JP2617349B2 - 電子レンズの冷却系 - Google Patents

電子レンズの冷却系

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JP2617349B2 JP1100988A JP10098889A JP2617349B2 JP 2617349 B2 JP2617349 B2 JP 2617349B2 JP 1100988 A JP1100988 A JP 1100988A JP 10098889 A JP10098889 A JP 10098889A JP 2617349 B2 JP2617349 B2 JP 2617349B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子顕微鏡、電子線描画装置、電子線マイク
ロアナライザ等に用いられる電子レンズの冷却系に関す
る。
〔従来の技術〕
従来の技術について、本発明の主用途である電子顕微
鏡の電子レンズに例をとって説明する。従来の電子レン
ズの構造は実開昭57−89256号公報に示すようなものが
ある。この電子レンズは概して円筒状の巻線コイルとそ
のコイルを覆う部材とそのコイルを冷却する冷却手段
と、さらにそれらコイル、コイルを覆う部材および冷却
手段をまとめて覆うヨークとから構成されており、ドー
ナツ状のヨークの中心穴が電子線の通路となっている。
電子顕微鏡は、上記の電子レンズを多段に重ね、各コイ
ルに通電し中心軸を通る電子線を収束又は拡大させ、試
料を高倍率で観察できるようにしたものである。コイル
に通電するとコイルのジュール熱でその近辺の装置部品
が加熱され変形する等で画像が乱れるので、それを防止
するため、コイルを冷却する。冷却手段は、主としてコ
イルから除去すべき放熱量によって決定されるが、放熱
量が数十W程度の電子顕微鏡では水冷によるものが主流
である。水冷手段は、コイルを覆う冷却板に冷却パイプ
を取付けるパイプ方式や、冷却板そのものを加工し通水
路を設けるジャケット方式がある。いずれ方式もコイル
で発生したジュール熱は、冷却板を介して冷却水に伝え
られることで、冷却が行われる。パイプ方式は、ジャケ
ット方式に比べ、冷却水量、水側伝熱面積が大きく取れ
ないので、放熱量を大きくするのに不利であるが、構造
が簡単で加工が容易であることが長所で、多用されてい
る。電子顕微鏡の利用分野の広がりと共に装置の低価格
化が望まれている。これに伴いパイプ方式の長所を進め
低価格化を図る特許が見られるようになった。一例とし
て特開昭53−145551号公報では、板金加工の内筒、側板
を用いそれらの接合面はかしめで行う等により、機械加
工を大幅に減らす方法を可能にしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
近年、高分解能の電子顕微鏡の開発が望まれており、
そのために電子レンズのコイル電流が増大する傾向にあ
るが、上記従来技術では、コイル電流の増大に伴うコイ
ルからの放熱量の増大に対しては、必ずしも十分に配慮
がなされていない。
特に高倍率で試料を観察する際、電子顕微鏡では、以
下に説明するドリフト及び像の脈動等の画像の揺らぎが
問題化する可能性がある。
ドリフトは、コイル、ヨーク等のレンズ部材の温度が
時間的に変化しレンズ部材の熱変形によって電子線経路
が移動し画像が安定しない現象であり、電子顕微鏡なる
装置の温度が安定すればドリフトは消滅する。しかし装
置の温度が定常になるまで長い時間を要し、ドリフトは
好ましくない現象である。像の脈動は、装置外部から冷
却水を供給するため冷却水により伝播する外部からの水
圧変動と、装置内の冷却水の流路が縮流拡大する部分で
発生する渦とによって、装置が振動するために生じると
