JP2618478B2 - エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents
エポキシ化合物の製造方法Info
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- selectivity
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- olefin
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Epoxy Compounds (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、有機ハイドロパーオキシドを用いて炭素数
4乃至16からなるオレフィンを酸化し、高収率で対応す
るエポキシ化合物を製造する方法に関する。
4乃至16からなるオレフィンを酸化し、高収率で対応す
るエポキシ化合物を製造する方法に関する。
従来の技術 エポキシ化合物は、非常に反応性に富んだ化合物であ
り、ポリエーテル、グリコールの他、各種化合物との反
応により極めて多種の化学品に転換できる重要な化合物
である。
り、ポリエーテル、グリコールの他、各種化合物との反
応により極めて多種の化学品に転換できる重要な化合物
である。
従来、これらエポキシ化合物は対応する炭素骨格のオ
レフィンを対応するハロヒドリンとし、これから、例え
ば、水酸化カルシウムなどの塩基性物質により脱ハロゲ
ン化水素反応することにより製造されていた。又、他の
酸化方法として、過蟻酸、過酢酸、過安息香酸などの有
機過酸によるエポキシ化方法も検討されてきている。
レフィンを対応するハロヒドリンとし、これから、例え
ば、水酸化カルシウムなどの塩基性物質により脱ハロゲ
ン化水素反応することにより製造されていた。又、他の
酸化方法として、過蟻酸、過酢酸、過安息香酸などの有
機過酸によるエポキシ化方法も検討されてきている。
又、有機ハイドロパーオキシドを酸化剤に用いるオレ
フィンのエポキシ化反応によるエポキシ化合物の製造方
法も良く検討されてきている。この反応では、触媒とし
てモリブデン、タングステン及びバナンジウムから選ば
れる金属の有機金属化合物が用いられる。
フィンのエポキシ化反応によるエポキシ化合物の製造方
法も良く検討されてきている。この反応では、触媒とし
てモリブデン、タングステン及びバナンジウムから選ば
れる金属の有機金属化合物が用いられる。
有機ハイドロパーオキシドによるオレフィンのエポキ
シ化反応において、従来より公知のエポキシ化触媒の他
に第二の物質を共存させて所望のエポキシ化反応の選択
率を向上させる方法は各種知られている。例えば、ジャ
ーナル・オブ・キャタリシス、第43巻 380〜383頁(19
76年)(J.Catal,43,380〜383(1976))においては、
ナフテン酸モリブデン触媒の存在下、1−オクテンをク
メンハイドロパ−オキシドにて酸化し、1−オクテンオ
キシドとするに際して、酸化バリウム、酸化ストロンチ
ウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムといったアル
カリ土類金属の酸化物を共存させることにより、そのエ
ポキシ化選択率を著しく高められることが記載されてい
る。又、炭素数4からなるオレフィンを有機ハイドロパ
ーオキシドにてエポキシ化する方法に関しては、特開昭
56−133279号においてモリブデン、バナジウム及びタン
グステンから選ばれる金属の有機金属化合物と有機アミ
ン系化合物の共存下に反応する方法も開示されている。
シ化反応において、従来より公知のエポキシ化触媒の他
に第二の物質を共存させて所望のエポキシ化反応の選択
率を向上させる方法は各種知られている。例えば、ジャ
ーナル・オブ・キャタリシス、第43巻 380〜383頁(19
76年)(J.Catal,43,380〜383(1976))においては、
ナフテン酸モリブデン触媒の存在下、1−オクテンをク
メンハイドロパ−オキシドにて酸化し、1−オクテンオ
キシドとするに際して、酸化バリウム、酸化ストロンチ
ウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムといったアル
カリ土類金属の酸化物を共存させることにより、そのエ
