JP2604033Y2 - ボールバルブ - Google Patents
ボールバルブInfo
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- JP2604033Y2 JP2604033Y2 JP1992056704U JP5670492U JP2604033Y2 JP 2604033 Y2 JP2604033 Y2 JP 2604033Y2 JP 1992056704 U JP1992056704 U JP 1992056704U JP 5670492 U JP5670492 U JP 5670492U JP 2604033 Y2 JP2604033 Y2 JP 2604033Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はボールバルブに係り、各
種の流体を取り扱う化学プラントや食品加工設備等の配
管に利用できる。
種の流体を取り扱う化学プラントや食品加工設備等の配
管に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、化学プラントや食品加工設備等
の配管中には、配管中を流れる各種の流体を任意に遮断
できるようにするために、適宜位置にバルブが取付けら
れている。バルブとしては、流体の圧力損失が小さく構
造の簡単なボールバルブが利用されている。
の配管中には、配管中を流れる各種の流体を任意に遮断
できるようにするために、適宜位置にバルブが取付けら
れている。バルブとしては、流体の圧力損失が小さく構
造の簡単なボールバルブが利用されている。
【0003】このようなボールバルブは、流体の通路が
設けられた箱状の弁筐体を有している。弁筐体の内部に
はボール弁体が回動自在に収納され、ボール弁体には流
体を流通させる貫通孔が形成されている。弁筐体の内面
には、リング状のシール部材が設けられ、シール部材に
は、ボール弁体の表面に摺動自在に密着する摺動接触面
が形成されている。これらの摺動接触面の間に隙間があ
ると、ボールバルブの閉鎖時に流体漏れが生じるため、
隙間なく密着可能なように摺動接触面は高精度に仕上げ
られ、これにより、ボールバルブは流体の通路の一端が
全周にわたって密封された状態で閉鎖可能となってい
る。
設けられた箱状の弁筐体を有している。弁筐体の内部に
はボール弁体が回動自在に収納され、ボール弁体には流
体を流通させる貫通孔が形成されている。弁筐体の内面
には、リング状のシール部材が設けられ、シール部材に
は、ボール弁体の表面に摺動自在に密着する摺動接触面
が形成されている。これらの摺動接触面の間に隙間があ
ると、ボールバルブの閉鎖時に流体漏れが生じるため、
隙間なく密着可能なように摺動接触面は高精度に仕上げ
られ、これにより、ボールバルブは流体の通路の一端が
全周にわたって密封された状態で閉鎖可能となってい
る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】このようなボールバル
ブでは、摺動接触面をボール弁体の表面に密着させるこ
とで流体の漏れを防ぐようにしたため、ボールバルブの
流体の出入口間に大きな差圧が加わる等により、ボール
弁体が変形して摺動接触面が偏磨耗しやすくなるという
問題がある。特に、ボール弁体は、内部の貫通孔が潰れ
る方向に変形しやすく、閉鎖時の差圧によりボール弁体
が変形すると、摺動接触面の偏磨耗に加えて、摺動接触
面に加わる押圧力の激増により開閉トクルが増大し、通
常の操作では開閉しにくくなるという問題がある。ま
た、流体の入口側および出口側の各々においてボール弁
体の表面にシール用のリング部材が密着している。これ
らのリング部材を固定するために、弁筐体の内面には、
リング部材を嵌合させる凹部が設けられている。この凹
部の各々は、リング部材ときつく嵌合し、リング部材を
所定位置に精度良く固定するようになっている。 このた
め、摺動接触面の磨耗を抑制するために、リング部材を
硬い材質で形成すると、凹部にリング部材を嵌合させる
作業が面倒となるので、リング部材を硬い材質で形成し
た場合にも、組立作業が容易に行えるボールバルブが要
望されている。
