JP2605186Y2 - 温度補償型水晶発振器 - Google Patents
温度補償型水晶発振器Info
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- JP2605186Y2 JP2605186Y2 JP1993014888U JP1488893U JP2605186Y2 JP 2605186 Y2 JP2605186 Y2 JP 2605186Y2 JP 1993014888 U JP1993014888 U JP 1993014888U JP 1488893 U JP1488893 U JP 1488893U JP 2605186 Y2 JP2605186 Y2 JP 2605186Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、通信機器に使用される
温度補償型水晶発振器に関するものである。
温度補償型水晶発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】温度補償型水晶発振器は、通信機器、特
に携帯用電話、車載用電話などの基準発振源などに広く
使用されており、温度変化による発振周波数の変動に起
因する通信の断線・混線などを防止するために、温度に
対して安定した発振周波数、例えばΔf/f値が±1.
5ppmが維持できることが重要となっている。
に携帯用電話、車載用電話などの基準発振源などに広く
使用されており、温度変化による発振周波数の変動に起
因する通信の断線・混線などを防止するために、温度に
対して安定した発振周波数、例えばΔf/f値が±1.
5ppmが維持できることが重要となっている。
【0003】水晶振動子には、各水晶振動子の固有の温
度特性を有しており、この温度特性を補償しなくては、
上述のようにΔf/f値を概略平坦化することができな
い。このような水晶振動子の温度特性を補償する方法と
しては、従来より、図1に示すサーミスタ、抵抗、コン
デンサから成る高温領域及び低温領域の温度補償回路部
を、水晶振動子に接続する方法(サーミスタ補償)(特
公昭64−1969、実公平4−16490)が知られ
ている。
度特性を有しており、この温度特性を補償しなくては、
上述のようにΔf/f値を概略平坦化することができな
い。このような水晶振動子の温度特性を補償する方法と
しては、従来より、図1に示すサーミスタ、抵抗、コン
デンサから成る高温領域及び低温領域の温度補償回路部
を、水晶振動子に接続する方法(サーミスタ補償)(特
公昭64−1969、実公平4−16490)が知られ
ている。
【0004】上述のサーミスタ補償可能な水晶振動子と
しては、高温側、例えば+80℃で0〜20ppm、低
温側、例えば−30℃で−20〜0ppmの温度特性を
有する水晶振動子に限定されていた。
しては、高温側、例えば+80℃で0〜20ppm、低
温側、例えば−30℃で−20〜0ppmの温度特性を
有する水晶振動子に限定されていた。
【0005】上述の温度補償型水晶発振器において、高
温領域温度補償回路部1、低温領域温度補償回路部2を
水晶振動子Xと発振回路3との間に直列的に接続するこ
とにより、サーミスタとコンデンサとの合成リアクタン
スが温度と共に変化することを利用して水晶振動子Xの
温度特性を補償するものであった。
温領域温度補償回路部1、低温領域温度補償回路部2を
水晶振動子Xと発振回路3との間に直列的に接続するこ
とにより、サーミスタとコンデンサとの合成リアクタン
スが温度と共に変化することを利用して水晶振動子Xの
温度特性を補償するものであった。
【0006】このような発振器に使用される水晶振動子
は、同一水晶塊から切り出したものであっても、その切
断方位によって、異なる温度特性を示すため、実際に
は、温度補償回路部を構成する抵抗に温度補償感度を調
整することができる機能が必要であった。
は、同一水晶塊から切り出したものであっても、その切
断方位によって、異なる温度特性を示すため、実際に