ポキシ化選択率を著しく高められることが記載されてい
る。又、炭素数4からなるオレフィンを有機ハイドロパ
ーオキシドにてエポキシ化する方法に関しては、特開昭
56−133279号においてモリブデン、バナジウム及びタン
グステンから選ばれる金属の有機金属化合物と有機アミ
ン系化合物の共存下に反応する方法も開示されている。
発明が解決しようとする課題 上記従来の技術の代表例であるハロヒドリン法は、ハ
ロヒドリンに消費されるハロゲン、例えば、塩素が全
量、塩化カルシウム等の価値の少ない無機塩に転化さ
れ、その希薄水溶液が大量に副生すると言う欠点があ
る。従って、ハロゲンを用いない酸化方法として、有機
過酸による酸化方法や有機ハイドロパーオキシドを酸化
剤に用いる触媒エポキシ化方法が検討されてきた。
ロヒドリンに消費されるハロゲン、例えば、塩素が全
量、塩化カルシウム等の価値の少ない無機塩に転化さ
れ、その希薄水溶液が大量に副生すると言う欠点があ
る。従って、ハロゲンを用いない酸化方法として、有機
過酸による酸化方法や有機ハイドロパーオキシドを酸化
剤に用いる触媒エポキシ化方法が検討されてきた。
しかし、有機過酸によるエポキシ化反応では、副生す
る酸による生成エポキシドに対する開環付加反応が避け
られず、高収率でエポキシ化合物を得ることは出来な
い。
る酸による生成エポキシドに対する開環付加反応が避け
られず、高収率でエポキシ化合物を得ることは出来な
い。
又、有機ハイドロパーオキシドによる触媒反応では、
例えば、モリブデンの有機化合物を触媒としてオレフィ
ンをエポキシ化することが出来るが、必ずしも選択率が
高くないという問題点があり、より高選択率でエポキシ
化合物が製造できる方法の確立が望まれていた。
例えば、モリブデンの有機化合物を触媒としてオレフィ
ンをエポキシ化することが出来るが、必ずしも選択率が
高くないという問題点があり、より高選択率でエポキシ
化合物が製造できる方法の確立が望まれていた。
課題を解決するための手段 本発明者等は、前記問題点を解決すべく有機ハイドロ
パーオキシドによる炭素数4乃至16のオレフィンのエポ
キシ化反応について鋭意検討を重ねてきた結果、極めて
驚くべきことにモリブデン化合物を触媒として反応を行
うに際し、アルカリ金属のハロゲン化物又はアルカリ土
類金属のハロゲン化物の共存下に反応を行うと、90%以
上、時にはほぼ定量的な高選択率でエポキシ化合物が生
成することを見出し、本発明を完成させるに至ったもの
である。
パーオキシドによる炭素数4乃至16のオレフィンのエポ
キシ化反応について鋭意検討を重ねてきた結果、極めて
驚くべきことにモリブデン化合物を触媒として反応を行
うに際し、アルカリ金属のハロゲン化物又はアルカリ土
類金属のハロゲン化物の共存下に反応を行うと、90%以
上、時にはほぼ定量的な高選択率でエポキシ化合物が生
成することを見出し、本発明を完成させるに至ったもの
である。
すなわち、本発明は、 アルカリ金属およびアルカリ土類金属のハロゲン化物
からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属ハロゲン
化物とモリブデン化合物の存在下に、不活性触媒中で炭
素数が4〜16であるオレフィンを有機ハイドロパーオキ
サイドと50〜150℃で反応させ、対応するエポキシ化合
物に変えることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法
である。
からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属ハロゲン
化物とモリブデン化合物の存在下に、不活性触媒中で炭
素数が4〜16であるオレフィンを有機ハイドロパーオキ
サイドと50〜150℃で反応させ、対応するエポキシ化合
物に変えることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法
である。
本発明における炭素数4乃至16からなるオレフィンと
しては、イソブチレン、trans及びcis−2−ブテン、1
−ブテン、1−ペンテン、trans及びcis−2−ペンテ
ン、2−メチル−1−ブテンなどのペンテン類、1−ヘ
キセン、trans及びcis−2−ヘキセン、trans及びcis−
