JP2613848B2 - アルミナ焼結体の製造方法 - Google Patents

アルミナ焼結体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベーマイト(boehmit
e) を熱処理して得たγ−アルミナ,θ−アルミナ又は
γ,θ−アルミナ混合物等のα−アルミナ前駆体にα−
アルミナシードを添加した後に、ミリング、或いは、ア
ルミナゾルを添加してゲル化し、その後に乾燥及び焼結
過程を経てα−アルミナ焼結体を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に、研削砥粒(abrasive grains)
として主に使用されているα−アルミナの焼結体は、大
概α−アルミナの前駆体(precursor)粉末の焼結により
製造するが、この時、焼結性は粉末の純度、大きさ、及
び分布状態を始めとする外形等により大きく左右され
る。
【0003】α−アルミナ焼結体をα−アルミナ粉末の
焼結により製造する方法以外に、アルミナ単一水化物
(monohydrate)〔AIO(OH)〕をpH2〜3でペプ
タイズ(peptize)させてコロイドアルミナゾル(sol) を
得た後に、これをゲル(gel) 化させ乾燥→仮焼き→焼結
につながる一連の工程を通じα−アルミナ焼結体を製造
する方法が知られており、この方法ではα−アルミナ焼
結体が壊れた形態で得られ主に研削砥粒製造方法に使用
されている。
【0004】一方、Messing の研究論文“Alumina Mono
lith Formation by Flocculation of Boehmite Sols"
〔J.Am.Ceram.Soc.72,1719〜21(1989)〕によれば、コロ
イドアルミナゾルをアンモニアガスを使用して凝集(flo
cculation)させることで、2cm程度の直径を持つひび
(crack)のない焼結体の製造が可能であることを明らか
にしている。
【0005】併し、今まではアルミナの前駆体であるO
H基のないγ,δ,θ−アルミナから緻密なα−アルミ
ナ焼結体を製造する方法に対しては知られておらず、特
に、これらの間では相変化に伴う密度変化が大であるか
ら、これらの成形体から緻密なα−アルミナ焼結体を得
るのは不可能なことであると見做されている。そして、
α−アルミナに微量が含まれているθ−アルミナはα−
アルミナの焼結性を低下させるものと知られている。
【0006】従って、γ,θ−アルミナはα−アルミナ
粉末製造過程の一段階物質としてだけ知られているだけ
で、このγ,θ−アルミナをα−アルミナ焼結体の製造
に利用しようとする研究は殆ど発表されていないのが実
情である。θ−アルミナは、密度が3.48g/cm3
であり、比表面積が約100m2/gで、粒子の大きさ
はd50<0.1μmで、これの製造は価格の低廉なベー
マイトを単純に熱処理して得られる。
【0007】一方、Tsuchida等は“The Effect of Cr
3+ Ions on the Transformation ofDifferent Aluminum
Hydroxides to Alpha-Al2O3 ”〔Thermochim Acta, 6
4, 337−353(1983) 〕でアルミナの前駆体的なη,γ,
δ−アルミナをCr2 3 或いはFe2 3 シーディン
グ(seeding)物質とボールミリングしてその影響をDT
Aで調査して見た結果、θ−アルミナからα−アルミナ
への転移温度が若干ずつ変化するが、これはシーディン
グ効果と言うよりもミリング(milling)による影響と見
られ、反面に共沈に依る水酸化アルミニウムではC
3+,Fe3+によるシーディング効果が分明に現れるこ
とを明らかにしている。
【0008】従来のα−アルミナ焼結体からなる研削砥
粒製造方法として、米国特許第4,314,827号に
は単一水化物(monohydrate)をゾル−ゲル工程を経て焼
結アルミナ研削砥粒を製造する方法が開示されており、
又、米国特許第4,574,003号では、コロイドア
ルミナゾルに焼結助剤としてグリコール(glycols) かポ
リエーテル(Polyether) 等を添加し、焼結密度を3.3
5g/cm3 から3.63g/cm3 に、相対密度を約
8%まで向上させることができることを明らかにしてい
る。
【0009】そして、Messing 等は“Controlled Trans
formation and Sintering of Boehmite Sol-Gel by α
-Alumina Seeding" 〔J.Am.Ceram.Soc.,68,500〜505(19
85)〕で、ベーマイトゾルにα−アルミナをシーディン
グし1200℃で100分間焼結し理論密度99%以上
のアルミナ焼結体を得ることができることを明白にして
いる。
【0010】また、米国特許第4,623,364号、
EP特許出願209,084(1987)及び米国特許
第5,009,676号には、水酸化アルミニウムかベ
ーマイトに少量のα−アルミナをシーディング物質とし
て添加し焼結アルミナ研削砥粒を製造する方法が提示さ
