JP2606947Y2 - ブレーキブースタ - Google Patents

ブレーキブースタ

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JP2606947Y2
JP2606947Y2 JP1993069651U JP6965193U JP2606947Y2 JP 2606947 Y2 JP2606947 Y2 JP 2606947Y2 JP 1993069651 U JP1993069651 U JP 1993069651U JP 6965193 U JP6965193 U JP 6965193U JP 2606947 Y2 JP2606947 Y2 JP 2606947Y2
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cylinder
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valve
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康彦 川合
克寛 前田
信一 藤井
紀元 平林
祥久 坂木
康徳 中嶋
繁 田中
仁 黒沢
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案に係るブレーキブースタ
は、例えば自動車用ブレーキ装置において、圧縮空気の
送り込みによって油圧ピストンを押圧し、油圧を発生さ
せる為に利用する。
【0002】
【従来の技術】トラック等の大型自動車用の制動装置と
して、エアオーバハイドロリックブレーキと呼ばれる、
空気圧・油圧混合型のブレーキ装置が広く使用されてい
る。この空気圧・油圧混合型のブレーキ装置は、図7に
示す様に構成されている。尚、この図7で、二重線(内
部が白)で描いた配管は圧縮空気を通す配管を、太線
(内部が黒)で描いた配管はブレーキオイルを通す配管
を、それぞれ表している。
【0003】車両の走行用エンジン等により駆動される
コンプレッサ1から吐出された圧縮空気は、元給気管2
を通じてエアタンク3に送られ、このエアタンク3内に
溜められる。このエアタンク3内の圧縮空気は、パイロ
ット給気管4と主給気管5とを通じて、後述するブレー
キブースタ6の空気圧制御弁21に送り込まれる。この
うち、パイロット給気管4の途中には、ブレーキ弁8が
設けられている。このブレーキ弁8は、ブレーキペダル
9の踏み込みに基づき流路を開放し、上記空気圧制御弁
21に圧縮空気を、踏み込み強さに応じた圧力で供給す
る。
【0004】上記空気圧制御弁21は、上記パイロット
給気管4から送られてくる圧縮空気の圧力に応じて流路
を開放し、上記主給気管5から送り込まれる圧縮空気を
上記ブレーキブースタ6内に取り入れる。この様にして
ブレーキブースタ6内に取り入れられた圧縮空気によ
り、このブレーキブースタ6に内蔵された油圧シリンダ
部分で油圧が立ち上がる。そしてこの油圧が、油圧配管
10を通じて各車輪11、11に付設したホイルシリン
ダ内に導入される。ホイルシリンダに油圧が導入される
と、ブレーキシュー或はブレーキパッドのライニングが
ドラム内周面或はディスクロータ側面に押し付けられ
て、制動が行なわれる。
【0005】制動の繰り返しにより上記ライニングが摩
耗すると、非制動時に於けるこのライニングと上記ドラ
ム内周面或はディスクロータ側面との間隙が広がる。こ
の間隙が一定以上に広がると、自動間隙調整装置の作用
により非制動時に於ける上記ホイルシリンダのピストン
の突出量が増大し、上記間隙が狭められる。この様な間
隙調整が行なわれると、非制動時に上記ホイルシリンダ
内に存在するブレーキオイルの量が増大する為、リザー
ブタンク12から上記ブレーキブースタ6内にブレーキ
オイルを、リザーブホース13を通じて補給し、上記間
隙調整に伴う不足分を補償する。
【0006】上述の様に構成されるブレーキ装置に組み
込まれ、空気圧を油圧に変換するブレーキブースタ6
は、先考案に係るブレーキブースタを示す図8の様に構
成されている。鋼板等の金属板を絞り成形する事で有底
