JP2608509B2 - 移動体の障害物回避方法 - Google Patents

移動体の障害物回避方法

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JP2608509B2
JP2608509B2 JP4189968A JP18996892A JP2608509B2 JP 2608509 B2 JP2608509 B2 JP 2608509B2 JP 4189968 A JP4189968 A JP 4189968A JP 18996892 A JP18996892 A JP 18996892A JP 2608509 B2 JP2608509 B2 JP 2608509B2
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turning
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一弘 柴谷
健之 鈴木
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  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自律進行する移動体に
その進行方向に存在する障害物を回避させる方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】本体の左右に夫々独立して駆動可能な駆
動輪を配置し、夫々の駆動輪の回転速度を同一に、ある
いは異なるように制御して走行速度と操向(ステアリン
グ)とを制御する例えば作業用ロボット,資材等の搬送
車等の移動体が既に実用化されている。このような移動
体の走行制御においては、予め定められた移動経路上に
障害物が存在する場合に、その障害物との衝突を防ぐ方
法が従来から考えられている。
【0003】障害物との衝突を防ぐ従来方法としては、
移動体の進行方向側に備えた超音波センサ又は赤外線セ
ンサ等の障害物検出器にて移動経路近傍に存在する障害
物を検出し、障害物を検出した場合にその障害物と所定
距離をおいて移動体を停止させる方法があった。ところ
が、この方法では、移動体を停止させた後の回避方法が
考えられておらず、障害物を回避して走行することがで
きないという問題があった。この問題を解決する方法と
しては、移動体の進行方向側に備えたカメラ等の視覚セ
ンサにて移動体の進行方向を撮像し、その撮像した画像
情報を画像処理して障害物を検出し、検出した障害物を
画像情報に基づいて回避する走行を行わせる方法があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如く画像情報に基づいて障害物を回避する従来の方法で
は、画像処理速度が遅いため、障害物に対する回避走行
が遅れる虞があるという問題があり、また、視覚センサ
及びそのコントローラに関連する機器の容積が大であ
り、これらの機器の搭載場所が移動体において大きいス
ペースを占めるため、移動体における機器及び空間のレ
イアウトの自由度を低下させるという問題があった。
【0005】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、障害物の回避に関する制御が高速で実行可能に
すると共に移動体における障害物の回避制御に関する機
器の小型化により移動体における機器及び空間のレイア
ウトの自由度を大きくすることを可能とする移動体の障
害物回避方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る移動体の障
害物回避方法は、到達目標点へ向けて自律進行する移動
体からその進行方向の障害物を検出し、その検出結果に
基づいて、前記移動体にその障害物を回避させる移動体
の障害物回避方法において、前記移動体の幅方向に列設
された複数の距離検出手段によって夫々の距離検出手段
から前記障害物までの距離を検出し、前記障害物を検出
した距離検出手段の夫々の前記幅方向の位置及びその検
出した距離に関連して、前記移動体が前記障害物に向か
って右側又は左側へ旋回するための旋回方向及び旋回半
径を求め、求めた旋回方向及び旋回半径にて前記移動体
を旋回動作させ、その旋回動作中に前記障害物が検出さ
れなくなった場合も、前記移動体が前記障害物の横に到
達するまで前記旋回動作を続行させることを特徴とす
る。
【0007】
【作用】障害物を検出した距離検出手段の夫々の移動体
における幅方向の位置及びその検出した障害物までの距
離がわかると、その情報に関連して、移動体が障害物を
回避するために、障害物に向かって右側又は左側へ旋回
するための最適な旋回方向及び旋回半径を幾何学的に求
めることができる。求めた旋回方向及び旋回半径にて前
記移動体を旋回動作させると、移動体が障害物を回避で
きることになるが、その旋回動作中に、それまでに検出
されていた障害物が検出されなくなった場合も、移動体
が障害物に対して所定の位置関係、例えば、急に移動体
の進行方向が変わっても移動体が障害物の横に到達する
まで前記旋回動作を続行させることにより、障害物回避
の旋回動作が終了した後、即時に所定制御方法による到
達目標点へ向けての自律進行を開始しても、移動体は回
避した障害物に衝突しない。
【0008】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て具体的に説明する。図1は本発明に係る移動体の障害
物回避方法の実施に適用する移動体の模式的平面図であ
る。
【0009】図中1は移動体であり、該移動体1には、
左右一対の駆動輪である右駆動輪1R と左駆動輪1L と
が設けられている。右駆動輪1R と左駆動輪1L とは、
夫々の駆動輪の回転速度を同一に、あるいは異なるよう
に制御することにより、移動体1の走行速度と操向(ス
テアリング)とを制御するようになっている。
【0010】また、移動体1の前面部(進行方向面)に
は、障害物2までの距離を検出することができる複数の
超音波センサ11,11,…が横方向に並設されている。この
超音波センサ11,11,…の夫々は、図中破線矢符にて示さ
れる如く移動体1の進行方向に超音波を発振し、そのエ
コーの受信結果に基づいて移動体1から障害物2までの
距離を検出するようになっている。
【0011】このような構成の移動体1は、特願平4-34
318 号に開示した如き移動体の無経路誘導方法に基づい
て自律移動するようになっており、その移動経路上に障
害物2が存在する場合には、以下に示すような方法によ
り障害物2を回避する走行を行う。
【0012】図2は障害物の回避方法の基本原理を示す
模式図である。障害物の回避は、超音波センサ11,11,…
の何れかが障害物2を検出した場合に、障害物2と、移
動体1の前側の角部とを通る円弧に沿って移動体1を旋
回させることにより行う。具体的には、図2に示される
如く、移動体1から距離Si の位置にある障害物2を回
避する場合に、障害物2と、移動体1の前側の右角部と
を通る円弧aに沿って移動体1を左旋回(旋回半径rpi
による左旋回)させるか、又は障害物2と、移動体1の
前側の左角部とを通る円弧bに沿って移動体1を右旋回
(旋回半径rniによる左旋回)させるかの何れかの回避
方法が考えられるが、この場合は、旋回移動が容易に実
行できるように旋回半径が大きい方を選ぶ。以上の原理
は、小さい障害物2が一つ存在する場合に適用するもの
である。
【0013】ここで、障害物回避のための旋回半径
pi,rniを求める方法について説明する。図3は障害
物回避のための旋回半径rpi,rniを求める方法を説明
するための模式図である。図中において、xi は移動体
1の幅方向の中間点から障害物2を検出した超音波セン
サ11までの長さ、L/2は移動体1の全長Lの1/2の
長さ、B/2は移動体1の全幅Bの1/2の長さ、Fは
旋回中心を夫々表している。移動体1から距離Si の位
置に障害物2がある場合の障害物2と移動体1との位置
関係は、図3に示される如くなっているので、障害物2
と、移動体1の前側の右角部とを通る円弧の中心点を旋
回中心Fとする障害物回避のための左旋回の旋回半径r
piは下記(1) 式の如く幾何学的に求められ、また、これ
と同様に、障害物回避のための右旋回の旋回半径rni
下記(2) 式の如く幾何学的に求められる。
【0014】
【数1】
【0015】
【数2】
【0016】しかし、前記(1),(2) 式の如く求められる
旋回半径rpi,rniを用いて実際に障害物回避の旋回を
行うと、旋回時の移動体1と障害物2との間隔に余裕が
ないため、移動体1の角部と障害物2とが接触する虞が
ある。このため、旋回時の移動体1と障害物2との間隔
に余裕を有せしめるために、実際には、前記(1),(2)式
に、障害物2と移動体1の端点との最短距離Cを考慮し
た下記(3),(4) 式を用いて障害物回避のための旋回半径
