JP2613605B2 - 抗菌物質として有効なヒアルロン酸の重金属塩 - Google Patents

抗菌物質として有効なヒアルロン酸の重金属塩

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Description

【発明の詳細な説明】 本出願は1986年3月14日出願の米国特許出願第840419
号の一部継続出願である。該特許出願の内容は本出願に
含まれるものとする。
発明の背景 本明細書に引用した種々の刊行物には括弧内のアラビ
ア数字で参照符号を付し、明細書末尾の請求の範囲の前
に完全な参考文献目録を添付した。これらの刊行物の記
載は本発明の時点で当業者に公知の技術状態をより十分
に説明するために本明細書に含まれるものとする。
本発明はヒアルロン酸の重金属塩に係る。
ヒアルロン酸は皮膚及び軟骨のごとき動物の種々の結
合組織に存在する。臍帯、滑液、ガラス体液及び雄鶏ト
サカのごとく特にヒアルロン酸を多量に含有する器官も
ある。更に、ヒアルロン酸は種々の微生物例えばA型及
びC型連鎖球菌によって産生される。
皮膚及び軟骨におけるヒアルロン酸の機能は、水と結
合し組織の張度及び弾性を維持することである。関節液
中で粘性ヒアルロン酸溶液は細胞に保護環境を与える潤
滑剤として機能する。雄鶏トサカから採取された超純粋
ヒアルロン酸溶液は数年来眼科手術の支持媒体として使
用されている。E.A.Balazsの米国特許第4141973号明細
書(1979)参照。同様の調製物は競争馬の炎症膝関節の
治療にも有効であることが判明している。ヒアルロン酸
の別の用途として化粧品があり、その高度な親水性を利
用して湿潤用ローションの理想的な成分となる。E.Bala
zsの米国特許第4303676号明細書(1981)参照。
ヒアルロン酸は微生物ブイヨンを含めた前記のごとき
種々の生物ソースから単離された。ヒアルロン酸の単離
及び特性決定に関してはMeyer等、J.Biol.Chem.107、62
9(1934)、J.Biol.Chem.114、689(1936)に記載され
ている。また最近ではMethods in Enzymol.28、73(197
2)に掲載されている。ヒアルロン酸の構造はWeissman
等、J.Am.Chem.Soc.76、1753(1954)及びMeyer、Fed.P
roc.17、1075(1958)によって解明された。別の刊行物
例えばE.A.Balazsの1979年2月27日付けの米国特許第41
41973号明細書は、動物結合組織のごときソースからの
ヒアルロン酸の産生及び精製を記載している。
放射性標識ヒアルロン酸及びそのナトリウム塩は、放
射性標識グルコースを含む発酵ブイヨン中で連鎖球菌を
増殖させることによって産生された(3)。
広範囲の用途をもつ多数の銀化合物が公知である。例
えば、酸化剤として使用可能な酢酸銀及び塩化銀、写真
で使用できる臭化銀及びシュウ酸銀、炭化水素のフッ素
化に使用できる二フッ化銀、銀メッキに使用される塩化
銀及びシアン化銀、触媒として使用できるクロム(VI)
酸銀及び酸化銀等がある。
銀イオンはまた、有効な抗菌物質であることが判明し
ている。これは有意な副作用を伴わず、アレルゲンにな
ることもなく、耐性細菌株の誘発に関連することも少な
い。多くの銀塩は局所投与される感染防止剤又は防腐剤
として有効である。これらの例は、フッ化銀、ヨウ化
銀、乳酸銀、マイルド銀タンパク質(mild silver prot
ein)及び硝酸銀である。乳酸銀及び硝酸銀はまた収れ
ん剤として使用され、ピクリン酸銀及び銀スルファジア
ジンは抗菌剤又は殺菌剤として使用され得る。
銀化合物は銀イオンの経時的放出によって抗菌効果を
生じ、その効果は組織中の遊離イオンの常在に直接関連
すると考えられている。硝酸銀のごとき簡単な銀塩を抗
菌物質として使用することには制約がある。というの
は、何度も投与して有効濃度の銀イオン(10〜20μg/m
l)を存在させる必要があるからである。
より複雑な銀化合物である銀スルファジアジンの使用