考えられる。コイルの温度上昇を抑え、ドリフトを小さ
くするには必然的に冷却水量を増すことになる。そのた
めに冷却水元弁をさらに大きく開くと、外部配管から伝
播する水圧変動がさらに大きくなり、装置が加振され、
像の振動が生じ易くなる。従来、その外部配管から伝播
する水圧変動を減衰する点に配慮がなされていなかっ
た。
また装置内の流路形状も局部的な渦の発生に対する配
慮がなされておらず、冷却水量を増やすと渦による流体
振動で像が脈動し易くなる。
本発明の目的は、第1に電子レンズにおいてコイル電
流を大きくしてもコイルを十分冷却することにより、ド
リフトを少く抑えられる冷却系を提供する、第2に冷却
水の水圧変動を防止することにより像の脈動を抑えられ
る冷却系を提供することにあり、ひいては電子レンズの
小形化及び軽量化を進めるに有効な電子レンズの冷却系
を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記第1の目的は、円筒状の巻線部と該巻線部の内周
面に配設した内筒と該内筒の各端でつば状に形成され前
記巻線部の側面を覆う側板とを有するコイルと、該コイ
ルを冷却する冷却パイプと、前記コイルと冷却パイプを
覆うヨークとから構成された電子レンズの冷却系におい
て、前記冷却パイプを一方の前記側板の外面に取り付
け、該冷却パイプの外面に熱伝導板を取り付け、該熱伝
導板を防振部材を介して前記ヨーク天井面に、他方の側
板と前記ヨーク底面との間に設けたスプリングにより押
し付けたことを特徴とする電子レンズの冷却系により、
達成される。
そしてヨークから冷却パイプに熱伝導させるために
は、前記冷却パイプを一方の前記側板の外面に取り付
け、該冷却パイプの外面に熱伝導板を取り付け、該熱伝
導板を防振部材を介して前記ヨーク底面に前記コイルの
自重で押し付けてもよい。
上記第2の目的は、円筒状の巻線部と該巻線部の内面
に配設した内筒と該内筒の各端でつば状に形成され前記
巻線部の側面を覆う側板とを有するコイルと、該コイル
を冷却する冷却パイプと、前記コイルと冷却パイプを覆
うヨークとから構成された電子レンズの冷却系におい
て、前記側板外面に、前記冷却パイプを環状に取り付け
かつ該冷却パイプに給排水するための継手の接近した2
ヵ所に取り付け、少なくとも給水側の継手と前記冷却パ
イプの間を該冷却パイプより細い滑らかに曲がった連絡
管で滑らかに接続したことを特徴とする電子レンズの冷
却系により、達成される。
そして前記連絡管は、先端で径が細く前記冷却パイプ
のつなぎ部で該冷却パイプ径となるテーパ管である方が
よい。
もし前記側板外面に、前記冷却パイプを3本以上環状
に取り付けている場合には、少なくとも給水用継手内の
水室に前記3本以上の冷却パイプの端部を均等にまとめ
て束ね管として挿入し、該束ね管の芯部を尖らせ前記水
室の冷却水の導入口に対向させておくのがよい。
また、上記第2の目的は、円筒状の巻線部と該巻線部
の内周面に配設した内筒と該内筒の各端でつば状に形成
され前記巻線部の側面を覆う側板とを有するコイルと、
該コイルを冷却する冷却パイプと、前記コイルと冷却パ
イプを覆うヨークとから構成された電子レンズの冷却系
と、該電子レンズの冷却系の上流側の給水系と、下流側
の排水系とを組み合わせてなる電子レンズの冷却系にお
いて、前記上流側に空気タンクを有するアブソーバを備
え、該アブソーバで前記給水系で発生する冷却水の急激
な水圧変動を吸収することを特徴とする電子レンズの冷
却系により、達成される。
そして、前記アブソーバは、空気を貯めたタンクと、
該タンクの下に設けられた冷却水の入り口と複数の出口
を有し該冷却水を前記電子レンズに配水する分配器と、
前記タンクと分配器の頭部とを連通する連通路とから構
成するのがよい。
