JP2606672B2 - 光ディスク高速シーク方法 - Google Patents

光ディスク高速シーク方法

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JP2606672B2
JP2606672B2 JP23876494A JP23876494A JP2606672B2 JP 2606672 B2 JP2606672 B2 JP 2606672B2 JP 23876494 A JP23876494 A JP 23876494A JP 23876494 A JP23876494 A JP 23876494A JP 2606672 B2 JP2606672 B2 JP 2606672B2
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  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)
  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクに設けられ
た多数のトラック中から所望の目標トラックを検索する
高速シーク方式に係り、特に粗アクチュエータと精アク
チュエータを用いて光スポットを所望の目標トラックに
位置決めする光ディスク高速シーク方式に関する。
【0002】
【従来の技術】高記録密度の回転記録媒体に情報を記
録、再生する、又は必要に応じて消去可能に構成した情
報記録装置として光ディスク記録装置が開発されてい
る。
【0003】回転記録媒体である光ディスクには、同心
円状又はスパイラル状に一定のピッチで多数のトラック
が設けられ、これらトラックにはそれぞれデータの区切
りを示すためのセクタが各トラック毎に多数設けてあ
る。外部からの情報を任意の位置に記録し、あるいは任
意の位置の情報を再生もしくは消去するには、まずディ
スク面上の多数のトラック中から1つのトラックをさが
し出し、このトラック上の1つのセクタを見つけるとい
うアクセス動作(シーク動作)が必要である。つまり、
目標のトラックの近傍へ光スポットを高速で移動させる
粗シーク制御と、トラックの中心上に光スポットを維持
するトラック追従制御と、目標トラックとのずれを補正
する精シーク制御(ジャンプ制御)とが必要である。か
かる光ディスク記憶装置におけるアクセス動作について
は、特開昭58−91536号及び特開昭58−169
370号に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この光ディスク記憶装
置では、光ヘッドを移動させるためのリニアモータ等の
粗アクチュエータと、光ヘッドに搭載されたカルバノミ
ラーあるいは対物レンズを駆動するボイスコイル等の精
アクチュエータとによって光スポットの位置決めを制御
している。
【0005】すなわち、記録再生用の光ヘッドを、リニ
アモータなどの粗移動機構により、光ディスク上のトラ
ックにたいして、概略位置決めを行う(粗シーク制
御)。このとき位置検出器として、ベースに固定された
光学式リニアスケールなどの外部スケールを用いる。な
お、外部スケールのスケールピッチはトラックピッチの
整数倍にする。この粗シーク動作の整定完了後、一旦ト
ラック追従動作を行い、その場所のトラックアドレスを
読みとり、目標トラックとのずれを求める。目標トラッ
クとのずれを補正するため、光ヘッドに搭載されたガル
バノミラなどの精移動機構により、トラックごとのジャ
ンプを繰り返し行い、光スポットを目標トラックまで移
動させる(精シーク制御)。
【0006】光ディスク装置のアクセス時間は、記録再
生用の光スポットを目標トラックまで移動させるシーク
時間と、ディスクの回転待ち時間の和である。このう
ち、回転待ち時間はシステムの転送レートなどから決め
られることが多いので、アクセス時間を短縮するには、
シーク時間を短縮する必要がある。
【0007】特に、高速シークの場合には、粗シークの
移動に要する時間に比較して整数時間が長くなり、無視
できない値となる。また、ディスクの回転速度が速く、
ディスクの偏心が大きくなると、トラック追従サーボ系
が起動してもトラック外れが起こり、実際にトラック追
従が始まるまでの時間が問題となる。
【0008】以上は、粗シークと精シークの二段階にわ
けて行う二段階シーク方式について説明したが、他のシ
ーク方式としてクロストラックと呼ばれる方式がある。
このクロストラック方式は、上記の特開昭58−915
36号に開示されているようにトラックを横ぎるたびに
出力されるトラック通過パルスの数を計数し、粗アクチ
ュエータを用いて光ヘッドを目標トラックに位置決めす
るものであるが高速シークの場合には、ディスクに書か
れているヘッダやデータ信号が、トラックずれ信号に混
入し、その帯域がトラック通過パルスの帯域と重なるた
め、トラック数の誤計数が発生し、目標トラックに正し
く位置決めすることができず、高速の移動には適してな
い。
【0009】クロストラックシーク方式では、トラック
ずれ誤差信号と反射光量信号をパルス化してパルスの数
と移動方向を知る必要がある。トラックずれ誤差信号は
零レベルを中心とした信号であり、パルス化するのは容
易であるが、反射光量信号はDCオフセットを持った信
号であり、光ディスクの反射率がディスクの半径方向で
変化したり、記録再生用レーザの出力が変化したり、光
ディスク盤を取り変えたりすると、信号の振幅やDCレ
ベルがともに変化する。また、高速でクロストラックシ
ークを行なう場合には、サーボ信号系の帯域制限のた
め、信号振幅が低下する。そのため、反射光量信号をパ
ルス化するスライスレベルの値が不適当となり、移動方
向判定をまちがえて、トラック数の誤計数が発生し、光
スポットを目標トラックに正しく位置決めすることがで
きなかったり、記録再生ヘッドが暴走する可能性もあっ
た。
【0010】本発明の目的は、以上のような問題点を解
決することであり、とくに、反射光量信号の変動に対し
てもスライスレベルを適切に設定することができ、移動
方向判定が正確で、トラック数を正確に計数でき、光ス
ポットを目標トラックに正し く位置決めすることができ
る光ディスクのシーク方法を提供することを目的とす
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に任意に適用可能
な付加的な構成としては、二段階シーク方式では、粗シ