によって金属銀イオンの放出はより確実に維持される
が、硝酸銀と銀スルファジアジンの使用は、塩即ち硝酸
塩とスルファジアジンとのアニオン部分によって好まし
くない副作用がしばしば伴う。例えば、スルファジアジ
ンは白血球減少及び免疫抑制活性のごとき副作用をも
つ。別の銀調製物例えば銀箔及び銀ナイロンは細菌使用
され始めたものであるが、これらでは銀イオンの放出が
少なく十分に高い濃度にならない。複合体は最適濃度を
得るために必要な放出イオンを確実に与えることができ
ないので塩の使用が重要になる。
従って、金属銀イオンの放出を維持することができ不
利な副作用が生じない銀化合物の必要性は明らかであ
る。
慢性関節リウマチの特徴は、関節に重い炎症が生じ関
節液に分解ヒアルロン酸が出現することである。重症で
はコルチコステロイド及び金塩例えばチオリンゴ酸ナト
リウム金又はチオ硫酸ナトリウム金のごとき抗炎症在が
関節内に投与される。しかしながらこれらの物質は短時
間しか有効でないため、その作用を持続させる必要があ
る。従って、持続作用をもつ抗炎症剤の発明は、長年の
要望を実現させ抗炎症剤の分野に大きな進歩を与えるこ
とになる。
本発明の目的は、ヒアルロン酸銀、ヒアルロン酸金、
ヒアルロン酸セリウム及びヒアルロン酸タングステンの
ごときヒアルロン酸の重金属塩を提供することである。
本発明の目的はまた、これらの重金属塩を利用して微
生物の増殖を阻害する方法を提供することである。
本発明は、ヒアルロン酸銀及びヒアルロン酸銀含有組
成物の調製方法、並びにヒアルロン酸銀による創傷、火
傷及び感染症特に軟組織感染症及び淋疾性眼炎の治療方
法を提供する。
本発明はまた、任意に抗生物質と併用したヒアルロン
酸銀による角膜炎の治療方法を提供する。
本発明はまた、防臭剤及びクリーム状、ローション状
及びスプレー状の化粧品にヒアルロン酸重金属塩を混合
する方法を提供する。
本発明はまた、ヒアルロン酸金による関節炎及び関節
の炎症の治療に係る。
最後に、本発明の目的は、放射性標識重金属塩、例え
14C AgHAを含有する診断用組成物を提供することであ
る。
発明の概要 本発明はヒアルロン酸の重金属塩、特にヒアルロン酸
銀、ヒアルロン酸金、ヒアルロン酸セリウム及びヒアル
ロン酸タングステンに係る。
本発明はまた、ヒアルロン酸ナトリウム(NaHA)水溶
液を過剰モル量の硝酸銀(AgNO3)水溶液と混合してヒ
アルロン酸銀(AgHA)水溶液を形成し、該溶液からヒア
ルロン酸銀を沈殿させ、沈殿したヒアルロン酸銀を回収
するヒアルロン酸銀の製造方法に係る。
これらのヒアルロン酸の重金属塩は組成物に組み込ま
れ、例えば有効量の重金属塩、例えばヒアルロン酸銀又
はヒアルロン酸金と薬剤として許容されるキャリアとを
含有する薬剤組成物を形成し得る。
これらのヒアルロン酸の重金属塩は抗菌物質として有
効である。特に、微生物を有効量のヒアルロン酸銀と接
触させることによって微生物増殖を阻害し得る。ヒアル
ロン酸銀はまた、有効量のヒアルロン酸銀を感染部に局
所塗布することによって感染部における微生物増殖の阻
害に使用され得る。
重金属塩はまた、防臭剤に混合されても有効であり、
クリーム状、ローション状及びスプレー状の化粧品に使
用することも可能である。
ヒアルロン酸金は関節炎及び関節の炎症の治療にも使
用され得る。このためには有効量のヒアルロン酸金を患
者の関節内に投与する。
本発明はまた、放射性標識ヒアルロン酸の重金属塩を
含有する組成物に係る。
地面の簡単な説明 第1図:AgHAからのAgイオンの徐放 AgHAのAgイオンの放出特性を試験するために、1800μ
gのAgを含有するサンプルを室温で蒸留水に透析した。
第1図の種々の点ではAgHAを収容した透析バッグを500m
lの新鮮蒸留水に移した。各点で水サンプルを取り出し
てAgイオンの濃度を原子吸光によって測定した。第1図
の結果は、Agイオンが緩徐に放出されることを示す。48
時間後に約70%のAgイオン濃度が透析バッグに残存して
いた。
発明の詳細な説明 本発明はヒアルロン酸の重金属塩に係る。より詳細に