3−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチ
ル−1−ペンテン、シクロヘキセンなどのヘキセン類、
以下、炭素数16までの、直鎖状および分枝状のアルケン
およびシクロアルケンを例示することができる。
しては、イソブチレン、trans及びcis−2−ブテン、1
−ブテン、1−ペンテン、trans及びcis−2−ペンテ
ン、2−メチル−1−ブテンなどのペンテン類、1−ヘ
キセン、trans及びcis−2−ヘキセン、trans及びcis−
3−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチ
ル−1−ペンテン、シクロヘキセンなどのヘキセン類、
以下、炭素数16までの、直鎖状および分枝状のアルケン
およびシクロアルケンを例示することができる。
本発明で触媒として使用するモリブデン化合物として
は、酸化モリブデンアセチルアセトネートやナフテン酸
モリブデンなどのモリブデンの酸化物を有機金属化合物
化することにより反応系に可溶としたものが好適であ
る。
は、酸化モリブデンアセチルアセトネートやナフテン酸
モリブデンなどのモリブデンの酸化物を有機金属化合物
化することにより反応系に可溶としたものが好適であ
る。
本発明におけるアルカリ金属のハロゲン化物とは、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジュウム及びセシ
ウムのハロゲン化物である。また、本発明におけるアル
カリ土類金属のハロゲン化物とは、ベリリウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムのハ
ロゲン化物である。ハロゲンとしては塩素、臭素、沃素
が例示でき、これらハロゲン化物からなる群から選ばれ
る一種又は二種以上を用いることができる。なかでも塩
化ナトリウムが好ましく適用できる。
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジュウム及びセシ
ウムのハロゲン化物である。また、本発明におけるアル
カリ土類金属のハロゲン化物とは、ベリリウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムのハ
ロゲン化物である。ハロゲンとしては塩素、臭素、沃素
が例示でき、これらハロゲン化物からなる群から選ばれ
る一種又は二種以上を用いることができる。なかでも塩
化ナトリウムが好ましく適用できる。
前記の金属ハロゲン化物をモリブデン触媒と共存させ
ることにより、エポキシ化における選択率を飛躍的に向
上せしめることができる。その添加量の下限は、反応す
るオレフィンや、酸化剤である有機ハイドロパーオキサ
イドの種類、その他反応温度や反応濃度などの反応条件
によって異なるが、反応液中におよそ0.0001重量%であ
る。このような極微量の添加により顕著な効果を得るこ
とができる。尚、添加量の上限に明確な限界がある訳で
はないが、反応液中におよそ5重量%が上限である。こ
れを越える金属ハロゲン化物の添加は、高濃度のスラリ
ーを発生させ操作に支障を来たしたり、または添加効率
を低下させる。
ることにより、エポキシ化における選択率を飛躍的に向
上せしめることができる。その添加量の下限は、反応す
るオレフィンや、酸化剤である有機ハイドロパーオキサ
イドの種類、その他反応温度や反応濃度などの反応条件
によって異なるが、反応液中におよそ0.0001重量%であ
る。このような極微量の添加により顕著な効果を得るこ
とができる。尚、添加量の上限に明確な限界がある訳で
はないが、反応液中におよそ5重量%が上限である。こ
れを越える金属ハロゲン化物の添加は、高濃度のスラリ
ーを発生させ操作に支障を来たしたり、または添加効率
を低下させる。
エポキシ化剤である有機ハイドロパーオキシドは、如
何なるものでも用いることが出来るが、工業的に容易に
入手出来て有効なものとして、エチルベンゼンハイドロ
パーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブ
チルハイドロパーオキシドなどを例示することが出来
る。エポキシ化反応に供する有機ハイドロパーオキシド
の濃度は如何なるものでも用いることができる。一般に
有機ハイドロパーオキシドはその先駆物質中に5〜90重
