JP2616105B2 - 浸炭厚さの測定方法および測定用プローブ - Google Patents
浸炭厚さの測定方法および測定用プローブInfo
- Publication number
- JP2616105B2 JP2616105B2 JP5008790A JP5008790A JP2616105B2 JP 2616105 B2 JP2616105 B2 JP 2616105B2 JP 5008790 A JP5008790 A JP 5008790A JP 5008790 A JP5008790 A JP 5008790A JP 2616105 B2 JP2616105 B2 JP 2616105B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thickness
- layer
- magnetic
- carburized
- pipe
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は炭化水素を加熱する炉の輻射管等の内面側に
生じた浸炭厚さを測定する方法に関する。さらに詳しく
は、エチレン工場のナフサ、ブタン、LPGの分解炉また
は水素、アンモニア工場の改質炉等に用いられている輻
射管等の内面側に生じた浸炭の厚みを電磁誘導法を用い
て測定する方法の改良およびそれに用いるプローブに関
する。
生じた浸炭厚さを測定する方法に関する。さらに詳しく
は、エチレン工場のナフサ、ブタン、LPGの分解炉また
は水素、アンモニア工場の改質炉等に用いられている輻
射管等の内面側に生じた浸炭の厚みを電磁誘導法を用い
て測定する方法の改良およびそれに用いるプローブに関
する。
〈従来の技術〉 炭化水素等を加熱する炉の輻射関または加熱されたガ
スを移送する配管部などにおいては、炭化水素中の炭素
が活性な状態で金属表面に吸着し、更に金属内部に拡散
してクロム等の炭素との親和性の高い金属構成元素と化
合して炭化物を作り析出してくる。この現象は浸炭と呼
ばれる。
スを移送する配管部などにおいては、炭化水素中の炭素
が活性な状態で金属表面に吸着し、更に金属内部に拡散
してクロム等の炭素との親和性の高い金属構成元素と化
合して炭化物を作り析出してくる。この現象は浸炭と呼
ばれる。
この浸炭が生成した層の機械的性質は著しく劣化する
ので、加熱炉等の安全性を保つためには定期的に浸炭の
有無およびその進捗状況を把握する必要がある。
ので、加熱炉等の安全性を保つためには定期的に浸炭の
有無およびその進捗状況を把握する必要がある。
浸炭の厚さを測定する方法として、管を切り出して金
属組織学的に確認するという確実な方法があるが、検査
に必要な手間とコストが膨大であり、また全ての管を調
べることは不可能であり、現実的な方法ではない。その
ために管外面から非破壊的に管内面に生じる浸炭の厚さ
を測定する方法が開発され、実用に供されている。その
代表的なものは電磁誘導法によるものであり、配管の外
面側から強磁性体である浸炭層までの非磁性体の厚さを
測り、全管厚からこれをひいて浸炭の厚さを求める方法
が採られている。
属組織学的に確認するという確実な方法があるが、検査
に必要な手間とコストが膨大であり、また全ての管を調
べることは不可能であり、現実的な方法ではない。その
ために管外面から非破壊的に管内面に生じる浸炭の厚さ
を測定する方法が開発され、実用に供されている。その
代表的なものは電磁誘導法によるものであり、配管の外
面側から強磁性体である浸炭層までの非磁性体の厚さを
測り、全管厚からこれをひいて浸炭の厚さを求める方法
が採られている。
一方、配管の外面側は高温の燃焼ガス雰囲気下で酸化
されてクロム酸化物が管外面側に生成すると、クロムが
管外面に濃縮され、酸化物スケール直下のマトリックス
層に範囲としては数100μmまでのクロム量の少い領域
ができる。この領域の透磁率は上昇し、磁性を示すよう
になってくる。したがって浸炭に伴い誘起される浸炭誘
起磁性を測定する電磁誘導の原理を用いた測定は大きく
乱されることになる。この影響を取り除く方法がいくつ
か提案、実施されている。最も簡便で確実な方法は外面
の磁性を有する脱クロム層を研削した後に測定する方法
である。しかし、研削に非常な労力を要すると共に、保
護性を有する酸化スケールを削除することになり、また
研削時の発熱による熱応力で脆化した基材に割れを生じ
させる恐れもある。
されてクロム酸化物が管外面側に生成すると、クロムが
管外面に濃縮され、酸化物スケール直下のマトリックス
層に範囲としては数100μmまでのクロム量の少い領域
