JP2615409B2 - 熱分解による窒化ホウ素の合成法 - Google Patents
熱分解による窒化ホウ素の合成法Info
- Publication number
- JP2615409B2 JP2615409B2 JP34355993A JP34355993A JP2615409B2 JP 2615409 B2 JP2615409 B2 JP 2615409B2 JP 34355993 A JP34355993 A JP 34355993A JP 34355993 A JP34355993 A JP 34355993A JP 2615409 B2 JP2615409 B2 JP 2615409B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- boron nitride
- boron
- pyrolysis
- synthesis
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱分解により窒化ホウ
素膜を合成する方法に関する。
素膜を合成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
緻密質の窒化ホウ素としては、熱分解窒化ホウ素(pB
N)が知られており、pBNはその高耐熱性、高温強
度、低反応性等から、シリコンやIII−V族半導体結晶
製造用の坩堝等に用いられている。
緻密質の窒化ホウ素としては、熱分解窒化ホウ素(pB
N)が知られており、pBNはその高耐熱性、高温強
度、低反応性等から、シリコンやIII−V族半導体結晶
製造用の坩堝等に用いられている。
【0003】このpBNの製造法としては、従来は、5
0Torr以下の低圧及び1800℃以上の高温で、塩化
ホウ素(BCl3)とアンモニアガス(NH3)(NH3/BCl
3>1の組成より)を熱分解し、黒鉛材料上に析出させる
ことにより行われている。
0Torr以下の低圧及び1800℃以上の高温で、塩化
ホウ素(BCl3)とアンモニアガス(NH3)(NH3/BCl
3>1の組成より)を熱分解し、黒鉛材料上に析出させる
ことにより行われている。
【0004】しかし、緻密質の窒化ホウ素がより高い圧
力、例えば、1気圧で合成できることになれば、製造装
置及び製造プロセスの簡略化ができることになる。
力、例えば、1気圧で合成できることになれば、製造装
置及び製造プロセスの簡略化ができることになる。
【0005】本発明は、かゝる事情のもとで、緻密質の
窒化ホウ素を1気圧下でも合成できる方法を提供するこ
とを目的としている。
窒化ホウ素を1気圧下でも合成できる方法を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために熱分解法の条件を種々検討した結果、
1気圧の如く高い圧力下で緻密質の窒化ホウ素が得られ
ることを見い出し、ここに本発明を完成するに至ったも
のである。
を解決するために熱分解法の条件を種々検討した結果、
1気圧の如く高い圧力下で緻密質の窒化ホウ素が得られ
ることを見い出し、ここに本発明を完成するに至ったも
のである。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、ホウ素源とし
て三フッ化ホウ素を用い、窒素源として含窒素化合物を
用いて、全ガス中のH/Fの比が1以下であるガス組成
から、反応圧力が10 −4 〜10 2 気圧の範囲で熱分解
により、1100〜2000℃に加熱した基体上に窒化
ホウ素を析出させることを特徴とする窒化ホウ素の合成
法を要旨としている。
て三フッ化ホウ素を用い、窒素源として含窒素化合物を
用いて、全ガス中のH/Fの比が1以下であるガス組成
から、反応圧力が10 −4 〜10 2 気圧の範囲で熱分解
により、1100〜2000℃に加熱した基体上に窒化
ホウ素を析出させることを特徴とする窒化ホウ素の合成
法を要旨としている。
【0008】
【作用】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0009】本発明でいう緻密質の窒化ホウ素とは、そ
の密度が1.95g/cm3以上のものであり、その合成法
は、ホウ素源として三フッ化ホウ素を用い、かつガス組
成をH/F<1とすることを最も特徴としている。
の密度が1.95g/cm3以上のものであり、その合成法
は、ホウ素源として三フッ化ホウ素を用い、かつガス組
成をH/F<1とすることを最も特徴としている。
【0010】原料としては、ホウ素源として三フッ化ホ
ウ素を用い、窒素源としてアンモニア、窒素ガス、三フ
ッ化窒素、ヒドラジン、四フッ化ヒドラジン等の窒素を
含む化合物(含窒素化合物)の1種或いは数種を同時に用
いる。その他に希釈ガス或いは反応ガスとしてアルゴ
ン、ヘリウム等の希ガス或いは水素のうちの1種或いは
それらの混合ガスを加えても良いが、全体のガス組成が
H/F<1となるようにすることが必要である。
ウ素を用い、窒素源としてアンモニア、窒素ガス、三フ
ッ化窒素、ヒドラジン、四フッ化ヒドラジン等の窒素を
含む化合物(含窒素化合物)の1種或いは数種を同時に用
いる。その他に希釈ガス或いは反応ガスとしてアルゴ
ン、ヘリウム等の希ガス或いは水素のうちの1種或いは
それらの混合ガスを加えても良いが、全体のガス組成が
