JP2610927B2 - 電磁接触器 - Google Patents

電磁接触器

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JP2610927B2
JP2610927B2 JP63037365A JP3736588A JP2610927B2 JP 2610927 B2 JP2610927 B2 JP 2610927B2 JP 63037365 A JP63037365 A JP 63037365A JP 3736588 A JP3736588 A JP 3736588A JP 2610927 B2 JP2610927 B2 JP 2610927B2
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ゲーリー・フランシス・サレッタ
ジョセフ・チャールス・エンゲル
ジョン・ジー・レディ
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イートン コーポレイション
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H47/00Circuit arrangements not adapted to a particular application of the relay and designed to obtain desired operating characteristics or to provide energising current
    • H01H47/22Circuit arrangements not adapted to a particular application of the relay and designed to obtain desired operating characteristics or to provide energising current for supplying energising current for relay coil
    • H01H47/32Energising current supplied by semiconductor device
    • H01H47/325Energising current supplied by semiconductor device by switching regulator

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  • Relay Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電磁接触器、特に6接点を閉状態の保持する
ため電磁コイルが電流制御される電磁接触器に係わる。
電磁接触器は米国特許第3,339,161号明細書に開示さ
れているように既に公知である。電磁接触器はモータ始
動、照明、スイッチングなどに特に有用なスイッチ装置
である。過負荷継電システムを具えたモータ始動接触器
はモータ制御器と呼ばれる。接触器は通常、接触器が開
状態となった時にエア・ギャップを間に画定する固定マ
グネット及び可動マグネットまたはアーマチュアを含む
磁気回路を有する。電磁コイルを命令に応答して制御す
ることにより、接触器の主接点を接続可能な電源と相互
作用してアーマチュアを固定マグネットにむかって電磁
的に加速し、エア・ギャップを縮小させ、接点を閉じ
る。接触器が閉じる過程で、接触器はこれを適当な時点
に再び開放させるように作用するキックアウトばねの抵
抗に抗して作用する。公知の技術では、接点を閉状態に
維持するため、電磁石にかける電圧を低くして少量の電
磁気を維持し、これにより、アーマチュアを永久磁石と
当接した状態に維持し、接点を閉状態に維持するのが普
通である。この方式の欠点として、必らずしもエネルギ
ー効率が高くない。例えば、長時間に亘って電流が電磁
石の巻線を流れると巻線が加熱されてその抵抗が増大
し、流れる電流量が低下する。その結果、磁力も低下す
る。保持電流を供給する電圧は限度内で変化し、保持コ
イルまたは保持巻線を流れる電流を変化させる。従っ
て、保持コイルを流れる電流を比較的安定した値に維持
し、正常動作状態において接点を閉状態に維持するに充
分な起磁力を磁気回路中に確保し、さらにこれを高度の
エネルギー効率で行うことのできる能率的なシステムが
開発されれば有益である。
本発明は、第1接点と;前記第1接点と電気的に接触
する第2接点と;前記第2接点と機械的に連結されてい
て、巻線を導通角制御電流パルスが流れるのに応答して
前記第2接点を前記第1接点との前記電気的接触状態に
維持するアーマチュアを具えた電磁石と;前記導通角制
御電流パルスの振幅を検知する検知装置とを含む電磁接
触器であって、前記電磁石と接続して前記巻線を流れる
前記導通角制御電流パルスの前記導通角を制御する導通
角制御装置と;前記検知装置及び前記導通角制御装置と
接続して前記電流パルスの前記振幅を前記電流パルスと
対応する記憶された制御値と比較し、前記電流パルスが
ほぼ前記記憶された制御値に維持されるように前記導通
角を制御する信号を前記導通角制御装置に供給するマイ
クロプロセッサとより成ることを特徴とする電磁接触器
を提案する。
本発明では、接触器制御回路が半サイクルごとにコイ
ルを流れる電流の値を入力されるマイクロプロセッサを
含む。次いでこの情報がデジタル情報に変換され、記憶
されている基準値と比較される。もし比較値が記憶値よ
りも大きいかまたは小さければ、コイル電流を制御する
トライアックの導通角が次の半サイクルに亘って比較的
小さい幅だけ減分または増分される。供給電圧または接
点を閉状態に維持する回路にいかなる変化が起こって
も、最終的には記憶値に相当する安定した電流値に達す
る。
添付図面に沿って本発明の実施例を以下に説明する。
第1及び2図は3相接触器または制御器10を示す。便
宜上3極のうち1極だけについてその構成を説明する
が、他の2極も全く同じである。接触器10はガラス/ナ
イロン組成物のような適当な電気絶縁材から成る筐体12
を含み、接触器10によって制御される電気的装置、回路
またはシステムと接続するための電気的負荷端子14,16
が前記筐体12に配置されている。このようなシステムの
1例を第11図に略示した。端子14,16はそれぞれ上記3
相端子の一部を形成するように構成してもよい。端子1
4,16は互いに間隔を保ち、筐体12の中心部に延びる導体
20,24と内部で接続する。筐体の内部で導体20,24の末端
はそれぞれ適当に固定された接点22,26を形成してい
る。接点22,26が互いに接続すると、端子14,16間が閉路
し、接触器10が導通状態となる。(第8,9及び10図に示
すような)別個に製造されたコイル制御盤28を後述する
ような態様で筐体12内に固定する。このコイル制御盤28
にはコイルまたはソレノイド31を一部として含むコイル
またはソレノイド集合体30を取付ける。コイル制御盤28
から間隔を保ち、かつコイル集合体30の一端は形成する
ようにばね座32を設け、これにキックアウトばね34の一
端を固定する。キックアウトばね34の他端は支持部材42
が後述するように移動してその下部42Aがばね34をピッ
クアップしてこれを座32に圧接させるまでは筐体12の部
分12Aと当接している。前記圧接は第2図平面より外側
の平面内で起こる。ばね34はアーマチュア40を囲み、支
持部材下部42Aと交差する位置で該下部42Aによってピッ
クアップされる。第2図平面より手前における部材42の
寸法はばね34の直径よりも大きい。コイル集合体30のソ
レノイドまたはコイル31と半径方向に整列させて通路38
内に適当な態様で固定マグネットまたは磁性材スラグ36
を配置し、固定マグネット36から軸方向に位置をずらし
て同じ通路38に、前記固定マグネット36に対して通路38
内を長手方向(軸方向)に移動可能な磁気アーマチュア
または磁束伝導部材40を設ける。アーマチュア40の、固
定マグネット36とは反対側の端部に長手方向に突出する
電気絶縁性の接点支持部材42を設け、これに導電性の接
点ブリッジ44を取付ける。接点ブリッジ44の一方の半径
方向アームには接点46を、他方の半径方向アームには接
点48をそれぞれ取付ける。これらの接点対が3極接触器
において3組とも同じ構成であることはいうまでもな
い。接触器10の閉成に伴なって端子14と端子16の間に内
部回路が完成する時、接点46は接点22と当接し(22−4
6)、接点48は接点26と当接する(26−48)。逆に、接
点22が接点46から離れ、接点26が接点48から離れると、
端子14,16間の内部回路が開く。このような開路状態を
第2図に示した。接点ブリッジ44及び端子22,26,46,48
を囲むアーク・ボックス50を設けることにより、筐体内
部において端子14,16間を流れる電流を安全に遮断でき
る部分的に囲まれた空間を形成している。アーク・ボッ
クス50の中心部の凹部52を設け、この凹部内に、接点支
持部材42のクロスバー54を挿入し、第2図に示すように
横方向(半径方向)に動かないように固定しながら上記
通路38の中心線38Aの長手方向(軸方向)に移動または
摺動できるようにする。接点ブリッジ44は接点ばね56に
よって支持部材42に保持される。接点22−46,26−48が
当接または“閉”状態となったのちでも接点支持部材42
が引続きスラグ36にむかって移動できるように接点ばね
56が圧縮する。接点ばね56がさらに圧縮すると、閉接点
22−46,26−48に対する圧力が著しく増大して端子14,16
間の内部回路の電流搬送能力を増大させ、接点が著しく
摩耗したのちでも接点が当接または“閉”位置に達する
ことを可能にする自動調節機能を提供する。マグネット
36と可動アーマチュア40との間の長手方向領域はコイル
31が付勢されると磁束が発生するエア・ギャップ58を画
定する。
端子ブロックJ1における外部から接近可能な端子は特
にコイル制御盤28上のプリント回路パスまたはその他の
導体を介してコイルまたはソレノイド31と接続できるよ
うに前記コイル制御盤28上に配置する。プリント回路盤
28上に別の目的を有する(第32図に示す)別の端子ブロ
クJXをも設けることができる。端子ブロックJ1における
外部から接近可能な端子を介してコイルまたはソレノイ
ド31が付勢されると、例えば前記外部から接近可能な端
子ブロックJ1における接点閉成信号の発生に応答して固
定マグネットまたはスラグ36、エア・ギャップ58及びア
ーマチュア40を通る磁束パスが形成される。良く知られ
ているように、この状態でアーマチュア40は通路38内を
長手方向に移動してエア・ギャップ58を短縮し、最終的
にはマグネットまたはスラグ36と当接する。この運動は
その初期段階でキックアウトばね34の圧縮力による抵抗
を受け、アーマチュア40の運転行程の後段で接点22−4
6,26−48が当接したのち、接点ばね56の圧縮力によって
さらに新たな抵抗を受ける。
接触器10の筐体12内には(第8,9及び10図にも示す)
過負荷継電プリント回路盤またはカード60をも設け、こ
れに(第2図にその1つ62Bだけを示した)電流−電圧
トランスデューサ62を設ける実施態様も可能である。過
負荷継電盤60を利用する本発明の実施例では、導体24を
流れる電流を電流−電圧トランスデューサ62Bが検知で
きるように前記導体24が電流−電圧トランスデューサ62
Bの環状開口部62Tを通るように構成すればよい。検知さ
れた情報を後述する態様で利用することにより、接触器
10に必要な回路情報を得ることができる。
過負荷継電盤60の一端に、筐体12の外部から接近可能
なセレクタ・スイッチ64をも設ける構成も可能である。
本発明の他の実施例を第30及び31図に示したが、その構
成及び動作については後述する。
第3図には、現在の技術を説明するため4本の互いに
交錯する曲線、即ち、それぞれを第2図に参照番31で示
したような磁気ソレノイド、34で示したようなキックア
ウトばね、56で示したような接点ばねについて力と距離
の関係を示すと共に、40で示したようなアーマチュアに
ついて瞬間速度と距離の関係を示した(曲線92)。いず
れの曲線においても独立変数は距離であるが、第3図の
曲線において距離と密接な関係にある時間も独立変数と
なり得る。なお、説明の便宜上、第2図に示した接触器
10の構成部分を例に取って述べるが、第2図に示した構
成要素が全体として公知技術に含まれるという意味では
ない。第1の曲線70の点72から圧縮され始めた場合にキ
ックアウトばね(例えば34)についての距離(または時
間)と力の関係を示す。74はばね34の初期力であり、距
離軸上の点78に達するまでばね34は次第に増大する力で
圧縮に抵抗する。点72,点74,曲線70,点76,点78及び点72
を結ぶ線で囲まれた領域はアーマチュア40が加速される
に従ってこのアーマチュア40の移動によりキックアウト
ばねを圧縮し、アーマチュア40と固定マグネット36との
間のエア・ギャップ58を閉じるのに必要な総エネルギー
量を表わす。この力はアーマチュア40の運動に抵抗す
る。距離軸上の点80において、例えば第2図の接点22−
42,26−48が当接し、アーマチュア40が引続き移動する
と、接点ばね56が圧縮されて、先に述べたような理由
で、既に当接状態にある接点にさらに大きい力を作用さ
せる。曲線79はエア・ギャップ58を閉じる方向に加速さ
れる可動アーマチュア40に作用する力の総量を表わす。
接点22−42,26−48が接触すると、点81と点82の間にお
いて力がステップ関数的に増大する。この力は点78にお
いて移動中のアーマチュア40に対してキックアウトばね
34及び接点バネ56の組合わせが最大の力を作用させるま
で次第に増大する。接点ばね56の抵抗を克服するため移
動中のアーマチュアが供給しなければならない捕足的エ
