JP2618162B2

JP2618162B2 - 洗浄方法及び洗浄装置

Info

Publication number: JP2618162B2
Application number: JP4246427A
Authority: JP
Inventors: 勝次堤
Original assignee: 株式会社堤製作所
Priority date: 1992-09-16
Filing date: 1992-09-16
Publication date: 1997-06-11
Anticipated expiration: 2012-06-11
Also published as: JPH0747048A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、食器洗浄などに好適に
利用できる洗浄方法及び洗浄装置に関し、特に大きく凹
んだ凹部を備えた被洗浄物の洗浄に好適な洗浄方法及び
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の食器洗浄機においては、食器棚や
食器籠に支持した食器に向けて洗浄液を噴射して洗浄す
る方式が一般的である。

【０００３】これに対して特開平３−２０２０３７号公
報には、洗浄液を収納するケース内に食器を支持した食
器棚を収容し、洗浄液には質量の異なった粒子を混入す
るとともに、洗浄液の攪拌機と、洗浄液を振動させる振
動機と、粒子を所定位置に捕捉する捕捉器と、洗浄液の
加熱器とを設けた食器洗浄機が開示されている。この食
器洗浄機においては、洗浄液を攪拌機で攪拌することに
より洗浄液を流動させ、洗浄液の流動によって洗浄液と
質量の異なった粒子を食器に接触させて食器に付着した
汚れを取り除くものであり、かつ洗浄液と粒子を振動さ
せることにより食器に付着した小さな汚れを取り除くよ
うにし、さらに洗浄液の排出時に粒子を捕捉することに
より汚れと粒子を分離するようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、食器に向け
て洗浄液を噴射する方式では食器に強固に固着した汚れ
を確実に取り除くことができないという問題があった。

【０００５】一方、上記公報に開示された方式の食器洗
浄機でも、洗浄液の攪拌による流動速度は噴射の場合と
異なって小さくかつ粒子の充填量も限られるため、この
洗浄液の流動に伴って粒子を食器に接触させても洗浄効
率は低く、また振動機で洗浄液を振動させることにより
洗浄効果が向上するように考えられるが、食器を傷付け
たりしないように軟質樹脂や弾性体の粒子を用いた場合
には洗浄液の振動がこの粒子によって吸収されてしまい
十分にその効果を発揮できず、更に洗浄液の攪拌によっ
て粒子が食器に対して接触する確率を高めるために粒子
の混合率を高くしても今度は洗浄液の攪拌が困難になる
ため洗浄効率の向上には寄与できず、かつ振動機による
洗浄液の振動も粒子によって殆ど吸収されてしまうた
め、結局のところ食器の汚れを効率的に取り除くことは
できないという問題がある。

【０００６】さらに、被洗浄物に大きく凹んだ凹部があ
る場合にはその凹部内を確実に洗浄することは不可能で
あった。

【０００７】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、食器
などを効率的に洗浄することができ、さらに被洗浄物に
大きく凹んだ凹部がある場合にもその内部まで確実に洗
浄できる洗浄方法及び洗浄装置を提供することを目的と
する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の洗浄方法は、洗
浄液中に洗浄液と同等又はそれ以上の比重の粒状体を５
０〜１５０ vol％混合した混合液を洗浄槽内に収容し、
この洗浄槽内に被洗浄物を配置し、洗浄槽を揺動させ
て、前記粒状体を洗浄液と共に横８の字状の軌跡を描く
ように流動させることにより、被洗浄物を洗浄すること
を特徴とする。

【０００９】又、本発明の洗浄装置は、洗浄液中に洗浄
液と同等又はそれ以上の比重の粒状体を５０〜１５０ v
ol％混合した混合液を収容した洗浄槽と、この洗浄槽を
両側面のほぼ中央に位置する支軸まわりに左右に揺動駆
動する手段と、洗浄槽底部から混合液を取り込んで洗浄
槽内に向けて設けたノズルから噴出させるエジェクタ手
段とを備えたことを特徴とする。

