JP2622837C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は合成樹脂製モノフィラメントからなる釣糸に関するものである。さら
に詳しくは、とくにふかせ釣り用道糸としてのすぐれた性能を有する釣糸に関す
るものである。 (従来の技術) たとえばグレのふかせ釣りのように、重りを用いずに、餌が潮の流れに乗り、
自然に泳いでいるように見せかけて魚を釣ることからなる、いわゆるふかせ釣り
において使用する釣糸(道糸)は、着水点から浮きまでの間が、釣場の水面下5
0cmから100cm程度の間に浮遊、保持されることが理想的であるとされている
。 従来このようなふかせ釣り用の道糸としては、ナイロン6またはナイロン6を
主体とする共重合体に代表されるポリアミド系モノフィラメントが用いられてい
るが、これらは比重が大きいため、釣糸の着水点から浮きまでの間が水面下に深
く沈みすぎ、その重さによって浮きを手前(釣糸側)に引き寄せることになって
、ポイントから餌がずれ食いが悪くなったり、当りに対しあわせが遅くなったり
し、結果的には満足すべき釣果が得られないという欠点があった。 したがって上記の欠点を改良したふかせ釣り用の道糸が種々検討され、たとえ
ば(A)芯部を中空構造にした中空モノフィラメントからなる釣糸、(B)表面
を油剤などで処理することにより浮力を付与した釣糸および(C)ポリアミド−
ポリオレフィン系同心芯鞘型複合繊維でその比重が1.01から1.12である 釣糸(特開昭52−122586号公報)などが提案されている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら上記(A)の釣糸は、水域によってはかえって浮きすぎて、風波
の影響をまともに受け、あたりが取りにくくなるという問題が残されている。 また上記(B)の釣糸は、その浮力改善効果の永続性を欠くものである。 さらに上記(C)の釣糸は、ポリアミドとポリオレフィンの境界面で剥離を生
じやすく、効果の永続性に問題があった。 そこで本発明者らは、ふかせ釣り用道糸としての理想的な性能、すなわち重す
ぎず、しかも軽すぎず、釣糸の着水点から浮きまでの間が、釣場の水面下50cm
から100cm程度の間に浮遊、保持される特性を備えると共に、強さと伸びのバ
ランス、リールへのなじみ性と遠投性、低い吸水率および耐摩耗性などを均衡し
て備えた合成樹脂製釣糸の取得を目的として鋭意検討した結果、特定のポリアミ
ドと他の合成樹脂とを組合せたブレンド系モノフィラメントからなる釣糸により
、上記目的が効果的に達成できることを見出し、本発明に到達した。 (問題点を解決するための手段) すなわち本発明は、ポリカプロアミド(以下、ナイロン6と呼ぶ)またはカプ
ロアミド単位とヘキサメチレンアジパミド単位を含有する共重合ポリアミド(以
下、ナイロン6/66と呼ぶ)に対し、ポリプロピレン、ナイロン610、ナイ
ロン612、ナイロン11およびナイロン12から選ばれた低比重合成樹脂を1
〜50重量%配合した組成物を溶融紡糸してなり、比重が1.03〜1.12の
範囲にあるモノフィラメントからなることを特徴とする釣糸を提供するものであ
る。 本発明の釣糸を構成するモノフィラメントにおいては、ポリカプロアミドまた
はカプロアミド単位とヘキサメチレンアジパミド単位を含有する共重合ポリアミ
ドからなる主成分よりも比重の小さい低比重合成樹脂を副成分として選択するこ
とによって、モノフィラメント自体の比重を上記の範囲に容易にコントロールで
き、しかも低い吸水性とすぐれた耐摩耗性を発揮せしめることができる。 すなわち、モノフィラメントの比重を1.03〜1.12の範囲に設定するこ
とにより、ふかせ釣り用道糸として最適の性能が得られ、吸水率が低下すること によって釣糸が竿やガイドにべたつくことがなくなり、さらには耐摩耗性が向上
することによって釣糸がガイド類などにより摩耗することがなくなり、実用性が
大幅に向上するのである。 また本発明の釣糸を構成するモノフィラメントにおいては、主成分としてナイ
ロン6またはナイロン6/66を選択することによって、釣糸に適度な伸び、耐
衝撃性、柔軟性およびすぐれたリールへのなじみ性と遠投性などを発揮させるこ
とができる。 なお、本発明で使用する上記副成分としての低比重合成樹脂は、ポリプロピレ