は本発明はヒアルロン酸の銀塩、金塩、セリウム塩及び
タングステン塩を包含する。
本発明はまた、ヒアルロン酸ナトリウム(NaHA)水溶
液を過剰モル量の硝酸銀(AgNO3)水溶液と混合してヒ
アルロン酸銀(AgHA)水溶液を形成し、該溶液からヒア
ルロン酸銀を沈殿させ、沈殿したヒアルロン酸銀を回収
するヒアルロン酸銀の製造方法を提供する。ヒアルロン
酸銀沈殿物を回収するためには、ヒアルロン酸銀沈殿物
を例えば遠心によってヒアルロン酸銀水溶液から分離
し、分離した沈殿物をエタノールで洗浄し、洗浄した沈
殿物を窒素で乾燥する。
好ましくは、光を存在させずにヒアルロン酸素を調製
し、ヒアルロン酸ナトリウム水溶液と硝酸銀水溶液との
混合物を十分な時間、通常は数時間震盪してヒアルロン
酸銀水溶液を形成させる。次にヒアルロン酸銀が沈殿す
るようにヒアルロン酸銀水溶液を処理し、ヒアルロン酸
銀沈殿物をエタノールで洗浄し、洗浄した沈殿物を窒素
で乾燥し、窒素乾燥した沈殿物を高真空乾燥で更に乾燥
することによって回収する。
ヒアルロン酸の別の重金属塩もヒアルロン酸銀の調製
と同様の方法で調製し得る。
これらのヒアルロン酸重金属塩をキャリアと結合して
組成物を形成し得る。1種類以上のキャリアは当業者に
公知の任意のキャリアでよい。これらの組成物は有効量
のヒアルロン酸重金属塩例えばヒアルロン酸銀、ヒアル
ロン酸金と薬剤として許容されるキャリアとを含有する
薬剤組成物を提供し得る。
ヒアルロン酸の重金属塩及び該塩を含有する組成物
は、抗菌物質として有効である。特に、有効量のヒアル
ロン酸銀を微生物と接触させることによって微生物増殖
を阻止し得る。ヒアルロン酸銀はまた、有効量のヒアル
ロン酸銀を火傷、創傷、軟組織感染又は敗血症の原因感
染の部位に局所塗布することによって、火傷、創傷、軟
組織感染症例えば淋疾眼炎又は敗血症の治療のために使
用され得る。ヒアルロン酸銀組成物はまた角膜感染症の
治療のために使用され得る。
本発明の別の特徴によれば、ヒアルロン酸重金属塩は
防臭剤、クリーム状、ローション状及びスプレー状の化
粧品に混合され得る。
ヒアルロン酸金はまた関節炎、慢性関節リウマチ及び
関節の炎症の患者に対し有効量のヒアルロン酸金を患者
の関節内に投与することによってこれらの疾患の治療に
使用され得る。
本発明はまた、ヒアルロン酸の放射性標識重金属塩を
含有する組成物を提供する。これらの組成物は、ヒアル
ロン酸部分が放射性標識された塩を含んでもよく、重金
属が同位体形態の塩を含んでもよい。好ましくは、放射
性標識重金属塩が放射性標識ヒアルロン酸の重金属塩で
ある。より好ましくはヒアルロン酸部分が14Cで放射性
標識されている。好ましくは重金属が銀である。より好
ましくは放射性標識重金属塩が14C放射性標識ヒアルロ
ン酸銀である。これらの放射性標識重金属塩及び該塩を
含有する組成物は診断用に使用され得る。
本明細書において、「重金属」なる用語は、周期律表
の周期5,6又は7又は4f系列(ランタニド)又は5f系列
(アクチニド)に含まれるいずれかの金属を意味すると
理解されたい。
ヒアルロン酸(HA)は結合組織、体液及び皮膚の主成
分であり、従って絶対的に非免疫原である。ヒアルロン
酸はサイズが大きいので(分子量1.5×106ダルトン)、
HA塩は粘性溶液を形成し、組織に注入後の多糖は注入部
位から極めて緩徐に拡散する。
天然産生ヒアルロン酸は、分子量50,000〜13,000,000
ダルトンの線状ポリマーから成るグリコサミノグリカン
である。該ヒアルロン酸は交互に1−3結合及び1−4
結合によって結合されたグルクロン酸とN−アセチル−
グルコサミンとの反復単位から成る多糖である。
本明細書において、「ヒアルロン酸」なる用語は、実
質的に純粋な天然又は合成のヒアルロン酸、ヒアルロン
酸誘導体、架橋ヒアルロン酸及びコラーゲンのごとき別
の物質と架橋したヒアルロン酸を意味する。WO86/00079
及びWO86/00912参照。
実験の詳細な説明 実施例1 ヒアルロン酸銀(AgHA)の調製 ヒアルロン酸銀を以下のごく調製した。
A.1容量のヒアルロン酸ナトリウム水溶液(0.5%の細菌