は、温度補償回路部を構成する抵抗に温度補償感度を調
整することができる機能が必要であった。
【0007】また、水晶振動子の温度特性以外に、初期
発振周波数が各水晶振動子で異なるものであり、所定温
度補償回路部で温度補償可能な発振周波数に調整する必
要がある。具体的には、コンデンサC3 、トリマーコン
デンサCtからなる並列接続された周波数調整回路で、
その発振周波数の調整を行なっていた。
発振周波数が各水晶振動子で異なるものであり、所定温
度補償回路部で温度補償可能な発振周波数に調整する必
要がある。具体的には、コンデンサC3 、トリマーコン
デンサCtからなる並列接続された周波数調整回路で、
その発振周波数の調整を行なっていた。
【0008】このような温度補償型水晶発振器の回路定
数を決定するには、まず、水晶振動子の例えば−30℃
での温度特性を測定し、抵抗R2 を可変し、25℃に対
する周波数変化率が0又は最低になる抵抗値を設定す
る。それによって設定されたR2 の抵抗値を1800Ω
とする。次に、そのR2 で低温領域温度補償回路部2を
組み立て、続いて+80℃での温度特性を測定する。こ
の時、抵抗R1 を可変して+80℃での25℃に対する
周波数変化率が0又は最低になる抵抗値を設定する。そ
れによって設定されたR1 の抵抗値を50Ωとする。
数を決定するには、まず、水晶振動子の例えば−30℃
での温度特性を測定し、抵抗R2 を可変し、25℃に対
する周波数変化率が0又は最低になる抵抗値を設定す
る。それによって設定されたR2 の抵抗値を1800Ω
とする。次に、そのR2 で低温領域温度補償回路部2を
組み立て、続いて+80℃での温度特性を測定する。こ
の時、抵抗R1 を可変して+80℃での25℃に対する
周波数変化率が0又は最低になる抵抗値を設定する。そ
れによって設定されたR1 の抵抗値を50Ωとする。
【0009】最後に、このR1 を組み込んで、全温度範
囲(−30℃〜+80℃)で再度温度特性を確認しなけ
ればならない。この時、ある温度領域で、所望の補償か
らはずれる場合には、R1 、R2 を種々取り替えて、全
温度範囲(−30℃〜+80℃)で、所望の温度補償が
可能なように、再度抵抗R1 、R2 の所定抵抗値の抵抗
と取り替えてる。
囲(−30℃〜+80℃)で再度温度特性を確認しなけ
ればならない。この時、ある温度領域で、所望の補償か
らはずれる場合には、R1 、R2 を種々取り替えて、全
温度範囲(−30℃〜+80℃)で、所望の温度補償が
可能なように、再度抵抗R1 、R2 の所定抵抗値の抵抗
と取り替えてる。
【0010】上述のサーミスタ補償の水晶発振器では、
回路構成が簡単であり、広い温度範囲にわたって高精度
の温度補償が可能であるものの、抵抗値の調整などに手
間がかかってしまうという問題点があった。
回路構成が簡単であり、広い温度範囲にわたって高精度
の温度補償が可能であるものの、抵抗値の調整などに手
間がかかってしまうという問題点があった。
【0011】尚、周波数調整には、コンデンサC3 、ト
リマーコンデンサCtを調整するが、専らトリマーコン
デンサCtの容量を可変させることにより、調整をおこ
なっていた。
リマーコンデンサCtを調整するが、専らトリマーコン
デンサCtの容量を可変させることにより、調整をおこ
なっていた。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】上述の温度補償型水晶
発振器において、特に、抵抗値を調整するためには、所
定抵抗値を決定するにあたり、抵抗R1 、R2 を必要に
応じて種々取り替える必要があった。また、発振周波数
を決定するために、トリマーコンデンサを使用していた
ために、回路基板上に各種電子部品を実装した後に、溶
剤洗浄液を使用して、洗浄することが不可能であり、い
ずれにしても、組み立が極めて困難であった。
発振器において、特に、抵抗値を調整するためには、所
定抵抗値を決定するにあたり、抵抗R1 、R2 を必要に
