JP2612657C - - Google Patents

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JP2612657C
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fuel
housing
conductive
fibers
filter
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アライド シグナル インコーポレイテッド
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【発明の詳細な説明】 本発明は、自動車のエンジンに燃料を供給する燃料ラインに使用する燃料フィ
ルタに関する。 自動車のエンジンに供給される燃料を濾過するのに使用されるフィルタのハウ
ジングは、金属又はナイロン12等のポリマー材料で作られている。低コストであ
り且つ他の利点をも有することから、非金属燃料フィルタが好ましい。このよう
な非金属燃料フィルタは、気化器式エンジンを備えた自動車には多年に亘り問題
なく使用されている。しかしながら、このような従来技術の非金属燃料フィルタ
を電子式燃料噴射装置(EFI)を備えた自動車に使用すると、時々、非金属材料
が破壊され、燃料の漏洩が生じた。自動車の熱いエンジンルーム内での燃料の漏
洩は極めて危険であり、燃料フィルタからのいかなる漏洩も許容することはでき
ない。従って、電子式燃料噴射装置を備えた車両には金属フィルタが使用されて
いる。 本発明によれば、電子式燃料噴射装置用の従来の非金属フィルタに使用される
材料は、フィルタ内に発生する静電気により破壊され、燃料の漏洩が生じたこと
が見出されている。炭化水素からなるシステムでの電荷の発生は認識されている
現象であるが、従来は殆ど無関心であった。これは、従采の装置に使用されてい
る金属部品には、接地された車体に電荷が自由に流れる電気的経路が形成されて
いるからである。しかしながら、チューブ及びフィルタの両方が非導電性材料で
作られた非導電性フィルタ装置では電気的経路が無く、電荷を接地して散逸させ
る方法がない。 本発明によれば、電子式燃料噴射装置を備えた自動車 に安全に使用できる成形(モールド)可能材料から、自動車用の燃料フィルタが
作られる。本発明のこの利点及び他の利点は、添付図面を参照して述べる以下の
説明により明らかになるであろう。添付図面は、本発明の教示に従って作られた
燃料フィルタ及び関連する自動車の車体への取付け具の断面図である。 図面を参照すれば、全体を符号10で示す燃料フィルタは、ナイロン12又は他の
ポリマー材料のような非導電性材料から製造されたハウジング12を有しており、
該ハウジング12には後述のような導電性充填剤が添加されている。ハウジング12
には入口側取付け部14及び出口側取付け部16が設けられている。入口側取付け部
14及び出口側取付け剖16は、燃料を燃料タンクからエンジンに供給する燃料ライ
ンに連結される。燃料ラインも非導電性材料で作ることができる。 ハウジング12内には、燃料ラインを介して通じる燃料を瀘過するために、フィ
ルタエレメント(その全体を符号18で示す)が取り付けられている。エレメント
18は、慣用的な襞(ひだ)形濾材(全体を符号20で示す)の周方向に延びた配列
を有している。濾材20を形成する襞は、外側先端22及び内側先端24を形成してい
る。閉鎖形端キャップ26は、入口側取付け部14に隣接したエレメント18の端を閉
鎖し且つ濾材20の配列内に形成された内側キャビティ28を横切って架橋している
。端キャップ26内にはシール材料30からなる周方向に延びたバンドが設けられて
おり、該バンドは濾材20からなる襞の縁部をシールして、燃料が襞の端部の周囲
を迂回して流れることを防止する。内側キャビティ28の反対側の端部を閉じる端
キャップ34内には、シール材料32からなる周方向に延び た対応バンドが設けられており、シール材料32は、濾材20からなる襞の反対側縁
部をシールしている。出口側取付け部16は端キャップ34を貫通して延びて内側キ
ャビテイ28と連通している。内側キャビティ28内には、ばね36が配置されており
、ばね36は濾材20の内側先端24と係合して濾材20が内方に押し潰されることを防
止する。ハウジング12は、ブラケット40を介して金属の車体(その一部が符号38
で示されている)に固定される。ブラケット40は、ハウジング12に取り付けられ
る別体の金属部材で構成してもよいし、ハウジング12に使用したのと同じ材料で
ハウジング12の一部として成形(モールド)してもよい。従って、入口側取付け
部14へ通じた燃料は、エレメント18とハウジング12との間に形成された入口キャ
ビティ42内に受け入れられる。入口キャビティ42内の燃料は濾材20を通って内側
キャビティすなわち出口キャビティ28へ通じる。出口キャビティ28は出口側取付
け部16に直接連通している。 燃料が濾材20を通って入口キャビティ42から内側キャビティすなわち出口キャ
ビティ28に進むと、使用する濾材の種類に係わらず電荷が発生する。最も一般的
な濾材20は紙製の襞付き濾材であるが、他の材料を使用することもできる。炭化