由来の精製ヒアルロン酸ナトリウム、分子量2.7×106
ルトン)と1容量の0.5M AgNO3水溶液とを混合した。次
に2容量のエタノールを添加し、沈殿した銀塩を遠心
し、エタノールで洗浄し、窒素で乾燥した。原子吸光で
測定したこのヒアルロン酸塩の銀含量は20%w/wであ
り、これはカルボキシルイオンの90%置換に相当した。
この調製物は、微生物を106/mlの割合で含有する培養
物に0.1%溶液(1:1、v/v)として投与すると、ブドウ
球菌Staphylococci、シュードモナス属Pseudomonas、カ
ンジダ・アルビカンスCandida Albicans及びカンジダ・
トロピカンスCandida Tropicansを有効に殺菌すること
が知見された。
B.比較的安定で純粋で透明なAgHA生成物を得るためには
微量の塩素イオンの除去が必須であることは予備実験に
よって判明していた。このために、硝酸ナトリウム溶液
からヒアルロン酸ナトリウムをエタノール沈殿させた。
AgHAの生成は1gの純粋なクリニカルグレードのヒアルロ
ン酸ナトリウムを出発物質として以下の手順で行なわれ
る。
1.薬剤グレードのNaHA(1g)を200mlの0.5M NaNO3に溶
解する。
2. 300mlのエタノールを添加し、沈殿したNaHAを収集
し、96%エタノールで完全に洗浄する。
3.沈殿物を200mlの二回蒸留水で再溶解する。
4. 200mlの0.5M AgNO3を暗中で添加し、混合物を数時間
震盪する。以後の処理はすべて比較的暗い処で行なう。
5.エタノール(600ml)を添加し、沈殿したAgHAを96%
エタノールで洗浄し、窒素で乾燥し、高真空乾燥で更に
乾燥する。
最終材料を部分標本に分け、無菌の二回無留水に再溶
解し、試験溶液を得た。1%溶液は褐色の粘性透明液体
である。
実施例2 AgHAの特性 この材料の複数のバッチを調製した。
銀含量 原子吸光で測定した銀含量は82g/モルであり、これは
化学量論的理論値の76%である。残留ナトリウムイオン
の濃度は理論値の0.5%であった。
安定性試験 予備実験で1%AgHA溶液の安定性はある程度観察され
ていた。暗中で冷蔵保存すると材料の外観はかわらな
い。3〜4箇月間は粘性の変化又は透明溶液の濁り(da
rkening)も生じない。しかしながら溶液を室温及び光
に曝すと溶液は次第に褐色になり混濁し1〜2週間で粘
性低下が生じる。
分子量 分子量3〜3.5×106のNaHAからagHAの種々のバッチを
調製した。AgHAの分子量測定のために、材料をNa形態に
変換した。このためにはNaNO3の濃(1M)溶液からエタ
ノール沈殿した。これらの沈殿物の極限粘度測定値から
推定された分子量はAgHA溶液の調製直後は1.7〜2×106
ダルトンであった。室温で明るい処に保存すると分子量
は 7日後に1.27×106ダルトン 29日後に0.96×106ダルトン に減少した。
実施例3 AgHAからのAgイオンの徐放 Ag複合体の形態で持続性抗菌効果を与えるためにはAg
イオが徐放される必要がある。AgHAのAgイオン放出特性
を試験するために、1800μgのAgイオンを含有するサン
プルを室温で蒸留水に透析した。第1図に示す種々の点
で、AgHAを収容した透析バッグを500mlの新鮮蒸留水に
移した。各点で水サンプルを取り出し原子吸光でAgイオ
ンの濃度を測定した。第1図の結果は、48時間後に70%
のAgイオン濃度が透析バッグに残留しているのでAgイオ
ンが緩徐に放出されることを示す。遊離HAを解離100%
と仮定するとAgHAの計算解離定数は6.7×10-5Mである。
実施例4 AgHAの効力 A.最小阻害濃度 入院患者から単離した8種の細菌について最小阻害濃
度を試験した。8種の細菌は、大腸菌E.coli;セレイシ
アSeratia:シュードモナスPseudomonas;プロテウスProt
eus;肺炎桿菌K.pneumoniae;アシノバクターAcinobacte
r;カンジダアルビカンスC.albicans及びモルガン菌M.mo
rganiである。