ネルギー量を、点81,82,曲線79,点84,76,曲線76A及び点
81を結ぶ線で囲まれた領域で表わした。従って、アーマ
チュア40が非作動位置72からマグネット36との当接位置
78まで加速される過程で、少なくともコイルまたはソレ
ノイド31は点72,74,81,82,84,78及び72を線で表わされ
るエネルギー量を供給しなければならない。曲線70の正
の勾配はコイル・エネルギーが除かれるとアーマチュア
40が逆方向に駆動されて接触器が再び開状態となるよう
に極力小さくしなければならない。アーマチュア40がそ
の運動の第1段階において克服しなければならない初期
力は点72,74間の差で表わされる力の閾値である。従っ
て、アーマチュアはこの時点において少なくともこの力
に対応する力を供給しなければならない。そこで、説明
の便宜上電磁コイル31が点72においてアーマチュア40が
必要とする力88(第3図)を提供するものと想定する。
また、接点22−46,26−48が接触し、接点ばね56が係合
する(80)時点でコイルまたはソレノイド31によって提
供される力は第3図に点80,82間の距離で表わす力より
も大きくなければならず、さもないと加速中のアーマチ
ュア40が途中で失速し、接点22−46,26−48の当接が極
めて弱くなる。これは接点が溶着分路し易くなる状態で
あり、好ましくない。従って、アーマチュア40を加速す
る際にコイル31によって供給される力は点80において点
82に示す力よりも大いくなければならない。ソレノイド
及びこれと連携する可動アーマチュアに関する磁気引力
曲線はアーマチュアの重さ、磁場の強さ、エア・ギャッ
プのサイズなど種々の要因に応じた、比較的予想に近い
形状を呈するこのような曲線を第3図に86で示した。曲
線86の相対形状と、点80に至るまでの制約条件、即ち、
第3図距離軸上の点72及び80においてコイル31が必要と
した力の値とで、第2図に示したアーマチュア40及びコ
イル31の磁気引力曲線の全貌が決定される。この曲線は
力90で終る。なお、移動中のアーマチュア40が固定マグ
ネット36に接近してエア・ギャップ58が狭くなるに従っ
て磁力が著しく増大するのが磁気引力曲線の特徴である
とする。従って、点78において力90が表われる。アーマ
チュア40が固定マグネット36と最初に当接または接触す
るのがこの点78においてである。ところが、その結果と
して2つの不都合な事態が発生する。第1に、図面から
明らかなように、点72,88,曲線86,点90,78及び点72を結
ぶ線で表わされるコイル31からマグネット系に供給され
る総エネルギーは種々のばね抵抗を克服するのに必要な
エネルギー量よりもはるかに大きい。このエネルギー差
は点74,88,曲線86,点90,84,82,81及び再び点74と結ぶ線
で囲まれた領域によって表わされる。このエネルギーは
無駄な、または不要なエネルギーであり、このエネルギ
ーを発生させなくて済むなら極めて好都合である。第2
の不都合な特性または事態はマグネット36と当接する直
前にアーマチュア40の加速度が最大となり、その運動エ
ネルギーの大部分を発生させることである。第3図に示
すように点72に始まり点94に終る速度曲線92は軸方向運
動パスに沿って加速するアーマチュア40の速度を表わ
す。キックアウトばね34と係合する点80における形状の
変化に注目されたい。アーマチュア40がマグネット36と
接触する直前に、速度V1は最大値に達する。このことは
アーマチュア40とマグネット36とが衝突または衝合する
瞬間における速度が高いため、高い運動エネルギーが伝
達され、極めて不都合である。このエネルギーをシステ
ムの他の素子によって瞬間的に消散させるかまたは吸収
しなければならない。典型的には、点78においてアーマ
チュア速度を瞬時にゼロまで落とすにはエネルギーを瞬
時に低下させねばならない。この運動エネルギーは衝突
音、熱、“バウンド”、振動、機械的摩耗などに変換さ
れる。アーマチュア40が、接点ブリッジ44上の接点46−
48と接点ばね56によってゆるく連結されているためにも
しバウンドすれば、これらの素子から成る機械的系が振
動し、その結果、接点構造22−42,26−48が迅速かつ反
復的に開閉する可能性が高い。これは電気回路における
極めて不都合な特性である。従って、キックアウトばね
34及び接点ばね56の抵抗を克服するのに必要な正確なエ
ネルギー量(またはこれに近いエネルギー値)だけが得
られるようにコイル31に供給されるエネルギーが注意深
くモニターされ、選択される態様で第2図の接触器10を
利用することが望ましい。また、アーマチュアがマグネ
ット36と当接する時のアーマチュア40の速度を著しく低
下させて“バウンド”の可能性を効果的に軽減すること
が望ましい。以上に述べた問題の解決は例えば第4,5及
び6図にグラフで示すように本発明によって達成され
る。
次に第2,3及び4図に沿って説明する。公知技術に関
する第3図の曲線と同様な、本発明に関する曲線群を第
4図に示した。この場合、キックアウトばね34及び接点
ばね56にそれぞれ関連するばね力曲線70,79は第3図の
場合と同じであるが、接点ばね及びキックアウトばねに
よるエネルギーはそれぞれ参照符号X及びYで表わして
ある。本発明のこの実施例では、コイル31によって供給
される力を表わす磁気引力曲線86′は上記キックアウト
ばねの限界力を克服するため点または力レベル95を起点
とし、距離96に現われる点または力レベル97まで続く。
コイル31によってアーマチュア40に供給される電気エネ
ルギーは力レベル97に対応する距離96において消滅す
る。即ち、アーマチュア40が固定マグネット36との当接
位置に到達する前に消滅する。この時点においてアーマ
チュア40が達する最大速度Vmを速度曲線92′上の点98に
示してある。これはマグネット36との当接位置へ移動す
る過程でアーマチュアが達する最大速度である。換言す
れば、コイル31から電気エネルギーの供給を断たれると
アーマチュアの加速が止み、減速し始める。第4図の10
0がその減速曲線であり、点98から点78までの範囲にま
たがり、キックアウトばねと係合する位置で勾配が変化
する。これは距離96に達する時点で早めにコイル31への
電気エネルギー流を断つことによって達成される。アー
マチュア40が固定マグネット36との当接位置への移動を
完了する前にばね力を克服するのに必要なエネルギー量
だけが供給されるようにしてエネルギー効率のすぐれた
システムを実現する。ソレノイド31が電気エネルギーの
供給を断たれる時点で、マグネット36との当接位置への
アーマチュアの移動を完了させるのに必要な力を表わす
のが点96,99,曲線70,点81,82,曲線79,点84,78及び再び
点96を結ぶ線で囲まれた領域である。このエネルギーは
アーマチュア・コイル31に電気エネルギーが供給される
時間のうち、点74,95,曲線86′,点97,99及び再び点74
を結ぶ線で囲まれた(必ずしもスケール通りではない
が)領域Zで表わされる部分に亘って供給される。この
ようなエネルギー収支はエネルギー・レベルを実験によ
って求める経験的分析などのような適当な方法で選択す
る。領域Z′で表わされるエネルギーはアーマチュアの
初期運動段階でキックアウトばね34を圧縮するために利
用されるが、それ以後の移動行程では利用されない。後
述するように、供給すべきエネルギー量を決定するには
マイクロプロセッサを利用すればよい。曲線100で表わ
される減速段階でのアーマチュア40の継続移動量はコイ
ル31への電気エネルギーが断たれる点96においてアーマ
チュア40が到達する運動エネルギー・レベルEによって
決定される。このエネルギーEはアーマチュアの質量
(M)の1/2に点98における速度(Vm)の二乗を掛けた
値に等しい。エネルギー収支が完全なシステムにあって
は、減速中のアーマチュア40が点78においてゼロ速度で
固定マグネット36と当接するからバウンドは起こらず、
騒音、摩耗、熱などの形を取る余剰エネルギーを吸収す
る必要もない。なお、第4図に示すような理想を実現す
ることが困難であり、事実、それほど効率の高い系を製
造する必要がないことはいうまでもない。従って、第4
図に本発明の原理を説明するための理想の系を示したも
のであり、点78においてアーマチュア40を正確にゼロ速
度でマグネット36と当接させるのは至難の業である。特
に第3図に示すような公知の系における速度94と比較し
た場合、小さい残留速度は許容される。
次に第2,4及び5図を参照しながら説明する。第5図
には接点ばね56が比較的強力であり、従って、アーマチ
ュア40が克服しなければならない力も大きくなるような
系に関連して、第4図に示したのと同様の曲線群を示し
た。上記実施例の特徴に加えて、第5図にはその他の特
徴も呈示されている。例えば、コイルへの給電時間は上
記実施例の場合よりも長いから、可動アーマチュア40の
速度はより高い値に達することができる。第4図に示し
た実施例に比較して接点ばね56のばね力が大きく、これ
を克服するには運動エネルギーを増大させる必要がある
から、より高い速度値が要求されるのである。第4及び
5図において同じ参照記号は両図の曲線上における対応
点を表わしている。第5図に示す本発明の実施例では、
キックアウトばね34及び接点ばね56を圧縮するのに必要
な総エネルギーは点82,102,曲線79′,点104,84,曲線79
及び再び点82を結ぶ曲線または線で囲まれた領域によっ
て表わされる量Uだけ増大する。残りの領域、即ち、点
72,74,曲線70,点81,82,曲線79,点84,78及び再び72を結
ぶ線で囲まれた領域は第4図の対応領域と同じである。
より大きいエネルギーUが得られるように、第4図の場
合とは異なる磁気引力曲線86″が形成される。この磁気
引力曲線はその平均勾配がやや大きく、点96と点100と
の間の距離差で表わされる時間に亘って接続し、増分的
なエネルギーUの増大をもたらす。新しい磁気引力曲線
86″は第4図の場合と同じく点95を起点とし、距離100
で表わされる点97′で終る。この引力曲線は可動アーマ
チュア40に関して第4図の場合よりも勾配が大きくかつ
長い速度曲線92″を発生させる。速度曲線92″の点98′
においてピーク速度V2に達する。この時点で、アーマチ
ュア40の運動エネルギー(E2)はMV2の二乗の1/2に等し
い。次いで瞬間速度が低下し、速度V1に明確なブレーク
ポイントがある曲線100′を画く。このブレークポイン
トはアーマチュアと接点ばね56との最初の当接を表わ
す。増大した速度V2の、従って、増大したエネルギーE2
の一部は先に述べた強力な、即ち、抵抗の大きい接点ば
ねによる上記エネルギー増大によって急速に吸収される
から、理論上曲線100′は可動アーマチュア40が固定マ
グネット36と当接する時点78においてゼロに達する。こ
こで第2,4及び6図を参照して説明する。第6図にはコ
イル31に関する電圧及び電流曲線、及びこれらの曲線と
第4図の力曲線との関係を示してある。本発明の好まし
い実施例においては、コイルの電流及び電圧は第7図の
実施例に関連して述べるような態様で下記4段階を追っ
て制御される:(1)アーマチュア40を加速するための
ACCELERATION段階、(2)固定マグネット36との当接す
る前のアーマチュア移動後段におけるアーマチュア速度
を調節するためのCOAST段階、(3)当接直後に振動や
バウンドを減衰させるためにアーマチュア40を固定マグ
ネット36に密着させるGRAB段階、及び(4)アーマチュ
アを保持するためのHOLD段階。以上の、及び後述する説
明を補足する意味で表1を参照されたい。表1からの情
報は後述するようにメニューとしてマイクロプロセッサ
のメモリに記憶される。ACCELERATION段階では、第4図
の距離軸上の点72と関連する時点72′においてコイルま
たはソレノイド31に電気エネルギーが供給され、第4図
の距離軸上の点96と関連する時点96′において供給が断
たれる。第4図に領域Z及びZ′で表わされているエネ
ルギーはコイル31の端子間電圧及びコイルを流れる電流
を適切に選択することによって得られる。
前記電圧及び電流を制御する装置及び方法は第7図に
関連して詳細に後述する。第6図には便宜上適当な波形
を図示したが、これらの波形を提供する装置については
後述する。本発明の好ましい実施例においてコイル31の
端子間に印加される電圧はピーク振幅110を有する波形1
06で表わされる未濾過全波整流AC電圧でよい。コイル31
を流れる電流は全波整流された、未濾過の、導通角制御
によるAC電流パルス108であり、この電流は表1に従っ
てコイル31を流れる。電圧は第6図の106A,106B,106C及
び106Dに示すようにコイル31に印加すればよい。本発明
の1実施例では、時点72′から時点96′までの時間に亘
ってコイル31に供給される総電力はこれを構成する電流
を電圧の組合わせが前記時間(72′−96′)に亘って、
上述のように接点を閉じるのに必要な機械的エネルギー
に等しくなるように完全導通電流波形の振幅を電圧波10
6のピーク振幅110との関連で調節することによって得ら
れる。ただし、本発明の他の実施例では、表1に示すよ
うに、トライアックのようなゲート制御される装置をコ
イル31と第7図に関連して詳細に後述するように直列接
続すれば、半波電流パルス108の所定部分α1,α2など
に亘ってコイルを概ね非導通状態に、即ち、部分β1、
β2などに亘ってコイルを概ね導通状態にして時間(7
2′−96′)に亘ってコイル31に供給される総電力量を
調節することができる。先行の導通インターバル中に磁
気的に蓄積されたエネルギーが放出されるため導通イン
ターバルの間にある程度のコイル電流が流れる。本発明
の好ましい実施例では、電流の導通角制御パルス数は既
に述べたような態様でコイル31が磁気エネルギーを供給
しなければならない時間の長さによって決定される。本
発明の実施態様として、時点96′よりも前にパルス108