ークの整定完了まで待つ必要があるから時間がかかるの
で、待たなくても以後の動作に影響しないようにすれば
よい。
【0012】本発明に任意に適用可能な付加的な構成と
しては、比較的短いストロークの移動を、精移動機構に
よるクロストラック制御を用いて行う。すなわち、高速
性に優れた精アクチュエータを用て、トラック通過の数
を計数しながら光スポットを移動させて、比較的短いス
トロークの移動を高速で行う。本発明で用いる精移動機
構によるクロストラックシークは、粗移動機構による整
定動作よりも高速ではあるが、ディスクに記録されてい
るヘッダやデータ信号の帯域とトラックを横ぎるためび
に出力されるトラック通過パルスの帯域とが重なる程は
高速でないため、信号の分離ができ、トラック数は正し
く計数されるので、光スポットを正しく目標まで高速に
移動させることができる。
【0013】本発明に任意に適用可能な付加的な構成に
おいて、精移動機構によるクロストラックシークでは、
光ディスクの偏心にかかわらず、光ディスク上のトラッ
ク位置に対する相対速度で移動するので、クロストラッ
ク移動後の光ディスク上のトラックと光スポットとの相
対速度は小さく、トラック追従動作を起動した時にトラ
ックはずれがおこりにくく、しかも実際のトラック追従
動作が始まるまでの時間を短くできる。
【0014】本発明に任意に適用可能な付加的な構成と
しては、二段階シーク方式において、粗移動機構がリニ
アエンコーダ等の外部スケールを参照しながら粗シーク
動作の目標から微小量だけ手前に到着して整定動作に入
って以降、上述の精移動機構によるクロストラックシー
クと、粗移動機構による粗シークとが同時に動作し、該
微小量に対してリニアエンコーダの丸め誤差を補正した
距離(ストローク)に相当するトラック数だけ光スポッ
トを移動させる。すなわち、粗シークが整定動作にはい
って以降は、粗移動機構と精移動機構が同時に協動して
光スポットを移動することになる。
【0015】この精移動機構によるクロストラック動作
の完了後、一旦トラック追従動作を行い、その場所のト
ラックアドレスを読んで目標トラックまでのずれを求め
る。そのずれに応じて精移動機構による位置修正(ジャ
ンプ制御)を行なって目標トラックに光スポットを位置
決めする。
【0016】本発明に任意に適用可能な付加的な構成と
しては、精移動機構による整定時クロストラックシーク
において、上記微小量に対してリニアエンコーダの丸め
誤差を補正するに際して、さらに光ディスクの偏心量を
補正する。これによれば、整定数クロストラックシーク
の完了後の光スポット位置は、目標トラックに相当近い
ものとなり、次の段階の精シーク動作(ジャンプ制御)
による修正距離が小さく、精シーク時間をさらに短くで
きる。
【0017】また、本発明では、移動方向を知るために
反射光量信号(反射光量信号としては、例えば2分割の
光検出器を用いてトラッキング信号を形成している場合
には、この2分割の光検出器の出力の総和である総トラ
ッキング光量信号を用いることが出来る)を正しくパル
ス化する手段を与えるとともに、反射光量信号が安定に
得られる領域のみ、移動方向判定を行なうようにしてい
る。
【0018】本願発明の要旨は、反射光量信号のパルス
化については、反射光量信号の上側、下側エンベロープ
のうち、トラッキング中の反射光量信号の平均レベルに
近い側のエンベロープを求め、反射光量信号から減算し
たあと、事前にわかっている反射光量信号の最小振幅よ
り小さいスライスレベルでパルス化する。さらに、クロ
ストラックシークで移動し目標までの偏差がある設定値
よりも小さくなった時以降のみ、反射光量信号による移
動方向判定を行なうようにすることにある。
【0019】
【作用】本発明に任意に適用可能な追加的な構成では、
粗シークが整定動作にはいって以降は、粗移動機構と精
移動機構が同時に移動することになる。この場合は精移
動機構による整定時クロストラックシークは、粗移動機
構による整定動作により高速であるため、整定時間を短
縮できるが、ディスクに書かれているヘッダやデータ信
号の帯域と、トラックを横ぎるたびに出力されるパルス
の帯域とが重なる程は高速でないため、信号の分離がで
き、トラック数は正しく計数される。さらに、前述のよ
うにクロストラック方式の特徴として、移動後の光ディ
スク上のトラックと光スポットとの相対速度が小さいの
で、粗シーク後にトラックアドレスを読むためにトラッ
ク追従サーボ系が起動した時にトラックはずれが起こり
にくく、トラック追従動作が始まるので時間も短くてす
む。
【0020】本発明に任意に適用可能な追加的な構成で
は、また、リニアエンコーダの量子化誤差以外の粗シー
クで発生する誤差を精移動機構による整定時クロストラ
ックシークで補正しているから、整定時クロストラック
シーク完了後の位置は目標トラックに相当近いものであ
る。そのため、次の段階の精シークによる修正距離が小
さく、精シーク時間が短くてすむ。
【0021】本願発明の構成によれば、反射光量信号
は、光スポットがディスクのトラッキング溝中にあると
き最も光量が減るから、溝中をトラッキングするように
構成された光ディスク装置では、トラッキング中の反射
光量信号の平均レベルは、クロストラック中の反射光量
信号の下側レベルに近い。そこで、クロストラック中の
反射光量信号の下側エンベロープを検出して反射光量信
号から減算した信号を作ると、もともとの反射光量信号
のDCレベルに関係なく、つねに下側エンベロープが零
レベルと一致した信号が得られる。この信号を、反射
量信号の最小振幅より小さい正のスライスレベルでスラ
イスすれば、反射光量信号の振幅やDCレベルに影響さ
れない。
【0022】
【実施例】二段階シーク方式をシーク時間の面からみる
と図1のように、トータルシーク時度は、粗シークの
移動に要する時間、粗シークの位置決め精度がリニア
エンコーダの1ピッチ内に入るまでの整定時間、トラ
ック追従サーボ系が起動して実際にトラック追従が始ま
るまでの時間、精シークの移動に用する時間、の総和
であるが、高速シークの場合には、粗シークの移動に要
する時間に比較して整定時間が長くなり、無視でき
ない値となる。また、ディスクの回転速度が早くディス
クの偏心が大きい場合には、粗シーク後の光ディスク上
のトラックと光スポットとの相対速度が大きくなること
があり、粗シーク後にトラックアドレスを読むためにト
ラック追従サーボ系が起動してもトラックはずれが起こ
り、実際にトラック追従動作が始まるまでの時間が長
くなる。
【0023】また、位置決め精度についても、リニアエ
ンコーダの分解能がトラックピッチに比較してわるいた
め、丸め誤差や量子化誤差が発生するだけでなく、ディ
スク回転時の偏心のため粗シーク中に目標位置自体が移
動するためのずれがあり、粗シーク後のスポットの位置
は正しい目標位置からずれてしまう。このため、次の段
階の精シークによる修正距離が大きくなり、精シーク時
間が長くかかる。
【0024】本発明の参考例では、高速性に優れた精移
動機構によるクロストラックシークを用いて、トラック
通過の数を計数しながら光スポットを移動させるととも
に、粗移動機構と精移動機構とを協動させて光スポット
を目標トラックへ向けて光スポットを移動させることに
より、比較的短いストロークの移動を高速で行う。
【0025】この場合の精移動機構によるクロストラッ
クシークは、粗移動機構による整定動作より高速である
ため、整定時間を短縮できる。しかも、ディスクに書
かれているヘッダやデータ信号の帯域と、トラックを横
ぎるたびに出力されるパルスの帯域とが重なる程は高速
でないため、信号の分離ができ、トラック数は正しく計
数される。さらに、前述のようにクロストラック方式の
特徴として、移動後の光ディスク上のトラックと光スポ
ットとの相対速度が小さいので、粗シーク後にトラック
アドレスを読むためにトラック追従サーボ系が起動した
時にトラックはずれが起こりにくく、トラック追従動作
が始まるまでの時間も短くできる。
【0026】また、リニアエンコーダの量子化誤差以外
の粗シークで発生する誤差、例えばディスクの偏心によ
る誤差を精移動機構によるクロストラックシークで補正
することにより、クロストラックシーク完了後の位置は
目標トラックに相当近いものとすることができ、次の段
階の精シーク動作(ジャンプ制御)による修正距離が小
さく、精シーク時間を短くすることができる。
【0027】まず、光ディスク上での光スポットの位置
を正確に検出するために、ディスクからの反射光量又は
透過光量を示す光量信号とトラッキング信号とから、光
スポットがトラックを通過するときの方向とトラックを
通過したことを表わす信号(トラック通過パルス)を作
成する方法について説明する。
【0028】図2(a)において、光ヘッドの光源から
出射された光線は対物レンズ(図示されない)によって
集光され、ディスク状の透明基板1、案内溝3を構成す
るUV樹脂4を通って記録膜2上にスポット5を形成す
る。光ディスク10は、回転軸を中心にモータによって
回転しており、またこの光ディスク10には、径方向に
間隔をおいて回転方向に延在する予め形成された位相構
造の案内溝3が設けられている。この案内溝の各回転が
複数のセクタに分割されてなり、該セクタの各々が、当
該セクタを識別するためのトラックアドレス、セクタア
ドレスを含むヘッダ信号を予め凹凸ピットで形成された
ヘッダ一部と、該ヘッダ一部に引き続くデータ部を有す
る。案内溝3は、データ部に情報を記録、再生又は消去
する光スポット5をして光学的な案内として作用する。
情報の記録は記録すべき情報に応じて強度変調された光
スポット5によって、案内溝上に、あるいは案内溝間の
平坦部(ランド部)に案内溝3に沿って行われる。従っ
て、トラック中心は、案内溝上に情報を記録する場合
は、案内溝3の中心線に一致し、案内溝間に記録する場
合は、隣接する2つの案内溝間の中心線に一致する。
尚、案内溝間の平坦部に情報を記録する場合は、ヘッダ
ー信号も案内溝間の平坦部に予め凹凸ピットで予め形成
しておく。これらヘッダーピットの光学的深さは、光ス
ポット5を形成する光束の波長λの1/4が好適であ
り、案内溝3の光学的深さはλ/8が好適である。な
お、図2(a)にはヘッダーピットは図示されていな
い。記録膜102としては、記録方式に応じて種々のも
のが用いられ、例えば穴明け記録では、TbTeSe膜
が、光磁気記録ではTbFeを主組成とする垂直磁化膜
が用いられる。
【0029】対物レンズの開口数NA(Numerical Aper
ture)を0.50,光源の波長λを830nmとする
と、光スポット5のサイズ(強度1/e2になる直径)
は1.6μm程度となる。ディスク上に作成された案内
溝3のピッチを1.6μmとするとこのスポットが矢印
の方向(ディスクの半径方向)に移動するにつれて、ト
ラック中心とスポット中心とのズレを表わすトラッキン
グ信号52は図2(b)のように変化する。この信号5
2の作成方法については、特開昭49−50954号に
開示された2つのスポットを用いた方法、及び特開昭4
9−94304号に開示されたスポットウォーブルの方
法、及び特開昭50−68413号に開示されたトラッ
クウォーブルの方法、及び特開昭49−60702号に
開示された回折光を用いた方法等がある。これら方法に
ついては、前述の特開昭58−91536号に詳述され
ている。
【0030】またスポットが矢印に方向に移動するとデ
ィスクからの反射光量は図2(c)のように変化する。
反射光量は案内溝3の中心で最も小さくなり、案内溝間
の中心で最も大きくなる。反射光量を光検出器で検出
し、電気信号に変換した信号51はトラッキング信号5
2とは周期が等しく、位相が90°シフトした関係があ
る。なお、反射光量を示す信号51は、ディスクに記録
された情報信号を検出するためにも使用される。トラッ
キング信号52はトラック中心では零となり、光スポッ
トがトラックの右側、左側(ディスクの外周側、内周側
に対応する)にあるかによって極性が異なる。この特徴
を使用してトラックの通過方向を知ることが出来る。例
えば、上記の特開昭58−91536号において開示し
た回路構成によれば、光スポットがトラックを内側から
外側に通過するたびにパルスを発生するプラス方向エッ
ジ信号54と、光スポットがトラックを外側から内側に
通過するたびにパルスを発生するマイナス方向エッジ信
号53を形成する。これらエッジ信号53,54をトラ
ック通過パルスとして用いて、クロストラックシールの
コントロールに必要となる目標トラックまでの残余のト
ラック数を知ることが可能となる。例えば、図3の回路
において、アクセスの方向を示すアクセス極性信号56
を外側から内側に向ってアクセスする場合に論理レベル
の“0”に対応させる。すると論理素子97〜103か
らなる論理回路によって、プラス方向エッジ信号54が
カウンタ104のUP端子に選択されて入力され、マイ
ナス方向エッジ信号53がカウンタ104のDown端
子に選択されて入力される。
【0031】また、カウンタ104にはクロストラック
シーク開始時に目標トラックまでの差の絶対値55がロ
ードされている。光スポットが外側から内側に向って移
動を開始すると光スポットがトラックを外側から内側に
向って横切るたびにマイナス方向エッジ信号53にパル
スが発生し、カウンタ104の内容を減少させてゆく。
また、光スポットが何らかの理由で途中で戻ってきて、
内側から外側に向ってトラックを横切るとプラス方向エ
ッジ信号54にパルスが発生し、カウンタ104の内容
を増加させて、クロストラックシーク中の残余のトラッ
ク数の正確な絶対値57を出力する。カウンタ104の
内容が零になるとカウンタ104のBR端子より、カウ
ンタ104内の内容が零になったことを示すパルスAが
発生する。このパルスAを認知することにより、光スポ
ットが目標案内溝のエッジに到達したことを知ることが
出来る。
【0032】図3に示したクロストラックパルス発生回
路202及びクロストラックカウンタ203の構成は上
述した特開昭58−91536号に開示されており、公
知のものであるので、その詳細な説明は省略する。尚、
図3の回路構成では、光スポットが案内溝のエッジを通
過する毎に、エッジ信号53又は54を発生させ、それ
をクロストラックパルスとして用いているが、光スポッ
トが案内溝の中心を通過する毎にトラック通過パルスを
発生させてクロストラックパルスとして用いてもよい。
溝間記録を行う場合は、光スポットが案内溝の中心を通
過する毎に出力するトラック通過パルスをクロストラッ
クパルスとして用い、案内溝上に記録を行う場合は光ス
ポットが案内溝のエッジを通過する毎に出力するエッジ
通過パルスをクロストラックパルスとして用いるのが好
適である。
【0033】また、図3の回路構成では目標トラックま
でのトラック数の絶対値55と、アクセスの方向を示す
アクセス極性信号56とを別々に与え、プラス方向エッ
ジ通過パルス54及びマイナス方向エッジ通過パルス5
3を、カウンタ104のUP端子及びDown端子にア
クセス極性信号に応じて切換えて入力しているが、目標
トラックまでのトラック数の絶対値とアクセス方向とを
いっしょにした値SLをカウンタ104に与えることも
できる。例えば、外側から内側に向かってアクセスする
場合に、プラスの値を与え、逆に内側から外側に向かっ
てアクセスする場合にマイナスの値を与えるとすると、
プラス方向エッジ通過パルス54をカウンタ104のU
P端子に入力し、マイナス方向エッジ通過パルス53を
カウンタ104のDown端子に入力すればよく、論理
素子97〜103からなる論理回路は不要となる。光ス
ポットが案内溝の中心を通過する毎にトラック通過パル
スを発生させるクロストラックパルス発生回路202の
具体的回路例を図4に示す。トラッキング信号52はコ
ンパレータ97で零レベルと比較され、零レベルより大
きければ論理レベルが“1”となり、他の場合には
“0”となる。この出力信号90を単安定マルチバイブ
レータ94に入力して信号90の立ち下りから一定幅の
パルスを作成することにより、トラッキング信号52を
零レベルでパルス化してトラック通過パルス92を得
る。
【0034】このトラック通過パルス92は論理積をと
るAND回路95と96のそれぞれの端子に入力され
る。また、AND回路95と96のそれぞれの残る端子
には、反射光量の信号51をコンパレータ93に入力し
て電圧E1と比較して得られるトラック通過方向信号9
1と、このトラック通過方向信号91を反転回路98に
よって反転した信号がそれぞれに入力され、光スポット
が案内溝の中心を外側から内側に通過するごとにパルス
を発生するダウンパルス信号53と、光スポットが案内
溝を中心を内側から外側に通過するごとにパルスを発生
するアップパルス信号54を出力する。これらアップ、
ダウンパルス信号54,53は、カウンタ104のアッ
プ端子UP、ダウン端子Downにそれぞれ入力され、
カウンタ104の内容をカウントアップ、カウントダウ
ンするようになっている。カウンタ104の内容が零に
なると、カウンタ104のBR端子より、カウンタ10
4の内容が零になったことを示すパルスAが発生する。
【0035】上述したエッジ通過パルスあるいはトラッ
ク通過パルス等のクロストラックパルス53,54を使
用することによって、クロストラックシークのコントロ
ールに必要となる、光ディスク上のトラックと光スポッ
トとの相対速度を知ることが出来る。例えば、図5の回
路図において、マイナス方向エッジ信号53を周波数−
電圧変換器105に入力し、プラス方向エッジ信号54
を周波数−電圧変換器106に入力する。トラックピッ
チをp、トラック通過の速度の絶対値をvとすると、ト
ラックを通過するたびにトラックのエッジで発生するパ
ルス列の周波数fは、以下の式で与えられる。
【0036】
【数1】 f=v/p …(1) 従って、この周波数を知ることによって、光スポットが
トラックを通過する速度の絶対値を知ることが出来、通
過する方向はエッジ信号53,54の符号によって知る
ことが出来る。この符号とアクセス方向の極性信号56
を用いて、目標速度信号との比較に好適な速度の絶対値
信号111を作成する。図5に示した速度検出回路の構
成は、上述した特開昭58−91536号に開示されて
おり、公知のものである。なお、通過する方向の情報を
もった速度信号を検出する場合は、差動増幅器107の
出力を用いればよい。
【0037】次に、クロストラック制御(速度制御)か
らトラック追従制御(位置制御)に切り換えるタイミン
グを作成する手順について説明する。目標点(トラッキ
ング誤差信号の零点)を原点とする正弦波としてトラッ
キング誤差信号を表現すると、安定に動作を行なうタイ
ミング(位置制御開始の)は実験によれば、目標点に近
い十極性、一極性のピーク点の間(正弦波の位相で表現
すれば±π/2の間)であり、好適には、原点を対称点
とする線形領域が良い。しかも、目標トラックの零点を
通過する前のエッジ部分で動作させることが必要とな
る。以上を考慮すると、目標トラックにディスク内側か
ら外側へと近づくときには、目標トラックの1つ手前の
トラックの零点を通過して、次の正のピーク点を通過し
た後に位置サーボ系をONにすればよい。また逆に目標
トラックにディスク外側から内側へと近づくときには、
目標トラックの1つ手前のトラックの零点を通過して次
の負のピーク点を通過した後に位置サーボ系をONす
る。
【0038】このためには、目標トラックの線形領域を
知るタイミング信号が必要となる。そこで、図3を用い
て説明したカウンタ104のBR出力(カウンタ内容5
7が零となったときに出力される信号)Aを用いる。
【0039】これは、トラック中心を案内溝の中心とす
る場合であるが、案内溝間の中心をトラック中心とする
溝間記録の場合には、図4を用いて説明したカウンタ1
04のBR出力Aを用いる。
【0040】次に、アクセス動作(シーク動作)を行う
全体システムを説明する。図6は、本発明を光ディスク
記憶装置に適用した一実施例を示すブロック図である。
ディスク半径全面に渡る粗い位置決め用の粗移動機構と
しては、光ヘッド全体を移動させるリニアモータを用
い、微小範囲を追従する高応答性の微小位置決め用の精
移動機構としては、光ヘッド内に搭載されたガルバノミ
ラー又はピボットミラーを用いた場合につき説明する
が、本発明は何ら本実施例の構成に限定されるものでは
ない。
【0041】光ディスク10は、回転軸6を中心にスピ
ンドルモータ7によって回転している。光ヘッド20に
搭載された光源(半導体レーザ)301より出た光ビー
ムは、ガルバノミラー208で反射され、対物レンズ3
06で絞られ、光ディスク10上のトラック(案内溝
3)に投射される。光ヘッド20は、ベース309の上
をコロ301の回転に従って光ディスクの半径方向に移
動する。また、光ヘッド20は、リニアモータ314に
よって駆動される。光ディスクからの反射光は、光検出
器307で光電変換され、光スポット制御信号検出およ
び情報再生回路150に送られ、トラックずれ誤差信号
(トラッキング借号)52と反射光量を示す信号51が
検出される。反射光量の信号51は、データ情報の再生
のために用いられ、サーボ制御回路450に送られ光デ
ィスク10に記録されているデータ情報(ヘッダー情報
を含む)が複調される。なお、光ヘッド20には、焦点
ずれ検出光学系が設けられ、焦点誤差信号も検出される
が、本発明には直接関係しないので省略した。焦点ずれ
検出系の一例がV.S.Pat4,450,547号に
開示されている。また、トラックずれ誤差信号の検出法
も種々のものが公知であり、例えばV.S.Pat4,
525,826号に開示された、回折光を用いたプッシ
ュプル法が好適である。
【0042】トラックずれ誤差信号52は、トラッキン
グ制御回路350に入力され、精追従制御信号Rと、粗
追従制御信号Gが出力される。このとき、サーボ制御回
路36は、精アクチュエータ駆動モードスイッチ回路5
0と粗アクチュエータ駆動モードスイッチ回路40をト
ラック追従モードとし、これより、精追従制御信号Rは
精アクチュエータドライバ305を介してガルバノミラ
308を駆動し、光スポットがトラック中心を追従する
よう光スポットの照射位置を制御する。一方、粗追従制
御信号Gは、粗アクチュエータドライバ211を介して
リニアモータ314を駆動し、光ヘッド20を光ディス
ク10の半径方向に移動させ、ガルバノミラー308と
リニアモータ314とが協動してトラック追従動作が行
なわれる。これは2段階トラッキングサーボシステムと
よばれ、上述した特開昭58−91536号に開示され
ている。なお、粗追従制御信号Gは、特開昭58−91
536号に開示されているように、精追従制御信号Rを
電気的にシミュレートすることにより、あるいは、ガル
バノミラーの偏向角を直接検出することにより得られ
る。
【0043】このような追従制御の状態にあるとき、図
示されていない上位の制御装置から、サーボ制御回路4
50にアクセスすべき目標アドレス情報OAが送られ、
アクセス動作(シーク制御)が起動される。すると、サ
ーボ制御回路450は、反射光量の信号51から現在ト
ラックアドレスを読み取り粗シーク移動量Nを計算し粗
シーク制御回路400に送る。と同時に、サーボ制御回
路450は、精アクチュエータ駆動モードスイッチ回路
50をOFFにする、あるいは特願昭60−54444
号で提案したようにロックモードとし、一方、粗アクチ
ュエータ駆動モードスイッチ回路40を粗シークモード
とする。粗アクセス制御回路400出力Hは、粗アクチ
ュエータ駆動モードスイッチ40と粗アクチュエーレド
ライバ211を介してリニアモータ314を駆動し、光
ヘッド20を光ディスク10の半径方向に高速移動させ
る。光ヘッド20の粗シーク位置信号Kは、リニアエン
コーダ60によって検出され、粗シーク制御回路400
にフィードバックされており、光ヘッド20は粗シーク
移動目標に位置決めされる。なお、粗シーク制御回路4
00には、サーボ制御回路450から所定の値Sが与え
られており、粗シークの偏差が値Sより小さくなると粗
シーク制御回路400は、リニアモータ314を減速か
ら整定に切り替え、粗シーク制御が整定動作に入ったこ
とを示す信号NLをサーボ制御回路450へ送る。サー
ボ制御回路450は、リニアエンコーダ60のスケール
ピッチでSに対応するトラック数に対し、リニアエンコ
ーダの誤差を補正したトラック数SLを計算し、クロス
トラック制御回路200に出力する。さらに、サーボ制
御回路450は、精アクチュエータ駆動モードスイッチ
回路50をクロストラックシークモードとする。クロス
トラック制御回路200には、トラックずれ誤差信号5
2と反射光量信号51が入力され、両信号からクロスト
ラックパルスを得て、トラック通過の数を計数しながら
クロストラック制御回路200の出力Iにより精アクチ
ュエータ駆動モードスイッチ回路50と精アクチュエー
タドライバ305を介してガルバノミラー308を駆動
し、光スポットを移動させる。従って、本実施例では、
粗シークが整定動作にはいって以降は、ガルバノミラー
308とリニアモータ314が同時に協動して光スポッ
トを移動することになる。
【0044】クロストラック制御回路200からクロス
トラックシーク終了信号Aがサーボ制御回路36に送ら
れると、サーボ制御回路450は、精アクチュエータ駆
動モードスイッチ回路50と粗アクチュエータ駆動モー
ドスイッチ回路40をトラック追従モードとし、再び上
述の2段階トラッキングを行う。サーボ制御回路450
は、信号51から現在トラックアドレスを読み取り、目
標アドレス情報OAとの誤差である精シーク移動量Jを
計算し、精シーク制御回路250に送る。25に、サー
ボ制御回路450は、粗アクチュエータ駆動モードスイ
ッチ40をトラック追従モードとし、粗追従制御信号G
を粗アクチュエータドライバ211に接続する。精シー
ク制御回路250は、精アクチュエータ駆動モードスイ
ッチ回路50をトラック追従モードと精シークモードの
間で繰り返し切り換え、精アクチュエータ駆動モードス
イッチ回路50が精シークモードにあるときトラックジ
ャンプパルス信号Dを出力し、精アクチュエータドライ
バ305を介してガルバノミラー308を駆動して、光
スポットがトラックを1本あるいは複数本ずつ横切るよ
うにジャンプ動作を繰り返し、各ジャンプ毎にトラック
追従動作を行ないながら、光スポットを目標トラックに
正しく位置決めする。
【0045】図6の実施例の動作を、図7を用いて詳細
に説明する。図7は、図6の実施例における制御回路部
を示すブロック図である。
【0046】移動トラック数をリニアエンコーダ60の
スケールピッチで変換した値Nを粗シーク移動量カウン
タ403に書き込む。
【0047】たとえば、移動トラック数M=10008
で、リニアエンコーダのスケールピッチL=32μm、
トラックピッチp=1.6μmの場合、
【0048】
【数2】
【0049】であるから、整数化して、
【0050】
【数3】 N=500 …(3) を粗シーク移動量のカウンタ403に書き込む。このと
き丸め誤差Eは0.4である。
【0051】この粗シーク移動量カウンタ403は、リ
ニアエンコーダのスケールピッチ毎に移動方向に応じて
出力されるアップ、ダウンパルス信号Kup,Kdow
nによってカウントアップ、カウントダウンされる。
【0052】この粗シーク移動量カウンタ403の値で
ある粗シーク偏差411に応じて、粗シーク制御ドライ
ブ回路410の出力Hはスイッチ40を介してリニアモ
ータのドライバ211を駆動する。このときスイッチ4
0の出力はシーク、トラック追従切替信号A′によって
シーク側Hに接続されている。なお、粗シーク制御ドラ
イブ回路410は、速度検出回路、目標速度カーブ発生
回路、D/Aコンバータ及び差動増幅器から構成され
る。すなわち、粗シーク移動量カウンタ403からの粗
シーク偏差411は、目標速度カーブ発生回路に入力さ
れ、偏差量に応じて最適な目標速度信号が出力される。
通常、最適速度は位置の平方根に比例するものが良いと
されている。ここでは、カウンタ403の出力がディジ
タル的に与えられているため、ROMにあらかじめ平方
根のテーブルを記憶しておき、目標位置までの偏差41
1に応じて目標速度信号をディジタル的に出力する。こ
の目標速度信号をD/Aコンバータに入れ、アナログ量
に変換し、差動増幅器の一方の入力に入れる。もう一方
の入力には速度検出回路からの速度信号が入力され、差
をとられる。この差の出力は、目標速度と実動速度の差
となる。これが、粗シーク制御ドライブ回路410の出
力Hとなる。
【0053】粗移動機構により光ヘッドが移動して粗シ
ーク偏差411が小さくなり、あらかじめ決められた値
Sとなると、粗シーク制御ドライブ回路410が粗移動
機構を減速から整定に切り替える。この機能は粗シーク
制御ドライブ回路410に含まれている速度指令特性に
よるもので、従来より良く知られている方式であり本発
明の目的ではない。
【0054】また、粗シーク偏差411が値Sと一致し
たことが比較器420で検出されると、その出力NLが
サーボ制御回路に送られ、リニアスケール60のピッチ
でSに反応するトラック数と、リニアスケールのピッチ
のための丸め誤差Eを補正した値SLが計算され、クロ
ストラックカウンタ203に書き込まれる。
【0055】たとえば、リニアスケールのヒッチL=3
2μmで、光ディスクのトラックピッチp=1.6μ
m、S=4 E=0.4の場合
【0056】
【数4】
【0057】の値がクロストラック数カウンタ203に
書込まれる。
【0058】光検出器の出力からトラックずれ信号と光
量信号を検出する光スポット位置決めセンサ140の出
力はディスクに書かれているヘ々ダやデータ信号の影響
を除去するための低域フィルタ141,142を通って
それぞれ信号52,51となり、クロストラックパルス
発生回路202に入力される。トラックに対する光スポ
ットの移動方向に応じてクロストラックパルス発生回路
202から出力されるアップ,ダウンパルス信号54,
53によってクロストラック数カウンタ203は、カウ
ントアップ,カウントダウンされる。
【0059】このクロストラック数カウンタ203の値
であるクロストラック偏差220に応じてクロストラッ
クシーク制御ドライブ回路210の出力Iは、スイッチ
51とスイッチ52を介してガルバノミラドライバ30
5を駆動し、光スポットを粗移動機構の本来の目標まで
高速に移動させる。このとき、スイツチ51の出力は、
クロストラックシーク、トラック追従切替信号A′によ
ってクロストラックシーク側Iに接続されており、スイ
ッチ52の出力Eは、トラックジャンプ切替信号JTに
よってスイッチ51の出力側に接続されている。
【0060】なお、クロストラックシーク制御ドライブ
回路210の構成は、粗シーク制御ドライブ回路410
と同じであり、速度検出回路、目標速度カーブ発生回
路、D/Aコンバータ及び差動増幅器から構成される。
また、クロストラック終了判定回路230の出力A′を
代わりに、カウンタ203のBR出力Aを用いることも
できることは勿論である。
【0061】光スポットが粗移動機構の本来の目標に到
達しクロストラック偏差220が零となると、クロスト
ラック終了判定回路230の出力であるシークトラック
追従切替信号A′によって、スイッチ40とスイッチ5
1の接続が切替えられ、トラック追従制御回路350か
らの粗追従制御信号Gと精追従制御信号Rとがおのおの
粗移動機構ドライバ211と精移動機構ドライブ305
に加えられ、トラック追従制御が開始される。
【0062】このとき、事前に精移動機構は、クロスト
ラック制御でほぼ光ディスクの偏心の追従していたか
ら、トラック追従制御開始から、実際にトラック追従が
行なわれるまでに、ほとんど時間がかからない。
【0063】このあと、前述のようにサボ制御回路内の
情報読取り回路によって、この場所のトラックアドレス
が読みだされ、目標トラックとのずれ量Jが計算され、
精シーク制御回路(トラックジャンプ制御ドライブ)2
50の出力であるトラックジャンプ制御信号Dと、トラ
ックジャンプ切替信号JTによって、精移動機構ドライ
バ305が駆動され、目標トラックまで移動する。
【0064】本実施例においては、クロストラック制御
回路200において、上記微小量Sに対してリニアエン
コーダの丸め誤差Eを補正するに際して、さらに光ディ
スクの偏心量を補正する。すなわち、図7に図示のよう
にディスクの偏心トラック数εを検出するために、偏心
量カウンタ240を設け、このカウンタ240をアッ
プ、ダウンパルス信号54,53によってカウントアッ
プ、カウントダウンする。図6に示したように、スピン
ドルモータ7によって光ディスク10はわずかに偏心し
ながら回転し、回転角度検出器8からは、光ディスク1
0の回転角度精報Θと1回転あたり1個の基準角度イン
デックス信号IDが出力される。
【0065】偏心量カウンタ240は、基準角度インデ
ックス信号IDによって1回転ごとにリセットされるよ
うになっており、偏心量カウンタ240の出力である偏
心トラック数εと、回転角度検出器8からの回転角度情
報Θは、光ディスク装置の最初の起動時に、サーボ制御
回路450に複数回転にわたって送られ、偏心量と回転
角度の平均的な関係すなわち、
【0066】
【数5】 ε=f(Θ) …(5) が記憶される。
【0067】サーボ制御回路450は、シーク動作を行
なう直前に回転角度情報Θを初期回転角度Θ1として取
りこんだ後、移動トラック数Mをリニアエンコーダ60
のピッチLで変換した値Nを粗シーク移動カウンタ40
3に書き込む。
【0068】粗シーク偏差411が亮リニアエンコーダ
のピッチで微小量Sと一致したことが比較器420で検
出されると、そのタイミング信号NLがサーボ制御回路
450に送られ、このサーボ制御回路450は、回転角
度検出器8からの回転角度情報Θを現在回転角度Θ2
して取りこんだ後、クロストラック数カウンタ203に
微小量Sにたいしてリニアエンコーダの丸め誤差Eを補
正し、さらに、光デイスクの偏心量で補正した距離に相
当するトラック数SLを書き込む。
【0069】たとえば、リニアエンコーダピッチL=3
2μmトラックピッチp=1.6μm、微小量S=4,
リニアエンコーダの丸め誤差E=0.4で、初期回転角
度Θ1における偏心トラック数f(Θ1)=3、現在回転
角度Θ2における偏心トラック数f(Θ2)=6、の場
合、
【0070】
【数6】
【0071】の値がクロストラック数カウンタ203に
書き込まれる。
【0072】なお、ディスクの偏心トラック数εを検出
するための偏心量カウンタ240は、クロストラック数
カウンタ203で兼用することも可能である。この場合
には、クロストラック数カウンタ203の情報220を
サーボ制御回路450が読めるようにし、かつ光ディス
ク装置の最初の起動時の偏心測定の際だけ、基準角度イ
ンデックス信号IDによってクロストラック数カウンタ
203を1回転ごとにリリセットするように構成すれば
よい。
【0073】ところで、上述したようにクロストラック
パルス53,54を検出するためには、トラックずれ誤
差信号52と反射光量51をパルス化する必要がある
が、反射光量信号51については、光ディスクの反射率
が半径方向で変化したり、記録再生用レーザの出力が変
化したり、光ディスク盤を切り替えたりすると、反射光
量信号のACレベル、DCレベルがともに変化するた
め、パルス化するためのスライスレベルの値が不適当と
なり、正しいトラック数の計数が行われず、光スポット
を目標トラックに正しく位置決めすることができなくな
ることがある。そのため、光ディスクの反射率が半径方
向で変化したり、記録再生用レーザの出力が変化した
り、光ディスク盤を取り替えたりした場合でも、安定で
信頼性高くクロストラックパルスを得る必要がある。
【0074】粗シークと精シークを行う二段階の位置決
めの場合には、クロストラックによる移動量は少ないか
、反射光量信号を正しくパルス化するには、クロスト
ラックを行う付近での反射光量信号のスライスレベルが
わかればよい。反射光量信号のスライスレベルを決める
るための、反射光量信号のACレベル、DCレベルの値
は、光スポットがトラックを読切らないと観測できない
から、通常のトラック追従の状態では求められない。そ
こで、これらの値を粗移動機構による概略位置決め終了
付近での反射光量信号のACレベル,DCレベルの値か
ら決める。
【0075】ここで、反射光量信号51のスライスレベ
ルE1を決める方法について説明する。
【0076】反射光量信号のパルス化については、反射
光量信号の上側、下側エンベロープのうち、トラッキン
グ中の反射光量信号の平均レベルに近い側のエンベロー
プを求め、反射光量信号から減算したあと、事前にわか
っている反射光量信号の最小振幅より小さいスライスレ
ベルでパルス化する。さらに、クロストラックシークで
移動し目標までの偏差がある設定値よりも小さくなった
時以降のみ、反射光量信号による移動方成判定を行な
う。
【0077】反射光量信号は、光スポットがディスクの
トラッキング溝中にあるとき最も光量が減るから、溝中
をトラッキングするように構成された光ディスク装置で
は、トラッキング中の反射光量信号の平均レベルは、ク
ロストラック中の反射光量信号の下側レベルに近い。そ
こで、クロストラック中の反射光量信号の下側エンベロ
ープを検出して反射光量信号から減算した信号を作る
と、もともとの反射光量信号のDCレベルに関係なく、
つねに下側エンベロープが零レベルと一致した信号が得
られる。この信号を、反射光量信号の最小振幅より小さ
い正のスライスレベルでスライスすれば、反射光量信号
の振幅やDCレベルに影響されない。
【0078】逆に、溝と溝の間をトラッキングするよう
に構成された光ディスク装置では、トラッキング中の反
射光量信号の平均レベルは、クロストラック中の反射光
量信号の上側レベルに近い。そこで、クロストラック中
の反射光量信号の上側エンベロープを検出して反射光量
信号から減算した信号を作ると、もともとの反射光量信
号のDCレベルに関係なく、つねに上側エンベロープが
零レベルと一致した信号が得られる。この信号を反射光
量信号の最小振幅より小さい負のスライスレベルでスラ
イスすれば、反射光量信号の振幅やDCレベルに影響さ
れない。
【0079】さらに、クロストラックシークで移動して
いる時、目標までの偏差が大きい場合には、駆動信号の
極性は一定で、光スポットとトッラクとの相対移動速度
も大きく、移動開始時の移動方向のまま移動するため、