〔作用〕
コイルの巻線部を覆う内筒、側板を設け、一方の側板
外面に取り付けた冷却パイプを、スプリングまたは自重
により熱伝導板、防振部材を介してヨーク内壁に押し付
けた電子レンズにおいて、冷却パイプとヨークの間には
熱伝導の経路ができ、ヨークが冷却される。
その他、コイルに通電する通電端子を側板外面に取り
付けた電子レンズでは、通電端子をコイル外周に設ける
場合よりもコイルの外径は小さくなる。
冷却パイプに給排水するための継手の中に水室を設
け、その水室中に細く滑らかに曲がった連絡管を挿入
し、その連絡管の一端を冷却水の入り口に対向させ、他
端を冷却パイプにつないだ電子レンズにおいては、冷却
水がその継手内の流路壁に衝突するのが少なくなり、継
手の振動が小さくなる。
また、電子レンズの冷却系とその冷却水の上流側の給
水系と下流側の排水系との組み合わせからなる電子レン
ズの冷却系において、上流側に空気タンクを有するアブ
ソーバを設けたことにより、給水系で発生する冷却水の
急激な圧力変動を吸収し、電子レンズの冷却系へ圧力変
動が伝播するのを防止する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図〜第7図を参照して説
明する。
第1図、第2図は、本発明による電子レンズの冷却系
の基本構造図である。第1図は電子レンズのコイルを、
そのコイルを冷却する冷却パイプの流路に沿った断面で
見た横断面図(第2図のI−I断面)であり、第2図は
第1図に示すコイルのII−II断面図である。
コイル1は、巻線部2と、その巻線部2の内面を覆う
内筒3、外面を覆う外筒4、両側面を覆う側板5a,5b、
一方の側板5aの外面にろう付け等で面全体に広がって環
状に固定した冷却パイプ6a,6bと、冷却パイプ6a,6bに冷
却水を導入する継手7a,7b、継手7a,7b間に配され巻線部
2に通電するための通電端子11、通電端子11を側板5a外
面上に固定する樹脂8で構成した。巻線部2は巻線間の
熱伝導を良くするため樹脂で固められ、また内筒3、外
筒4及び両側板5a,5bは熱伝導性の良い材質のものを用
いそれぞれコイル1に接している。
コイル1はその内周面、外周面及び側面がドーナツ状
のヨーク17により囲まれており、そのドーナツ状のヨー
ク17の中心穴は電子線の通る通路となる。なお第1図で
はコイルの構造をより明瞭に見えるように、ヨークの図
示を省略した。
この基本冷却系は、ドリフトの低減に関するもので、
複数の冷却パイプ6a,6b(第1図では2本のみ図示して
いるが3本以上でも良い)を、冷却水の給排水の継手7
a,7bでそれぞれ分岐または合流させ、さらに分岐または
合流する付近で部分的に交差させ、少なくとも1本の冷
却パイプ内の流れ方向が他の冷却パイプと逆向き回りに
なるようにし、それらの冷却パイプを側板5に同心円状
に固定している。
巻線部で発生したジュール熱は、熱伝導性の良い内
筒、外筒及び側板を経て冷却水に放熱される。水温の上
昇で局部的に放熱量が異なり、入口側冷却パイプ付近の
側板の温度は低く出口側冷却パイプ付近の側板の温度は
高いという温度分布を生じ、ドリフトの原因になる。本
基本冷却系では、冷却パイプ6a,6b内の流れを互に、逆
向き回りにしているので入口側の冷たいパイプと、出口
側の暖かいパイプが側板の周方向に沿って絶えず接して
いる。このため冷却パイプの寸法諸元を適切に選べば、
側板の温度分布は小さくできる。
通電端子11は、独立した2個の給排水用の継手7a,7b
間の空間、またはその空間の延長上で側板5aの面上に樹
脂8で固定されている。そして通電端子11には、第3図
に示すように側板5aに設けられた貫通穴を通って巻線部
2からくるリード線が接続されている。
内筒3、外筒4、側板5a,5bは、かしめ等の機械的な
