JP2609898B2 - 超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分別装置とその組成成分濃縮分別法 - Google Patents
超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分別装置とその組成成分濃縮分別法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/54—Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids
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- Extraction Or Liquid Replacement (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、超臨界ガスあるいは高圧液化ガス(抽剤ガ
スと称す。)を溶媒として用いた混合物から所望の有機
基を有する目的成分を効率的に濃縮分別する装置及びそ
の成分濃縮分別法に関する。特に本発明は、高度不飽和
脂肪酸またはそのエステルなどを含む混合物から、所望
の高度不飽和脂肪酸またはそのエステルを効率的に分離
・還流させて濃縮分別するのに敵した混合物の組成成分
濃縮分別装置及びその成分濃縮分別法である。
スと称す。)を溶媒として用いた混合物から所望の有機
基を有する目的成分を効率的に濃縮分別する装置及びそ
の成分濃縮分別法に関する。特に本発明は、高度不飽和
脂肪酸またはそのエステルなどを含む混合物から、所望
の高度不飽和脂肪酸またはそのエステルを効率的に分離
・還流させて濃縮分別するのに敵した混合物の組成成分
濃縮分別装置及びその成分濃縮分別法である。
「従来技術」 従来より、混合物中の所望の成分を濃縮する方法とし
ては、減圧蒸留法、分子蒸留法、高速液クロマトグラフ
ィー法、分取クロマトグラフィー法、或は超臨界ガス抽
出法などが知られている。これらのなかで、最近注目を
あつめているのが超臨界ガス抽出法と称されている方法
である。この方法は、原理的には、溶質の蒸気圧と溶質
の溶媒に対する親和性の両方を利用する方法であり、温
度と圧力のコントロールによって抽出物からの脱溶媒が
容易且つ完全であること、比較的低温でしかも抽出が速
やかに行なえること等が特長である。中でも超臨界ガス
抽出装置の上部に加熱装置を設けることによって還流さ
せ、精留効果を高めようとする方法は有効で、近年各方
面で研究されはじめており、今までに特公昭54-10539号
広告公報、特開昭60-115698号公開公報、特開昭60-2172
99号公開公報などの先行技術が提案されている。
ては、減圧蒸留法、分子蒸留法、高速液クロマトグラフ
ィー法、分取クロマトグラフィー法、或は超臨界ガス抽
出法などが知られている。これらのなかで、最近注目を
あつめているのが超臨界ガス抽出法と称されている方法
である。この方法は、原理的には、溶質の蒸気圧と溶質
の溶媒に対する親和性の両方を利用する方法であり、温
度と圧力のコントロールによって抽出物からの脱溶媒が
容易且つ完全であること、比較的低温でしかも抽出が速
やかに行なえること等が特長である。中でも超臨界ガス
抽出装置の上部に加熱装置を設けることによって還流さ
せ、精留効果を高めようとする方法は有効で、近年各方
面で研究されはじめており、今までに特公昭54-10539号
広告公報、特開昭60-115698号公開公報、特開昭60-2172
99号公開公報などの先行技術が提案されている。
例えば、特公昭54-10539号は有機基を有する化合物
を、それを含有する混合物から分離する方法である。そ
の構造は、第11図に示したように、下部には分離すべき
液状物質の混合物を入れた貯槽100を設け、その上部に
交換帯域である充填塔101を延出形成し、その充填塔の
上端部に加熱装置102と指状高温部103を配設し、当該指
状高圧部103の温度上昇によってガス相から連行した成
分を内部還流するとともに、残留ガス相を出口105から
導管106によって膨張装置107に導き、そこで残留成分液
相108とガス成分相109に分離し、残留成分液相108を充
填塔101に外部還流するように構成されたものである。
この外部還流110をすることにより、更に精留効果が高
められるのである。
を、それを含有する混合物から分離する方法である。そ
の構造は、第11図に示したように、下部には分離すべき
液状物質の混合物を入れた貯槽100を設け、その上部に
交換帯域である充填塔101を延出形成し、その充填塔の
上端部に加熱装置102と指状高温部103を配設し、当該指
状高圧部103の温度上昇によってガス相から連行した成
分を内部還流するとともに、残留ガス相を出口105から
導管106によって膨張装置107に導き、そこで残留成分液
相108とガス成分相109に分離し、残留成分液相108を充
填塔101に外部還流するように構成されたものである。
この外部還流110をすることにより、更に精留効果が高
められるのである。
また、特開昭60-115698号公開公報は、油脂から特定
脂肪酸含有成分を分離する方法である。この発明内容と
して記載されている分離装置は、第12図に記載されたも
のであるが、これは精留塔111の頂部に加熱媒体112を有
する還流部113を設けておき、分離された該エステルを
捕集器114から塔頂部の還流部113に還流115することに
よって、目的とする個々の脂肪酸含有成分を取り出すも
のである。尚、図中116は抽出部、117は原料供給管、11
8は加熱器である。更に、特開昭60-217299号は、高度不
飽和脂肪酸またはそのエステルの濃縮分離法である。当
該抽出装置は、第13図に示すように、抽出器119の上部
に加熱部120を設け、液体または超臨界状態の炭酸ガス1
21で抽出する際、抽出器119の上部から留出する抽出相
を抽出温度より20℃から100℃高い温度に設定すること
により還流せしめ、該装置から得られる抽出相122から
分離槽123においてCO2を除去することにより高度不飽和
脂肪酸を濃縮分離する方法である。尚、図中124はCO2の
充填されたボンベで、125はポンプ、126はガスメータで
ある。
脂肪酸含有成分を分離する方法である。この発明内容と
して記載されている分離装置は、第12図に記載されたも
のであるが、これは精留塔111の頂部に加熱媒体112を有
する還流部113を設けておき、分離された該エステルを
捕集器114から塔頂部の還流部113に還流115することに
よって、目的とする個々の脂肪酸含有成分を取り出すも
のである。尚、図中116は抽出部、117は原料供給管、11
8は加熱器である。更に、特開昭60-217299号は、高度不
飽和脂肪酸またはそのエステルの濃縮分離法である。当
該抽出装置は、第13図に示すように、抽出器119の上部
に加熱部120を設け、液体または超臨界状態の炭酸ガス1
21で抽出する際、抽出器119の上部から留出する抽出相
を抽出温度より20℃から100℃高い温度に設定すること
により還流せしめ、該装置から得られる抽出相122から
分離槽123においてCO2を除去することにより高度不飽和
脂肪酸を濃縮分離する方法である。尚、図中124はCO2の
充填されたボンベで、125はポンプ、126はガスメータで
ある。
更にまた、ペトロテック第10巻10号(1987)第924(4
0)〜930(44)頁、斉藤正三郎「新しい分離技術 超臨
界流体溶媒の応用技術の展開」には、発明者が開発し
た、超臨界流体溶媒を用いた連続精留法の原理とその方
法を用いた連続精留ベンチプラントの模式図が示されて
いる。しかし、任意の多段の交換帯域から抽出相あるい
は抽残成分相を取り出し、その取り出した各相からその
段において収容連行されている溶質成分あるいは抽残成
分を抽出できるようにしたり、所望成分の濃縮分離の効
率を著しく向上させたり、当該コンピュータにより加熱
装置の作動により抽出塔内の温度を各段の交換帯域毎に
任意に設定した温度条件に可及的に沿った温度勾配とな
るようにし、各段の交換帯域毎の最適温度条件を系の相
平衡に基いて算出するかあるいは実測によって特定して
おき、運転時、前記抽出塔内が各段の交換帯域毎の最適
温度条件に可及的に沿った温度勾配となるように調整
し、そのように可及的に好ましく調整された圧力条件お
よび温度条件下で、混合物を抽剤ガスに接触させ多段階
に成分を分離あるいは還流して、所望の目的成分を濃縮
分別する技術について、記載されていない。
0)〜930(44)頁、斉藤正三郎「新しい分離技術 超臨
界流体溶媒の応用技術の展開」には、発明者が開発し
た、超臨界流体溶媒を用いた連続精留法の原理とその方
法を用いた連続精留ベンチプラントの模式図が示されて
いる。しかし、任意の多段の交換帯域から抽出相あるい
は抽残成分相を取り出し、その取り出した各相からその
段において収容連行されている溶質成分あるいは抽残成
分を抽出できるようにしたり、所望成分の濃縮分離の効
率を著しく向上させたり、当該コンピュータにより加熱
装置の作動により抽出塔内の温度を各段の交換帯域毎に
任意に設定した温度条件に可及的に沿った温度勾配とな
るようにし、各段の交換帯域毎の最適温度条件を系の相
平衡に基いて算出するかあるいは実測によって特定して
おき、運転時、前記抽出塔内が各段の交換帯域毎の最適
温度条件に可及的に沿った温度勾配となるように調整
し、そのように可及的に好ましく調整された圧力条件お
よび温度条件下で、混合物を抽剤ガスに接触させ多段階
に成分を分離あるいは還流して、所望の目的成分を濃縮
分別する技術について、記載されていない。
「発明が解決しようとする問題点」 上記のように加熱装置付き超臨界ガス抽出に関する従