れている。これ以外にも米国特許第4,774,802
号とMessing 等の“Transformation and Microstructur
e Control in Boehmite-Derived Alumina by Ferric Ox
ide Seeding"〔Adv. Ceram. Mat. 3(1988)〕には、ベー
マイトゾルをシーディングすることのできるα−アルミ
ナとα−Fe2 3 の粒子の大きさが15〜100nm
である事実が開示されており、米国特許第4,964,
883号では、150nm以下のα−Fe2 3 をシー
ド(seed)に固溶する時、性能の優秀な研削砥粒の製造が
可能であることが知られている。
【0011】上述の種々の従来のα−アルミナ焼結体製
造方法は、大体にアルミナ単一水化物か水酸化アルミニ
ウムでのシーディング効果はこれをペプタイズして得ら
れるゾル−ゲル,或いは溶液状態のアルミナ前駆体に
0.2μm以下の粒子の大きさを持つ超微粒α−アルミ
ナかα−Fe2 3 を加えゲル化させた後、脱水→乾燥
→仮焼き→焼結につながる一連の製造工程を経てα−ア
ルミナ焼結体を得る形態からなり、このような製造過程
を通じて得られるα−アルミナ焼結体は主に研削砥粒に
使用されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のα−アルミナ焼結体製造方法は、水酸化アルミニ
ウムかアルミナ単一水化物をpH1〜3でペプタイズさ
せコロイドアルミナゾルを得る過程自体が複雑であるだ
けでなく、ペプタイズの為には硝酸を必要とするから腐
食や製造費用が増加するという問題点がある。
【0013】これに加えて、従来のα−アルミナ焼結体
の製造方法では、ゾルの濃度が高くなれば均一な混合が
難しくなるからゾルの固体成分含量(solid content)が
10〜20wt%に低く維持されているため生産性が劣
るという短所がある。従って、本発明は上記の事情に鑑
みなされたもので、ベーマイトからα−アルミナ焼結体
を製造する際に、硝酸を必要とするペプタイズ過程を排
除し製造工程の単純化を図ると共に、固定成分含量を増
大させ生産収率を向上させたα−アルミナ焼結体の製造
方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】このため、請求
項1に記載の発明では、α−アルミナの前駆体を用いて
α−アルミナの焼結体を製造するに際し、ベーマイトを
熱処理して得られたα−アルミナ前駆体を、α−アルミ
ナ粉末が添加された蒸留水に混ぜた後、ミリングして粘
度の高いスリップを得た後、これにアルミナゾルを添加
して得られる粘度の低いスリップに所定の処理を施して
再度粘度の高いスリップを得て、これを乾燥及び仮焼き
した後、焼結することを特徴とする。
【0015】また、α−アルミナ前駆体は、ベーマイト
を850〜1000℃で1〜3時間熱処理して得るよう
にするとよい。かかる熱処理条件によれば、水化物が集
合或いは粒子成長なしに消失するため、粒子サイズを可
能な限り細かくできるが、この条件の範囲外では、この
ような効果を得ることができない。また、α−アルミナ
前駆体は、ベーマイトを500〜1000℃で1〜3時
間熱処理して得るようにしてもよい。
【0016】また、蒸留水に添加するα−アルミナ前駆
体の固体成分含量は、30〜60wt%にするとよい。
固体成分含量が60wt%を越えると均等に混ぜる難し
く、一方、30wt%より少ないと要求する効果を得る
には濃度が薄過ぎる。また、蒸留水に添加するα−アル
ミナ粉末の添加量は、1〜10wt%で粒子の大きさが
50≦0.4μmとするとよい。これは、α−アルミナ
シードは高価であることから、10wt%を越えるとコ
スト的な問題があり、1wt%より少ないと所望の効果
を得ることができない。好ましくは、2〜3wt%の添
加量がよい。
【0017】また、粘度の高いスリップを乾燥させる際
には、薄く広げた状態又は細い直径で押出した状態にし
て行うようにするとよい。また、焼結の工程で、MgO
及び流動パラフィン(Liquid paraffin)の少なくとも1
つを焼結助剤として添加するとよい。また、アルミナゾ
ルを添加する場合には、その添加量は、0.1〜5wt
%のアルミナに該当する量にするとよい。アルミナゾル
の添加量が0.1wt%より少なく、また、5wt%よ
り多いと、α−アルミナに対するθ−アルミナの相対密
度を十分に高くできない。
【0018】また、アルミナゾルの添加により得られる
粘度の低いスリップを再度粘度の高いスリップとする場
合、粘度の低いスリップにベーマイトを添加してもよ
く、粘度の低いスリップをミリング、或いは、放置する
ようにしてもよい。ベーマイトを添加して粘度の高いス
リップを得る場合は、ベーマイトの添加量は、α−アル
ミナ前駆体の40%以下にするとよい。
【0019】即ち、本発明のα−アルミナ焼結体の製造
方法は、α−アルミナのシーディング効果の予想できな
いγ,θ−アルミナ等のα−アルミナ前駆体と既存のア
ルミナシード粒子の大きさよりずっと大きいd50≒0.