応じて種々取り替える必要があった。また、発振周波数
を決定するために、トリマーコンデンサを使用していた
ために、回路基板上に各種電子部品を実装した後に、溶
剤洗浄液を使用して、洗浄することが不可能であり、い
ずれにしても、組み立が極めて困難であった。
【0013】本考案は上述の課題に鑑みて案出されたも
のであり、周波数調整回路及び温度補償回路部の回路定
数の決定が簡単で、組み立て工程が容易であり、溶剤系
洗浄液が使用できる組み立て・洗浄工程が簡単な温度補
償型水晶発振器を提供する。
のであり、周波数調整回路及び温度補償回路部の回路定
数の決定が簡単で、組み立て工程が容易であり、溶剤系
洗浄液が使用できる組み立て・洗浄工程が簡単な温度補
償型水晶発振器を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本考案は、水晶振動子の
一端に、サーミスタ、抵抗及びコンデンサとから成る高
温領域温度補償回路部、低温領域温度補償回路部を夫々
直列的に接続するとともに、水晶振動子の他端に、2つ
のコンデンサとから成る並列回路を接続した温度補償型
水晶発振器において、前記高温領域及び低温領域温度補
償回路部の抵抗がトリミング処理され得る厚膜抵抗体膜
から成り、前記並列回路の一方のコンデンサがトリミン
グ処理され得る厚膜トリミングコンデンサから成ること
を特徴とする温度補償型水晶発振器である。
一端に、サーミスタ、抵抗及びコンデンサとから成る高
温領域温度補償回路部、低温領域温度補償回路部を夫々
直列的に接続するとともに、水晶振動子の他端に、2つ
のコンデンサとから成る並列回路を接続した温度補償型
水晶発振器において、前記高温領域及び低温領域温度補
償回路部の抵抗がトリミング処理され得る厚膜抵抗体膜
から成り、前記並列回路の一方のコンデンサがトリミン
グ処理され得る厚膜トリミングコンデンサから成ること
を特徴とする温度補償型水晶発振器である。
【0015】
【作用】本考案によれば、高温領域温度補償回路部を構
成する抵抗R1 及び低温領域温度補償回路部を構成する
抵抗R2 が、レーザー、サンドブラストなどの除去手段
により調整溝が形成されたトリミング処理された厚膜抵
抗体膜から構成され、また、2つのコンデンサからなる
並列回路の一方のコンデンサであるコンデンサCtが例
えば互いに対向する厚膜導体膜からなるコンデンサ電極
の一方を除去手段により、その対向面積が所定面積にな
るようにして容量値が調整された厚膜トリミングコンデ
ンサから構成されている。このため、温度補償回路部の
抵抗R1 、R2 を所定値に簡単に調整できる。また、発
振周波数の調整を行なう並列回路のトリマーコンデンサ
Ctを所定容量にに簡単に調整できる。これは、厚膜抵
抗体膜や厚膜トリミングコンデンサのトリミングにあた
り、除去手段、抵抗値・容量値測定手段、制御手段など
を自動機により処理できるため、自動化調整ができ、組
み立て工程が簡単になる。
成する抵抗R1 及び低温領域温度補償回路部を構成する
抵抗R2 が、レーザー、サンドブラストなどの除去手段
により調整溝が形成されたトリミング処理された厚膜抵
抗体膜から構成され、また、2つのコンデンサからなる
並列回路の一方のコンデンサであるコンデンサCtが例
えば互いに対向する厚膜導体膜からなるコンデンサ電極
の一方を除去手段により、その対向面積が所定面積にな
るようにして容量値が調整された厚膜トリミングコンデ
ンサから構成されている。このため、温度補償回路部の
抵抗R1 、R2 を所定値に簡単に調整できる。また、発
振周波数の調整を行なう並列回路のトリマーコンデンサ
Ctを所定容量にに簡単に調整できる。これは、厚膜抵
抗体膜や厚膜トリミングコンデンサのトリミングにあた
り、除去手段、抵抗値・容量値測定手段、制御手段など
を自動機により処理できるため、自動化調整ができ、組
み立て工程が簡単になる。
【0016】また、従来樹脂ケースなどを含むトリマー
コンデンサから、1対の厚膜導体膜からなる厚膜トリミ
ングコンデンサを用いたため、電子部品を実装した回路