来技術は、いずれも、抽出塔の上部や頂部一箇所に加熱
装置が設けられており、そこで抽出相と、抽残成分相と
に分離され、抽残成分相が所定の温度で塔へ還流される
だけである。即ち、所定成分の抽出相と還流相への分離
作用は、抽出塔の上部または頂部で行なわれるだけであ
る。しかも、所定の温度で塔へ還流される抽残成分相
は、抽出塔内を落下する際、その保有する熱が、抽剤ガ
ス、或は塔を形成する壁、充填剤等に移動し、その結
果、抽出塔の温度が高さ方向によって大きく相違するこ
とになる。このことは、結果的に、精留効果を高めるの
にある程度好都合をもたらす場合もあるが、抽出塔の運
転に際しては、熱収支計算を同時に行ない各部分の温度
が決定されることになるため、これが精留効果を高める
最適温度とは一致しないことの方が多く、そのために、
かえって所望成分の効率的な濃縮分離が行なえなくな
る、という欠点があった。
来技術は、いずれも、抽出塔の上部や頂部一箇所に加熱
装置が設けられており、そこで抽出相と、抽残成分相と
に分離され、抽残成分相が所定の温度で塔へ還流される
だけである。即ち、所定成分の抽出相と還流相への分離
作用は、抽出塔の上部または頂部で行なわれるだけであ
る。しかも、所定の温度で塔へ還流される抽残成分相
は、抽出塔内を落下する際、その保有する熱が、抽剤ガ
ス、或は塔を形成する壁、充填剤等に移動し、その結
果、抽出塔の温度が高さ方向によって大きく相違するこ
とになる。このことは、結果的に、精留効果を高めるの
にある程度好都合をもたらす場合もあるが、抽出塔の運
転に際しては、熱収支計算を同時に行ない各部分の温度
が決定されることになるため、これが精留効果を高める
最適温度とは一致しないことの方が多く、そのために、
かえって所望成分の効率的な濃縮分離が行なえなくな
る、という欠点があった。
本発明者は、圧力一定下で種々の温度における気液平
衡関係の実測を抽出塔の高さ方向で多数行ない、鋭意デ
ータを取得してみた(第14図〜第16図)。その結果、所
望成分の効率的な濃縮を図るためには、抽出塔の高さ方
向に多段交換帯域を設け、各段において最適な温度条件
が存在することが認められた。この知見に基いて超臨界
ガスあるいは高圧液化ガスを溶媒として用い、混合物か
ら所望の有機基を有する成分を効率的に濃縮分別する装
置及びその成分濃縮分別法を開発した。
衡関係の実測を抽出塔の高さ方向で多数行ない、鋭意デ
ータを取得してみた(第14図〜第16図)。その結果、所
望成分の効率的な濃縮を図るためには、抽出塔の高さ方
向に多段交換帯域を設け、各段において最適な温度条件
が存在することが認められた。この知見に基いて超臨界
ガスあるいは高圧液化ガスを溶媒として用い、混合物か
ら所望の有機基を有する成分を効率的に濃縮分別する装
置及びその成分濃縮分別法を開発した。
本発明は、組成成分濃縮分別装置及びその成分濃縮分
別法の改良にかかるもので、従来のように単に塔頂を加
熱するだけでなく、塔自体に多段交換帯域を設け、各段
毎に加熱装置を設けて、各段交換帯域毎に任意の温度を
調節しながら賦与し得るようにし、抽出塔の高さ位置に
応じて任意の温度勾配を設け得るようにし、抽出相採取
部と溶質成分抽出部を抽出塔の塔頂部またはその近傍に
設け、抽残成分相採取部と抽残成分抽出部を抽出塔の下
端部またはその近傍に設けたことによって、取り出させ
る溶質成分や抽残成分がいずれも多段階にわたって、分
離と還流を繰り返し、目的成分が充分濃縮された状態で
得られるようにしたものである。
別法の改良にかかるもので、従来のように単に塔頂を加
熱するだけでなく、塔自体に多段交換帯域を設け、各段
毎に加熱装置を設けて、各段交換帯域毎に任意の温度を
調節しながら賦与し得るようにし、抽出塔の高さ位置に
応じて任意の温度勾配を設け得るようにし、抽出相採取
部と溶質成分抽出部を抽出塔の塔頂部またはその近傍に
設け、抽残成分相採取部と抽残成分抽出部を抽出塔の下
端部またはその近傍に設けたことによって、取り出させ
る溶質成分や抽残成分がいずれも多段階にわたって、分
離と還流を繰り返し、目的成分が充分濃縮された状態で
得られるようにしたものである。
特許を受けようとする発明の第一の目的は、前記組成
成分濃縮分別装置において、多段交換帯域毎に抽出相と
抽残成分相のサイドカット用の取り出し装置を設け、任
意の段の交換帯域からその段における抽出相あるいは抽
残成分相を取り出し、その取り出した各相からその段に
おいて収容連行されている溶質成分あるいは抽残成分を
抽出できるようにした装置を提供せんとするものであ
る。
成分濃縮分別装置において、多段交換帯域毎に抽出相と
抽残成分相のサイドカット用の取り出し装置を設け、任
意の段の交換帯域からその段における抽出相あるいは抽
残成分相を取り出し、その取り出した各相からその段に
おいて収容連行されている溶質成分あるいは抽残成分を
抽出できるようにした装置を提供せんとするものであ
る。
特許を受けようとする発明の第二の目的は、前記組成
成分濃縮分別装置において、加熱装置を温度測定部と、
ヒータ制御部と、コンピュータによる温度制御部とから
構成して、前記加熱装置の作動により抽出塔内の温度を
測定したり、各段の交換帯域毎に温度条件を設定した
り、抽出塔内の温度を各段の交換帯域毎に任意に設定し
た温度条件に可及的に沿った温度勾配となるようにし、
これによって、抽出塔内の温度を高精度に制御出来る装
置を提供せんとするものである。
成分濃縮分別装置において、加熱装置を温度測定部と、
ヒータ制御部と、コンピュータによる温度制御部とから
構成して、前記加熱装置の作動により抽出塔内の温度を
測定したり、各段の交換帯域毎に温度条件を設定した
り、抽出塔内の温度を各段の交換帯域毎に任意に設定し
た温度条件に可及的に沿った温度勾配となるようにし、
これによって、抽出塔内の温度を高精度に制御出来る装
置を提供せんとするものである。
特許を受けようとする発明の第三の目的は、前記多段
交換帯域をもった組成成分濃縮分別装置を用意し、他
方、所望の目的成分を濃縮分別するのに最適な温度条件
を特定しておき、運転時、前記抽出塔内が各段の交換帯
域毎の最適温度条件に可及的に沿った温度勾配となるよ
うに調整し、好ましく調整された圧力条件および温度条
件下で、多段階に成分を分離あるいは還流して、所望の
目的成分をより効率的に濃縮分別するようにした超臨界
ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃
縮分別法を提供せんとするものである。
交換帯域をもった組成成分濃縮分別装置を用意し、他
方、所望の目的成分を濃縮分別するのに最適な温度条件
を特定しておき、運転時、前記抽出塔内が各段の交換帯
域毎の最適温度条件に可及的に沿った温度勾配となるよ
うに調整し、好ましく調整された圧力条件および温度条
件下で、多段階に成分を分離あるいは還流して、所望の
目的成分をより効率的に濃縮分別するようにした超臨界
ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃
縮分別法を提供せんとするものである。
「問題点を解決する手段」 本発明に係る超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用い
た混合物の組成成分濃縮分別装置の基本的構成は、加熱
装置を備えた高低差のある抽出塔と、当該抽出塔内へ混
合物を供給し得る混合物供給部と、当該抽出塔へ超臨界
ガスあるいは高圧液化ガス(以下、抽剤ガスと称す。)
を供給し得る抽剤ガス供給部と、抽出塔内で供給された
混合物と抽剤ガスが接触して溶解度差によって抽出相と
抽残成分相とに分離して得られる抽出相を抽出塔の外に
取り出す抽出相採取部と、抽出塔内で分離して得られる
抽残成分相を抽出塔の外に取り出す抽残成分相採取部
と、採取された抽出相から温度と圧力とを操作因子とし
て抽剤ガスを除去し、収容連行された成分を分離抽出す
る溶質成分抽出部と、採取された抽残成分相から温度と
圧力とを操作因子として抽剤ガスを除去して抽残成分を
分離抽出する抽残成分抽出部とからなる組成成分濃縮分
別装置において、抽出塔を高さ方向に多段交換帯域とな
し、当該抽出塔の各段交換帯域毎に加熱装置を設け、各
段交換帯域毎に任意の温度を賦与し得るようにしたもの
で、抽出相採取部を抽出塔の塔頂部またはその近傍に設
け、抽残成分相採取部を抽出塔の下端部またはその近傍
に設け、前記抽出相採取部には溶質成分抽出部を設け、
前記抽残成分相採取部には抽残成分抽出部を設けるよう
に構成してあるものを改良したものである。
た混合物の組成成分濃縮分別装置の基本的構成は、加熱
装置を備えた高低差のある抽出塔と、当該抽出塔内へ混
合物を供給し得る混合物供給部と、当該抽出塔へ超臨界
ガスあるいは高圧液化ガス(以下、抽剤ガスと称す。)
を供給し得る抽剤ガス供給部と、抽出塔内で供給された
混合物と抽剤ガスが接触して溶解度差によって抽出相と
抽残成分相とに分離して得られる抽出相を抽出塔の外に
取り出す抽出相採取部と、抽出塔内で分離して得られる
抽残成分相を抽出塔の外に取り出す抽残成分相採取部
と、採取された抽出相から温度と圧力とを操作因子とし
て抽剤ガスを除去し、収容連行された成分を分離抽出す
る溶質成分抽出部と、採取された抽残成分相から温度と
圧力とを操作因子として抽剤ガスを除去して抽残成分を
分離抽出する抽残成分抽出部とからなる組成成分濃縮分
別装置において、抽出塔を高さ方向に多段交換帯域とな
し、当該抽出塔の各段交換帯域毎に加熱装置を設け、各
段交換帯域毎に任意の温度を賦与し得るようにしたもの
で、抽出相採取部を抽出塔の塔頂部またはその近傍に設
け、抽残成分相採取部を抽出塔の下端部またはその近傍