ン、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11およびナイロン12から選
ばれた少なくとも1種である。 また、本発明で主成分として使用するポリアミドにおけるカプロアミド単位(
ナイロン6単位)とヘキサメチレンアジパミド単位(ナイロン66)の共重合割
合は、前者が100〜85重量%、後者が0〜15重量%の範囲が好適である。 本発明の釣糸を構成するモノフィラメントにおいては、その比重を1.03〜
1.12の範囲に設定することが重要であり、比重が1.03未満ではこの釣糸
をふかせ釣り用道糸として用いる際に、道糸の着水点から浮きに至る部分が水面
下50cmよりも浮きすぎて、風波の影響を受け、魚信のあたりがとりにくくなり
、また比重が1.12を越えると道糸の着水点から浮きに至る部分が水面下10
0cmよりも沈みすぎて、食いが悪くなり、あわせが遅れる傾向が著しくなるため
好ましくない。 モノフィラメントの比重を上記の範囲に設定することにより、この釣糸をふか
せ釣り用道糸として用いる際に、道糸の着水点から浮きに至る部分を水面下50
cmから100cmの範囲に浮遊、保持することができ、理想的なふかせ釣りの達成
が可能となる。 したがって、本発明の釣糸を構成するモノフィラメントにおいては、モノフィ
ラメントの比重が上記の範囲にあり、なおかつ釣糸に適度な伸び、耐衝撃性、柔
軟性およびすぐれたリールへのなじみ性と遠投性などを発揮させるために、主成
分(ナイロン6またはナイロン6/66)に対する副成分(低比重樹脂)の配合
割合が1〜50重量%、とくに10〜45重量%の範囲にあることが好ましく、 上記の範囲を外れると、ふかせ釣り性能または釣糸性能のいずれかまたは両者が
低下するため好ましくない。 本発明の釣糸を構成するモノフィラメントは、上記のナイロン6またはナイロ
ン6/66と低比重樹脂との混合組成物を、通常の紡糸口金を用いて、通常の紡
糸法により紡糸した後、冷却し、次いで必要に応じて延伸、熱固定することによ
り、製造することができる。 さらに詳しくは、たとえば紡出糸を0〜80℃の水あるいはトリクレンなどの
冷却媒体中で冷却固化し、次いで30〜250℃の気体または液体中で2.5〜
6倍に延伸してから、さらに必要に応じて弛緩または緊張下に熱固定することに
より、目的とするモノフィラメント(釣糸)を得ることができる。 モノフィラメント(釣糸)の直径は0.05〜1.0mmの範囲で任意に選択す
ることができる。 得られたモノフィラメントは、次いで駒巻きあるいはかせ状
にして、道糸やハリスなどの釣糸製品とされる。 なお本発明の釣糸には、染色、着色、すべり性改善のための表面処理およびコ
ーティングなどを施すことにより、さらに高付加価値化を計ることができる。 以下に実施例を挙げて、本発明の効果をさらに説明する。 (実施例) 主成分としてナイロン6/66(東レ(株)製M6121チップ…6/66共重
合比率=90/10、比重=1.14)を、また副成分としてポリプロピレン(
チッソ(株)製XA3147チップ、比重=0.91)を用いて、次の条件により
モノフィラメントを製造した。 すなわち、上記2種のポリマを第1表の重量割合でブレンドし、このブレンド
物を30mmΨ押出機に供給し、紡糸口金から紡出せしめて、ノズル孔直下15cm
の位置に設置した30℃の水浴中で冷却する。 引続いて、紡出糸を200℃で5.4倍に延伸した後、170℃で熱処理する
ことにより、直径0.33mmのモノフィラメントを製造する。 このようにして得た各モノフィラメントについて、下記の基準により釣糸とし
ての特性を評価した結果を第1表に併せて示す。 [強力、伸度] 試料25cmを25℃×65%RHの室内に1昼夜放置した後、これを島津製作
所製オートグラフ(TOM200型)にセットし、引張速度30cm/分で引張っ
た時の切断時強力(kg)および伸度(%)を測定する。 [柔軟性] 間隔10mmの2支点間に試料を載せ、その中央に荷重を与えて湾曲させる際に
、試料が2支点間を抜け出る最大荷重を読み取る。 [糸ふけ性] 水深約4mの海岸でふかせ釣りを実施する際に、 ◎……釣糸の着水点から浮きまでの間が、水面下50cmから100cm程度の間
