JP2606932Y2 - 縦型ウエーハ保持ボート - Google Patents

縦型ウエーハ保持ボート

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JP2606932Y2
JP2606932Y2 JP1992051377U JP5137792U JP2606932Y2 JP 2606932 Y2 JP2606932 Y2 JP 2606932Y2 JP 1992051377 U JP1992051377 U JP 1992051377U JP 5137792 U JP5137792 U JP 5137792U JP 2606932 Y2 JP2606932 Y2 JP 2606932Y2
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芳夫 竹間
秀敏 永田
一禎 大藤
良一 山本
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、半導体ウエーハを積層
保持した状態で炉心管内で熱処理される縦型ウエーハ
持ボートに係り、特に縦型縦型ウエーハ保持ボートに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、周囲に加熱手段を囲繞した炉
心管内に、半導体ウエーハを積層載置したウエーハ処理
用ボートを収納可能に構成し、前記加熱手段により処理
ボート上に載置した半導体ウエーハを所定温度域迄加熱
制御しながら、該半導体ウエーハ表面域に反応ガス又は
不活性ガスを流し、半導体ウエーハ表面域の酸化、拡
散、気相成長、アニール等の各種熱処理を行なう熱処理
装置は公知であり、この種熱処理装置においては省設置
面積化を図るためと半導体ウエーハの大口径化に伴い、
前記炉心管を垂直に立設した縦型熱処理装置が多用され
ている。そしてかかる熱処理装置に用いるウエーハ処理
用ボートは基盤上に垂直に立設した複数の保持棒に刻設
したウエーハ支持溝に多数の半導体ウエーハを適宜間隔
に積層載置可能に構成されている。
【0003】かかるウエーハ処理用ボートは、多数の半
導体ウエーハを積層載置して1000℃以上の高温の加
工段階のなかで使用されているわけであるが、例えばシ
リコンウエーハを半導体デバイスに加工する場合の前記
ウエーハ処理用ボートの構成部材は、一般的に天然石英
部材を用いている。この天然石英部材は有用な支持部材
で複雑な形も容易に作ることが出来、比較的高純度で、
汚染物質の影響を比較的うけにくく、前記加工段階の雰
囲気の大部分に対しても化学的に安定で、1000〜1
300℃の範囲に対しても、かなりの寸法安定性を持っ
ている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記天
然石英部材を前記ウエーハ支持溝を刻設した保持棒に使
用する場合は、半導体ウエーハの熱処理の際前記ウエー
ハ支持溝におけるウエーハとの接触部で支持部材の構成
部材である天然石英の不純物が拡散しウエーハ処理に悪
影響を与えていた。上記事項に対して、前記保持棒に高
純度合成石英を用いることが考えられてきたが、高純度
合成石英の最高使用温度が950℃と低いため前述の熱
処理時に支持部材の湾曲が起き、実質的に使用不可能で
あった。
【0005】本考案は、かかる技術的課題に鑑みなされ
たもので、高純度合成石英部材と耐熱性の良好な天然石
英部材を組み合わせて半導体ウエーハの処理用ボートを
構成し、不純物の拡散等のウエーハ処理条件に悪影響を
与える要素を取りのぞいた良好な処理条件を持つウエー
ハ処理用ボートを持つ縦型ウエーハ保持ボートを提供す
る事を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案はかかる技術的課
題を達成するために、前記縦型ウエーハ保持ボートに収
納されているウエーハ処理用ボートの構成を考え、基盤
上に複数本のウエーハ保持棒を立設して該部材にウエー
ハ支持溝を適当間隔に刻設して多数枚のウエーハを積層
保持する従来の構成を二つの部位に分け、その構成部材
を変え長短相補う構成とした。即ち、ウエーハの熱処理
の際、使用器材に含まれている不純物が拡散してウエー
ハの電気的性質に最も悪影響を与える恐れのあるウエー
ハ接触部位を形成するウエーハ支持部と、該ウエーハ
持部に多数枚のウエーハを積層載置出来るようにして構
造的強度を分担する保持棒とに分割し、前記ウエーハ
持部に不純物の含有率のずっと小さい高純度合成石英を
使用し、保持棒に耐熱性の高い溶融天然石英、例えば電
気溶融天然石英を使用し前記ウエーハ支持部と一体構造
にする構成、より具体的には、半導体ウエーハを上下方
向に多数枚積層保持した状態で縦型炉心管内で熱処理さ
れる縦型ウエーハ保持ボートにおいて、半導体ウエーハ
を適宜間隔に積層保持するためのウエーハ支持溝を刻設
した断面矩形状の高純度合成石英からなるウエーハ支持
部と、前記ウエーハの保持空間を形成すべく該ウエーハ
支持部と一体構造にして基盤上に垂直に立設した複数本
の、円形外周面を有する溶融天然石英からなる保持棒と
を含み、前記ウエーハ支持溝が溶融天然石英側まで刻設
されることなく高純度合成石英側にのみ刻設されている
ことを特徴とする縦型ウエーハ保持ボートを提案する。
【0007】又、前記保持棒には、構造セラミックより
なる耐熱芯材を保持棒の中空部に挿入充填して内蔵封止
する構成にすることを提案して、大口径のウエーハを多
数枚積層載置出来る充分な強度を持てるようにすると共
に、高温で連続使用しても変形するようなことが無いよ
うにする。
【0008】又、前記構造セラミックよりなる耐熱芯材
を内蔵封止した前記保持棒の全面を合成石英で被覆して
三重構造とし、最外層の合成石英被覆層にウエーハ支持
溝を刻設して前記ウエーハ支持部と保持棒とを一体構造
にし、加工費が比較的低廉ですむ方法で本考案の目的を
達成するようにしても良い。
【0009】
【作用】上記技術手段によれば、半導体ウエーハの保持
空間の半円部位周辺に垂直に立設した複数本の保持棒に
設けられ、前記ウエーハを前記保持空間に積層載置すべ
くウエーハに直接接触支持するウエーハ支持部に、高純
度合成石英を使用したため、ウエーハ熱処理の際不純物
による該ウエーハの汚染を最小限に止めることが出来
る。又、前記合成石英よりなるウエーハ支持部を溶融天
然石英よりなる保持手段と一体構造としたため、多数枚
のウエーハを積層載置して熱処理する場合積載ウエーハ
の総荷重による座屈と曲げモーメントはウエーハ支持部
を介して保持棒に印加され、ボート湾曲を容易に防止で
きる。即ち、前記ウエーハ支持部の熱処理時に印加され
る積層載置した半導体ウエーハの全荷重による座屈応力
及び曲げ応力は、それと一体構造の溶融天然石英の保持
棒が分担することになり、ウエーハとの接触支持は、高
純度合成石英よりなるウエーハ支持部が分担し、熱処理
時のウエーハの汚染を最小限度に止める事が出来るとと
もに、支持溝底面が前記保持棒に対し、ほぼ接線方向に
平行な直線状に溝切りされているため、誤って天然石英
ガラス側まで溝切りをする恐れがなく、ウエーハが天然
石英ガラスに接触する恐れが一層ない。特に合成石英と
溶融天然石英は前記したように耐熱強度は異なるが同一
の材質であるために、熱膨張率が一定であり、この前記
合成石英よりなるウエーハ支持部を溶融天然石英よりな
る保持手段と一体構造としても1000°C以上の処理
空間内でも熱歪により一方が破壊してしまう恐れは全く
ない。
【0010】尚、前記天然石英よりなる保持棒を中空状
に形成し、その中空部に例えばSiC、Si、Si
等の高純度微粉末の焼結体である構造セラミックの耐
熱性芯材を挿入充填封止して内蔵するようにしてあるた
め、保持棒を構造部材として一層の耐熱強度及び耐疲労
度の向上を図ることが出来、ウエーハの大口径化にも対
応でき、又積層枚数の増大にも対処できる。
【0011】前記構造セラミックの耐熱芯材を内蔵封止
した前記天然石英の保持棒の外層に高純度合成石英から
なる被覆層を一体構造の三重構造となし最外層の合成石
英被覆層にウエーハ支持溝を刻設してウエーハ支持部を
形成した場合は、製作費の軽減を図る事が可能である。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本考案の好適な実施例
を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載され
ている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等
は特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲を
それに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎな
い。図1は、炉心管内に収容されるウエーハ処理用ボー
トの第一の実施例の斜視図で、図2は図1の第1の実施
例の保持棒とウエーハ支持部の詳細を示す斜視図であ
る。
【0013】図に示すように、ウエーハ処理用ボート
は、基盤3の片側周縁部に垂直に複数本の天然石英(電
気溶融天然石英)の円柱状保持棒1が立設され、反対側
より半導体ウエーハ7が出入できるようにしてある。そ
の上部端面に円板状構造物4を固設し、処理用ボートを
形成させている。前記複数本の保持棒1のウエーハ保持
空間に面する外側には、断面矩形状の高純度合成石英か
らなるウエーハ支持部2を設け前記保持棒1と一体構造
にし、多数の半導体ウエーハを略水平か又はウエーハ挿
入先端がやや下がり気味に積層載置すべく適当間隔にウ
エーハ支持溝5が刻設してある。又ウエーハ支持溝5は
その支持溝底面5aが前記保持棒1に対し、ほぼ接線方
向に平行な直線状に溝切りされている。なお、前記高純
度合成石英は、四塩化珪素を酸水素火炎中で加水分解す
ることにより形成され、下欄の電気溶融天然石英との純
度分析値比較表に見るように、高純度合成石英は不純物
の含有が非常に低いことを示している。 元素 * Na* K *Li * Al * Cu * Ni * 天然石英* 0.2 * 0.3 * 0.7 * 20 * 0.02 * 0.2 * 合成石英*<0.01* <0.05 * <0.05* 0.1 *<0.01 * <0.1 * (ppm) 通常高純度合成石英は、耐熱性が天然石英に比べて低
く、1100℃で連続使用すると変形してしまう。この
ため、本実施例では、耐熱性の高い天然石英と高純度合
成石英とで一体化するとともに、使用箇所に対応して前
記合成石英と前記天然石英とで使い分け分担するように
してある。即ち、半導体ウエーハを接触支持するウエー
支持部2には高純度合成石英を使用してウエーハに対
する汚染を最小限に止めるようにし、支持するウエーハ
の総重量による座屈や曲げモーメントに対しては前記天
然石英の保持棒1により対応できるようにしてある。
【0014】図3には、本考案に係わる第2の実施例の
一体化されたウエーハ支持部と保持棒の詳細を示す斜視
図である。図に示すように、図1の保持棒1の代わりに
中空状の天然石英の保持棒1aを用意し、その中空部に
例えばSiC、Si、Si等の高純度微粉末の焼
結体である棒状構造セラミックよりなる耐熱芯材6を挿
入し、且つ熱処理過程において間隙を生じないようにき
っちりと充填し、更に前記熱処理中に加熱による空気の
膨張による破裂を防止するため内部を真空状態に封止し
てある。前記保持棒1aの外側には、図1と同様に、適
当間隔にウエーハ支持溝5を刻設してある高純度合成石
英のウエーハ支持部2が前記保持棒1aに一体構造に設
けてある。又ウエーハ支持溝5はその支持溝底面5aが
前記保持棒1に対し、ほぼ接線方向に平行な直線状に溝
切りされている。尚、前記構造セラミックSiCについ
てみると、耐熱強度は1400℃迄は大なる値に保た
れ、化学的に安定で、疲労現象が無く、膨張係数が小さ
く、寸法安定性が高い等の特性を持っており、前記芯材
の使用により高温度連続使用中におけるウエーハ処理用
ボートの自重及びウエーハ荷重による当該ウエーハ処理
用ボートの変形を防止するようにしてある。
【0015】図4には、本考案に係わる第3の実施例の
一体化されたウエーハ支持部と保持棒の詳細を示す斜視
図である。図に示すように、天然石英の保持棒1bと高
純度合成石英のウエーハ支持部2aとで一体構造の二重
管構造とし、前記保持棒1bの中空部に図3と同様に棒
状構造セラミックの耐熱芯材6を挿入充填し、真空封止
してある。前記ウエーハ支持部2aには適当間隔にウエ
ーハ支持溝5が刻設する構成にしてある。又ウエーハ支
持溝5はその支持溝底面5aが前記保持棒1に対し、ほ