量%含有された状態で用いられる。
何なるものでも用いることが出来るが、工業的に容易に
入手出来て有効なものとして、エチルベンゼンハイドロ
パーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブ
チルハイドロパーオキシドなどを例示することが出来
る。エポキシ化反応に供する有機ハイドロパーオキシド
の濃度は如何なるものでも用いることができる。一般に
有機ハイドロパーオキシドはその先駆物質中に5〜90重
量%含有された状態で用いられる。
オレフィンに対する有機ハイドロパーオキシドの使用
割合は任意の割合でよい。しかし、エポキシ化反応の後
に有機ハイドロパーオキシドが残留すると、回収・精製
工程での分離や安全性に支障を来すため、オレフィン過
剰で反応を実施し、有機ハイドロパーオキシドの転化率
をできるだけ上げるのが望ましい。すなわち、有機ハイ
ドロパーオキシド1モルに対して1乃至15モルのオレフ
ィンを用いるのが好ましい。ただし、オレフィンの使用
量を多くすると、大量の未反応のオレフィンを回収しな
ければならず、15モル比を越えるオレフィンの使用は好
ましくない。
割合は任意の割合でよい。しかし、エポキシ化反応の後
に有機ハイドロパーオキシドが残留すると、回収・精製
工程での分離や安全性に支障を来すため、オレフィン過
剰で反応を実施し、有機ハイドロパーオキシドの転化率
をできるだけ上げるのが望ましい。すなわち、有機ハイ
ドロパーオキシド1モルに対して1乃至15モルのオレフ
ィンを用いるのが好ましい。ただし、オレフィンの使用
量を多くすると、大量の未反応のオレフィンを回収しな
ければならず、15モル比を越えるオレフィンの使用は好
ましくない。
反応に用いる不活性溶媒としては、オレフィンと有機
ハイドロパーオキシドを溶解しうる、炭素数1乃至10の
脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素およびハロゲン化炭化
水素が使用できる。ただし、反応後の分離・回収を簡単
にするためには、用いる有機ハイドロパーオキシドに含
まれるその先駆物質と同じものを使用するのがよい。例
えば、クメンハイドロパーオキシドを用いる場合にはク
メンを、エチルベンゼンハイドロパーオキシドを用いる
場合にはエチルベンゼンを溶媒とするのがよい。
ハイドロパーオキシドを溶解しうる、炭素数1乃至10の
脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素およびハロゲン化炭化
水素が使用できる。ただし、反応後の分離・回収を簡単
にするためには、用いる有機ハイドロパーオキシドに含
まれるその先駆物質と同じものを使用するのがよい。例
えば、クメンハイドロパーオキシドを用いる場合にはク
メンを、エチルベンゼンハイドロパーオキシドを用いる
場合にはエチルベンゼンを溶媒とするのがよい。
反応温度は50乃至150℃、好ましくは70乃至110℃で、
反応時間は10分乃至10時間程度である。その他の反応条
件は、有機ハイドロパーオキシドの種類、目的とするエ
ポキシ化合物に対応するオレフィンの種類などに応じて
任意に決めることが出来る。
反応時間は10分乃至10時間程度である。その他の反応条
件は、有機ハイドロパーオキシドの種類、目的とするエ
ポキシ化合物に対応するオレフィンの種類などに応じて
任意に決めることが出来る。
反応は、連続式でも回分式攪拌槽でもいずれの方式で
も実施できる。得られた合成反応液からの前記の金属ハ
ロゲン化物は、ろ過又は静置沈降にて容易に分離するこ
とができ、さらに残液から原料オレフィンを蒸留回収し
た後、目的とするエポキシ化合物を減圧蒸留で回収する
ことができる。
も実施できる。得られた合成反応液からの前記の金属ハ
ロゲン化物は、ろ過又は静置沈降にて容易に分離するこ
とができ、さらに残液から原料オレフィンを蒸留回収し
た後、目的とするエポキシ化合物を減圧蒸留で回収する
ことができる。
例えば従来の技術の項に例示したようなアルカリ土類
金属の酸化物の添加にしても、有機アミン系化合物の添
加にしても、塩基性化合物を添加することにより反応系
が酸性状態になることを回避もしくは反応系内の酸性物
質を中和捕捉し、有機ハイドロパーオキシドの不要な酸
分解を防ぐ効果を得ているものと思われる。
金属の酸化物の添加にしても、有機アミン系化合物の添