に浮遊、保持される。 ○……釣糸の着水点から浮きまでの間が、一部海水表面に露出する。 △……釣糸の着水点から浮きまでの間が、海水表面に浮いてしまう。 ×……釣糸の着水点から浮きまでの間が、海水表面から数m下方に沈む。 [遠投性] ふかせ釣りにおいて、仕掛けを投げ込む際に、 ◎……リールへのなじみ性が良く、飛距離も伸びる。 △……リールへのなじみ性は良いが、釣糸が竿先ガイドにベタつき、飛距離が
伸びない。 ×……リールへのなじみ性が悪く、飛距離も伸びない。 [感度] ふかせ釣りにおけるあたりに対する感度 ◎……すこぶる良好 △……やや良好 ×……不良 [耐摩耗性] ◎……良好 ×……不良 [吸水性] ◎……すべり性良くベタつかない。 △……やや良好 ×……すべり性悪くベタつく。 第1表の結果から明らかなように、本発明のモノフィラメントからなる釣糸(
No.1〜3)は、ナイロン6/66とポリプロピレンとの配合であっても、モノ
フィラメント自体の比重が1.03未満の釣糸(No.4)、比重が1.12を越
える釣糸(No.5)、ポリプロピレンのみからなる釣糸(No.6)およびナイロン
6/66のみからなる釣糸(No.7)に比較して、機械特性およびふかせ釣りに
おける糸ふけ性、遠投性、感度、耐摩耗性および吸水性が均衡してすぐれている
。 (発明の効果) 以上説明したように、本発明の釣糸は、ふかせ釣り用道糸としての理想的な性
能、すなわち重すぎず、しかも軽すぎず、釣糸の着水点から浮きまでの間が、釣
場の水面下50cmから100cm程度の間に浮遊、保持される特性を備えると共に
、強さと伸びのバランス、リールへのなじみ性と遠投性、低い吸水率および耐摩
耗性などを均衡して備えている。 したがって本発明の釣糸を用いて、たとえばグレのふかせ釣りを行なう場合に
は、道糸が水中で良好な走行状態を保ち、しかもリールからの道糸解舒張力が低
く安定しているため、目標とするポイントへの送り込みが容易で、あたりにも敏
感であるという理想的な性能を発揮する。
に詳しくは、とくにふかせ釣り用道糸としてのすぐれた性能を有する釣糸に関す
るものである。 (従来の技術) たとえばグレのふかせ釣りのように、重りを用いずに、餌が潮の流れに乗り、
自然に泳いでいるように見せかけて魚を釣ることからなる、いわゆるふかせ釣り
において使用する釣糸(道糸)は、着水点から浮きまでの間が、釣場の水面下5
0cmから100cm程度の間に浮遊、保持されることが理想的であるとされている
。 従来このようなふかせ釣り用の道糸としては、ナイロン6またはナイロン6を
主体とする共重合体に代表されるポリアミド系モノフィラメントが用いられてい
るが、これらは比重が大きいため、釣糸の着水点から浮きまでの間が水面下に深
く沈みすぎ、その重さによって浮きを手前(釣糸側)に引き寄せることになって
、ポイントから餌がずれ食いが悪くなったり、当りに対しあわせが遅くなったり
し、結果的には満足すべき釣果が得られないという欠点があった。 したがって上記の欠点を改良したふかせ釣り用の道糸が種々検討され、たとえ
ば(A)芯部を中空構造にした中空モノフィラメントからなる釣糸、(B)表面
を油剤などで処理することにより浮力を付与した釣糸および(C)ポリアミド−
ポリオレフィン系同心芯鞘型複合繊維でその比重が1.01から1.12である 釣糸(特開昭52−122586号公報)などが提案されている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら上記(A)の釣糸は、水域によってはかえって浮きすぎて、風波
の影響をまともに受け、あたりが取りにくくなるという問題が残されている。 また上記(B)の釣糸は、その浮力改善効果の永続性を欠くものである。 さらに上記(C)の釣糸は、ポリアミドとポリオレフィンの境界面で剥離を生
じやすく、効果の永続性に問題があった。 そこで本発明者らは、ふかせ釣り用道糸としての理想的な性能、すなわち重す
ぎず、しかも軽すぎず、釣糸の着水点から浮きまでの間が、釣場の水面下50cm
から100cm程度の間に浮遊、保持される特性を備えると共に、強さと伸びのバ
ランス、リールへのなじみ性と遠投性、低い吸水率および耐摩耗性などを均衡し
て備えた合成樹脂製釣糸の取得を目的として鋭意検討した結果、特定のポリアミ
ドと他の合成樹脂とを組合せたブレンド系モノフィラメントからなる釣糸により