基板を溶剤系洗浄により簡単に洗浄でき、洗浄工程の制
約が大きく緩和される。
コンデンサから、1対の厚膜導体膜からなる厚膜トリミ
ングコンデンサを用いたため、電子部品を実装した回路
基板を溶剤系洗浄により簡単に洗浄でき、洗浄工程の制
約が大きく緩和される。
【0017】
【実施例】以下、本考案の温度補償型水晶発振器を図面
に基づいて詳説する。図1は温度補償型水晶発振器の回
路図である。
に基づいて詳説する。図1は温度補償型水晶発振器の回
路図である。
【0018】温度補償型水晶発振器10は、図1に示す
ように、水晶振動子Xと、該水晶振動子Xの一端に接続
する高温領域温度補償回路部1と低温度領域温度補償回
路部2とトーテン・ポール型のコルピッツ発振回路3と
から構成されている。
ように、水晶振動子Xと、該水晶振動子Xの一端に接続
する高温領域温度補償回路部1と低温度領域温度補償回
路部2とトーテン・ポール型のコルピッツ発振回路3と
から構成されている。
【0019】水晶振動子Xは、厚みすべり振動モードを
有する振動子であり、温度特性が高温側、例えば+80
℃でΔf/f値が0〜+20ppm、低温側、例えば温
度−30℃でΔf/f値が−20〜0ppmの範囲を有
するものであり、その一端には温度補償回路部1、2が
直列的に接続され、またその他端には、可変コンデンサ
Ct、コンデンサC3 の容量が合成される並列回路が接
続されいる。
有する振動子であり、温度特性が高温側、例えば+80
℃でΔf/f値が0〜+20ppm、低温側、例えば温
度−30℃でΔf/f値が−20〜0ppmの範囲を有
するものであり、その一端には温度補償回路部1、2が
直列的に接続され、またその他端には、可変コンデンサ
Ct、コンデンサC3 の容量が合成される並列回路が接
続されいる。
【0020】高温領域温度補償回路部1は、サーミスタ
TH1 、抵抗R1 、コンデンサC1とからなり、サーミ
スタTH1 と抵抗R1 との直列回路に、コンデンサC1
が並列に接続されて構成されている。
TH1 、抵抗R1 、コンデンサC1とからなり、サーミ
スタTH1 と抵抗R1 との直列回路に、コンデンサC1
が並列に接続されて構成されている。
【0021】また、低温領域温度補償回路部2は、サー
ミスタTH2 、抵抗R2 、コンデンサC2 とからなり、
サーミスタTH2 、抵抗R2 、コンデンサC2 が夫々並
列に接続されて構成されている。
ミスタTH2 、抵抗R2 、コンデンサC2 とからなり、
サーミスタTH2 、抵抗R2 、コンデンサC2 が夫々並
列に接続されて構成されている。
【0022】上述のサーミスタTH1 、TH2 のサーミ
スタ定数は、上述の水晶振動子Xの固有温度特性によっ
て決定され、例えば、高温領域でΔf/f値が0から2
0ppmと大きくなるに従って、サーミスタTH1 は3
000Ωから2200Ωと小さくする必要があり、例え
ば、低温領域でΔf/f値が0から−20ppmと大き
くなるに従って、サーミスタTH2 は80Ωから100
Ωと大きくする必要がある。
スタ定数は、上述の水晶振動子Xの固有温度特性によっ
て決定され、例えば、高温領域でΔf/f値が0から2
0ppmと大きくなるに従って、サーミスタTH1 は3
000Ωから2200Ωと小さくする必要があり、例え
ば、低温領域でΔf/f値が0から−20ppmと大き
くなるに従って、サーミスタTH2 は80Ωから100
Ωと大きくする必要がある。
【0023】トーテン・ポール型のコルピッツ発振回路
3は、発振用トランジスタTR、抵抗R4 〜R6 、コン
デンサC4 〜C7 からなる。
3は、発振用トランジスタTR、抵抗R4 〜R6 、コン
デンサC4 〜C7 からなる。
【0024】上述の構成の温度補償型水晶発振器10
は、セラミックなどの絶縁基板上に、所定回路を構成す
るように配線パターンが形成され、その配線パターン上
に、気密封止ケースに収納された水晶振動子X、温度補
償回路部1、2を構成するサーミスタTH1 、TH2 、
