JP2617166B2 - アンカーの係合離脱装置 - Google Patents

アンカーの係合離脱装置

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JP2617166B2
JP2617166B2 JP6044156A JP4415694A JP2617166B2 JP 2617166 B2 JP2617166 B2 JP 2617166B2 JP 6044156 A JP6044156 A JP 6044156A JP 4415694 A JP4415694 A JP 4415694A JP 2617166 B2 JP2617166 B2 JP 2617166B2
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菊池健司
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菊池 健司
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶のアンカーに関
し、詳細には投錨したアンカーが海底の投錨箇所に係合
して抜錨できなくなった場合、この係合から離脱せしめ
て抜錨できるようにしたアンカーの係合離脱装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】船舶を錨泊させる場合、アンカーを投錨
してその位置に船舶を維持し、必要に応じて複数のアン
カーを投錨して姿勢を維持する。使用されるアンカー
は、ホールディング型,ネービー型,ダンフォース型な
ど各種のものが知られている。これらの何れの型にして
も、一端を船舶に連結した錨鎖の他端に、アンカーを連
結し、該アンカーを海底に載置し、船舶を海上の任意の
点に錨泊させようとするものである。
【0003】前記アンカーは、単に海底に載置し、その
重量に頼るだけでは船舶を錨泊するために充分ではな
い。即ち、アンカーの重量だけで船舶を錨泊しようとし
ても、潮流や風雨波浪等の影響によって、アンカーを引
きずって船舶が移動するから、船舶を錨泊することがで
きない。従って、時化ているとき等では全くアンカーの
用をなさない。そこで、従来のアンカーは、アンカーを
単に海底に沈めるだけではなく、海底において岩或いは
砂地又はその他海底にアンカーを係合させ、船舶の漂流
を阻止しようとしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、投錨したア
ンカーの突起部分が海底の岩の隙間等に係合したあと、
食い込んで外れず、抜錨ができなくなる場合があった。
従って、従来のアンカーには、このような場合には錨鎖
を切断し、錨鎖ごとアンカーを遺棄せざるを得ない欠点
を有していた。
【0005】更に、アンカーはその大きさ等によって相
違するが、費用も決して安価なものではなく、アンカー
をその鎖またはロープを切断して遺棄することは、経済
的にも負担となるものであり、また、遺棄されたアンカ
ーは長い錨鎖を伴うから、海底を汚し、環境を破壊する
欠点があった。また、遺棄されたアンカーは、魚網など
を破ったり他の船舶が投錨したとき、再びこのアンカー
と絡みついてこの新しいアンカーを遺棄させる一因とな
る欠点もあった。
【0006】このため、係合したアンカーを離脱せしめ
るため、船上にアンカー転回装置を搭載し、海中におい
てアンカーの引き揚げ角度を変えることによりアンカー
を転回せしめ、係合したアンカーを離脱せしめようとす
る提案もされていたが、構成が複雑である許りでなく、
作動に確実性を欠き、耐久性もないなど、充分なもので
はなかった。本発明は、如上従来技術の欠点に鑑み、簡
潔な構成によってコストが低廉であると共にアンカーを
係合した部分から離脱させる操作も容易に行うことがで
き、且つ、アンカーの係合離脱後の復旧を迅速に行うこ
