JP2615439B2 - 振動型ジャイロ装置 - Google Patents

振動型ジャイロ装置

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JP2615439B2
JP2615439B2 JP7016638A JP1663895A JP2615439B2 JP 2615439 B2 JP2615439 B2 JP 2615439B2 JP 7016638 A JP7016638 A JP 7016638A JP 1663895 A JP1663895 A JP 1663895A JP 2615439 B2 JP2615439 B2 JP 2615439B2
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孝 臼田
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は角速度を検出するジャイ
ロ装置に関するものであり、さらに詳しくは電磁的、圧
電的手段を励振源とした振動型ジャイロ装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の振動型ジャイロ装置は、例えば特
開昭60−185111号公報に提案されているよう
に、運動する主振動体(音叉)に入力した角速度を、コ
リオリの力に比例して捻り振動を行う捻り振動系の変位
として検出するものである。
【0003】図2は振動型ジャイロ装置の代表例である
音叉型ジャイロ装置を示す図である。図において、主振
動体である音叉1は、撓み軸(支持軸)3を介して基台
2に取り付けられ、全体として撓み軸3を中心とする捻
り振動系を構成する。音叉1の上端に近い位置に、変位
検出器6および励振装置4が取り付けられている。駆動
増幅器(交流信号源)5は、変位検出器6からのフィー
ドバック信号を基にして駆動信号を励振装置4に出力
し、音叉1をそのU字状の面1aと平行な方向に振動さ
せ、その振動振幅を一定に制御する。この制御によっ
て、音叉1はその固有振動数において一定振幅を保ち振
動する。音叉1の撓み軸(支持軸、Z軸)3の軸まわり
に、角速度Ωが入力されると、音叉1の振動速度vおよ
び入力角速度Ωに対応したコリオリの力Fcが、図に示
すように発生し、これにより、音叉1全体が撓み軸3を
中心として交番的に回転し、捻り振動する。この捻り振
動はFcに比例した振幅を持つ振幅変調波とみなすこと
ができ、その振幅を音叉1の基部1cに設けた捻り振動
検出器8で検出し、この検出信号と駆動増幅器5の信号
とを、デモジュレータ70で同期検波することにより入
力角速度Ωを検出することができる。そして、この振動
型ジャイロ装置では、角速度Ωの検出感度を上げるため
には、交番的に発生するコリオリの力Fcによる捻り振
動の振幅が大きいことが必要であり、これは、主振動体
である音叉1の固有振動数と、撓み軸3を中心とする捻
り振動系の固有振動数を正確に一致させること、および
捻り振動における減衰係数を小さくすることにより実現
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記2つの固
有振動数を正確に一致させることは製造上非常に困難で
コストも高く付き、かつ一致させたとしても温度変化な
どにより固有振動数は容易に変動する。また、捻り振動
系の減衰係数を小さくすると、角速度の変動に対する検
出帯域が低下し、固有振動数変化により検出感度も大き
く変化してしまう。したがって、角速度Ωの検出感度を
向上させるのは困難であった。本発明は、上記のような
従来技術の課題を解決するものであり、角速度を検出す
る際の検出感度を容易に上げることができる振動型ジャ
イロ装置を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の振動型ジャイロ装置は、支持軸で支持した
音叉と、上記音叉を、その音叉のU字状の面と平行な方
向に音叉の固有振動数および一定振幅で振動させる第1
の励振系と、上記音叉を支持軸を中心に交番的に回転さ
せ、その支持軸を中心とする捻り振動系をその固有振動
数で捻り振動させる第2の励振系と、上記捻り振動数を
検出する捻り振動検出器と、上記音叉に角速度を加えた
ときのその角速度を検出する角速度検出器と、を有し、
上記角速度検出器は、上記音叉を第1の励振系および第
2の励振系で振動させた状態で音叉に角速度を加えたと
きに変化を受ける捻り振動数を捻り振動検出器で検出
し、その検出した捻り振動数と、上記捻り振動系の固有
振動数との差分から上記角速度を検出することを特徴と
する。
【0006】
【作用】上述したように、本発明によれば、主振動体
(音叉)および捻り振動系をそれぞれの固有振動数で振
動させておき、音叉に角速度を加えたときの捻り振動検
出器の振動数を検出する。音叉には、角速度に比例した
コリオリの力が発生し、このときのコリオリの力は捻り
振動系の見かけ上のバネ剛性を変化させるので、コリオ
リの力に比例して捻り振動系の振動数は変化する。これ
は、弦の固有振動数が張力によって変化するのと同じ原
理である。したがって、捻り振動系の捻り振動数(周波
数)は、固有振動数を中心に周波数変調されたものにな
り、その振動数の固有振動数に対する差分は入力した角
速度に比例するので、捻り振動数を検出し固有振動数と
の差分を求めることにより、角速度を検出することがで
きる。
【0007】
【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は本発明の振動型ジャイロ装置の全
体構成を示す図である。この図1に示した振動型ジャイ
ロ装置は、図2の従来例と同様に音叉型ジャイロ装置で
あり、図2と同一の構成要素には同一の符号を付してそ
の説明を省略する。図2の従来例と異なるのは、捻り振
動系を固有振動数で振動させるための励振装置9を付加
したこと、およびデモジュレータ7が周波数検波装置と
なることである。
【0008】励振装置9は、撓み軸3に音叉1の一方の
側端面(U字状の面)1aと平行に水平に固定した棒状
のものであり、その先端には励振源9aが設けてある。
駆動増幅器(交流信号源)50は、駆動信号をその励振
源9aに出力して振動させ、撓み軸3にその固有振動数
での捻り振動を行わせる。なお上述したように、主振動
体である音叉1は、撓み軸3を介して基台2に取り付け
られ、全体として撓み軸3を中心とする捻り振動系を構
成しており、固有振動数はその捻り振動系全体に固有の
ものであるが、それは撓み軸3や捻り振動検出器8の持
つ固有振動数でもあるといえる。
【0009】捻り振動系をその固有振動数で振動させて
おき、音叉1に任意の角速度Ωを加えたときの捻り振動
系の振動数を捻り振動検出器8で検出する。デモジュレ
ータ(角速度検出器)7は、その捻り振動検出器8から
の検出信号を受け取るとともに、駆動増幅器50から固
有振動数の信号を受け取り、その周波数に関して同期検
波して角速度Ωを検出する。すなわち、捻り振動検出器
8が検出した振動数と、捻り振動系の固有振動数との差
分を求めて、角速度Ωを検出する。なお、デモジュレー
タ7はAGC(利得調整装置)、バンドパスフィルタお
よび周波数弁別器などからなり、これは通常用いられる
周波数検波装置で実現できる。
【0010】このようにして角速度Ωを検出できるの
は、以下の理由による。すなわち、捻り振動系をその固
有振動数で振動させておき、音叉1に角速度Ωを加える
と、音叉には、角速度Ωに比例したコリオリの力Fcが
発生し、このときのコリオリの力Fcは捻り振動系の見
かけ上のバネ剛性を変化させるので、弦の固有振動数が
張力によって変化するのと同じ原理に従って、コリオリ
の力Fcに比例して捻り振動系の振動数は変化する。し
たがって、捻り振動系の振動数は、固有振動数を中心に
周波数変調されたものになり、その振動数の固有振動数
に対する差分は入力した角速度Ωに比例するので、振動
数を検出し固有振動数との差分を求めることにより、角
速度を検出することができる。
【0011】このように、励振装置9を設けて撓み軸3
を固有振動数で捻り振動させておき、音叉1に角速度Ω
を加えたときの捻り振動検出器8の振動数と固有振動数
との差分を求めることにより、角速度Ωを検出するよう
にしたので、簡単な構成かつ低コストで角速度Ωを検出
することができ、音叉(主振動体)1の固有振動数と捻
り振動系の固有振動数とを一致させて振幅を大きくする
ような複雑な手法を用いることなく、容易に角速度Ωの
検出感度を上げることができる。
【0012】また、コリオリの力Fcが作用すると角速
度Ωに応じて即座に振動数の変化が生じるため、捻り振
動系の減衰係数が小さくても、角速度Ωに対する検出帯
域は低下せず、減衰係数の大小によらずに角速度Ωを精
度良く検出することができる。
【0013】さらに、検出信号が周波数変調されている
ため、復調するまでの雑音や外乱に強く、安定した精度
の良い測定を行うことができる。
【0014】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、捻り振動
系をその固有振動数で振動させておき、音叉に角速度を
加えたときの捻り振動検出器の振動数と固有振動数との
差分を求めることにより、角速度を検出するようにした
ので、簡単な構成かつ低コストで角速度を検出すること
ができ、音叉(主振動体)の固有振動数と捻り振動系の
固有振動数とを一致させて振幅を大きくするような複雑
な手法を用いることなく、容易に角速度の検出感度を上
げることができる。また、コリオリの力が作用すると角
速度に応じて即座に振動数の変化が生じるため、捻り振
動系の減衰係数が小さくても、角速度に対する検出帯域
は低下せず、減衰係数の大小によらずに角速度を精度良
く検出することができる。さらに、検出信号が周波数変
調されているため、復調するまでの雑音や外乱に強く、
安定した精度の良い測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動型ジャイロ装置の構成を示す斜視
図である。
【図2】従来の振動型ジャイロ装置の構成を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 音叉(主振動体) 2 基台 3 撓み軸(支持軸) 4 励振装置 5,50 駆動増幅器(交流信号源) 6 変位検出器 7 デモジュレータ(角速度検出器) 8 捻り振動検出器 9 励振装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持軸で支持した音叉と、 上記音叉を、その音叉のU字状の面と平行な方向に音叉
    の固有振動数および一定振幅で振動させる第1の励振系
    と、 上記音叉を支持軸を中心に交番的に回転させ、その支持
    軸を中心とする捻り振動系をその固有振動数で捻り振動
    させる第2の励振系と、 上記捻り振動数を検出する捻り振動検出器と、 上記音叉に角速度を加えたときのその角速度を検出する
    角速度検出器と、 を有し、 上記角速度検出器は、上記音叉を第1の励振系および第
    2の励振系で振動させた状態で音叉に角速度を加えたと
    きに変化を受ける捻り振動数を捻り振動検出器で検出
    し、その検出した捻り振動数と、上記捻り振動系の固有
    振動数との差分から上記角速度を検出する、 ことを特徴とする振動型ジャイロ装置。
JP7016638A 1995-02-03 1995-02-03 振動型ジャイロ装置 Expired - Lifetime JP2615439B2 (ja)

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JPH08210857A JPH08210857A (ja) 1996-08-20
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU6547786A (en) * 1985-10-21 1987-05-05 Sundstrand Data Control, Inc. Synchronous fm digital detector
JP2535396B2 (ja) * 1988-07-23 1996-09-18 ローベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 角速度測定装置

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JPH08210857A (ja) 1996-08-20

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