水素パラフィンが濾材20を通るとき、パラフィンと濾材20との間の衝突の結果と
して、パラフィンの外殻から電子が剥奪される。従って、内側キャビティ28内の
炭化水素分子は正に帯電(荷電)され、入口キャビティ42内には過剰の電子が存
在する。このため、入口キャビティ42内の炭化水素分子は、負に帯電した分子又
はイオンの特性をもつようになる。従って、入口キャビティ42内の燃料は負に帯
電されるようになる。燃料 と燃料ラインの壁との間の摩擦による電子の剥奪により、濾材20の上流側の燃料
ラインと下流側の燃料ラインには幾分の電荷が発生するけれども、濾材20と炭化
水素パラフィンとの衝突による電荷の発生は、燃料ライン自体内での電荷の発生
より数倍のオーダで大きい。 入口キャビティ42で発生する電荷の大きさは、ハウジング12を通る流量の関数
でもある。実際、研究によれば、入口チャンバ(入口キャビティ)42内の電荷の
発生は濾材20を通る流量にほぼ正比例することが実証されている。従って、電子
式燃料噴射装置(電子式燃料噴射装置の燃料ラインを通る流量は、旧式の気化器
の燃料ラインを通る流量よりもかなり大きい)のような循環燃料装置に使用され
る燃料フィルタは、入口チャンバ42内に比例的に大きな電荷レベルを発生する。 乱れのない条件下では、入口キャビティ42内に発生する電荷は濾材20の回りに
均一に分散される、従って、その場合には電荷は均一に散逸される(すなわち濾
材20を通過する)。しかしながら、接地平面が入口キャビティ内での電荷の「衝
突距離(striking distance)内にある場合には、キャビティ42内の電荷がハウ
ジング12を通って接地平面に至る入口キャビテイ42の間の絶縁強度(誘電強度)
より大きいときには必ず、接地平面38に最も近いハウジング12の部分からの放電
が生じる。この場合、接地平面は符号38で示す車体により形成される。 一般に自動車の車体は「接地」されていると考えられており、この接地は、車
体を車両のバッテリの負の端子に接続することにより行われる。これにより、地
面に比べ僅かに電位が高い(正)である接地平面が形成される。車体38により形
成される接地平面は地面よりも僅か に電位が高いだけであるので、入口キャビティ42内の電荷は車体38の方向に引き
寄せられる。従って、電荷は車体38に最も近い入口キャビティ42の部分に集中す
るであろう。試験の結果、電荷はハウジング12のような湾曲状本体の周囲に移動
し、この移動は他の形状をもつ本体に比べ非常に容易に行われることが実証され
ている。従って、車体38に最も近い入口チャンバ42の部分の電荷の電位は8〜10
kVに達する。入口キャビティ42と車体38との間の絶縁強度は約7kVであるので、
電荷の電位が7kVを超えると、絶縁は、電荷がハウジング12の材料を通過するの
を許容し始める。従って、ハウジング12を形成する材料は、電荷に関連するエネ
ルギの一部を吸収することが要求される。電荷がハウジング12の周囲に均一に分
散されるならば、ハウジング12の材料の強度はフィルタの寿命期間中の吸収エネ
ルギより大きいであろうが、前述のように大部分の電荷は車体38に最も近い入口
キャビティ42の部分に集中する。車体38のような接地平面が帯電体の「衝突」距
離内にあるとき、接地平面自体が電子の流れの標的になる。この場合には、電荷
を形成するエネルギは、もはや均一に分散された態様でハウジングを流れること
はない。このエネルギの吸収により、ハウジング12を形成する材料が破壊され、
ハウジング12には顕微鏡的ピンホールが発生する。これらのピンホールが小さな
領域に強く集中すると、ハウジング12を形成する材料が破壊されて、ハウジング
に燃料の漏洩が生じる。試験によれば、衝突距離は常に湾曲本体の半径に等しい
かこれより小さいことが示されている。 本発明によれば、入口キャビティ42内の燃料と車体38との間に導電性経路が形
成される。従って、入口キャビ ティ42内に発生される静電気は、ブラケット40の導電性経路を通って車体38に放
電され、従って、漏洩を引き起こす前述の材料侵食が回避される。ナイロン12の
基材中に少量の導電性充填材料を添加することによりハウジング12を通る電気経
路が最も容易に形成され、これにより、ポリマー材料のもつ成形性及び他の好ま
しい性質をほぼ維持できると同時にハウジング12に導電性が付与される。 濾材はハウジング12内の燃料に対する化学的抵抗性がなくてはならないので、
充填材料としては高アスペクト比(縦横比)をもつフィラメント状のステンレス
鋼繊維製品が選択された。また、ステンレス鋼は、必要な導電性を得るのに、小
さなアスペクト比をもつカーボンブラック、金属片及び金属粉、及び金属微小球
等の他の導電性充填剤よりも少量で済むという利点がある。このために使用する
ステンレス鋼繊維の繊維径の好ましい上限は約8ミクロンである。このような小
径であると、使用される充填剤の添加量が少なくて済むと共に、充填剤が基材樹
脂中に適正に複合化される限り、繊維間及び繊維の周囲でマトリックスを自由に
引っ張ることが可能になる。これにより、充填剤と基体樹脂との間のはじき(デ
ウェッティング)及び分離が低減し、従って応力作用下のキャビテーションが防
止される。また、ステンレス鋼はそれ自体が、基体材料のナイロン12が充填剤の