コンデンサC1 、C2 、抵抗R1 、R2 、周波数を調整
するためのコンデンサC3 、トリマーコンデンサCt、
コルピッツ発振回路3を構成するトランジスタTR、抵
抗R4 〜R6 、コンデンサC4 〜C7 が夫々接続され
る。
は、セラミックなどの絶縁基板上に、所定回路を構成す
るように配線パターンが形成され、その配線パターン上
に、気密封止ケースに収納された水晶振動子X、温度補
償回路部1、2を構成するサーミスタTH1 、TH2 、
コンデンサC1 、C2 、抵抗R1 、R2 、周波数を調整
するためのコンデンサC3 、トリマーコンデンサCt、
コルピッツ発振回路3を構成するトランジスタTR、抵
抗R4 〜R6 、コンデンサC4 〜C7 が夫々接続され
る。
【0025】このような回路構成において、全負荷容量
CLは、次の式で表される。
CLは、次の式で表される。
【0026】 1/CL= 1/Cs1 + 1/Cs2 +1/(Ct+C3 )+1/(1/C4 +1/C5 ) ここで、Cs1 、Cs2 は夫々サーミスタTH1 、TH2 を
含む温度補償回路部1、2のリアクタス成分であり、こ
れが、温度よって変化するため、全体の負荷容量CLを
変えて、これにより水晶振動子Xの温度特性を補償する
ことになる。
含む温度補償回路部1、2のリアクタス成分であり、こ
れが、温度よって変化するため、全体の負荷容量CLを
変えて、これにより水晶振動子Xの温度特性を補償する
ことになる。
【0027】本考案の特徴的なことは、温度補償回路部
1、2を構成する抵抗R1 、R2 が図2に示すように、
2つの配線パターン21、22に跨がる酸化ルテニウム
などから成る厚膜抵抗体膜23から構成され、また、ト
リマーコンデンサCtが、図3に示すように1対の厚膜
導体膜31、32間で発生する容量によって構成されて
いる。この1対の厚膜導体膜31、32とは、図3に示
すように、所定誘電率を有する基板30の表面側及び裏
面側に夫々対向するように配置して、その対向部分によ
って容量発生させたり、また、図には示していないが、
基板の一方主面に、1対の厚膜導体膜を所定長さで所定
間隔に対向させて配置して、その対向部分によって容量
発生させたりする。
1、2を構成する抵抗R1 、R2 が図2に示すように、
2つの配線パターン21、22に跨がる酸化ルテニウム
などから成る厚膜抵抗体膜23から構成され、また、ト
リマーコンデンサCtが、図3に示すように1対の厚膜
導体膜31、32間で発生する容量によって構成されて
いる。この1対の厚膜導体膜31、32とは、図3に示
すように、所定誘電率を有する基板30の表面側及び裏
面側に夫々対向するように配置して、その対向部分によ
って容量発生させたり、また、図には示していないが、
基板の一方主面に、1対の厚膜導体膜を所定長さで所定
間隔に対向させて配置して、その対向部分によって容量
発生させたりする。
【0028】このような回路基板上に形成された温度補
償回路部1、2を構成するサーミスタTH1 、TH2 、
コンデンサC1 、C2 、抵抗R1 、R2 において、抵抗
R1、R2 の抵抗値の調整は、サーミスタTH1 、TH
2 との合成抵抗値を決定することが重要となる。具体的
な抵抗R1 、R2 の抵抗値の調整は、酸化ルテニウムな
どから成る厚膜抵抗体膜23にレーザーやサンドブラス
トなどの除去手段により、調整用溝24を形成して、所
定抵抗値に調整する。具体的には抵抗R1 、R2 の両端
又はサーミスタTH1 、TH2 を含む回路の両端に測定
用のプローブを当てて、抵抗値を測定しながら、上述の
除去手段で調整溝を形成する。
償回路部1、2を構成するサーミスタTH1 、TH2 、
コンデンサC1 、C2 、抵抗R1 、R2 において、抵抗
R1、R2 の抵抗値の調整は、サーミスタTH1 、TH
2 との合成抵抗値を決定することが重要となる。具体的
な抵抗R1 、R2 の抵抗値の調整は、酸化ルテニウムな
どから成る厚膜抵抗体膜23にレーザーやサンドブラス