とができるようにしたアンカーの係合離脱装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、船体に設置した第一の錨鎖の一端を、離脱
器を介してアンカーのシャンクに接続し、第二の錨鎖の
一端をアンカーの底部側に接続すると共に、その第二の
錨鎖の他端を第一の錨鎖側に接続して構成し、前記離脱
器は、第一の連結器および第二の連結器を結合具を介し
て結合し、前記結合具は、海底に係合しているアンカー
を第一錨鎖の所定値の引っ張り力によって切断する少な
くとも一か所の可断部を有し、前記可断部は、肉抜き孔
によってその切断される断面積の大きさを設定し、前
アンカーが海底に係合したとき、船体側から第一の錨鎖
に張力を与えることによって可断部切断され、第二の
錨鎖を介してアンカーの底部と第一の錨鎖とを連結した
状態に切り替えることを特徴とするアンカーの係合離脱
装置。また、前記第一の連結器及び第二の連結器はそれ
ぞれU字型に形成され、それぞれの両端部にはネジ部を
螺設し、前記結合具は棒状若しくは筒状に形成し、その
両端部には右ネジ部および左ネジ部を螺設すると共に、
その中央側には可断部を形成し、前記可断部は、その切
断される断面積の大きさを肉抜き孔によって設定し、前
記第一及び第二の連結器の両端部に、結合具の両端部を
対向させて両連結器を結合具により螺合して係合するア
ンカーの係合離脱装置として構成した。さらに、前記第
一の連結器および第二の連結器は環状に形成されると共
に、その環状部から外方に突出する棒状部を形成し、前
記棒状部の先端部にはネジ部を設け、前記結合具を介し
て第一の連結器および第二の連結器を結合したアンカー
の係合離脱装置として構成した。 そして、前記結合具の
可断部は、プレスにより切断される断面積の大きさを設
定することや、鋳造によって形成され、切断される断面
積の大きさを設定する構成にしても構わない。
【0008】
【作用】本発明によれば、アンカーが海底に係合したと
き、アンカーに連結する部分を自動的に変更することに
よって前記海底の係合部分からアンカーを離脱せしめる
から、海底にアンカーが係合しても、アンカー及び錨鎖
を遺棄せずに回収することが出来る。
【0009】即ち、アンカーが海底に係合したとき、当
初は錨鎖がアンカーのシャンク頭部と連結している。こ
の係合状態で船上から錨鎖を引き上げようとしても、ア
ンカーは海底との係合から離脱できず、逆に一層強固に
係合してしまう。そこで、前記係合を生じた場合、錨鎖
をシャンク頭部から切断し、アンカーの底部に連結すれ
ば、錨鎖を引き上げることによって、アンカーは底部か
ら引き上げられる。つまり、錨鎖を引き上げる操作によ
って、アンカーを係合部分から引っ張りだす方向に作用
を与える。
【0010】従って、アンカー及び錨鎖を遺棄すること
による経済的損失を予防できるとともに、海底を汚すよ
うな公害の発生を防止することが出来る。更に、海底か
らアンカーが離脱したあと、再びアンカーの係合離脱装
置を正常に作用させる状態に復帰せしめる操作が極めて
容易であるから、次の錨泊に備えることが直ちにでき
る。また、前記係合離脱の操作は単に錨鎖を引き上げる
だけであるから、格別の熟練を要せず、極めて容易であ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図示した実施例によって説明
する。図面において、図1は本発明の実施例を示す斜視
図、図2は図1に示される離脱器2の拡大正面図、図3
は図2で示した結合具5を拡大して示す縦断面図、図4
は一部を断面して示す本発明の第四の実施例の離脱器1
1の正面図、図5は図3の矢印v−v部の断面矢視図
で、本発明の第二乃至第三の実施例を示す。図6(A)
は本発明の第6の実施例の正面図、図6(B)は図6
(A)の右側面図、図7(A)は本発明の第7の実施例
の正面図、図7(B)は図7(A)の右側面図である。
【0012】先ず、図1乃至図3で示す第一の実施例に
よって本発明を説明する。図1において、アンカー1