加にしても、塩基性化合物を添加することにより反応系
が酸性状態になることを回避もしくは反応系内の酸性物
質を中和捕捉し、有機ハイドロパーオキシドの不要な酸
分解を防ぐ効果を得ているものと思われる。
本発明で重要なのは、驚くべきことに全くの中性塩に
て有機ハイドロパーオキシド及び特に原料オレフィン基
準で非常に優れた収率向上効果が得られることである。
さらに、前記の金属ハロゲン化物は、本反応条件下で実
質的に不溶又は難溶性であり、反応操作が完了すれば静
置沈降またはろ過により容易に分離することができ、該
エポキシ化合物の回収工程に該金属ハロゲン化物が持ち
込まれて付加的な反応が起こり目的のエポキシ化合物を
損失したり、またはエポキシ化合物に不純物として混入
するといった問題は全く生じない特徴を有している。
て有機ハイドロパーオキシド及び特に原料オレフィン基
準で非常に優れた収率向上効果が得られることである。
さらに、前記の金属ハロゲン化物は、本反応条件下で実
質的に不溶又は難溶性であり、反応操作が完了すれば静
置沈降またはろ過により容易に分離することができ、該
エポキシ化合物の回収工程に該金属ハロゲン化物が持ち
込まれて付加的な反応が起こり目的のエポキシ化合物を
損失したり、またはエポキシ化合物に不純物として混入
するといった問題は全く生じない特徴を有している。
実施例 以下、実施例にて本発明の効果を更に詳しく説明す
る。尚、原料の炭素数4乃至16からなるオレフィン基準
のエポキシ化合物(以下、オキシドと略す)の選択率、
並びに有機ハイドロパーオキシド(以下、HPOと略す)
基準のオキシドの選択率は次のように求められる。
る。尚、原料の炭素数4乃至16からなるオレフィン基準
のエポキシ化合物(以下、オキシドと略す)の選択率、
並びに有機ハイドロパーオキシド(以下、HPOと略す)
基準のオキシドの選択率は次のように求められる。
(1)オレフィン基準オキシド選択率(%)は、D=
〔反応にて生成したオキシドのモル数〕 E=〔反応に供したオレフィンのモル数〕 F=〔反応後の残オレフィンのモル数〕 として オレフィン基準オキシド選択率 =(D/(E−F))×100(%) (2)HPO基準のオキシド選択率(%)は A=〔反応にて生成したオキシドのモル数〕 B=〔反応に供したHPOのモル数〕 C=〔反応後の残HPOのモル数〕 として HPO基準のオキシド選択率 =(A/(B−C))×100(%) 実施例1 300mlのステンレス製オートクレーブに40gのクメンと
酸化モリブデンアセチルアセテート(以下、MoAcAcと記
す)0.03g及び塩化ナトリウム0.09gを入れ蓋を閉めたの
ち、耐圧のホルダーからイソブチレン(以下、I−BUと
記す)を11.3g(0.202モル)を入れた。これを攪拌しな
がら95℃に昇温してからポンプにて30wt%のクメンハイ
ドロパーオキシドを含むクメン溶液85.1g(HPOとして0.
103モル)を約30分で供給した後、同温にて更に1時間
攪拌し、降温した。得られた反応液をガスクロマトグラ
フィー及びHPOについては化学分析法にて分析した結
果、I−BU転化率42.2%、I−BU基準のイソブチレンオ
キシド(以下、I−BOと記す)選択率96.3%、HPO転化
率95.4%、HPO基準のI−BO選択率83.5%という、特に
オレフィン基準ではほぼ定量的な良好な反応成績にてI
−BO得た。
〔反応にて生成したオキシドのモル数〕 E=〔反応に供したオレフィンのモル数〕 F=〔反応後の残オレフィンのモル数〕 として オレフィン基準オキシド選択率 =(D/(E−F))×100(%) (2)HPO基準のオキシド選択率(%)は A=〔反応にて生成したオキシドのモル数〕 B=〔反応に供したHPOのモル数〕 C=〔反応後の残HPOのモル数〕 として HPO基準のオキシド選択率 =(A/(B−C))×100(%) 実施例1 300mlのステンレス製オートクレーブに40gのクメンと
酸化モリブデンアセチルアセテート(以下、MoAcAcと記
す)0.03g及び塩化ナトリウム0.09gを入れ蓋を閉めたの
ち、耐圧のホルダーからイソブチレン(以下、I−BUと
記す)を11.3g(0.202モル)を入れた。これを攪拌しな
がら95℃に昇温してからポンプにて30wt%のクメンハイ
ドロパーオキシドを含むクメン溶液85.1g(HPOとして0.
