JP2607637B2 - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

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JP2607637B2 JP63224637A JP22463788A JP2607637B2 JP 2607637 B2 JP2607637 B2 JP 2607637B2 JP 63224637 A JP63224637 A JP 63224637A JP 22463788 A JP22463788 A JP 22463788A JP 2607637 B2 JP2607637 B2 JP 2607637B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は変速運転可能な電動圧縮機を備えた空気調和
装置に係り、特に電動圧縮機の不要な速度変動を抑制す
るのに好適な室温検出手段に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の装置は、特公昭61−8339号に記載のように計測
した室温が一定方向すなわち増加または減少方向へ変化
している場合には、電動機の回転速度を前記室温の変化
量に応じて一定量の増減制御を行わせ、室温の変化方向
が逆転した場合には電動機の回転速度の増減制御を行わ
せないようにしたものとなっていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、計測した室温値が短時間内に微少変
動した時に電動機の回転速度が不用意に変動するのを防
止するものであるが、室温を計測する間隔および室温を
検出するセンサーの感度によっては目的を達成するのが
困難であった。即ち、室温が微少変動する周期に対し
て、計測間隔が大巾に短いと、室温の微少変動に伴い電
動機の回転速度も変動し、一方室温が微少変動する周期
に対して、計測間隔が大巾に長いと、室温を一定に保つ
ためのきめ細かな電動機の回転速度制御が行われなくな
る。また室温検出センサーの感度が鋭敏であると気流の
僅かな変動に対し室温計測値が大巾に変動するため、こ
れを室温の微少変動と判断することができず電動機の回
転速度を変化させることになり、一方室温検出センサー
の感度が鈍感であると室温を一定に保つためのきめ細か
な電動機の回転速度制御が行われなくなる。但し従来技
術においても室温の計測間隔と室温検出センサーの感度
を最適な値に設定すれば目的を達成することは可能であ
ったが、センサーの感度はセンサー自体の構造およびセ
ンサーが取付けられる構造や位置により大きく影響を受
けるため、自由な値に設定するのは極めて困難であっ
た。
本発明の目的は、室温のきめ細かな制御を犠牲にする
ことなく、室温の微少変動に対し、電動機の回転速度を
安定的に保つことにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、所定間隔で複数回読み込んだ室温計測値
の平均値を以って電動機の回転速度を算出するための室
温値とし、前記平均値の計算は前記所定間隔毎に新たに
読み込んだ室温計測値を最も古いデータと入れ替えて実
行されるよう構成することにより達成される。
〔作 用〕
上記複数回読み込んだデータの数をm、m個の計測値
を夫々T1′〜Tm′、新たに読み込まれた計測値をT′
m+1、T1′〜Tm′の平均値をTj、T2′〜T′m+1の平均値
をTj+1とすると、Tj−Tj+1=(T1′−T′m+1)/mとな
り、電動機の回転速度変動要因であるTj−Tj+1の値は最
も古いデータT1′と新たに読み込まれたデータT′m+1
との差の1/mとなるため、仮に室温計測値が微少変動し
たとしても、電動機の回転速度が変動することはない。
またm個のデータは所定の読み込み間隔で1ケずつ常時
更新されているため、室温の大きな変動に対しては充分
追随することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図および第2図により
説明する。第1図において1は空気調和装置の運転・停
止および冷房、暖房などの運転モードを指定する操作入
力部、2は空調すべき室内の目標温度を設定する設定
部、3はサーミスタなどよりなる室温センサ、4は室温
値確定部6、ヒステリシス特性付加部7、温度偏差検出
部8、初期速度設定部9、運転・停止信号発生部10、温
度偏差上限検出部12および運転速度保持部13からなる論
理演算装置、14は電動機運転制御部、15は電動機であ
る。また第2図における室温値は第1図の室温値確定部
6またはヒステリシス特性付加部7において計算された
値であり、階段番号に対応してT1、T2……Tn-1、Tn
し、Ti-1がTiに変化したときの速度増分を△Nとする。
このような構成からなる本実施例の動作を次に詳述す
る。
まず操作入力部1により冷暖房などの運転モードと空
気調和装置の運転・停止指令が、設定部2により目標室
温が、室温センサ3によるアナログ信号をディジタル信
号に変換した出力がそれぞれ論理演算装置4に入力され
る。論理演算装置4はこれらの入力を基にして論理演算
を行い、得られた信号を電動機15の運転制御部14へ出力
するので、この信号にしたがって運転制御部14は電動機
15の運転制御を行う。
上記演算装置4を構成する各部の作用を下記に述べ
る。
室温値確定部6は本発明による部分である。この部分
の動作を第3図により説明する。第3図は室温確定部6
の動作をPADで表現したものである。先ず、100mS毎に室
温センサ3の温度を読み込み、今回読み込んだ値と前回
読み込んだ値との一致を確認し、一致したときは有効な
読込値として室温計測値(T′)へデータを転送し、一
致しなかったときは今回読み込んだ値を前回値として保
存する。こうすることにより100mS間隔で読み込まれる
値の前後2回の値が一致したときのみ有効な読込値とし
て採用されるため、雑音等により誤った値を読み込んで
も無視することができる。
次に2秒間隔で前記室温計測値(T′)をバッファへ
転送するのであるが、ここで第4図によりバッファの構
成を示す。第4図に示す如くバッファには16個のデータ
格納部があり、アドレス値としてADR0からADR15を持っ
ている。
説明を第3図に戻して、2秒経過した時点でADR0+カ
ウンタ値によりバッファの最も古いデータが格納されて
いるアドレス値を求め、そこへ前記室温計測値(T′)
を転送する。この結果、最も古いデータが最新のデータ
に置き換えられる。
次に次回のデータ転送に備えカウンタに1を加え、も
しカウンタ値が16になったら0に戻す。こうすることに
よりADR0+カウンタ値が常にバッファの最も古いデータ
を格納しているアドレスを示すことになる。
次にバッファ内に格納されている16個のデータの平均
値を計算し、該平均値を室温値(T)に転送する。この
ように室温値(T)の値は2秒間隔で読み込んだ16個の
計測値の平均値であるため室温の微少変動による影響は
極めて軽微となる。
第1図のヒステリシス特性付加部7は、第2図におけ
る室温が電動機回転数変化巾の最小単位である△Nだけ
電動機回転速度を変化させるしきい値付近にあって、室
温値の僅かな変化でしきい値を上下するような状態にあ
るときでも、不必要な回転数制御を行なわないようにす
るものである。これによって、実際の室温の変動及び回
転数の変化する際に騒音が発生し、快適性が損なわれて
いた上記しきい値を上下するような状態にあるときに
も、不必要な回転数制御を行なわないようにして、快適
性を損なわない安定した回転速度を確保するために設け
られた部分で、前記した従来技術である特公昭61−8339
号における第2図の温度偏差変化検出器8に相当する動
作を行うものである。以下ヒステリシス特性付加部7の
動作を第5図により説明する。
第5図は第1図におけるヒステリシス特性付加部7の
動作をPADで表わしたもので、先ず前記室温値確定部6
で今回確定した室温値(T)と前回確定した室温値(T
OLD)を比較し、今回値の方が大きいときはT−1の値
を補正室温値(TF)とし、今回値の方が小さいときはT
をそのままTFとする。上記T−1の1は、0.5℃〜1.0℃
を所定値とするのが快適性の上から妥当な値である。ま
た、今回値と前回値が等しいときはTFを変更しない。最
後に今回室温値Tを前回室温値TOLDとして保存する。こ
の動作による一つのモデルを第6図により説明する。
第6図は室温値(T)の動きにつれて補正室温値
(TF)がどのように動くかをグラフで示したものであ
る。第6図において20は室温値(T)、21は補正室温値
(TF)を示す。第6図において、室温値(T)が上昇過
程にあるときには補正室温値(TF)はT−1を示し、室
温値(T)が下降過程にあるときには補正室温値(TF
はTと等しい値を示している。またTが変化しなければ
TFも変化していない。この結果第6図から明らかなよう
にTが温度変化の最小変化巾(例えば0.5℃〜1.0℃)で
上下しても、TFは不変となっている。電動機15の回転速
度に直接影響を与える室温データとしては、後述する如
くこの補正室温値が使用されるため、第1図の室温値確
定部6およびヒステリシス特性付加部7の働きにより、
室温の微少変動によるしきい値の上下動するような状態
にあるときでも極めて安定し、且つ実際の室温変化への
追従性にも優れた室温検出が可能となり、不必要な回転
数制御を行なわないようにして、快適性を損なわない安
定した電動機回転速度を確保することができる。
第1図に戻って、温度偏差検出部8は、設定部2の設
定値と前記補正室温値(TF)とを比較し、温度偏差△Ti
として保持する。
初期速度発生部9は、操作入力部1の操作信号が停止
側より運転側に変化した後、電動機15の運転・停止信号
発生部10が最初に電動機の運転信号を発生したときに動
作し、前記温度偏差△Tiの値に関係なく予め定めた電動
機15の回転速度を運転速度保持部13に設定する。
電動機の運転・停止信号発生部10は、操作入力部1の
操作信号が運転側にあるときには、前記△Tiが予め定め
た一定値以上であれば、電動機15の運転信号を発生し、
一定値以下であれば、電動機15の停止信号を発生する。
温度偏差上限検出部12は、運転・停止信号発生部10の
出力信号が運転側である場合、温度偏差検出部8の出力
信号△Tiが一定の上限値△TMAX(=TMAX−TR)(第2図
参照)以上であるとき、冷房または暖房運転モードに応
じて定められた電動機の最大速度NMAXを運転速度保持部
13に設定する。
運転速度保持部13は、一定時間間隔毎に、または電動
運転制御部14の要求に同期して保持している運転速度信
号を電動機運転制御部14へ送る。その結果電動機運転制
御部14は、運転・停止信号発生部10の発生する運転信号
により電動機15を起動し、停止信号により電動機15を停
止するように動作させると共に、電動機15の運転中は運
転速度保持部13に格納された運転速度に一致するように
電動機15を制御する。
〔発明の効果〕
本発明によれば、室温計測値を複数蓄え、それらの平
均値をもって室温値とする室温値確定手段と、この確定
した室温値の今回値と前回値とを比較して補正室温値を
求めるヒステリシス特性付加部とを有するため、室温の
微小変動によるしきい値の上下動するような状態にある
ときでも不必要な回転数制御を行なわないようにして、
快適性を損なわない安定した電動機回転速度を確保する
ことができる。これによって、室温の微少変動の影響を
排除し、且つ室温の大きな変化には良く追従できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の係わる空気調和装置の運転方法の実施
例を示すブロック図、第2図は電動機回転数と室温の関
係をグラフで示した図、第3図は本発明の動作をPADで
表わした図、第4図は計測した16個の室温データを格納
するバッファの構成図、第5図はヒステリシス特性付加
部の動作をPADで表わした図、第6図はヒステリシス特
性付加部の動作をモデル化した説明図である。 1……操作入力部、2……目標温度設定部、3……室温
センサ、4……論理演算装置、6……室温値確定部、7
……ヒステリシス特性付加部、8……温度偏差検出部、
9……初期速度設定部、10……運転・停止信号発生部、
12……温度偏差上限検出部、13……運転速度保持部、14
……電動機運転制御部、15……電動機。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度偏差検出手段により空調すべき目標温
    度と実際の室温から求めた補正室温との差を温度偏差と
    して検出し、速度信号発生部において前記温度偏差に応
    じた速度信号を形成し、該速度信号によって空気調和装
    置の圧縮機駆動用の電動機の速度を制御し、室内の空調
    を行なうものにおいて、 上記実際の室温の検出手段として、所定間隔毎に室温デ
    ータを読み込み、読み込んだ新しいデータを最も古いデ
    ータと入れ替えるように複数個のデータを格納するデー
    タ格納部を有し、該データ格納部に格納された複数個の
    データを演算平均化して上記実際の室温として確定する
    手段で構成され、 上記実際の室温から求める補正室温の算出手段は、上記
    所定間隔毎に確定した実際の室温の今回値Tと前回値T
    OLDとを比較して、今回値Tの方が大きいときは、今回
    値Tから所定値減算した値の補正室温値TFとし、今回値
    Tの方が小さいときは、今回値Tをそのまま補正室温値
    TFとし、今回値Tと前回値TOLDが等しいときは、前回値
    TOLDを補正しない補正室温値TFとするヒステリシス特性
    付加部で構成されたことを特徴とする空気調和装置。
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