40μmのアルミナを蒸留水を入れボールミリングして
ゲル化し、このゲル化したものに少量のアルミナゾル
(以下、Alゾルとする)を加えてゾル化した後に再度
ゲル化させ、このゲル化したものに対して乾燥、仮焼き
と焼結工程を遂行しα−アルミナ焼結体を得るものであ
る。
【0020】このような本発明のα−アルミナ焼結体製
造方法を、より具体的に説明すれば次の通りである。先
ず、ベーマイトを850℃〜1000℃程度で1〜3時
間熱処理する(この場合はθ−アルミナ)か、又は、ベ
ーマイトを500℃〜1000℃程度で1〜3時間熱処
理する(この場合はγ−アルミナ)ことで、α−アルミ
ナ前駆体(θ,γ−アルミナ)が得られるが、このよう
に得られたα−アルミナ前駆体に対し1〜10wt%の
α−アルミナ粉末をシード物質として添加し混合粉末を
蒸留水に分散させてゾル化するようにする。この時、粉
末の量は45〜60wt%に維持させるのが望ましい。
【0021】蒸留水中に分散させたα−アルミナ前駆体
とα−アルミナ粉末は例えば24〜48時間ボールミリ
ングを行い粘度の高いスリップを得る。又は、かかる粘
度の高いスリップに、0.1〜5wt%のアルミナに該
当するAlゾルを加え例えば5〜30分間ミリングし粘
度の非常に低い状態のスリップをゲル化させて再度粘度
の高いスリップを得る。ここで、粘度の低いスリップを
ゲル化するには、単純にスリップを放置するか、ミリン
グを継続するか、スリップにベーマイト粉末を付加的に
加え粉末の粉率を高めながら攪拌を継続することでゲル
化させることができる。
【0022】次に、Alゾル添加前の粘度の高いスリッ
プ或いはAlゾル添加後ゲル化の完了したスリップを、
例えばペトリ皿(petri dish)に薄く広げるか注射器を
利用し細く押出(extrusion)して室温で1時間程度乾燥
した後、50℃のオーブン(oven)で約1時間,そし
て、100℃のオーブンで1時間程度乾燥をする。この
ような乾燥工程に引き続いて仮焼き及び焼結工程を遂行
するが、焼結は1400〜1500℃で10分乃至2時
間維持することでα−アルミナ焼結体が得られる。この
時、1000℃までは3℃/分にし、1000℃で1時
間程度維持した後、1000℃から焼結温度に至るまで
5℃/分とするのが望ましく、また、焼結後の冷却速度
は10℃/分に維持するのが望ましい。これによりひび
が入るのを防止できる。
【0023】以上のような本発明の方法により製造した
α−アルミナ焼結体は焼結密度が3.4〜3.75g/
cm3 を表し、破断面に対するSEM写真分析結果、粒
子(grain )の大きさが0.5〜3μmであり、気孔が
主に閉気孔になっているために研削砥粒としての使用に
適合した諸般条件を具えている。そして、本発明のα−
アルミナ焼結体製造方法は、ベーマイトのペプタイズを
必要としない為に硝酸が必要でなく、又、ベーマイトを
熱処理して得られるα-アルミナ前駆体であるγ,θ−
アルミナ等を使用することで、水化物を含まないアルミ
ナはコロイド状になるのが非常にゆっくりであるため、
スラリーの濃度を増大するのが容易となり固体成分含量
を容易に50〜70wt%に上げることができ、これに
加え本発明はシードに使用するα−アルミナの効果的な
大きさが従来の0.2μm以下であるのに比べd50
0.40μmにもなる大きい粒子で商品化(商品名:A
KP−30)したものをそのまま使用することができる
特徴がある為、本発明の方法は全体的な製造工程が簡単
で製造費用の節減を期することができるのは勿論、生産
収率の向上を図ることのできる効果がある。
【0024】
【実施例】以上のような本発明の技術的特徴と、より具
体的な製造方法は下の実施例を通じ明確に理解されるで
あろう。 実施例1 850℃で1時間熱処理した130.59gのベーマイ
ト(Disperal10/3,Condea,Cem
ie,GMBH)、160mlの蒸留水、3.92gの
アルミナ(AKP−30,Sumitomo,Japa
n)をポリプロピリン筒に入れた後、高純度アルミナボ
ールを使用しミリングした。ミリングが困難な程度に粘
度が高くなったスリップを20g取り出しガラス板の上
に広げて乾燥した(比較例1)。
【0025】ポリプロピリン筒に残ったスリップに少量
(0.1〜1wt%)のAlゾルを加えればスリップが
解け粘度が低くなる。これを更にミリングすれば粘度が
高くなりミリングが困難な程度に高い粘度にする。この
スリップ20gを取り出しガラス板上に広げた後、室温
で乾燥した(比較例2)。筒に残ったスリップに再び少