103モル)を約30分で供給した後、同温にて更に1時間
攪拌し、降温した。得られた反応液をガスクロマトグラ
フィー及びHPOについては化学分析法にて分析した結
果、I−BU転化率42.2%、I−BU基準のイソブチレンオ
キシド(以下、I−BOと記す)選択率96.3%、HPO転化
率95.4%、HPO基準のI−BO選択率83.5%という、特に
オレフィン基準ではほぼ定量的な良好な反応成績にてI
−BO得た。
実施例2 I−BUに変えて2−ブテン(以下、2−BUと記す)を
11.3g(0.202モル)用いた他は実施例1と同様に反応さ
せ、分析を行ったところ2−BU転化率43.2%、2−BU基
準の2−ブテンオキシド(以下、2−BOと記す)選択率
95.8%、HPO転化率96.6%、HPO基準2−BO選択率84.1%
であった。
11.3g(0.202モル)用いた他は実施例1と同様に反応さ
せ、分析を行ったところ2−BU転化率43.2%、2−BU基
準の2−ブテンオキシド(以下、2−BOと記す)選択率
95.8%、HPO転化率96.6%、HPO基準2−BO選択率84.1%
であった。
実施例3 塩化ナトリウムに変えて塩化バリウムを0.1g用いた以
外は、実施例1と同様に反応させ、分析を行ったとこ
ろ、I−BU転化率42.5%、I−BU基準I−BO選択率96.1
%、HPO転化率95.8%、HPO基準I−BO選択率83.7%であ
った。
外は、実施例1と同様に反応させ、分析を行ったとこ
ろ、I−BU転化率42.5%、I−BU基準I−BO選択率96.1
%、HPO転化率95.8%、HPO基準I−BO選択率83.7%であ
った。
実施例4 実施例1と同じオートクレーブに、同様にクメン63.0
gとMoAcAc0.03g及び沃化カリウム0.1gを入れ蓋を閉めた
のち、耐圧のホルダーからI−BUを14.7g(0.262モル)
入れた。これを攪拌しながら95℃に昇温してからポンプ
にて60wt%のクメンハイドロパーオキシドを含むクメン
溶液55.7g(HPOとして0.22モル)を約30分で供給した
後、同温にて更に1時間攪拌して降温した。同様に分析
したところ、I−BU転化率71.5%、I−BU基準I−BO選
択率95.7%、HPO転化率97.0%、HPO基準I−BO選択率8
4.0%であった。
gとMoAcAc0.03g及び沃化カリウム0.1gを入れ蓋を閉めた
のち、耐圧のホルダーからI−BUを14.7g(0.262モル)
入れた。これを攪拌しながら95℃に昇温してからポンプ
にて60wt%のクメンハイドロパーオキシドを含むクメン
溶液55.7g(HPOとして0.22モル)を約30分で供給した
後、同温にて更に1時間攪拌して降温した。同様に分析
したところ、I−BU転化率71.5%、I−BU基準I−BO選
択率95.7%、HPO転化率97.0%、HPO基準I−BO選択率8
4.0%であった。
実施例5 沃化カリウムに変えて臭化ナトリウム0.1gを用いた他
は実施例4と同様に反応させ、分析を行ったところ、I
−BU転化率68.4%、I−BU基準I−BO選択率96.2%、HP
O転化率96.9%、HPO基準I−BO選択率84.1%であった。
は実施例4と同様に反応させ、分析を行ったところ、I
−BU転化率68.4%、I−BU基準I−BO選択率96.2%、HP
O転化率96.9%、HPO基準I−BO選択率84.1%であった。
実施例6 MoAcAcに変えてナフテン酸モリブデンを0.03g、沃化
カリウムに変えてNaCl0.09gを用いた他は実施例4と同
様に反応させ、分析を行ったところ、I−BU転化率70.5
%、I−BU基準I−BO選択率96.2%、HPO転化率96.2
%、HPO基準I−BO選択率83.9%であった。
カリウムに変えてNaCl0.09gを用いた他は実施例4と同
様に反応させ、分析を行ったところ、I−BU転化率70.5
%、I−BU基準I−BO選択率96.2%、HPO転化率96.2
%、HPO基準I−BO選択率83.9%であった。
実施例7 実施例1に於いて、I−BUに変えて1−ヘキセン(以
下、1−Hexと記す)43.3g(0.515モル)を80gのクメン
の溶解して同様に反応させ、HPO供給終了後、更に4時
間攪拌して降温した。得られた反応液を同様に分析した
結果、1−Hex転化率16.1%、1−Hex基準ヘキセンオキ
サイド(以下、HOと記す)選択率95.7%、HPO転化率95.
