JP2606757Y2

JP2606757Y2 - テープレス形吸収体製品

Info

Publication number: JP2606757Y2
Application number: JP1993042631U
Authority: JP
Inventors: 磨鈴木; 博章福井
Original assignee: Japan Absorbent Technology Institute
Current assignee: Japan Absorbent Technology Institute
Priority date: 1993-07-08
Filing date: 1993-07-08
Publication date: 2001-01-09
Anticipated expiration: 2008-07-08
Also published as: JPH077621U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ウェストホールおよび
２つのレッグホールを有する本体を備えた、一般にテー
プレス形吸収体製品と呼ばれているパンツの形態の吸収
体製品に関する。

【０００２】

【従来の技術】ウェストホールおよび２つのレッグホー
ルを有する本体を備えた、一般にテープレス形吸収体製
品と呼ばれているパンツの形態の吸収体製品が、オムツ
や生理用品等の用途に広く使用されるようになってきて
いる。従来のテープレス形吸収体製品は、液体不透過性
のバックシートと液体透過性のトップシートとの間に吸
収体を挟んだ構成のシート材料をＵ字形に折り曲げ、そ
の両側で部分的に結合して、ウェストホールおよび２つ
のレッグホールを形成した構造を有している。

【０００３】このようなテープレス形吸収体製品の重要
な利点は、通常の下着と同等の感覚で着用することがで
き、そして着用状態において身体との密着性が良好であ
るこということである。

【０００４】このような利点を最大限に発揮するために
は、着用者にぴったりとフィットするサイズを選択する
ことが重要である。適切なサイズの吸収体製品を着用す
れば、吸収体の吸収能力を越える量の排泄物が一時に排
泄された場合にも漏れることがなく、吸収体製品として
の所期の目的が達成される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら従来のテ
ープレス形吸収体製品を構成しているシート状材料は、
前述のような構造であるために伸縮性に乏しく、したが
って着用者に最適なサイズを設定しようとすると、着脱
が容易でなくなるという矛盾を生じる。またこのような
吸収体製品を必要とする着用者にとっては、幼児であれ
ば母親の、また大人であれば介護者の手助けが必要であ
る場合が多く、このため着脱が容易でないということは
重大な欠陥となる。

【０００６】さらに通常のテープレス形吸収体製品で
は、着用状態において、とくに屈んだ姿勢になると、ウ
ェストホール周縁に沿って横方向に作用する収縮力より
も大きい力が下向きに作用し、これがずり落ちを生じる
原因となる。このような不都合を防止するために、この
部分に弾性体を配置したものも提案されているが、構造
が複雑になるばかりでなく、ずり落ちを確実に防止する
こともできない。

【０００７】本考案の目的は、従来のテープレス形吸収
体製品が有している上記のような欠点をなくし、着用状
態では優れたフィット感が得られ、しかも着脱がきわめ
て容易に行えるとともに、着用中におけるずり落ちを確
実に防止することができるテープレス形吸収体製品を提
供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案によれば、ウェス
トホールおよび２つのレッグホールを有する本体を備
え、前記本体は、その前身頃部分と後身頃部分とが各々
の両側部において弾性シートからなるサイドバンドを介
して連結されており、前記サイドバンドに切欠きが形成
され、前記切欠きは、その下側部分において前記サイド
バンドの縦方向の伸張を許容するように、前記サイドバ
ンドの上縁よりも下縁に近い位置で横方向に延びている
ことを特徴とするテープレス形吸収体製品が提供され
る。

【０００９】すなわち本考案のテープレス形吸収体製品
においては、トップシート、バックシート、およびこの
両者間に位置する吸収材で構成されたシート状材料は、
前見頃および後見頃の両側部において、弾性シートから
なるサイドバンドを介して連結されている。

【００１０】したがって着用状態では、このサイドバン
ドの収縮力により優れたフィット感が得られ、また着脱
時には、サイドバンドが大きく延びてウェストホールお
よびレッグホールの拡大されるために、きわめて容易に
着脱を行うことができる。

【００１１】しかもサイドバンドは、これに作用する伸
縮応力線の方向に応じて、ウェストホール側の部分とレ
ッグホール側の部分とで別挙動をとることができるの
で、屈んだり立ち上がったりする動作を繰り返しても、
ずり落ちることがない。

【００１２】本考案において、サイドバンドを構成する
のに適した弾性シートの例は、合成ゴムのような材料か
らなるシート状弾性体の一方もしくは両方の面に不織布
を重ね、これらを互いに平行な線状の結合部で熱圧着の
ような手段で結合したものである。この弾性シートは、
線状結合部の長さ方向と直交する方向には大きい伸縮性
を示すとともに、表面には肌触りのよい不織布が位置し
ているので、サイドバンドとして最適である。しかもこ
のサイドバンドには切欠きが形成されているので、ウェ
ストホール周縁部とレッグホール周縁部とが互いに離れ
る方向に大きく伸張することができる。この伸張は、た
とえばウェスト部を過度に引き上げても、レッグホール
周縁部は脚に密着した状態に保持されるので、着用感の
向上とともに、漏れ防止効果の維持にきわめて効果的で
ある。

【００１３】サイドバンドに形成される切欠きの形状
は、前後方向に延びるスリットであってもよく、また適
当な面積をもつ長円ないし菱形であってもよい。この切
欠きは、前述のようなサイドバンドの縦方向の伸張を助
けるほか、通気孔としても働き、使用感をさらに改善す
る。

【００１４】以下に本考案の一実施例について図面を参
照して説明する。

【００１５】

【実施例】図１は、本考案にしたがって構成されたテー
プレス形吸収体製品の一例を示す斜視図である。図１に
示した吸収体製品は、液体透過性のトップシート、液体
不透過性のバックシート、およびこの両者間に挟まれた
吸収体からなるシート状材料で構成された本体１１を備
えている。この本体１１は、図２に展開して示すよう
に、ほぼ長方形のもので、相対向する長辺の各々の中央
部には、弧状の凹所１２が形成されていて、短辺が互い
に向き合うように２つに折り曲げられたときに、この凹
所１２，１２間に位置する股下区域１１Ａと、その両側
に位置する前見頃部分１２Ｂおよび後見頃部分１２Ｃを
形成するようになっている。

【００１６】また本体１１には、前見頃部分１２Ｂおよ
び後見頃部分１２Ｃの両側にそれぞれ連なるように、ほ
ぼ長方形の弾性シート１３Ａ，１３Ａ’および１３Ｂ，
１３Ｂ’が連結されている。そして弾性シート１３Ａお
よび１３Ａ’は、互いに対面する弾性シート１３Ｂおよ
び１３Ｂ’の先端部に結合されて連結部１４を形成して
いる。これによって本体部分１１の前見頃部分１１Ｂお
よび後見頃１１Ｃは、各々の両側で、弾性シート１３Ａ
および１３Ｂで構成されたサイドバンド１３と、弾性シ
ート１３Ａ’および１３Ｂ’で構成されたサイドバンド
１３’とで相互に連結され、これによってウェストホー
ル１５と、２つのレッグホール１６とを有するテープレ
ス形の吸収体製品が構成される。

【００１７】図１の例でサイドバンドを構成するために
使用された弾性シートは、図３に示すように、合成ゴ
ム、ポリウレタン、スチレン・ブタジエンブロックポリ
マー、ポリオレフィン系エラストマー等の、熱圧着等に
よる結合が可能な材料で構成されたフィルム状または不
織布状からなるシート状弾性体３１の片面または両面
（図示の例では両面）に、肌に対する感触に優れた不織
布３２，３３を重ね、これらを互いに平行に配置された
線状の結合部３４で、熱圧着等の手段により結合した構
造を有し、好ましくは、互いに隣接する結合部３４，３
４間で、シート状弾性体３１と不織布３２，３３との間
にチャンネル状の空間３５が形成されている。

【００１８】さらに、両脇に位置するサイドバンド１３
および１３’には、前見頃部分１１Ｂに近い位置から、
後見頃部分１１Ｃに近い位置に達するように、結合部１
４を横切って直線状に延びるスリット状の切欠き１７が
形成されている。この切欠き１７の上下方向の位置は、
好ましくはその中央部よりもややレッグホール１６に近
くなるように選ばれる。

【００１９】このように構成されたテープレス形吸収体
製品において、着用する際には、サイドバンド１３，１
３’が伸張してウェストホール１５を広げるので、着用
は容易である。また着用状態では、サイドバンド１３，
１３’に形成されたスリット状の切欠き１７がその幅を
広げることで、その上方に位置する部分が着用者のウェ
スト部に、また下方に位置する部分が脚部にそれぞれ追
従し、フィット感を常に保って良好な使用感を与えると
ともに、屈んだり立ち上がったりする動作を繰り返して
もずり落ちるようなことがない。

【００２０】さらに切欠き１７を通して空気の流通が行
われるので、サイドバンド１３，１３’を構成している
弾性シートの通気性の不足が補われ、この面でも使用感
の向上が得られる。

【００２１】サイドバンドに形成される切欠きの形状
は、図１に示したような単一のスリットのほか、図４
（Ａ）に示すように、連結部１４を避けて、各弾性シー
ト１３Ａ，１３Ｂに独立したスリット状の切欠き２１を
設けたものであってもよい。あるいは図４（Ｂ）に示す
ように、適当な幅および長さのほぼ菱形の開口２２を設
けてもよく、また図４（Ｃ）に示すように、楕円もしく
は長円形の切欠き２３を設けてもよい。

【００２２】

【考案の効果】以上に説明したように本考案のテープレ
ス形吸収体製品においては、本体の前見頃部分と後見頃
部分とがその両脇部でサイドバンドを介して連結されて
いるとともに、このサイドバンドにこれを上下方向に分
割する切欠きが設けられている。この切欠きは、サイド
バンドの上側部分と下側部分とが互いに干渉することな
く身体の動きに追従することを許容し、したがって漏れ
防止性能の向上と、使用感の改善が得られる。また切り
欠きを通して空気が流通できるので、通気性に乏しい弾
性シートの欠点が解消し、これも使用感の向上に寄与す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例によるテープレス形吸収体製
品を示す斜視図。

【図２】図１の吸収体製品を展開した状態を示す展開平
面図。

【図３】図１の吸収体製品のサイドバンドを構成する弾
性シートの部分縦断面図。

【図４】（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）は本考案の他の実施例
による吸収体製品に用いられたサイドバンドを示す斜視
図。

【符号の説明】

１１本体１１Ａ股下区域１１Ｂ前見頃部分１１Ｃ後見頃部分１２凹所１３，１３’ サイドバンド１３Ａ，１３Ａ’，１３Ｂ，１３Ｂ’ 弾性シート１４連結部１５ウェストホール１６レッグホール１７，２１，２２，２３切欠き３１シート状弾性体３２，３３不織布３４結合部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平２−4364（ＪＰ，Ａ) 特開平４−35663（ＪＰ，Ａ) 特開昭62−268802（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ウェストホールおよび２つのレッグホー
ルを有する本体を備え、前記本体は、その前身頃部分と
後身頃部分とが各々の両側部において弾性シートからな
るサイドバンドを介して連結されており、前記サイドバ
ンドに切欠きが形成され、前記切欠きは、その下側部分
において前記サイドバンドの縦方向の伸張を許容するよ
うに、前記サイドバンドの上縁よりも下縁に近い位置で
横方向に延びていることを特徴とするテープレス形吸収
体製品。
【請求項２】前記切欠きが、１または複数のスリット
である請求項１に記載のテープレス形吸収体製品。
【請求項３】前記スリットが、前記サイドバンドの前
側端部から後側端部に達するように延びている請求項２
に記載のテープレス形吸収体製品。
【請求項４】前記切欠きが、その中央部で所定の幅を
有する開口である請求項１に記載のテープレス形吸収体
製品。
【請求項５】前記ウェストホール周縁に沿ってウェス
トギャザーが、また前記レッグホール周縁に沿ってレッ
グギャザーがそれぞれ設けられている請求項１〜４のい
ずれか１項に記載のテープレス形吸収体製品。