【００１０】

【作用】本発明の洗浄方法及び洗浄装置によれば、洗浄
槽内の洗浄液中に粒状体を容積比で５０〜１５０％充填
した状態で洗浄槽を揺動させると、洗浄液中に大量に充
填され、密に分散された粒状体が洗浄液とともに大きく
流動することにより、被洗浄物に対する粒状体の衝突及
び摩擦接触と洗浄液による液洗いが頻繁に繰り返され、
被洗浄物の外面を効率的に洗浄することができ、さらに
エジェクタ手段等により被洗浄物の凹部に向けて混合液
を噴出させることにより被洗浄物に大きく凹んだ凹部が
ある場合でもその内部まで確実にかつ効率的に洗浄する
ことができる。

【００１１】

【実施例】以下本発明の一実施例の洗浄装置について図
１〜図７を参照して説明する。

【００１２】図１〜図３において、１は洗浄槽で、その
両側面に固着した支持板２から突設された支軸３ａ、３
ｂが軸受４ａ、４ｂを介してフレーム５にて揺動自在に
支持されている。又、この洗浄槽１はフレーム５の上部
に設けられた外槽６内に配設されている。支軸３ａ、３
ｂは洗浄槽１の底部よりも下方に配置され、支持板２の
支軸３ａ、３ｂを中心として洗浄槽１とは反対側に延出
された部分にバランスウェイト２ａが取付けられてい
る。

【００１３】一方の支軸３ａは中空軸にて構成され、洗
浄槽１側の内側端には継手部材７ａ、７ｂが接続され、
外側端には旋回継手８が接続されている。また、支軸３
ａの外槽６より外側に突出した部分の外周には揺動アー
ム９のボス部９ａが固着されている。

【００１４】フレーム５の下端を支持するベース１０上
には、支軸３ａの軸芯と平行に駆動モータ１１が設置さ
れ、その出力軸１１ａに回転板１２が取付けられてい
る。駆動モータ１１の側部には一対の軸受ブラケット１
３にて揺動自在に支持された駆動アーム１４が配設さ
れ、回転板１２と駆動アーム１４の中間位置とがクラン
クアーム１５にて連結されている。この駆動アーム１４
の先端と揺動アーム９の先端とが連結リンク１６に連結
されている。かくして、駆動モータ１１の回転により、
回転板１２、クランクアーム１５を介して駆動アーム１
４が揺動し、連結リンク１６を介して揺動アーム９が揺
動し、支軸３ａ、支持板２を介して図３に仮想線で示
し、図１に矢印で示すように洗浄槽１が揺動駆動され
る。又、回転板１２に設けた結合穴１２ａに対するクラ
ンクアーム１５の結合位置によって洗浄槽１の揺動範囲
を任意に設定することができる。

【００１５】洗浄槽１内には被洗浄物５０を所定位置に
保持するとともに粒状体４１が自由に流動する大きさの
目を有する保持かご１７が配置されている。この保持か
ご１７を構成する部材の表面には被洗浄物５０が衝突し
ても破損せずかつ摩耗を防止するためのライニングが施
され、洗浄槽１の内面にも粒状体４１の接触流動による
摩耗や騒音の発生を防止するためのライニングが施され
ている。洗浄槽１の底部にはその長手方向に洗浄液４０
と粒状体４１の混合液を取り込む複数（図示例では３
つ）の吸引口１８が設けられ、その外面に吸入ブラケッ
ト１９が取付けられている。吸入ブラケット１９にはエ
ジェクタ２０の吸入口２０ａが取付けられ、その吐出口
２０ｂは連通管４２を介して洗浄槽１内に略水平に突出
する噴出ノズル４３に接続されている。かくして、エジ
ェクタ２０に高圧水を供給して作動させると、洗浄槽１
内の混合液を吸入して噴出ノズル４３から噴出させるこ
とができる。

【００１６】洗浄槽１には所定レベル位置に粒状体４１
の流出は阻止するようにしたオーバーフロー開口（図示
せず）が設けられ、エジェクタ２０に供給された洗浄液
４０から成る高圧水が洗浄槽１内に流入しても洗浄液４
０と粒状体４１の混合比が大きく変化しないようにして
いる。洗浄槽１からオーバーフローした洗浄液は外槽６
内に流出し、ベース１０上に設置された洗浄液槽４４
（図２）に回収される。