ができる。この領域の透磁率は上昇し、磁性を示すよう
になってくる。したがって浸炭に伴い誘起される浸炭誘
起磁性を測定する電磁誘導の原理を用いた測定は大きく
乱されることになる。この影響を取り除く方法がいくつ
か提案、実施されている。最も簡便で確実な方法は外面
の磁性を有する脱クロム層を研削した後に測定する方法
である。しかし、研削に非常な労力を要すると共に、保
護性を有する酸化スケールを削除することになり、また
研削時の発熱による熱応力で脆化した基材に割れを生じ
させる恐れもある。
脱クロム層を研削することなく測定する方法として次
の方法が提案されている。
の方法が提案されている。
(1) 2個の検出コイルを設け、一方の検出コイルに
は高周波数の交流を流すことにより小さい磁界を発し、
管外面側に生じた強磁性体の脱クロム層を検出し、他方
の検出コイルには低周波数の交流を流し、大きい磁界を
作り管外面側に生じた強磁性体の脱クロム層と、管内面
側に発生した強磁性体の浸炭層を同時に検出し、後者の
信号から前者の信号を差し引くことにより浸炭層の厚み
を測定する方法。((株)ケット科学研究所浸炭度自動
装定装置 LST−2200H型技術資料) (2) ホール素子を用いて浸炭深さの違いによって変
化する磁束密度および磁力線の傾きの変化量をホール起
電力として出力する方法。この方法においては、磁石を
中心として配置した2つのホール素子を組み込んだ検出
プローブを間にして、被測定輻射管の脱クロム層と対称
的な位置に脱クロム層に相当するもの(実際には実機で
使用した輻射管外面の薄片)を配置し、2つのホール素
子の出力を相殺することにより管外面側に生成した強磁
性体の脱クロム層の補正を行っている。(特開昭61−19
5351、特開昭63−246653) 〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、上記の従来の方法は管外面の磁性体の
影響を除くことは不充分であり、実際に精度良く浸炭の
厚みを測定する方法としては満足できるものではない。
は高周波数の交流を流すことにより小さい磁界を発し、
管外面側に生じた強磁性体の脱クロム層を検出し、他方
の検出コイルには低周波数の交流を流し、大きい磁界を
作り管外面側に生じた強磁性体の脱クロム層と、管内面
側に発生した強磁性体の浸炭層を同時に検出し、後者の
信号から前者の信号を差し引くことにより浸炭層の厚み
を測定する方法。((株)ケット科学研究所浸炭度自動
装定装置 LST−2200H型技術資料) (2) ホール素子を用いて浸炭深さの違いによって変
化する磁束密度および磁力線の傾きの変化量をホール起
電力として出力する方法。この方法においては、磁石を
中心として配置した2つのホール素子を組み込んだ検出
プローブを間にして、被測定輻射管の脱クロム層と対称
的な位置に脱クロム層に相当するもの(実際には実機で
使用した輻射管外面の薄片)を配置し、2つのホール素
子の出力を相殺することにより管外面側に生成した強磁
性体の脱クロム層の補正を行っている。(特開昭61−19
5351、特開昭63−246653) 〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、上記の従来の方法は管外面の磁性体の
影響を除くことは不充分であり、実際に精度良く浸炭の
厚みを測定する方法としては満足できるものではない。
かかる事情に鑑み、本発明者は管外面側の強磁性体の
脱クロム層の影響を減少させて浸炭の厚さを精度良く測
定する方法について、鋭意検討した結果、本発明を完成
するに至った。
脱クロム層の影響を減少させて浸炭の厚さを精度良く測
定する方法について、鋭意検討した結果、本発明を完成
するに至った。
〈課題を解決するための手段〉 すなわち本発明は、電磁誘導法によって配管の内面側
に生じた浸炭厚さを測定する方法において、測定用プロ
ーブに組み込んだ磁石によって形成される磁束によって
配管の外面側に生じた強磁性体の脱クロム層を磁化する
ことにより、脱クロム層の比透磁率を非磁性体の比透磁
率に近づけて配管の外面側に生じた強磁性体の影響を排
除して行うことを特徴とする浸炭厚さの測定方法および
これに用いるプローブである。
に生じた浸炭厚さを測定する方法において、測定用プロ
ーブに組み込んだ磁石によって形成される磁束によって
配管の外面側に生じた強磁性体の脱クロム層を磁化する
ことにより、脱クロム層の比透磁率を非磁性体の比透磁
率に近づけて配管の外面側に生じた強磁性体の影響を排
除して行うことを特徴とする浸炭厚さの測定方法および
これに用いるプローブである。