5%、HPO基準HO選択率80.9%であった。
下、1−Hexと記す)43.3g(0.515モル)を80gのクメン
の溶解して同様に反応させ、HPO供給終了後、更に4時
間攪拌して降温した。得られた反応液を同様に分析した
結果、1−Hex転化率16.1%、1−Hex基準ヘキセンオキ
サイド(以下、HOと記す)選択率95.7%、HPO転化率95.
5%、HPO基準HO選択率80.9%であった。
実施例8 1−ヘキサンに変えて1−オクテン(以下、1−Oct
と記す)40.5g(0.361モル)を80gのクメンに溶解し、3
0wt%のクメンハイドロパーオキシドを含むクメン溶液4
2.6g(HPOとして0.052モル)を送液した以外は実施例7
と同様に反応させ、分析を行ったところ、I−Oct転化
率11.9%、I−Oct基準オクテンオキサイド(以下、OO
と記す)選択率94.4%、HPO転化率95.5%、HPO基準OO選
択率82.2%であった。
と記す)40.5g(0.361モル)を80gのクメンに溶解し、3
0wt%のクメンハイドロパーオキシドを含むクメン溶液4
2.6g(HPOとして0.052モル)を送液した以外は実施例7
と同様に反応させ、分析を行ったところ、I−Oct転化
率11.9%、I−Oct基準オクテンオキサイド(以下、OO
と記す)選択率94.4%、HPO転化率95.5%、HPO基準OO選
択率82.2%であった。
比較例1 塩化ナトリウムを転化しなかったこと以外は実施例1
と同様に反応させ、分析を行ったところ、I−BU転化率
46.6%、I−BU基準I−BO選択率81.7%、HPO転化率94.
1%、HPO基準I−BO選択率78.1%であった。
と同様に反応させ、分析を行ったところ、I−BU転化率
46.6%、I−BU基準I−BO選択率81.7%、HPO転化率94.
