JP2617104B2 - 注射装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は広義の医療用注射器に関する。より具体的に
は、本発明は外転過程中にカテーテルから注射器組立体
を外すことなく大口径注射器を用いて小口径注射器に再
充填することを特徴とする内転・外転型拡張カテーテル
およびそのアクチュエータに関する。

従来技術 カテーテル風船を外転する過程中に大口径注射器を用
いて小口径注射器を再充填する装置は存在しなかった。

大口径注射器と小口径注射器の組合せを用いてカテー
テル風船をふくらませる方法はチン（chin）の米国特許
第4,476,866号に開示されている。

発明の開示 本発明の主旨は内転・外転型拡張カテーテルにおい
て、小口径注射器をカテーテルから外すことなく使用中
に小口径注射器を再充填し得るように、大および小口径
注射器を含むアクチュエータ装置、導管装置、および両
注射器を接続して大口径注射器から小口径注射器へのみ
流体を流す逆止め弁装置を与えることにある。

この装置はチンの米国特許第4,476,866号「小口径・
大口径組合せ注射器」の装置設計を促したような状況下
で使用される。本発明の装置および前記特許の装置を用
いて、第１段階で、高圧、小容積の状態で風船要素を外
転するのに小口径注射器を用い、第２段階で、低圧、大
容積の状態で風船要素をふくらませるのに大口径注射器
を用いる。しかし前記の小口径・大口径組合せ注射器で
は、小口径注射器を再充填できないので、小口径注射器
の限定された容積、典型的には1ccだけに高圧を発生し
得るに過ぎない。実際には、風船の押出しを開始するの
に高圧の２〜3ccの容積が必要であり、このような場合
に従来設計のものは使用できない。

本発明は、いずれの注射器の作動をも妨げることな
く、また装置をカテーテルから外すことなく、大口径注
射器から小口径注射器に再充填し得ることによって、こ
の問題を解決する。

すなわち本発明によれば、大口径注射器と； 小口径注射器と； 前記両注射器を連結して前記大口径注射器から前記小
口径注射器へ液を排出することができるようにする導管
装置と； 前記小口径注射器から前記大口径注射器への逆流を防
止するために前記導管装置に設けられる逆止め弁と； を含む二重圧力注射器組立体が与えられる。

望ましい実施例の説明 第１図および第２図を参照すると、本発明の装置は拡
張カテーテル部（10）と注射器部（12）から成る。カテ
ーテル部（10）は基部端が継手装置（16）によって注射
器部（12）の末梢端に取付けられた細長い可撓管（14）
を含む。管（14）の末梢端の上に、末梢端（24）が閉じ
た風船要素（22）の基部端（20）がかぶさって固定され
る。風船要素は薄肉のビニール管のような非エラストマ
ー系プラスチック材から成る。

注射器部（12）は、ハンドル（28）に取付けられて中
に大口径注射器（30）および小口径注射器（32）を含む
ハウジング（26）を有する。大口径注射器（30）の中に
は、可撓ランド（36）およびランドが固定取付けされる
棒（34）を有するピストン部材が滑動自在に配設され、
他方、小口径注射器（32）には可撓ランド（40）および
ランドが固定取付けされる棒（38）を有する同様なピス
トン部材が滑動自在に配設される。棒（38）および棒
（34）には、基部端がそれぞれ押込み円板（42,44）で
終わっている典型的な十字形断面が与えられる。注射器
部（12）と押込み円板（42）の間に延在する棒（38）の
部分をばね（46）が取巻き、ばね（46）は手の圧力を反
対方向にかけない限り棒（38）をできるだけ小口径注射
器（32）から遠くに引出して保つように働く。停止部
は、ピストンが注射器から完全に引き出されるのを防止
する。大口径注射器（30）の容積は小口径注射器（32）
のそれの複数倍であることが望ましい。

大口径注射器（30）の末梢出口端はＴ形継手（48）に
接続され、その出口の一つは三方弁（50）に接続され、
他の出口は逆止め弁（52）を介していま一つのＴ形継手
（54）に接続される。Ｔ形継手（54）の一つの出口は小
口径注射器（32）の末梢端に、他の出口は逆止め弁（5
6）を介して三方弁（50）に接続される。逆止め弁（52,
56′）の矢印は流体の流れが可能な方向を示す。その結
果生じる流体回路により、流体は大口径注射器（30）か
ら、三方弁（50）または小口径注射器（32）のいずれか
へ流れることができる。小口径注射器（32）からの流体
は三方弁（50）に流れることはできるが、大口径注射器
（30）へ戻ることはできない。三方弁（50）から直接に
小口径注射器（32）に流体が流れることはできない。

三方弁（50）は３個の開口部を有し、１個はＴ形継手
（48）につながり、１個は逆止め弁（56）につながり
（ただし弁がその方向へ流体の流れるのを防止してい
る）、もう１個は注射器部（12）の末梢端（18）につな
がる。この三方弁（50）はこれら３個の通路の任意の１
つを閉鎖するように、または３個全部を同時に開いたま
まにするように働くことができる。継手（58）は圧力計
（60）に接続され、圧力計はカテーテル（10）内の圧力
を監視するのに使われる。