pi,rniを求める。
【0017】
【数3】
【0018】
【数4】
【0019】また、障害物2が大きい場合及び障害物2
が複数存在する場合は、複数の超音波センサ11,11,…が
同時に障害物2を検出する。この場合は、まず、全ての
超音波センサ11,11,…が検出した距離Si (i=1,2,…n)
について、前述した如き回避のための左旋回半径rpi(i
=1,2,…n)と右旋回半径rni(i=1,2,…n)とを求める。
そして、求めた左旋回半径rpiのなかで最小の左旋回半
径rpi (min)と、求めた右旋回半径rniのなかで最小の
右旋回半rni(min) とを選び、この最小の左旋回半径r
pi (min)と最小の右旋回半rni(min) との大きい方を選
び、その旋回半径での旋回動作を行う。
【0020】前述の如き障害物の回避のための旋回動作
を行うと、旋回動作が進むに従って移動体1の進行方向
面が障害物2から外れていくので、超音波センサ11,11,
…が障害物2を検出しなくなる。このように障害物の回
避のための旋回動作によって障害物2が検出されなくな
った場合は、移動体1が障害物2の横に到達するまで、
超音波センサ11,11,…が最後に検出した障害物2までの
距離に基づいて得られる旋回半径にて移動体1を旋回さ
せる。
【0021】図4は障害物の回避のための旋回動作によ
って障害物2が検出されなくなった場合の移動体1の走
行制御方法を示す模式図であり、移動体1が目標点Pへ
向けての走行中に障害物2を検出し、その障害物2を回
避するための右旋回を行い、超音波センサ11,11,…が最
後に障害物2を検出した状態を示している。図中の太矢
印はその目標点P上における目標方位を表しており、ま
た、図中のx軸及びy軸は絶対座標系のx軸,y軸を表
している。
【0022】このように、障害物2の回避のための旋回
動作によって障害物2が検出されなくなった場合は、移
動体1の現在位置P0 が下記(5) 式の条件を満たすまで
(障害物2の横側に到達するまで)、超音波センサ11,1
1,…が最後に障害物2を検出した距離Si LASTに基づい
て得られる障害物の回避のための旋回半径rLASTで旋回
させる。これは、移動体1が障害物2の回避のための旋
回動作を行って、障害物2が検出されなくなった場合
に、即時に前記旋回動作を中止して予め定められた目標
方位に走行する通常の走行制御に復帰すると、急激に移
動体1の進行方向が変わる場合があり、移動体1の走行
状態によっては移動体1が障害物2に衝突する虞がある
ので、このような衝突を防ぐために行う。
【0023】
【数5】
【0024】次に、前述の如き原理を用いて、例えばマ
イクロコンピュータ等の制御手段にて障害物回避制御を
行う方法について説明する。図5は障害物回避制御方法
の手順を表すフローチャートである。
【0025】まず、超音波センサ11,11,…によって障害
物2が検出されたか否かを判別する(ステップS1) 。ス
テップS1において、障害物2が検出されたと判別された
場合は、障害物が検出されている状態を表すフラグを”
1”にセットする(ステップS2) 。
【0026】そして、超音波センサ11,11,…のエコーの
受信結果に基づいて移動体1から障害物2までの距離S
i を検出し(ステップS3) 、検出した距離Si と、その
距離Si を検出した超音波センサ11の位置とに関連し
て、前記(3),(4) 式を用いて超音波センサ11,11,…毎に
障害物回避のための左旋回の旋回半径rpi及び右旋回の
旋回半径rniを算出する(ステップS4) 。そして、求め
た全ての右旋回の旋回半径rpiのうちの最小のものと、
求めた全ての左旋回の旋回半径rniのうちの最小のもの
とを選択し、選択された旋回半径rpi,rniのうちの大
きい旋回半径を、障害物回避のための旋回半径として決
定し(ステップS5) 、決定した旋回半径を実現するよう
な右駆動輪1R 及び左駆動輪1L の夫々の回転速度指令
値を算出し(ステップS6) 、算出し回転速度指令値にて
右駆動輪1R 及び左駆動輪1L の駆動制御を行う(ステ
ップS14)。
【0027】また、前記ステップS1において、障害物2
が検出されていないと判別された場合は、前記フラグ
が”1”にセットされているか否かを判別する(ステッ
プS7)。ステップS7において、フラグが”1”にセット
されていると判別された場合は、超音波センサ11,11,…
が障害物2を検出しなくなった直後であるので、障害物
