JP2610244B2 - 壁面の緑化装置 - Google Patents

壁面の緑化装置

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JP2610244B2
JP2610244B2 JP7952995A JP7952995A JP2610244B2 JP 2610244 B2 JP2610244 B2 JP 2610244B2 JP 7952995 A JP7952995 A JP 7952995A JP 7952995 A JP7952995 A JP 7952995A JP 2610244 B2 JP2610244 B2 JP 2610244B2
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泰弘 山田
邦光 山田
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建設基礎エンジニアリング株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は擁壁や防波堤などの屋
外構造物、若しくは建造物の内外壁を緑化するために壁
面に配する緑化装置に関するものであり、特に肥料・水
の供給などのメイテナンスが容易な全く新しい着想の壁
面の緑化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】斜面の保護を目的とした擁壁としては、
石積みによるもの、ブロックを組んだブロック積みのも
の、型枠を組んでコンクリートを打設して斜面に構造物
を構築するものなど、様々な形態が使用されている。こ
れら擁壁の美観を良好にし、周囲の環境と調和させるた
めに、擁壁の緑化が行なわれている。緑化の方法として
は、斜面に客土を施し、これに肥料や種子を撒いて植生
することや、肥料や種子を含んだ客土を袋に詰め、この
袋を擁壁の上に設置するなど、様々な手段が採用されて
いる。
【0003】
【この発明が解決しようとする課題】既述した上記の方
法のいずれにも、幾多の共通した課題が存在する。まず
施工の困難さである。斜面、特に急勾配の斜面に客土を
施したり、苗木を植えたり、種子を撒くことは極めて難
しく、仮設を組んで作業員が重量のある客土などを担い
で斜面をよじ登るという作業が必要となる。また実際に
は急勾配の斜面では、斜面にびっしりと擁壁工事を施し
てしまうので、客土を詰める場所がなく、植生のために
わざわざブロックで囲ったり、型枠を組んでコンクリー
トにより斜面のいずれかに植生空間を設けるという手間
が必要となっていた。
【0004】また、これまでの緑化における他の課題
は、メインテナンスの問題である。種子を撒いたりや苗
木を植えるだけでなく、それらの植物を育て、枯れるの
を防止することが必要となる。特に植物が根を張るまで
は、水や肥料の供給は欠かせないため、頻繁に水・肥料
の供給をしなければならない。また、季節によって植物
を植え換える作業もあり、その度ごとに仮設を組む作業
は著しく煩雑な作業であ、って、緑化におけるメインテ
ナンスコストの軽減は極めて重要な課題となっていた。
又、屋外の構造物である擁壁のみならず、建造物でも周
辺の景観との調和を目的として壁面を緑化することが望
まれているが、従来は精々、建造物の窓下に鉢植を置く
空間を設けるなどが採用されているだけで、これも新設
時に設置しなければ後付けは難しく、既設の建造物への
取付けが容易な緑化装置とは言えなかった。
【0005】この発明は以上のような課題を解決するた
めになされたもので、施工が極めて容易であるととも
に、メインテナンス作業を省力化可能な壁面の緑化装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる壁面の
緑化装置は、擁壁若しくは建造物の内外壁面上方に滑車
を単数若しくは複数取付ける。この滑車としてはロープ
などを掛けるためのプーリーでも、チェーンを掛けるた
めのブロックでもよい。この滑車に索条材を掛けて、索
条材の両端部を下方に垂らす。索条材としては、ロー
プ、チェーン、ベルトなど、紐材として使用できる様々
な部材が使用できる。この索条材の両端部に各々緑化バ
ケットを繋ぐもので、両端部の緑化バケットの重量はほ
ぼ同じにする。緑化バケットの数は限定されず、複数個
づつ取付けることも可能であるし、一方に単数、他方に
複数個取付けることも可能であるが、いずれにしても両
端部に取付けた緑化バケットの重量はほぼ等しくしてお
く。これら緑化バケットを屋外屋内を問わず、所望の壁
面に沿って吊下げておく。尚、滑車を美観の良好なアク
セサリーなどで覆い隠すことも可能である。
【0007】緑化バケットの壁面と接触する面には、滑
り部材を取付けておくこともある。滑り部材としてはゴ
ム、ウレタンや軟性合成樹脂が使用でき、これを壁面と
接触する側に貼り付けておくこともあるし、或いはベア
リングや車を滑り部材として取付けておくことも可能で
ある。緑化バケットの中には、直接客土を詰めて植生し
てもよいし、既に植生した鉢植を入れてもよい。
【0008】
