JP2605137B2 - 液体噴射記録ヘッド - Google Patents

液体噴射記録ヘッド

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JP2605137B2
JP2605137B2 JP1053373A JP5337389A JP2605137B2 JP 2605137 B2 JP2605137 B2 JP 2605137B2 JP 1053373 A JP1053373 A JP 1053373A JP 5337389 A JP5337389 A JP 5337389A JP 2605137 B2 JP2605137 B2 JP 2605137B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は液体噴射記録ヘッド、より詳細には、バブル
ジェットヘッドの流路及び液室のディメンションに関す
る。
従来技術 ノンインパクト記録法は、記録時における騒音の発生
が無視し得る程度に極めて小さいという点において、最
近関心を集めている。その中で、高速記録が可能であ
り、而も所謂普通紙に特別の定着処理を必要とせずに記
録の行える所謂インクジェット記録法は極めて有力な記
録法であって、これまでにも様々な方式が提案され、改
良が加えられて商品化されたものもあれば、現在もなお
実用化への努力が続けられているものもある。
この様なインクジェット記録法は、所謂インクと称さ
れる記録液体の小滴(droplet)を飛翔させ、記録部材
に付着させて記録を行うものであって、この記録液体の
小滴の発生法及び発生された記録液小滴の飛翔方向を制
御する為の制御方法によって幾つかの方式に大別され
る。
先ず第1の方式は例えば米国特許第3060429号明細書
に開示されているもの(Tele type方式)であって、記
録液体の小滴の発生を静電吸引的に行い、発生した記録
液体小滴を記録信号に応じて電界制御し、記録部材上に
記録液体小滴を選択的に付着させて記録を行うものであ
る。
これに就いて、更に詳述すれば、ノズルと加速電極間
に電界を掛けて、一様に帯電した記録液体の小滴をノズ
ルより吐出させ、該吐出した記録液体の小滴を記録信号
に応じて電気制御可能な様に構成されたxy偏向電極間を
飛翔させ、電界の強度変化によって選択的に小滴を記録
部材上に付着させて記録を行うものである。
第2の方式は、例えば米国特許第3596275号明細書、
米国特許第3298030号明細書等に開示されている方式(S
weet方式)であって、連続振動発生法によって帯電量の
制御された記録液体の小滴を発生させ、この発生された
帯電量の制御された小滴を、一様の電界が掛けられてい
る偏向電極間を飛翔させることで、記録部材上に記録を
行うものである。
具体的には、ピエゾ振動素子の付設されている記録ヘ
ッドを構成する一部であるノズルのオリフィス(吐出
口)の前に記録信号が印加されている様に構成した帯電
電極を所定距離だけ離して配置し、前記ピエゾ振動素子
に一定周波数の電気信号を印加することでピエゾ振動素
子を機械的に振動させ、前記吐出口より記録液体の小滴
を吐出させる。この時前記帯電電極によって吐出する記
録液体小滴には電荷が静電誘導され、小滴は記録信号に
応じた電荷量で帯電される。帯電量の制御された記録液
体の小滴は、一定の電界が一様に掛けられている偏向電
極間を飛翔する時、付加された帯電量に応じて偏向を受
け、記録信号を担う小滴のみが記録部材上に付着し得る
様にされている。
第3の方式は例えば米国特許第3416153号明細書に開
示されている方式(Hertz方式)であって、ノズルとリ
ング状の帯電電極間に電界を掛け、連続振動発生法によ
って、記録液体の小滴を発生霧化させて記録する方式で
ある。即ちこの方式ではノズルと帯電電極間に掛ける電
界強度を記録信号に応じて変調することによって小滴の
