとらえた。磁石を一連の別々の移動13(c)でウ
ェルの付近から遠ざけると、移動間の見掛け重量の変化
がゼロに戻った。
(d)、磁石の移動間で見掛け重量の変化は生じなかっ
た。このような状況は、所定レベルの磁力下でウェル底
部から解離する磁気標識試薬の全てが、最初の磁場接近
中に既に解離していたことを示した。従って、見掛け重
量の更なる変化は、磁石移動時の磁場力の変化によるも
のであって、磁気標識試薬がウェル底部から更に解離す
ることによって生じたものではない。
磁気標識試薬測定によって定量できることを実証した。
結合要素の会合に打ち勝つのに必要な磁引性磁場強さ
は、結合要素間の会合定数の直接の測定値である。
した磁性粒子の懸濁液と共にインキュベートした。(実
質的に前記実施例5に記載した方法で実施した)磁気反
応測定によって、磁気手段が容器上部に達すると重量が
3mg減少することが判明した。抗マウスIgGコーティング
した磁性粒子を同量含むが、(BSAでオーバーコーティ
ングした)固定化マウスIgGを更に含んでいる容器の重
量変化は1mg未満であり、このことは、液面に移動した
未結合の磁性粒子による磁気反応測定を3分の2ほど減
少させるのに十分な磁気標識試薬がウェル底部の固定化
した抗体によって捕捉されたことを示している。
マウスIgGを加えると、ウェル底部の固定化したマウスI
gGと磁気標識試薬との結合が阻害されて、結合していな
い磁気標識試薬が磁場の作用下で液面に移動してより大
きな磁気反応性を示すことが判明した。このようにし
て、磁性粒子の浮遊によって生じる見掛け重量の変化、
即ち結合していない磁気標識試薬の検出によって、図11
に示したのと同様の阻害イムノアッセイを監視すること
ができた。磁引力は(図7に示したように)距離と共に
急速に低下するので、遊離した磁気標識試薬が磁石近く
に移動すると、結合した磁気標識試薬に比べて作用が大
幅に強まる。これによって、遊離した磁気標識試薬をウ
ェルから除去せずとも、磁気標識試薬の相対的な結合度
を決定することができる。
ぼみを含むような固相容器を作った。ウェルに磁性粒子
の懸濁液を充填した。大きい方のウェルの上方から印加
した磁場の作用下で、磁性粒子は、大きい方のウェル内
の液面上に汚点(dot)を形成した。(磁場を維持しな
がら)磁石を大きい方のウェルの上方から小さい方のウ
ェルの上方に移動させることによって粒子を管を通じて
液面沿いに移動させて、粒子を小さい方のウェル上で懸
濁させた。次いで、磁場を除去すると、磁性粒子が小さ
い方のウェルの底部に下降した。これは、遊離した磁気
標識試薬を、固相上の固定化した結合要素と結合した磁
気標識試薬から磁場の作用によって物理的に分離するこ
とができる多くの可能な方法のうちのたったひとつを示
していた。
り得る。磁気標識試薬は、平均直径が0.05ミクロン以下
の磁性ラベルと結合した結合要素からなり得る。磁気標
識試薬を、より大きい非磁性粒子(例えばポリスチレン
微粒子、直径5.0ミクロン)と混合して、反応混合物を
生成してもよい。非磁性粒子の表面上の固定化した結合
対要素は、被分析物質の存在下で磁気標識試薬をより大
きな粒子と結合させる。
標識試薬が磁気手段の方に速やかに移動する。より大き
い非磁性粒子と結合する磁気標識試薬は磁場では遥かに
遅い速度で移動するので、結合した磁気標識試薬と遊離
した磁気標識試薬とが識別される。結合していない磁気
標識試薬の分離後、前述の磁気制御型磁気標識測定方法
を用いて、非常磁性粒子と結合する磁気標識試薬を分析
に付す。
アッセイ方式及び磁引性材料に同様に適用できることは
当業者には自明である。前述した特定の実施態様は、限
定的なものではなくむしろ具体例である。従って、本発
明の説明は、本発明を開示した特定の実施態様に限定す
るものではなく、全ての同等の内容及び主題を、前述
し、以下の請求の範囲にも記載する発明の範囲内に包含
するものとする。
Claims (27)
- 【請求項1】a)インキュベーションの前でも、最中で
も、後でも固相に付着する第1結合要素を含む固相試
薬、及び前記インキュベーションの前でも、最中でも、
後でも磁引性ラベルに付着する第2結合要素を含む磁気
標識試薬と共に検査試料をインキュベートし、 前記第1結合要素は被分析物質又は前記第2結合要素と
結合し、前記第2結合要素は被分析物質又は前記第1結
合要素と結合することによって、検査試料中に存在する
被分析物質の量に比例して前記磁気標識試薬を未結合磁
気標識試薬と前記固相に結合した磁気標識試薬との間に
分配させ、 b)未結合磁気標識試薬を前記固相に結合した磁気標識
試薬と分離し、 c)前記固相に結合した前記磁気標識試薬に磁場を印加
し、 d)前記の結合した磁気標識試薬が前記磁場内で前記固
相に及ぼす力の大きさを、検査試料中の被分析物質の量
の測定値として決定する 段階を包含する検査試料中の被分析物質の存在又はその
量を決定するための方法。 - 【請求項2】磁場内での結合試薬の見掛け重量変化を測
定することによって前記磁場が前記固相に及ぼす力の大
きさを検出する請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】秤り手段を使用して前記重量変化を検出す
る請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】磁場内での結合試薬の変位を測定すること