ブでは、摺動接触面をボール弁体の表面に密着させるこ
とで流体の漏れを防ぐようにしたため、ボールバルブの
流体の出入口間に大きな差圧が加わる等により、ボール
弁体が変形して摺動接触面が偏磨耗しやすくなるという
問題がある。特に、ボール弁体は、内部の貫通孔が潰れ
る方向に変形しやすく、閉鎖時の差圧によりボール弁体
が変形すると、摺動接触面の偏磨耗に加えて、摺動接触
面に加わる押圧力の激増により開閉トクルが増大し、通
常の操作では開閉しにくくなるという問題がある。ま
た、流体の入口側および出口側の各々においてボール弁
体の表面にシール用のリング部材が密着している。これ
らのリング部材を固定するために、弁筐体の内面には、
リング部材を嵌合させる凹部が設けられている。この凹
部の各々は、リング部材ときつく嵌合し、リング部材を
所定位置に精度良く固定するようになっている。 このた
め、摺動接触面の磨耗を抑制するために、リング部材を
硬い材質で形成すると、凹部にリング部材を嵌合させる
作業が面倒となるので、リング部材を硬い材質で形成し
た場合にも、組立作業が容易に行えるボールバルブが要
望されている。
【0005】本考案の目的は、大きな差圧が加わって
も、摺動接触面の偏磨耗がなくなるうえ、小さなトルク
で開閉可能となり、組立作業が容易に行えるようになる
ボールバルブを提供することにある。
も、摺動接触面の偏磨耗がなくなるうえ、小さなトルク
で開閉可能となり、組立作業が容易に行えるようになる
ボールバルブを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、弁筐体内に回
動自在に収納されかつ流体が通過する貫通孔が形成され
たボール弁体と、このボール弁体および前記弁筐体の間
に介装されるとともに、前記流体の入口側および出口側
の各々で前記ボール弁体の表面と摺動自在に密着する一
対のリング部材とが設けられているボールバルブであっ
て、閉鎖位置にあるときに前記貫通孔の内部と前記流体
の入口とを連通する導圧路として、前記ボール弁体の側
壁を貫通して前記貫通孔と前記入口とを連通する細孔が
設けられ、前記一対のリング部材は、前記弁筐体の内面
に形成された凹部と嵌合するものであり、これらのリン
グ部材のうち前記流体の入口側に設けられているリング
部材は、その材質が高分子化合物と繊維との混合物とさ
れ、スリット状の切り欠きを有する有端のリング状とさ
れ、前記スリット状の切り欠きにより、前記弁筐体およ
び前記ボール弁体の間にできる隙間と前記流体の入口と
が連通し、前記弁筐体は、内面が略球面状に成形された
ものであり、弁筐体の中心から外れた位置で二分割可能
とされ、前記流体の入口側がボール弁体を収納する収納
部とされ、前記流体の出口側が内部に収めたボール弁体
を抜け止めする蓋部となっていることを特徴とする。
動自在に収納されかつ流体が通過する貫通孔が形成され
たボール弁体と、このボール弁体および前記弁筐体の間
に介装されるとともに、前記流体の入口側および出口側
の各々で前記ボール弁体の表面と摺動自在に密着する一
対のリング部材とが設けられているボールバルブであっ
て、閉鎖位置にあるときに前記貫通孔の内部と前記流体
の入口とを連通する導圧路として、前記ボール弁体の側
壁を貫通して前記貫通孔と前記入口とを連通する細孔が
設けられ、前記一対のリング部材は、前記弁筐体の内面
に形成された凹部と嵌合するものであり、これらのリン
グ部材のうち前記流体の入口側に設けられているリング
部材は、その材質が高分子化合物と繊維との混合物とさ
れ、スリット状の切り欠きを有する有端のリング状とさ
れ、前記スリット状の切り欠きにより、前記弁筐体およ
び前記ボール弁体の間にできる隙間と前記流体の入口と
が連通し、前記弁筐体は、内面が略球面状に成形された
ものであり、弁筐体の中心から外れた位置で二分割可能
とされ、前記流体の入口側がボール弁体を収納する収納
部とされ、前記流体の出口側が内部に収めたボール弁体
を抜け止めする蓋部となっていることを特徴とする。
【0007】
【作用】このような本考案では、ボールバルブの閉鎖時
においても、導圧路によりボール弁体の貫通孔と流体入
口とが等圧にされ、ボール弁体は貫通孔が潰れる方向に