方法で、または底融点金属でろう付けする方法で接合さ
れている。従来は通電端子を巻線部の外周面に設けてい
たものもあり、その場合外周面は樹脂層で固められてい
た。本基本冷却系では、従来の樹脂層の代わりに熱伝導
性のよい材質の外筒としたことにより、巻線部2外周か
ら外筒4さらに側板5aを経て冷却パイプ6a,6b中の冷却
水に達する放熱経路が形成される。また、冷却パイプ6
から最も離れ従来は高温になり易かった側板5bの外周付
近から外筒4、冷却側の側板5aを経て冷却水に達する放
熱経路が形成される。上記のように外筒を設けることに
より巻線部2の外周温度を下げることが可能になる。
第4図は、本発明による第1実施例を示す図であり、
コイルのみならずヨークも直接冷却水で冷そうとするも
のである。コイル1は、第1図に示したのと同様な構造
であるが冷却パイプ6のヨーク側板17a側に熱伝導性の
良い側板5cをろう付等で接合している。このコイル1は
振動吸収のための弾性体22を介して、スプリング23によ
りヨーク側板17aの下面に均一に押し付けられている。
上記の構造によりヨーク側板17aとコイル1の側板5a間
は、熱的に連絡され、ヨーク側板17aは冷却パイプ6で
冷せる。ヨーク側板17aと側板5a間の熱抵抗は、スプリ
ング23の押す力、弾性体22の厚さ、伝熱面積及び熱伝導
率で決まるが、伝熱面積は側板全面が使え広いため、余
り問題にはならない。
巻線部2の熱は、内筒3,外筒4等から側板5aに伝わり
冷却パイプ6に達する以外に、少量は放射、対流等でヨ
ークにも達し、ヨーク17を温度上昇させる。特にヨーク
側板17c付近は、冷却パイプ6から離れた側にあり、温
度が高くなり易い。本実施例によれば、ヨーク側板17a
と冷却パイプ6が熱的に連絡されているので、ヨーク側
板17c,ヨーク側板17b及びヨーク側板17aという熱の流れ
が形成され、コイルからの熱漏えいによるヨークの温度
上昇を防ぐことが可能になる。
第5図は、本発明の第2実施例で、第1実施例のモデ
ィファイ型を示す。コイル1は第4図に示したものと同
じ構造であるが、冷却パイプ6及び弾性体22をヨーク17
底部のヨーク側板17cに接して置き、コイル1の自重で
弾性体22を押し付け、側板5aとヨーク側板17c間を熱的
につないでいる。
次に冷却水に起因する振動を取り除き画像の脈動を防
止する構造を有する電子レンズの冷却系の第3実施例を
説明する。第3実施例は、第1図に示す基本冷却系と
は、冷却パイプ及びその継手の構造が相違するが、他は
全く同様である。従って冷却パイプと継手についてのみ
説明する。
第6図は第3実施例の冷却パイプ6の中心軸横断面図
(第7図のVI−VI断面図)であり、第7図は第6図のVI
I−VII断面図である。2本の冷却パイプ6が接続された
継手7内に、冷却水を導入または排水する導水管9の内
径より大きい寸法を有する水室24を設け、その水室24に
は、一方の端が冷却パイプ6aに滑らかに連結し他方の端
が細く曲がった連絡管25が挿入されている。なお水室24
内で、連絡管25の先端と導水管24の先端は対向し、それ
らの先端間に適度なギャップ26を設けている。
各冷却パイプ6a,6bに流れる水量は、ギャップ26及び
連絡管25に部分的に開けた調節穴27等の大きさで調節す
る。また連絡管25の曲げ半径は、導水管9から連絡管25
内に入った噴流が連絡管25内壁に衝突しないように徐々
に方向を変え、冷却パイプ6a直前の冷却水の流れ方向が
冷却パイプ中心軸とほぼ一致するようにする。従来の継
手は、連絡管のないほぼ第1図のようなものが用いられ
ていた。従って導水管9から冷却パイプ6aまでの流路
は、直角に曲がり、かつ縮流拡大部が混在している。可
視実験によれば、従来継手では第17図に示すように、導
水管9からの噴流Aが継手内壁7cに衝突して発生した循
環流Bが再び主流Cと混合する際に激しい渦を誘起して
おり、この渦が水圧変動さらに画像が脈動する原因とな
ることがわかった。本発明では、噴流が継手内壁に衝突
するのを回避することが画像の脈動を抑えるのに有効で
あるとの判断に基づき上記の連絡管を考案したものであ
る。
次に上記のごとく曲った連絡管を1本の冷却パイプに
適用した第4実施例を示す。本実施例では、第8図の冷
却パイプ横断面図に示すように継手7の出口(または入
口)と冷却パイプ6の先端までの間に流路断面積を徐々
に変え、滑らかに曲げたテーパ管28を入れている。
また第9図に示す第5実施例では、継手7と冷却パイ
プ6の間に細い曲った連絡管28を用いている。実開昭57
−89256号公報等の従来発明ではテーパ管を用いず、冷
却パイプを大きい曲げ半径で直角方向に曲げている。本
発明による第7〜9実施例と従来例とも継手入口からの
噴流を滑かに曲げることは変りはない。しかし本実施例
では、細い曲がり管,テーパ管を用いているので曲げ半
径を小さく取れかつ水流の急拡大を防止しており、コイ
ル径が小さい場合に所定の寸法内に全体を納められる利
点がある。
第10図は、電子レンズのコイル1に継手を通して3本
の冷却パイプを適用した第6実施例を示す平面図であ
る。電子レンズの構造は、継手と冷却パイプの部分を除
いて第1実施例と同じである。第10図において、各冷却
パイプ6は分岐合流部で一束に集め一体化した連絡管体
29をなす。また第11図の継手部縦断面図のように継手7
内に導水管9の内径より大きい寸法の水室24を設け、冷
却水を分岐または合流しており、先端が鋭角でなる連絡
管体29の中心を導水管9の中心軸上に配置している。上
記の構造により、導水管9からの冷却水噴流は、連絡管
体29に達し、各冷却パイプにスムーズに入り、噴流が衝
突するのは連絡管体29を仕切る壁29aのみと最小限に抑
えられ、流体振動を小さくできる。
次に、本発明による第7実施例、すなわち外部の冷却
水の水圧変動を吸収する機器を設けた電子レンズの冷却
系について説明する。
第12図は、本実施例を透過形電子顕微鏡に適用した例
を示す図である。この電子レンズの冷却系は、冷却水の
給水弁13、給水弁13からの冷却水を分配して電子顕微鏡
の各電子レンズ36に供給する分配器30、分配器30と一体
に組み込まれ冷却水の水圧変動を吸収するアブソーバ1
4、電子レンズ36から出た冷却水をまとめて排出する排
水弁16およびこれらの部品を継ぐチューブ15により構成
されている。コイル電流を大きくした場合、コイル温度
を一定にしてドリフトを抑えるには、必然的に冷却水量
を増す必要があり、給水弁13の開度は大きくなる。これ
に伴い電子顕微鏡なる装置外部から冷却水により電子レ
ンズ36に伝わる水圧変動成分が大きくなり、電子レンズ
36が振動し、画像が脈動し易くなる。本実施例では、装
置内に入る水圧変動をアブソーバ14が吸収し、電子レン
ズ36には伝わらないようしている。具体的には、第12図
の各電子レンズ36と給水弁13の間に、第13図及び第14図
に示すような空気タンク18を設けアブソーバ14を構成す
るか、第15図のように各電子レンズへの分岐部31より上
流の配管に空気貯めを有する立上り管32でアブソーバ14
を構成しても良い。
第13図では、アブソーバ14は、給水弁13から冷却水を
受け入れる一つの入口ノズル20およびその冷却水を各電
子レンズ36にそれぞれ供給する出口ノズルを多数側面に
有する分配器30と、分配器30の天井30aの上に置かれた
空気タンク18と、分配器30と空気タンク18を連通する連
通管19とから構成されている。
第14図は分配器30と空気タンク18を一体化した例を示
す図で、円筒状のタンクを隔壁で二分し、上部を空気タ
ンク18に、下部を分配器30としたもので、隔壁には小さ
な穴をあけて上下を連通させている。
高分解能の画像を得るためには、一般に第16図のよう
にチラーユニッット33と電子顕微鏡34を循環する閉ルー
プを作り、外部からの水圧変動が直接伝わらないように
している。上記のアブソーバ14は、特に閉ループの循環
ポンプ35で生じる特定波長の水圧変動の吸収に有効であ
る。しかし水道に装置を直接継ぐ場合でも、アブソーバ
を取付けることにより大幅な効果が認められる。
〔発明の効果〕
本発明は以上説明したように構成されているので以下
に記載されるような効果を奏する。
巻線部とそれを覆う内筒と側板を有するコイルと、コ
イルの冷却パイプと、ヨークとから構成された電子レン
ズの冷却系において、側板に取り付けた冷却パイプを熱
伝導板を介してヨーク内面に押し付ける構造にすれば、
ヨークの温度を一定に保ち易く、ドリフトを低減でき
る。
さらに、巻線部とそれを覆う内筒と側板を有するコイ
ルと、コイルの冷却パイプと、ヨークとから構成された
電子レンズの冷却系において、側板に取り付けた冷却パ
イプの継手に水室を設け、その水室内に細く滑らかに曲
がった連絡管を挿入し、その連絡管を介して冷却パイプ
に冷却水を流すので、冷却水が継手内の流路壁に衝突す
るのが少なくなり、それにより画像の脈動を防止でき
る。
また上記の電子レンズの冷却系の上流にアブソーバを
設け、そのアブソーバにより装置外部から伝播される冷
却水の急激な水圧変動を減衰させるので、画像の脈動を
防止できる。
以上説明した画像のドリフトを小さくする構造と画像
の脈動を防止する構造を併用することにより、電子レン
ズの画像を鮮明にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による電子レンズの冷却系の基本構成を
示す横断面図、第2図は第1図のII−II断面図、第3図
はコイル巻線部と通電端子の結線を示す図、第4図は本
発明の第1実施例(ヨーク冷却)の縦断面図、第5図は
本発明の第2実施例(ヨーク冷却)の縦断面図、第6図
は本発明の第3実施例(連結管)の横断面図、第7図は
第6図のVII−VII断面図、第8図は本発明の第4実施例
(テーパ連絡管)の横断面図、第9図は本発明の第5実
施例(曲がり連絡管)の横断面図、第10図は第6実施例
(3本冷却パイプ)の平面図、第11図は第10図のXI−XI
断面図、第12図は電子レンズの冷却系を電子顕微鏡に適
用した例を示す図、第13,14,15図はアブソーバの断面
図、第16図は電子顕微鏡の冷却系の閉ループを示す図、
第17図は従来継手中における冷却水の渦発生を示す模式
図である。 1……コイル、2……巻線部、3……内筒、4……外
筒、5……側板、6……冷却パイプ、7……継手、14…
…アブソーバ、17……ヨーク、18……空気タンク、19…
…連絡孔、22……弾性体、23……スプリング、24……水
室、36……電子レンズ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−112262(JP,A) 特開 昭61−269839(JP,A) 実開 昭57−140169(JP,U) 実開 昭54−170766(JP,U) 特公 昭41−2937(JP,B1)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状の巻線部と該巻線部の内周面に配設
    した内筒と該内筒の各端でつば状に形成され前記巻線部
    の側面を覆う側板とを有するコイルと、該コイルを冷却
    する冷却パイプと、前記コイルと冷却パイプを覆うヨー
    クとから構成された電子レンズの冷却系において、前記
    冷却パイプを一方の前記側板の外面に取り付け、該冷却
    パイプの外面に熱伝導板を取り付け、該熱伝導板を防振
    部材を介して前記ヨーク天井面に、他方の側板と前記ヨ
    ーク底面との間に設けたスプリングにより押し付けたこ
    とを特徴とする電子レンズの冷却系。
  2. 【請求項2】円筒状の巻線部と該巻線部の内周面に配設
    した内筒と該内筒の各端でつば状に形成され前記巻線部
    の側面を覆う側板とを有するコイルと、該コイルを冷却
    する冷却パイプと、前記コイルと冷却パイプを覆うヨー
    クとから構成された電子レンズの冷却系において、前記
    冷却パイプを一方の前記側板の外面に取り付け、該冷却
    パイプの外面に熱伝導板を取り付け、該熱伝導板を防振
    部材を介して前記ヨーク底面に前記コイルの自重で押し
    付けたことを特徴とする電子レンズの冷却系。
  3. 【請求項3】円筒状の巻線部と該巻線部の内面に配設し
    た内筒と該内筒の各端でつば状に形成され前記巻線部の
    側面を覆う側板とを有するコイルと、該コイルを冷却す
    る冷却パイプと、前記コイルと冷却パイプを覆うヨーク
    とから構成された電子レンズの冷却系において、前記側
    板外面に、前記冷却パイプを環状に取り付けかつ該冷却
    パイプに給排水するための継手を接近した2ヵ所に取り
    付け、少なくとも給水側の継手と前記冷却パイプの間を
    該冷却パイプより細い滑らかに曲がった連絡管で滑らか
    に接続したことを特徴とする電子レンズの冷却系。
  4. 【請求項4】前記連絡管は、先端で径が細く前記冷却パ
    イプとのつなぎ部で該冷却パイプ径となるテーパ管なる
    ことを特徴とする請求項3記載の電子レンズの冷却系。
  5. 【請求項5】円筒状の巻線部と該巻線部の内面に配設し
    た内筒と該内筒の各端でつば状に形成され前記巻線部の
    側面を覆う側板とを有するコイルと、該コイルを冷却す
    る冷却パイプと、前記コイルと冷却パイプを覆うヨーク
    とから構成された電子レンズの冷却系において、前記側
    板外面に、前記冷却パイプを3本以上環状に取り付けか
    つ該3本の冷却パイプに給排水を行う継手を2ヵ所に取
    り付け、少なくとも給水用継手内に水室を設け、該水室
    に前記3本以上の冷却パイプの端部を均等にまとめて束
    ね管として挿入し、該束ね管の芯部を尖らせ前記水室の
    冷却水の導入口に対向させたことを特徴とする電子レン
    ズの冷却系。
  6. 【請求項6】円筒状の巻線部と該巻線部の内周面に配設
    した内筒と該内筒の各端でつば状に形成され前記巻線部
    の側面を覆う側板とを有するコイルと、該コイルを冷却
    する冷却パイプと、前記コイルと冷却パイプを覆うヨー
    クとから構成された電子レンズの冷却系と、該電子レン
    ズの冷却系の上流側の給水系と、下流側の排水系とを組
    み合わせてなる電子レンズの冷却系において、前記上流
    側に空気タンクを有するアブソーバを備え、該アブソー
    バで前記給水系で発生する冷却水の急激な水圧変動を吸
    収することを特徴とする電子レンズの冷却系。
  7. 【請求項7】前記アブソーバは、空気を貯めたタンク
    と、該タンクの下に設けられ冷却水の入り口と複数の出
    口を有し該冷却水を前記電子レンズに配水する分配器
    と、前記タンクと分配器の頭部とを連通する連通路とか
    らなることを特徴とする請求項6記載の電子レンズの冷
    却系。
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