に設け、前記抽出相採取部には溶質成分抽出部を設け、
前記抽残成分相採取部には抽残成分抽出部を設けるよう
に構成してあるものを改良したものである。
第1の特許を受けようとする発明は、加熱装置を備え
た高低差のある抽出塔と、当該抽出塔内へ混合物を供給
し得る混合物供給部と、当該抽出塔へ超臨界ガスあるい
は高圧液化ガス(以下、抽剤ガスと称す。)を供給し得
る抽剤ガス供給部と、抽出塔内で供給された混合物と抽
剤ガスが接触して溶解度差によって抽出相と還流する抽
残成分相とに分離して得られる抽出相を抽出塔の外に取
り出す抽出相採取部と、抽出塔内で分離して得られる抽
残成分相を抽出塔の外に取り出す抽残成分相採取部と、
採取された抽出相から温度と圧力を操作因子として抽剤
ガスを除去し収容連行された溶質成分を分離抽出する溶
質成分抽出部と、採取された抽残成分相から温度と圧力
を操作因子として抽剤ガスを除去して抽残成分を分離抽
出する抽出成分抽出部とからなる組成成分濃縮分別装置
において、抽出相採取部と抽残成分相採取部とを抽出塔
の多段交換帯域毎に設けるとともに、当該各段の抽出相
採取部には溶質成分抽出部を設け、各段の抽残成分相採
取部には抽残成分抽出部を設けるようになし、任意の段
の交換帯域からその段の抽出相あるいは抽残成分相を取
り出し、その取り出した各相からその段における溶質成
分あるいは抽残成分を抽出できるようにしたことを特徴
とする超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物
の組成成分濃縮分別装置である。
た高低差のある抽出塔と、当該抽出塔内へ混合物を供給
し得る混合物供給部と、当該抽出塔へ超臨界ガスあるい
は高圧液化ガス(以下、抽剤ガスと称す。)を供給し得
る抽剤ガス供給部と、抽出塔内で供給された混合物と抽
剤ガスが接触して溶解度差によって抽出相と還流する抽
残成分相とに分離して得られる抽出相を抽出塔の外に取
り出す抽出相採取部と、抽出塔内で分離して得られる抽
残成分相を抽出塔の外に取り出す抽残成分相採取部と、
採取された抽出相から温度と圧力を操作因子として抽剤
ガスを除去し収容連行された溶質成分を分離抽出する溶
質成分抽出部と、採取された抽残成分相から温度と圧力
を操作因子として抽剤ガスを除去して抽残成分を分離抽
出する抽出成分抽出部とからなる組成成分濃縮分別装置
において、抽出相採取部と抽残成分相採取部とを抽出塔
の多段交換帯域毎に設けるとともに、当該各段の抽出相
採取部には溶質成分抽出部を設け、各段の抽残成分相採
取部には抽残成分抽出部を設けるようになし、任意の段
の交換帯域からその段の抽出相あるいは抽残成分相を取
り出し、その取り出した各相からその段における溶質成
分あるいは抽残成分を抽出できるようにしたことを特徴
とする超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物
の組成成分濃縮分別装置である。
即ち、抽出塔の各段ごとにサイドカットして、その段
における溶質成分あるいは抽残成分を取り出すことが出
来、その位置における連行、還流作用を確認したり、相
平衡状態を測定するのに適している。
における溶質成分あるいは抽残成分を取り出すことが出
来、その位置における連行、還流作用を確認したり、相
平衡状態を測定するのに適している。
第2の特許を受けようとする発明は、第1発明に記載
された超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物
の組成成分濃縮分別装置において、加熱装置は抽出塔の
内外適所に設けた温度測定部と、ヒータ制御部と、コン
ピュータによる温度制御部とから構成し、当該コンピュ
ータによる温度制御部と、前記温度測定部で得た温度デ
ータの記憶手段と、各段交換帯域毎に任意に温度条件を
設定できる温度設定手段と、温度測定部で得た温度デー
タと設定された温度条件とを比較して設定された温度条
件に適合するように調節するための熱交換量を演算する
演算手段と、演算された熱交換量を賦与するためにヒー
タ制御部の作動を制御する制御手段とからなるように
し、前記加熱装置の作動により抽出塔内の温度を各段の
交換帯域毎に任意に設定した温度条件に可及的に沿った
温度勾配となるようにしたことを特徴とする超臨界ガス
あるいは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分
別装置である。
された超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物
の組成成分濃縮分別装置において、加熱装置は抽出塔の
内外適所に設けた温度測定部と、ヒータ制御部と、コン
ピュータによる温度制御部とから構成し、当該コンピュ
ータによる温度制御部と、前記温度測定部で得た温度デ
ータの記憶手段と、各段交換帯域毎に任意に温度条件を
設定できる温度設定手段と、温度測定部で得た温度デー
タと設定された温度条件とを比較して設定された温度条
件に適合するように調節するための熱交換量を演算する
演算手段と、演算された熱交換量を賦与するためにヒー
タ制御部の作動を制御する制御手段とからなるように
し、前記加熱装置の作動により抽出塔内の温度を各段の
交換帯域毎に任意に設定した温度条件に可及的に沿った
温度勾配となるようにしたことを特徴とする超臨界ガス
あるいは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分
別装置である。
第3の特許を受けようとする発明は、第1発明、第2
発明に記載された超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用
いた混合物の組成成分濃縮分別装置を用意し、他方、混
合物や混合物から分離せんとする所望の目的成分と抽剤
ガスと抽出塔の圧力条件とを特定したうえで、各段の交
換帯域毎の最適温度条件を系の相平衡に基いて算出する
かあるいは実測によって特定しておき、運転時、前記抽
出塔内が各段の交換帯域毎の最適温度条件に可及的に沿
った温度勾配となるように調整し、上記のように可及的
に好ましく調整された圧力条件および温度条件下で混合
物を抽剤ガスに接触させ、多段階に成分を分離あるいは
還流して、所望の目的成分を濃縮分別するようにしたこ
とを特徴とする超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用い
た混合物の組成成分濃縮分別法である。
発明に記載された超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用
いた混合物の組成成分濃縮分別装置を用意し、他方、混
合物や混合物から分離せんとする所望の目的成分と抽剤
ガスと抽出塔の圧力条件とを特定したうえで、各段の交
換帯域毎の最適温度条件を系の相平衡に基いて算出する
かあるいは実測によって特定しておき、運転時、前記抽
出塔内が各段の交換帯域毎の最適温度条件に可及的に沿
った温度勾配となるように調整し、上記のように可及的
に好ましく調整された圧力条件および温度条件下で混合
物を抽剤ガスに接触させ、多段階に成分を分離あるいは
還流して、所望の目的成分を濃縮分別するようにしたこ
とを特徴とする超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用い
た混合物の組成成分濃縮分別法である。
即ち、少なくとも抽出塔内に多段の交換帯域を有し、
各段の交換帯域毎に加熱装置を設け、各段交換帯域毎に
任意の温度を賦与し得るようにした混合物の組成成分濃
縮分別装置を用意し、他方、混合物や混合物から分離せ
んとする所望の成分と抽剤ガスと抽出塔の圧力条件とを
特定したうえで、各段の交換帯域毎の最適温度条件を系
の相平衡に基いて算出するかあるいは実測によって特定
しておき、運転時、前記抽出塔内が各段の交換帯域毎の
最適温度条件に可及的に沿った温度勾配となるように調
整し、そのように可及的に好ましく調整された圧力条件
および温度条件下で、混合物を抽剤ガスに接触させ多段
階に成分を分離あるいは還流して、所望の目的成分を濃
縮分別するようにしたことを特徴とする超臨界ガスある
いは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分別法
である。
各段の交換帯域毎に加熱装置を設け、各段交換帯域毎に
任意の温度を賦与し得るようにした混合物の組成成分濃
縮分別装置を用意し、他方、混合物や混合物から分離せ
んとする所望の成分と抽剤ガスと抽出塔の圧力条件とを
特定したうえで、各段の交換帯域毎の最適温度条件を系
の相平衡に基いて算出するかあるいは実測によって特定
しておき、運転時、前記抽出塔内が各段の交換帯域毎の
最適温度条件に可及的に沿った温度勾配となるように調
整し、そのように可及的に好ましく調整された圧力条件
および温度条件下で、混合物を抽剤ガスに接触させ多段
階に成分を分離あるいは還流して、所望の目的成分を濃
縮分別するようにしたことを特徴とする超臨界ガスある
いは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分別法
である。
「作用」 本発明は、超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを溶媒と
して用いた混合物の組成成分濃縮分別法と、そのための
組成成分濃縮分別装置である。その原理は、溶質の蒸気
圧と溶質の溶媒に対する親和性の両方を利用し、圧力と
温度を操作因子として分別する方法である。この組成成
分濃縮分別法を用いて混合物から所望の目的成分を効率
的に分離抽出するためには、気相への目的成分の溶解度
は勿論、液相への超臨界ガスの溶解度を含めた、超臨界
