JP2621152B2 - 歯車ポンプ - Google Patents

歯車ポンプ

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JP2621152B2
JP2621152B2 JP61311283A JP31128386A JP2621152B2 JP 2621152 B2 JP2621152 B2 JP 2621152B2 JP 61311283 A JP61311283 A JP 61311283A JP 31128386 A JP31128386 A JP 31128386A JP 2621152 B2 JP2621152 B2 JP 2621152B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は歯車ポンプ、とくにそのケーシングに関する
ものである。
(従来の技術) 従来の歯車ポンプ/モータのケーシングには、1対の
歯車の外周部を覆う環状の周壁部と該周壁部の両側部を
覆蓋するフロントカバーおよびリヤカバーの3部材で構
成される3分割タイプのものと、フロントカバーまたは
リヤカバーを周壁部と一体に成形した2分割タイプのも
のがある。
(発明が解決しようとする問題点) 上記2分割タイプのケーシングは、竪牢で部品数が少
なくてすむので歯車ポンプに採用されることが多いが、
吐出側の高圧領域におけるケーシング内面の周壁部と側
面カバー部(底部)とで形成されるコーナー部に応力集
中が起こるためこの部分に亀裂等を生じると云う問題点
があった。
すなわち、1対の歯車が装入されるケーシングのメガ
ネ状穴の周壁をなす部分と奥底壁面および歯車の側面を
シールする側板の歯車と反対側の面と側板のメガネ状円
筒面とで形成される第4図(a)に示すようなL形スキ
マ(L)は、ポンプまたはモータが静止状態にあるとき
は吐出側と吸込側とが連なっているが、運転時には吐出
側に発生した油圧力によって側板が吸込側および反歯車
側へ押し付けられるので、L形スキマはメガネ状穴周壁
部分の奥底壁面とのコーナー部のケーシング内角Rと側
板外角面取り部とで形成される第4図(b)に示すよう
な三角断面の帯状のスキマ(T)となって吐出側と吸込
側に連らなる。
したがって、内部漏れを少なくする目的で上記コーナ
ー部のRと側板外角の面取りCを極力小さくしているの
で、ケーシングのコーナー部に応力集中が生じやすく、
吐出側の油圧が繰返し上昇すると亀裂等の欠陥が発生す
ることがあった。また、応力集中を避けるためコーナー
部のRを大きくするとシール効果が悪くなって容積効率
が低下し、肉厚を大きくすれば重量が増加するとともに
コストが高くなるという問題点があった。
(問題点を解決するための手段) 上記問題点を解決するため、本発明は次のような構成
を採用した。
すなわち、本発明にかかる歯車ポンプは、内部に嵌合
される歯車の外周部を覆う周壁部と歯車の一方の側面部
を覆う底部とが一体に形成されたケーシング本体と、該
本体の開口部を覆う着脱自在なカバーとからなる歯車ポ
ンプのケーシングにおいて、前記周壁部内面と底部内面
とで構成されるコーナー部のうち運転時に高圧となる範
囲における該コーナー部よりも軸方向に零又は若干離れ
た位置でかつ周壁部内面の円周方向に応力集中を緩和す
る溝状凹部を形成したことを特徴としている。
(作用) ケーシングのコーナー部のうち高圧となる部分の近傍
に溝状凹部が形成されているので、シール効果を損わな
いようにコーナー部のRを小さくしても該コーナー部へ
の応力集中が緩和される。
(実施例) 以下、図面にあらわされた実施例について説明する。
この歯車ポンプ/モータは回転動力を供給すればポン
プとして作用し、逆に油圧を供給すれば油圧モータとし
て作用するものであるが、以下簡便のため油圧ポンプと
して作用する場合について説明する。
この歯車ポンプ1のケーシングは、ケーシング本体3
とフロントカバー4とで構成される。ケーシング本体3
のメガネ状穴5には駆動ギヤ7と従動ギヤ8が収容され
ている。駆動ギヤ7の前側の軸9はフロントカバー4の
軸穴10にブッシュ11を介して支承され、後側の軸12はケ
ーシング本体の底部に形成した軸受穴13にブッシュ11を
介して支承されている。上記前側の軸9はフロントカバ