、上記目的が効果的に達成できることを見出し、本発明に到達した。 (問題点を解決するための手段) すなわち本発明は、ポリカプロアミド(以下、ナイロン6と呼ぶ)またはカプ
ロアミド単位とヘキサメチレンアジパミド単位を含有する共重合ポリアミド(以
下、ナイロン6/66と呼ぶ)に対し、ポリプロピレン、ナイロン610、ナイ
ロン612、ナイロン11およびナイロン12から選ばれた低比重合成樹脂を1
〜50重量%配合した組成物を溶融紡糸してなり、比重が1.03〜1.12の
範囲にあるモノフィラメントからなることを特徴とする釣糸を提供するものであ
る。 本発明の釣糸を構成するモノフィラメントにおいては、ポリカプロアミドまた
はカプロアミド単位とヘキサメチレンアジパミド単位を含有する共重合ポリアミ
ドからなる主成分よりも比重の小さい低比重合成樹脂を副成分として選択するこ
とによって、モノフィラメント自体の比重を上記の範囲に容易にコントロールで
き、しかも低い吸水性とすぐれた耐摩耗性を発揮せしめることができる。 すなわち、モノフィラメントの比重を1.03〜1.12の範囲に設定するこ
とにより、ふかせ釣り用道糸として最適の性能が得られ、吸水率が低下すること によって釣糸が竿やガイドにべたつくことがなくなり、さらには耐摩耗性が向上
することによって釣糸がガイド類などにより摩耗することがなくなり、実用性が
大幅に向上するのである。 また本発明の釣糸を構成するモノフィラメントにおいては、主成分としてナイ
ロン6またはナイロン6/66を選択することによって、釣糸に適度な伸び、耐
衝撃性、柔軟性およびすぐれたリールへのなじみ性と遠投性などを発揮させるこ
とができる。 なお、本発明で使用する上記副成分としての低比重合成樹脂は、ポリプロピレ
ン、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11およびナイロン12から選
ばれた少なくとも1種である。 また、本発明で主成分として使用するポリアミドにおけるカプロアミド単位(
ナイロン6単位)とヘキサメチレンアジパミド単位(ナイロン66)の共重合割
合は、前者が100〜85重量%、後者が0〜15重量%の範囲が好適である。 本発明の釣糸を構成するモノフィラメントにおいては、その比重を1.03〜
1.12の範囲に設定することが重要であり、比重が1.03未満ではこの釣糸
をふかせ釣り用道糸として用いる際に、道糸の着水点から浮きに至る部分が水面
下50cmよりも浮きすぎて、風波の影響を受け、魚信のあたりがとりにくくなり
、また比重が1.12を越えると道糸の着水点から浮きに至る部分が水面下10
0cmよりも沈みすぎて、食いが悪くなり、あわせが遅れる傾向が著しくなるため
好ましくない。 モノフィラメントの比重を上記の範囲に設定することにより、この釣糸をふか
せ釣り用道糸として用いる際に、道糸の着水点から浮きに至る部分を水面下50
cmから100cmの範囲に浮遊、保持することができ、理想的なふかせ釣りの達成
が可能となる。 したがって、本発明の釣糸を構成するモノフィラメントにおいては、モノフィ
ラメントの比重が上記の範囲にあり、なおかつ釣糸に適度な伸び、耐衝撃性、柔
軟性およびすぐれたリールへのなじみ性と遠投性などを発揮させるために、主成
分(ナイロン6またはナイロン6/66)に対する副成分(低比重樹脂)の配合
割合が1〜50重量%、とくに10〜45重量%の範囲にあることが好ましく、 上記の範囲を外れると、ふかせ釣り性能または釣糸性能のいずれかまたは両者が
低下するため好ましくない。 本発明の釣糸を構成するモノフィラメントは、上記のナイロン6またはナイロ
ン6/66と低比重樹脂との混合組成物を、通常の紡糸口金を用いて、通常の紡
糸法により紡糸した後、冷却し、次いで必要に応じて延伸、熱固定することによ
り、製造することができる。 さらに詳しくは、たとえば紡出糸を0〜80℃の水あるいはトリクレンなどの
冷却媒体中で冷却固化し、次いで30〜250℃の気体または液体中で2.5〜
6倍に延伸してから、さらに必要に応じて弛緩または緊張下に熱固定することに
より、目的とするモノフィラメント(釣糸)を得ることができる。 モノフィラメント(釣糸)の直径は0.05〜1.0mmの範囲で任意に選択す
ることができる。 得られたモノフィラメントは、次いで駒巻きあるいはかせ状