円筒状に形成された空気圧シリンダ14内には、やはり
鋼板等の金属板をプレス成形して成る空気圧ピストン1
5を、軸方向(図8の左右方向)に亙る変位自在に嵌装
している。この空気圧ピストン15を構成する円板部
(15B)の外周部分には円筒部16を形成し、この円
筒部16の外周面には図9に詳示する様に浅い凹溝17
を、プレス加工或は切削加工により形成している。そし
て、この凹溝17内にOリング18とバックアップリン
グ19とを装着している。
【0007】上記円筒部16の端部には、直径方向外方
に折り曲げられた鍔部20を形成しており、上記バック
アップリング19は、この鍔部20と上記Oリング18
との間に設けている。又、上記Oリング18は上記空気
圧シリンダ14の内周面に摺接している。従って、この
空気圧シリンダ14内は上記空気圧ピストン15とOリ
ング18とにより、前記空気圧制御弁21に通じる圧力
導入室22と、大気に開放された大気圧室23とに分割
されている。
【0008】上記空気圧シリンダ14の開口端は、鉄、
アルミニウム等の金属を鋳造する等により造られた端板
24により塞いでいる。この端板24の中央部にはガイ
ド筒25を設けている。又、上記端板24の外面(図8
の右面)には油圧シリンダ26の基端部を結合固定し、
この油圧シリンダ26の基端(図8の左端)開口部を上
記ガイド筒25の外端(図8の右端)開口に整合させて
いる。
【0009】上記空気圧ピストン15の中心部には油圧
ピストン27の基端部(図8の左端部)を螺合固定して
いる。この油圧ピストン27は、円管状の本体28と、
この本体28の先端開口部に螺着してこの先端開口部を
油密且つ気密に塞いだプラグ29とから構成される。こ
のプラグ29の外端部(図8の右端部)に形成した鍔部
30の外径は、上記本体28の外径よりも大きい。従っ
てこの鍔部30の外周縁部は、上記本体28の外周面か
ら直径方向外方に突出している。又、このプラグ29の
内端部には、合成樹脂等により円管状に造られたスリー
ブ31を結合している。このスリーブ31の内周面に
は、軸方向(図8の左右方向)に亙る凹溝32、32を
形成している。
【0010】又、上記ガイド筒25の内周面に形成した
係止溝内には、それぞれシールリング33、34を係止
している。各シールリング33、34の内周縁は上記本
体28の外周面に摺接し、上記油圧ピストン27の移動
に拘らず、上記油圧シリンダ26内の油圧を保持する。
従って、空気圧制御弁21を通じて前記圧力導入室22
内に圧縮空気を導入する事で、前記空気圧ピストン15
を圧縮ばね35の弾力に抗して大気圧室23側に押し、
上記油圧ピストン27を油圧シリンダ26内に押し込む
と、この油圧シリンダ26内で油圧が立ち上がる(油圧
が上昇する)。この様に油圧シリンダ26内で立ち上が
った油圧は、この油圧シリンダ26先端の吐出ポート3
6にその基端を接続した、前記油圧配管10(図7)を
通じて、ホイルシリンダに送られる。
【0011】上記油圧シリンダ26の基端部(図8の左
端部)上面には、この油圧シリンダ26内と前記リザー
ブタンク12(図7)の底部とを連通させる為のリザー
ブポート37が設けられている。そして、このリザーブ
ポート37内に、リザーブ弁38を設けている。このリ
ザーブ弁38は図10に詳示する様に、中間部内周面に
内向フランジ部39を有する弁筐40と、この弁筐40
の下半部内側に設置された弁体41とから構成されてい
る。そして、上記内向フランジ部39の下面を、弁座と
している。この弁座には、上記内向フランジ部39の中
央の流路75の下端開口を囲む、閉鎖環状の突条74を
形成している。
【0012】一方、上記弁体41(図10)は、金属製
でその上端部に大径の係止部42を形成した心棒43
と、上記係止部42の周囲に係止された、ゴム等の弾性
材製のパッキング44とを有する。このパッキング44
の外周面及び下面は、金属或は合成樹脂により断面L字
形で全体を環状に造られた、抑え環45により抑え付け
られている。又、この抑え環45の下面と、上記弁筐4
0の下端部内周面に係止したストップリング46の上面
との間には、円錐コイルばね47を設けている。