ー4から前方へ突出し、開口部14に嵌着されたオイルシ
ール15によって外周部がシールされている。従動ギヤ8
の前後の軸17,18は、フロントカバー4とケーシング本
体3に形成した軸受穴19,20にブッシュ11,11を介して支
承されている。
両ギヤ7,8の前後には軸挿通用の穴22,23,24,25が穿設
された側板26,27が配置されている。前側の側板26はフ
ロントカバー4の凹部4aとケーシング本体3の凹部にそ
れぞれ部分的に嵌合しており、その中間部に形成された
くびれ部分に高圧ポート30と低圧ポート31が設けられて
いる。前側と後側の側板26,27のギヤと反対側の面に形
成した溝にはガスケット33,34が嵌着されている。
この歯車ポンプ1のケーシング本体3の使用時に高圧
を受ける範囲(H)(約2ビッチ分)では、両ギヤ7,8
の外周部を覆う周壁部3aと底部3bで形成されるコーナー
部35からt(t≦0.5mmとするのが好ましい)だけ離れ
た位置に溝状凹部40が形成されている。この溝状凹部40
は、コーナー部35に形成される丸ミ付けの半径Rと同寸
法だけ底部3b内面から離れた位置に一端を持つ、内角R
に対して充分大きな半径R′の溝として形成してもよ
い。また、溝状凹部40を形成する位置は、1対のギヤの
噛合中心より高圧側から低圧側へのシールを行なうに充
分な寸法Lだけ除いた吐出側に設けておけばよい。
この歯車ポンプ1は、1対のギヤを収容するケーシン
グにおける使用中に亀裂を生じやすい高圧部分に、コー
ナー部35の応力集中を緩和する溝状凹部40が設けられて
いるので、コーナー部に繰返し応力が生じても亀裂が生
じにくい。すなわち、このポンプの吐出側(高圧ポート
30側)には、第5図及び第6図に示す如くH×mの面積
で油圧による繰返し力Pが作用するので、従来のポンプ
では第6図に示すようにコーナー部35に亀裂Wが発生し
ていたが、本発明のポンプではこの部分の応力集中が緩
和されるので、このような亀裂が生じず、長寿命のポン
プとすることができるのである。なお、溝状凹部40の形
状は図示例のものに限らず、コーナー部の応力集中を緩
和することができるものであればどのようなものでもよ
い。
(発明の効果) 以上の説明が明らかなように、本発明にかかる歯車ポ
ンプは、そのケーシングの高圧を受ける部分のコーナー
部付近でかつ周壁部内面の円周方向に応力集中を緩和す
る溝状凹部が形成されているので、長時間の使用によっ
てもケーシングに亀裂が生じにくい高寿命のものとなっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1実施例をあらわす側面断面図、第2
図はそのA−A矢視図、第3図は要部の拡大断面図、第
4図(a),(b)はコーナー部の隙間の説明図、第5
図は亀裂の発生位置を示す説明図、第6図は第5図にお
けるB−B断面図である。 1……歯車ポンプ、2……ケーシング 3……ケーシング本体、4……フロントカバー 7……駆動ギヤ、8……従動ギヤ 35……コーナー部、40……溝状凹部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に嵌合される歯車の外周部を覆う周壁
    部と歯車の一方の側面部を覆う底部とが一体に形成され
    たケーシング本体と、該本体の開口部を覆う着脱自在な
    カバーとからなる歯車ポンプのケーシングにおいて、前
    記周壁部内面と底部内面とで構成されるコーナー部のう
    ち運転時に高圧となる範囲における該コーナー部よりも
    軸方向に零又は若干離れた位置でかつ周壁部内面の円周
    方向に応力集中を緩和する溝状凹部を形成したことを特
    徴とする歯車ポンプ。
JP61311283A 1986-12-29 1986-12-29 歯車ポンプ Expired - Fee Related JP2621152B2 (ja)

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JPS59107987U (ja) * 1983-01-13 1984-07-20 マツダ株式会社 エンジンのオイルポンプ

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