によって前記磁場が前記固相に及ぼす力の大きさを検出
する請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】光センサー手段を使用して、前記変位を検
出する請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】磁場内での固相の質量又は重量変化を測定
することによって前記磁場が前記固相に及ぼす力の大き
さを検出する請求項1に記載の方法。 - 【請求項7】周波数センサー手段を使用して、前記質量
変化を検出する請求項6に記載の方法。 - 【請求項8】磁場内での結合試薬の移動を測定すること
によって前記磁場が前記固相に及ぼす力の大きさを検出
する請求項1に記載の方法。 - 【請求項9】移動センサー手段を使用して、前記移動を
検出する請求項8に記載の方法。 - 【請求項10】検査試料を前記固相及び前記磁気標識試
薬と共に順次インキュベートする請求項1に記載の方
法。 - 【請求項11】検査試料を前記固相及び前記磁気標識試
薬と共に同時にインキュベートする請求項1に記載の方
法。 - 【請求項12】a)インキュベーションの前でも、最中
でも、後でも固相に付着する第1結合要素を含む固相試
薬、及び前記インキュベーションの前でも、最中でも、
後でも磁引性ラベルに付着する第2結合要素を含む磁気
標識試薬と共に検査試料をインキュベートし、 前記第1結合要素は被分析物質又は前記第2結合要素と
結合し、前記第2結合要素は被分析物質又は前記第1結
合要素と結合することによって、検査試料中に存在する
被分析物質の量に比例して前記磁気標識試薬を未結合磁
気標識試薬と前記固相に結合した磁気標識試薬との間に
分配させ、 b)未結合磁気標識試薬を前記固相に結合した磁気標識
試薬と分離し、 c)前記の未結合磁気標識試薬に磁場を印加し、 d)前記磁場内で前記未結合磁気標識試薬に及ぶ力の大
きさを、検査試料中の被分析物質の量の測定値として決
定する 段階を包含する検査試料中の被分析物質の存在又はその
量を決定するための方法。 - 【請求項13】前記未結合試薬の移動を測定することに
よって前記磁場が前記未結合磁気標識試薬に及ぼす力の
大きさを検出する請求項12に記載の方法。 - 【請求項14】磁場内での固相の見掛け重量変化を測定
することによって前記磁場が前記未結合磁気標識試薬に
及ぼす力の大きさを検出する請求項12に記載の方法。 - 【請求項15】検査試料を前記固相及び前記磁気標識試
薬と共に順次インキュベートする請求項12に記載の方
法。 - 【請求項16】検査試料を前記固相及び前記磁気標識試
薬と共に同時にインキュベートする請求項12に記載の方
法。 - 【請求項17】遊離した磁気標識試薬と固定化した磁気
標識試薬とが検査試料中の被分析物質の量に比例して生
成する反応容器と、 固定化した磁気標識試薬と遊離した磁気標識試薬とを分
離するための分離手段と、 前記固定化した磁気標識試薬に磁場を印加するための磁
場発生手段と、 前記の固定化した磁気標識試薬の前記磁場に対する磁気
反応性を評価するための測定手段 とを含んでなる、検査試料中の被分析物質の存在又はそ
の量を決定するためのアッセイデバイス。 - 【請求項18】前記磁場発生手段が永久磁石及び位置決
め手段からなる請求項17に記載のアッセイデバイス。 - 【請求項19】前記磁場発生手段が電磁石からなる請求
項17に記載のアッセイデバイス。 - 【請求項20】前記測定手段が電子天秤からなる請求項
17に記載のアッセイデバイス。 - 【請求項21】前記測定手段が光センサーからなる請求
項17に記載のアッセイデバイス。 - 【請求項22】前記測定手段が周波数センサーからなる
請求項17に記載のアッセイデバイス。 - 【請求項23】遊離した磁気標識試薬と固定化した磁気
標識試薬とが検査試料中の被分析物質の量に比例して生
成する反応容器と、 固定化した磁気標識試薬と遊離した磁気標識試薬とを分
離するための分離手段と、 前記の遊離した磁気標識試薬に磁場を印加するための磁
場発生手段と、 前記磁場を印加した際の前記の遊離した磁気標識試薬の
磁気反応性を評価するための測定手段 とを含んでなる、検査試料中の被分析物質の存在又はそ
の量を決定するためのアッセイデバイス。 - 【請求項24】前記磁場発生手段が永久磁石及び位置決
め手段からなる請求項23に記載のアッセイデバイス。 - 【請求項25】前記磁場発生手段が電磁石からなる請求
項23に記載のアッセイデバイス。 - 【請求項26】前記測定手段が、電子天秤、光センサー
及び移動検出手段からなる群の中から選択される請求項
23に記載のアッセイデバイス。 - 【請求項27】遊離した磁気標識試薬と固定化した磁気
標識試薬とが検査試料中の被分析物質の量に比例して生
成する反応容器と、 前記の遊離した磁気標識試薬及び固定化した磁気標識試
薬に磁場を印加するための磁場発生手段と、 前記磁場を印加した際に前記の遊離した磁気標識試薬及
び固定化した磁気標識試薬のそれぞれが寄与する磁気反
応性を評価するための測定手段 とを含んでなる、検査試料中の被分析物質の存在又はそ
の量を決定するためのアッセイデバイス。
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