【0013】従って、上記弁体41上端のパッキング4
4の上面は、外力が働かない限り、上記内向フランジ部
39下面の弁座に形成した突条74に、その全周に亙っ
て当接し、上記流路75の下端開口を塞いで、上記油圧
シリンダ26内外の油密保持を図る。尚、上記心棒43
の下端部は、前記プラグ29の鍔部30と衝合自在な位
置にまで突出している。又、上記弁筐40の上端部に
は、耐油性を有する合成樹脂を射出成形する等により、
或はアルミニウム合金等の金属をダイキャスト成形する
等により造られたコネクタ48の基端部(下端部)を、
油密に結合固定している。このコネクタ48の先端部
(上端部)には、前記リザーブホース13(図7)の下
端部を外嵌して結合する。
【0014】更に、前記空気圧制御弁21は、前記パイ
ロット給気管4(図7)を通じて送り込まれる空気圧に
応じた圧力の圧縮空気を、前記空気圧シリンダ14の圧
力導入室22内に送り込む、一種のリレーバルブとして
機能する。この空気圧制御弁21は、前記空気圧シリン
ダ14の底部外面に連結固定されるシリンダケース49
を有する。このシリンダケース49の中間部片側面(図
8の右側面)に形成した給気ポート50は、上記空気圧
シリンダ14の底部に形成した通孔51を通じて、上記
圧力導入室22に連通している。
【0015】又、上記シリンダケース49の上部に設け
たシリンダ部52内にはパイロットピストン53を、気
密に、且つ軸方向(図8の上下方向)に亙る変位自在に
嵌装している。上記シリンダケース49の上端部には、
上記シリンダ部52の上端開口部を塞ぐ端板54を設
け、この端板54の中央部にパイロットポート55を設
けている。このパイロットポート55には、前記パイロ
ット給気管4(図7)の下流端が接続される。又、上記
シリンダケース49の他側面(図8の左側面)には導入
ポート56を設けている。この導入ポート56には、前
記主給気管5(図7)の下流端が接続される。
【0016】上記シリンダケース49の内側には隔壁5
7を、上記給気ポート50と導入ポート56とを仕切る
状態で設けている。そして、この隔壁57の上面と上記
パイロットピストン53の下面との間には圧縮ばね58
を設けている。又、上記隔壁57の中央部に形成した円
筒部59の内側には弁筐60を内嵌固定している。この
弁筐60は、それぞれが円筒状に形成された上半部61
と下半部62とを、上下方向に互いに直列に結合して成
る。
【0017】このうちの上半部61の内側は、通孔63
を通じて上記導入ポート56に連通している。又、上記
上半部61の上端部には、内向フランジ状の弁座64が
形成されている。この弁座64の下方には、円管状に形
成されたパイロット弁体65が設けられている。そし
て、このパイロット弁体65の上端部に支持したパッキ
ング66の上面と、上記弁座64の下面とが対向してい
る。又、このパイロット弁体65と上記下半部62の上
端面との間には圧縮ばね67を設けている。一方、前記
パイロットピストン53の中央部下面には押圧部68を
設け、この押圧部68の下端縁と上記パッキング66の
上面内周寄り部分とを対向させている。この押圧部68
の外径は、上記弁座64の内径よりも小さい。
【0018】更に、上記シリンダケース49の下部片側
面には排気ポート69を設け、この排気ポート69の一
端(図8の左端)を、上記下半部62の側面に形成した
通孔7と逆止弁70とを介して大気に連通させている。
又、この排気ポート69の他端は、排気管71内に通じ
させている。この排気管71は、上記シリンダケース4
9と前記空気圧シリンダ14の底部との結合部にその基
端部を支持固定し、この空気圧シリンダ14の中心部に
配設されている。この排気管71の先端部は、前記スリ
ーブ31の内側に挿入している。
【0019】従って、上記空気圧シリンダ14の大気圧
室23と上記排気ポート69とは、前記油圧ピストン2
7を構成する本体28の基端部に形成した通孔72、7
2、この本体28の内部空間、上記スリーブ31内周面
の凹溝32、32、及び排気管71を通じて互いに連通
している。
【0020】上述の様に構成されるブレーキブースタ6
は、次の様に作用して、ブレーキペダル9(図7)の踏