【作用】索条材の両端部に繋いだ緑化バケットは重量が
吊り合うため、壁面上にて左右の緑化バケットが吊り合
う。一方を壁面の上方に位置させ、他方を壁面の下の方
に位置させても吊り合う。壁面下の地上にて水や肥料を
供給することは、左右のバスケットの重量がほぼ釣り合
っているので、容易に小さな力で引き上げ、引き上げて
行なうことができる。又、バケットごと交換することも
容易である。
【0009】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づきこの発明を詳
細に説明する。図において1は擁壁であり、コンクリー
トにより壁面を形成してある。この擁壁1の上方に、滑
車であるプーリー2が軸止めされて回転可能に取付けら
れている。プーリー2の壁面側には円錐ブレーキ3が配
してあり、この円錐ブレーキ3に押し付けて、プーリー
2が急速に回転しないよう制御可能となっている。この
ようなプーリー2が擁壁1の上方に左右に間隔を離して
二個取付けられている。
【0010】これらプーリー2・2に、索条材であるワ
イヤロープ4が掛けられて、ワイヤロープ4の両端部が
下方に垂らしてある。このワイヤロープ4の両端部に、
各々緑化バケット5・5が取付けてある。緑化バケット
5は客土6を詰めたり、鉢植を収納できるようなものな
ら様々な形状が採用でき、緑化バケット5の擁壁1との
接触面には軟性合成樹脂材が滑り部材8として貼ってあ
る。図に示す実施例では、二個の緑化バケット5・5を
上下にロープによって繋いだものを、両端に各々取付け
るもので、各バケット5の中には肥料と種子を撒いた客
土6を入れてある。各緑化バケット5の底には、水抜き
穴9が形成されている。これら緑化バケット5をフック
7によってワイヤロープ4の端部に繋いである。
【0011】以上のような緑化バケット5は、左右の重
さをほぼ同じにしてあるため、擁壁1のいずれの高さで
も、左右の緑化バケット5・5が吊り合い、停止する。
特に実施例ではプーリー2は円錐ブレーキ3に適宜圧力
によって押し付けてあるため、多少の荷重の変化で回転
したり、緑化バケット5を引き降ろそうとして引き下げ
た場合に急速に回転するのをブレーキ3が妨げる。これ
により、緑化バケット5が容易く降下したり、一気に落
下したりするのが無くなる。水や肥料を供給する場合、
人力によって一方の緑化バケット5引き降ろせば、擁壁
1下の地上にて作業が可能である。またバケット5の中
の鉢植を取り換えたり、内部の植物と一緒にバケット5
ごと交換することも可能である。
【0012】
【発明の効果】この発明は以上のような構成を有し、以
下の効果を得ることができる。 緑化バケット内に植生した、或いは収納した鉢植の草
木によって、壁面の外観を潤いのある、周囲の景観と調
和したものとすることができる。 壁面に滑車を取付けるだけで、その他は引っ掛けるだ
けでよく、型枠の組立てや客土などを持ち上げる必要も
なく、施工が著しく容易であり、新設の擁壁や建造物だ
けでなく、既設の擁壁や建造物において緑化を行なう場
合に特に有効である。 人力などの小さな力で緑化バケットを引き降ろすこと
により、地上にて肥料や水の供給などのメインテナンス
作業が著しく容易となり、その作業コストを安価にする
ことができる。 緑化バケットの中の植物や或いは鉢植を交換したり、
或いはバケットごと交換することにより、常に季節の青
々と茂った植物に入れ換えることもでき、ほぼ通年の緑
化を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施した擁壁の斜視図である。
【図2】滑車の断面図である。
【図3】緑化装置の断面図である。
【符号の説明】
1 擁壁 2 滑車 3 円錐ブレーキ 4 ワイヤロープ 5 緑化バケット 6 客土 7 フック 8 滑り部材 9 水抜き穴

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 擁壁などの屋外構造物若しくは建造物の
    内外壁上方に滑車を単数若しくは複数個取付け、この滑
    車に掛けて下方に垂らした索条材の両端部にほぼ同重量
    となるよう緑化バケットを各々繋いで、壁面に沿って緑
    化バケットを吊下げてなる壁面の緑化装置。
  2. 【請求項2】 緑化バケットの壁面と接触する面には、
    滑り部材を取付けたことを特徴とする請求項1記載の壁
    面の緑化装置。
JP7952995A 1995-03-09 1995-03-09 壁面の緑化装置 Expired - Fee Related JP2610244B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000014250A (ja) * 1998-07-02 2000-01-18 Fukuoka Marumoto Kk 栽培装置
CN103202190A (zh) * 2013-04-07 2013-07-17 同济大学 一种吊挂式立体多层栽培装置

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