を適切に調節し、しかも上述した態様でアーマチュア40
を加速するためコイル31への適切な電気エネルギー供給
を行うように構成することも可能である。本発明の他の
実施例では、電流導通サイクルを適切な時点に調節する
だけでは充分なエネルギーが得られず、後述するように
あらためて必要な調節を行う。なお、例えば、円滑な曲
線または波106,108はあくまでも理想の波形であり、実
際には図示の通りではない。第6図に示す理想の状態で
は、時点96′においてアーマチュア40はキックアウトば
ね34及び接点ばね56を圧縮し続けるに充分なエネルギー
・レベルEまで加速され、以後アーマチュアが減速し、
時点78′において曲線100に従ってアーマチュア40が第
4図に示すようにゼロ速度でゆるやかにマグネット36と
当接する。しかし、実際にはこのような条件を達成する
のは困難である。例えば、適切な時間(72′−96′)以
内に電圧波形106及び導通制御電流波形108の組合わせに
よって供給される電気エネルギー量は接点閉成サイクル
を完了するのに必要な運動エネルギーをアーマチュア40
に供給するには不充分である。この状態は例えば第4図
の速度曲線100Aで表わされる。即ち、アーマチュア40は
固定マグネット36と接触する前に停止する。即ち、ゼロ
速度に達する。この場合、接点ばね56とキックアウトば
ね34の組合わせはばね34−56が弛緩するまでアーマチュ
ア40の逆方向に加速してアーマチュア40と機械的に連結
している接点の閉成を妨げ、接触器10の閉成動作を不能
にするように作用する。このような状態も不都合である
が、アーマチュア40が固定マグネット36と接触しそうに
なる状態はもっと不都合である。接点間にアークが発生
して接点溶着が著しく増大するおそれがあるからであ
る。適切な時間枠内ではアーマチュアを加速するのに充
分なエネルギーが得られない以上、アーマチュア40の速
度曲線を“微調整”するため、新しい情報に基づく、
“途中”修正が必要になる。この修正は第6図のCOAST
部分において行われる。本発明の好ましい実施例では、
ゼロ速度ではないまでも比較的低い速度でアーマチュア
40が固定マグネット36と確実に当接するように、アーマ
チュア減速曲線を第4図の曲線100から曲線100Bへ偏倚
させる時点118′において調節電流パルス116を供給する
ことによってアーマチュア40を再加速する。この調節パ
ルス116は例えば角度α1及びα2よりもはるかに大き
いトライアック点弧制御角α3を設定する。本発明の好
ましい実施例では角度α1=α2と想定するが、必ずし
もこの条件に制約されるものではなく、コイル31に対す
る電流導通パスに利用される制御系に応じて選択され
る。アーマチュア40が比較的低い速度で固定マグネット
36と当接すると、接触器10は“閉”状態となる。振動な
どの要因が極めて不都合なバウンドを誘発するおそれが
あるから、コイル31の電流に対する制御回路を後述する
ような公知の態様で操作することにより、当接するアー
マチュア40及び固定マグネット36に作用する多数の“密
着(seal in)”またはGRABパルスを発生させる。少な
くとも理論的にはアーマチュア40の前進はマグネット36
との当接によって既に停止させられているか、または停
止直前の状態にあるから、密着パルスの導入がアーマチ
ュアの加速を惹起することはない。即ち、アーマチュア
のパスは固定マグネット36の存在によって物理的に塞が
れているからである。加速をひき起すのではなく、すべ
ての振動が減衰させられ、接点が確実に密着する。本発
明の好ましい実施例では、例えば導通角β4、β5及び
β6で表わされる電流半波の一部に亘ってコイル電流を
流すことによって密着またはGRABパルス120を発生さ
せ、密着またはGRAB段階制御が行われるようにする。AC
CELERATION,COASTびGRAB制御動作はフィードフォワード
電圧制御の原理に基づいて行われる。最終制御段階HOLD
において、機械系はほとんど静止状態となるが、アーマ
チュア40を固定マグネット36と当接した状態に維持して
接点を閉状態に保持するのにある程度の磁気が必要であ
る。そこで、キックアウトばね34がアーマチュア40を逆
方向に加速して接点を開放するのを防止するため、接点
が閉状態のままでなければならない時間に亘って各電流
半サイクルに一度ずつ比較的小さい、可変の保持パルス
124を反復させる。アーマチュア40をマグネット36と当
接状態に保持するのに必要な電気エネルギー量は閉成動
作中キックアウトばね34及び接点ばね56の力を克服する
ためアーマチュア40をマグネット36にむかって加速する
のに必要な量よりもはるかに小さい。パルス124はフェ
ーズバック、遅相または点弧角を著しく増大し、例え
ば、α7とすることによって得られる。角度α7は電流
パルスにより変化することができる。即ち、次いで遅相
角α8は角度α7よりも大きくなることもあれば小さく
なることもある。これは閉ループ電流制御によって達成
される。即ち、コイル31を流れる電流を検知し、第21図
に関連して後述するように必要に応じて再調整する。
第7A乃至7D図には本発明の制御回路をブロックダイヤ
グラムで示した。第2,8,9及び10図のコイル制御カード2
8には、例えば、第11図に示すような外部制御素子と接
続するための端子ボードまたはストリップJ1を設ける。
端子ボードJ1は参照記号をそれぞれ付した端子1乃至5
を有し、端子“2"には抵抗素子R1の一端、抵抗素子R2の
一端、及び全波ブリッジ整流器BR1の第1AC入力端子を接
続する。抵抗素子R1の他端は容量性素子C1の一端、及び
抵抗素子R16の一端に接続する。抵抗素子R16の一端を
“120VAC"で示した。抵抗素子R2の他端はバイポーラ・
リニア・カスタム・アナログ集積回路モジュールU1の
“LINE"入力端子であり、その機能については後述す
る。前記“LINE"入力端子はまた、マイクロプロセッサU
2のB40端子及び容量性素子CXの一方の側とも接続し、容
量性素子CXの他方の側は接地されている。マイクロプロ
セッサU2としては、“日本電気”の製造にかかるμPD75
CG33EまたはμPD7533を採用することができる。ブリッ
ジ整流器BR1の第2AC入力端子には抵抗素子R6の一方の側
及びTRIACなどのようなゲート制御装置Q1のアノードが
接続し、抵抗素子R6の他方の側は接地している。容量性
素子C1の他端はダイオードCR1のアノード、ダイオードC
R2のカソード及びツェナー・ダイオードZN1の調整端子
と接続する。ダイオードCR1はカソードは容量性素子C2
の一方の側及び集積回路U1の“+V"端子と接続し、前記
容量性素子C2の他方の側は接地している。集積回路U1の
“+V"端子は電源電圧VYを表わし、本発明の好ましい実
施例では+10VDCである。ダイオードCR2のアノードは容
量性素子C7の一方の側と接続し、素子C7の他方の側は接
地されている。ツェナー・ダイオードZN1の他方の端子
は他のツェナー・ダイオードZN2の非調整端子と接続す
る。ツェナー・ダイオードZN2の他方の側または調整端
子は接地されている。装置CR2及び容量性素子C7のアノ
ード間接続部には電源電圧VXが現われ、この電圧は本発
明の好ましい実施例の場合、−7VDCである。
端子ボードJ1上の入力端子“1"は接地されている。端
子ボードJ1上の入力端子“3"は抵抗素子R3の一方の側と
接続し、素子R3の他方の側は容量性素子C4の一方の側、
リニア集積回路U1の“RUN"入力端子及びマイクロプロセ
ッサU2のB41端子と接続する。容量性素子C4の他方の側
は接地している。端子ボードJ1の端子“4"は抵抗素子R4
の一方の側と接続し、素子R4の他方の側は容量性素子C5
の一方の側、リニア回路U1の“START"入力端子及びマイ
クロプロセッサU2のB42端子と接続する。容量性素子C5
の他方の側は設置している。端子ボードJ1の入力端子
“5"は抵抗素子R5の一方の側と接続し、素子R5の他方の
側は容量性素子C6の一方の側、リニア集積回路U1の“RE
SET"入力端子及びマイクロプロセッサU2のB43端子と接
続する。容量性素子C6の他方の側は接地している。抵抗
素子/容量性素子組合わせR3−C4,R4−C5,及びR5−C6は
端子ボードJ1の入力端子“3",“4"及び“5"とそれぞれ
連携するフィルタ回路を表わす。これらのフィルタはリ
ニア集積回路U1の入力“RUN"、“START"及び“RESET"で
それぞれ表わされる高インピーダンス回路に給電する。
全波ブリッジ整流器BR1のDCまたは出力端子間に、既
に述べた、また、さらに詳しく後述する態様で使用され
る上記ソレノイド・コイル31を接続する。シリコン制御
整流器などのようなゲート制御装置Q1の他方の主導電端
子またはカソードは抵抗素子R7の一方の側及び装置U1の
“CCI"端子と接続する。抵抗素子R7の他方の側は接地し
ている。シリコン制御整流器などのようなゲート制御装
置Q1のゲートはリニア集積回路U1の“GATE"出力端子と
接続する。
リニア集積回路U1は参照記号VZで表わされかつマイク
ロプロセッサU2のREF入力端子と接続する“+5V"電源端
子、及び調節のための抵抗性ポテンショメータ素子R8を
具備する。集積回路モジュールU1はマイクロプロセッサ
U2のVDD入力端子、容量性素子C16の一方の側及び抵抗素
子R15の一方の側と接続する出力端子“VDD"を有し、素
子R15の他方の側は容量性素子C9の一方の側及びリニア
・アナログ・モジュールU1の“VDDS"入力端子と接続す
る。容量性素子C9及びC16の他方の側は接地している。
リニア集積回路モジュールU1は共通系またはアースと接
続する接地端子“GND"をも具備する。集積回路U1はマイ
クロプロセッサU2のRES入力端子に“RES"信号を供給す
る端子“RS"を有する。リニア集積回路モジュールまた
はチップU1は容量性素子C8の一方の側及び抵抗素子R14
の一方の側と接続する端子“DM"(DEADMAN)を有する。
抵抗素子R14の他方の側はマイクロプロセッサU2の022端
子と接続する。容量性素子C8の他方の側は接地してい
る。チップまたは回路U1はマイクロプロセッサU2のB52
端子から信号“TRIG"を供給される“TRIG"入力端子を有
する。集積回路U1はマイクロプロセッサU2のINTO端子に
信号“VDDOK"を供給する“VOK"出力端子を有する。最後
に、集積回路U1はマイクロプロセッサU2のAN2入力端子
に信号“COILCUR"を供給する“CCO"出力端子を有する。
信号“COILCUR"はコイル31を流れるコイル電流量を指示
する。パイポラー・リニア集積回路U1の内部動作を及び
各種入出力の動作についてはあらためて後述する。
抵抗素子R16の他方の側はダイオードCR4のアノードと
接続し、ダイオードCR4のカソードは容量性素子C13の一
方の側、抵抗素子R17の一方の側及びマイクロプロセッ
サU2のAN3入力端子と接続する。AN3入力端子は制御下に
ある系の線電圧を示す信号“LVOLT"を受信する。容量性
素子C13の他方の側及び抵抗素子R17の他方の側は接地し
ている。
コイル制御盤28には、信号または機能“GND"(接
地)、“MCUR"(入力)、“DELAY"(入力)、“+5V"
(電源)、“+10V"(電源)及び“−7V"(電源)を供
給される端子を有するコネクタまたは端子ブロックJ2を
別設する。制御信号Z,A,B,C及びSWもここで形成され
る。
マイクロプロセッサU2の端子GND及びAGNDは接地して
いる。マイクロプロセッサU2の端子AN2は端子ボードJ2
の“MCUR"端子と接続し、マイクロプロセッサU2の端子C
L2はクリスタルY1の一方の側と接続し、クリスタルY1の
他方の側はマイクロプロセッサU2の端子CL1と接続す
る。端子CL2は容量性素子C14の一方の側ともに接続す
る。また、端子CL1は容量性素子C15の一方の側とも接続
する。容量性素子C14及びC15の他方の側は系のアースと
接続している。マイクロプロセッサU2の端子DVLは端子
ボードJ2の“+5V"端子と接続する。
リニア・アナログ回路U1は調整電源RP5を内蔵し、そ
の入力は“+V"入力端子と、その出力は“+5V"出力端
子とそれぞれ接続する。本発明の好ましい実施例では、
未調整10ボルト値VYが調整電源RPS内で高度に調整され
た5ボルト信号VZまたは+5Vに変換される。また、本発
明の好ましい実施例では3.2ボルトに設定される調整電
源RPSの内部出力源COMPOがコンパレータCOMPの基準
(−)と接続する。コンパレータCOMPの一方の入力
(+)にはVDDS信号が供給される。コンパレータCOMPの
出力をVOKで表わしてある。入力端子“LINE"、“RUN"、
“START"及び“RESET"はリニア集積回路U1中のクリップ
/クランプ回路CLAと接続し、本発明の好ましい実施例
の場合、関連の信号がDC電圧信号がAC電圧信号がに関係
なく、マイクロプロセッサU2に供給される信号の範囲を
+4.6ボルトから−0.4ボルトの間に制限する。リニア回
路U1は“TRIG"入力を受信し、GATE出力を供給するゲー
ト増幅回路GAを内蔵する。また、DEADMAN信号“DM"を受
信し、“RS"においてリセット信号RESを供給するDEADMA
N/リセット回路DMCはもしDEADMAN機能が行われるとゲー
ト増幅器GAがゲート信号GATEを出力しないように“I"に
おいてゲート増幅器GAに対する禁止信号をも供給する。
さらに、端子“CCI"からコイル電流信号を受信し、後述
するような態様でマイクロプロセッサU2が利用する出力
信号COILCURを端子CCOから出力するコイル電流増幅器CC
Aをも設ける。種々の入出力端子においてマイクロプロ
セッサU2によって提供される機能については後述する。
ケーブル64を介してコイル電流制御盤28と接続してこ
れと補完関係にあるコネクタJ101及びコネクタJ102を含
む過負荷継電盤60をも設ける。上記電流−電圧トランス
デューサまたはトランスフォーマー62は過負荷継電盤60
によって制御される3相電気システムのための3つのト
ランス62A,62B,62Cで表わすことができる。これらの電
流−電圧トランスデューサ62A,62B,62Cの各2次巻線の
一方の側は接地しており、他方の側はそれぞれ抵抗素子
R101,R102,R103の一方の側と接続する。抵抗素子R101,R
102,R103の他方の側とそれぞれ接続する端子aOR,bOR,cO
Rを有する三重2チャンネル・アナログ・マルチプレク
サ/デマルチプレクサまたは伝送ゲートU101をも設け
る。ゲートU101のay,by及びcy端子は接地している。ゲ
ートU101の端子ax,bx及びcxは電気的に一括され、積分
コンデンサC101の一方の側及び整流器CR101のアノード
と接続する。コンデンサC101の他方の側は整流器CR102
のカソードと接続し、CR102のアノードは前記整流器CR1
01のカソード、差動増幅器U103の出力及び第2の三重2
チャンネル・アナログ・マルチプレクサ/デマルチプレ
クサU102のbOR端子と接続する。積分コンデンサC101の
他方の側はゲインU105を含む緩衝増幅器の正入力端子及
び上記第2アナログ・マルチプレクサ/デマルチプレク
サまたは伝送ゲートU102のcOR出力端子とも接続する。
伝送ゲートU101の前記一括端子ax,bx,cxは伝送ゲートU1
02のay及びcx端子とも接続する。伝送ゲートまたはアナ
ログ・マルチプレクサ/デマルチプレクサU102のax端子
は接地している。装置U102のaOR端子は容量性素子C102
の一方の側と接続し、素子C102の他方の側はマルチプレ
クサ/デマルチプレクサU102のbx端子及び上記差動増幅
器U103の負入力端子と接続する。上記差動増幅器U103の
正入力端子は接地している。差動増幅器U105の負入力端
子はポテンショメータP101のワイパーと接続し、ポテン
ショメータP101の一方の主端子は接地し、他方の主端子
は端子ボードJ102に“MCUR"出力信号は抵抗素子R103の
一方の側から供給され、抵抗素子R103の他方の側は差動
増幅着U105の出力、ダイオードCR104のアノード及びダ
イオードCR105のカソードと接続している。ダイオードC
R105のアノードは接地し、ダイオードCR104のカソード
は+5V電源端子VZと接続する。装置U101,U102,U103は−
7電源から給電される。+10V電源電圧が上記利得増幅
器U105及び抵抗素子104の一方の側に供給され、抵抗素
子104の他方の側は電源、上記伝送ゲートU101,U102及び
ダイオードCR106のアノードと接続し、ダイオードCR106
のカソードは+5V電源電圧と接続する。端子ボードJ102
の+5V電源レベルVZは他方の側が接地しているフィルタ
容量性素子C103の一方の側、及びポテンショメータP102
の一方の主端子にも供給され、ポテンショメータP102の
他方の主端子は接地している。ポテンショメータP102の
ワイパーは端子ボードJ101を介してマイクロプロセッサ
U2の端子ANOに“DELAY"出力信号を供給する。上記アナ
ログ・マルチプレクサ/デマルチプレクサ装置U101の制
御端子A,B,Cは並一直列8ビット静止シフトレジスタU10
4のA,B,C信号端子とそれぞれ接続する。信号A,B,Cはマ
イクロプロセッサ42の端子032,031,030からそれぞれ供
給される。
極AM,C0,C1,SP,H0,H1,H2,H3を有する8極スイッチSW1
01を設ける。各スイッチ極の一方の側は並−直列8ビッ
ト静止シフトレジスタU104のP0乃至P7入力端子を介して
5ボルト電源VZと接続し、前記レジスタU104の“COM"出
力端子は端子ボードJ101及びマイクロプロセッサU2の端
子I10から“SW"信号を受信する。上記参照記号“H0"乃
至“H3"は過負荷継電盤60によって制御されるような装
置が“ヒーター”クラスであることを表わす。スイッチ
SW101における前記4極H0乃至H3のいくつかまたは全部
を適当に操作することにより、過負荷継電盤60によって
保護されるヒーター・クラスの装置を表わすことができ
る。
第2,8,9及び10図を参照してコイル制御盤28及び過負
荷継電盤60の製作に利用されるプリント回路盤の構成を
説明する。具体的には、コイル制御盤28には端子ブロッ
クJ1のほかにコイル集合体30が配置されており、図面で
はコイル集合体30のコイルを省いて示してある。コイル
集合体30はばね座32及びコイル座31Aを含む。コイル制
御盤28にはコネクタJ2をも設け、平形ケーブル64の一端
をはんだ付けなどによって前記コネクタJ2に挿着する。
平形ケーブル64の他端は過負荷継電盤60のコネクタJ10
2,J102に達している。3相電流用として第8図に3相電
流器62を過負荷継電盤60上に62A,62B,62Cで示した。ス
イッチSW101として8極ディップ・スイッチを設ける。
また、工場校正及び遅延調節用としてそれぞれ利用され
るポテンショメータP101,P102をも図示した。
本発明の好ましい実施例では、あらかじめ成形し、は
んだ付けし、接続した単一片のプリント回路盤材料上に
コイル制御盤28及び過負荷継電盤60を形成する。次い
で、例えば、首細部102を折ることにより、単一片プリ
ント回路盤材料を領域100において分離して、特に第2
及び10図から明らかなように互いに直角にヒンジ結合さ
れた過負荷継電盤60及びコイル制御盤28を形成する。
次に第2及び11図に沿ったコイル制御盤28及び過負荷
継電盤60の装置及び電気的素子を利用する制御回路構成
の実施例を説明する。具体的には、3本の主給電線L1,L
2,L3を設け、これにより適当な3相電源から3相AC電力
を供給する。これらの給電線はそれぞれ接触器MA,MB,MC
を介して給電する。端子ブロックJ1は端子“C",“E",
“P",“3",“R"を含み、これらの参照記号はそれぞれ機
能または接続“COMMON",“AC POWER",“RUN PERMIT/S
TOP",“START−REQUEST",及び“RESET"を表わす。例え
ば、第8,9,10図から既に明らかなように、コイル制御盤
28は多目的ケーブル64を介して過負荷継電盤60と交信す
る。過負荷継電盤60は上述した機能を果すスイッチSW10
1を含み、変流器62A乃至62Cの2次巻線が過負荷継電盤6
0と接続している。また、変流器62A乃至62Cの2次巻線
が過負荷継電盤60と接続している。変流器62A乃至62Cは
端子T1,T2,T3を介して線L1,L2,L3と接続しているモータ
に供給される線L1,L2,L3を流れる瞬間線電流iL1,iL2,iL
3をモニターする。電力は例えば、線L1,L2間に1次巻線
が接続されている変流器CPTを介してコイル制御盤28及
び過負荷継電盤60に供給される。変流器CPTの2次巻線
は端子ブロックJ1の“C"及び“E"端子と接続する。変流
器CPT2次巻線の一方の側は常閉STOP押ボタンの一方の側
及び常開RESET押ボタンの一方の側に接続することがで
きる。STOP押ボタンの他方の側は端子ブロックJ1の“P"
入力端子及び常開START押ボタンの一方の側と接続す
る。常開START押ボタンの他方の側は端子ブロックJ1の
“3"入力端子と接続し、RESET押ボタンの他方の側は端
子ブロックJ1のリセット端子Rと接続する。上記押ボタ
ンを公知の態様で操作することによりコイル制御盤28及
び過負荷継電盤60に制御情報を供給することができる。
第2,7C及び12乃至18図を参照しながら、本発明の各種
変流器62の構成及び動作を考察する。従来型の電流検知
用トランスは1次巻線電流に比例する2次巻線電流を形
成する。この種の変流器からの出力電流信号が抵抗性電
流分路に供給され、分路電圧が過負荷継電盤60に組込ま
れるような電圧検知電子回路に供給される時、入出力間
に比例関係が存在する。1次巻線を流れる電流の導関数
に比例する2次巻線電圧を供給することにより、リニア
・カプラーとも呼ばれる空心変成器を電流検知用に使用
することができる。従来型の鉄心変流器及びリニア・カ
プラーにはいくつかの欠点がある。欠点の1つとして、
所与の変流器設計条件に応じて出力電圧を変えるために
従来型変流器の“巻数比”を変えねばならない。本発明
の変流器では、変流器の磁心に現われる磁束の経時変化
率は磁心に磁束飽和が存在しない状態において1次巻線
を流れる電流に比例する。1次巻線を流れる電流の導関
数に比例する出力電圧が発生し、出力電圧と電流の比が
容易に変化するから、種々の電流検知に応用できる。鉄
心変流器は比較的大型になり易いが、本発明の変流器は
小型化が可能である。
特に第12図から明らかなように、本発明の変流器62X
は実質的に不連続なエア・ギャップ111を有する環状磁
心110を含む。1次電流iL1、即ち、検知すべき電流は磁
心110の中心を通るから、線L1に対応する単巻入力1次
巻線を形成する。変流器62Xの2次巻線112は説明の便宜
上N2の巻数を有する多重の巻回部分を含む。2次巻線11
2は変流器をモニターする電子回路を駆動するに充分な
電圧レベルを出力できるだけの巻数を有する。磁心110
の円周方向長さは説明の便宜上l1と設定し、エア・ギャ
ップ111の長さをl2と設定する。
磁心の断面積をAl、エア・ギャップの断面積をA2とす
る。変流器の出力電圧はエア・ギャップl2の有効長を変
えることによって変化させる。そのためには、第15及び
16図に示すようにエア・ギャップ111に金属シムを挿入
するか、または第17図に示すように変流器磁心構造の別
々の部分を移動させてエア・ギャップ111を小さくした
り大きくしたりすればよい。エア・ギャップ111の長さ
が設定されると、変流器の入力巻線を入れる入力電流iL
1の導関数にほぼ比例する出力電圧e0(t)を出力する
比較的小型の電流検知変流器が形成される。この構成の
長所の1つとして、必ずしも正弦波または周期的入力電
流を使用しなくてもよい。例えば第12図に示す変流器62
Xの2次巻線からの出力電圧e0(t)は方程式(1)に
よって与えられる。
μ1及びμ2はそれぞれ磁心110及びエア・ギャップ1
11の透磁率である。ω(オメガ)は瞬間電流iL1の周波
数であり、IL1は瞬間電流iL1のピーク振幅に等しい。
エア・ギャップl2の長さ及び周波数ω以外のすべてのパ
ラメータが不変である場合、方程式(1)は簡略化して
方程式(2)となる。
ただし、括弧内の項は方程式(1)の導関数部分と等
価である。
方程式(2)の電圧e0(t)が第13図に示す113のよ
うな積分回路の、本発明の好ましい実施例として第7図
に示すような端子に供給されると、積分回路113の出力
は次の方程式(3)で表わされる。
エア・ギャップ111の長さl2が変化すると、入力電流i
L1に正比例する出力電圧e′0(t)はエア・ギャップ
111の長さl2に反比例して変化する。第14図はエア・ギ
ャップ111の長さl2の変化と、出力電圧e′0(t)を
入力電流(例えばiL1)で割算した値との関係を示すグ
ラフである。1次周波数ωが一定であるか、または一定
であると仮定される特殊な場合には、第13図の積分回路
113を使用する必要はなく、この場合、方程式(2)を
方程式(4)に書き直すことができる。
定周波数項ωがk4の一部を形成する。この場合、変流
器2次巻線112からの出力e0(t)は入力電流IL1に比
例し、エア・ギャップ111の長さl2に反比例して変化す
る。
特に第15,16,17図に関連して説明すると、いくつかの
電流範囲を同一の変流器を利用して検知したい場合、エ
ア・ギャップ111の長さl2を効果的に変えることによっ
て出力電圧e0(t)を変えることができる。そのために
は、所要の出力電圧e0(t)の範囲に応じて変流器62Y
のエア・ギャップに所定幅のシムを挿入すればよい。あ
るいは、変流器62Zのエア・ギャップ111に楔形にセミコ
ア119を挿入してもよい。さらにまた、第17図の変流器6
2Uでは、その磁心を2つの部分116A,116Bに分割し、2
つの補完的なエア・ギャップ111A,111Bを形成すること
で同様の成果が得られる。第12−17図は1次巻線を流れ
る電流量にほぼ比例する磁束が磁心に発生するように磁
心に1次巻線を配した電流−電圧トランスデューサを示
す。磁心は非連続的な、ただし可変的なエア・ギャップ
を有し、このエア・ギャップは値I1に等しいかまたはこ
れよりも小さい電流値において磁心中に磁気飽和が起こ
るのを防止する第1の磁気抵抗を有する。また、磁心中
の磁束にほぼ比例する電圧Vが出力端子に現れるように
磁心に2次巻線を配設する。電圧Vは第1磁気抵抗及び
I1に等しいかまたはこれよりも小さい電流Iの値に対し
ては電圧V2に等しいか、またはこれよりも小さい。可変
の、ただし非連続的なエア・ギャップはI1よりも大きい
I2に等しいかまたはこれよりも小さい電流Iの値に対し
て磁心に磁気飽和が起こるのを防止する第2の、前記第
1磁気抵抗よりも高い磁気抵抗値が得られるように変化
させることができる。第2のエア・ギャップ磁気抵抗値
及びI2以下またはこれに等しい電流値に対して電圧Vは
V1またはそれ以下の値を維持する。
特に第18図から明らかなように、一見したところ幅の
広い非連続エア・ギャップ111は具えていないが、微粒
状の磁心材料122の間にエア・ギャップ124が均一に配分
されている例えばフェライトのような焼結または圧縮粉
末金属から成る均質磁心120を変流器62Sに利用すること
もできる。前記エア・ギャップ124は第12図に示す111の
ような非連続エア・ギャップと同じ効果を有するが、漂
遊磁界の影響を軽減し、極めて信頼度の高い小型変流器
の実現を可能にする。このような変流器は粉末金属に圧
縮加工などを施して粉末金属122の部分及び金属粒の周
りに微視的かつ均一に配分されたエア・ギャップ124を
有する磁心に成形することによって形成することができ
る。このように構成された磁心は飽和の必要がなく、励
磁電流の導関数に比例する出力電圧を発生させる。本発
明の1実施例では上記エア・ギャップ中に非磁性絶縁材
を配置する。
次に第7A乃至7D図、第11,19,20及び21図に沿ってシス
テムの動作態様を説明する。システム線電圧(例えば第
11図のVAB)はマイクロプロセッサU2をAC線電圧と同期
させるのに利用されるLINE信号によって表わされる。こ
れは種々の給電電圧、例えば、VX,VY,VZを発生させる。
同じくパワー・オン・リセット回路として利用されるデ
ッドマン回路DMCは先ず5ボルトの10ミリセコンド・リ
セット信号RESをマイクロプロセッサU2に供給する。こ
の信号はマイクロプロセッサU2の出力を高インピーダン
ス・レベルに設定し、内部プログラムをメモリ場所Oに
設定することによってマイクロプロセッサU2を初期設定
する。スイッチ入力は入力B41−B43を介して読取られ
る。アルゴリズムは第19図に示した通りである。常態で
は端子B41,B42,B43はマイクロプロセッサU2の入力端子
であるが、放電のための上記コンデンサの放電パスとな
る出力端子としても構成されている。その理由は次の通
りである。即ち、入力押ボタンが開くと、上述したよう
にまたはマイクロプロセッサからの漏れ電流によってC
4,C5,C6が充電された状態になる可能性がある。漏れ電
流は誤ってロジック1と解釈されかねない電圧レベルに
までコンデンサを充電する。従って、容量性素子C4,C5,
C6を周期的に放電させる必要がある。第19図におけるロ
ジック・ブロック152の“READSWITCHES"アルゴリズムは
次のように質問する。“マイクロプロセッサU2のB40入
力端子において線信号LINEから読取られる線電圧は正の
半サイクルであるか?"の質問に対する回答が“イエス”
なら、それぞれ入力端子B41,B42,B43における“STAR
T"、“RUN"及び“RESET"信号がデジタル1かデジタル0
かをチェックするロジック・ブロック154が利用され
る。回答に関係なく、上記質問がなされると、機能ブロ
ック156に示すアルゴリズムの次のステップにおいて命
令“DISCHARGE CAPACITORS"が発せられる。この時点に
おいてマイクロプロセッサU2の端子B41乃至B43は零に内
部設定され、上述したようにコンデンサを放電させる。
これは線電圧の正の半サイクル中に起こる。機能ブロッ
ク152において提起された質問に対する回答が“ノー”
ならば、線電圧は負の半サイクルにあり、入力端子B41
乃至B43がコンデンサ放電モードから解放されるのはこ
の半サイクルにおいてである。以上、モータ制御装置に
関して説明したが、本発明はAC電圧信号の存在を検知す
る装置にも応用できる。
初期設定が行われたのち、マイクロプロセッサU2はリ
ニア集積回路U1からのVOK出力信号の状態をモニターす
るため入力端子INTOをチェックする。もしマイクロプロ
セッサU2に内蔵されているランダム・アクセス・メモリ
RAMの電圧がすでに記憶されているデータの信頼性を保
証するに充分な高さなら、前記信号はデジタル0とな
る。容量性素子C9はランダム・アクセス・メモリへの給
電電圧VDDをモニターし、蓄積する。例えば、停電中,
系全体への給電が断たれることによって電圧VDDが除か
れても、容量性素子C9はしばらくは電圧VDDを維持する
が、結局は放電する。容量性素子C9の電圧はVDDSであ
り、上述した態様で再びリニア集積回路U1に供給され
る。出力信号VOKを電圧VDDが低過ぎることを示すデジタ
ル1とするか、電圧VDDが安全値であることを示すデジ
タル0とするかはこの電圧VDDS次第である。
マイクロプロセッサU2はまた、その入力端子AN3にお
いて入力信号LVOLTを受信する。0乃至ボルトのこの電
圧は制御線LINEの電圧に比例する。マイクロプロセッサ
U2はこの情報を3通りに利用する。即ち、(1)第6図
に関連して既に述べたように接触器10の接点閉成プロフ
ィルを選択するのに利用する。適切な閉成プロフィルは
線電圧に応じて異なる。信号LVOLTはマイクロプロセッ
サU2に電圧情報を提供し、マイクロプロセッサU2は線電
圧の変化に対応してトライアックなどのようなゲート制
御装置Q1の点弧位相または遅延角α1,α2などを変化さ
せる。(2)LVOLT信号は線電圧が接触器10を閉成させ
るほど高いかどうかを判定するためにも利用される(表
1参照)。確実な閉成動作が起こるための線電圧または
制御電圧の下限値があり、多くの場合、この下限値は公
称線電圧の65%である。本発明の好ましい実施例では、
これを78VACとなるように選択する。(3)最後に、マ
イクロプロセッサがLVOLT信号を利用して、適当な時点
に論理的に接点を開放する電圧下限値が存在するかどう
かを判定する。この電圧は多くの場合最大電圧の40%で
ある。線電圧信号LVOLTによって線電圧が最大値の50%
以下であることが示唆されると、マイクロプロッサU2が
接点を自動的に開放させてフェールセーフ動作を行う。
本発明の好ましい実施例では、これを48VACとなるよう
に選択する。マイクロプロセッサU2は第20図の“READ
VOLTS“アルゴリズムに従ってLVOLT信号を読取る。
LVOLT信号は第20図の“READ VOLTS"アルゴリズムに
おいて利用される。判断ブロック162は“これは正の電
圧半サイクルか?"と問う。この質問とその回答は第19図
における判断ブロック152の場合と同様に行われる。判
断ブロック162における質問に対する回答が“ノー”な
ら、アルゴリズムは起点に戻る。もし回答が“イエス”
なら、命令ブロック164がマイクロプロセッサに対し
て、判断ブロック162の判断に基づいて存在する信号を
アナログ/デジタル変換するためマイクロプロセッサU2
のAN3入力を選択するように命令する。この情報は上述
の態様で利用するため、命令ブロック168の命令に基づ
くマイクロプロセッサU2のメモリ場所に記憶され、アル
ゴリズムが起点に戻る。
再び表1において、マイクロプロセッサへの次の入力
はCOLCURで示されている。これは閉ループコイル電流制
御系の一部である。リニア回路U1への入力CCIは抵抗素
子R7における電圧降下に応じた、コイル31を流れる電流
を測定する。この情報は上述のように適当にスケーリン
グされ、COILCUR信号によってマイクロプロセッサU2に
伝送される。LVOLT信号によって与えられる線電圧を知
らねばならないように、COILCUR信号によって与えられ
るコイル電流も知らねばならない。
COILCUR信号は第21図に示す“CHOLD"アルゴリズムに
従って利用される。先ず、命令ブロック172に記入して
あるように、マイクロプロセッサは捕捉的な導通遅延を
フェッチするように命令する。角度α7は一定の導通遅
延角、例えば、5ミリセカンドとこの捕捉分との和であ
る。次いでマイクロプロセッサU2は適当な時点、即ち、
角度α7が経過するまで待機し、命令ブロック174の命
令に従ってトライアックまたはシリコン制御装置Q1を点
弧させる。マイクロプロセッサは端子B52から“TRIG"信
号を発することによってこの点弧を行ない、第7A及び7B
図に関連して述べた態様で増幅器GA及びそのGATE出力端
子を介して集積回路U1のTRIG入力端子に供給してシリコ
ン制御整流トライアックまたは同様のゲート制御装置Q1
のゲートを作動させる。次いで命令ブロック176の命令
に従って、抵抗素子R7を流れかつセミカスタム集積回路
U1のCCI入力において測定される電流が増幅器CCAを介し
てCCO出力へマイクロプロセッサU2の端子AN2に対するCO
ILCURシリコン制御装置Q1を点弧させる。マイクロプロ
セッサは端子B52から“TRIG"信号を発することによって
この点弧を達成し、第7A及び7B図に関連して述べた態様
で増幅器GA及びそのGATE出力端子を介して集積回路U1の
TRIG入力端子に供給してシリコン制御整流トライアック
または同様のゲート制御装置Q1のゲートを作動させる。
次いで命令ブロック176の命令に従って、抵抗素子R7を
流れかつセミカスタム集積回路U1のCCI入力において測
定される電流が増幅器CCAを介してCCO出力へマイクロプ
ロセッサU2の端子AN2に対するCOILCUR信号として供給さ
れる。マイクロプロセッサはこのCOILCUR信号を繰換え
しA/D変換することによりその最大値を求める。次いで
判断ブロック178の判断に従ってこの最大電流がマイク
ロプロセッサU2においてマイクロプロセッサU2に供給さ
れる調整点と比較され、最大電流が調整点によって決定
される電流よりも大きいか否かが判定される。本発明の
好ましい実施例では200ミリアンペアのDC成分となるよ
うに調整点ピーク電流が設定される。必要に応じて角度
α7を変化させることによりこの励起レベルを維持す
る。判断ブロック178の質問に対する回答が“イエス”
なら、マイクロプロセッサ内で導通遅延が次に高い値ま
で上向きデジタル増分される。これは一度に少なくとも
1有効ビットだけカウンタを増分することによって行わ
れる。その結果、例えば第6図の遅延角α7がより大き
く、従って電流パルス124がより小さくなり、トライア
ックなどのようなゲート制御装置Q1を流れる半サイクル
ごとの平均電流が小さくなる。逆に判断ブロック178に
おける質問に対する回答が“ノー”なら、マイクロプロ
セッサ内のカウントが少なくとも1有効ビット減分され
ることによって遅延角α7が縮小し、電流パルス124が
増大する。機能ブロック178における質問に対する回答
に関係なく、命令ブロック180及び182が要求する増減分
が完了すると、アルゴリズムは以後周期的に利用される
ため起点に戻る。必要に応じて半サイクルごとのα7を
変化させることにより、駆動電圧またはコイル抵抗の変
化に関係なくコイル電流がHOLD段階を通して調整値に維
持されることになる。
入力LVOLT及びCOILCURはマイクロプロセッサU2の出力
B52からリニア回路U1のトリガー入力TRIGへトリガー信
号TRIGが供給される時点を決定する重要な値である。リ
ニア回路U1は上述した態様でトリガー信号TRIGを利用す
ることにより、サイリスタQ1のゲート端子に上述した態
様でゲート出力信号GATEを供給する。
線電流iL1,iL2,iL3を検出し、測定する装置及び方法
を第22,23,24,25図及び第7A乃至7D図に沿って説明す
る。伝送ゲートU101については、そのax,bx及びcx出力
端子が一括して積分コンデンサC101の一方の側の接続し
ている。マイクロプロセッサU2は表2に示すデジタル配
列に従って伝送ゲートU1の関連入力に信号A,B,Cを供給
することによりゲートU101におけるパラメータ選択を制
御する。この動作により、変流器62A,62B,62Cの2次巻
線電圧を32半サイクル増分で逐次サインプリングするこ
とができる。積分コンデンサC101は後述するような態様
で充電される。既に述べたように、変流器62A,62B,62C
の2次巻線出力電圧は主給電線A,B,Cをそれぞれ流れる
線電流iL1,iL2,iL3の数学的な差と関連する。この電圧
は抵抗素子R101,R102またはR103にそれぞれ印加するこ
とで充電電流に変換されるから、積分コンデンサC101の
電圧VC101も線サイクルごとに変化する。後述する態様
で32線サイクルの積分が行われたのち初めてコンデンサ
が放電される。
Z入力信号と相俟って動作する伝送ゲートU102は積分
回路の接続関係を変え、積分コンデンサC101は周期的に
回路動作を起動させる。これはZ=0の時に起こる。積
分コンデンサC101の出力電圧VC101はゲインを含む緩衡
増幅器U105に供給されて信号MCURを形成し、これがマイ
クロプロセッサU2のANI入力に供給される。マイクロプ
ロセッサU2は第22図に示した“RANGE"アルゴリズムの態
様で信号MCURによって与えられるデータをデジタル化す
る。電圧信号MCURはマイクロプロセッサU2に内蔵されて
いる8ビット、5ボルトのA/Dコンバータ200へ単一アナ
ログ入力として供給される。A/Dコンバータ200を第23図
に示した。用途に応じた広い範囲に亘って変化する線電
流を測定できるためには本発明のシステムを利用するこ
とが望ましい。例えば、段階によっては1,200アンペア
にも及び高い線電流を測定しなければならないことがあ
り、また、10アンペア以下の線電流を測定したい場合も
ある。システムのダイナミックレンジを広げるため、マ
イクロプロセッサU2は内蔵するA/Dコンバータ200の所定
ビットである8ビット出力を12ビットに拡張する。
説明の便宜上、以上に述べた動作を検知変流器62A及
び抵抗器R101に関連する図示例で詳述する。なお、変流
器62Bと抵抗器R102,及び変流器62Cと抵抗器103もそれぞ
れ同様に利用できる。また、すべての電流関数に対応し
が成立する。変流器62Aにおけるエア・ギャップ111の長
さ12が特定用途に対して一定である(あるいは第18図の
変流器62Sが使用される)と仮定し、i(t)が正弦
波、即ち、I L1 sin ωtであると仮定すれば、方程式
(1)によって定義された変流器の出力電圧は下記方程
式(5)に示すような形に書き直すことができる。
出力電圧e0(t)は抵抗R101に印加されて、方程式
(6)に従って積分コンデンサC101の充電電流iCHに変
換される。これを単位振幅(P.U.)で表わしたものをグ
ラフで示したが第25B図である。
積分コンデンサC101の充電電流iCHは線電流そのもの
ではなく線電流iL1の導関数に比例する。その結果、方
程式(7)から明らかなように、負の半サイクル中に流
れる充電電流iCH(t)の結果存在する容量性素子C101
の電圧VC101は次のように表わすことができる。
VC101=−K7 I L1 sin ωt (8) 方程式(8)は方程式(7)をより簡単な形で表わし
たものである。I L1 sin ωtをパー・ユニット(P.