【００１７】洗浄液槽４４内の洗浄液は高圧ポンプ４５
（図３）にて吸引され、この高圧ポンプ４５から吐出さ
れた高圧水が旋回継手８の入口部８ａ（図２、図３）に
供給される。旋回継手８に供給された高圧水は中空の支
軸３ａを通り、継手部材７ａ、７ｂを経て分岐接続管４
６にて各エジェクタ２０の高圧水供給口２０ｃに供給さ
れる。

【００１８】洗浄槽１内には洗浄液４０と粒状体４１が
容積比で１：０．５〜１：１．５程度、好適には略１：
１の割合で混合した混合液が収容される。洗浄液４０と
しては、水又は温水だけでもよいが、界面活性剤やその
他の洗剤等を混合したものを用いると洗浄力が向上し、
又その他の溶剤や化学液を用いることもできる。粒状体
４１としては洗浄液よりも比重がほぼ同等ないしそれよ
り大きければ任意の材質のものを用い得るが、被洗浄物
が食器等の場合には傷を付けないように直径数mmのゴム
や軟質合成樹脂製の球体が好適であり、高吸水性合成樹
脂製やスポンジ製の粒状体も好適に使用でき、場合によ
ってはこれらに研磨材等を含有させたものを用いてもよ
い。

【００１９】次に、エジェクタ２０の内部構成について
説明すると、図４、図５において、円筒状のスリーブ２
２の両端部に同軸状に出入口管２３が接合されている。
各出入口管２３はスリーブ２２の端部内周に螺合する接
合筒部２３ａと、スリーブ２の端面に係合するフランジ
部２３ｂとを備え、かつ一方は吸入口２０ａを、他方は
吐出口２０ｂを有している。またスリーブ２２の中央部
には高圧水供給口２０ｃが設けられている。

【００２０】スリーブ２２内には、スリーブ２２の内周
面との間に環状空間２５を形成するとともに内径が出入
口管２３の内径とほぼ同径の可動筒体２６が、出入口管
２３、２３の端面間で軸芯方向に適当な距離だけ移動可
能に配設され、かつ可動筒体２６の両端面とこれと対向
する出入口管２３、２３の端面は、可動筒体２６の外方
に向かって小径となるテーパ面２７に形成されている。
環状空間２５は高圧水供給口２０ｃに連通している。
又、図５、図６に示すように、スリーブ２２の内周から
可動筒体２６をスリーブ２２の軸芯上に保持する保持リ
ブ２８が可動筒体２６の両側部に対してそれぞれ周方向
に複数づつ突設されている。

【００２１】スリーブ２２の中央部の高圧水供給口２０
ｃとは直径方向反対側にはボス２９が突設されてその中
央に軸穴３０が穿孔され、切換軸３１が貫通されてい
る。切換軸３１のスリーブ２２内に突出した一端から短
いレバー３２が延出され、その先端に可動筒体２６に形
成された係合穴３４に係合する突部３３が設けられてい
る。切換軸３１のスリーブ２２の外部に突出した他端に
は切換レバー３５が装着されている。ボス２９の内周部
には切換軸３１の外周との間にシール材３６が介装さ
れ、ボス２９の外周に螺合した袋ナット３７にて押圧固
定されている。

【００２２】このような構成のエジェクタ２０による
と、スリーブ２２の両端部に同軸状に出入口管２３を接
合し、かつこのスリーブ２２内に内径が出入口管２３の
内径とほぼ同径の可動筒体２６を配置しているので、内
部には直線状でかつ全く障害物の突出しない圧送流路３
８が形成されている。そして、高圧水供給口２０ｃから
環状空間２５に高圧水を導入すると、この高圧水が可動
筒体２６の端面とこれと対向する出入口管２３の端面の
間に形成されたテーパ状のノズル３９から圧送通路３８
内にその全周から噴出するため、混合液に大量の粒状体
４１が含まれていてもその上流側が負圧となって混合液
が上流側の一方の出入口管２３から吸入され、他方の出
入口管２３に向かって強力かつ効率的に圧送される。ま
た、圧送流路３８は直線状で障害物が全くなく、かつそ
の全周から高圧水が噴出することによってこれら可動筒
体２６や出入口管２３の摩損も少なくて済む。