0.25%NaHAにAgHAを希釈し、増殖培地中の最終濃度を
夫々銀イオン量で100、50、40、20及び10μg/mlにし
た。増殖培地はNaHAを最終濃度0.25%まで補充したNaCl
非含有のLブイヨンであった。ある種の細菌は0.5%濃
度で十分に増殖できないので(表I)、このNaHA濃度を
液体培地増殖の標準濃度として選択した。0.5%以上の
濃度では増殖率が低下する。この原因は明らかに、培地
の酸素溶解度が低下して培地の粘度が高くなったからで
ある。
2mlの培養物に約105細胞を接種し、回転シェーカーで
37℃で72時間増殖した。24、48及び72時間後に、培養物
の増殖を観察した。試験管の僅かな混濁を増殖と判定し
表に+(プラス)を記入した(表II)。
Ag−スルファジアジンの効力とAgHAの効力とを比較す
るために、AgHAと同じ濃度の銀イオンを含有するLブイ
ヨン培地を段階希釈によって調製した。増殖及び評価の
方法は前記と同じである(表III)。コントロール実験
として、AgHA及びAg−スルファジアジンの場合と同じ濃
度の銀イオンを含有する硝酸含有Lブロスを使用した
(表IV)。これらの実験結果を表III及び表IVに示す。
得られたデータはC.albicans及びK.pneumoniaeを除く全
部の臨床単離物が濃度20μg/mlの銀イオンで阻害された
ことを示す。C.albicans及びK.pneumoniaeの増殖阻害に
は濃度約40μg/mlが必要であった。AgHAが微生物増殖を
阻害することは明白である。
B.二重寒天層試験 Ag化合物は軟膏として使用される場合が最も多い。Ag
イオンは放出され拡散によって標的に到達する必要があ
る。AgHAのこの特徴を試験するためには、Dettch等の方
法をペトリ皿を使用するように改良した方法を使用し
た。AgHAとAg−スルファジアジンを別々に寒天と混合
し、銀イオンを計算濃度40μg/mlにした。厚さ2.2mmの
銀含有寒天層をまず注入し、凝固後に2.2mm又は2.0mmの
L寒天層を上部に注入した。使用以前にプレートを24、
48、72及び96時間熟成した。細菌培養物を1晩増殖させ
Lブロス培地で約105〜106細胞に希釈した。0.1mlの希
釈培養物を各プレートに塗布し、プレート当たり104〜1
05細胞の最終濃度にした。プレート当たりの生存細胞総
数を測定するためにコントロール実験ではAgイオンを全
く使用しなかった。表V及び表VIはAgHA及びAg−スルフ
ァジアジンで得られた結果を示す。結果を分数で示す。
分母は、銀イオン非含有コントロールプレートでの増殖
細胞数であり、分子は銀イオン含有プレートでの増殖細
胞数である。またこの分数を%で示す。表VはL寒天の
上層を2.0mmにした実験に対応する結果を示す。C.albic
ans以外は種々の細菌種の集団の99%以上が完全に阻害
されていた。表Vの実験よりも表VIの実験の場合のほう
が生存率が高い。この理由はL寒天の上層が2.2mmのた
めである。Dettchの知見によれば、寒天上層の厚さが2m
m増加する毎に生存数が10倍になる。生存率は2〜3%
以上ではなかったので、L寒天層の厚さを0.2mm増加し
た我々の実験の結果は前記知見と一致する。24〜96時間
熟成したプレート間に有意な差は観察されなかった。こ
れは最小濃度の銀イオンが24時間以内にL寒天表面に到
達したことを示す。
実施例5 ヒアルロン酸銀の抗菌活性 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌
(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aerugino
sa)及びカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)
に対する抗菌活性を試験した。
試験は二つの異なる方法を用いて実施し、最低抑制濃
度(MIC)試験(1)では液体増殖培地にヒアルロン酸
銀を添加し、寒天カップ試験(2)では寒天プレートに
設けた小さいウェル内に試験物質を充填した。