み込み強さに応じた油圧を吐出する。制動時に運転者が
ブレーキペダル9を踏むと、ブレーキ弁8からは踏み込
み強さに応じた圧力の圧縮空気が吐出される。この圧縮
空気は、パイロット給気管4(図7)からパイロットポ
ート55を通じて空気圧制御弁21のシリンダ部52内
に送り込まれ、圧縮ばね58の弾力に抗して、パイロッ
トピストン53を下方に押圧する。
【0021】この結果、パイロットピストン53の下面
中央部に設けた押圧部68の下端縁がパイロット弁体6
5のパッキング66の上面に当接して、このパイロット
弁体65の上端開口部を塞ぐ。上記パイロットピストン
53が更に下方に変位すると、上記押圧部68が上記パ
イロット弁体65を下方に押圧し、パッキング66と弁
座64とを離隔させる。この結果、主給気管5(図7)
から導入ポート56部分に達していた圧縮空気が、通孔
63、弁座64の内周縁と上記押圧部68の外周面との
間の隙間、給気ポート50、通孔51を通じて、空気圧
シリンダ14の圧力導入室22内に送り込まれる。この
様にして上記主給気管5から圧力導入室22内に送り込
まれる圧縮空気の量は、上記パイロット給気管4からシ
リンダ部52内に送り込まれる圧縮空気の量よりも遥か
に多い。
【0022】この様にして圧力導入室22内に送り込ま
れた圧縮空気は、上記空気圧シリンダ14に嵌装した空
気圧ピストン15を、圧縮ばね35の弾力に抗して押圧
し、油圧ピストン27の先端部を油圧シリンダ26内に
押し込む。この結果、この油圧シリンダ26内で油圧が
立ち上がる。この油圧は、吐出ポート36から油圧配管
10を介して各車輪11、11(図7)のホイルシリン
ダ内に送り込まれ、制動が行なわれる。尚、空気圧ピス
トン15の移動に伴い、前記大気圧室23内に存在する
空気は、前記通孔72、72、本体28の内部空間、上
記スリーブ31内周面の凹溝32、32、排気管71を
通じて排気ポート69に送られ、更に逆止弁70を構成
するゴム製の弁片を押し開いて、大気中に排出される。
【0023】一方、上記パッキング66と弁座64とが
離隔する結果、上記パイロットピストン53の下側にも
空気圧が加わる。この空気圧は、圧縮ばね58と共にこ
のパイロットピストン53を上方に押圧し、パイロット
ポート55からパイロットピストン53の上側に導入さ
れた空気圧に抗して、上記パッキング66と弁座64と
を当接させようとする。従って、上記圧力導入室22内
に導入される空気圧は、上記パイロットポート55から
送り込まれる空気圧に対応して上昇し、更に上記吐出ポ
ート36から吐出される油圧も、上記パイロットポート
55から送り込まれる空気圧に対応して上昇する。
【0024】制動を解除すべくブレーキペダル9に加え
ていた踏み込み力を解除すると、パイロット給気管4の
下流側部分が、ブレーキ弁8(図7)を通じて大気に開
放される。この結果として、上記パイロットポート55
部分の空気圧が解消すると、上記パイロットピストン5
3が圧縮ばね58の弾力及びこのパイロットピストン5
3の下側に存在する圧縮空気の圧力により上昇し、更に
パイロット弁体65が圧縮ばね67の弾力により上昇し
て、パッキング66と弁座64とが当接する。又、上記
押圧部68の下端縁が上記パッキング66の上面から離
隔して、上記パイロット弁体65の上端開口部を開放す
る。
【0025】この結果、上記圧力導入室22内の圧縮空
気が、通孔51、給気ポート50、パイロット弁体65
の内側を通じて弁筐60の下半部62に流入する。そし
て、この様にして下半部62内に流入した圧縮空気の一
部は、排気ポート69から排気管71、凹溝32、3
2、本体28の内側、通孔72、72を通じて大気圧室
23内に送られ、この大気圧室23の体積増加分を補償
する。又、上記パイロット弁体65の内側を通過した圧
縮空気の残部は、前記逆止弁70を構成するゴム製の弁
片を押し開いて、大気中に排出される。
【0026】この結果、空気圧シリンダ14内の空気圧
ピストン15が、圧縮ばね35の弾力に基づいて上記空
気圧シリンダ14の底部にまで戻り切り、油圧シリンダ
26内への油圧ピストン27の突出量が最小となる。そ