中高温度域で最も広く使われる加熱炉軸射管はクロム
−ニッケル−鉄系合金で、その透磁率は低く、常温では
磁性を示さない材料が殆んどである。この材料に浸炭が
生じると、前述の様に炭素と親和性の高い元素、主とし
てクロムが炭化物を作って密に析出する。これにより金
属マトリックス中のクロムが減少し、マトリックス部の
透磁率は上昇し、磁性を示すようになる。浸炭層(磁性
体)までの非浸炭層(非磁性体)の厚さを配管外面から
電磁誘導法によって測定し、浸炭の厚さを求める。
−ニッケル−鉄系合金で、その透磁率は低く、常温では
磁性を示さない材料が殆んどである。この材料に浸炭が
生じると、前述の様に炭素と親和性の高い元素、主とし
てクロムが炭化物を作って密に析出する。これにより金
属マトリックス中のクロムが減少し、マトリックス部の
透磁率は上昇し、磁性を示すようになる。浸炭層(磁性
体)までの非浸炭層(非磁性体)の厚さを配管外面から
電磁誘導法によって測定し、浸炭の厚さを求める。
米国鋳物協会(ACI)の分類によるHK−40やJISの分類
によるSUS310のような25Cr−20Ni系の材料では、クロム
の減少量に対して透磁率の上昇は、特にクロムの減少量
が少い範囲ではあまり大きくない(学振123委研究報告
第21巻、No.1、66頁、昭和55年3月)、しかし、最
近、特にエチレン分解炉で多く使われているACI分類のH
P(25Cr−35Ni)や、Incoloy800(20Cr−30Ni)等の材
料では、クロムのわずかな減少で透磁率は大きく上昇す
る。これらの材料を使用した場合、酸化されて管外面側
にクロム酸化物が僅か生成しても、金属マトリックス中
に透磁率が大きい領域ができる。このために電磁誘導法
によって非浸炭層(非磁性体)の厚さを配管外面から測
定することは難しくなる。
によるSUS310のような25Cr−20Ni系の材料では、クロム
の減少量に対して透磁率の上昇は、特にクロムの減少量
が少い範囲ではあまり大きくない(学振123委研究報告
第21巻、No.1、66頁、昭和55年3月)、しかし、最
近、特にエチレン分解炉で多く使われているACI分類のH
P(25Cr−35Ni)や、Incoloy800(20Cr−30Ni)等の材
料では、クロムのわずかな減少で透磁率は大きく上昇す
る。これらの材料を使用した場合、酸化されて管外面側
にクロム酸化物が僅か生成しても、金属マトリックス中
に透磁率が大きい領域ができる。このために電磁誘導法
によって非浸炭層(非磁性体)の厚さを配管外面から測
定することは難しくなる。
一方、強磁性体は磁化させると非磁性体の性質に近づ
く。第1図に強磁性体、非磁性体について磁界の強さH
〔A/m〕と比透磁率μrとの関係を示す。磁界の強さH
を大きくしてゆくと強磁性体の比透磁率μrは増加して
ゆくが、更に磁界の強さを大きくしてゆくと次第に減少
して非磁性体の比透磁率1に近づく。すなわち強磁性体
は強い磁界をかけると非磁性体の性質に近づく。なお非
磁性体のものはもともと比透磁率が1であるので磁界の
強さHを大きくしても比透磁率μrは変わらない。本発
明はこの性質を利用するものである。すなわち、本発明
は管外面側に生成した脱クロム層(強磁性体)に強い磁
界をかけることにより脱クロム層の比透磁率を非磁性体
の比透磁率に近づけ、管外面から管内面側の浸炭層まで
はほぼ非磁性体だけとみなして、この非磁性体の厚さを
測定し、全管厚からこの非磁性体の厚さをさしひいて浸
炭の厚さを求めるものである。
く。第1図に強磁性体、非磁性体について磁界の強さH
〔A/m〕と比透磁率μrとの関係を示す。磁界の強さH
を大きくしてゆくと強磁性体の比透磁率μrは増加して
ゆくが、更に磁界の強さを大きくしてゆくと次第に減少
して非磁性体の比透磁率1に近づく。すなわち強磁性体
は強い磁界をかけると非磁性体の性質に近づく。なお非
磁性体のものはもともと比透磁率が1であるので磁界の
強さHを大きくしても比透磁率μrは変わらない。本発
明はこの性質を利用するものである。すなわち、本発明
は管外面側に生成した脱クロム層(強磁性体)に強い磁
界をかけることにより脱クロム層の比透磁率を非磁性体
の比透磁率に近づけ、管外面から管内面側の浸炭層まで
はほぼ非磁性体だけとみなして、この非磁性体の厚さを
測定し、全管厚からこの非磁性体の厚さをさしひいて浸
炭の厚さを求めるものである。
本発明は円筒状の磁石、または、円筒状の磁心の下部
に設けられた磁石、あるいは、円筒状の磁心の下部およ
び上部に設けられた磁石、のうちのいずれかからなる磁
石体と、この磁石体の外周部の下部または下部および上
部に周設したコイルからなる浸炭厚さ測定用プローブを