カテーテル・注射器の作動可能の状態が第１図に示さ
れる。カテーテル部（10）は動脈硬化性物質（64）の部
分に隣接して動脈内に配置される。風船要素（22）は管
（14）の中に裏返しにされている。管（14）の他の部分
は或る液体で満たされ、該液体は大口径注射器（30）、
小口径注射器（32）、およびそれらを注射器部（12）の
末梢端（18）に接続する、弁（50,52,56）を含む全ての
通路をも満たす。

三方弁（50）が逆止め弁（56）から末梢端（18）への
通路を開き、Ｔ形継手（48）への通路を閉じた状態で、
使用者が押込み円板（42）を押して、小口径注射器（3
2）のピストン棒（38）を動かし、可撓管（14）内に高
圧、小容積の流れを発生させる。この流れは風船要素
（22）に高い外転力を与え、風船要素を極く容易に外転
させて動脈硬化性物質（62）の内腔（66）内に伸長させ
る。行程完了時に、棒（38）はばね（46）によって元の
位置に戻る。生じる吸込み力が大口径注射器（30）から
Ｔ形継手（48,54）および逆止め弁（52）を通して流体
を小口径注射器（32）に引き込む。これは逆止め弁（5
6）を通して流体が戻れないからである。風船要素（2
2）を充分に外転させるために、より多くの容積の流体
が必要であれば、この小口径注射器（32）による高圧、
小容量の注射を数回繰返すことができる。

風船が充分に外転された後、三方弁（50）を動かして
Ｔ形継手（48）から末梢端（18）への通路を開く（逆止
め弁（56）から末梢端（18）への通路は開いていても、
閉じていてもよい。）。使用者は次に押込み円板（44）
を押して、棒（34）を大口径注射器（30）の中で動か
し、低圧、大容積の液体流を管（14）の中に送って、風
船要素（22）を半径方向に膨張させ、それにより動脈硬
化性物質（64）を拡張する。このような低圧、大容量の
流れは大口径注射器（30）の容量が充分である限り、必
要なだけ永く続けることができる。

拡張が完了した後、押込み円板（44）を引戻すことが
できる。大口径注射器（30）内に生じる真空は液を管
（14）から注射器に戻し、風船要素（22）を排液し収縮
させる。最後に、カテーテルを外すと、末梢端（18）を
通して大口径注射器（30）に再充填することができる。

本発明によれば、両方の注射器を手の圧力により制御
するので、使用者は膨張過程の触覚および制御を持続す
るという、いま一つの利点が得られる。

以上の記載から、本発明によればカテーテルを外すこ
となく、また小口径注射器の容積だけでは充分に風船を
外転させるのに不足している場合に高圧、小容積の流れ
を与える小口径注射器を人手により再充填する必要もな
しに、風船カテーテルを外転しふくらませるために、高
圧、小容積と低圧、大容積の両方の流れを供給する、改
良型注射器組立体が得られることは明らかである。しか
し本発明は記載された特定の実施例に限定されることな
く、むしろ特許請求の範囲によって定義される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、閉塞した血管に対し処置関係に配設される拡
張カテーテルに取付けられた、本発明の注射器の斜視
図、 第２図は、第１図の２−２線が示す平面内の、本装置の
注射器部の平面断面図、 第３図は第１図および第２図に示す装置の流れ回路の線
図である。 10……カテーテル部 12……注射器部（注射器組立体） 14……可撓管 22……風船 30……大口径注射器 32……小口径注射器 46……ばね装置 50……多重位置弁（三方弁） 52,56……逆止め弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−112877（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−128141（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−288822（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−5328（ＪＰ，Ａ)

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】大口径注射器と； 小口径注射器と； 前記両注射器を連結して前記大口径注射器から前記小口
   径注射器へ液を排出することができるようにする導管装
   置と； 前記小口径注射器から前記大口径注射器への逆流を防止
   するために前記導管装置に設けられる逆止め弁と； を含む二重圧力注射器組立体。
2. 【請求項２】前記大口径注射器の容積は前記小口径注射
   器の容積の複数倍である、特許請求の範囲第（１）項に
   記載の組立体。
3. 【請求項３】前記小口径注射器から液が流出しないよう
   に前記小口径注射器を選択的に閉鎖するための、手動弁
   装置をさらに含む、特許請求の範囲第（１）項に記載の
   組立体。
4. 【請求項４】前記大口径注射器から前記小口径注射器を
   経由する流れに無関係に前記大口径注射器の排出液を開
   放して送るようにするためにも前記手動弁が作動自在で
   ある、特許請求の範囲第（３）項に記載の組立体。
5. 【請求項５】前記小口径注射器が充填位置と排出位置の
   間を移動自在のプランジャを有し、前記大口径注射器か
   ら前記小口径注射器に自動的に再充填するように前記プ
   ランジャを前記充填位置に戻すためのばね装置をさらに
   含む、特許請求の範囲第（１）項に記載の組立体。