して、この状態で前記プラグ29の鍔部30の上端縁部
が、前記リザーブ弁38の弁体41の心棒43の下端部
と衝合する。この結果上記弁体41が、円錐コイルばね
47の弾力に抗して図8、10に示す様に揺動し、この
弁体41の上端部に支持されたパッキング44の上面と
内向フランジ部39下面の弁座部分に形成した突条74
とを離隔させる。
【0027】この様にパッキング44の上面と突条74
とが離隔し、流路75の下端開口が開放されると、前記
リザーブタンク12の底部と油圧シリンダ26内とが、
リザーブホース13及びコネクタ48を介して互いに連
通する。この為、前述した様なライニングの摩耗に伴っ
て非制動時にホイルシリンダ内に留まるブレーキオイル
が増大し、上記油圧シリンダ26内のブレーキオイルが
不足する傾向となった場合に、上記リザーブタンク12
内のブレーキオイルが上記油圧シリンダ26内に補給さ
れる。尚、油圧シリンダ26の先端部(図8の右端部)
上面に設けたブリーダ73は、ブレーキオイル中に混入
した気泡を抜く場合に利用する。
【0028】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上述の様に
構成され作用するブレーキブースタ6の空気圧シリンダ
14に組み込まれる空気圧ピストン15には、次に述べ
る様な解決すべき点がある。即ち、この空気圧ピストン
15は、製作費低廉化を目的として、鋼板、或はアルミ
ニウム板等の金属板をプレス成形する事により造られ
る。従って、この空気圧ピストン15の肉厚はプレス成
形可能な程度に限定され、円筒部16の肉厚も限られた
ものとなる。
【0029】この様な理由で、上記円筒部16の肉厚を
大きくとれない為、この円筒部16の外周面に形成する
凹溝17の深さも小さくなる(凹溝17が浅くなる)。
従って、この凹溝17と、この凹溝17内に装着したO
リング18の内周縁との掛かり代が少なくなって、この
Oリング18が上記凹溝17から脱落し易くなる。
【0030】即ち、上記Oリング18は、制動時には圧
力導入室22内に導入された圧縮空気により、非制動時
には上記空気圧シリンダ14の内周面との摩擦により、
それぞれ上記バックアップリング19に押し付けられる
傾向となる。従って、ブレーキブースタ6の組立後、通
常の状態では、上記Oリング18が上記凹溝17から外
れる恐れは殆どない。しかしながら、上記凹溝17が浅
く、上記掛かり代が小さいと、組立以前に上記Oリング
18がこの凹溝17から抜け出る可能性が高くなる。こ
の様に凹溝17からOリング18が脱落した空気圧ピス
トン15を、そのまま気付かずにブレーキブースタ6に
組み付け、完成後に検査で不具合が見付かった場合に
は、このブレーキブースタ6全体を不良品として廃棄し
なければならなくなり、歩留悪化の原因となる。
【0031】上記凹溝17部分に環状の係止部材を装着
し、上記Oリング18並びにバックアップリング19
を、この係止部材と鍔部20との間で挟持すれば、組立
以前にもこのOリング18が凹溝17から脱落する事を
防止できる。しかしながら、Oリング18の脱落を防止
すべく、係止部材等の別部品を使用する事は、部品加
工、部品管理、組立工数の増大を招き、上記ブレーキブ
ースタ等、板金プレスピストンを有する機器の製作費増
大を招く為、好ましくない。本考案の板金プレスピスト
ンは、上述の様な事情に鑑みて考案したものである。
【0032】
【課題を解決するための手段】本考案のブレーキブース
タは、有底筒状で空気圧ピストン(15a)を嵌合し、
閉塞端である底部に空気制御弁(21)を取付け、この
空気圧ピストンと筒の底部との間を圧力導入室(22)
とし、筒の開口端を塞ぐ端板(24)と空気圧ピストン
との間を大気圧室(23)とした空気圧シリンダ(14
a)と、この端板(24)に結合された油圧シリンダ
(26)と、基部を上記空気圧ピストン(15a)に固
定し、先端部に鍔部(30)を形成して、上記端板を密
に貫通して摺動自在な油圧ピストン(27)と、この
圧ピストン(27)内に設けられて、上記大気圧室(2
3)を空気制御弁(21)のシリンダケース(49)に
通じさせる排気管(71)と、上記油圧シリンダ(2
6)の側面に開設されてリザーブタンクと油圧シリンダ
(26)とを連通させるリザーブポート(37)と、上
記油圧ピストン(27)の鍔部(30)に衝合して揺動
してリザーブポート(37)を開閉するリザーブ弁(3
8a)と、油圧シリンダ(26)の側面に結合固定さ
れ、リザーブタンクをリザーブポートに通じさせるコネ
クタ(76)とを備えている。
【0033】特に、本考案のブレーキブースタの板金プ
レスピストンに於いては、上記空気圧ピストン(15
a)は、金属板をプレス成形して成り、円板部(15
b)とこの円板部の中央部を貫通し、上記油圧ピストン
(27)を取付けるねじ筒部(79)と、この円板部の
外周縁から軸方向片側に折れ曲がった円筒部(16a)
と、この円筒部の先端縁から直径方向外方に折れ曲がっ
た鍔部(20)と、上記円筒部(16a)の外周面基端
寄り部分で上記凹溝(17)から外れた部分の円周方向
複数個所にはそれぞれ突起(78)が形成されたことを
特徴とするものである。
【0034】
【作用】上述の様に構成される本考案のブレーキブース
タの板金プレスピストンによれば、凹溝部分にOリング
を装着した場合に、このOリングの内周縁部と複数の突
起とが、十分な掛かり代で係合する。従って、上記凹溝
が浅く、この凹溝とOリングとの掛かり代を確保できな
い場合でも、このOリングが凹溝部分から不用意に脱落
しなくなる。
【0035】
【実施例】図1〜5は本考案の実施例を示している。
尚、図1は、空気圧ピストン15aを組み込んだブレー
キブースタ6aを示しているが、多くの部分は前述の図
8に示した先考案の構造と同様である為、同等部分には
同一符号を付して重複する説明を省略し、以下、従来構
造に対して変更された部分を中心に説明する。
【0036】空気圧シリンダ14aに内嵌された空気圧
ピストン15aの円筒部16aの基部外周面で、Oリン
グ装着用の凹溝17から外れた部分の円周方向複数個所
(図示の例では4個所)には、突起78、78を形成し
ている。これら各突起78、78はそれぞれ、上記空気
圧ピストン15aをプレス成形する際にこの空気圧ピス
トン15aと一体に、上記円筒部16aの外周面から突
出する方向に形成されている。
【0037】上記円筒部16aの外周面に、バックアッ
プリング19と共に嵌装されたOリング18の内周縁部
は、これら各突起78、78との係合に基づき、上記円
筒部16aの外周面に形成した凹溝17からの抜け止め
を図られる。又、上記バックアップリング19は、上記
円筒部16aの端縁部に形成された鍔部20により、こ
の円筒部16aからの脱落防止を図られる。
【0038】尚、上記空気圧ピストン15aの中心部に
は、その内周面に雌ねじを刻設したねじ筒部79が形成
されており、このねじ筒部79の周囲には、十字形の突
部80が形成されている。この突部80は、上記空気圧
ピストン15aの曲げ剛性を向上させる為に設けられて
いる。但し、これらの構造は、従来から知られている板
金プレスピストンと同様である。
【0039】上述の様に構成される、本考案のブレーキ
ブースタに組み込んだ板金プレスピストンである空気圧
ピストン15aの場合には、上記各突起78、78と上
記Oリング18の内周縁部複数個所が、十分な掛かり代
で係合する。この為、上記凹溝17が浅くても、組立以
前に上記Oリング18がこの凹溝17から抜け出る事を
防止できる。
【0040】更に、図1に示した実施例では、次の
の点で、前述の図8に示した従来構造と相違している。
【0041】 油圧シリンダ26の基端部上面に設け
られたリザーブポート37に設けるコネクタ76を構成
する、コネクタチューブ部81は、鉛直管部82と接続
管部83とから成る横L字形に形成されている。このう
ちの鉛直管部82は、上端が塞がれ、下端部が上記結合
部77の下面中心部に開口している。又、上記接続管部
83の基半部の断面形状は、上面が円弧状凸面である略
半円形で、先半側の断面形状は円形である。
【0042】上述の様なコネクタ76を組み込んだブレ
ーキブースタ6aの場合には、油圧シリンダ26に対す
る接続管部83の位置を低くできる。この為、ブレーキ
ブースタ6aの設置高さ位置とリザーブタンク12(図
7)の設置高さ位置との差を十分に確保できない場合に
も、これら油圧シリンダ26の基端部上面とリザーブタ
ンク12の底面とを結ぶリザーブホース13(図7)
を、途中で傾斜方向を変化させる事なく配設する事が可
能となる。
【0043】 リザーブ弁38aの弁筐40aの中間
部内周面に形成した内向フランジ部39aの下面外周半
部が円錐凹面である。又、弁体41aを構成する、耐油
性合成樹脂、或は金属等により造られた抑え環45a
は、その上端部に係止鍔部84を形成している。上記弁
体41aを上方に押圧する為の円錐コイルばね47の上
端部は、この係止鍔部84の下面に突き当てている。
又、上記係止鍔部84の上面は球面としている。
【0044】この様に構成する為、制動時、油圧ピスト
ン27先端に設けたプラグ29の鍔部30と上記弁体4
1aの心棒43の下端部との係合が外れ、上記円錐コイ
ルばね47の弾力によりこの弁体41aが上方に押圧さ
れた場合に於ける、上記弁体41aと内向フランジ部3
9a下面との位置関係が常に一定となる。即ち、上記円
錐コイルばね47の上端部が弁体41aの上端位置を押
圧する為、上記鍔部30と心棒43の下端部と係合時に
も、この弁体41aの上端位置がずれにくい。しかも、
上記鍔部30と心棒43の下端部との非係合時に、弁体
41aが円錐コイルばね47の弾力により上方に押され
ると、上記円錐凹面と球面との係合により、上記弁体4
1aと内向フランジ部39aとの心合わせが行なわれ
る。
【0045】従って、制動の繰り返しによっても、上記
弁体41aと内向フランジ部39a下面との位置関係が
ずれる事がない。弁体41aを構成するパッキング44
の上面には、内向フランジ部39a下面の弁座との当接
に基づき圧痕が形成されるが、図示の実施例の場合には
上記位置関係がずれない為、この圧痕と弁座とが常に合
致し、これらが不一致となる事によるシール性低下を防
止できる。
【0046】尚、前記凹溝17内にOリング18と共に
装着するバックアップリング19は、鍔部20側の1枚
のみでも良いが、図6に示す様に、上記Oリング18を
挟む様にして1対のバックアップリング19、19を設
け、一方(図6の左方)のバックアップリング19の内
周縁と前記各突起78、78とを係合させる事もでき
る。
【0047】
【考案の効果】本考案のブレーキブースタは、以上に述
べた通り構成され作用するので、別部材を用意する等に
より製作費を高くする事なく、円筒部の外周面からOリ
ングが脱落する事を確実に防止できる。従って、Oリン
グが欠落した不良品を組み立てる可能性をなくして、製
品の歩留向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のブレーキブースタの縦断側面図。
【図2】板金プレスピストンのみを取り出して示す、図
3のA−A断面図。
【図3】図2の右方から見た半部正面図。
【図4】図2の左方から見た半部背面図。
【図5】図1のB部拡大図。
【図6】別例を示す、図5と同様の図。
【図7】ブレーキブースタを組み込んだブレーキ装置の
回路図。
【図8】先考案の板金プレスピストンを組み込んだブレ
ーキブースタの縦断側面図。
【図9】図8のC部拡大図。
【図10】同じくD部拡大図。
【符号の説明】
1 コンプレッサ 2 元給気管 3 エアタンク 4 パイロット給気管 5 主給気管 6、6a ブレーキブースタ 7 通孔 8 ブレーキ弁 9 ブレーキペダル 10 油圧配管 11 車輪 12 リザーブタンク 13 リザーブホース 14、14a 空気圧シリンダ 15、15a 空気圧ピストン15B、15b 円板部 16、16a 円筒部 17 凹溝 18 Oリング 19 バックアップリング 20 鍔部 21 空気圧制御弁 22 圧力導入室 23 大気圧室 24 端板 25 ガイド筒 26 油圧シリンダ 27 油圧ピストン 28 本体 29 プラグ 30 鍔部 31 スリーブ 32 凹溝 33、34 シールリング 35 圧縮ばね 36 吐出ポート 37 リザーブポート 38、38a リザーブ弁 39、39a 内向フランジ部 40、40a 