量のAlゾルを加え比較例2と同じ過程を繰り返して粘
度の高いスリップを乾燥させる(実施例1)。
【0026】これら室温で乾燥したスリップを50℃,
100℃で乾燥後、400℃まで分当り2℃ずつ上げ4
00℃で30分維持した後、分当り3℃ずつ1000℃
まで上げ1時間維持した後、更に分当り5℃ずつ140
0℃、1450°、1500℃まで上げた後、30分間
維持した。これら各比較例1,2と実施例1のα−アル
ミナに対するθ−アルミナの相対密度は、大きい焼結体
片をウォーターイマジョン(water imersion)法で測定
し、その結果を表1に表示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、Alゾル量が本
発明の添加量範囲より少ない比較例1,2ではθ−アル
ミナの焼結密度が低いのに対し、実施例1では良好な焼
結密度を示している。 実施例2〜4 上記の比較例1,2及び実施例1と同一方法でミリング
の困難な状態の粘度の高い3wt%α−アルミナシーデ
ィングされたθ−アルミナスリップを得た後、アルミナ
で1.0wt%に該当する量(アルミナ0.6g/Al
ゾル10mlの濃度)のAlゾルを加え、粘度の低いス
リップとした後、スリップをビーカーに移した。この粘
度の低いスリップを3等分しベーマイトを固体成分の1
5〜40wt%程度加え攪拌を継続し粘度の高いスリッ
プを造った。次に、高粘度のスリップをガラス板上に広
げ室温乾燥した後、実施例1と同様の方法で焼結し密度
変化を調査し、その結果を表2に表示した。
【0029】
【表2】
【0030】表2から明らかなように、各実施例のベー
マイト量においてθ−アルミナの焼結密度は良好な値を
示す。 実施例5〜9 上の実施例2〜4と同様の方法で3wt%α−アルミナ
シーディングされたθ−アルミナスリップにα−アルミ
ナで1.0wt%に該当する量のAlゾルを加え製造し
た淡いスリップをビーカーに移した後、ベーマイトを加
えて6等分した後、添加するAlゾルの量,焼結助剤と
して焼結工程で添加するMgO,流動パラフィンが焼結
体の密度に及ぼす影響を調べ、表3に表示した。尚、本
実施例では、表3中のMgOの量に対応する量のMg
(NO3 2 ・6H2 Oを添加する。Mg(NO3 2
は、加熱処理中にMgOに変化する。
【0031】
【表3】
【0032】MgOは粒子サイズを均一化させる作用が
あり、流動パラフィンは焼結過程を促進させる作用があ
ることはよく知られている。そして、表3から明らかな
ように、本実施例においてMgO及び流動パラフィンの
添加がθ−アルミナの焼結密度にほとんど影響を及ぼさ
ないことがわかり、これらを使用することができること
がわかる。
【0033】実施例10〜11 ベーマイトを500〜800°程度で熱処理すると、γ
−アルミナが得られる。これら実施例においては、α−
アルミナの前駆体としてγ−アルミナを利用する。即
ち、実施例10においてはベーマイトを500°で2時
間、実施例11においては700°で2時間の熱処理を
行う。かかる熱処理条件を除いては、実施例3と同様な
方法で処理しアルミナ焼結体を製造した。この結果を表
4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】表4において、γ−アルミナを前駆体とし
て使用した場合、θ−アルミナの場合よりも相対密度が
若干低下するが、許容可能な結果が得られるということ
がわかる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ベ
ーマイトを加熱して得られるθ、γ−アルミナ等のα−
アルミナ前駆体を用いてα−アルミナ焼結体を得るよう
にしたので、硝酸を使用するベーマイトのペプタイズ工
程が不要となり、製造工程の簡素化を図れα−アルミナ
焼結体の製造コストを節減できる。また、硝酸による装
置の腐食問題がなく、装置寿命が延び経済性が有利であ
る。また、固体成分含量を従来より多くできるので、生
産収率を向上できる。更には、シードに使用するα−ア
ルミナに従来に比べて大きい粒子のものを使用できるの
で、商品化されているものをそのまま使用でき、このよ
うな商品化されているものをそのまま使用することで、
製造工程の簡素化をより図ることができ製造コストを低
減できる。
フロントページの続き (72)発明者 諸 海 俊 大韓民国ソウル特別市蘆原区上溪9洞 647 (72)発明者 孫 基 洛 大韓民国大邱直轄市寿城区黄金洞118 (56)参考文献 特開 昭58−140314(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−アルミナの前駆体を用いてα−アル