トなどの除去手段により、調整用溝24を形成して、所
定抵抗値に調整する。具体的には抵抗R1 、R2 の両端
又はサーミスタTH1 、TH2 を含む回路の両端に測定
用のプローブを当てて、抵抗値を測定しながら、上述の
除去手段で調整溝を形成する。
【0029】また、水晶振動子Xの他端に接続されたト
リマーコンデンサCtは、基板30の表面側(実線)の
配線パターンの一部である厚膜導体膜31と基板30の
裏面側(点線)の配線パターンの一部である厚膜導体膜
32とが互いに対向して形成される。ここで、表面側の
厚膜導体膜31は、概略櫛歯状となっており、櫛歯の根
本部分をレーザーやサンドブラストなどの除去手段によ
り、切断(31a)することにより、実質的に対向面積
が減少し、その対向面積の変化分に応じた容量値が得ら
れる。
リマーコンデンサCtは、基板30の表面側(実線)の
配線パターンの一部である厚膜導体膜31と基板30の
裏面側(点線)の配線パターンの一部である厚膜導体膜
32とが互いに対向して形成される。ここで、表面側の
厚膜導体膜31は、概略櫛歯状となっており、櫛歯の根
本部分をレーザーやサンドブラストなどの除去手段によ
り、切断(31a)することにより、実質的に対向面積
が減少し、その対向面積の変化分に応じた容量値が得ら
れる。
【0030】以上のように、本考案において温度補償回
路部1、2の抵抗R1 、R2 を除去手段により、抵抗値
調整用溝24が形成された厚膜抵抗体膜23で構成する
ことにより、従来のように固有抵抗体の随時交換すると
いう手間がなくなり、また、従来では得られなかった最
適な抵抗値が、除去手段による抵抗体膜23の除去量に
よって簡単に得られ、温度補償特性の調整精度が著しく
向上する。尚、温度補償回路部1、2のコンデンサ
C1 、C2 は、温度係数を有するコンデンサが必要とな
り、また、トリマーコンデンサCtに比較して大きな容
量が必要とされるため、このコンデンサC1 、C2 を厚
膜トリミングコンデンサで構成することは不適である。
路部1、2の抵抗R1 、R2 を除去手段により、抵抗値
調整用溝24が形成された厚膜抵抗体膜23で構成する
ことにより、従来のように固有抵抗体の随時交換すると
いう手間がなくなり、また、従来では得られなかった最
適な抵抗値が、除去手段による抵抗体膜23の除去量に
よって簡単に得られ、温度補償特性の調整精度が著しく
向上する。尚、温度補償回路部1、2のコンデンサ
C1 、C2 は、温度係数を有するコンデンサが必要とな
り、また、トリマーコンデンサCtに比較して大きな容
量が必要とされるため、このコンデンサC1 、C2 を厚
膜トリミングコンデンサで構成することは不適である。
【0031】また、自動調整が可能なことにより、組み
立て・調整工程が大幅に削減できる。
立て・調整工程が大幅に削減できる。
【0032】水晶振動子Xの他端に接続されるコンデン
サの一方を厚膜トリミングコンデンサで構成したので、
従来、有機溶剤による洗浄が不可能であったのが本考案
では可能となり、他の電子部品を接合するための半田の
フラックス、半田ボールなどが完全に除去でき、回路動
作における信頼性が向上する。
サの一方を厚膜トリミングコンデンサで構成したので、
従来、有機溶剤による洗浄が不可能であったのが本考案
では可能となり、他の電子部品を接合するための半田の
フラックス、半田ボールなどが完全に除去でき、回路動
作における信頼性が向上する。
【0033】また、従来のトリマーコンデンサで発生し
ていたドリフトがなくなり、発振器の周波数の安定化に
大きく寄与できる。
ていたドリフトがなくなり、発振器の周波数の安定化に
大きく寄与できる。
【0034】さらに、厚膜トリミングコンデンサのトリ
ミング工程を、抵抗体膜23の抵抗値調整用溝24を形
成する工程と同一段階で処理できるため、工程が複雑化
することが一切ない。
ミング工程を、抵抗体膜23の抵抗値調整用溝24を形
成する工程と同一段階で処理できるため、工程が複雑化
することが一切ない。
【0035】
【考案の効果】以上のように本考案では、調整を必要と
する温度補償回路部の抵抗R1 、R2及びトリマーコン
デンサCtを、所定抵抗値、所定容量値に調整した厚膜
抵抗体膜、1対の厚膜導体膜で構成したため、組み立て
・調整工程が簡単になり、また、洗浄工程が容易とな
る。
する温度補償回路部の抵抗R1 、R2及びトリマーコン
デンサCtを、所定抵抗値、所定容量値に調整した厚膜
抵抗体膜、1対の厚膜導体膜で構成したため、組み立て
・調整工程が簡単になり、また、洗浄工程が容易とな
る。
【図1】典型的な温度補償型水晶発振器の回路図であ
る。
る。
【図2】本考案の温度補償回路部を構成する抵抗体部分
の平面図である。
の平面図である。
【図3】本考案の水晶振動子に接続されるトリミングコ
ンデンサ部分の概略図である。
ンデンサ部分の概略図である。
1・・・・・高温領域温度補償回路部 2・・・・・低温領域温度補償回路部 X・・・・・水晶振動子 TH1 ・・・高温領域温度補償回路部のサーミスタ R1 ・・・・高温領域温度補償回路部の抵抗 C1 ・・・・高温領域温度補償回路部のコンデンサ TH2 ・・・低温領域温度補償回路部のサーミスタ R2 ・・・・低温領域温度補償回路部の抵抗 C2 ・・・・低温領域温度補償回路部のコンデンサ Ct・・・・可変コンデンサ 21、22・・配線パターン 23・・・・・厚膜抵抗体膜 24・・・・・抵抗値調整用溝 31、32・・厚膜導体膜
Claims (1)
- 【請求項1】水晶振動子の一端に、サーミスタ、抵抗及
びコンデンサとから成る高温領域温度補償回路部、低温
領域温度補償回路部を夫々直列的に接続するとともに、
水晶振動子の他端に、2つのコンデンサとから成る並列
回路を接続した温度補償型水晶発振器において、 前記高温領域及び低温領域温度補償回路部の抵抗がトリ
ミング処理され得る厚膜抵抗体膜から成り、 前記並列回路の一方のコンデンサがトリミング処理され
得る厚膜トリミングコンデンサから成ることを特徴とす
る温度補償型水晶発振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993014888U JP2605186Y2 (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 温度補償型水晶発振器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993014888U JP2605186Y2 (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 温度補償型水晶発振器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0673911U JPH0673911U (ja) | 1994-10-18 |
JP2605186Y2 true JP2605186Y2 (ja) | 2000-06-26 |
Family
ID=11873560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993014888U Expired - Lifetime JP2605186Y2 (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 温度補償型水晶発振器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2605186Y2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-29 JP JP1993014888U patent/JP2605186Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0673911U (ja) | 1994-10-18 |
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