用い、このプローブを被検体である管外面側に接触また
は近接して移動させ行われる。
に設けられた磁石、あるいは、円筒状の磁心の下部およ
び上部に設けられた磁石、のうちのいずれかからなる磁
石体と、この磁石体の外周部の下部または下部および上
部に周設したコイルからなる浸炭厚さ測定用プローブを
用い、このプローブを被検体である管外面側に接触また
は近接して移動させ行われる。
小さい範囲で円形状に生じた浸炭層を感度良く検出す
るためにプローブにはコイルの外周部に円筒状の磁心を
設けても良い。
るためにプローブにはコイルの外周部に円筒状の磁心を
設けても良い。
円筒状の磁石、円筒状の磁心の下部または下部および
上部に設けた磁石によって脱クロム層を非磁性体に近づ
ける。磁石としては永久磁石または電磁石が用いられ
る。また磁心としてはニッケル、クロム、モリブデン鋼
(SNCM439)または鉄、ニッケル磁性合金(PC)等の高
透磁率鋼が用いられる。脱クロム層によっても多少こと
なるが、磁界の強さが約5KA/mで磁束密度は飽和するの
で、これ以上の磁界の強さを有する磁石を用いることに
より脱クロム層を非磁性体に近づけることができる。
上部に設けた磁石によって脱クロム層を非磁性体に近づ
ける。磁石としては永久磁石または電磁石が用いられ
る。また磁心としてはニッケル、クロム、モリブデン鋼
(SNCM439)または鉄、ニッケル磁性合金(PC)等の高
透磁率鋼が用いられる。脱クロム層によっても多少こと
なるが、磁界の強さが約5KA/mで磁束密度は飽和するの
で、これ以上の磁界の強さを有する磁石を用いることに
より脱クロム層を非磁性体に近づけることができる。
プローブ内の1または2個のコイルに交流を印加し、
コイルのインピーダンスを検出する。コイルは2個プロ
ーブ内に設けても良いし、1個を外部に設けても良い。
また、外部に設ける場合はコイルでなく固有抵抗でもよ
い。
コイルのインピーダンスを検出する。コイルは2個プロ
ーブ内に設けても良いし、1個を外部に設けても良い。
また、外部に設ける場合はコイルでなく固有抵抗でもよ
い。
インピーダンスの位相角と浸炭層までの厚さとの間に
は相関関係があるので、浸炭層までの厚さ、すなわち浸
炭層の厚さは従来の方法と同じように求めることができ
る。
は相関関係があるので、浸炭層までの厚さ、すなわち浸
炭層の厚さは従来の方法と同じように求めることができ
る。
以下、本発明を図面に基いて詳細に説明する。
第2図は被検体である酸化と浸炭が生じた輻射管と輻
射管に接触または近接させた本発明に用いられるプロー
ブの一例を示す模式図である。図中、点線は磁力線の様
子を表したものである。
射管に接触または近接させた本発明に用いられるプロー
ブの一例を示す模式図である。図中、点線は磁力線の様
子を表したものである。
輻射管外面側が高温の燃焼ガス雰囲気にさらされると
酸化されて管外面側には強磁性体の脱クロム層(1)が
生じる。管内面側では高温の炭化水素により強磁性体の
浸炭層(3)が生じる。これらの層の間に非磁性体の非
浸炭層(2)が存在する。
酸化されて管外面側には強磁性体の脱クロム層(1)が
生じる。管内面側では高温の炭化水素により強磁性体の
浸炭層(3)が生じる。これらの層の間に非磁性体の非
浸炭層(2)が存在する。
プローブ中に組み込まれた磁石(4)と円筒状磁心
(5a)によって形成される磁束によって管外面側の強磁
性体の脱クロム層(1)を磁化させることにより、この
強磁性体の脱クロム層(1)が磁化されて比透磁率が1
の非磁性体に近づく。磁石(4)は永久磁石または電磁
石が用いられる。円筒状磁心(5b)は小さい範囲で円形
状に生じた浸炭層を検出するのに有効である。
(5a)によって形成される磁束によって管外面側の強磁
性体の脱クロム層(1)を磁化させることにより、この
強磁性体の脱クロム層(1)が磁化されて比透磁率が1
の非磁性体に近づく。磁石(4)は永久磁石または電磁
石が用いられる。円筒状磁心(5b)は小さい範囲で円形
状に生じた浸炭層を検出するのに有効である。
特定の周波数の交流をコイル(6a)、(6b)に印加
し、そのインピーダンスを検出することによって、強磁
性体の脱クロム層(1)の影響を受けることなく、管外
面から強磁性体の浸炭層(3)までの厚さを測定するこ
とができる。インピーダンスは通常の電磁誘導法と同様
にして検出される。その位相角と浸炭層(3)までの厚
さとの間には相関関係がある。求めた位相角と配管を切
断してマクロエッチ法により実測した浸炭層の厚さを配
管の全肉厚からひくことにより求めた非浸炭層厚さとの
関係を予め求めておくと、次に位相角を求めることによ