ガス−目的成分系の相平衡のデータが必要である。しか
しながら、天然物を対象とする系の高圧相平衡データは
未だ殆ど測定されておらず、相関法も開発されていなか
った。本発明者らは、これら天然物を対象とした系に対
しても簡単に高圧相平衡を測定出来る測定装置を別途開
発したことから、相平衡の正確なデータを容易に測定す
ることが出来るようになった(第14図〜第16図)。その
結果、本発明者は、圧力−定下における気液平衡関係か
ら、所望成分の効率的な濃縮を図るためには、抽出塔の
高さ方向に最適な温度条件の勾配が存在することが解っ
た。即ち、超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを抽剤ガス
として用い抽出塔内の圧力を一定にしている場合には、
交換帯域毎に、温度条件をコントロールすれば所望の目
的成分を選択的に溶質成分を収納連行した抽出相あるい
は抽残成分相のいずれかに収納連行させることができ
る。この知見に基いて抽出塔内の圧力を一定にしたう
え、当該抽出塔内を高さ方向に多段交換帯域となし、各
段毎に温度コントロールし、任意の温度を設定し得るよ
うに構成した装置を用意すること、そして各交換帯域毎
に相平衡に基いた所定の温度条件に維持した状態の下で
混合物を抽剤ガスと接触させ、目的成分を抽出相あるい
は抽残成分相のいずれかに収納連行させることを繰り返
し、当該目的成分を濃縮分別するのである。
して用いた混合物の組成成分濃縮分別法と、そのための
組成成分濃縮分別装置である。その原理は、溶質の蒸気
圧と溶質の溶媒に対する親和性の両方を利用し、圧力と
温度を操作因子として分別する方法である。この組成成
分濃縮分別法を用いて混合物から所望の目的成分を効率
的に分離抽出するためには、気相への目的成分の溶解度
は勿論、液相への超臨界ガスの溶解度を含めた、超臨界
ガス−目的成分系の相平衡のデータが必要である。しか
しながら、天然物を対象とする系の高圧相平衡データは
未だ殆ど測定されておらず、相関法も開発されていなか
った。本発明者らは、これら天然物を対象とした系に対
しても簡単に高圧相平衡を測定出来る測定装置を別途開
発したことから、相平衡の正確なデータを容易に測定す
ることが出来るようになった(第14図〜第16図)。その
結果、本発明者は、圧力−定下における気液平衡関係か
ら、所望成分の効率的な濃縮を図るためには、抽出塔の
高さ方向に最適な温度条件の勾配が存在することが解っ
た。即ち、超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを抽剤ガス
として用い抽出塔内の圧力を一定にしている場合には、
交換帯域毎に、温度条件をコントロールすれば所望の目
的成分を選択的に溶質成分を収納連行した抽出相あるい
は抽残成分相のいずれかに収納連行させることができ
る。この知見に基いて抽出塔内の圧力を一定にしたう
え、当該抽出塔内を高さ方向に多段交換帯域となし、各
段毎に温度コントロールし、任意の温度を設定し得るよ
うに構成した装置を用意すること、そして各交換帯域毎
に相平衡に基いた所定の温度条件に維持した状態の下で
混合物を抽剤ガスと接触させ、目的成分を抽出相あるい
は抽残成分相のいずれかに収納連行させることを繰り返
し、当該目的成分を濃縮分別するのである。
以下、この濃縮分別作用を具体的に例示説明する。例
えば、第2図で示す第1段目の交換帯域の温度を35℃と
すると、この温度における溶解度曲線は、実測により第
5図(DHA-EPA−炭酸ガス)の相平衡図で示すようにKR1
E1Lとなった。つまり、混合物が抽剤ガスと接触する
と、溶解度曲線にしたがって組成の一部が抽剤ガスに溶
解して溶質成分を連行した抽出相E1となり、残りは抽残
成分相R1となって、その組成成分が分離する。そして溶
質成分を連行した抽出相E1は第2段目に移行し、抽残成
分相R1は第1段目に残り、缶底より流出する。このとき
第1段より流出する溶質成分を連行した抽出相の組成は
E1である。このE1から溶媒である抽剤ガスを回収すると
溶質成分PE1の製品となる。
えば、第2図で示す第1段目の交換帯域の温度を35℃と
すると、この温度における溶解度曲線は、実測により第
5図(DHA-EPA−炭酸ガス)の相平衡図で示すようにKR1
E1Lとなった。つまり、混合物が抽剤ガスと接触する
と、溶解度曲線にしたがって組成の一部が抽剤ガスに溶
解して溶質成分を連行した抽出相E1となり、残りは抽残
成分相R1となって、その組成成分が分離する。そして溶
質成分を連行した抽出相E1は第2段目に移行し、抽残成
分相R1は第1段目に残り、缶底より流出する。このとき
第1段より流出する溶質成分を連行した抽出相の組成は
E1である。このE1から溶媒である抽剤ガスを回収すると
溶質成分PE1の製品となる。
次に、第2段目の交換帯域の温度を40℃とすると、溶
解度曲線はMNQOと変化し、前記E1はこれを通る連結線の
両端R2とE2とに分かれる。即ち、E1組成の一部が抽剤ガ
スに溶解して溶質成分を連行した抽出相E2となり第3段
目に移行し、残りは抽残成分相R2となって第1段目に還
流する。前記E2から抽剤ガスを回収すると溶質成分PE2
の製品となるが、このPE2はPE1より抽出せんとする目的
成分(図示例では、EPA)をより高濃度に含んだものと
なる。
解度曲線はMNQOと変化し、前記E1はこれを通る連結線の
両端R2とE2とに分かれる。即ち、E1組成の一部が抽剤ガ
スに溶解して溶質成分を連行した抽出相E2となり第3段
目に移行し、残りは抽残成分相R2となって第1段目に還
流する。前記E2から抽剤ガスを回収すると溶質成分PE2
の製品となるが、このPE2はPE1より抽出せんとする目的
成分(図示例では、EPA)をより高濃度に含んだものと
なる。
同様に、第3段目を45℃とすると、溶解度曲線はSTVU
と変化し、前記E2はこれを通る連結線の両端R3とE3とに
分かれる。即ち、E2組成の一部が抽剤ガスに溶解して溶
質成分を連行した抽出相E3となって第3段目に移行し、
残りは抽残成分相R3となって第2段目に還流する。前記
E3から抽剤ガスを回収すると溶質成分PE3の製品となる
が、このPE3はPE2やPE1より抽出せんとする目的成分
(図示例では、EPA)が濃縮されたものとなっている。
と変化し、前記E2はこれを通る連結線の両端R3とE3とに
分かれる。即ち、E2組成の一部が抽剤ガスに溶解して溶
質成分を連行した抽出相E3となって第3段目に移行し、
残りは抽残成分相R3となって第2段目に還流する。前記
E3から抽剤ガスを回収すると溶質成分PE3の製品となる
が、このPE3はPE2やPE1より抽出せんとする目的成分
(図示例では、EPA)が濃縮されたものとなっている。
以上のように、系の相平衡に基いて、抽出塔の各段の
温度条件が与えられ、そこで要求される温度勾配を塔に
与えることにより、効率的な濃縮分別が初めて可能にな
るのである。
温度条件が与えられ、そこで要求される温度勾配を塔に
与えることにより、効率的な濃縮分別が初めて可能にな
るのである。
「実施例」 以下本発明を図示の実施例に基いて、詳細に説明す
る。
る。
第1図は、本発明にかかる超臨界ガスあるいは高圧液
化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分別装置を示す概
念図である。
化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分別装置を示す概
念図である。
本発明にかかる混合物の組成成分濃縮分別装置の基本
的構成は、加熱装置80を備えた高低差のある抽出塔10
と、当該抽出塔10内へ混合物を供給し得るように原料供
給管21で連結された混合物供給部20と、当該抽出管10へ
超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを供給し得るようにガ
溶媒供給管31でつながった抽剤ガス供給部30と、抽出塔
10内で供給された混合物と抽剤ガスが接触して溶解度差
によって抽出相と還流する抽残成分相とに分離して得ら
れる抽出相を導管41により抽出塔の外に取り出す抽出相
採取部40と、抽出塔10内で分離して得られる抽残成分相
を導管51により抽出塔10の外に取り出す抽残成分相採取
部60と、採取された抽出相から温度と圧力を操作因子と
して抽剤ガスを除去し収容連行された溶質成分を分離抽
出する溶質成分抽出部50と、採取された抽残成分相から
温度と圧力を操作因子として抽剤ガスを除去して抽残成
分を分離抽出する抽残成分抽出部70とからなる。
的構成は、加熱装置80を備えた高低差のある抽出塔10
と、当該抽出塔10内へ混合物を供給し得るように原料供
給管21で連結された混合物供給部20と、当該抽出管10へ
超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを供給し得るようにガ
溶媒供給管31でつながった抽剤ガス供給部30と、抽出塔
10内で供給された混合物と抽剤ガスが接触して溶解度差
によって抽出相と還流する抽残成分相とに分離して得ら
れる抽出相を導管41により抽出塔の外に取り出す抽出相
採取部40と、抽出塔10内で分離して得られる抽残成分相
を導管51により抽出塔10の外に取り出す抽残成分相採取
部60と、採取された抽出相から温度と圧力を操作因子と
して抽剤ガスを除去し収容連行された溶質成分を分離抽
出する溶質成分抽出部50と、採取された抽残成分相から
温度と圧力を操作因子として抽剤ガスを除去して抽残成
分を分離抽出する抽残成分抽出部70とからなる。
図示実施例の前記抽出塔10は、ベンチスケールのもの
であるため、塔長がおよそ2〜3mの縦長円筒形状であ
り、高圧に耐えるためと、抽出実験時の内径を可変とす
るため、圧力保持する溶質成分抽出部50と、採取された
抽残成分相から温度と圧力を操作因子として抽剤ガスを
除去して抽残成分を分離抽出する抽残成分抽出部70とか
らなる。
であるため、塔長がおよそ2〜3mの縦長円筒形状であ
り、高圧に耐えるためと、抽出実験時の内径を可変とす
るため、圧力保持する溶質成分抽出部50と、採取された
抽残成分相から温度と圧力を操作因子として抽剤ガスを
除去して抽残成分を分離抽出する抽残成分抽出部70とか
らなる。
図示実施例の前記抽出塔10は、ベンチスケールのもの
であるため、塔長がおよそ2〜3mの縦長円筒形状であ
り、高圧に耐えるためと、抽出実験時の内径を可変とす
るため、圧力保持用のステンレス製の外筒12と、ディク
ソンパッキングが充填されている内筒13とからなってい
る。内筒13と外筒12との間には圧力を均衡させるため、
炭酸ガスを充満させてある。抽出塔10は、全体が数個の
部分10a,10b,10c,10d…から出来ており、各部分はフラ
ンジ11で接続されている。
であるため、塔長がおよそ2〜3mの縦長円筒形状であ
り、高圧に耐えるためと、抽出実験時の内径を可変とす
るため、圧力保持用のステンレス製の外筒12と、ディク
ソンパッキングが充填されている内筒13とからなってい
る。内筒13と外筒12との間には圧力を均衡させるため、
炭酸ガスを充満させてある。抽出塔10は、全体が数個の
部分10a,10b,10c,10d…から出来ており、各部分はフラ
ンジ11で接続されている。
尚、当該抽出塔10は、上記のような充填塔や段塔が用
いられるものと思われるが、これはまたフランジ接続式
であっても、一体成形式のものであってもよい。この場
合の塔の高さや、塔径の決定法については、一般的に充
填塔等のようにいわゆる微分接触を採用する場合におい
ては、その原理は蒸留や吸収と同じであって、物質移動
容量系数或はH.T.U.を用いて、必要な塔の高さを決め、
フラッディングを起こさない様な条件を選んで、塔径を
決めるのが普通である。
いられるものと思われるが、これはまたフランジ接続式
であっても、一体成形式のものであってもよい。この場
合の塔の高さや、塔径の決定法については、一般的に充
填塔等のようにいわゆる微分接触を採用する場合におい
ては、その原理は蒸留や吸収と同じであって、物質移動
容量系数或はH.T.U.を用いて、必要な塔の高さを決め、
フラッディングを起こさない様な条件を選んで、塔径を
決めるのが普通である。
次に、混合物供給部20は、原料供給管21により原料タ
ンク22とフィードポンプ23と抽出塔10とを連結するとと
もに、当該原料供給管21の途中に予熱器24を設けてなる
ものである。
ンク22とフィードポンプ23と抽出塔10とを連結するとと
もに、当該原料供給管21の途中に予熱器24を設けてなる
ものである。
前記抽剤ガス供給部30は、抽剤ガスの入っているガス
ボンベ32と、抽出塔10との間を連結する溶媒供給管31
と、ガス供給管31の途中に設けた高圧ポンプ33と保圧弁
34と予熱器35とからなる。尚、抽出塔10に対する抽剤ガ
スの供給口36,37は塔頂部と塔底部に設けるようにして
ある。
ボンベ32と、抽出塔10との間を連結する溶媒供給管31
と、ガス供給管31の途中に設けた高圧ポンプ33と保圧弁
34と予熱器35とからなる。尚、抽出塔10に対する抽剤ガ
スの供給口36,37は塔頂部と塔底部に設けるようにして
ある。
前記抽出相採取部40は、塔頂部に設けたメイン抽出相
採取部40aと、各段毎に設けたサイドカット用抽出相採
取部40bとがある。
採取部40aと、各段毎に設けたサイドカット用抽出相採
取部40bとがある。
前者のメイン抽出相採取部40aは抽出塔10の塔頂部よ
り延出する導管41で構成されており、導管41の先方には
減圧弁51と、捕集器52とからなる溶質成分抽出部50aが
設けられている。尚、図中捕集器52の頂部より延出形成
した排ガス管53にはガスメータ54を設けておき、捕集器
52の底部より延出形成した流出管55は、二股に分枝し、
一方は開閉弁を介した取り出し部56を形成し、他方は還
流ポンプ57を介して溶質成分を抽出塔10内に還流する還
流管58を設けてある。
り延出する導管41で構成されており、導管41の先方には
減圧弁51と、捕集器52とからなる溶質成分抽出部50aが
設けられている。尚、図中捕集器52の頂部より延出形成
した排ガス管53にはガスメータ54を設けておき、捕集器
52の底部より延出形成した流出管55は、二股に分枝し、
一方は開閉弁を介した取り出し部56を形成し、他方は還
流ポンプ57を介して溶質成分を抽出塔10内に還流する還
流管58を設けてある。
後者のサイドカット用抽出相採取部40bは、抽出塔10
の中間位置における多段階交流帯域毎に複数個離間して
延出形成した導管42,42,…で、その先端部には、減圧弁
51b,51b…と捕集器52b,52b,…とからなる中間の溶質成
分抽出部50bが設けられている。
の中間位置における多段階交流帯域毎に複数個離間して
延出形成した導管42,42,…で、その先端部には、減圧弁
51b,51b…と捕集器52b,52b,…とからなる中間の溶質成
分抽出部50bが設けられている。
次に、抽残成分相採取部60も、塔底部に設けたメイン
抽残成分相採取部60aと、各段毎の中間部に設けたサイ
ドカット用抽残成分相採取部60bとがある。
抽残成分相採取部60aと、各段毎の中間部に設けたサイ
ドカット用抽残成分相採取部60bとがある。
前者のメイン抽残成分相採取部60aは抽出塔10の塔底
部より延出する導管61で構成されており、該導管61の先
方には減圧弁71と、捕集器72とからなる抽残成分抽出部
70aが設けられている。尚、図中捕集器72の頂部より延
出形成した排ガス管73にはガスメータ74を設けておき、
捕集器72の底部より流出管75が延出し、開閉弁を介した
取り出し部76を形成してある。
部より延出する導管61で構成されており、該導管61の先
方には減圧弁71と、捕集器72とからなる抽残成分抽出部
70aが設けられている。尚、図中捕集器72の頂部より延
出形成した排ガス管73にはガスメータ74を設けておき、
捕集器72の底部より流出管75が延出し、開閉弁を介した
取り出し部76を形成してある。
後者のサイドカット用抽出相採取部60bは、抽出塔10
の中間位置における多段階交流帯域毎に複数個離間して
延出形成した導管62,62,…で、その先端部には、減圧弁
71b,71b,…と捕集器72b,72b,…となるから中間の溶質成
分抽出部70b,70b,70b,…が設けられている。
の中間位置における多段階交流帯域毎に複数個離間して
延出形成した導管62,62,…で、その先端部には、減圧弁
71b,71b,…と捕集器72b,72b,…となるから中間の溶質成
分抽出部70b,70b,70b,…が設けられている。
上記のような基本構成の組成成分濃縮分別装置におい
て、抽出塔10を高さ方向に多段交換帯域10a,10b,10c,10
d…となし、当該抽出塔10の各段交換帯域10a,10b,10c,1
0d…毎に加熱装置80,80,…を設け、各段交換帯域10a,10
b,10c,10d…毎に任意の温度を制御しながら賦与し得る
ようにしたものである。
て、抽出塔10を高さ方向に多段交換帯域10a,10b,10c,10
d…となし、当該抽出塔10の各段交換帯域10a,10b,10c,1
0d…毎に加熱装置80,80,…を設け、各段交換帯域10a,10
b,10c,10d…毎に任意の温度を制御しながら賦与し得る
ようにしたものである。
このように、本実施例は抽出相採取部40と抽残成分相
採取部60とを、塔頂部及び塔底部にメイン抽出相採取部
40aおよびメイン抽残成分相採取部60bとして設けるだけ
でなく、抽出塔10の多段交換帯域10a,10b,10c,10d…毎
にサイドカット用として設けると共に、当該各段の抽出
相採取部40bには溶質成分抽出部50bを設け、各段の抽残
成分相採取部60bには抽残成分抽出部70bを設けるように
したので、任意の段の交換帯域10a,10b,10c,10d…から
その段の抽出相あるいは抽残成分相を取り出し、その取
り出した各相からその段における溶質成分あるいは抽残
成分を抽出できるように構成した混合物の組成成分濃縮
分別装置である。
採取部60とを、塔頂部及び塔底部にメイン抽出相採取部
40aおよびメイン抽残成分相採取部60bとして設けるだけ
でなく、抽出塔10の多段交換帯域10a,10b,10c,10d…毎
にサイドカット用として設けると共に、当該各段の抽出
相採取部40bには溶質成分抽出部50bを設け、各段の抽残
成分相採取部60bには抽残成分抽出部70bを設けるように
したので、任意の段の交換帯域10a,10b,10c,10d…から
その段の抽出相あるいは抽残成分相を取り出し、その取
り出した各相からその段における溶質成分あるいは抽残
成分を抽出できるように構成した混合物の組成成分濃縮
分別装置である。
尚、前記混合物の組成成分濃縮分別装置は、第2図に
示したように、抽出塔10と、混合物供給部と、抽剤ガス
供給部30と、加熱装置80を備えたうえ、抽出相採取部40
を抽出塔10の塔頂部またはその近傍にだけ設けるように
し、更に、抽残成分相採取部60を抽出塔10の下端部また
はその近傍にだけ設け、前記抽出相採取部40には溶質成
分抽出部50を設け、前記抽残成分相採取部60には抽残成
分抽出部70を設けるようにした態様であってもよいこと
勿論である。即ち、上記第1図の実施例の場合における
メイン抽出相採取部とメイン抽残成分相採取部だけで、
サイドカット用の同構成を省略した態様の成分濃縮分別
装置である。
示したように、抽出塔10と、混合物供給部と、抽剤ガス
供給部30と、加熱装置80を備えたうえ、抽出相採取部40