霧化状態を制御し、記録画像の階調性を出して記録す
る。
第4の方式は、例えば米国特許第3747120号明細書に
開示されている方式(Stemme方式)で、この方式は前記
3つの方式とは根本的に原理が異なるものである。
即ち、前記3つの方式は、何れもノズルより吐出され
た記録液体の小滴を、飛翔している途中で電気的に制御
し、記録信号を担った小滴を選択的に記録部材上に付着
させて記録を行うのに対して、このStemme方式は、記録
信号に応じて吐出口より記録液体の小滴を吐出飛翔させ
て記録するものである。
つまり、Stemme方式は、記録液体を吐出する吐出口を
有する記録ヘッドに付設されているピエゾ振動素子に、
電気的な記録信号を印加し、この電気的記録信号をピエ
ゾ振動素子の機械的振動に変え、該機械的振動に従って
前記吐出口より記録液体の小滴を吐出飛翔させて記録部
材に付着させることで記録を行うものである。
これ等、従来の4つの方式は各々に特長を有するもの
であるが、又、他方において解決され得る可き点が存在
する。
即ち、前記第1から第3の方式は記録液体の小滴の発
生の直接的エネルギーが電気的エネルギーであり、又、
小滴の偏向制御も電界制御である。その為、第1の方式
は、構成上はシンプルであるが、小滴の発生に高電圧を
要し、又、記録ヘッドのマルチノズル化が困難であるの
で高速記録には不向きである。
第2の方式は、記録ヘッドのマルチノズル化が可能で
高速記録に向くが、構成上複雑であり、又記録液体小滴
の電気的制御が高度で困難であること、記録部材上にサ
テライトドットが生じ易いこと等の問題点がある。
第3の方式は、記録液体小滴を霧化することによって
階調性に優れた画像が記録され得る特長を有するが、他
方霧化状態の制御が困難であること、記録画像にカブリ
が生ずること及び記録ヘッドのマルチノズル化が困難
で、高速記録には不向きであること等の諸問題点が存す
る。
第4の方式は、第1乃至第3の方式に比べ利点を比較
的多く有する。即ち、構成上シンプルであること、オン
デマンド(on−demand)で記録液体をノズルの吐出口よ
り吐出して記録を行う為に、第1乃至第3の方式の様に
吐出飛翔する小滴の中、画像の記録に要さなかった小滴
を回収することが不要であること及び第1乃至第2の方
式の様に、導電性の記録液体を使用する必要性がなく記
録液体の物質上の自由度が大であること等の大きな利点
を有する。而乍ら、一方において、記録ヘッドの加工上
に問題があること、所望の共振数を有するピエゾ振動素
子の小型化が極めて困難であること等の理由から記録ヘ
ッドのマルチノズル化が難しく、又、ピエゾ振動素子の
機械的振動という機械的エネルギーによって記録液体小
滴の吐出飛翔を行うので高速記録には向かないこと、等
の欠点を有する。
更には、特開昭48−9622号公報(前記米国特許第3747
120号明細書に対応)には、変形例として、前記のピエ
ゾ振動素子等の手段による機械的振動エネルギーを利用
する代わりに熱エネルギーを利用することが記載されて
いる。
即ち、上記公報には、圧力上昇を生じさせる蒸気を発
生する為に液体を直接加熱する加熱コイルをピエゾ振動
素子の代りの圧力上昇手段として使用する所謂バブルジ
ェットの液体噴射記録装置が記載されている。
しかし、上記公報には、圧力上昇手段としての加熱コ
イルに通電して液体インクが出入りし得る口が一つしか
ない袋状のインク室(液室)内の液体インクを直接加熱
して蒸気化することが記載されているに過ぎず、連続繰
返し液吐出を行う場合は、どの様に加熱すれば良いか
は、何等示唆されるところがない。加えて、加熱コイル
が設けられている位置は、液体インクの供給路から遥か
に遠い袋状液室の最深部に設けられているので、ヘッド
構造上複雑であるに加えて、高速での連続繰返し使用に
は、不向きとなっている。
しかも、上記公報に記載の技術内容からでは、実用上