    ミナの焼結体を製造するに際し、ベーマイトを熱処理し
    て得られたα−アルミナ前駆体を、α−アルミナ粉末が
    添加された蒸留水に混ぜた後、ミリングして粘度の高い
    スリップを得た後、これにアルミナゾルを添加して得ら
    れる粘度の低いスリップに所定の処理を施して再度粘度
    の高いスリップを得て、これを乾燥及び仮焼きした後、
    焼結することを特徴とするアルミナ焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記α−アルミナ前駆体は、ベーマイト
    を850〜1000℃で1〜3時間熱処理して得ること
    を特徴とする請求項1記載のアルミナ焼結体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記α−アルミナ前駆体は、ベーマイト
    を500〜1000℃で1〜3時間熱処理して得ること
    を特徴とする請求項1記載のアルミナ焼結体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記蒸留水に混入するα−アルミナ前駆
    体の固体成分含量が、30〜60wt%であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のアルミナ
    焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記α−アルミナ粉末の添加量は、1〜
    10wt%で粒子の大きさがd50≦0.4μmであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のア
    ルミナ焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記粘度の高いスリップを乾燥させる際
    には、薄く広げた状態又は細い直径で押出した状態にし
    て行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに
    記載のアルミナ焼結体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記焼結の工程で、MgO及び流動パラ
    フィン(Liquid paraffin)の少なくとも1つを焼結助剤
    として添加することを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    か1つに記載のアルミナ焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アルミナゾルの添加量は、0.1〜
    5wt%のアルミナに該当する量であることを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれか1つに記載のアルミナ焼結体
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記再度粘度の高いスリップを得るため
    の所定の処理が、粘度の低いスリップへのベーマイトの
    添加であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1
    つに記載のアルミナ焼結体の製造方法。
  10. 【請求項10】 ベーマイトの添加量は、前記α−アル
    ミナ前駆体の40%以下であることを特徴とする請求項
    9記載のアルミナ焼結体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記再度粘度の高いスリップを得るた
    めの所定の処理が、粘度の低いスリップをミリングする
    ことである請求項1〜8のいずれか1つに記載のアルミ
    ナ焼結体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記再度粘度の高いスリップを得るた
    めの所定の処理が、粘度の低いスリップを放置すること
    である請求項1〜8のいずれか1つに記載のアルミナ焼
    結体の製造方法。
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