を抽出塔10の塔頂部またはその近傍にだけ設けるように
し、更に、抽残成分相採取部60を抽出塔10の下端部また
はその近傍にだけ設け、前記抽出相採取部40には溶質成
分抽出部50を設け、前記抽残成分相採取部60には抽残成
分抽出部70を設けるようにした態様であってもよいこと
勿論である。即ち、上記第1図の実施例の場合における
メイン抽出相採取部とメイン抽残成分相採取部だけで、
サイドカット用の同構成を省略した態様の成分濃縮分別
装置である。
次に加熱装置80について説明する。本発明の加熱装置
80は、当該抽出塔10の各段交換帯域10a,10b,10c,10d…
毎に設け、各交換帯域10a,10b,10c,10d…毎に任意の温
度を制御しながら賦与し得るようにするものであれば、
特に限定されるものではなく、適当な既存の加熱手段を
用いて構成されても良いこと勿論である。しかるに、発
明者らは、当該抽出塔を全塔にわたって、温度分布状態
を高精度に制御せんとするため、コンピュータを用いる
ことに成功した。以下は、その加熱装置80の実施例であ
る。
80は、当該抽出塔10の各段交換帯域10a,10b,10c,10d…
毎に設け、各交換帯域10a,10b,10c,10d…毎に任意の温
度を制御しながら賦与し得るようにするものであれば、
特に限定されるものではなく、適当な既存の加熱手段を
用いて構成されても良いこと勿論である。しかるに、発
明者らは、当該抽出塔を全塔にわたって、温度分布状態
を高精度に制御せんとするため、コンピュータを用いる
ことに成功した。以下は、その加熱装置80の実施例であ
る。
即ち、第3図に示すように、超臨界ガスあるいは高圧
液化ガスを用いた前記混合物の組成成分濃縮分別装置に
おける加熱装置80を、抽出塔10の内外適所に温度センサ
ー81a,81b,81c,…を複数個設けてなる温度測定部81と、
抽出塔10の内外適所にバンドヒーター82a,82b,82c,…を
複数個設けてなるヒータ制御部82と、コンピュータによ
る温度制御部83とから構成した。当該コンピュータによ
る温度制御部83を、前記温度測定部81で得た温度データ
の記憶手段84と、各段交換帯域10a,10b,10c,10d…毎に
任意に温度条件を設定できる温度設定手段85と、温度測
定部81で得た温度データと設定された温度条件とを比較
して設定された温度条件に適合するように調節するため
の熱交換量を演算する演算手段86と、演算された熱交換
量を賦与するためにヒータ制御部82の作動を制御する制
御手段87とからなるようにし、前記加熱装置80の作動に
より抽出塔10内の温度を各段の交換帯域10a,10b,10c,10
d…毎に任意に設定した温度条件に可及的に沿った温度
勾配となるようにした。尚、図中88はCRTであり、図中8
9は入力手段である。
液化ガスを用いた前記混合物の組成成分濃縮分別装置に
おける加熱装置80を、抽出塔10の内外適所に温度センサ
ー81a,81b,81c,…を複数個設けてなる温度測定部81と、
抽出塔10の内外適所にバンドヒーター82a,82b,82c,…を
複数個設けてなるヒータ制御部82と、コンピュータによ
る温度制御部83とから構成した。当該コンピュータによ
る温度制御部83を、前記温度測定部81で得た温度データ
の記憶手段84と、各段交換帯域10a,10b,10c,10d…毎に
任意に温度条件を設定できる温度設定手段85と、温度測
定部81で得た温度データと設定された温度条件とを比較
して設定された温度条件に適合するように調節するため
の熱交換量を演算する演算手段86と、演算された熱交換
量を賦与するためにヒータ制御部82の作動を制御する制
御手段87とからなるようにし、前記加熱装置80の作動に
より抽出塔10内の温度を各段の交換帯域10a,10b,10c,10
d…毎に任意に設定した温度条件に可及的に沿った温度
勾配となるようにした。尚、図中88はCRTであり、図中8
9は入力手段である。
上記加熱装置を用いた抽出塔内の温度制御状態を、実
験により確認したのが第4図である。加熱開始後30分
で、抽出塔全段がほぼ設定したモデル温度勾配に近似し
た温度分布となり、120分後にはほぼ正確にモデル温度
勾配にそった温度状態に制御することができた。
験により確認したのが第4図である。加熱開始後30分
で、抽出塔全段がほぼ設定したモデル温度勾配に近似し
た温度分布となり、120分後にはほぼ正確にモデル温度
勾配にそった温度状態に制御することができた。
次に、前記のような混合物の組成成分を濃縮分別装置
を利用して、超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた
混合物の組成成分を濃縮分別する方法の発明について説
明する。
を利用して、超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた
混合物の組成成分を濃縮分別する方法の発明について説
明する。
上記のような超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用い
た混合物の組成成分濃縮分別装置を用意し、他方混合物
や混合物から分離せんとする所望の目的成分と抽剤ガス
と抽出塔10の圧力条件とを特定したうえで、各段の交換
帯域10a,10b,10c,10d…毎の最適温度条件を系の相平衡
に基づいて算出するか或は実測によって特定しておき、
運転時前記抽出塔10内が各段の交換帯域10a,10b,10c,10
d,…毎の最適温度条件に可及的に沿った温度勾配となる
ように調整し、上記のように可及的に好ましく調整され
た圧力条件および温度条件下で混合物を抽剤ガスに接触
させ、多段階に成分を分離あるいは還流して、所望の目
的成分を濃縮分別するようにして超臨界ガスあるいは高
圧液化ガスを用いた混合物の組成成分を濃縮分別する方
法である。
た混合物の組成成分濃縮分別装置を用意し、他方混合物
や混合物から分離せんとする所望の目的成分と抽剤ガス
と抽出塔10の圧力条件とを特定したうえで、各段の交換
帯域10a,10b,10c,10d…毎の最適温度条件を系の相平衡
に基づいて算出するか或は実測によって特定しておき、
運転時前記抽出塔10内が各段の交換帯域10a,10b,10c,10
d,…毎の最適温度条件に可及的に沿った温度勾配となる
ように調整し、上記のように可及的に好ましく調整され
た圧力条件および温度条件下で混合物を抽剤ガスに接触
させ、多段階に成分を分離あるいは還流して、所望の目
的成分を濃縮分別するようにして超臨界ガスあるいは高
圧液化ガスを用いた混合物の組成成分を濃縮分別する方
法である。
以上、本件発明にかかる混合物の組成成分を濃縮分別
装置は、加熱装置により抽出相の温度を上昇して、密度
を減少させることにより、炭素数の大きい成分を還流さ
せ精留するものである。従って、当該装置は、主に脂肪
酸の炭素数の差を識別するのに適した成分濃縮分別装置
である。
装置は、加熱装置により抽出相の温度を上昇して、密度
を減少させることにより、炭素数の大きい成分を還流さ
せ精留するものである。従って、当該装置は、主に脂肪
酸の炭素数の差を識別するのに適した成分濃縮分別装置
である。
当該装置の特性を調べるのに、次のような実験1を行
ない、本件発明の効果を確認した。
ない、本件発明の効果を確認した。
(実験1) 本件発明の実施例にかかる装置を用いて、まずモデル
物質による全段一定温度にしたうえでの抽出塔内の濃度
勾配実験を行なった。内径40mmの内筒を用い、内部には
3mmφのディクソンパッキンを充填して、重量比60/40の
ミリスチン酸メチル/ステアリン酸メチルを原料にし
て、圧力120気圧、全段一定温度の50℃で分離実験を行
なった。原料供給量は15g/hr、炭酸ガス供給量は800g/h
rに設定し、運転した結果、塔頂の抽出相採取部から89.
0mol%のミリスチン酸メチルを得、塔底の残留成分採取
部から79.0molの%のステアリン酸メチルを得た。この
ときの塔内の濃度勾配は第6図に示す。これによって解
ったことは、この条件においては濃縮部での組成変化が
殆ど無く、分別は主として回収部で行なわれていたこと
が認められる。
物質による全段一定温度にしたうえでの抽出塔内の濃度
勾配実験を行なった。内径40mmの内筒を用い、内部には
3mmφのディクソンパッキンを充填して、重量比60/40の
ミリスチン酸メチル/ステアリン酸メチルを原料にし
て、圧力120気圧、全段一定温度の50℃で分離実験を行
なった。原料供給量は15g/hr、炭酸ガス供給量は800g/h
rに設定し、運転した結果、塔頂の抽出相採取部から89.
0mol%のミリスチン酸メチルを得、塔底の残留成分採取
部から79.0molの%のステアリン酸メチルを得た。この
ときの塔内の濃度勾配は第6図に示す。これによって解
ったことは、この条件においては濃縮部での組成変化が
殆ど無く、分別は主として回収部で行なわれていたこと
が認められる。
次に、本件発明に係る成分濃縮分別法を調べるのに以
下の実験を行なった。
下の実験を行なった。
まず、対照区として、魚油から得た脂肪酸メチルエス
テル(EPA濃度16%)を原料とした温度勾配のない条件
下における超臨界炭酸ガス抽出実験(実験2)を行な
い、次に、本発明の試験区として4実験をおこない、比
較観察した。即ち、まず、魚油から得た脂肪酸エチルエ
ステル(DHA濃度10%)を原料とした温度勾配設定条件
下における超臨界炭酸ガス抽出実験(実験3)を行な
い、次に、魚油脂肪酸エチルエステルを予め尿素付加処
理した尿素付加処理品(EPA濃度62%、DHA濃度12%、そ
の他26%)を原料とした温度勾配設定条件下における超
臨界炭酸ガス抽出実験(実験4)を行ない、更に魚油か