重要である発生する熱で液吐出を行った後に次の液吐出
の準備状態を速やかに形成することは出来ない。
このように従来法には、構成上、高速記録化上、記録
ヘッドのマルチノズル化上、サテライトドットの発生お
よび記録画像のカブリ発生等の点において一長一短があ
って、その長所を利する用途にしか適用し得ないという
制約が存在していた。
また、特開昭55−132271号公報には、各々、記録液の
吐出口に連続している所定数の作用室と、前記記録液を
その供給源から前記各作用室に供給するための中継室と
を有し、この中継室の一部を構成しており、かつ、その
面積がWである壁面上に前記作用室との連絡口を設け、
これら、連絡口の総面積をSとしたとき、W/Sの値が50
以上となるように全ての作用室を前記中継室に連絡させ
るようにした液体噴射記録装置が提案されている。
第19図は、上述のごときインクジェットヘッドの極端
な場合の一例を示す要部断面図で、図示のように、中継
室の壁面1のlの長さを長くとってWの面積をかせぎ、
連絡口2の総面積Sとの比をW/S≧50としたものであ
る。而して、インクジェットヘッドにおいて、クロスト
ークの影響を小さくする因子としてのSとWの関係は重
要ではあるが、より厳密には、吐出オリフィス間の距
離、あるいは、一滴吐出した後の反射圧力波等の関係か
ら規定されるべきである。例えば、極端な例ではある
が、第19図に示したように連絡口2の配列と、中継室の
壁面1との関係を決めても、W/S≧50を満足させること
はできる。しかしながら、クロストークを小さくするこ
とは困難である。クロストークを小さくするための因子
の一つである吐出オリフィス間の距離はプリントスピー
ドあるいはプリント密度等の仕様から決定されることが
多く、クロストーク防止の面から決定されることは少な
い。よって、それ以外の因子、つまり反射してくる圧力
波等の関係から防止対策をすることが望まれる。
目的 本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもの
で、特に、バブルジェット型インクジェットのマルチノ
ズルアレイにおいて、クロストークをなくすこと、及
び、吐出性能を均一にすることを目的としてなされたも
のである。
構成 本発明は、上記目的を達成するために、一方の端部が
記録液室に連絡し、該記録液室から導入される記録液体
を収容するとともに、該記録液体に熱によって気泡を発
生させ、該気泡の体積増加にともなう作用力を発生させ
る熱エネルギー作用部を付設した流路と、該流路の他方
の端部において該流路に連絡して前記記録液体を前記作
用力によって液滴として吐出させるためのオリフィス
と、前記一方の端部において、前記流路に連絡して該流
路に前記記録液体を導入するための記録液室と、該記録
液室に前記記録液体を導入する手段とよりなる液体噴射
記録ヘッドにおいて、前記流路の高さをha、前記記録液
室の高さをhbとするとき、 なる関係を満足させることを特徴としたものである。以
下、本発明の実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明の一実施例を説明するための要部断面
図、第2図は本発明が適用されるインクジェットヘッド
の一例としてのバブルジェットヘッドの動作説明をする
ための図、第3図は、バブルジェットヘッドの一例を示
す斜視図、第4図は、第3図に示したヘッドを構成する
蓋基板(第4図(a))と発熱体基板(第4図(b))
に分解した時の斜視図、第5図は、第4図(a)に示し
た蓋基板を裏側から見た斜視図で、図中、11は蓋基板、
12は発熱体基板、13は記録液体流入口、14はオリフィ
ス、15は流路、16は液室を形成するための領域、17は個
別(独立)電極、18は共通電極、19は発熱体(ヒー
タ)、20はインク、21は気泡、22は飛翔インク滴で、本