移動方向判定をしなくてもさしつかえない。偏差が小さ
くなって光スポットの絶対移動速度が小さくなると、光
ディスクの偏心のため、光スポットとトラックとの相対
移動方向が反転する場合がありうる。このような領域で
は、反射光量信号の周波数も低く、サーボ信号系の帯域
制限をうけないので、反射光量信号の振幅低下はない。
そこで、偏差がある設定値よりも小さくなった時以降の
み、反射光量信号による移動方向判定を行なうようにす
れば、正しい判定が行なわれ、光スポットを目標トラッ
クに正しく位置決めすることができる。
【0080】図8を用いて詳細に説明する。本実施例で
は、溝と溝との間をトラッキングするように構成された
光ディスク装置の例である。
【0081】図8において、光スポット位置検出回路1
50からは、トラックずれ誤差信号52と反射光量信号
51が出力される。トラックずれ信号誤差52は、パル
ス化回路97によって零レベルでパルス化されトラック
クロスパルス信号90となる。反射光量信号51から上
側エンベロープ検出回路16によって、上側エンベロー
プ信号502が作られ、反射光量信号51から減算され
て、レベル安定した反射光量信号61が作られる。この
レベル安定化反射光量信号61は、比較器62によって
事前に設定された反射光量信号の最小振幅より小さい負
のスライスレベル62でパルス化され移動方向信号9
1′となる。移動方向信号91′と起動時移動方向信号
64は、スイッチ65の選択信号66によって選択され
て方向信号91″となる。方向信号91″とインバータ
98を通った否定信号120とゲート回路95,96に
よって、トラッククロスパルス信号90はアップ、ダウ
ンパルス信号54,53に分けられ、クロストラック数
カウンタ203をカウントアップ、カウントダウンする
ようになっている。
【0082】いま、図示されていない上側の制御装置か
ら、起動時移動方向信号64と移動トラック数SLが出
力されクロストラック数カウンタ203に書き込まれ
る。トラック数カウンタ203の値であるクロストラッ
ク偏差220の絶対値は、絶対値比較回路260によっ
て設定値261と比較されるが、起動時には、クロスト
ラック偏差220の絶対値は設定値261より大きいの
で、絶対値比較回路260の出力である選択信号66は
スイッチ65を起動時移動方向信号64側に接続する。
【0083】クロストラック偏差220に応じて、クロ
ストラック制御ドライブ回路210の出力Iは、光スポ
ット位置決め機構ドライバ305を駆動し、光スポット
を目標トラックの方向に高速で移動させる。この移動方
向に応じてクロストラック数カウンタ203は、単調に
カウントアップ、もしくはカウントダウンされクロスト
ラック偏差220の絶対値は、減少してゆく。クロスト
ラック偏差220の絶対値が設定値261より小さくな
ると選択信号66はスイッチ65を移動方向信号91′
側に接続する。これによって、クロストラック数カウン
タ203は光スポットとトラックとの相対移動方向に応
じてカウントアップ、もしくは、カウントダウンされ
る。この場合には、光スポットが目標トラックを通り越
すことがあっても、相対移動方向とカウント方向が逆に
なって、クロストラック偏差220が零になるように制
御され、光スポットは目標トラックに正しく位置決めさ
れる。
【0084】本実施例では、溝と溝の間トラッキングす
るように構成された光ディスク装置の例であるが、溝上
をトラッキングするように構成された光ディスク装置の
場合でも、同様に構成できる。その場合、上側エンベロ
ープ検出回路16の代りに下側エンベロープ検出回路1
8を用いて下側エンベロープ信号504を作り、反射光
量信号51から減算して、レベル安定化反射光量信号6
1を作る。このレベル安定化反射光量信号61を、比較
器63によって事前に設定された反射光量信号の最小振
幅より小さい正のスライスレベルでパルス化して移動方
向信号91′を得ればよい。
【0085】
【発明の効果】以上述べたように本発明では、粗アクチ
ュエータによる整定動作と精アクチュエータによるクロ
ストラックシーク動作とを同時に行なうことにより、粗
シークの整定時間を短縮でき、粗シーク後にトラックア
ドレスを読むためにトラック追従サーボ系が起動した
時、実際にトラック追従動作が始まるまでの時間も短く
てすむ。また、整定時クロストラックシーク完了後の位
置は目標トラックに相当近いため次の段階の精シークに
よる修正距離が小さく、精シーク時間が短くてすみ、ト
ータルのシーク時間を短縮できる。
【0086】また、本発明では、光ディスクの高速クロ
ストラックシークにおいて、光スポットとトラックとの
相対移動方向を知るために反射光量信号の振幅やDレベ
ルに影響されず、サーボ信号系の帯域制限の影響も受け
ないで、トラック数の計数ミスをなくしシーク動作を安
定化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ディスク記憶装置のシーク時間を説明するグ
ラフ図。
【図2】トラック通過時の信号検出方法を説明する説明
図。
【図3】クロストラックパルスを検出する回路の一例を
示す回路ブロック図。
【図4】その他の例を示す回路ブロック図。
【図5】速度検出を説明するための回路ブロック図。
【図6】本発明の一実施例を示すブロック図。
【図7】その制御回路部を示すブロック図。
【図8】反送光量信号のスライスレベルの決定法を説明
するためのブロック図。
【符号の説明】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ディスク上のトラックに対して、トラッ
    クを横ぎるたびにトラックずれ誤差信号と反射光量信号
    から出力されるパルスの数を計数することにより、光ス
    ポットを目標トラックに位置決めする光ディスクのシー
    ク方法において、反射光量信号の上側、下側エンベロー
    プのうち、トラッキング中の反射光量信号の平均レベル
    に近い側のエンベロープを求め、反射光量信号から減算
    したあと、予め定めた反射光量信号の最小振幅より小さ
    いスライスレベルでパルス化するとともに、目標までの
    偏差がある設定値よりも小さくなった時以降のみ、反射
    光量信号による移動方向判定を行なうことを特徴とする
    光ディスク高速シーク方法。
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