1%、HPO基準I−BO選択率78.1%であった。
比較例2 塩化ナトリウムに変えて酸化カルシウムを用いたこと
以外は実施例1と同様に反応させ、分析を行ったとこ
ろ、I−BU転化率47.4%、I−BU基準I−BO選択率82.5
%、HPO転化率95.4%、HPO基準I−BO選択率80.3%であ
った。
以外は実施例1と同様に反応させ、分析を行ったとこ
ろ、I−BU転化率47.4%、I−BU基準I−BO選択率82.5
%、HPO転化率95.4%、HPO基準I−BO選択率80.3%であ
った。
比較例3 実施例1と同じオートクレーブにクメン40gとナフテ
ン酸モリブデン0.2g、塩化アンモニウム0.01gを入れ蓋
を閉めたのち、耐圧のホルダーからI−BUを11.3g(0.2
02モル)入れた。これを攪拌しながら95℃に昇温してか
らポンプにて30wt%のクメンハイドロパーオキシドを含
むクメン溶液85.1g(HPOとして0.103モル)を約30分で
供給した後、同温にて更に1時間攪拌し、降温した。得
られた反応液をガスクロマトグラフィー及びHPOについ
ては化学分析法にて分析した結果、I−BU転化率50.5
%、I−BU基準I−BO選択率74.2%、HPO転化率91.4
%、HPO基準I−BO選択率80.4%であった。
ン酸モリブデン0.2g、塩化アンモニウム0.01gを入れ蓋
を閉めたのち、耐圧のホルダーからI−BUを11.3g(0.2
02モル)入れた。これを攪拌しながら95℃に昇温してか
らポンプにて30wt%のクメンハイドロパーオキシドを含
むクメン溶液85.1g(HPOとして0.103モル)を約30分で
供給した後、同温にて更に1時間攪拌し、降温した。得
られた反応液をガスクロマトグラフィー及びHPOについ
ては化学分析法にて分析した結果、I−BU転化率50.5
%、I−BU基準I−BO選択率74.2%、HPO転化率91.4
%、HPO基準I−BO選択率80.4%であった。
発明の効果 本発明によれば、従来より知られているエポキシ化方
法に比べて、量論的に近い飛躍的に高い選択率で極めて
容易に炭素数4乃至16からなるオキシド類を製造するこ
とができる。ここでいう選択率とは、有機ハイドロパー
オキシド並びに炭素数4乃至16からなる原料オレフィン
の両基準について認められるものである。本発明によれ
ば、特に、原料オレフィンに対するエポキシ化の選択率
を非常に高くすることができることから、有機ハイドロ
パーオキシドによる炭素数4乃至16のオキシド類の製造
方法として産業上極めて有益なプロセスが提供される。
法に比べて、量論的に近い飛躍的に高い選択率で極めて
容易に炭素数4乃至16からなるオキシド類を製造するこ
とができる。ここでいう選択率とは、有機ハイドロパー
オキシド並びに炭素数4乃至16からなる原料オレフィン
の両基準について認められるものである。本発明によれ
ば、特に、原料オレフィンに対するエポキシ化の選択率
を非常に高くすることができることから、有機ハイドロ
パーオキシドによる炭素数4乃至16のオキシド類の製造
方法として産業上極めて有益なプロセスが提供される。
Claims (4)
- 【請求項1】アルカリ金属およびアルカリ土類金属のハ
ロゲン化物からなる群から選ばれた少なくとも1種の金
属ハロゲン化物とモリブデン化合物の存在下に、不活性
溶媒中で炭素数が4〜16であるオレフィンを有機ハイド
ロパーオキサイドと50〜150℃で反応させ、対応するエ
ポキシ化合物に変えることを特徴とするエポキシ化合物
の製造方法。 - 【請求項2】アルカリ金属およびアルカリ土類金属のハ
ロゲン化物からなる群から選ばれた少なくとも1種の金
属ハロゲン化物が、塩化ナトリウム、沃化カリウム、臭
化ナトリウムまたは塩化バリウムである請求項1に記載
の方法。 - 【請求項3】モリブデン化合物が、酸化モリブデンアセ
チルアセテネートまたはナフテン酸モリブデンである請
求項1に記載の方法。 - 【請求項4】有機ハイドロパーオキサイドがクメンハイ
ドロパーオキサイドである請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1097628A JP2618478B2 (ja) | 1988-05-26 | 1989-04-19 | エポキシ化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12691288 | 1988-05-26 | ||
JP63-126912 | 1988-05-26 | ||
JP1097628A JP2618478B2 (ja) | 1988-05-26 | 1989-04-19 | エポキシ化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0249777A JPH0249777A (ja) | 1990-02-20 |
JP2618478B2 true JP2618478B2 (ja) | 1997-06-11 |
Family
ID=26438796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1097628A Expired - Lifetime JP2618478B2 (ja) | 1988-05-26 | 1989-04-19 | エポキシ化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2618478B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001151764A (ja) * | 1999-11-19 | 2001-06-05 | Nof Corp | エポキシ化合物の製造方法 |
-
1989
- 1989-04-19 JP JP1097628A patent/JP2618478B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0249777A (ja) | 1990-02-20 |
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