発明は、斯様なバブルジェット式の液体噴射記録ヘッド
に適用するものである。
最初に、第2図を参照しながらバブルジェットによる
インク噴射について説明すると、 (a)は定常状態であり、オリフィス面でインク20の表
面張力と外圧とが平衡状態にある。
(b)はヒータ19が加熱されて、ヒータ19の表面温度が
急上昇し隣接インク層に沸騰現像が起きるまで加熱さ
れ、微小気泡21が点在している状態にある。
(c)はヒータ19の全面で急激に加熱された隣接インク
層が瞬時に気化し、沸騰膜を作り、この気泡21が生長し
た状態である。この時、ノズル内の圧力は、気泡の生長
した分だけ上昇し、オリフィス面での外圧とのバランス
がくずれ、オリフィスよりインク柱が生長し始める。
(d)は気泡が最大に生長した状態であり、オリフィス
面より気泡の体積に相当する分のインク20が押し出され
る。この時、ヒータ19には電流が流れていない状態にあ
り、ヒータ19の表面温度は降下しつつある。気泡21の体
積の最大値は電気パルス印加のタイミングからややおく
れる。
(e)は気泡21がインクなどにより冷却されて収縮を開
始し始めた状態を示す。インク柱の先端部では押し出さ
れた速度を保ちつつ前進し、後端部では気泡の収縮に伴
ってノズル内圧の減少によりオリフィス面からノズル内
へインクが逆流してインク柱にくびれが生じている。
(f)はさらに気泡21が収縮し、ヒータ面にインクが接
しヒータ面がさらに急激に冷却される状態にある。オリ
フィス面では、外圧がノズル内圧より高い状態になるた
めメニスカスが大きくノズル内に入り込んで来ている。
インク柱の先端部は液滴になり記録紙の方向へ5〜10m/
secの速度で飛翔している。
(g)はオリフィスにインクが毛細管現象により再び供
給(リフィル)された(a)の状態にもどる過程で、気
泡は完全に消滅している。
而して、本発明は、上述のごときバブルジェット型イ
ンクジェットにおけるマルチアレイ型式のヘッドにおい
て、オリフィス間のクロストークを防止するためのもの
であり、更には、液室から流路への記録液体(インク)
の補給をすみやかに行い、かつ、マルチアレイの中央付
近と、両端付近とでその補給スピードのばらつきを少な
くし、もって、応答周波数の高速化及び吐出性能のばら
つき(マルチアレイの中央付近と両端付近との相違)を
小さくするためのものである。
上述のごときマルチアレイヘッドを実用化するに当た
っては、周知のように、オリフィス間同志のクロストー
クと、記録液体(インク)を各流路に補給するときのス
ピードのばらつきがある。クロストークに関しては、例
えば、隣接オリフィス(流路)間距離を大きくすればほ
ぼ解決できるが、現実問題として、隣接オリフィス間距
離は、プリンタ本体の仕様から決定されることが多く、
必ずしもクロストークの防止に望ましい距離になってい
るとは限らない。従って、他の方法による解決が望まれ
る。
本発明は上述のごときこの点に鑑みてなされたもので
あり、液室の高さと流路の高さがある関係を満足すれ
ば、クロストークを発生させる圧力波がすぐ隣の流路に
影響を及ぼさないことを、実験的に見出したものであ
る。一方、インク補給のスピードばらつきによって生ず
る不具合は、オリフィスの中央付近と、両端付近で、補
給スピードが異なることにより、吐出性能、応答周波数
がばらつくことである。これを解決するためには、液室
内を移動するインクに、液室壁面(底面と天井)からの
液体抵抗が少なくなればよく、このためには、天井まで
の高さをある一定の値以上にしてやれば、インクがスム
ーズに移動できるということが、実験的に明らかになっ
た。
上記の2点、つまり、クロストークと吐出性能のばら
つきは、それぞれ異なる問題ではあるが、それらを同時
に解決するためには、液室の高さをある値にすればよい
ことがわかる。
第1図は、第3図のI−I線断面図で、今、流路15の