は、離脱器2を介して第一の錨鎖(鎖若しくはロープ)
1aによって図示していない船舶に連結されている。前
記第一の錨鎖1aには、アンカー1との連結位置近傍に
おいて、第二の錨鎖1bの一端と一体的に連結されてい
る。
【0013】離脱器2は、ステンレス鋼若しくはその他
の耐海水性が高く且つ機械加工性の良い材料からなる棒
材をU字形に形成し、両端部に右オネジ部3a,左オネ
ジ部3bを施してなる第一の連結器3と、該第一の連結
器3と略同一形状であって、両端部に右オネジ部4a,
左オネジ部4bを施した第二の連結器4とを、同じ条件
の材料からなる結合具5,5によって一体的に結合して
なっている。
【0014】前記結合具5は筒状に形成され、一方の端
部の内径部には右メネジ部5aを形成され、他方の端部
の内径部には左メネジ部5bが形成されている。また結
合具5の軸方向の中間部には、肉抜き孔5cが横断して
貫通され、可断部5d,5dを形成している。前記可断
部5d,5dは、肉抜き孔5cによって所定の引っ張り
力によって切断される限界値(kg/cm2)を設定している。
即ち、結合具5の太さに対して、この肉抜き孔5cの直
径を適切に設定することによって、可断部5dの断面積
が自ずと設定され、引っ張り力によって切断される力量
の限界値(kg/cm2)もまた自ずと設定される。
【0015】前記第一の連結器3と第二の連結器4と
は、結合具5によって一体的に結合され、離脱器2を構
成している。即ち、前記第一の連結器3と第二の連結器
4には、それぞれ右オネジ部3a,4aと左オネジ部3
b,4bとが設けられ、結合具5,5には右メネジ部5
a,5a,左メネジ部5b,5bが設けられているの
で、それぞれ適合するネジ部を螺合させることにより第
一の連結器3と第二の連結器4とが一体的に結合され、
リング状の離脱器2が構成される。
【0016】前記アンカー1は、棒状の軸体1cに板状
のフレーク1d,1eを一体的に結合し、更に、該軸体
1c,フレーク1d,1eと一体的に板状部材1f乃至
1iと溶接その他の手段によって一体的に結合されてい
る。また、前記板状部材1f,1gの間においてシャン
ク1jの一端が前記軸体1cに一定の限定された角度だ
け回動自在であるように枢着され、他端を前記離脱器2
に連結している。
【0017】第二の錨鎖1bは、その一端を、第一の錨
鎖1aに連結している。第一の錨鎖1aは前記の如く図
示していない船体と離脱器2との間に連結されている
が、該離脱器2の近傍に、第二の錨鎖1bの一端が連結
されている。第二の錨鎖1bの他端は、板状部材1hの
末端部分に連結している。尚、第二の錨鎖1bの他端
は、板状部材1i乃至1hのどれに連結してもよく、要
はアンカー1の底部であればよいが、第二の錨鎖1bは
一端と他端との間が充分な弛みを有するように連結され
ている。
【0018】以上の如き構成のアンカー1について、以
下、その作用について説明する。図1において示される
アンカー1は、ボートなど小型舟艇に用いられるダンフ
ォース型錨を模式的に示したもので、図示していない舟
艇が、風または潮流によって矢印Aの方向に動かされて
いた状態を示している。図示の状態において、アンカー
1の載置されている海底が、砂地などであった場合に
は、第一の錨鎖1aがシャンク1jを矢印Aの方向に曳
くことにより、フレーク1d,1eの先端部が砂地に食
い込み、アンカー1の移動を係止する。即ち、アンカー
1は恰も鋤で砂地を耕す如く作用し、舟艇の移動を係止
するものである。
【0019】舟艇が出航しようとするときには、第一の
錨鎖1aを引き上げて抜錨するが、このとき、第一の錨
鎖1aは略垂直方向に垂下している。第一の錨鎖1aに
離脱器2を介して連結されるシャンク1jは、該第一の
錨鎖1aが引き上げられると軸体1cを支点として回動
して起立しようとするが、そのとき、一定の限定された
角度だけシャンク1jが回転すると、次にフレーク1
d,1eを伴って起立させるから、これによりアンカー
1は海底との係合から離脱する。