にして、道糸やハリスなどの釣糸製品とされる。 なお本発明の釣糸には、染色、着色、すべり性改善のための表面処理およびコ
ーティングなどを施すことにより、さらに高付加価値化を計ることができる。 以下に実施例を挙げて、本発明の効果をさらに説明する。 (実施例) 主成分としてナイロン6/66(東レ(株)製M6121チップ…6/66共重
合比率=90/10、比重=1.14)を、また副成分としてポリプロピレン(
チッソ(株)製XA3147チップ、比重=0.91)を用いて、次の条件により
モノフィラメントを製造した。 すなわち、上記2種のポリマを第1表の重量割合でブレンドし、このブレンド
物を30mmΨ押出機に供給し、紡糸口金から紡出せしめて、ノズル孔直下15cm
の位置に設置した30℃の水浴中で冷却する。 引続いて、紡出糸を200℃で5.4倍に延伸した後、170℃で熱処理する
ことにより、直径0.33mmのモノフィラメントを製造する。 このようにして得た各モノフィラメントについて、下記の基準により釣糸とし
ての特性を評価した結果を第1表に併せて示す。 [強力、伸度] 試料25cmを25℃×65%RHの室内に1昼夜放置した後、これを島津製作
所製オートグラフ(TOM200型)にセットし、引張速度30cm/分で引張っ
た時の切断時強力(kg)および伸度(%)を測定する。 [柔軟性] 間隔10mmの2支点間に試料を載せ、その中央に荷重を与えて湾曲させる際に
、試料が2支点間を抜け出る最大荷重を読み取る。 [糸ふけ性] 水深約4mの海岸でふかせ釣りを実施する際に、 ◎……釣糸の着水点から浮きまでの間が、水面下50cmから100cm程度の間
に浮遊、保持される。 ○……釣糸の着水点から浮きまでの間が、一部海水表面に露出する。 △……釣糸の着水点から浮きまでの間が、海水表面に浮いてしまう。 ×……釣糸の着水点から浮きまでの間が、海水表面から数m下方に沈む。 [遠投性] ふかせ釣りにおいて、仕掛けを投げ込む際に、 ◎……リールへのなじみ性が良く、飛距離も伸びる。 △……リールへのなじみ性は良いが、釣糸が竿先ガイドにベタつき、飛距離が
伸びない。 ×……リールへのなじみ性が悪く、飛距離も伸びない。 [感度] ふかせ釣りにおけるあたりに対する感度 ◎……すこぶる良好 △……やや良好 ×……不良 [耐摩耗性] ◎……良好 ×……不良 [吸水性] ◎……すべり性良くベタつかない。 △……やや良好 ×……すべり性悪くベタつく。 第1表の結果から明らかなように、本発明のモノフィラメントからなる釣糸(
No.1〜3)は、ナイロン6/66とポリプロピレンとの配合であっても、モノ
フィラメント自体の比重が1.03未満の釣糸(No.4)、比重が1.12を越
える釣糸(No.5)、ポリプロピレンのみからなる釣糸(No.6)およびナイロン
6/66のみからなる釣糸(No.7)に比較して、機械特性およびふかせ釣りに
おける糸ふけ性、遠投性、感度、耐摩耗性および吸水性が均衡してすぐれている
。 (発明の効果) 以上説明したように、本発明の釣糸は、ふかせ釣り用道糸としての理想的な性
能、すなわち重すぎず、しかも軽すぎず、釣糸の着水点から浮きまでの間が、釣
場の水面下50cmから100cm程度の間に浮遊、保持される特性を備えると共に
、強さと伸びのバランス、リールへのなじみ性と遠投性、低い吸水率および耐摩
耗性などを均衡して備えている。 したがって本発明の釣糸を用いて、たとえばグレのふかせ釣りを行なう場合に
は、道糸が水中で良好な走行状態を保ち、しかもリールからの道糸解舒張力が低
く安定しているため、目標とするポイントへの送り込みが容易で、あたりにも敏
感であるという理想的な性能を発揮する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 ポリカプロアミドまたはカプロアミド単位とヘキサメチレンアジパミド単位を
含有する共重合ポリアミドに対し、ポリプロピレン、ナイロン610、ナイロン
612、ナイロン11およびナイロン12から選ばれた低比重合成樹脂を1〜5
0重量%配合した組成物を溶融紡糸してなり、比重が1.03〜1.12の範囲
にあるモノフィラメントからなることを特徴とする釣糸。
Family
ID=
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