U.)で表わしたものをグラフで示すのが第25A図であ
る。コンデンサC101によって積分されたのちのi L1 sin
ωtの導関数、即ち、単位振幅(P.U.)で表わした−K
7 I L1 sin ωtを組込んだのが第25C図である。容量性
素子C101の充電電流iCHは伝送ゲートU101の出力端子ax
から来る。この電流はaOR入力端子から伝送ゲートU101
に供給され、伝送ゲートU101のA,B,C制御端子における
該当信号に従って選択される(表2参照)。同様に、変
流器62Bから電流はbOR−bX端子を選択することによって
利用でき、変流器62Cからの電流はcOR−cx端子を選択す
ることに利用できる。端子ax,bx,cxは一括されて単一リ
ードを形成し、積分コンデンサC101に充電電流を供給す
る。前記単一リードは伝送ゲートU102のay及びcx端子と
接続する。伝送ゲートU102のax端子は接地しており、aO
R共通端子はコンデンサC101の一方の側と接続する。cOR
端子はコンデンサC101の他方の側と接続する。伝送ゲー
トU102のbx端子は演算増幅器U103の負の入力端子と接続
し、連携のbOR共通端子は演算増幅器U103の出力と接続
する。常態では、ダイオード回路CR101−CR103は積分動
作中、積分電流ICHの正の半サイクルがダイオードCR10
1,CR102及び演算増幅器U103の出力を含むブリッジ回路
を介して積分コンデンサC101をバイパスし、負の半サイ
クルが容量性素子C101を該当の半サイクルのピーク値ま
で充電するように構成されている。容量性素子C101は次
第に高い電圧値まで繰返し充電され、毎回の充電電圧値
は充電電流負半サイクルのピーク値に相当する。
演算増幅器U103の負及び正入力端子間に0.25ミリボル
ト程度の小さい電圧が存在することは珍しくない。増幅
器U103に対するゼロの正味入力オフセット電圧、即ち、
充電電流iCHを形成するため容量性素子C102を周期的に
前記電圧値の負に充電する。
容量性素子C101及びマイクロプロセッサU2を含む上記
積分回路と連携して行われる“RANGE"アルゴリズムを第
22,23及び25図に示す例に沿って説明する。線電流を検
知するダイナミック・レンジが重要であることはいうま
でもない。ただし、第23図から明らかなように、マイク
ロプロセッサU2に内蔵されるA/Dコンバータ200には信頼
すべきデジタル出力数が保証される入力電圧上限があ
る。本発明の好ましい実施例の場合、A/Dコンバータ200
はマイクロプロセッサU2のメモリに配置されたアキュム
レータまたは記憶装置202の最初の8つの場所204に供給
される8ビット信号を形成するために+5ボルトまでの
入力電圧を許容することができる。この場合、5ボルト
の上限入力はアキュムレータ202の部分204の8つの場所
すべてのデジタル数に対応する10進数256によって表わ
される。
第25B図は電流i L1 sin ωtの経時的振幅変化を示す
典型的なグラフである。第25A図のグラフは第25B図の線
電流の導関数である充電電流iCHを示す。また、第25A図
は電流の負半サイクルだけが積分されることを示す。第
25B図では3通りの例として適当な振幅基準220,230,240
を取り、それぞれの1単位振幅、1/2単位振幅及び2単
位振幅の差を図示した。第25A図のグラフにおける振幅2
20A,230A及び240Aは第25B図に示した曲線における単位
振幅とそれぞれ対応する。同様に、例1及び例2として
2つの曲線230B及び220Bを図示した。第25C図の246は5
ボルトの最大入力電圧である。連続する32の半サイクル
に亘って各半サイクルごとに第22図のアルゴリズムが行
われる。この時間インターバル中の各半サイクルはHCYC
LEとして記憶されている数で識別される。半サイクル2,
4,8,16及び32はそれぞれ先行の半サイクルの2倍の積分
インターバルを表わす。アルゴリズムが電圧VC101を再
評価するのはこれらの規定インターバルが終った時点で
ある。
32インターバル中のサイクルごとに入力信号が反復す
るものと仮定する。その場合、HCYCLE=2,4,8,16または
32で表わされるインターバルの終りにおける電圧VC101
は先行インターバルの終りにおけるサイズの2倍とな
る。従って、もし先行インターバルにおけるA/D変換の
結果が2.5ボルト以上のVC101値に対応する80H以上なら
ば、現インターバルにおけるVC101は5ボルト以上とな
り、A/D変換の結果は無効となる。A/Dコンバータは5ボ
ルト以上の値をデジタル化できないからである。従っ
て、先行の結果が80H以上なら、アルゴリズムはこの結
果を実行可能な最良のA/D変換として保持する。
逆に先行A/D変換が80H以下なら、有効なA/D変換を行
うことができると考えてもよい。現時点における信号が
先行値の2倍以上ではあり得ず、未だ5ボルト以下だか
らである。先行のA/D変換よりも現在実行中のA/D変換は
変換される信号の大きさが2倍であり、ビット数の大き
い分解能が得られるという点で有利である。
A/D変換の結果が80H以上であることが判明したら、A/
D変換が行われたインターバルを考慮して調整しなけれ
ばならない。左シフト動作188がこの機能を行う。例え
ば、インターバル4の終りに得られる結果80Hはインタ
ーバル8の終りに結果80Hを生む入力信号の2倍の大き
さを有する入力信号の結果である。従って、インターバ
ル4の結果を左シフトすることでこの結果がインターバ
ル8の終りまでに2倍になる。32半サイクルの終りに第
23図のアキュムレータ202に含まれている12ビット回答
は測定中の線を流れる電流の値の少なくとも近似値を表
わす。接触器10を制御するためにマイクロプロセッサU2
が既に述べた、また、さらに詳しく後述する態様で利用
するのがこの値である。HCYCLE33において、次に変流器
62BBに関して、さらに62Cに関して利用されるように全
プロセスがあらためて初期設定される。この初期設定が
マイクロプロセッサU2によって公知の態様で周期的に繰
返されることはいうまでもない。
第25C図の直線220Bは第25A図の電流iCHの積分と共に
電圧VC101が増大することを示す。充電電流iCHの正半
サイクルでは積分が行われず、負半サイクルごとに負の
COS曲線を画く積分が行われる。これらの積分値が累積
されて電圧VC101を形成する。従って、33半サイクルに
亘って容量性素子C101がゼロに放電されるまでは、32半
サイクルで表わされる時間に亘ってサンプリングされる
線電流の値と共に増大する。
次に第22,24,25及び26図に沿って例1に関するアキュ
ムレータの態様を説明する。例C101を充電させてコンデ
1ではコンデンサンサ電圧VC101を発生させるために1/2
単位振幅の充電電流iCH230aを利用する。この電圧のプ
ロフィルを略示したのが第5C図の230bである。この電圧
は“RANGE"アルゴリズムにより第22図の機能ブロック18
4に従ってサンプリングされる。“2",“4",“8",“16"
及び“32"HCYCLEベンチマークにおいて、“RANGE"アル
ゴリズムは第22図の機能ブロック186に記入されている
ように、先行A/D変換結果が80ヘックス以上であるかど
うかを判定する。80ヘックスはデジタル数128に等し
い。この質問に対する回答が“ノー”なら、A/Dコンバ
ータ200の入力AN1に存在するアナログ電圧VC101は第22
図の機能ブロック192に示すように、また、第26図にグ
ラフで示すようにデジタル化され、記憶される。HCYCLE
が1だけ増分され、ルーチンが再開される。先行A/D変
換結果が80ヘックス以下である限り、本発明の“左シフ
ト”技術を利用する必要はない。従って、第26図の例1
はレフト・シフト技術の利用を必要としないサンプリン
グ・ルーチンを示す。即ち、第26図の例1においては、
HCYCLE=2においてA/Dコンバータ200の入力端子AN1に
0.2ボルトが得られ、これが10進数10に相当する2進数
にデジタル化される。この2進数はメモリ部分204の
“2"及び“8"位置にデジタル1を、他のすべてのビット
位置にデジタル0を有する。“HCYCLE 4"はアナログ電
圧0.4ボルトをデジタル化して、メモリ部分204の“16"
及び“4"ビット位置にデジタル1を、他のすべての位置
にデジタル0を有する10進数20を形成する。“HCYCLE8"
において0.8ボルトをデジタル化して、メモリ部分204の
“32"及び“8"位置にデジタル1を有する10進数40に相
当する2進数を形成する。“HCYCLE16"において1.6ボル
トをデジタル化して、10進数81を表わすデジタル数を形
成する。このデジタル数はメモリ部分204の“64"及び
“8"位置にデジタル1を有する。成する。最後に“HCYC
LE=32"において、3.2ボルトをデジタル化して、10進数
163に相当するデジタル数を形成する。デジタル数がア
キュムレータ204の“128",“32",“2"及び“1"ビット位
置にデジタル1を有する場合、この時点で例1に関する
“RANGE"アルゴリズムは完了したことになる。既に述べ
たように、“RANGE"アルゴリズムは左シフトを必要とす
る機能ブロック188へは進まない。ただし、例2及び例
3に関連して後述するように、左シフトを利用しなけれ
ばならない場合がある。
次に第22,24,25及び27図を参照して、容量性素子C101
中に電圧VC101を発生させるのに1単位振幅の充電電流i
CH220aが利用される例2を説明する。発生する電圧をHC
YCLEと対比して描いたのが第25C図における220bであ
る。ここでも第22図の“RANGE"アルゴリズムが利用され
る。例1の場合と同様に、“2",“4",“8",“16"及び
“32"HCYCLEサンプルにおいてメモリ場所202が更新され
るように“RANGE"アルゴリズムが利用される。“2"HCYC
LEサンプルにおいて0.4ボルトをデジタル化して10進数2
0に相当するデジタル数をアキュムレータ202の部分204
に形成する。このデジタル数は部分204の“16"及び“4"
ビット位置にデジタル1を、他のすべてのビット位置に
デジタル0を有する。HCYCLE=4において0.8ボルトを
デジタル化して10進数40に担当するデジタル数を形成す
る。このデジタル数はアキュムレータ202の部分204の
“32"及び“8"ビット位置にデジタル1を有する。HCYCL
E=8において、1.6ボルトをデジタル化して、10進数81
に相当するデジタル数をアキュムレータ202の部分204に
形成する。このデジタル数はビット位置“64",“16"及
び“1"にデジタルまたは論理1を有する。HCYCLE=16に
おいて、3.2ボルトをデジタル化して10進数163に相当す
るデジタル数をアキュムレータ202の部分204に形成す
る。このデジタル数はビット位置“128",“32",“2"及
び“1"にデジタル1を有する。HCLYCLE=32において“R
ANGE"アルゴリズムは機能ブロック186を利用することに
より、先行のA/D変換結果として80ヘックスよりも大き
いデジタル数が形成されたことを判断する。従って、こ
こで初めて機能ブロック188が利用され、“左シフト”
が行われる。その結果、A/Dコンバータ200の入力にデジ
タル化すべき電圧として6.4ボルトが存在するにもかか
わらず、入力におけるアナログ数がこのように大きけれ
ばA/Dコンバータの出力に信頼を置けないというだけの
理由からデジタル化は行われず、先行の3.2ボルト・ア
ナログ信号のデジタル化中アキュムレータ200の部分204
に記憶されたデジタル数を、デジタル数の各ビットごと
に1桁左ヘシフトするだけで、10進数326に相当する新
しいデジタル数を形成する。この新しいデジタル数は第
27図に示すようにアキュムレータ202のスピル・オバー
部分206の一部を利用する。新しいデジタル数は拡張さ
れたアキュムレータ202の“256",“64",“4"及び“2"ビ
ット位置にデジタル1を有する。第27図の“32"HCYCLE
位置におけるデジタル数がHCYCLE場所“16"に示すデジ
タル数と同じであるが1ビット位置だけ左ヘシフトして
いる。この例は左シフト技術の態様を示している。第32
番目のHCYCLEの終りにアキュムレータ202に記憶される
数は接触器10の過負荷継電部60′において測定された線
電流I Ll(t)を示す。
第22,24,25及び28図に沿って左シフト技術の第3例を
説明する。例3では、電圧VC101を得るために第25B図に
240aで示す2単位振幅充電電流iCHをコンデンサC101に
よって積分する。この電圧は例1及び2に関連して第25
C図に示したのと同様の出力プロフィルを呈するが、第2
5C図に例3として略示するような勾配を示す。混乱を避
けるため、電圧間のステップ状の関係を無視する。しか
し、例1及び例2の場合とほとんど同様に例3でもステ
ップ状の電圧が存在する。例3の場合、“RANGE"アルゴ
リズムはHCYCLE=“2",“4"及び“8"においてサンプリ
ングし、適切なA/D変換を行うことによりアキュムレー
タ202の部分204を更新する。ただし、HCYCLEサンプル
“16"及び“32"においてアキュムレータ202の部分はA/D
変換によってではなく、場所204に記憶されている先行
情報の連続する2回の逐次的な左シフトによって更新さ
れる。A/D変換しても“16"及び“32"におけるサンプリ
ングについて信頼し得る結果が得られないことは明白で
ある。具体的には、HCYCLE=“2"において、0.8ボルト
をデジタル化して10進数40に相当するデジタル数を形成
する。このデジタル数はアキュムレータ202の部分204の
“32"及び“8"ビット位置にデジタル数1を有する。
“4"HCYCLEサンプルにおいては、1.6ボルトをデジタル
化して10進数81に相当するデジタル数を形成する。この
デジタル数はアキュムレータ202の部分204の“64",“1
6"及び“1"ビット位置にデジタル数1を有する。HCYCLE
=8においては、3.2ボルトをデジタル化して10進数163
に相当するデジタル数を形成する。このデジタル数はア
キュムレータ202の部分204の“128",“32",“2"及び
“1"ビット位置にデジタル1を有する。HCYCLE=16にお
いて、“RANGE"アルゴリズムは(デジタル数163に相当
する)先行A/D変換結果が80ヘックスよりも大きく、従
って、アキュムレータ202がA/Dコンバータ200の入力に
おける電圧をA/D変換することによってではなく、HCYCL
E=“8"サンプル完了の結果としてアキュムレータ202の
既に記憶されているデジタル情報を1ビットだけ左シフ
トすることによって更新されることを認識する。その結
果、“16"HCYCLEサンプルで10進数326に相当するデジタ
ル数が形成される。これは既にアキュムレータに記憶さ
れている情報を1ビットだけ左方へシフトすることによ
って達成される。これにより、上記デジタル数はアキュ
ムレータ202のスピルオバー部分206の1ビット位置へあ
ふれる。この新しいデジタル数はアキュムレータ202の
“256",“64",“4"及び“2"ビット位置にデジタル1を
有する。HCYCLE=“3"サンプルにおいて、既にアキュム
レータ202に記憶されている数をアキュムレータ202内で
もう一度左シフトすることにより、スピルオバー部分20
6に2つの場所を占めると共に部分204の8つの場所すべ
てを占めるようにする。この新しいデジタル数は10進数
652に相当し、“512"位置、“128"位置、“8"ビット位
置及び“4"ビット位置にデジタル1を有する。この数を
利用することにより、過負荷継電盤60を介して測定され
る線電流を表わすと共に、アキュムレータ202に記憶さ
れている値を上記態様で利用することにより接触器また
は制御器10による諸機能を行わせる。
再び第7A乃至7D図を参照してスイッチSW101及び8ビ
ット静止シフトレジスタU104に関連する装置及び方法を
説明する。スイッチSW101の入力H0乃至H4は上記システ
ムによって検出される全負荷電流の究極値に関して判断
しかつ演算するためマイクロプロセッサU2が読取ること
のできるデジタル数をプログラムするスイッチ構成を表
わしている。これらのスイッチ値及び“AM",“CO",“C
1"と連携するスイッチ値はA,B,C入力信号によって与え
られる入力情報に対応して線SWに現われる信号の一部と
してマイクロプロセッサU2によって逐次的に読取られ
る。ヒーター・スイッチ構成を利用することにより、2
進方式にプログラムされている4つのヒーター・スイッ
チH0乃至H3で16通りの究極的な引はずし値を選択するこ
とができる。これらのスイッチは公知の機械的ヒーター
に代わってモータの過負荷範囲を調整する。また、モー
タ・クラスを入力するのに利用される2つの入力C0及び
C1をも設ける。クラス10のモータならば10秒間のロータ
・ロック状態に耐えて損傷せず、クラス20のモータなら
ば20秒間の、クラス30のモータならば30秒間のロータ・
ロック状態に耐え得る。ロータ・ロック状態における電
流は正常電流の6倍と想定する。
再び第7A及び7B図,第11及び29図を参照して、“RU
N",“START"及び“RESET"入力に現われる真入力信号を
為入力信号とを弁別する装置及び方法を説明する。第11
図には継電盤28の端子ブロックJ1における“E"及び“P"
端子と接続する入力線間に分布寄生キャパシタンスCLL
を示した。このキャパシタンスは押ボタン“STOP",“ST
ART"及び“RESET"と端子ブロックJ1との間に極めて長い
入力線が存在するために生ずると考えられる。同様のキ
ャパシタンスは第11図に示すその他の線の間にも存在す
る可能性がある。寄生キャパシタンスは入力線間で信号
を結合するという好ましくない作用を有し、その結果、
押ボタン“STOP",“START"及び“RESET"が実際には開い
ている時にあたかも閉状態にあるかの如く指示する真信
号としてマイクロプロセッサU2が確認する偽信号が発生
する。従って、下記装置の目的は上記入力線に現われる
真信号と偽信号とを区別することにある。分布寄生キャ
パシタンスCLLを通って流れる容量性電流iCLLは前記キ
ャパシタンス中の、即ち、端子“E"及び“P"間の電圧に
先行する。第29図(a)はマイクロプロセッサU2によっ
て受信される切頭形のVLINEを示す。第29図(c)は疑
似電流iCLLが抵抗素子R3、容量性素子C4及び回路U1のRU
N入力端子における内部インピーダンスを流れた結果、
マイクロプロセッサU2の例えば端子B41に現われる電圧
を示す。電圧の偽指示であるこの電圧VRUN(F)は電圧
VLINEに値γだけ先行する。もし容量性素子CX,C4が互い
に異なると、具体的には容量性素子CXが容量性素子C4よ
りも大きければ、真VRUN信号VRUN(T)、即ち、第11図
に示すようにSTOPスイッチを閉じることによって発生す
る信号は電圧VLINEとほぼ同相となる。両者の差は容量
性素子CX及びC4のキャパシタンス差に起因する差でけで
ある。もし容量性素子CXが容量性素子C4よりも小さけれ
ば、この差により真電圧VRUN(T)は第29図(b)に示
すように量ΔだけVLINEより遅れる。従って、マイクロ
プロセッサU2は電圧VLINEが状態を変える、即ち、第29
図(a)の変化点“UP"及び“DOWN"を通過したのちΔま
たはそれ以下の短い時間内に電圧VLINEを入力端子B41の
電圧と比較しなければならない。端子B41に現われる電
圧のデジタル値がこの時点における電圧VLINEと連携す
るデジタル値とは反対極性のデジタル信号ならば、この
信号は第29図(b)に示すような真信号である。もし極
性が同じなら、第29図(c)に示すように偽信号であ
る。即ち、例えば、電圧VLINEを時点“UP"に続く時間Δ
以内に測定し、端子B41に現われる電圧と比較し、端子B
41の電圧がデジタル0なら、端子B41の電圧信号は真信
号である。しかし、電圧信号がデジタル1なら、端子B4
1に現われる電圧信号は偽信号である。容量性素子CX及
びC4の値を適当に設定することにより、真信号が線電圧
に先行する量、即ち、遅延量Δを変化させることができ
る。Δの値は値γよりも小さいから、サンプリングまた
は比較インターバル中に偽信号の符号が基準電圧の符号
と異なることもあり得ない。
第30図には第8,9及び10図にも示したプリント回路カ
ードの他の実施例を示す。第30図の実施例では、第8,9
及び10図に示した装置の素子と同じ素子にはダッシ
ュ(′)を添えた同じ参照記号を付してある。第8,9及
び10図の装置でははんだコネクタJ2をJ101及びJ102と接
続するのに平形コネクタ64を利用するが、第30図に示す
実施例では平形コネクタ64を使用せず、電気絶縁ベース
300を設け、これに雄プラグ・コネクタ303を配置する。
コネクタ303は過負荷継電盤60′上に図示されている。
プリント回路盤28′上には継電盤60′の雄コネクタ300
と対応する雌コネクタ302を設ける。雌コネクタ302はコ
ネクタ300の雄プラグ303と補完関係にある凹部または孔
304を有する。第31及び32図に関連して後述するよう
に、回転盤28′を支持をより確実にするため回路盤28′
に形成した適当な孔にはんだ付け挿着したピン318を介
してボビン32′が回路盤28′と接続する。第8,9及び10
図に示した実施例の場合と同様に、組立後、回路盤全体
を100′に治って折り、第31及び32図に図示し、かつこ
れらの図に関連して述べるような態様でコネクタ302を
コネクタ303と対応させる。また、別々に接触器と遠隔
制御通信素子との間の通信を可能にする別設の内部通信
回路(IUCOM)と接続するため端子ブロックJXを別設す
る。
第31及び32図には第1及び2図に示したのと同様の本
発明実施例を示す。この実施例では第1及び2図に示し
た装置の素子を全く同じかまたは同様の素子に、ダッシ
ュ(′)を添てた同じ参照符号を付してある。第1及び
2図の装置を構成する素子と全く同じかまたは同様の第
31及び32図の素子の協働、機能及び動作については第1
及び2図に関連の説明を参照されたい。継電盤60′及び
プリント回路盤28′はプラグ303が上述した態様で雌コ
ネクタ302と接続している組立完了状態で示してある。
即ち、雄コネクタ303が雌コネクタ302に挿入されてこれ
と電気的に接触することにより、継電盤60′の素子をプ
リント回路盤28′の素子と接続している。また、例えば
第31及び32図に示す継電盤60′は補足的な端子ブロック
JXが配設されているオフセット部を残して回路盤28′と
接続する。第31及び32図に示す実施例の場合、接触器は
端子ストラップ20′,24′,端子ラグ14′,16′,及び固
定接点22′,26′を保持するワンピース熱可塑絶縁ベー
ス12′を含む。適当なねじ400によって固定接点及び端
子ストラップをベースに固定する。ベース12′はまた、
詳しくは後述する可動接点46′,48′,クロスバー4
4′,スペーサまたはキャリア42′及びアーマチュア4
0′の位置ぎめ/案内システムとして作用する。過負荷
継電盤60′及びコイル制御盤28′は独特な態様でベース
12′内に支持される。具体的には、(特に第32図から明
らかなように)アーマチュア40′と全く同じかまたはこ
れと極めて類似した永久磁石またはスラグ36′はリップ
329を有し、これが保持ばねまたは保持部材316の作用下
にベース12′に設けた対応のリップ330に圧接させられ
る。この保持ばねはスラグまたは永久磁石36′をベース
12′に結合させる。スラグまたは永久磁石36′は(特に
第31図から明らかなように)第2リップ314を有し、該
リップはコイル集合体30′のボビン317に設けた対応の
リップ315に圧接する。ボビン317には保持ピン318が設
けられ、コイル制御盤28′にはんだ付けなどで固定され
ており、可撓電気絶縁材を含むコイル制御盤28′をその
中心部のいて固定的に支持する。コイル制御盤28′の隅
部は例えば320においてベース12′上に直接支持され
る。過負荷継電盤60′はピン及びコネクタ300,302,303
及び304の相互作用によりコイル制御盤28′上に垂直に
支持される。コイル集合体30′はその他端をキックアウ
トばね34′によって支持され、従って、ボビン317はば
ね34′の圧縮力により前記マグネット36′のリップ314
とベース12′の間に固定される。特に第32図から明らか
なように、ばね34′の頂部はキャリアまたはスペーサ4