り浸炭層の厚さが求められる。この相関関係は配管材料
組成によって異なるので、各材料組成について予め求め
ておく必要がある。
し、そのインピーダンスを検出することによって、強磁
性体の脱クロム層(1)の影響を受けることなく、管外
面から強磁性体の浸炭層(3)までの厚さを測定するこ
とができる。インピーダンスは通常の電磁誘導法と同様
にして検出される。その位相角と浸炭層(3)までの厚
さとの間には相関関係がある。求めた位相角と配管を切
断してマクロエッチ法により実測した浸炭層の厚さを配
管の全肉厚からひくことにより求めた非浸炭層厚さとの
関係を予め求めておくと、次に位相角を求めることによ
り浸炭層の厚さが求められる。この相関関係は配管材料
組成によって異なるので、各材料組成について予め求め
ておく必要がある。
〈実施例〉 以下、本発明を実施例に基いて詳細に説明するが、本
発明はこの実施例に制限されない。
発明はこの実施例に制限されない。
エチレン分解炉に使用され、管外面側には強磁性体の
脱クロム層が約0.3mmの厚さで生じていたHP合金輻射管
の管内面側に強磁性体の炭素鋼円筒を焼ばめして模擬浸
炭試験配管を作製した。炭素鋼円筒の内径は一定とし、
厚さを1mm、2mm、3mmと変え、一方輻射管の内側はそれ
にあわせて削除し、試験配管として3種類用意した。
脱クロム層が約0.3mmの厚さで生じていたHP合金輻射管
の管内面側に強磁性体の炭素鋼円筒を焼ばめして模擬浸
炭試験配管を作製した。炭素鋼円筒の内径は一定とし、
厚さを1mm、2mm、3mmと変え、一方輻射管の内側はそれ
にあわせて削除し、試験配管として3種類用意した。
第2図に示したものと同じ構成からなる測定用プロー
ブを用い、プローブ内の磁石を取りつけた場合と外した
場合、すなわち脱クロム層を磁化した場合としない場合
について、3種類の模擬浸炭試験配管の非磁性体の厚さ
の測定を行った。外径28mm、内径12mm、厚さ1.9mmの円
板状の永久磁石(住友特殊金属(株)製;CORMAX2000、
残留磁束密度が0.92テスラー、保磁力が512KA/m)2枚
を円筒状磁心(5a)の上下に取りつけて磁石として用い
た。
ブを用い、プローブ内の磁石を取りつけた場合と外した
場合、すなわち脱クロム層を磁化した場合としない場合
について、3種類の模擬浸炭試験配管の非磁性体の厚さ
の測定を行った。外径28mm、内径12mm、厚さ1.9mmの円
板状の永久磁石(住友特殊金属(株)製;CORMAX2000、
残留磁束密度が0.92テスラー、保磁力が512KA/m)2枚
を円筒状磁心(5a)の上下に取りつけて磁石として用い
た。
得られた位相角と非浸炭層の厚さの関係を第3図に示
した。脱クロム層を強く磁化した場合には位相角と非浸
炭層の厚さとの間には、良好な相関関係が成立し、磁化
しない場合には相関関係は成立していない。
した。脱クロム層を強く磁化した場合には位相角と非浸
炭層の厚さとの間には、良好な相関関係が成立し、磁化
しない場合には相関関係は成立していない。
エチレン分解炉で使用され内面側に実際に浸炭が生
じ、また管外面側には約0.3mm程の脱クロム層が生じたH
P遠心鋳造管について上記模擬浸炭試験配管の測定と同
様にして測定した。第4図に配管をを切断してマクロエ
ッチ法により実測した浸炭層の厚さを配管の全管厚から
差し引くことにより求めた非浸炭層の厚さと位相角との
関係を示す。図中、●、■、▲印は異なる分解炉からの
HP遠心鋳造管についての結果である。非浸炭層の厚さと
位相角との間に以下の通りの良好な相関関係が成立して
いる。
じ、また管外面側には約0.3mm程の脱クロム層が生じたH
P遠心鋳造管について上記模擬浸炭試験配管の測定と同
様にして測定した。第4図に配管をを切断してマクロエ
ッチ法により実測した浸炭層の厚さを配管の全管厚から
差し引くことにより求めた非浸炭層の厚さと位相角との
関係を示す。図中、●、■、▲印は異なる分解炉からの
HP遠心鋳造管についての結果である。非浸炭層の厚さと
位相角との間に以下の通りの良好な相関関係が成立して
いる。
Y=10.1×0.985X (式中、Yは非浸炭層の厚さをXは位相角を表す。) 〈発明の効果〉 本発明の方法により、管外面に生じる脱クロム層の磁
性の影響を受けることなく、浸炭層の厚さを容易に精度
良く測定することができる。
性の影響を受けることなく、浸炭層の厚さを容易に精度
良く測定することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は強磁性体の磁界の強さと比透磁率との関係を示