ら得た粗エステルの尿素付加処理品を原料とした温度勾
配設定条件下における超臨界炭酸ガス抽出実験(実験
5)を行ない、最後に魚油から得られた脂肪酸エチルエ
ステル(EPA濃度16%、DHA濃度14%、)を原料とした温
度勾配設定条件下における超臨界炭酸ガス抽出実験(実
験6)を行なった。以下は、その実験結果である。
テル(EPA濃度16%)を原料とした温度勾配のない条件
下における超臨界炭酸ガス抽出実験(実験2)を行な
い、次に、本発明の試験区として4実験をおこない、比
較観察した。即ち、まず、魚油から得た脂肪酸エチルエ
ステル(DHA濃度10%)を原料とした温度勾配設定条件
下における超臨界炭酸ガス抽出実験(実験3)を行な
い、次に、魚油脂肪酸エチルエステルを予め尿素付加処
理した尿素付加処理品(EPA濃度62%、DHA濃度12%、そ
の他26%)を原料とした温度勾配設定条件下における超
臨界炭酸ガス抽出実験(実験4)を行ない、更に魚油か
ら得た粗エステルの尿素付加処理品を原料とした温度勾
配設定条件下における超臨界炭酸ガス抽出実験(実験
5)を行ない、最後に魚油から得られた脂肪酸エチルエ
ステル(EPA濃度16%、DHA濃度14%、)を原料とした温
度勾配設定条件下における超臨界炭酸ガス抽出実験(実
験6)を行なった。以下は、その実験結果である。
(実験2) 魚油から得た脂肪酸メチルエステル(EPA濃度16%)
を原料として、塔内温度を温度勾配のない条件下におけ
る超臨界炭酸ガス抽出実験を行なった。これは対照区の
実験である。
を原料として、塔内温度を温度勾配のない条件下におけ
る超臨界炭酸ガス抽出実験を行なった。これは対照区の
実験である。
つまり、塔内温度を全段40℃の一定に保ち、圧力を10
0kg/cm2.Gに設定したうえ、原料の脂肪酸メチルエステ
ル66.1gを2800g/hrの炭酸ガスで半回分操作による実験
を行なった。その結果を第7図に示す通り、炭酸ガス流
量が2500Nlを超えるまでに炭酸数が14群、16群、18群の
成分はかなり流出し、EPA(C20−5)が濃度約30%に濃
縮されて採取されることが解った。しかし18群について
はまだかなり残っており、濃縮効率において、充分満足
出来るものではなかった。
0kg/cm2.Gに設定したうえ、原料の脂肪酸メチルエステ
ル66.1gを2800g/hrの炭酸ガスで半回分操作による実験
を行なった。その結果を第7図に示す通り、炭酸ガス流
量が2500Nlを超えるまでに炭酸数が14群、16群、18群の
成分はかなり流出し、EPA(C20−5)が濃度約30%に濃
縮されて採取されることが解った。しかし18群について
はまだかなり残っており、濃縮効率において、充分満足
出来るものではなかった。
(実験3) 魚油から得た脂肪酸エチルエステル(DHA濃度10%)
を原料とした温度勾配設定条件下における超臨界炭酸ガ
ス抽出実験を行なった。
を原料とした温度勾配設定条件下における超臨界炭酸ガ
ス抽出実験を行なった。
まず、抽出塔には、塔頂温度50℃、塔低温度35℃とな
るような気液平衡測定結果に基く最適温度条件に近似し
た温度勾配を設けて、原料を混合物供給部に導入した。
なお、抽出塔内の充填材にはディクソンパッキンを用い
た。
るような気液平衡測定結果に基く最適温度条件に近似し
た温度勾配を設けて、原料を混合物供給部に導入した。
なお、抽出塔内の充填材にはディクソンパッキンを用い
た。
次に、溶媒として120kg/cm2.G高圧炭酸ガスを充填塔
下部から流通させ、抽出塔上部の抽出相採取部から抽出
相を採取して、高圧炭酸ガスに溶解している原料脂肪酸
エチルエステルの成分分別を開始した。その結果、別表
1のように55%の高DHA濃度フラクション17gを得た。
尚、DHAは炭素数22、二重結合6(C22−6)である。
下部から流通させ、抽出塔上部の抽出相採取部から抽出
相を採取して、高圧炭酸ガスに溶解している原料脂肪酸
エチルエステルの成分分別を開始した。その結果、別表
1のように55%の高DHA濃度フラクション17gを得た。
尚、DHAは炭素数22、二重結合6(C22−6)である。
(実験4) 魚油脂肪酸エチルエステルを予め尿素付加処理するこ
とにより得られた、不飽和脂肪酸エステル含有量が高い
原料(EPA濃度62%、DHA濃度12%、その他26%)に対し
て温度勾配設定条件下における超臨界炭酸ガス抽出実験
を行なった。尚、EPAは炭素数20、二重結合5(C20−
5)である。
とにより得られた、不飽和脂肪酸エステル含有量が高い
原料(EPA濃度62%、DHA濃度12%、その他26%)に対し
て温度勾配設定条件下における超臨界炭酸ガス抽出実験
を行なった。尚、EPAは炭素数20、二重結合5(C20−
5)である。
まず、抽出塔内部に充填材として、ディクソンパッキ
ンを充填し、塔頂温度60℃、塔低温度35℃となるような
気液平衡測定結果に基く最適温度条件に近似した温度勾
配を設けた後、原料645.5gを抽出塔下部の混合物供給部
より導入した。
ンを充填し、塔頂温度60℃、塔低温度35℃となるような
気液平衡測定結果に基く最適温度条件に近似した温度勾
配を設けた後、原料645.5gを抽出塔下部の混合物供給部
より導入した。
次に、溶媒として120kg/cm2.Gの高圧炭酸ガスを充填
塔下部から流通させ、抽出塔の圧力が120kg/cm2.Gにな
った後、抽出塔上部の抽出相採取部より抽出相を採取
し、高圧炭酸ガスに溶解している原料脂肪酸エチルエス
テルの成分分別を開始した。
塔下部から流通させ、抽出塔の圧力が120kg/cm2.Gにな
った後、抽出塔上部の抽出相採取部より抽出相を採取
し、高圧炭酸ガスに溶解している原料脂肪酸エチルエス
テルの成分分別を開始した。
実験結果を第8図に示す。炭酸ガス抜き出し開始後か
ら炭酸ガス流通量35Nm3位までに炭素数14-18までの成分
はほとんど流出され、それ以後は濃度90%以上(最高濃
度94.9%)に濃縮されたEPAが193.08g回収された。
ら炭酸ガス流通量35Nm3位までに炭素数14-18までの成分
はほとんど流出され、それ以後は濃度90%以上(最高濃
度94.9%)に濃縮されたEPAが193.08g回収された。
(実験5) 魚油(EPA濃度29%:下表2)2.2kg,エタノール1.3kg
を混合したものに、エタノール0.44kgに溶解したKOH22g
を加えリフラックス下で2時間、エステル交換反応を行
ない、粗エステル品を得た。
を混合したものに、エタノール0.44kgに溶解したKOH22g
を加えリフラックス下で2時間、エステル交換反応を行
ない、粗エステル品を得た。
次に、この粗エステル品にヘキサン13.2lを加え、7.7
kgの尿素及び、メタノール400mlを加えて、窒素雰囲気
下で2時間、撹拌、反応した。
kgの尿素及び、メタノール400mlを加えて、窒素雰囲気
下で2時間、撹拌、反応した。
次いで、減圧ろ過によりろ液を収集し、尿素付加物は
ヘキサン7lで洗浄、濾過し、濾液を濃縮して、尿素付加
処理品を570g得た。
ヘキサン7lで洗浄、濾過し、濾液を濃縮して、尿素付加
処理品を570g得た。
次に、このように前処理された尿素付加処理品(EPA
濃度59.1%)を原料とし、本発明の成分濃度分別装置を
用いて以下の実験を行なった。
濃度59.1%)を原料とし、本発明の成分濃度分別装置を
用いて以下の実験を行なった。
まず、抽出塔には、塔頂温度60℃、塔低温度35℃とな
るような気液平衡測定結果に基く最適温度条件に近似し
た温度勾配を設けて、原料570gを下部混合物供給部に導
入した。なお、充填材はディクソンパッキンを用いた。
るような気液平衡測定結果に基く最適温度条件に近似し
た温度勾配を設けて、原料570gを下部混合物供給部に導
入した。なお、充填材はディクソンパッキンを用いた。
次に、溶媒として120kg/cm2.Gの高圧炭酸ガスを抽出
塔下部から流通させ、抽出塔の圧力が120kg/cm2.Gにな
った後、抜き出しバルブを開けてエステルの成分分別を
開始した。実験結果を第9図に示す。炭酸ガス流通量45
Nm3位までに、炭素数14〜18までの成分はほとんど流出
され、それ以後は、濃度90%以上(最高濃度94.5%)に
濃縮されたEPAが167.95g回収された。
塔下部から流通させ、抽出塔の圧力が120kg/cm2.Gにな
った後、抜き出しバルブを開けてエステルの成分分別を
開始した。実験結果を第9図に示す。炭酸ガス流通量45
Nm3位までに、炭素数14〜18までの成分はほとんど流出
され、それ以後は、濃度90%以上(最高濃度94.5%)に
濃縮されたEPAが167.95g回収された。
(実験6) 魚油から得た脂肪酸エチルエステル(EPA濃度16%、D
HA濃度14%、)を原料とした温度勾配設定条件下におけ
る超臨界炭酸ガス抽出実験(実験6)を行なった。
HA濃度14%、)を原料とした温度勾配設定条件下におけ
る超臨界炭酸ガス抽出実験(実験6)を行なった。
まず抽出塔内部に充填材として、ディクソンパッキン
を充填し、塔頂温度60℃、塔低温度35℃となるような気
液平衡測定結果に基く最適温度条件に近似した温度勾配
を設けた後、原料538gを抽出塔下部の混合物供給部に導
入した。次に、溶媒として120kg/cm2.Gの高圧炭酸ガス
を抽出塔下部から流通させ、抽出塔の圧力が120kg/cm2.
Gになった後、抽出塔上部の抽出相採取部を開けて、高
圧炭酸ガスに溶解している原料脂肪酸エチルエステルの
成分分別を開始した。
を充填し、塔頂温度60℃、塔低温度35℃となるような気
液平衡測定結果に基く最適温度条件に近似した温度勾配
を設けた後、原料538gを抽出塔下部の混合物供給部に導
入した。次に、溶媒として120kg/cm2.Gの高圧炭酸ガス
を抽出塔下部から流通させ、抽出塔の圧力が120kg/cm2.