ぼ接線方向に平行な直線状に溝切りされている。この場
合は、加工性は良好になるが、ウエーハ支持溝5のウエ
ーハ7との接触部が大きくなり、ボートからの輻射熱の
影響によりウエーハ面内での熱履歴の不均一性の問題が
生じ、ウエーハ面内での熱酸化膜、不純物拡散深さ等の
バラツキを生じる。
【0016】
【考案の効果】以上記載した如く本考案によれば、半導
体ウエーハの熱処理をする際、該ウエーハに直接接触し
て支持するウエーハ処理用ボートのウエーハ支持部に高
純度合成石英を使用するようにしたため、不純物による
汚染等はなくなり、ウエーハ処理条件は非常に改善出来
る。又、前記ウエーハ処理用ボートの保持棒に前記合成
石英のウエーハ支持部と一体構造にした耐熱性の天然石
英を使用し、ウエーハ保持に必要な強度を分担するよう
にしたため、上記ウエーハ支持部に耐熱性の低い高純度
の合成石英を使用することが出来る。又、前記天然石英
の保持棒に例えば高純度微粉末を焼結したセラミック棒
状芯材を内蔵封止する構造としたため、ウエーハ処理ボ
ートの大型化に対処できると共に高温連続熱処理にも変
形湾曲等を起こさないようにすることが出来る。又、最
外層に高純度合成石英で、中間層に天然石英で、二重管
構造としその内部に構造セラミック材からなる棒状耐熱
芯材を挿入封止する構造とし、前記最外層にウエーハ支
持溝を適宜間隔に刻設してウエーハ支持部を形成するよ
うにしたため、低加工コストでウエーハへの不純物汚染
を少なくすることが出来る。等の種々の著効を有す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の実施例に係るウエーハ処理用ボート
を示す斜視図である。
【図2】 図1の実施例の保持棒とウエーハ支持部の詳
細を示す斜視図である。
【図3】 第2の実施例に係るウエーハ処理用ボートを
示し、ウエーハ支持部と保持棒が一体化された部分の詳
細を示す斜視図である。
【図4】 第3の実施例に係るウエーハ処理用ボートを
示し、ウエーハ支持部と保持棒が一体化された部分の詳
細を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、1a、1b 保持棒 2、2a ウエーハ支持部 3 基盤 4 円板状構造物 5 ウエーハ支持溝 6 棒状耐熱芯材 7 半導体ウエーハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 永田 秀敏 福井県武生市萱谷町第3号1番地4 株 式会社福井信越石英内 (72)考案者 大藤 一禎 福井県武生市萱谷町第3号1番地4 株 式会社福井信越石英内 (72)考案者 山本 良一 福井県武生市萱谷町第3号1番地4 株 式会社福井信越石英内 (72)考案者 上田 弘子 福井県武生市萱谷町第3号1番地4 株 式会社福井信越石英内 (56)参考文献 特開 平3−87020(JP,A) 特開 昭62−90928(JP,A) 特開 平3−1528(JP,A) 特開 平3−84922(JP,A) 特開 昭56−145123(JP,A) 特開 昭60−189930(JP,A) 特開 平3−40929(JP,A) 実開 平1−165623(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/22 H01L 21/324

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウエーハを上下方向に多数枚積層
    保持した状態で縦型炉心管内で熱処理される縦型ウエー
    保持ボートにおいて、 半導体ウエーハを適宜間隔に積層保持するためのウエー
    ハ支持溝を刻設した断面矩形状の高純度合成石英からな
    ウエーハ支持部と、前記ウエーハの保持空間を形成す
    べく該ウエーハ支持部と一体構造にして基盤上に垂直に
    立設した複数本の、円形外周面を有する溶融天然石英か
    らなる保持棒とを含み、 前記ウエーハ支持溝が溶融天然石英側まで刻設されるこ
    となく高純度合成石英側にのみ刻設されていることを特
    徴とする縦型ウエーハ保持ボート。
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