【0020】このようにして、アンカー1は第一の錨鎖
1aにより海底から引き揚げられ、シャンク1jを上
に、そして板状部材1f乃至1i即ちアンカー1の底部
を下にして抜錨する。この場合、投錨地点が岩場等であ
って、フレーク1d,1eが岩の隙間等に強固に係合し
ていると、食い込んで外れなくなり、抜錨できなくな
る。従来は舷で錨鎖を切断して錨鎖と共にアンカーを遺
棄していたが、本発明によってアンカーと係合部分との
解除が極めて簡単な操作によって行える。
【0021】即ち、図1においてフレーク1d,1eが
岩その他と係合し、外れなくなって根掛かり状態となっ
たとき、シャンク1jは図示の状態即ち半ば倒された状
態に固定されている。第一の錨鎖1aに、舟艇からアン
カー1の引き上げのために強く張力を与えると、図2で
詳細に示される離脱器2の第一の連結器3と第二の連結
器4とがそれぞれシャンク1j,第一の錨鎖1aとの間
において、反対方向に張力を加えられる。
【0022】離脱器2は、その第一の連結器3と第二の
連結器4とを、結合具5,5によって結合されている。
そして、該結合具5,5はそれぞれ肉抜き孔5c,5c
が穿たれている。従って、可断部5d,5dの切断の限
界値よりも大きい張力が作用すると、該可断部5d,5
dが切断し、第一の錨鎖1aとシャンク1jとが離れ
る。
【0023】図1において、第一の錨鎖1aは、シャン
ク1jから離れても、第二の錨鎖1bに連結している。
従って第二の錨鎖1bが連結されているアンカー1の底
部を引き上げることになる。アンカー1は、図1におい
て、離脱器2の結合具5,5が切断される前は、錨鎖1
aによって、軸体1cを支点として右旋即ち矢印B方向
に回動せしめるように張力を加えられていたが、結合具
5,5が切断したあとは、板状部材1hの下部、即ちア
ンカー1の底部に対して張力を加えるから、軸体1cを
支点として左旋させる方向に、即ち矢印Bの反対方向に
回動させるように力を加える。
【0024】アンカー1は以上の如く軸体1cを支点と
して、底部を引き上げられる。この引き上げはフレーク
1d,1eを係合物から引き出すように作用する。従っ
て、アンカー1は反転して底部を上にして、シャンク1
jを下にして引き上げられ、抜錨される。尚、以上で示
した第一の実施例では、結合具5,5の外周形状が円筒
状のものを図示したが、第二の実施例として図5
(C),(D)で示したように、外周形状が四角柱状の
ものでもよく、また、第三の実施例として図5(E),
(F)で示したように、外周形状が六角柱状のものでも
よく、或いはまたその他の形状のものであってもよい。
【0025】また、前記本発明の第一の実施例におい
て、離脱器2を構成する第一の連結器3,第二の連結器
4,これらに螺合する結合具5のそれぞれのオネジ部と
メネジ部とは、適宜に逆にしてもよい。即ち、第一の連
結器3,第二の連結器4に設けられる左右オネジ部の
内、適宜なものを左右メネジとし、これに対向する結合
具5の左右メネジ部を左右のオネジ部として螺合し得る
ようにしても、何ら差し支えない。
【0026】更に、可断部5dを形成する肉抜き孔5c
も、図5(B),(D),(E),(F)等で示したよ
うに、一方向だけではなく、二方向または三方向など、
任意の数だけ穿設してもよく、要は可断部5dが所定の
引っ張り力量で切断できればよい。
【0027】また、第一の連結器3,第二の連結器4に
はそれぞれ例えばビニール紐などによって第一の錨鎖1
a,シャンク1j等に結び付けて置くようにすれば、可
断部5d,5dが切断したときも該第一の連結器3,第
二の連結器4を回収することができる。更に、離脱器2
は、前記第一の実施例において、U字型の第一の連結
器,第二の連結器を二本の結合具で結合してなるものを
示したが、本発明によれば、一本の結合具で結合するよ
うにでき、本発明の第四の実施例として図4に示す。
【0028】以下、図4で示した第四の実施例によって
本発明を説明する。図4は、本発明の第四の実施例の一
部を破断して示す正面図である。同図において、離脱器
11は、環状の連結環12a,13a、該連結環12
a,13aから外径方向に突出した棒状の右オネジ部1
2b,13bを一体的に形成した連結環12,13を備
え、結合具14を介して結合されている。
【0029】前記結合具14は筒状に形成され、内径部
分は右メネジ部14aが螺設され、中央部を横断するよ
うにして肉抜き孔14bが穿設され、所定値の引っ張り
力に対して所定の限界値で切断されるように設定された
可断部14c,14cが形成されている。尚、前記切断
される張力の限界値(kg/cm2)が所定の値に保たれる限り
において、肉抜き孔14b及び前記可断部14cの数及
び形状等については、図示のものに限定されず、既に説
明した他の実施例と同様に、各種のものによって実施さ
れ得る。
【0030】前記において、錨鎖の一端を図示していな
い舟艇に連結せしめ、他端は離脱器11の一方の連結環
12aに連結する。離脱器11の他方の連結環13aに
は、アンカー1のシャンク1jに連結されている。アン
カー1の板状部材1hの端部には、第二の錨鎖1bの一
端が連結され、他端は前記舟艇と連結器12aとの間に
連結される第一の錨鎖1aに連結される。この第一の錨
鎖1aに対する第二の錨鎖1bの連結部分は連結部12
aの近傍とするが、この点については前記した他の実施
例と同様であるので、説明を省略する。
【0031】前記第四の実施例において、アンカー1の
フレーク1d,1eが海底において岩等に係合したと
き、第一の錨鎖1aを強く引き、可断部14cを切断せ
しめることによって第一の錨鎖1aとシャンク1jとの
連結を解くと、第一の錨鎖1aは第二の錨鎖1bを介し
て板状部材1hと連結した状態、即ち、アンカー1の底
部に連結した状態となる。
【0032】以下、前記した第一の実施例と同様にして
アンカー1は海底から引き上げられる。尚、このときア
ンカー1は、シャンク1jに連結環13aが連結され、
第一の錨鎖1aには連結環12aが連結された状態で引
き上げられる。従って、引き上げられたアンカー1は、
連結環12,13の右オネジ部12b,13bから切断
した結合具14を外し、新たな結合具14を取り付けれ
ば再び新品のアンカーとして使用できる。
【0033】以上の如く、第一乃至第四の実施例によっ
て本発明を説明したが、これらは何れも結合具5(結合
具14)の可断部5dを形成せしめるのに、肉抜き孔5
cによって肉抜きを行い、残りの肉厚で所定の断面積を
設定し、可断部5dを形成するものである。本発明によ
れば、図6によって第五の実施例として示したように、
可断部を穿設加工によって形成するのではなく、鋳造に
よって結合部を形成し、可断部を構成することもでき
る。
【0034】以下、図6で示した第五の実施例によって
本発明を説明する。図6において、第一の連結器22,
第二の連結器23及び結合具24,24のそれぞれを鋳
造によって形成し、特に符号を付して説明をしていない
が、第一の連結器22,第二の連結器23のそれぞれに
は紐などを通す連結孔が設けられている。
【0035】結合具24,24には可断部24a,24
aが形成され、該結合具24,24には前記第一の実施
例と同様に右及び又は左ネジ部が設けられ、第一の連結
器22,第二の連結器23を夫々螺合により結合せしめ
ている。前記連結孔にそれぞれ通した紐を第一の錨鎖及
びアンカーに結び付けることによって、可断部24a,
24aが破断されたときでも、第一の連結器22,第二
の連結器23が紐によって連結されているため、回収し
て再び利用することができる。
【0036】本発明によれば、図7によって第六の実施
例として示したように、連結具の可断部を、穿設加工或
いは鋳造によって形成するのではなく、プレス加工によ
って可断部を形成することもできる。以下、図7
(A),図7(B)で示した第六の実施例によって本発
明を説明する。図7において、結合具34,34は第一
の連結器32,第二の連結器33を夫々螺合により結合
せしめているが、該結合具34,34の可断部34a,
34aはプレス加工によって形成されている。
【0037】図7においては結合具34,34の両端部
にのみネジ部を形成したものを示したが、このネジ部に
代えて結合具34,34を予めイモネジ、即ち、植え込
みボルト状に全長に亘りネジを螺設し、これをプレスで
平らに潰して可断部34a,34aを形成するようにし
てもよい。また、図7において、ダブルナットにより結
合具34,34と第一の連結器32,第二の連結器33
とを締結したものを示したが、これは他の実施例でも利
用できる。
【0038】結合具34,34をプレス加工によって圧
延することにより、可断部34a,34aは側面方向と
端面方向とに押し広げられ、可断部34a,34aの中
心部分においては単に肉厚が薄くなるだけではなく、断
面積も小さくなる。前記断面積はプレス荷重及びまたは
圧延する形状とに応じて任意の値で得られるため、所定
値の引っ張り力によって切断される張力の限界値(kg/cm
2)を得るように設定できる。
【0039】また、鎖やロープなどを錨鎖として使用す
るために、これを第一及び第二の連結器に結合すると、
長期間に亘って使用することにより磨耗して前記結合部
分が細くなることが考えられる。連結器の一部が細くな
ると、そこに応力が集中し、意図しないときに切断され
ることになり、不都合である。そこで、このような場合
を考慮するならば、第一,第二の連結器の一部に、即ち
錨鎖が連結される部分にテープ若しくは柔軟な管状部材
(例えば水道のホースの類)などによって保護するよう
にしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、抜錨のため
にアンカーを引き上げるに際し、海底とアンカーとが係
合し、抜錨できない場合において、アンカーに対する錨
鎖の連結部分を切り換えて、アンカーに加える力の方向
を、シャンクの先端部からアンカーの底部に切り換える
ものであるから、引き上げる力は同時に係合を外す方向
に作用し、アンカーを円滑に引き上げることができる。
【0041】更に、本発明によれば、アンカーの引き上
げが海底との係合により不能な状態となって、アンカー
に加える力の方向を変える操作を、可断部を有する結合
具を切断することにより行うものであるから、アンカー
その他の機材を損なうことなく海底との係合を離脱する
ことができる。また、前記結合具は切断しても廉価な部
品であり、アンカーそのものをみすみす遺棄する場合に
比較すれば、経済的な損失は極めて軽微なものに抑えら
れる。
【0042】また、本発明によれば、アンカーが係合し
たとき、錨鎖を切断しなくてもアンカーごと錨鎖を回収
できる。従って海底に公害源となる様なアンカー,ロー
プ,鎖等の残留物を残さないから、海底を汚さず、また
他船の投錨時に、その他船のアンカーが係合するなどの
迷惑を残すことがない等の効果が得られる。
【0043】更に、本発明によれば、結合具を切断する
ための力は、結合具を形成する材質と可断部の面積とを
考慮して所定の値に設定すればよく、任意の値を設定す
ることができる。このため、大型アンカーから小型アン
カーに至る迄、またアンカーの型式に応じて、適切な値
の力量で切断される限界値に結合具を設定できる。
【0044】前記した本発明によれば、錨泊していた船
舶や舟艇が出航しようとして、海底にアンカーが係合し
ていたとき、錨鎖を強く引き上げるだけの操作によっ
て、該係合を容易に外すことができるから、根掛かりし
たアンカーを外す操作が極めて簡単である。従って、特
に日常頻繁に船舶操作を行わない日用釣り人や、或いは
逆に係合したアンカーを外すのに時間を掛ける余裕のな
い多忙な業務用船舶など、広い範囲にわたって有効に利
用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1で示される離脱器2の一部を断面した正面
図である。
【図3】図2で示される結合具5の縦断面図である。