高さをha、液室16の高さをhbとするとき、 となるような関係を満足することにより、上記2点の問
題が解決される。すなわち、液室16の高さが流路15の高
さの2倍以上となるように、蓋基板11と基板12とを係合
して液室16と流路15を形成する。
ha,hbの寸法を変えて試作したヘッドによる実験結果
を以下の第1表に示す。
上記結果より、 とすることによりクロストークあるいは液供給不足が発
生することなく、高い応答周波数で良好な滴吐出が行な
われることがわかる。
さらに本発明では、オリフィス数が多く配列密度が高
い(たとえば16本/mm以上)ほど最大応答周波数も高く
なり、高集積ヘッドには特にその威力を発揮できる。
第6図は、発熱抵抗体を用いる気泡発生手段の構造を
説明するための詳細図で、図中、31は発熱抵抗体、32は
電極、33は保護層、34は電源装置を示し、発熱抵抗体31
を構成する材料として、有用なものには、たとえば、タ
ンタル−SiO2の混合物、窒化タンタル、ニクロム、銀−
パラジウム合金、シリコン半導体、あるいはハフニウ
ム、ランタン、ジルコニウム、チタン、タンタル、タン
グステン、モリブデン、ニオブ、クロム、バナジウム等
の金属の硼化物があげられる。
これらの発熱抵抗体31を構成する材料の中、殊に金属
硼化物が優れたものとしてあげることができ、その中で
も最も特性の優れているのが、硼化ハフニウムであり、
次いで、硼化ジルコニウム、硼化ランタン、硼化タンタ
ル、硼化バナジウム、硼化ニオブの順となっている。
発熱抵抗体31は、上記の材料を用いて、電子ビーム蒸
着やスパッタリング等の手法を用いて形成することがで
きる。発熱抵抗体31の膜厚は、単位時間当りの発熱量が
所望通りとなるように、その面積、材質及び熱作用部分
の形状及び大きさ、更には実際面での消費電力等に従っ
て決定されるものであるが、通常の場合、0.001〜5μ
m、好適には0.01〜1μmとされる。
電極32を構成する材料としては、通常使用されている
電極材料の多くのものが有効に使用され、具体的には、
たとえばAl,Ag,Au、Pt,Cu等があげられ、これらを使用
して蒸着等の手法で所定位置に、所定の大きさ、形状、
暑さで設けられる。
保護層33に要求される特性は、発熱抵抗体31で発生さ
れた熱を記録液体に効果的に伝達することを妨げずに、
記録液体より発熱抵抗体31を保護するということであ
る。保護層33を構成する材料として有用なものには、た
とえば酸化シリコン、窒化シリコン、酸化マグネシウ
ム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウ
ム等があげられ、これらは、電子ビーム蒸着やスパッタ
リング等の手法を用いて形成することができる。保護層
33の膜厚は、通常は0.01〜10μm、好適には0.1〜5μ
m、最適には0.1〜3μmとされるのが望ましい。
以上のようにして作成した記録ヘッドを、発熱抵抗体
が発熱しない状態では記録液体が吐出口から吐出しない
程度の圧力で記録液体を供給し乍ら画像信号に従って電
気・熱変換体にパルス的に電圧を印加して記録を実行し
たところ、鮮明な画像が得られた。
第7図は、その時の発熱体駆動回路の一例を示すブロ
ック図で、41はフォトダイオード等で構成される公知の
読取り用の光学的入力フォトセンサ部で、該光学的入力
フォトセンサ部41に入力した画像信号はコンパレータ等
の回路からなる処理回路42で処理されて、ドライブ回路
43に入力される。ドライブ回路43は、記録ヘッド44を入
力信号に従ってパルス幅、パルス振幅、繰り返し周波数
等を制御してドライブする。
例えば、最も簡便な記録では、入力画像信号を処理回
路42において白黒判別してドライブ回路43に入力する。
ドライブ回路43では適当な液滴径を得る為のパルス幅、
パルス振幅及び所望の記録液滴密度を得る為の繰り返し
周波数を制御された信号に変換されて、記録ヘッド44を
駆動する。
又、階調を考慮した別の記録法としては、1つには液
滴径を変化させた記録、又もう1つには記録液滴数を変
化させた記録を次の様にして行なうことも出来る。
先ず、液滴径を変化させる記録法は、光学的入力フォ
トセンサ部41で入力した画像信号は、所望の液滴径を得
る為に定められた各々のレベルのパルス幅、パルス振幅
の駆動信号を出力する回路を複数有したドライブ回路43
のいずれのレベルの信号を出力する回路で行なうべきか
を処理回路42で判別され処理される。又、記録液滴数を
変化させる方法では、光学的入力フォトセンサ部41への
入力信号は、処理回路42においてA/D変換されて出力さ
れ、該出力信号に従ってドライブ回路43は1つの入力信
号当りの噴出液滴の数を変えて記録が行なわれる様に記
録ヘッド44を駆動する信号を出力する。
又、別の実施法として同様な装置を使用して発熱抵抗
体が発熱しない状態で記録液体が吐出口からあふれ出る
程度以上の圧力で記録液体を記録ヘッド44に供給し乍
ら、電気熱変換体に連続繰り返しパルスで電圧を印加し
て記録を実行したところ、印加周波数に応じた個数の液
滴が安定に且つ均一径で吐出噴射することが確認され
た。
この点から、記録ヘッド44は高周波での連続吐出に極
めて有効に適用されることが判明した。
又、記録装置の主要部となる記録ヘッドは微小である
から容易に複数個並べることが出来、高密度マルチオリ
フィス化記録ヘッドが可能である。
第8図は、記録液体に気泡を発生させる別の手段を説
明するための図で、図中、51はレーザ発振器、52は光変
調駆動回路、53は光変調器、54は走査器、55は集光レン
ズで、レーザ発振器51より発生されたレーザ光は、光変
調器53において、光変調器駆動回路52に入力されて電気
的に処理されて出力される画情報信号に従ってパルス変
調される。パルス変調されたレーザ光は、走査器54を通
り、集光レンズ55によって熱エネルギー作用部の外壁に
焦点が合うように集光され、記録ヘッドの外壁56を加熱
し、内部の記録液体57内で気泡を発生させる。あるいは
熱エネルギー作用部の壁56は、レーザ光に対して透過性
の材料で作られ、集光レンズ55によって内部の記録液体
57に焦点が合うように集光され、記録液体を直接加熱す
ることによって気泡を発生させてもよい。
第9図は、上述のごときレーザ光を用いたプリンター
の一例を説明するための図で、ノズル部61は、高密度に
(たとえば8ノズル/mm)、又、紙62の紙巾(たとえばA
4横巾)すべてにわたってカバーされるように集積され
ている例を示している。
レーザ発振器51より発振されたレーザ光は、光変調器
53の入口開口に導かれる。光変調器53において、レーザ
光は、光変調器53への画情報入力信号に従って強弱の変
調を受ける。変調を受けたレーザ光は、反射鏡58によっ
てその光路をビームエキスパンダー59の方向に曲げら
れ、ビームエキスパンダー59に入射する。ビームエキス
パンダー59により平行光のままビーム径が拡大される。
次に、ビーム径の拡大されたレーザ光は、高速で定速回
転する回転多面鏡60に入射される。回転多面鏡60によっ
て掃引されたレーザ光は、集光レンズ55により、ドロッ
プジェネレータの熱エネルギー作用部外壁56もしくは内
部の記録液体に結像する。それによって、各熱エネルギ
ー作用部には、気泡が発生し、記録液滴を吐出し、記録
紙62に記録に行なわれる。
第10図は、さらに別の気泡発生手段を示す図で、この
例は、熱エネルギー作用部の内壁側に配置された1対の
放電電極70が、放電装置71から高電圧のパルスを受け、
記録液体中で放電をおこし、その放電によって発生する
熱により瞬時に気泡を形成するようにしたものである。
第11図乃至第18図は、それぞれ第10図に示した放電電
極の具体例を示す図で、 第11図に示した例は、 電極70を針状にして、電界を集中させ、効率よく(低