回避のための旋回動作を継続する必要があるため、前記
(5) 式の条件を満たしているか否かを判別する(ステッ
プS8) 。
【0028】ステップS8において、前記(5) 式の条件を
満たしていないと判別された場合は、前述した如く超音
波センサ11,11,…が最後に障害物2を検出した際の移動
体1から障害物2までの距離Si LASTに関連して得られ
る障害物の回避のための旋回半径rLASTを、移動体1の
旋回の半径として決定し(ステップS9) 、決定した旋回
半径を実現するような右駆動輪1R 及び左駆動輪1L の
夫々の回転速度指令値を算出し(ステップS6) 、算出し
た回転速度指令値にて右駆動輪1R 及び左駆動輪1L の
駆動制御を行う(ステップS14)。
【0029】また、前記ステップS7において、フラグ
が”1”にセットされていないと判別された場合は、通
常の走行制御である無経路誘導のアルゴリズム(特願平
4-34318 号に開示した移動体の無経路誘導方法)を実行
して(ステップS12)、その実行結果に基づいて右駆動輪
1R 及び左駆動輪1L の夫々の回転速度指令値を算出し
(ステップS13)、算出した回転速度指令値にて右駆動輪
1R 及び左駆動輪1L の駆動制御を行う(ステップS1
4)。また、前記ステップS8において、前記(5) 式の条件
を満たしていると判別された場合は、前記フラグを”
0”にリセットし(ステップS11)、前記ステップS12,S1
3,S14 を実行する。
【0030】以上説明した如き障害物の回避方法では、
超音波センサ11,11,…等の距離検出手段を用いて障害物
2を検出し、その検出結果に基づいて障害物の回避制御
を行うことができるので、その制御に関して従来の如き
画像処理方法よりも高速で制御を行うことが可能であ
り、また、障害物を検出するためのセンサ及びそのコン
トローラに関連する機器の容積が従来の画像処理方法よ
りも小さくなる。
【0031】なお、本実施例においては、障害物2の検
出器として超音波センサ11,11,…を用いたが、これに限
らず、障害物2までの距離を検出することが可能である
赤外線センサ等のその他のセンサを検出しても良い。
【0032】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る移動体の
障害物回避方法では、距離検出手段の検出結果に基づい
て障害物を回避させるため、障害物の回避に関する制御
が高速で実行可能になると共に移動体における障害物の
回避制御に関する機器の小型化により移動体における機
器及び空間のレイアウトの自由度を大きくすることが可
能になる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移動体の障害物回避方法の実施に
適用する移動体の模式的平面図である。
【図2】障害物の回避方法の基本原理を示す模式図であ
る。
【図3】障害物回避のための旋回半径を求める方法を説
明するための模式図である。
【図4】障害物の回避のための旋回動作によって障害物
が検出されなくなった場合の移動体の走行制御方法を示
す模式図である。
【図5】障害物回避制御方法の手順を表すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 移動体 2 障害物 11 超音波センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 到達目標点へ向けて自律進行する移動体
    からその進行方向の障害物を検出し、その検出結果に基
    づいて、前記移動体にその障害物を回避させる移動体の
    障害物回避方法において、 前記移動体の幅方向に列設された複数の距離検出手段に
    よって夫々の距離検出手段から前記障害物までの距離を
    検出し、 前記障害物を検出した距離検出手段の夫々の前記幅方向
    の位置及びその検出した距離に関連して、前記移動体が
    前記障害物に向かって右側又は左側へ旋回するための旋
    回方向及び旋回半径を求め、 求めた旋回方向及び旋回半径にて前記移動体を旋回動作
    させ、 その旋回動作中に前記障害物が検出されなくなった場合
    も、前記移動体が前記障害物の横に到達するまで前記旋
    回動作を続行させることを特徴とする移動体の障害物回
    避方法。
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