H/F<1となるようにすることが必要である。
【0011】本発明においては、フッ素が重要な役割を
していると思われるが、その詳細な作用は明らかでな
い。H/F<1である必要性の理由も不明であるが、1
つの可能性として、緻密質の窒化ホウ素の合成にはある
種のフッ素とホウ素を含む化学種が必要であり、水素量
が増加するとフッ素が気相中でHFとなってしまい、化
学種が少なくなるためと考えられる。
していると思われるが、その詳細な作用は明らかでな
い。H/F<1である必要性の理由も不明であるが、1
つの可能性として、緻密質の窒化ホウ素の合成にはある
種のフッ素とホウ素を含む化学種が必要であり、水素量
が増加するとフッ素が気相中でHFとなってしまい、化
学種が少なくなるためと考えられる。
【0012】反応圧力は10-4〜102気圧を用いるこ
とができるが、析出速度、装置の取扱いの点で10-2〜
10気圧が適当である。
とができるが、析出速度、装置の取扱いの点で10-2〜
10気圧が適当である。
【0013】本発明で窒化ホウ素を析出させる基体は、
シリコン等の半導体、石英等の絶縁体のほか、炭化タン
グステンや、モリブデン等の金属のいずれでも、その融
点以下であれば用いることができ、特に制限はない。
シリコン等の半導体、石英等の絶縁体のほか、炭化タン
グステンや、モリブデン等の金属のいずれでも、その融
点以下であれば用いることができ、特に制限はない。
【0014】反応は700℃以上で可能であるが、析出
速度の点で、基体温度は1100℃以上が良い。上限は
窒化ホウ素の分解圧とフッ素の反応性のため、2000
℃である。基体の加熱法は、基体の誘導加熱、基体の通
電加熱等によるコールドウォール型でも、或いは反応容
器外から加熱するホットウォール型でも、いずれでも良
い。
速度の点で、基体温度は1100℃以上が良い。上限は
窒化ホウ素の分解圧とフッ素の反応性のため、2000
℃である。基体の加熱法は、基体の誘導加熱、基体の通
電加熱等によるコールドウォール型でも、或いは反応容
器外から加熱するホットウォール型でも、いずれでも良
い。
【0015】次に、本発明により窒化ホウ素を合成する
手順の例を、実施例を用いて説明する。実施例1は高周
波誘導加熱により基体を加熱した例であるが、前述のよ
うに反応容器外からの外部加熱法でも可能であることは
云うまでもない。
手順の例を、実施例を用いて説明する。実施例1は高周
波誘導加熱により基体を加熱した例であるが、前述のよ
うに反応容器外からの外部加熱法でも可能であることは
云うまでもない。
【0016】
【実施例】図1に示す高周波誘導加熱装置において、黒
鉛基体3を支柱4上におき、0.02Torrまで排気後、
ガス供給器6よりバルブ7を通して、H2+BF3+N
2(2mリットル/min+10mリットル/min+3リットル
/min)を流し、1気圧にした後、高周波発振器11から
の400KHz、5kWの電力をワークコイル12に供
給し、基体を1400℃に加熱した。2時間後、黒鉛基
体上に得られた膜をX線回折、赤外吸収スペクトル、光
電子分光スペクトルにより調べたところ、窒化ホウ素で
あることが確かめられた。その密度は2.0g/cm3であ
った。反応時の全ガス中のH/Fの比率は4/30であ
った。
鉛基体3を支柱4上におき、0.02Torrまで排気後、
ガス供給器6よりバルブ7を通して、H2+BF3+N
2(2mリットル/min+10mリットル/min+3リットル
/min)を流し、1気圧にした後、高周波発振器11から
の400KHz、5kWの電力をワークコイル12に供
給し、基体を1400℃に加熱した。2時間後、黒鉛基
体上に得られた膜をX線回折、赤外吸収スペクトル、光
電子分光スペクトルにより調べたところ、窒化ホウ素で
あることが確かめられた。その密度は2.0g/cm3であ
った。反応時の全ガス中のH/Fの比率は4/30であ
った。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
1気圧の高いガス圧下でも、緻密質の窒化ホウ素の合成
が可能である。
1気圧の高いガス圧下でも、緻密質の窒化ホウ素の合成
が可能である。
【図1】本発明により窒化ホウ素を合成するための装置
の一例を示す図である。
の一例を示す図である。
1 反応管 3 基体 4 支柱 5 排気装置 6 ガス供給装置 7 バルブ 7′ バルブ 11 高周波電源 12 ワークコイル
Claims (1)
- 【請求項1】 ホウ素源として三フッ化ホウ素を用い、
窒素源として含窒素化合物を用いて、全ガス中のH/F
の比が1以下であるガス組成から、反応圧力が10 −4
〜10 2 気圧の範囲で熱分解により、1100〜200
0℃に加熱した基体上に窒化ホウ素を析出させることを
特徴とする窒化ホウ素の合成法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34355993A JP2615409B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 熱分解による窒化ホウ素の合成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34355993A JP2615409B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 熱分解による窒化ホウ素の合成法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0826706A JPH0826706A (ja) | 1996-01-30 |