弁筐 41、41a 弁体 42 係止部 43 心棒 44 パッキング 45、45a 抑え環 46 ストップリング 47 円錐コイルばね 48 コネクタ 49 シリンダケース 50 給気ポート 51 通孔 52 シリンダ部 53 パイロットピストン 54 端板 55 パイロットポート 56 導入ポート 57 隔壁 58 圧縮ばね 59 円筒部 60 弁筐 61 上半部 62 下半部 63 通孔 64 弁座 65 パイロット弁体 66 パッキング 67 圧縮ばね 68 押圧部 69 排気ポート 70 逆止弁 71 排気管 72 通孔 73 ブリーダ 74 突条 75 流路 76 コネクタ 77 結合部 78 突起 79 ねじ筒部 80 突部 81 コネクタチューブ部 82 鉛直管部 83 接続管部 84 係止鍔部
フロントページの続き (72)考案者 藤井 信一 埼玉県与野市大字中里80番地 三輪精機 株式会社内 (72)考案者 平林 紀元 埼玉県与野市大字中里80番地 三輪精機 株式会社内 (72)考案者 坂木 祥久 埼玉県与野市大字中里80番地 三輪精機 株式会社内 (72)考案者 中嶋 康徳 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日 野自動車工業株式会社内 (72)考案者 田中 繁 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日 野自動車工業株式会社内 (72)考案者 黒沢 仁 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日 野自動車工業株式会社内 (56)参考文献 実開 平5−80939(JP,U) 実開 平4−81867(JP,U) 実開 平4−91562(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 13/40 F16J 1/01

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底筒状で空気圧ピストン(15a)を
    嵌合し、閉塞端である底部に空気制御弁(21)を取付
    け、この空気圧ピストンと筒の底部との間を圧力導入室
    (22)とし、筒の開口端を塞ぐ端板(24)と空気圧
    ピストンとの間を大気圧室(23)とした空気圧シリン
    ダ(14a)と、上記端 板(24)に結合された油圧シリンダ(26)
    と、 基部を上記空気圧ピストン(15a)に固定し、先端部
    に鍔部(30)を形成して、上記端板を密に貫通して摺
    動自在な油圧ピストン(27)と、この 油圧ピストン(27)内に設けられて、上記大気圧
    室(23)を空気制御弁(21)のシリンダケース(4
    9)に通じさせる排気管(71)と、 上記油圧シリンダ(26)の側面に開設されてリザーブ
    タンクと油圧シリンダ(26)とを連通させるリザーブ
    ポート(37)と、 上記油圧ピストン(27)の鍔部(30)に衝合して揺
    動しリザーブポート(37)を開閉するリザーブ弁(3
    8a)と、 油圧シリンダ(26)の側面に結合固定され、リザーブ
    タンクをリザーブポートに通じさせるコネクタ(76)
    とを備え、 上記空気圧ピストン(15a)は、金属板をプレス成形
    して成り、円板部(15b)と、この円板部の中央部を
    貫通し、上記油圧ピストン(27)を取付けるねじ筒部
    (79)と、この円板部の外周縁から軸方向片側に折れ
    曲がった円筒部(16a)と、この円筒部の先端縁から
    直径方向外方に折れ曲がった鍔部(20)と、上記円筒
    部の外周面でこの鍔部寄り部分に形成された凹溝(1
    7)とを備え、上記円筒部(16a)の外周面基端寄り
    部分で上記凹溝(17)から外れた部分の円周方向複数
    個所には、それぞれ突起(78)が形成されたことを特
    徴とするブレーキブースタ。
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