【００２３】さらに、切換レバー３５を図７に矢印Ｂで
示すように回動操作すると、仮想線で示すように、短い
レバー３２の突部３３が回動し、この突部３３が可動筒
体２６の係合穴３４に係合しているため、可動筒体２６
はその軸芯回りに回転しながら軸芯方向にｄだけ移動す
る。その結果、可動筒体２６が吐出側であった出入口管
２３の端面に当接し、吸入側の出入口管２３の端面との
間にノズル３９が形成されるため、圧送方向が切り換わ
る。かくして、操作レバー３５を操作するだけで圧送方
向を切換えることもできる。

【００２４】次に、以上の構成によるジョッキやコップ
などの深い凹部を有する食器の洗浄動作を説明する。洗
浄槽１内に洗浄液４０と軟質樹脂又は弾性体の粒状体４
１の混合液を収容し、被洗浄物５０としてのジョッキを
その凹部内に噴出ノズル４３を差し込んだ状態で保持か
ご１７内に収容保持させ、駆動モータ１１を回転駆動し
て洗浄槽１を揺動させるとともに、高圧ポンプ４５を作
動させてエジェクタ２０に高圧水を供給して作動させ、
噴出ノズル４３から混合液を被洗浄物３０の凹部内に噴
出させる。

【００２５】すると、洗浄槽１の揺動に伴って内部に収
容された混合液が横８の字状の軌跡を描くように大きく
流動し、洗浄液４０中に容積比で５０〜１５０％という
大量に充填された粒状体４１が洗浄液４０とともに大き
く流動することにより、被洗浄物３０に対して密に分散
している粒状体４１が衝突及び摩擦接触を頻繁に繰り返
すとともに洗浄液４０による液洗いが頻繁に繰り返され
る。かくして、被洗浄物３０の外面に強固に付着した汚
れも速やかにかつ確実に取り除かれて効率的に洗浄され
る。また、それと同時に噴出ノズル４３から被洗浄物３
０の凹部に向けて混合液が噴出されるため、被洗浄物３
０に大きく凹んだ凹部の奥まで確実にかつ効率的に洗浄
することができる。

【００２６】

【発明の効果】本発明の洗浄方法によれば、洗浄槽内の
洗浄液中に粒状体を容積比で５０〜１５０％充填した状
態で洗浄槽を揺動させることにより、洗浄液中に大量に
充填され、密に分散された粒状体が洗浄液とともに横８
の字状の軌跡を描くように大きく流動することにより、
被洗浄物に対する粒状体の衝突及び摩擦接触と洗浄液に
よる液洗いが頻繁に繰り返され、被洗浄物の外面を効率
的に洗浄することができる。さらに本発明の洗浄装置に
よれば、上記効果に加えてエジェクタ手段等により被洗
浄物の凹部に向けて混合液を噴出させることにより被洗
浄物に大きく凹んだ凹部がある場合でもその内部まで確
実にかつ効率的に洗浄することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の洗浄装置の一実施例の要部である洗浄
槽部分の縦断正面図である。

【図２】同実施例の部分縦断正面図である。

【図３】同実施例の側面図である。

【図４】エジェクタの部分断面正面図である。

【図５】図４のＡ−Ａ線断面図である。

【図６】可動筒体の斜視図である。

【図７】可動筒体の位置切換動作の説明図である。

【符号の説明】

１洗浄槽９揺動レバー１１駆動モータ２０エジェクタ４０洗浄液４１粒状体４３噴出ノズル５０被洗浄物

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】洗浄液中に洗浄液と同等又はそれ以上の
比重の粒状体を５０〜１５０ vol％混合した混合液を洗
浄槽内に収容し、この洗浄槽内に被洗浄物を配置し、洗
浄槽を揺動させて、前記粒状体を洗浄液と共に横８の字
状の軌跡を描くように流動させることにより、被洗浄物
を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
【請求項２】洗浄液中に洗浄液と同等又はそれ以上の
比重の粒状体を５０〜１５０ vol％混合した混合液を収
容した洗浄槽と、この洗浄槽を両側面のほぼ中央に位置
する支軸まわりに左右に揺動駆動する手段と、洗浄槽底
部から混合液を取り込んで洗浄槽内に向けて設けたノズ
ルから噴出させるエジェクタ手段とを備えたことを特徴
とする洗浄装置。