試験結果は、濃度1%のヒアルロン酸銀調製物が4種
の試験菌株の増殖を抑制することを示している。液体培
地中で、緑膿菌は0.1%の濃度において抑制された。
試験に用いたヒアルロン酸銀調製物は、16mg/mlの銀
塩を含有していた。
ヒアルロン酸銀の抗菌活性: 物質及び方法:ヒアルロン酸銀。
試験菌株:大腸菌ATCC8739;緑膿菌ATCC9027;黄色ブドウ
球菌ATCC6538;カンジダ・アルビカンスATT102 31。
微生物をトリプチカーゼ大豆ブイヨン(TSB)におい
て、35〜37℃で18〜24時間増殖させた。生理食塩水で稀
釈液を製造した。
試験方法1−MIC試験: ヒアルロン酸銀をTSBに添加し、最終濃度を1.0%とし
た。ヒアルロン酸銀濃度が0.1%及び0.01%である溶液
を、やはりTSBでの稀釈によって製造した。試験生物
を、約103個/mlの濃度となるように培地に添加した。そ
の後試験管を35〜37℃に保温して、増殖の形跡を視覚的
に確認するべく1週間の間点検した。濁った培地を増殖
として記録した。カンジダ・アルビカンスの場合は、試
験管底部の白色粒の存在を増殖として記録した。
試験方法2−寒天カップ試験: 試験菌株を一晩培養したものを、無菌生理食塩水で稀
釈した。懸濁液を、直径14cmのトリプチカーゼ大豆寒天
プレート上に流し、過剰液体を除去した。
プレートを層状空気流ユニット内で30分間乾燥した。
寒天に、直径5mmのウェルを設けた。試験溶液を各ウェ
ルに充填した。プレートを35〜37℃に保温し、保温した
まま一晩経過した後に点検した。各ウェルを囲繞する透
明な領域が、抗菌活性を示唆した。この領域の直径を測
定した。
試験した溶液は、次のとおりである。
寒天カップ試験A: ヒアルロン酸銀(稀釈せず) 蒸留水で1:1に希釈したヒアルロン酸銀 ウマ血清(SBL)で1:1に希釈したヒアルロン酸銀0.01%
チオメルサール基準液 寒天カップ試験B: ヒアルロン酸銀の1%TSB溶液 ヒアルロン酸銀の0.1%TSB溶液 ヒアルロン酸銀の0.01%TSB溶液 ヒアルロン酸銀の0.001%TSB溶液 チオメルサールの0.01%TSB溶液 チオメルサールの0.001%TSB溶液 結果を、表VII、VIII及びIXに示す。
検討: 液体培地におけるMIC試験の結果は、試験物質の1%
トリプチカーゼ大豆ブイヨン溶液が黄色ブドウ球菌、カ
ンジダ・アルビカンス及び大腸菌の増殖を抑制すること
を示している。緑膿菌は0.1%の濃度で抑制された。1
%溶液は、0.16mg/mlのヒアルロン酸銀を含有する。
寒天カップ法での試験は液体培地における試験の結果
を確認するが、緑膿菌の抑制を実現する最低濃度はヒア
ルロン酸銀1%であった。
寒天カップ法での試験の前にヒアルロン酸銀を血清と
混合した場合に、ヒアルロン酸銀を蒸留水と混合した場
合との比較において重大な相違を測定することはできな
かった。
ヒアルロン酸銀が培養基あるいは血清と接触すると直
ちに、恐らくAgClである白色の沈澱物が現れる。
実施例614 Cで標識したヒアルロン酸の調製 細菌によるHAの生合成では、外因的なグルコースが用
いられる。この糖は主にエネルギー源として用いられる
が、その一部はグルコロン酸及びN−アセチルグルコサ
ミンに転換される。これらはHA分子に含有される。即
ち、炭素14で標識したグルコースを発酵ブイヨン中へ供
給することによって放射能の付与が達成され得る。
まず振盪フラスコ内で、次いでpH及び温度を調節した
特製容器内で様々な実験を行なった。フラスコ内での発
酵は効率的でなく、非常に低い含有率並びに小さい分子
量しかもたらさないことが判明した。5mL量の培地を用
いて“小型発酵体”を構成し、この系において、グルコ
ース含有及び使用量についての研究を行なった。HA生成
のための好ましい条件の下で、約5%の外因的グルコー
スがHAに含有されることが判明した。小型発酵体におい
て生成されるHAの分子量は約2×106ドルトンであっ
た。次に上記系を、HAを14C−グルコースで標識するの
に用い、1回の発酵で約20mgの粗製14C−HAを得た。こ
の物質を精製した。この操作の収率は約50%で、1mg当
たり1μCiの14Cの特定活性を有するHA10mgが最終的に
得られ、その際HAの分子量は2.2×106ドルトンであっ
た。
実施例1に記載の操作を行なうことによって、上記の
ように精製した、14で放射性標識したNaHAを、放射性標
識したAgHAに転換することができる。
実施例7 ウサギ眼モデルにおける緑膿菌感染に対するヒアルロン
酸銀の施用 序論 緑膿菌によって引き起こされる角膜炎は、ヒトの角膜
が感染し得る細菌性疾患のうちで最も急速に蔓延する破
壊的な疾患で、また最も悲惨な疾患でもある(Laibson,
1972)。角膜感染の頻度はコンタクトレンズの使用と共
に大幅に高まった。早期に検出されたシュードモナス感
染をゲンタマイシンのようなアミノグリコシド抗生物質
で治療すると、普通良好な治療応答が得られる。しか
し、抗生物質耐性細菌の高まる発生は、そのような状況
が事後に検出された時一大事となるという問題点を呈示
する。この問題点は、ヒアルロン酸銀のような広範囲に
抗菌性の有効な薬剤を用いることによって克服できよ
う。
ヒアルロン酸銀の、実験的に誘発したシュードモナス
角膜炎の治療への有効性を示すために、ウサギモデルを
使用した(Hyndiuk,1981)。
実験 細菌: 緑膿菌の病原性病院分離体を用いた。この分離体は、
Rambam Medical Center,Haifa,Israelのシュードモナス
委託研究室によって多凝集性血清型6と定義されてい
る。一晩の培養物を、37℃の、デキストロースを含まな
いトリプシン消化性大豆ブイヨン中で振盪下に成長させ
た。朝に、上記培養物のアリコートを新たなブイヨンで
20倍に稀釈し、稀釈液を後期対数段階に達するまで更に
保温した(2〜3時間;O.D.660=1.2)。細菌の濃度
を、660nmでの光学濃度(1O.D.は細胞2×109個/ml)か
ら概算した。培養物を、冷たい食塩水で所望の濃度に稀
釈した。稀釈懸濁液を用時まで0〜4℃に維持した(1
〜2時間)。
動物処理: 体重2〜2.5kgのニュージーランドシロウサギを複数
匹用いた。これらのウサギに、塩酸ケタミン(35mg/k
g)及び塩酸キシラジン(3mg/kg)を筋肉内注射して麻
酔を掛けた。角膜表面にコルク錐で4mm円形の切れ目を
入れ、次いで円内に、互いに平行に横方向に伸長する3
個に掻き傷をゲージ21の針で作った。稀釈した細菌懸濁
液を(10分の間隔を置いて)2滴付与することによっ
て、細菌感染を実現した。
感染に必要な細菌の最適濃度を見いだすべく、予備調
査を行なった。1ml当たり8×107個の細菌を含有する懸
濁液が30〜40時間以内に90〜100%の感染を実現する一
方、細菌の個数を1/2にすると感染率は様々な値に低下
することが判明した。従って、以後の実験は総て1ml当
たりの細菌個数が8×107個である懸濁液を用いて行な
った。
ヒアルロン酸銀処理: 最初の検討は、実施例1に述べたようにして調製した
ヒアルロン酸銀の0.5%w/v水溶液を用いて行なった。こ
の溶液は非常に粘性であるが、その粘度は眼の中への滴
下を妨げない。しかし、上記濃度では処理された眼が、
細菌感染の有無にかかわらず結膜に甚だしい刺激を受け
ることが判明した。そこで、AgHAの0.5%溶液を、NaHA
の0.5%水溶液で3倍に稀釈した(AgHA最終濃度0.17
%)。僅かな刺激応答がなお現れたが、これは一時的な
もので、AgHA調製物での処理を中止すると直ちに消失し
た。
全実験において、対照眼を0.5%ヒアルロン酸ナトリ
ウム溶液で同時に処理した。
実験の内容: 予備実験において、AgHAの投与を感染の2、4及び8
時間後に開始した。AgHA治療の抗菌効果は、間隔を4及
び2時間とした場合に顕著であった。早期の実験では、
AgHA溶液の毎時間投与を12〜24時間だけ継続した。この
操作によって感染後24〜48時間の間著しい防御効果が得
られたが、その後は細菌の増殖が進行し、感染後72時間
経過しないうちに眼の症状は悪化した。従って、AgHA0.
17%及びNaHA0.33%溶液の毎時1滴ずつの施用を感染の
2時間後に開始して、40時間継続する処理スケジュール
を選択した。このスケジュールによる処理後更に8〜10
時間の間、2時間間隔で処理を継続した。このような実
験を2回、ウサギ12あるいは16匹を用いて行なった。い
ずれのウサギも左眼をAgHA調製物で処理し、一方右眼に
は0.5%NaHAを付与して対照とした。
結果の採点: 感染の程度を、(i)眼の肉眼検査並びに(ii)隔離
した角膜における細菌の計数によって採点した。
次の採点システムによって視覚的評価を行なった。
0;反応無し。
1;掻き傷のみに関連する白血球浸潤。
2;掻き傷とその周辺における、4mmリングを越えない穏
やかな浸潤。
3;角膜面積の約30%に影響する浸潤。
4;角膜面積の約70%の浸潤及び混濁、並びに前房内への
幾分かの細胞浸潤。
5;角膜面積全体及び前房の重度の浸潤、並びに中央角膜
膿瘍の発生。
眼を、感染の24、48及び72時間後に検査した。同時
に、感染の48及び72時間後にウサギを殺し、角膜を採取
して食塩水中でホモジナイズした。ホモジネートを逐次
稀釈して、コロニー計数のためMcConkey寒天プレート上
に塗布した。角膜から分離した細菌を、標準的な生化学
試験並びに抗生物質に対する感受性によって緑膿菌とし
て同定した。
採点結果を、Wilcoxonランク合計両側検定法によって
統計学的に分析した。
結果: AgHA処理は、ウサギの眼におけるシュードモナス角膜
炎の予防にきわめて有効であると判明した。表Xに、Ag
HA0.17%調製物を用いて行なった2回の実験の結果をま
とめて示す。この表Xから知見されるように、銀塩での
集中処理によって、処理された眼での細菌の増殖が著し
く抑制される。対照眼の得点は感染後42〜45時間といっ
た早い時期に既に高く(採点指数3.4〜3.6)、かつ続く
日数間に上昇して、120時間経過するまでには非常に高
い値(採点指数4.9)に到達した。これに対し、処理し
た眼の平均得点は実験全体(表X)を通して対照グルー
プのものよりはるかに低く、かつ72時間経過した後は上
昇しなかった(表X、実験I参照)。いずれの実験にお
いてもAgHAで処理した眼の得点の殆どは値1を上回らな
かった点が強調されるべきである。表Xに示した平均得
点は、各実験においてAgHA防御を逸脱した眼が1、2個
存在したため、1を幾分上回っている。
AgHA処理の有効性は、処理した眼の隔離した角膜にお
いては細菌が一切発見されず、一方感染42〜120時間後
の対照眼では夥しい数のシュードモナス微生物(角膜1
個当たり105〜106個の細菌;表X)が発見されたことか
らも明らかである。
結論: AgHAは粘性細菌である緑膿菌に対しin vivoで有効な
治療効果を有することが判明した。上記のような調製物
を単独で、あるいは通常用いられる抗生物質と組み合わ
せて用いることは、細菌性角膜炎の局所治療にきわめて
有益であると判明し得よう。
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Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属が銀、金、セリウム及びタングステン
    から選択されることを特徴とするヒアルロン酸の重金属
    塩。
  2. 【請求項2】ヒアルロン酸銀を調製する方法であって、 (a) ヒアルロン酸ナトリウム水溶液を過剰モル量の
    硝酸銀水溶液と混合して、ヒアルロン酸銀水溶液を生成
    すること; (b) 前記のように生成したヒアルロン酸銀(AgHA)
    水溶液を処理して、ヒアルロン酸銀を沈澱させること;
    及び (c) 沈澱したヒアルロン酸銀を回収すること を含む調製方法。
  3. 【請求項3】沈澱したヒアルロン酸銀の回収がヒアルロ
    ン酸銀沈澱物を水溶液から遠心分離によって分離するこ
    と、分離した沈澱物をエタノールで洗浄すること、及び
    洗浄した沈澱物を窒素で乾燥することを含むことを特徴
    とする請求の範囲2に記載の方法。
  4. 【請求項4】ヒアルロン酸銀を光の不在下に調製するこ
    とを特徴とする請求の範囲2に記載の方法。
  5. 【請求項5】混合後に水性ヒアルロン酸ナトリウムと水
    性硝酸銀との混合物を、水性ヒアルロン酸銀の生成に十
    分な時間だけ振盪することを特徴とする請求の範囲4に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】沈澱したヒアルロン酸銀の回収がヒアルロ
    ン酸銀沈澱物をエタノールで洗浄すること、洗浄した沈
    澱物を窒素で乾燥すること、及び窒素で乾燥した沈澱物
    を高真空乾燥で更に乾燥することを含むことを特徴とす
    る請求の範囲2に記載の方法。
  7. 【請求項7】有効量の、金属が銀、金、セリウム及びタ
    ングステンから選択されるヒアルロン酸の重金属塩並び
    にキャリアを含むことを特徴とする微生物の成長を抑制
    するための薬剤組成物。
  8. 【請求項8】微生物を有効量のヒアルロン酸銀と接触さ
    せることを含むことを特徴とする微生物の増殖抑制方
    法。
  9. 【請求項9】重金属塩が放射性標識されている請求の範
    囲7に記載の薬剤組成物。
  10. 【請求項10】金属が銀であり、放射性標識が14Cであ
    ることを特徴とする請求の範囲9の薬剤組成物。
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