Gになった後、抽出塔上部の抽出相採取部を開けて、高
圧炭酸ガスに溶解している原料脂肪酸エチルエステルの
成分分別を開始した。
実験結果を第10図に示す。炭酸ガス抜き出し開始後か
ら、炭酸ガス流通量50Nm3位までに炭素数14〜18までの
成分はほとんど流出し、最高70.5%(50%以上のEPA回
収率63%)までに濃縮されたEPAが回収された。
ら、炭酸ガス流通量50Nm3位までに炭素数14〜18までの
成分はほとんど流出し、最高70.5%(50%以上のEPA回
収率63%)までに濃縮されたEPAが回収された。
「効果」 叙上のように、本件発明の成分濃縮分別装置は抽出塔
自体に多段交換帯域を設け、各段毎に加熱装置を設け
て、各段交換帯域毎に任意の温度を調節しながら賦与し
得るようにし、抽出塔の高さ位置に応じて任意の温度を
分布させ得るようにしたので、抽出塔内の温度制御が従
来に比較して、位置的要素を加味して高精度に出来るこ
とになった。
自体に多段交換帯域を設け、各段毎に加熱装置を設け
て、各段交換帯域毎に任意の温度を調節しながら賦与し
得るようにし、抽出塔の高さ位置に応じて任意の温度を
分布させ得るようにしたので、抽出塔内の温度制御が従
来に比較して、位置的要素を加味して高精度に出来るこ
とになった。
また、本件発明の成分濃縮分別装置は、抽出塔自体に
多段交換帯域を設けたので、溶質成分や抽残成分がいず
れも多段階にわたって、分離と還流を繰り返すため、従
来の装置に比較して目的成分が充分濃縮された状態で得
られるようになった。また、本件発明の成分濃縮分別装
置は、多段交換帯域毎に抽出相と抽残成分相のサイドカ
ット用の取り出し装置を設けたので、任意の段の交換帯
域からその段における抽出相あるは抽残成分相を取り出
し、その取り出した各相からその段において収容連行さ
れている溶質成分あるいは抽残成分を抽出回収できるよ
うになった。
多段交換帯域を設けたので、溶質成分や抽残成分がいず
れも多段階にわたって、分離と還流を繰り返すため、従
来の装置に比較して目的成分が充分濃縮された状態で得
られるようになった。また、本件発明の成分濃縮分別装
置は、多段交換帯域毎に抽出相と抽残成分相のサイドカ
ット用の取り出し装置を設けたので、任意の段の交換帯
域からその段における抽出相あるは抽残成分相を取り出
し、その取り出した各相からその段において収容連行さ
れている溶質成分あるいは抽残成分を抽出回収できるよ
うになった。
さらに、本件発明の成分濃縮分別装置の加熱装置を、
温度制御部と、ヒータ制御部と、コンピュータによる温
度制御部とから構成して、前記加熱装置の作動により抽
出塔内の温度を測定したり、各段の交換帯域毎に温度条
件を設定したり、抽出塔内の温度を各段の交換帯域毎に
任意に設定した温度条件に可及的に沿った温度勾配とな
るようにしたので、抽出塔内の温度をより高精度に制御
出来るようになった。
温度制御部と、ヒータ制御部と、コンピュータによる温
度制御部とから構成して、前記加熱装置の作動により抽
出塔内の温度を測定したり、各段の交換帯域毎に温度条
件を設定したり、抽出塔内の温度を各段の交換帯域毎に
任意に設定した温度条件に可及的に沿った温度勾配とな
るようにしたので、抽出塔内の温度をより高精度に制御
出来るようになった。
また、本発明の成分濃縮分別法は、前記多段交換帯域
をもった成分濃縮分別装置を用意しておき、所望の目的
成分を濃縮分別するのに最適な温度条件を系の相平衡に
基いて特定しておき、運転時、前記抽出塔内が各段の交
換帯域毎の最適温度条件に可及的に沿った温度勾配とな
るように調整し、好ましく調整された圧力条件および温
度条件下で、多段階に成分を分離あるいは還流して、所
望の目的成分をより効率的に濃縮分別するようにした超
臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成
分濃縮分別法である。実験1、実験2は温度勾配を設定
しない場合の濃縮分別例で、実験3〜6は、所定の温度
勾配を設定した本件発明による成分濃縮分別例である。
両者を比較すると、前者は濃縮分別を行なってはいる
が、その濃縮効率があまり良くないのに対して、後者は
所望の目的成分を非常に効率的に濃縮分別することがで
きる。特に、本発明は、組成成分を炭素数により濃縮分
別するのに適している。
をもった成分濃縮分別装置を用意しておき、所望の目的
成分を濃縮分別するのに最適な温度条件を系の相平衡に
基いて特定しておき、運転時、前記抽出塔内が各段の交
換帯域毎の最適温度条件に可及的に沿った温度勾配とな
るように調整し、好ましく調整された圧力条件および温
度条件下で、多段階に成分を分離あるいは還流して、所
望の目的成分をより効率的に濃縮分別するようにした超
臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成
分濃縮分別法である。実験1、実験2は温度勾配を設定
しない場合の濃縮分別例で、実験3〜6は、所定の温度
勾配を設定した本件発明による成分濃縮分別例である。
両者を比較すると、前者は濃縮分別を行なってはいる
が、その濃縮効率があまり良くないのに対して、後者は
所望の目的成分を非常に効率的に濃縮分別することがで
きる。特に、本発明は、組成成分を炭素数により濃縮分
別するのに適している。
第1図は本発明に係る成分濃縮分別装置の一実施例の構
成概念説明図、第2図は同装置の他実施例における構成
概念説明図、第3図は加熱装置の一実施例の構成を示す
説明図、第4図は抽出塔内の温度分布制御例を示すグラ
フ、第5図はDHA-EPA−抽剤ガス(高圧炭酸ガス)の相
平衡図であり、第6図は実験1による抽出塔内濃度勾配
を示すグラフ、第7図は実験2の成分濃縮分別結果を示
すグラフ、第8図〜第10図は実験4〜実験6の成分濃縮
分別結果を示すグラフ、第11図〜第13図は従来の超臨界
ガス抽出装置を示す構成説明図であり、第14図〜第16図
は所定圧力下における気液相平衡関係を示すデータであ
る。 [主な符号の説明] 10:抽出塔 10a,10b,10c…:交換帯域 20:混合物供給部 30:抽剤ガス供給部 40:抽出相採取部 40a:メイン抽出相採取部 40b:サイドカット用抽出相採取部 50:溶質成分抽出部 60:抽残成分採取部 60a:メイン抽残成分採取部 60b:サイドカット用抽残成分採取部 70:抽残成分抽出部 80:加熱装置 81:温度測定部 82:ヒータ制御部 83:コンピュータによる温度制御部
成概念説明図、第2図は同装置の他実施例における構成
概念説明図、第3図は加熱装置の一実施例の構成を示す
説明図、第4図は抽出塔内の温度分布制御例を示すグラ
フ、第5図はDHA-EPA−抽剤ガス(高圧炭酸ガス)の相
平衡図であり、第6図は実験1による抽出塔内濃度勾配
を示すグラフ、第7図は実験2の成分濃縮分別結果を示
すグラフ、第8図〜第10図は実験4〜実験6の成分濃縮
分別結果を示すグラフ、第11図〜第13図は従来の超臨界
ガス抽出装置を示す構成説明図であり、第14図〜第16図
は所定圧力下における気液相平衡関係を示すデータであ
る。 [主な符号の説明] 10:抽出塔 10a,10b,10c…:交換帯域 20:混合物供給部 30:抽剤ガス供給部 40:抽出相採取部 40a:メイン抽出相採取部 40b:サイドカット用抽出相採取部 50:溶質成分抽出部 60:抽残成分採取部 60a:メイン抽残成分採取部 60b:サイドカット用抽残成分採取部 70:抽残成分抽出部 80:加熱装置 81:温度測定部 82:ヒータ制御部 83:コンピュータによる温度制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11C 1/08 C11C 1/08 (56)参考文献 特公 昭35−15770(JP,B1) ペトロテック第10巻第10号(1987)第 924(40)〜930(44)頁,斎藤正三郎 「新しい分離技術超臨界流体溶媒の応用 技術の展開」特に第927頁、3.2蒸留 操作への応用参照
Claims (3)
- 【請求項1】加熱装置を備えた高低差のある抽出塔と、
当該抽出塔内へ混合物を供給し得る混合物供給部と、当
該抽出塔へ超臨界ガスあるいは高圧液化ガス(以下、抽
剤ガスと称す。)を供給し得る抽剤ガス供給部と、抽出
塔内で供給された混合物と抽剤ガスが接触して溶解度差
によって抽出相と還流する抽残成分相とに分離して得ら
れる抽出相を抽出塔の外に取り出す抽出相採取部と、抽
出塔内で分離して得られる抽残成分相を抽出塔の外に取
り出す抽残成分相採取部と、採取された抽出相から温度
と圧力を操作因子として抽剤ガスを除去し収容連行され
た溶質成分を分離抽出する溶質成分抽出部と、採取され
た抽残成分相から温度と圧力を操作因子として抽剤ガス
を除去して抽残成分を分離抽出する抽残成分抽出部とか
らなる組成成分濃縮分別装置において、抽出相採取部と
抽残成分相採取部とを抽出塔の多段交換帯域毎に設ける
とともに、当該各段の抽出相採取部には溶質成分抽出部
を設け、各段の抽残成分相採取部には抽残成分抽出部を
設けるようになし、任意の段の交換帯域からその段の抽
出相あるいは抽残成分相を取り出し、その取り出した各
相からその段における溶質成分あるいは抽残成分を抽出
できるようにしたことを特徴とする超臨界ガスあるいは
高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分別装置。 - 【請求項2】第1請求項に記載された超臨界ガスあるい
は高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分別装置
において、加熱装置は抽出塔の内外適所に設けた温度測
定部と、ヒータ制御部と、コンピュータによる温度制御
部とから構成し、当該コンピュータによる温度制御部
を、前記温度測定部で得た温度データの記憶手段と、各
段交換帯域毎に任意に温度条件を設定できる温度設定手
段と、温度測定部で得た温度データと設定された温度条
件とを比較して設定された温度条件に適合するように調
節するための熱交換量を演算する演算手段と、演算され
た熱交換量を賦与するためにヒータ制御部の作動を制御
する制御手段とからなるようにし、前記加熱装置の作動
により抽出塔内の温度を各段の交換帯域毎に任意に設定
した温度条件に可及的に沿った温度勾配となるようにし
たことを特徴とする超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを
用いた混合物の組成成分濃縮分別装置。 - 【請求項3】第1請求項、第2請求項に記載された超臨
界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分
濃縮分別装置を用意し、他方、混合物や混合物から分離
せんとする所望の目的成分と抽剤ガスと抽出塔の圧力条
件とを特定したうえで、各段の交換帯域毎の最適温度条
件を系の相平衡に基いて算出するかあるいは実測によっ
て特定しておき、 運転時、前記抽出塔内が各段の交換帯域毎の最適温度条
件に可及的に沿った温度勾配となるように調整し、 上記のように可及的に好ましく調整された圧力条件およ
び温度条件下で混合物を抽剤ガスに接触させ、多段階に
成分を分離あるいは還流して、所望の目的成分を濃縮分
別するようにしたことを特徴とする超臨界ガスあるいは
高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分別法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63078674A JP2609898B2 (ja) | 1988-03-31 | 1988-03-31 | 超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分別装置とその組成成分濃縮分別法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63078674A JP2609898B2 (ja) | 1988-03-31 | 1988-03-31 | 超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分別装置とその組成成分濃縮分別法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01249102A JPH01249102A (ja) | 1989-10-04 |
JP2609898B2 true JP2609898B2 (ja) | 1997-05-14 |
Family
ID=13668415
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63078674A Expired - Lifetime JP2609898B2 (ja) | 1988-03-31 | 1988-03-31 | 超臨界ガスあるいは高圧液化ガスを用いた混合物の組成成分濃縮分別装置とその組成成分濃縮分別法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2609898B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117438123B (zh) * | 2023-12-22 | 2024-05-07 | 中国核电工程有限公司 | 确定萃取柱中铀萃取区的方法、装置、控制其位置的方法 |
-
1988
- 1988-03-31 JP JP63078674A patent/JP2609898B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
ペトロテック第10巻第10号(1987)第924(40)〜930(44)頁,斎藤正三郎「新しい分離技術超臨界流体溶媒の応用技術の展開」特に第927頁、3.2蒸留操作への応用参照 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01249102A (ja) | 1989-10-04 |
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