2′の底部のリップ340に係留され、可動接点46′,48′
スペーサ42′及びアーマチュア40′を含む可動システム
の運動中、前記キャリアまたはスペーサと一体に移動す
る。
第32図にはほぼE字形を呈する磁性部材36′及び40′
の構成及び相互作用を図示した。可動アーマチュア40′
は中央脚322及び2つの盤外側330,331を含む。マグネッ
ト40′に対する締付け機能を得るためには脚330,331が
互いにやや異なる断面積を具えるようにすればよい。繰
返し使用するうえに磁性盤外脚330,331の前面に、これ
と補完関係にある磁性スラグまたは永久磁石36′の前面
と繰返し衝突するために摩耗パターンが発生するからで
ある。従って、保守などの目的で磁性部材40′,36′を
周期的に取外す場合、既に現われている摩耗パターンが
そのまま維持されるように正確に元通りの配向に再組立
することが望ましい。両部材40′,36′を互いに元の配
向とは逆の配向に組立てると新しい摩耗パターンが発生
して好ましくない。脚330,331の断面積の和が脚332の断
面積とほぼ等しくなるように設定すれば有効な磁束の伝
導が達成される。本発明の好ましい実施例では、突起ま
たはニップル326及び2つの有効なエア・ギャップ領域3
27,328を形成するため、中央脚332の面の大部分を切削
する。アーマチュア40′がスラグまたは永久磁石36′と
当接すると、補完関係の盤外脚331,330が面当接し、中
央脚322のニップルまたは突起326の前面部分が両マグネ
ットの領域327,328に広いエア・ギャップを残して面当
接する。エア・ギャップの存在は当接するアーマチュア
40′及び永久磁石36′によって形成される磁気回路の残
留磁気を低下させるように作用する。このことは接点開
放動作中にキックアウトばね34′が磁性部材を分離さ
せ、上記接点を開放させる上で望ましい。交番または周
期HOLDパルスの作用を受ける磁性構造において、磁気ノ
イズが導入される可能性のあることは公知である。ニッ
プル326が存在しなければ、HOLDパルスの作用下に可動
アーマチュア40′の中央脚322が駆動信号の存在におい
てラジオスピーカの磁心が振動するのと同じように振動
する。さらにまた、周期HOLDパルスの作用下に、アーマ
チュア40′の背面突出部333が中央にむかって歪み、可
動アーマチュア40′の脚330,331が、永久磁石36′の補
完脚330,331の前面をこするように移動する。その結
果、好ましくない表面摩耗が増大する。前記歪み及び摩
耗を防止し、しかもエア・ギャップを確保するため、ニ
ップルまたは突起326を形成する。これはHOLDパルスの
作用下に脚322が移動するのを阻止し、しかも残留磁気
を、キックアウトばね34′の動作を妨げないレベルまで
低下させる。
次に第33及び34図に沿って第18図に示した変流器62S
の動作を説明する。この説明は例えば接触器、メータ、
継電システムなどのような電気的装置に変流器62Sを利
用することにより、その1次巻線を流れる電流iの時間
に関する導関数に比例する電圧出力Vをその2次巻線に
発生させる態様を理解する上で極めて有用である。これ
を利用すれば広範囲の電流iを測定または検出すること
ができ、広範囲の電流iに対する出力電圧Vの誤差は極
めて小さい。例えば、0.1アンペアから2000アンペアま
で変化する電流範囲に対して出力電圧Vは電流iの導関
数の大きさを1%よりも大きくない誤差で、比較的忠実
の表わす。(R.M.Bozorth著“Ferro−magnetism"p.489
の第11−11図に示されているように)第34図の磁心120
に鉄粉を使用すれば、磁界の強さHに応じた透磁率μは
レイリー領域またはレイリー・レンジと呼ばれる領域中
の比較的広い既知の磁界強さ範囲に亘ってほぼ一定の値
μ0を取る。磁化曲線の勾配(λ)に等しいレイリー定
数λは鉄粉のレイリー・レンジに亘ってほぼゼロに等し
い。鉄粉以外の強磁性材の勾配値例を示すのがAA,BB,CC
であり、ここでは勾配λはゼロに等しくない。方程式
(9)は強磁性材の種類に関係なく初期透磁率μ0に応
じた透磁率μ、レイリー定数λ及びレイリー・レンジに
おける磁界の強さHの関係を示す。
μ=μ0+λH ……(9) 方程式(10)は磁界の強さHと電流iとの関係を示
す。
方程式(11)は磁束(φ)は、磁束密度(β)及び磁
界の強さ(H)の関係を示す。
方程式(12)は電流・電圧トランスデューサ62Sの2
次巻線に現われる磁束に応じた出力電圧と2次巻線の巻
数N2との関係を示す。
方程式(13)は方程式(12)を、その定数値が束ねら
れた形で示す。
方程式(14)は方程式(13)に方程式(9)を代入し
て得られた形を示す。
方程式(15)はμ0が一定である特殊な場合の方程式
(14)を示す。
方程式(16)は方程式(15)を簡略化した形であり、
磁心、例えば磁心120の励磁または非飽和領域以内にあ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は電磁接触器の斜視図;第2図は第1図II−II線
における接触器の垂直断面図;第3図は電磁アーマチュ
ア加速コイル、キックアウトばね及び接点ばねを有する
公知接触器の力及びアーマチュア速度曲線を示すグラ
フ;第4図は第3図の曲線と同様の、ただし本発明の1
実施例に関する曲線群を示すグラフ;第5図は第3図及
び4図の曲線と同様の、ただし本発明の他の実施例に関
する曲線群を示すグラフ;第6図は第4図及び5図に対
応する装置実施例における電圧及び電流の波形にそれぞ
れ相当する曲線群を示すグラフ;第7A乃至7D図は第1及
び2図に示した接触器における電気的制御系を一部ブロ
ックダイヤグラムで示す回路図;第8図は第7図の回路
素子及び第2図の接触器コイル、変流器及び変圧器を含
むプリント回路盤の平面図;第9図は第8図に示した回
路板の立面図;第10図は第8及び9図の回路盤を第2図
の接触器に取付けた状態で示す斜視図;第11図は第2及
び7図の接触器がこれによって制御されるモータと併用
される状態を一部ブロックダイヤグラムを示す回路/配
線図;第12図は本発明の実施例に利用される電流・電圧
トランスデューサの構成図;第13図は第12図のトランス
デューサを積分回路と共に略示する構成図;第14図は第
12及び13図のトランスデューサにおけるエア・ギャップ
長と電圧/電流比との関係を示すグラフ;第15図は磁性
シムを利用する電流−電圧トランスデューサの実施例を
示す構成図;第16図は可調突出部材を使用する電流−電
圧トランスデューサの実施例を示す構成図;第17図は可
動磁心部を利用する電流−電圧トランスデューサの実施
例を示す構成図;第18図は粉末金属磁心を利用する電流
−電圧トランスデューサの実施例を示す構成図;第19図
は第7図に示したコイル制御盤における入力回路のスイ
ッチを読みかつコンデンサを放電させるためマイクロプ
ロセッサが利用するアルゴリズム“READSWITCHES"を示
すブロックダイヤグラム;第20図は第7図に示したコイ
ル制御盤における線間電圧を読取るためのアルゴリズム
“READVOLTS"を示すブロックダイヤグラム;第21図は第
7図に示したコイル制御盤におけるコイル電流を読取る
ためのアルゴリズム“CHOLD"を示すブロックダイヤグラ
ム;第22図は第7図に示した過負荷継電盤によって決定
される線電流を読取るためのアルゴリズム“RANGE"を示
すブロックダイヤグラム;第23図は本発明のコイル制御
盤におけるマイクロプロセッサによる線電流読取と連携
するA/Dコンバータ及び記憶場所を示す簡略図;第24図
は第7図に示したコイル制御盤におけるコイル制御トラ
イアックを起動させるためマイクロプロセッサが利用す
るアルゴリズム“FIRE TRIAC"を示すブロックタイヤグ
ラム;第25A図は第25B図に示す線電流の導関数を示すグ
ラフ;第25B図は本発明によって制御される装置の線電
流を1/2,1及び2単位振幅正弦波で示すグラフ;第25C図
は第25A図に示した3つの線電流振幅に対応するA/Dコン
バータ入力電圧と半サイクル・サンプリング・インター
バル(時間)の関係を示すグラフ;第26図は1/2単位ラ
イン・サイクルで第22図のRANGEサンプリング・ルーチ
ンに従って行われた6回のサンプリングにより、第23図
に示したマイクロプロセッサの記憶場所に記憶されるA/
D変換第1例に対応する2進数の配列図;第27図は1単
位ライン・サイクルで第22図のRANGEサンプリング・ル
ーチンに従って行われた6回のサンプリングにより第23
図に示したマイクロプロセッサの記憶場所に記憶される
A/D変換第2例に対応する2進数の配列図;第28図は2
単位ライン・サイクルで第22図のRANGEサンプリング・
ルーチンに従って行われた6回のサンプリングにより第
23図に示したマイクロプロセッサの記憶場所に記憶され
るA/D変換第3例に対応する2進数の配列図;第29図は
マイクロプロセッサの入力におけるVLINE,VRUN(T)及
びVRUN(F)の経過を示す図;第30図は本発明の他の実
施例に利用される第8及び9図に示したのと同様のプリ
ント回路盤の平面図;第31図は本発明の他の実施例にお
ける、第1及び2図に示したのと同様の接触器の垂直断
面図;第32図は第31図の接触器をXXXII−XXXII線におい
て示す断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・ジー・レディ アメリカ合衆国,マサチュセッツ州,ブ ルックライン,エングルウッド・アベニ ュー 137,コンドー 35 (56)参考文献 特開 昭61−140015(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1接点と;前記第1接点と電気的に接触
    する第2接点と;前記第2接点と機械的に連結されてい
    て、巻線を導通角制御電流パルスが流れるのに応答して
    前記第2接点を前記第1接点との前記電気的接触状態に
    維持するアーマチュアを具えた電磁石と;前記導通角制
    御電流パルスの振幅を検知する検知装置とを含む電磁接
    触器であって、前記電磁石と接続して前記巻線を流れる
    前記導通角制御電流パルスの前記導通角を制御する導通
    角制御装置と;前記検知装置及び前記導通角制御装置と
    接続して前記電流パルスの前記振幅を前記電流パルスと
    対応する記憶された制御値と比較し、前記電流パルスが
    ほぼ前記記憶された制御値に維持されるように前記導通
    角を制御する信号を前記導通角制御装置に供給するマイ
    クロプロセッサとより成ることを特徴とする電磁接触
    器。
  2. 【請求項2】前記マイクロプロセッサ手段が前記振幅
    を、前記制御値に達するまで前記電流パルスの半サイク
    ルごとにデジタル増分1だけ必要に応じて変化するデジ
    タル数に変換するA/Dコンバータを含むことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の接触器。
  3. 【請求項3】前記電流パルスが全波整流器によって供給
    される半波ACパルスであることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載の接触器。
  4. 【請求項4】前記導通角制御装置がトライアックである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の接触
    器。
  5. 【請求項5】前記アーマチュアの荷重下にあって前記第
    1及び第2接点を分離するように作用するばねを含み、
    前記導通角制御電流パルスの作用下に前記電磁石が前記
    分離に抵抗することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の接触器。
  6. 【請求項6】前記導通角制御電流パルスの前記値が半サ
    イクルごとの前記電流パルスのピーク値と関連すること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の接触器。
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