す図、第2図は本発明に用いられるプローブの一例の模
式図、第3図は模擬浸炭試験配管を用いて、脱クロム層
の磁化の有無による非浸炭層の厚さ変化を測定した結果
を示す図、第4図はエチレン分解炉で使用中にHP合金輻
射管の内面側に浸炭が生じた材料について非浸炭層の厚
さ変化を測定した結果を示す図である。 図中、●、■、▲印は異なる分解炉からのHP遠心鋳造管
についての値であり、一点鎖線および鎖線は平均値から
の差がそれぞれ1mmおよび1.5mmの位置を示す。 (1)……強磁性体の脱クロム層 (2)……非磁性体の非浸炭層 (3)……強磁性体の浸炭層 (4)……磁石 (5a)円筒状磁心 (5b)円筒状磁心 (6a)コイル (6b)コイル
す図、第2図は本発明に用いられるプローブの一例の模
式図、第3図は模擬浸炭試験配管を用いて、脱クロム層
の磁化の有無による非浸炭層の厚さ変化を測定した結果
を示す図、第4図はエチレン分解炉で使用中にHP合金輻
射管の内面側に浸炭が生じた材料について非浸炭層の厚
さ変化を測定した結果を示す図である。 図中、●、■、▲印は異なる分解炉からのHP遠心鋳造管
についての値であり、一点鎖線および鎖線は平均値から
の差がそれぞれ1mmおよび1.5mmの位置を示す。 (1)……強磁性体の脱クロム層 (2)……非磁性体の非浸炭層 (3)……強磁性体の浸炭層 (4)……磁石 (5a)円筒状磁心 (5b)円筒状磁心 (6a)コイル (6b)コイル
Claims (2)
- 【請求項1】電磁誘導法によって配管の内面側に生じた
浸炭厚さを測定する方法において、測定用プローブに組
み込んだ磁石によって形成される磁束によって配管の外
面側に生じた強磁性体の脱クロム層を磁化することによ
り、脱クロム層の比透磁率を非磁性体の比透磁率に近づ
けて配管の外面側に生じた強磁性体の影響を排除して行
うことを特徴とする浸炭厚さの測定方法。 - 【請求項2】円筒状の磁石、または、円筒状の磁心の下
部に設けられた磁石、あるいは、円筒状の磁心の下部お
よび上部に設けられた磁石、のうちのいずれかからなる
磁石体と、この磁石体の外周部の下部または下部および
上部に周設したコイルからなる浸炭厚さ測定用プロー
ブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5008790A JP2616105B2 (ja) | 1989-02-28 | 1990-02-28 | 浸炭厚さの測定方法および測定用プローブ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4956089 | 1989-02-28 | ||
JP1-49560 | 1989-02-28 | ||
JP5008790A JP2616105B2 (ja) | 1989-02-28 | 1990-02-28 | 浸炭厚さの測定方法および測定用プローブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03218456A JPH03218456A (ja) | 1991-09-26 |
JP2616105B2 true JP2616105B2 (ja) | 1997-06-04 |
Family
ID=26389974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5008790A Expired - Fee Related JP2616105B2 (ja) | 1989-02-28 | 1990-02-28 | 浸炭厚さの測定方法および測定用プローブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2616105B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006234535A (ja) * | 2005-02-24 | 2006-09-07 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 渦流探傷試験用プローブ |
JP2010164483A (ja) * | 2009-01-16 | 2010-07-29 | Idemitsu Eng Co Ltd | 非破壊検査装置および非破壊検査方法 |
JP5456405B2 (ja) * | 2009-07-30 | 2014-03-26 | 古河電池株式会社 | 検査装置 |
CN116773645B (zh) * | 2023-08-24 | 2023-11-10 | 中国特种设备检测研究院 | 一种合金管道渗碳损伤程度确定方法、系统及电子设备 |