JP2615409B2 true JP2615409B2 (ja) | 1997-05-28 |
Family
ID=18362466
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34355993A Expired - Lifetime JP2615409B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 熱分解による窒化ホウ素の合成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2615409B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-15 JP JP34355993A patent/JP2615409B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
1993年6月17日〜18日 日本学術振興会第153委員会主催「第6回プラズマ材料科学シンポジウム」発表予稿第89頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0826706A (ja) | 1996-01-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4224296A (en) | Super hard-highly pure silicon nitrides, and a process and apparatus for producing the same | |
JP4280412B2 (ja) | けい素・窒素ベースフィルムおよびその製作方法 | |
US11047041B2 (en) | Method and system for preparing polycrystalline group III metal nitride | |
US3771976A (en) | Metal carbonitride-coated article and method of producing same | |
Gordon et al. | Atmospheric pressure chemical vapor deposition of aluminum nitride thin films at 200–250° C | |
US3637423A (en) | Pyrolytic deposition of silicon nitride films | |
US5064686A (en) | Sub-valent molybdenum, tungsten, and chromium amides as sources for thermal chemical vapor deposition of metal-containing films | |
US6383465B1 (en) | Cubic boron nitride and its gas phase synthesis method | |
May et al. | Investigation of the addition of nitrogen-containing gases to a hot filament diamond chemical vapour deposition reactor | |
JP3605634B2 (ja) | 立方晶窒化ホウ素の気相合成法 | |
JPH05254808A (ja) | 窒化ほう素の作製方法 | |
WO2005067578A2 (en) | Method and apparatus for the chemical vapor deposition of materials | |
JP2615409B2 (ja) | 熱分解による窒化ホウ素の合成法 | |
JP2569423B2 (ja) | 窒化ホウ素の気相合成法 | |
JPS6115150B2 (ja) | ||
JP2803396B2 (ja) | ダイヤモンド薄膜合成装置 | |
JPS62243770A (ja) | 高硬度窒化ホウ素の合成方法 | |
JPS6369973A (ja) | 立方晶系窒化ホウ素膜の製造方法 | |
JPS63256596A (ja) | ダイヤモンドの気相合成法 | |
JPS5916968A (ja) | 金属の炭化物若しくは炭窒化物の合成法 | |
JPH05155689A (ja) | 炭素材料作製方法 | |
JP3219832B2 (ja) | 炭化珪素薄膜の作製方法 | |
JP3076846B1 (ja) | 化学気相析出法による鉄ケイ化物の製造方法 | |
JPH01153511A (ja) | 窒化アルミニウムの製造方法 | |
JPS5988307A (ja) | 炭化けい素被覆物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |