JP2605983Y2 - 間仕切りを備えた靴 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、靴に係るものであ
り、靴の内側爪先部分の構造に関するものである。

【０００２】

【従来技術】靴は革や布で足の表面を覆い、歩行の際の
地面からの反動衝撃を吸収し、足にかかる負担を軽減す
るばかりでなく、足上への落下物や路上にある石等の障
害物に足が衝突した場合に、かかる衝撃による足の負傷
を最小限に止めることができるという効用を有する。

【０００３】しかし、現在ある通常の靴にあっては、靴
の内部で足は単に靴の内壁によって包み込まれているの
みであるので、例えば、傾斜した道路等を歩行する場合
には、靴の中敷上を足の裏が滑り、歩行に際して十分な
力が入らなかった。特に滑り易いナイロン等の靴下を履
いている場合等にはかかる兆候は顕著である。

【０００４】これに対して、従来より履物の内側に間仕
切りを設けて足の親指と人さし指の間にかかる間仕切り
が配置されるように構成した履物として地下足袋の存在
が知られている。かかる地下足袋は、前述の構成から地
下足袋が足を包み込むのみならず、靴と足は、親指と第
二指によってもしっかりと固定されているので、足袋の
中敷上を足の裏が滑るような事はなく、歩行に際して足
から伝達される力を地面に無駄なく伝達できる。また、
この様に足の親指と第二指の間に指が挟持しうる物が置
かれれば、足に力が入り易くなり、長時間の歩行によっ
ても疲労しない。その一方でかかる地下足袋は、足袋底
の部分を除いてそのほとんどの部分が比較的柔らかな布
で作られていることから、歩行中に足上に重量物等が落
下した場合や足が石等の障害物に衝突した場合には、足
に重大な負傷を与えていた。

【０００５】また、地下足袋はそのデザイン性から、前
記の如き効果を有するにも拘らず一般的な履物としては
受け入れられず、普段一般に着用する履物とされること
は無かった。

【０００６】尚、足には東洋医学で言う多くのつぼが存
在しており、特に親指と第二指には、足の親指の付け
根、足の親指の裏側、第二指の親指側側面、第二指の裏
側、第二指の付け根、第二指の親指側側面、親指と第二
指の股、これよりやや踵寄りの部分等に特につぼが集中
して存在している。これらのつぼを刺激することは、肩
凝り、頭痛、下痢、めまい、疲れ目、いらいらの解消、
吐き気、動悸・息切れ、膝痛、円形性脱毛症、乗り物酔
い、仮性近視、心臓病、肝臓病、老人ボケ等の予防およ
び解消に役立つとされている。従って靴を履き、歩行す
ることによってこれらの健康増進をも併せて図れれば大
変に有意義である。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】そこで本考案の目的
は、靴及び地下足袋の有する上記欠点を取り除き、両者
の長所を兼ね備えた履物を提供すべく、靴の内側に間仕
切りを設けて足の親指と人さし指の間にかかる間仕切り
が配置されるように構成することで、靴の外観を損なう
事なく靴を履いた際に足の親指と第二指に、かかる間仕
切りを強力に挟持させることで、靴中に足をしっかりと
固定でき、長時間の歩行でも疲れず、しかも足を障害物
や落下物から有効に保護し得、加えて、かかる間仕切り
が親指と第二指にある多くのつぼを刺激することで健康
の増進をも図ることができる靴を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本考案に係る靴は、靴の内側部分であって、親指と
第二指の股が位置する部分に、靴の爪先部分を内部的に
二分する間仕切りを設け、さらに間仕切りの鉛直表面に
複数の突起部を設けることを特徴とする。

【０００９】

【作用】本考案の靴によれば、靴の内側部分であって、
親指と第二指の股が位置する部分に、靴の爪先部分を内
部的に二分する間仕切りを設け、さらに間仕切りの鉛直
表面に複数の突起部を設けることで、かかる間仕切りが
親指及び第二指に挟持され、その結果靴の内部で足が滑
るようなことはなく、しかも外見上は従来の靴とかわら
ず、更には鉛直表面に複数の突起部を設けた間仕切りに
よるつぼの刺激により健康の増進をも図ることができる
靴を提供できる。

【００１０】

【実施例】次に、本考案に係る靴の実施例につき添付図
面を参照しながら以下詳細に説明する。

【００１１】図１は、本考案の一実施例を示す靴の断面
斜視図である。

【００１２】図１において、参照符号１２は靴本体を示
す。かかる靴の爪先部分１４には、足の親指と第二指の
股にあたる部分に、靴の爪先ゴム部分と一体構成し、ま
たは別に構成した間仕切りを靴内部に溶着・接着するな
どして間仕切り１６を設ける。間仕切り１６は前記の位
置に配置されているので、靴を履く際に邪魔になること
なく、違和感なく靴を装履くことができる。また、歩行
に際して足の爪先部分に力が加わると足の親指と第二指
は強い力で挟持することから、かかる二本の指によって
間仕切り１６はしっかりと挟持される。そのため、靴の
中敷上を足の裏が前後左右に滑るようなことはなく、歩
行に際して足から伝達される力は地面に無駄なく伝達さ
れる。

【００１３】更に、間仕切り１６は歩行に際して親指お
よび第二指に挟持されることから、親指および第二指全
体を強く圧迫し、また歩行の際足の爪先部分に体重が移
動すると親指と第二指の股の部分および付根の部分は、
間仕切り１６によって踵の方向に向かって強力に押圧さ
れることから、親指と第二指にある多くのつぼをまんべ
んなく刺激し、健康の増進を図ることができる。

【００１４】しかも、間仕切り１６には、図１に示すよ
うに鉛直表面に複数の突起部１８が設けられているの
で、より一層つぼに対する刺激を高めることができる。

【００１５】以上本考案の好適な実施例について説明し
たが、本考案は上記の実施例に限定されるものでなく本
考案の精神に逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能で
ある。

【００１６】

【考案の効果】以上に述べた本考案の靴の構成により、
靴の外観を損なう事なく、靴中に足をしっかりと固定で
き、靴の中敷上を足の裏が滑るのを防止でき、しかも足
を障害物や落下物から有効に保護し得、加えて健康の増
進をも図ることができる靴を提供することができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例である靴の断面平面図であ
る。

【符号の説明】

１２ 靴本体 １４ 爪先部分 １６ 間仕切り １８ 突起部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 靴の内側部分であって、親指と第二指の
   股が位置する部分に、靴の爪先部分を内部的に二分する
   間仕切りを設け、さらに間仕切りの鉛直表面に複数の突
   起部を設けることを特徴とする靴。