【図4】本発明の第四の実施例において、一部を断面し
て示す正面図である。
【図5】図3の矢印v−v部の断面矢視図である。図5
(A)乃至図5(F)は夫々第一乃至第三の実施例の断
面図である。
【図6】本発明の第五の実施例を示す正面図である。図
6(A)は第五の実施例の正面図で、一部を断面して示
している。図6(B)は図6(A)の右側面図である。
【図7】本発明の第六の実施例を示す正面図である。図
7(A)は第六の実施例の正面図で、一部を断面して示
している。図7(B)は図7(A)の右側面図である。
【符号の説明】
第一の実施例 A,B 矢印 1 アンカー 1a 第一の錨鎖 1b 第二の錨鎖 1c 軸体 1d,1e フレーク 1f,1g,1h,1i 板状部材 1j シャンク 2 離脱器 3 第一の連結器 3a 右オネジ部 3b 左オネジ部 4 第二の連結器 4a 右オネジ部 4b 左オネジ部 5 結合具 5a 右メネジ部 5b 左メネジ部 5c 肉抜き孔 5d 可断部 第四の実施例 11 離脱器 12 第一の連結器 13 第二の連結器 12a,13a 連結環 12b,13b 雌ネジ部 14 結合具 14a 右メネジ部 14b 肉抜き孔 14c 可断部 第五の実施例 21 離脱器 22 第一の連結器 23 第二の連結器 24 結合具 24a 可断部 第六の実施例 31 離脱器 32 第一の連結器 33 第二の連結器 34 結合具 34a 可断部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体に設置した第一の錨鎖の一端を、離
    脱器を介してアンカーのシャンクに接続し、第二の錨鎖
    の一端をアンカーの底部側に接続すると共に、その第二
    の錨鎖の他端を第一の錨鎖側に接続して構成し、 前記離脱器は、第一の連結器および第二の連結器を結合
    具を介して結合し、前記結合具は、海底に係合している
    アンカーを第一錨鎖の所定値の引っ張り力によって切断
    する少なくとも一か所の可断部を有し、前記可断部は、
    肉抜き孔によってその切断される断面積の大きさを設定
    し、 前記アンカーが海底に係合したとき、船体側から第一の
    錨鎖に張力を与えることによって可断部切断され、第
    二の錨鎖を介してアンカーの底部と第一の錨鎖とを連結
    した状態に切り替えることを特徴とするアンカーの係合
    離脱装置。
  2. 【請求項2】 前記第一の連結器及び第二の連結器はそ
    れぞれU字型に形成され、それぞれの両端部にはネジ部
    を螺設し、前記結合具は棒状若しくは筒状に形成し、そ
    の両端部には右ネジ部および左ネジ部を螺設すると共
    に、その中央側には可断部を形成し、前記可断部は、そ
    の切断される断面積の大きさを肉抜き孔によって設定
    し、 前記第一及び第二の連結器の両端部に、結合の両端部
    を対向させて両連結器を結合具により螺合して係合する
    とことを特徴とする請求項1記載のアンカーの係合離脱
    装置。
  3. 【請求項3】 前記第一の連結器および第二の連結器は
    環状に形成されると共に、その環状部から外方に突出す
    る棒状部を形成し、前記棒状部の先端部にはネジ部を設
    け、 前記結合具を介して第一の連結器および第二の連結器を
    結合したことを特徴とする請求項1に記載のアンカーの
    係合離脱装置。
  4. 【請求項4】 前記結合具の可断部は、プレスにより切
    断される断面積の大きさを設定する請求項1、2または
    3に記載のアンカーの係合離脱装置。
  5. 【請求項5】 前記結合具の可断部は、鋳造によって形
    され、切断される断面積の大きさを設定する請求項
    1、2または3に記載のアンカーの係合離脱装置。
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