周囲に接合する充填剤としての性質を呈する。前述のカーボン等の他の導電性充
填剤は応力集中要素として作用し、導電性を得るのに必要な比較的多量の充填量
では、樹脂マトリックスの応力に降伏する能力が制限される。また、ステンレス
鋼繊維は、宣線状又は金属化カーボン繊維、 金属化無機繊維及びウィスカとは異なり、延性があり且つ剛くはない。これによ
り、溶融加工中のステンレス鋼の良好な一体性の維特を可能にする。非金属繊維
とは異なり、ステンレス鋼縁維は、基材樹脂の機械的強度又は剛性を大きく増大
させることはない。高アスペクト比をもつ他の金属繊維は、ステンレス鋼との満
足のいく交換が可能である。 使用されるステンレス鋼繊維のアスペクト比は、低添加量で良好な導電性を得
るのに充分なほど大きくなくてはならないけれども、基材のポリマー材料と共に
最終部品に容易に成形するのに充分なほど小さくなければならない。従って、約
8ミクロンの直径及び4〜6mmの公称長さをもつステンレス鋼繊維を選択した。フ
ィルタの設計に基づき、より長いステンレス鋼繊維を使用することもできる。充
填剤の使用量を最少にするには、部品の設計及び成形適性により規定される最長
繊維を使用すべきである。複合材料中のステンレス鋼は、複合材料の約3〜9重
量%である。これは、1cm3の材料につき約8gのステンレス鋼繊維密度を得るのに
充分である。これは、1×102〜1×106の範囲の体積抵抗率(Ω−cm単位)及び
表面抵抗率(Ω単位)を与える。 ステンレス鋼繊維と基材のナイロン12との間の成形適性及び適合性を確保する
には、ステンレス鋼繊維を、有機官能シラン又はチタネート化合物等の少量のカ
ップリング剤でコーティングするのが好ましい。或いは、カップリング剤として
、アミド官能基を備えたグラフトコポリマー又はブロックコポリマーを使用する
こともできる。また、金属表面に対する親和性及びポリアミドとの良好な適合性
をもつ少量のポリマーを使用することもで きる。これらの界面剤はぬれ性を補助し且つ金属−ポリマーマトリックスの分子
架橋の形成により界面結合力を増大させる。ステンレス鋼繊維充填樹脂の物理的
特性を向上させるため、カップリング剤以外に、離型剤、内部潤滑剤及び強化剤
を使用できる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 燃料噴射装置を備えた自動車のエンジンに燃料を供給する燃料ラ
    インを通って流れる燃料を濾過するための燃料フィルタであって、前記自動車が
    、同一電位に維持されたアース面を有しており、また、前記燃料フィルタのハウ
    ジングが、前記燃料ラインに接続された入口及び出口を有し且つ主としてポリマ
    ー材料からなる、燃料フィルタにおいて、 前記ハウジングを支持する導電性ブラケットを含み、また、 前記ポリマー材料の中に、導電性充填材料がランダムに埋入されて、前記ハウ
    ジング内の燃料と前記アース面との間に前記導電性ブラケットを介して前記ハウ
    ジングを通る導電経路を作る複合材料を形成している、ことを特徴とする燃料フ
    ィルタ。 【請求項2】 前記導電性充填材料が、前記ポリマー材料の中にランダムに分散
    された導電性繊維を含む、請求項1に記載の燃料フィルタ。 【請求項3】 前記繊維が、前記複合材料の少なくとも3〜9重量%である、請
    求項2に記載の燃料フィルタ。 【請求項4】 前記繊維が、約4mmの最小長さを有するステンレス鋼繊維である
    、請求項2又は3に記載の燃料フィルタ。 【請求項5】 前記ハウジングの中の濾材が、前記ハウジングを、前記入口に連
    通した入口チャンバと、前記出口に連通した出口チャンバとに分割し、前記導電
    経路が、前記入口チャンバ内の燃料と前記アース面との間に延びている、請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載の燃料フィルタ。 【請求項6】 前記濾材が内面及び外面を有する環状部材であり、この外面が前
    記ハウジングと共働して、前記ハウジングと前記濾材の外面との間に前記入口チ
    ャンバを形成している、請求項5に記載の燃料フィルタ。 【請求項7】 同一電位に維持されたアース面を有する、燃料噴射装置を備えた
    自動車のエンジンに燃料を送るための燃料システム構成部品のためのポリマー材
    料からなる成形材料において、 前記ポリマー材料のすみずみに導電性繊維がランダムに分散されて、前記構成
    部品を通る前記燃料と前記アース面との間に、前記構成部品及び該構成部品 を支持する導電性ブラケット を介して導電経路を形成する、ことを特徴とする燃
    料システム構成部品用成形材料。 【請求項8】 前記繊維が、前記複合材料の少なくとも3〜9重量%である、請
    求項7に記載の成形材料。 【請求項9】 前記繊維が、約4mm〜約6mmの呼び長さを有するステンレス鋼繊
    維である、請求項7又は8に記載の成形材料。 【請求項10】 前記ポリマー材料がナイロンである、請求項7ないし9のいず
    れか1項に記載の成形材料。

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