エネルギーで)放電をおこさせるようにしたものであ
る。
第12図に示した例は、 2枚の平板電極にして、電極間に安定して気泡が発生
するようにしたものである。針状の電極より、発生気泡
の位置が安定している。
第13図に示した例は、 電極にほぼ同軸の穴をあけたものである。2枚の電極
の両穴がガイドになって、発生気泡の位置はさらに安定
する。
第14図に示した例は、 リング状の電極にしたものであり、基本的には第14図
に示した例と同じであり、その変形実施例である。
第15図に示した例は、 一方をリング状電極とし、もう一方を針状電極とした
ものである。リング状電極により、発生気泡の安定性を
狙い、針状電極により電界の集中により効率を狙ったも
のである。
第16図に示した例は、 一方のリング状電極を熱エネルギー作用部の壁面に形
成したものである。これは、第15図に示した例の効果に
加えて、基板上に平面的に電極を形成するという製造上
の容易さを狙ったものである。このような平面的な電極
は、蒸着(あるいはスパッタリング)や、フォトエッチ
ングの技術によって容易に高密度な複数個のものが製作
され得る。マルチアレイに特に威力を発揮する。
第17図に示した例は、 第16図に示した例のリング状電極形成部を電極の外周
にそった形状で周囲から一段高くしたものである。やは
り、発生気泡の安定性を狙ったものであり、第15図に示
したものよりも3次元的なガイドを付け加えた分だけ安
定する。
効果 以上の説明から明らかなように、本発明によると、マ
ルチノズルアレイのバブルジェット型液体噴射記録ヘッ
ドにおいて、各流路間のクロストークがなくなり、吐出
性能が中央付近と端部とでばらつかかなく、さらに応答
周波数を高くすることができる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を説明するための要部構成
図、第2図は、本発明が適用されるインクジェットヘッ
ドの一例としてのバブルジェットヘッドの動作説明をす
るための図、第3図は、バブルジェットヘッドの一例を
示す斜視図、第4図は、分解斜視図、第5図は、蓋基板
を裏側から見た図、第6図は、発熱抵抗体を用いた気泡
発生手段の構造を説明するための図、第7図は、発熱体
駆動回路の一例を説明するためのブロック図、第8図
は、レーザ光を用いた気泡発生手段の一例を説明するた
めの図、第9図は、プリンターの一例を説明するための
図、第10図は、放電を利用した気泡発生手段の一例を説
明するための図、第11図乃至第18図は、それぞれ第10図
に示した放電電極の具体例を示す図、第19図は、従来技
術の一例を説明するための図である。 11……蓋基板、12……発熱体基板、14……オリフィス、
15……流路、16……液室、17、18……電極、19……発熱
体、20……記録液、21……気泡。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の端部が記録液室に連絡し、該記録液
    室から導入される記録液体を収容するとともに、該記録
    液体に熱によって気泡を発生させ、該気泡の体積増加に
    ともなう作用力を発生させる熱エネルギー作用部を付設
    した流路と、該流路の他方の端部において該流路に連絡
    して前記記録液体を前記作用力によって液滴として吐出
    させるためのオリフィスと、前記一方の端部において、
    前記流路に連絡して該流路に前記記録液体を導入するた
    めの記録液室と、該記録液室に前記記録液体を導入する
    手段とよりなる液体噴射記録ヘッドにおいて、前記流路
    の高さをha、前記記録液室の高さをhbとするとき、 なる関係を満足させることを特徴とする液体噴射記録ヘ
    ッド。
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