-
1990
- 1990-02-28 JP JP5008790A patent/JP2616105B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03218456A (ja) | 1991-09-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4855676A (en) | Ferromagnetic eddy current probe having transmit and receive coil assemblies | |
EP0646790B1 (en) | Method and apparatus for detecting embrittlement of metal material | |
US5117182A (en) | Ferromagnetic eddy current probe having multiple levels of magnetization | |
Tomáš et al. | Magnetic adaptive testing | |
Le Manh et al. | Novel method for the accurate determination of magnetocrystalline energy from Barkhausen noise in ferromagnetic materials | |
CA2420318A1 (en) | Method for detecting cracks in electrically conducting materials | |
JP2616105B2 (ja) | 浸炭厚さの測定方法および測定用プローブ | |
Tanner et al. | Magnetic and metallurgical properties of high-tensile steels | |
US6320375B1 (en) | Method for detection of rare earth metal oxide inclusions in titanium and other non-magnetic or metal alloy castings | |
US20030034776A1 (en) | Method and facility for storing and indexing web browsing data | |
JP3629262B2 (ja) | 原子炉圧力容器劣化検定方法及び装置 | |
Tomáš et al. | Optimization of fatigue damage indication in ferromagnetic low carbon steel | |
JP3648225B2 (ja) | 原子炉圧力容器劣化検定方法及び装置 | |
JPH04296648A (ja) | 磁気探傷方法および装置 | |
WO2019064684A1 (ja) | 渦電流探傷装置 | |
JPH07128294A (ja) | 原子炉圧力容器劣化検定方法及び装置 | |
JPH01119756A (ja) | 金属材料の劣化検査装置 | |
JPH0445071B2 (ja) | ||
CA1293024C (en) | Ferromagnetic eddy current probe | |
Shanaurin et al. | SM-401 magnetic structuroscope | |
Vértesy et al. | Influence of the size of sample in magnetic adaptive testing | |
JP2012037315A (ja) | Crを含有するフェライト系鋼管の炭素総量測定機及び浸炭深さ評価装置 | |
Sakai et al. | Evaluation of Hardened and Non-Hardened Regions Using Eddy Current Testing | |
JPS626155A (ja) | 浸炭計測用プル−ブ | |
JP2024018348A (ja) | 焼入れ深さ評価方法および焼入れ深さ評価装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090311 Year of fee payment: 12 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |