JP2606948Y2 - ブレーキブースタ用チルト弁 - Google Patents

ブレーキブースタ用チルト弁

Info

Publication number
JP2606948Y2
JP2606948Y2 JP1993069652U JP6965293U JP2606948Y2 JP 2606948 Y2 JP2606948 Y2 JP 2606948Y2 JP 1993069652 U JP1993069652 U JP 1993069652U JP 6965293 U JP6965293 U JP 6965293U JP 2606948 Y2 JP2606948 Y2 JP 2606948Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
peripheral surface
packing
hydraulic
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1993069652U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0737846U (ja
Inventor
康彦 川合
克寛 前田
信一 藤井
紀元 平林
祥久 坂木
仁 黒沢
繁 田中
康徳 中嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hino Motors Ltd filed Critical Hino Motors Ltd
Priority to JP1993069652U priority Critical patent/JP2606948Y2/ja
Publication of JPH0737846U publication Critical patent/JPH0737846U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2606948Y2 publication Critical patent/JP2606948Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案に係るブレーキブースタ
チルト弁は、例えば自動車用ブレーキ装置空気圧を
油圧に変換するブレーキブースタに組み込み、非制動時
にのみリザーブタンクと油圧シリンダとを連通させる役
目を果たす。
【0002】
【従来の技術】トラック等の大型自動車用の制動装置と
して、エアオーバハイドロリックブレーキと呼ばれる、
空気圧・油圧混合型のブレーキ装置が広く使用されてい
る。この空気圧・油圧混合型のブレーキ装置は、図2に
示す様に構成されている。尚、この図2で、二重線(内
部が白)で描いた配管は圧縮空気を通す配管を、太線
(内部が黒)で描いた配管はブレーキオイルを通す配管
を、それぞれ表している。
【0003】車両の走行用エンジン等により駆動される
コンプレッサ1から吐出された圧縮空気は、元給気管2
を通じてエアタンク3に送られ、このエアタンク3内に
溜められる。このエアタンク3内の圧縮空気は、パイロ
ット給気管4と主給気管5とを通じて、後述するブレー
キブースタ6の空気圧制御弁21に送り込まれる。この
うち、パイロット給気管4の途中には、ブレーキ弁8が
設けられている。このブレーキ弁8は、ブレーキペダル
9の踏み込みに基づき流路を開放し、上記空気圧制御弁
21に圧縮空気を、踏み込み強さに応じた圧力で供給す
る。
【0004】上記空気圧制御弁21は、上記パイロット
給気管4から送られてくる圧縮空気の圧力に応じて流路
を開放し、上記主給気管5から送り込まれる圧縮空気を
上記ブレーキブースタ6内に取り入れる。この様にして
ブレーキブースタ6内に取り入れられた圧縮空気によ
り、このブレーキブースタ6に内蔵された油圧シリンダ
部分で油圧が立ち上がる。そしてこの油圧が、油圧配管
10を通じて各車輪11、11に付設したホイルシリン
ダ内に導入される。ホイルシリンダに油圧が導入される
と、ブレーキシュー或はブレーキパッドのライニングが
ドラム内周面或はディスクロータ側面に押し付けられ
て、制動が行なわれる。
【0005】制動の繰り返しにより上記ライニングが摩
耗すると、非制動時に於けるこのライニングと上記ドラ
ム内周面或はディスクロータ側面との間隙が広がる。こ
の間隙が一定以上に広がると、自動間隙調整装置の作用
により非制動時に於ける上記ホイルシリンダのピストン
の突出量が増大し、上記間隙が狭められる。この様な間
隙調整が行なわれると、非制動時に上記ホイルシリンダ
内に存在するブレーキオイルの量が増大する為、リザー
ブタンク12から上記ブレーキブースタ6内にブレーキ
オイルを、リザーブホース13を通じて補給し、上記間
隙調整に伴う不足分を補償する。
【0006】上述の様に構成されるブレーキ装置に組み
込まれ、空気圧を油圧に変換するブレーキブースタ6は
従来から、図3に示す様に構成されている。鋼板等の金
属板を絞り成形する事で有底円筒状に形成された空気圧
シリンダ14内には、やはり鋼板等の金属板をプレス成
形して成る空気圧ピストン15を、軸方向(図3の左右
方向)に亙る変位自在に嵌装している。この空気圧ピス
トン15の外周部分には円筒部16を形成し、この円筒
部16の外周面に浅い凹溝17を、プレス加工或は切削
加工により形成している。そして、この凹溝17内にO
リング18とバックアップリング19とを装着してい
る。
【0007】上記円筒部16の端部には、直径方向外方
に折り曲げられた鍔部20を形成しており、上記バック
アップリング19は、この鍔部20と上記Oリング18
との間に設けている。又、上記Oリング18は上記空気
圧シリンダ14の内周面に摺接している。従って、この
空気圧シリンダ14内は上記空気圧ピストン15とOリ
ング18とにより、前記空気圧制御弁21に通じる圧力
導入室22と、大気に開放された大気圧室23とに分割
されている。
【0008】上記空気圧シリンダ14の開口端は、鉄、
アルミニウム等の金属を鋳造する等により造られた端板
24により塞いでいる。この端板24の中央部にはガイ
ド筒25を設けている。又、上記端板24の外面(図3
の右面)には油圧シリンダ26の基端部を結合固定し、
この油圧シリンダ26の基端(図3の左端)開口部を上
記ガイド筒25の外端(図3の右端)開口に整合させて
いる。
【0009】上記空気圧ピストン15の中心部には油圧
ピストン27の基端部(図3の左端部)を螺合固定して
いる。この油圧ピストン27は、円管状の本体28と、
この本体28の先端開口部に螺着してこの先端開口部を
油密且つ気密に塞いだプラグ29とから構成される。こ
のプラグ29の外端部(図3の右端部)に形成した鍔部
30の外径は、上記本体28の外径よりも大きい。従っ
てこの鍔部30の外周縁部は、上記本体28の外周面か
ら直径方向外方に突出している。又、このプラグ29の
内端部には、合成樹脂等により円管状に造られたスリー
ブ31を結合している。このスリーブ31の内周面に
は、軸方向(図3の左右方向)に亙る凹溝32、32を
形成している。
【0010】又、上記ガイド筒25の内周面に形成した
係止溝内には、それぞれシールリング33、34を係止
している。各シールリング33、34の内周縁は上記本
体28の外周面に摺接し、上記油圧ピストン27の移動
に拘らず、上記油圧シリンダ26内の油圧を保持する。
従って、空気圧制御弁21を通じて前記圧力導入室22
内に圧縮空気を導入する事で、前記空気圧ピストン15
を圧縮ばね35の弾力に抗して大気圧室23側に押し、
上記油圧ピストン27を油圧シリンダ26内に押し込む
と、この油圧シリンダ26内で油圧が立ち上がる(油圧
が上昇する)。この様に油圧シリンダ26内で立ち上が
った油圧は、この油圧シリンダ26先端の吐出ポート3
6にその基端を接続した、前記油圧配管10(図2)を
通じて、ホイルシリンダに送られる。
【0011】上記油圧シリンダ26の基端部(図3の左
端部)上面には、この油圧シリンダ26内と前記リザー
ブタンク12(図2)の底部とを連通させる為のリザー
ブポート37が設けられている。そして、このリザーブ
ポート37内に、リザーブ弁であるチルト弁38を設け
ている。このチルト弁38は図4に詳示する様に、中間
部内周面に内向フランジ部39を有する弁筐40と、こ
の弁筐40の下半部内側に設置された弁体41とから構
成されている。そして、上記内向フランジ部39の下面
を、弁座としている。この弁座には、上記内向フランジ
部39の中央の流路75の下端開口を囲む、閉鎖環状の
突条74を形成している。
【0012】一方、上記弁体41は、金属製でその上端
部に大径の係止部42を形成した心棒43と、上記係止
部42の周囲に係止された、ゴム等の弾性材製のパッキ
ング44とを有する。このパッキング44の外周面及び
下面は、金属或は合成樹脂により断面L字形で全体を環
状に造られた、抑え環45により抑え付けられている。
又、この抑え環45の下面と、上記弁筐40の下端部内
周面に係止したストップリング46の上面との間には、
円錐コイルばね47を設けている。
【0013】従って、上記弁体41上端のパッキング4
4の上面は、外力が働かない限り、上記内向フランジ部
39下面の弁座に形成した突条74に、その全周に亙っ
て当接し、上記流路75の下端開口を塞いで、上記油圧
シリンダ26内外の油密保持を図る。尚、上記心棒43
の下端部は、前記プラグ29の鍔部30と衝合自在な位
置にまで突出している。又、上記弁筐40の上端部に
は、耐油性を有する合成樹脂を射出成形する等により、
或はアルミニウム合金等の金属をダイキャスト成形する
等により造られたコネクタ48の基端部(下端部)を、
油密に結合固定している。このコネクタ48の先端部
(上端部)には、前記リザーブホース13(図2)の下
端部を外嵌して結合する。
【0014】更に、前記空気圧制御弁21は、前記パイ
ロット給気管4(図2)を通じて送り込まれる空気圧に
応じた圧力の圧縮空気を、前記空気圧シリンダ14の圧
力導入室22内に送り込む、一種のリレーバルブとして
機能する。この空気圧制御弁21は、前記空気圧シリン
ダ14の底部外面に連結固定されるシリンダケース49
を有する。このシリンダケース49の中間部片側面(図
3の右側面)に形成した給気ポート50は、上記空気圧
シリンダ14の底部に形成した通孔51を通じて、上記
圧力導入室22に連通している。
【0015】又、上記シリンダケース49の上部に設け
たシリンダ部52内にはパイロットピストン53を、気
密に、且つ軸方向(図3の上下方向)に亙る変位自在に
嵌装している。上記シリンダケース49の上端部には、
上記シリンダ部52の上端開口部を塞ぐ端板54を設
け、この端板54の中央部にパイロットポート55を設
けている。このパイロットポート55には、前記パイロ
ット給気管4(図2)の下流端が接続される。又、上記
シリンダケース49の他側面(図3の左側面)には導入
ポート56を設けている。この導入ポート56には、前
記主給気管5(図2)の下流端が接続される。
【0016】上記シリンダケース49の内側には隔壁5
7を、上記給気ポート50と導入ポート56とを仕切る
状態で設けている。そして、この隔壁57の上面と上記
パイロットピストン53の下面との間には圧縮ばね58
を設けている。又、上記隔壁57の中央部に形成した円
筒部59の内側には弁筐60を内嵌固定している。この
弁筐60は、それぞれが円筒状に形成された上半部61
と下半部62とを、上下方向に互いに直列に結合して成
る。
【0017】このうちの上半部61の内側は、通孔63
を通じて上記導入ポート56に連通している。又、上記
上半部61の上端部には、内向フランジ状の弁座64を
形成している。この弁座64の下方には、円管状に形成
されたパイロット弁体65を設けている。そして、この
パイロット弁体65の上端部に支持したパッキング66
の上面と、上記弁座64の下面とが対向している。又、
このパイロット弁体65と上記下半部62の上端面との
間には圧縮ばね67を設けている。一方、前記パイロッ
トピストン53の中央部下面には押圧部68を設け、こ
の押圧部68の下端縁と上記パッキング66の上面内周
寄り部分とを対向させている。この押圧部68の外径
は、上記弁座64の内径よりも小さい。
【0018】更に、上記シリンダケース49の下部片側
面には排気ポート69を設け、この排気ポート69の一
端(図3の左端)を、上記下半部62の側面に形成した
通孔76と逆止弁70とを介して大気に連通させてい
る。又、この排気ポート69の他端は、排気管71内に
通じさせている。この排気管71は、上記シリンダケー
ス49と前記空気圧シリンダ14の底部との結合部にそ
の基端部を支持固定し、この空気圧シリンダ14の中心
部に配設されている。この排気管71の先端部は、前記
スリーブ31の内側に挿入している。
【0019】従って、上記空気圧シリンダ14の大気圧
室23と上記排気ポート69とは、前記油圧ピストン2
7を構成する本体28の基端部に形成した通孔72、7
2、この本体28の内部空間、上記スリーブ31内周面
の凹溝32、32、及び排気管71を通じて互いに連通
している。
【0020】上述の様に構成されるブレーキブースタ6
は、次の様に作用して、ブレーキペダル9(図2)の踏
み込み強さに応じた油圧を吐出する。制動時に運転者が
ブレーキペダル9を踏むと、ブレーキ弁8からは踏み込
み強さに応じた圧力の圧縮空気が吐出される。この圧縮
空気は、パイロット給気管4(図2)からパイロットポ
ート55を通じて空気圧制御弁21のシリンダ部52内
に送り込まれ、圧縮ばね58の弾力に抗して、パイロッ
トピストン53を下方に押圧する。
【0021】この結果、パイロットピストン53の下面
中央部に設けた押圧部68の下端縁がパイロット弁体6
5のパッキング66の上面に当接して、このパイロット
弁体65の上端開口部を塞ぐ。上記パイロットピストン
53が更に下方に変位すると、上記押圧部68が上記パ
イロット弁体65を下方に押圧し、パッキング66と弁
座64とを離隔させる。この結果、主給気管5(図2)
から導入ポート56部分に達していた圧縮空気が、通孔
63、弁座64の内周縁と上記押圧部68の外周面との
間の隙間、給気ポート50、通孔51を通じて、空気圧
シリンダ14の圧力導入室22内に送り込まれる。この
様にして上記主給気管5から圧力導入室22内に送り込
まれる圧縮空気の量は、上記パイロット給気管4からシ
リンダ部52内に送り込まれる圧縮空気の量よりも遥か
に多い。
【0022】この様にして圧力導入室22内に送り込ま
れた圧縮空気は、上記空気圧シリンダ14に嵌装した空
気圧ピストン15を、圧縮ばね35の弾力に抗して押圧
し、油圧ピストン27の先端部を油圧シリンダ26内に
押し込む。この結果、この油圧シリンダ26内で油圧が
立ち上がる。この油圧は、吐出ポート36から油圧配管
10(図2)を介して各車輪11、11(図2)のホイ
ルシリンダ内に送り込まれ、制動が行なわれる。尚、空
気圧ピストン15の移動に伴い、前記大気圧室23内に
存在する空気は、前記通孔72、72、本体28の内部
空間、上記スリーブ31内周面の凹溝32、32、排気
管71を通じて排気ポート69に送られ、更に逆止弁7
0を構成するゴム製の弁片を押し開いて、大気中に排出
される。
【0023】一方、上記パッキング66と弁座64とが
離隔する結果、上記パイロットピストン53の下側にも
空気圧が加わる。この空気圧は、圧縮ばね58と共にこ
のパイロットピストン53を上方に押圧し、パイロット
ポート55からパイロットピストン53の上側に導入さ
れた空気圧に抗して、上記パッキング66と弁座64と
を当接させようとする。従って、上記圧力導入室22内
に導入される空気圧は、上記パイロットポート55から
送り込まれる空気圧に対応して上昇し、更に上記吐出ポ
ート36から吐出される油圧も、上記パイロットポート
55から送り込まれる空気圧に対応して上昇する。
【0024】制動を解除すべく、ブレーキペダル9に加
えていた踏み込み力を解除すると、パイロット給気管4
の下流側部分が、ブレーキ弁8(図2)を通じて大気に
開放される。この結果として、上記パイロットポート5
5部分の空気圧が解消すると、上記パイロットピストン
53が圧縮ばね58の弾力により上昇し、更にパイロッ
ト弁体65が圧縮ばね67の弾力により上昇して、パッ
キング66と弁座64とが当接する。又、上記押圧部6
8の下端縁が上記パッキング66の上面から離隔して、
上記パイロット弁体65の上端開口部を開放する。
【0025】この結果、上記圧力導入室22内の圧縮空
気が、通孔51、給気ポート50、パイロット弁体65
の内側を通じて弁筐60の下半部62に流入する。そし
て、この様にして下半部62内に流入した圧縮空気の一
部は、排気ポート69から排気管71、凹溝32、3
2、本体28の内側、通孔72、72を通じて大気圧室
23内に送られ、この大気圧室23の体積増加分を補償
する。又、上記パイロット弁体65の内側を通過した圧
縮空気の残部は、前記逆止弁70を構成するゴム製の弁
片を押し開いて、大気中に排出される。
【0026】この結果、空気圧シリンダ14内の空気圧
ピストン15が、圧縮ばね35の弾力に基づいて上記空
気圧シリンダ14の底部にまで戻り切り、油圧シリンダ
26内への油圧ピストン27の突出量が最小となる。そ
して、この状態で前記プラグ29の鍔部30の上端縁部
が、前記チルト弁38の弁体41の心棒43の下端部と
衝合する。この結果上記弁体41が、円錐コイルばね4
7の弾力に抗して図3、4に示す様に揺動し、この弁体
41の上端部に支持されたパッキング44の上面と内向
フランジ部39下面の弁座部分に形成した突条74とを
離隔させる。
【0027】この様にパッキング44の上面と突条74
とが離隔し、流路75の下端開口が開放されると、前記
リザーブタンク12の底部と油圧シリンダ26内とが、
リザーブホース13及びコネクタ48を介して互いに連
通する。この為、前述した様なライニングの摩耗に伴っ
て非制動時にホイルシリンダ内に留まるブレーキオイル
が増大し、上記油圧シリンダ26内のブレーキオイルが
不足する傾向となった場合に、上記リザーブタンク12
内のブレーキオイルが上記油圧シリンダ26内に補給さ
れる。尚、油圧シリンダ26の先端部(図3の右端部)
上面に設けたブリーダ73は、ブレーキオイル中に混入
した気泡を抜く場合に利用する。
【0028】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
構成され、リザーブ弁としてブレーキブースタに組み込
まれて上述のように作用する従来のチルト弁38には、
次に述べる様な解決すべき点があった。即ち、制動解除
時に、未だ油圧シリンダ26内に油圧が残っている状態
で、油圧ピストン27の先端部に固定されたプラグ29
の鍔部30が弁体41の心棒43と係合し、この心棒4
3を円錐コイルばね47の弾力に抗して、変位させよう
とすると、この心棒43と共に弁体41を構成するパッ
キング44の上面と弁座とが、図5に示す様に当接した
状態から、図4に示す様に開こうとする。この際、油圧
シリンダ26内に残留している油圧は、上記弁体41の
下面に加わる。
【0029】一方、上記従来のブレーキブースタ用チル
弁38の弁体41の場合は、上記パッキング44の外
周面及び下面を抑える抑え環45の内周縁と上記心棒4
3の外周面との間には隙間78が存在している。この
為、この隙間78を通じて上記抑え環45の内側に油圧
が作用し、この油圧が上記パッキング44を上方に押圧
する傾向となる。この結果、油圧シリンダ26内に油圧
が残っている状態のまま、上記心棒43の下端部を変位
させると、このパッキング44が弁座に押し付けられた
状態のまま、上記心棒43のみが変位する傾向となる。
この為、パッキング44の内周面と心棒43の外周面と
の間の隙間が大きくなると共に、この隙間に入り込んだ
油圧がパッキング44を不均一に変形させ、このパッキ
ング44が破損する原因ともなる。本考案のチルト弁
は、この様な事情に鑑みて考案したものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】本考案のブレーキブース
タ用チルト(38a)は、流路(75)を開設した内
向フランジ部(39)を筒状の弁筺(40)の内周面に
形成し、上記内向フランジ部(39)の油圧シリンダ側
の面に上記流路(75)を囲んで弁座である突条(7
4)を形成し、弁筺(40)の内周面に基端を係止した
円錐コイルばね(47)の先端に押されて上記突条(7
4)に弾接させられる弁体(41a)を弁筺(40)内
に設けている。
【0031】特に弁体(41a)は、心棒(43)にフ
ランジ状の係止部(42)を形成し、断面コ字形で一方
の側面を上記突条(74)に当接自在とした弾性材製の
環状のパッキング(44)を上記係止部(42)を包ん
で弁体(41a)に取付け、このパッキング(44)の
外周面を覆う断面L形で環状の抑え環(45a)と、心
棒(43)の上記油圧シリンダに近い外周面及び端面を
覆う覆い部(77)とを連続させて硬質材により形成し
たブレーキブースタ用チルト弁を得て上記課題を解決し
たものである。
【0032】
【作用】上述の様に構成される本考案のチルト弁の弁体
にあっては、抑え環の内側に油圧が入り込む事がなくな
って、この抑え環の内側に設けられたパッキングが油圧
により不均一に変形する事がなくなる。
【0033】
【実施例】図1は本考案の実施例を示している。尚、本
考案のブレーキブースタ用チルト弁(38a)は、チル
弁を構成する弁体の内部に油圧が入り込むのを防止す
る部分の構造に特徴があり、その他の部分の構造及び作
用は、前述の従来から知られたブレーキブースタ用チル
弁38と同様である。よって、以下の説明は、本考案
の特徴部分である弁体部分を中心に行なう。
【0034】本考案のチルト弁38aの要部を構成する
弁体41aは、心棒43と、この心棒43の一端部外周
に支持された、ゴム等の弾性材製のパッキング44と、
このパッキング44の外周面と下面とを覆う抑え環45
aとから成る。このうちの心棒43は、硬質合成樹脂の
射出成形により、或はアルミニウム、鋼等の金属材のダ
イキャスト成形又は切削加工により円柱状に造られてお
り、その先端部には上記パッキング44を係止する為の
大径の係止部42を有する。
【0035】又、上記抑え環45aは、硬質合成樹脂の
射出成形により、或はアルミニウム、鋼等の金属材のダ
イキャスト成形又は切削加工により、断面L字形で全体
を環状に造られている。上述の様な弁体41aは、上記
パッキング44の上端面を、内向フランジ部39の下面
に形成した弁座に対向させた状態で、弁筐40(図3〜
4)内に変位自在に支持し、更に、円錐コイルばね47
により、上方に向いた弾力を付与している。上記内向フ
ランジ部39の中央部には流路75を形成しており、こ
の内向フランジ部39の下面で、上記弁座部分には、こ
の流路75の下端開口部の全周を囲む突条74を形成し
ている。
【0036】上述の構成は、前述のブレーキブースタ用
チルト弁38(図3〜5)と同様である。特に、本考案
チルト弁38aを構成する弁体41aの場合には、上
記抑え環45aは、上記心棒43の下部を覆う有底筒状
の覆い部77を有する。この覆い部77は、上記抑え環
45aと一体に形成されており、この覆い部77の上端
開口は上記抑え環45aの内周縁に、隙間なく連続して
いる。
【0037】上述の様に構成される本考案のチルト弁3
8aによれば、上記弁体41aを構成する抑え環45a
の内側に油圧が入り込む事がなくなって、この抑え環4
5aの内側に設けられたパッキング44が油圧により不
均一に変形する事がなくなる。
【0038】即ち、上述した様な弁体41aを組み込ん
チルト弁38aを、図3に示す様なブレーキブースタ
6に組み込んだ場合、従来のチルト弁38の場合と同様
に、油圧シリンダ26内の油圧上昇時には、油圧シリン
ダ26内の油圧が、上記弁体41aの下面に加わる。
【0039】一方、本考案のチルト弁38aを構成する
弁体41aの場合は、上記パッキング44の外周面及び
下面は抑え環45aにより、心棒43の下半部は覆い部
77により、それぞれ覆われており、これら抑え環45
aと覆い部77との連続部には隙間が存在しない。従っ
て、上記油圧シリンダ26内の圧力上昇時にも、この抑
え環45aの内側に油圧が作用する事はなく、この油圧
により上記パッキング44が上方に押圧される事もな
い。従って、このパッキング44が油圧により不均一に
変形する事もなく、上記油圧に基づいて上記パッキング
44が破損する事もなくなる。
【0040】
【考案の効果】本考案のブレーキブースタ用チルト弁
以上に述べた通り構成され作用するが、パッキングが油
圧により不均一に変形する事がなくなるので、このパッ
キングの破損防止により、チルト弁の耐久性、信頼性の
向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す、図4のA部に相当する
縦断面図。
【図2】チルト弁を有するブレーキブースタを組み込ん
だブレーキ装置の回路図。
【図3】従来のチルト弁を有するブレーキブースタの縦
断側面図。
【図4】図3のB部拡大図。
【図5】従来のチルト弁の閉鎖状態を示す、図4のA部
拡大図。
【符号の説明】
1 コンプレッサ 2 元給気管 3 エアタンク 4 パイロット給気管 5 主給気管 6 ブレーキブースタ 8 ブレーキ弁 9 ブレーキペダル 10 油圧配管 11 車輪 12 リザーブタンク 13 リザーブホース 14 空気圧シリンダ 15 空気圧ピストン 16 円筒部 17 凹溝 18 Oリング 19 バックアップリング 20 鍔部 21 空気圧制御弁 22 圧力導入室 23 大気圧室 24 端板 25 ガイド筒 26 油圧シリンダ 27 油圧ピストン 28 本体 29 プラグ 30 鍔部 31 スリーブ 32 凹溝 33、34 シールリング 35 圧縮ばね 36 吐出ポート 37 リザーブポート 38 チルト(従来) 38a チルト(本考案) 39 内向フランジ部 40 弁筐 41、41a 弁体 42 係止部 43 心棒 44 パッキング 45、45a 抑え環 46 ストップリング 47 円錐コイルばね 48 コネクタ 49 シリンダケース 50 給気ポート 51 通孔 52 シリンダ部 53 パイロットピストン 54 端板 55 パイロットポート 56 導入ポート 57 隔壁 58 圧縮ばね 59 円筒部 60 弁筐 61 上半部 62 下半部 63 通孔 64 弁座 65 パイロット弁体 66 パッキング 67 圧縮ばね 68 押圧部 69 排気ポート 70 逆止弁 71 排気管 72 通孔 73 ブリーダ 74 突条 75 流路 76 通孔 77 覆い部 78 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 藤井 信一 埼玉県与野市大字中里80番地 三輪精機 株式会社内 (72)考案者 平林 紀元 埼玉県与野市大字中里80番地 三輪精機 株式会社内 (72)考案者 坂木 祥久 埼玉県与野市大字中里80番地 三輪精機 株式会社内 (72)考案者 黒沢 仁 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日 野自動車工業株式会社内 (72)考案者 田中 繁 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日 野自動車工業株式会社内 (72)考案者 中嶋 康徳 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日 野自動車工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭58−45164(JP,U) 実開 昭57−170355(JP,U) 実開 昭59−58674(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 13/40 B60T 15/36

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流路(75)を開設した内向フランジ部
    (39)を筒状の弁筺(40)の内周面に形成し、上
    内向フランジ部(39)の油圧シリンダ側の面に上記流
    路(75)を囲んで弁座である突条(74)を形成し、
    弁筺(40)の内周面に基端を係止した円錐コイルばね
    (47)の先端に押されて上記突条(74)に弾接させ
    られる弁体(41a)を弁筺(40)内に設け、弁体
    (41a)は、心棒(43)にフランジ状の係止部(4
    2)を形成し、断面コ字形で一方の側面を上記突条(7
    4)に当接自在とした弾性材製の環状のパッキング(4
    4)を上記係止部(42)を包んで弁体(41a)に取
    付け、このパッキング(44)の外周面を覆う断面L形
    で環状の抑え環(45a)と、心棒(43)の上記油圧
    シリンダに近い外周面及び端面を覆う覆い部(77)と
    を連続させて硬質材により形成したブレーキブースタ用
    チルト弁。
JP1993069652U 1993-12-27 1993-12-27 ブレーキブースタ用チルト弁 Expired - Fee Related JP2606948Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1993069652U JP2606948Y2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 ブレーキブースタ用チルト弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1993069652U JP2606948Y2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 ブレーキブースタ用チルト弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0737846U JPH0737846U (ja) 1995-07-14
JP2606948Y2 true JP2606948Y2 (ja) 2001-02-19

Family

ID=13408992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1993069652U Expired - Fee Related JP2606948Y2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 ブレーキブースタ用チルト弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2606948Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0737846U (ja) 1995-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4807945A (en) Hydraulic brake system for motor vehicles
US5735188A (en) External slave cylinder for hydraulic clutch release system
JP2009509866A (ja) 内部空気逃し手段を備えた常用ブレーキシリンダとばね付勢ブレーキシリンダとの複合体
CA2420230C (en) Improved brake actuator
US5460076A (en) Fluid-operated brake actuator with internal check valve
JPH07500070A (ja) 車両のブレーキシステム用液圧切換弁
US4825750A (en) Vacuum braking-force booster
JP2606948Y2 (ja) ブレーキブースタ用チルト弁
US5647213A (en) Master cylinder with quickfill stage
US3977193A (en) Hydraulic braking force multiplying device
US6389951B1 (en) Brake booster
JP2607782Y2 (ja) ブレーキブースタ
US3981147A (en) Master cylinder assembly
JP2606947Y2 (ja) ブレーキブースタ
RU2267416C2 (ru) Тормозное устройство с усилителем тормозного привода для тормозной системы автомобиля
US4491056A (en) Suction pressure operated booster for automobile brake systems
US4416490A (en) Pressure control valve for a hydraulic brake system
JP2606007Y2 (ja) ブレーキブースタ
US7066073B1 (en) Vacuum brake booster for motor vehicles
JP2585092Y2 (ja) リレーバルブ
US4825982A (en) Exhaust brake system
US4469378A (en) Load-responsive braking pressure control device especially for vehicle brake systems
JP3843515B2 (ja) 自動変速機の油圧サーボ装置
JPH08216853A (ja) リザ−バ構造
US5082332A (en) Load responsive brake regulator

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees