JP2605861Y2 - 下着ハンガー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、衣類用ハンガー、特に
洗濯後の濡れた下着等を干す際に使用する下着ハンガー
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種の洗濯物を干す場合、洗
濯ハンガー・ピンチ（洗濯鋏）を用いて、その洗濯物の
端部等の適所を挟んで掛下げるようにしている。ところ
で、特に女性用下着では、洗濯ピンチによる挟み跡が残
らず、また物干し後に布地に癖がつかないようにするこ
とが必要である。従来また、枠を用いたこの種の下着ハ
ンガーも知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
下着ハンガーでは、洗濯ピンチを使用して下着等の干物
を挟むため、その下着に該ピンチの挟み跡が残ってしま
い、またハンガーに掛下げられた下着に含まれる水分の
ために、その形が変形したり、布地が伸びたままの状態
で乾かされてしまう等の問題があった。また、この種の
下着類を干す際、室内で物干しを行う場合が多く、かか
る環境下では、洗濯後に縮んでその布地同士が付着して
いる下着は、極めて乾き難くなる等の問題もあった。

【０００４】本考案はかかる実情に鑑み、特に下着類を
効率良く乾かし、優れた利便性を備えている下着ハンガ
ーを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本願考案の下着ハンガー
は、平面上に枠線を概略矩形状に引き回して成るハンガ
ー本体と、上記ハンガー本体の頂部に設けられた掛止部
と、上記平面から所定の傾斜角度と突出高さで突出する
ように枠線を付設成形して成り上記ハンガー本体の上部
に設定された張出部と、上記ハンガー本体に横架された
少なくとも１つの上下動可能な間仕切りと、上記ハンガ
ー本体の下部に設けられた連結用フックと、上記ハンガ
ー本体の上部に開設された干物に対する挿脱用の通口と
を備え、上記通口を介して干物の一端側適所が上記張出
部に掛けられるとともに、他端側適所は上記ハンガー本
体に掛けられ、上記間仕切りは干物のサイズに合わせ
て、上記ハンガー本体の上下方向に沿った適所に固定さ
れるようにしたものである。

【０００６】

【０００７】また、本願考案の下着ハンガーにおいて、
上記ハンガー本体相互を横方向に連設するための連結部
を有し、上記連結部を介して複数の上記ハンガー本体が
立体的に構成されることを特徴とする。

【０００８】

【作用】本案下着ハンガーでは、ハンガー本体に張出部
を設けたことにより、該ハンガー本体の上部において立
体的に構成し、これにより掛下げられた干物の内側に一
定の間隙もしくは空間が確保される。これによりその干
物の布地同士が付着するのを防止することができる。ま
た、その干物のサイズの大小にかかわらず、付着するこ
となく掛下げることができ、従って、乾きを速くするこ
とができる。更に、従来のように洗濯ピンチを用いない
で済むから、そのピンチ跡等の心配が全くない。

【０００９】

【実施例】以下、図１乃至図３に基づき、本考案による
下着ハンガーの好適な実施例を説明する。

【００１０】図１は本案下着ハンガーの全体構成を示し
ており、図において、１は枠線を引き回して成るハンガ
ー本体、２はこのハンガー本体１の頂部に設けた掛止
部、３はハンガー本体１の上部において付設成形された
張出部である。

【００１１】上記ハンガー本体１を構成する枠線は、鋼
線材を芯材としてそのまわりにビニール等の合成樹脂材
料を被覆したものであり、機械又は人手等によって比較
的簡単に折り曲げ加工することができる。本実施例で
は、このハンガー本体１は概略矩形の平面形状を有して
おり、またその他の形状も適宜採用し得る。上記張出部
３は、ハンガー本体１を構成する上記枠線と同一のもの
により成形されるが、ハンガー本体１を構成する上記平
面から突出するように形成されている。張出部３はま
た、この図示例のようにハンガー本体１とは別体に構成
され、両者は金属細線等によって相互に接合される。
尚、このように別体に構成する場合の他に両者を一体成
形することもできる。

【００１２】上記張出部３は、図２にも示されるよう
に、ハンガー本体１に対して例えば傾斜角度θと突出高
さＨを有している。これらの角度θ及び高さＨは、必要
に応じて適宜設定することができる。更に、ハンガー本
体１の上部には、下着等の干物を掛外しする際の挿脱用
の通口４が開設されている。また、ハンガー本体１の内
側に、例えば上記枠線で成る間仕切り５が横架されてい
る。この間仕切り５は、その両端部でハンガー本体１に
係合し、且つ上下動可能となっており、ハンガー本体１
の上下方向に沿った適所で固定し得る。また図示例で
は、間仕切り５は、１つだけ設けられているが、必要に
応じて２つ以上設けることは勿論可能である。

【００１３】更にハンガー本体１の下部には、連結用フ
ック６が設けられている。この連結用フック６もまた、
上記枠線により形成され、ハンガー本体１へ相互に接合
される。尚、連結用フック６は、ハンガー本体１を構成
する枠線に回動可能に取り付けられ、例えばその不使用
時には、ハンガー本体１の内側へ回し込んでおくことが
できる。

【００１４】本考案の下着ハンガーによれば、ハンガー
本体１に張出部３を設けたことにより、該ハンガー本体
１の特に上部において立体的に構成されている。そして
例えば下着７は、図３に示されるように、張出部３を利
用して掛けられる。すなわちハンガー本体１の上部に開
設された干物に対する挿脱用の通口４を介して下着７の
一端側適所を張出部３に掛けるとともに、他端側適所を
ハンガー本体１に掛ける。この場合、間仕切り５は、掛
けられるべき下着７のサイズ等に合わせて、所定位置に
セットされ、通口４を介して該下着７を容易に掛けるこ
とができる。

【００１５】張出部３を設けているので、掛下げられた
下着７の内側に、一定の間隙もしくは空間が確保され
る。従って、下着７の布地同士が付着するのを防止する
ことができる。しかもその場合、ハンガー本体１及び張
出部３等は、枠線により構成されているため、下着７と
の接触部分（もしくは接触面積）は極めて小さい。この
ように布地が付着することなく、下着７を掛下げること
ができ、これにより効率良く乾かすことができる。室内
で物干しを行う場合でも、下着７の乾きを速くすること
ができる。

【００１６】更に、上記のように下着７が立体的に掛け
られるように、その内側に間隙が設けられ、下着７等の
干物のサイズの大小にかかわらず、その布地が付着する
ことなく掛下げることができ、いずれの場合も効率良く
乾かすことができる。従って単一の本案下着ハンガーに
より種々のサイズの下着に有効に対応可能となる。ま
た、最近では上下セットのものとした下着の場合も多
く、図３に示されるように下着７（パンティー）及び下
着７′（ブラジャー）のセットで掛けることにより、こ
のようにした状態で展示又は自宅での保管等に供するこ
とができ、かかるセットものに対しても有効且つ効果的
に対応し得る。上記の場合において、張出部３の傾斜角
度θと突出高さＨは、例えば、掛下げるべき下着７のサ
イズ等に対応して適宜設定し、その下着７に最適な状態
で掛下げることができる。

【００１７】また、間仕切り５を設けたことにより、こ
の間仕切り５によっても下着７の布地同士が付着するの
を防止することができる。上記実施例では、前述のよう
に間仕切り５が１つ設けられている例を示したが、２つ
以上設けてもよく、或いはハンガー本体１から取り外し
ておいてもよい。そしていずれの場合も、ハンガー本体
１の上下方向に沿った最適位置で固定することができ、
この点でも室内等における効率の良い物干し効果を助長
する。

【００１８】ところで、本案下着ハンガーは、連結用フ
ック６を利用して、上下方向に複数連設することができ
る。このように連設することにより、室内等においても
あまりスペースをとることなく、多数の下着の物干しに
対応することができる。また特に連結用フック６を介し
て連設する場合、物干しとしての利用に限らず、例えば
デパート等の下着売り場等において展示用等として、ス
ペースの節約を図りながら下着を掛けておくことができ
る。

【００１９】上記実施例において、ハンガー本体１等が
上記材質の枠線により構成される例を説明したが、この
枠線の他に、例えば強化プラスチック材，木材等を用い
て形成することができ、ハンガー本体１及び張出部３等
は、一体もしくは別体に成形することが可能である。ま
た、掛止部２は、前記図示例の場合の他に、例えば図４
に示したようにハンガー本体１に対して回転可能（水平
回転）に構成することができ、或いはクリップ式又は適
宜の吸盤式のものにより構成してもよい。

【００２０】更に、上記張出部３を有するハンガー本体
１を、例えば複数横方向に連設することにより、複数の
下着を同時に干すことができる。この場合、ハンガー本
体１同士の連結部は、ハンガー本体１相互間で固定式又
は回転式に構成されてよい。そして、特に回転式の連結
部とした場合には、ハンガー本体１相互に一定角度を持
たせて連結し、複数のハンガー本体１をそれら全体とし
て立体的（例えば３つのハンガー本体１の場合には直立
した三角柱、又は４つのハンガー本体１の場合には直立
した四角柱等）に構成することができる。

【００２１】尚、本考案に係る張出部３を平面状に構成
し、即ち該張出部３の突出高さＨを極めて小さく設定し
て、ハンガー本体１とほぼ同一平面上に形成し、かかる
張出部３に対して下着の股部分を掛ける（図３の例を参
照）ようにすることにより、種々のサイズの下着に対応
し得る物干し又はディスプレイ用として使用することも
可能である。

【００２２】

【考案の効果】上述のように本考案によれば、特に室内
での下着の乾きを速くすると共に、その下着に従来のよ
うなピンチ跡等の付く心配が全くない。また、室内にお
いても下着の変形や布地の伸び等が生じないように、干
すことができるため、室外で干す場合に起こり得る下着
の盗難等の危険をなくすることができる。個々人の部屋
で使用であるから、プライバシー保護の点からも効果的
である。更に、本案下着ハンガーは、下着の保管用等と
して使用することができ、特に高級下着等の保管に好適
である。また、種々の女性用及び男性用いずれの下着に
対しても適用可能であり、広範囲な種類，サイズ等に有
効に対応することができ、極めて利便に優れている。そ
して物干しの他に、ディスプレイ手段等として応用範囲
も広い等の利点を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の下着ハンガーの一実施例による構成例
を示す斜視図である。

【図２】本考案の下着ハンガーの側面図である。

【図３】本考案の下着ハンガーにおける使用例を示す斜
視図である。

【図４】本考案の下着ハンガーに係る掛止部の変形例を
示す部分斜視図である。

【符号の説明】

１ ハンガー本体 ２ 掛止部 ３ 張出部 ４ 通口 ５ 間仕切り ６ 連結用フック ７，７′ 下着

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 平面上に枠線を概略矩形状に引き回して
   成るハンガー本体と、 上記ハンガー本体の頂部に設けられた掛止部と、 上記平面から所定の傾斜角度と突出高さで突出するよう
   に枠線を付設成形して成り上記ハンガー本体の上部に設
   定された張出部と、 上記ハンガー本体に横架された少なくとも１つの上下動
   可能な間仕切りと、 上記ハンガー本体の下部に設けられた連結用フックと、 上記ハンガー本体の上部に開設された干物に対する挿脱
   用の通口とを備え、 上記通口を介して干物の一端側適所が上記張出部に掛け
   られるとともに、他端側適所は上記ハンガー本体に掛け
   られ、 上記間仕切りは干物のサイズに合わせて、上記ハンガー
   本体の上下方向に沿った適所に固定されるようにしたこ
   とを特徴とする下着ハンガー。
2. 【請求項２】 上記ハンガー本体相互を横方向に連設す
   るための連結部を有し、上記連結部を介して複数の上記
   ハンガー本体が立体的に構成されることを特徴とする請
   求項１に記載の下着ハンガー。