変形しなくなる。また、閉鎖時には、ボール弁体の貫通
孔と、弁筐体およびボール弁体の間にできる隙間とが連
通するため、当該隙間も流体の入口と等圧になる。これ
により、流体入口の圧力をボール弁体の貫通孔の内部に
導入しても、ボール弁体の貫通孔が外側に膨張しようと
する力が発生せず、ボール弁体は膨張する方向に変形す
ることがなくなる。従って、ボール弁体の変形が未然に
防止され、ボール弁体の変形による摺動接触面の偏磨耗
や、摺動接触面に加わる押圧力の激増がなくなる。ま
た、入口側に設けられているリング部材には、スリット
状の切り欠きが形成され、弾性変形により縮径可能とな
るので、摺動接触面の磨耗を抑制するために、リング部
材を、ポリアセタール、ポリイミドおよびポリイミドア
ミド等の硬質高分子化合物で形成しても、縮径により、
凹部にリング部材が容易に嵌合可能となり、組立作業性
が向上する。ここで、内面が略球面状に成形され、弁筐
体の中心から外れた位置で二分割可能とされ、かつ、前
記流体の入口側がボール弁体を収納する収納部とされ、
前記流体の出口側が内部に収めたボール弁体を抜け止め
する蓋部となっている弁筐体を採用すれば、収納部の開
口から遠く、作業が困難な箇所に凹部が形成されていて
も、当該リング部材は、スリット状の切り欠きを有して
いるので、取付作業が容易に行えるうえ、蓋部は、奥行
き寸法が小さく、凹部が露出状態となるので、治具等の
利用が容易となり、切り欠きのない出口側のリング部材
でも容易に取付けが行えるようになり、この点からも組
立作業性が向上する。
においても、導圧路によりボール弁体の貫通孔と流体入
口とが等圧にされ、ボール弁体は貫通孔が潰れる方向に
変形しなくなる。また、閉鎖時には、ボール弁体の貫通
孔と、弁筐体およびボール弁体の間にできる隙間とが連
通するため、当該隙間も流体の入口と等圧になる。これ
により、流体入口の圧力をボール弁体の貫通孔の内部に
導入しても、ボール弁体の貫通孔が外側に膨張しようと
する力が発生せず、ボール弁体は膨張する方向に変形す
ることがなくなる。従って、ボール弁体の変形が未然に
防止され、ボール弁体の変形による摺動接触面の偏磨耗
や、摺動接触面に加わる押圧力の激増がなくなる。ま
た、入口側に設けられているリング部材には、スリット
状の切り欠きが形成され、弾性変形により縮径可能とな
るので、摺動接触面の磨耗を抑制するために、リング部
材を、ポリアセタール、ポリイミドおよびポリイミドア
ミド等の硬質高分子化合物で形成しても、縮径により、
凹部にリング部材が容易に嵌合可能となり、組立作業性
が向上する。ここで、内面が略球面状に成形され、弁筐
体の中心から外れた位置で二分割可能とされ、かつ、前
記流体の入口側がボール弁体を収納する収納部とされ、
前記流体の出口側が内部に収めたボール弁体を抜け止め
する蓋部となっている弁筐体を採用すれば、収納部の開
口から遠く、作業が困難な箇所に凹部が形成されていて
も、当該リング部材は、スリット状の切り欠きを有して
いるので、取付作業が容易に行えるうえ、蓋部は、奥行
き寸法が小さく、凹部が露出状態となるので、治具等の
利用が容易となり、切り欠きのない出口側のリング部材
でも容易に取付けが行えるようになり、この点からも組
立作業性が向上する。
【0008】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、本実施例のボールバルブ1が示され
ている。ボールバルブ1は、中空の弁筐体10の内部に球
状のボール弁体20を回動自在に設けたものである。
明する。図1には、本実施例のボールバルブ1が示され
ている。ボールバルブ1は、中空の弁筐体10の内部に球
状のボール弁体20を回動自在に設けたものである。
【0009】弁筐体10は、内面11が略球面状に成形され
たものである。弁筐体10の中心から図中やや右側の箇所
は、左右に分割可能となっており、図中左側がボール弁
体20を収納する収納部10A とされ、図中右側が内部に収
めたボール弁体20を抜け止めする蓋部10B となってい
る。
たものである。弁筐体10の中心から図中やや右側の箇所
は、左右に分割可能となっており、図中左側がボール弁
体20を収納する収納部10A とされ、図中右側が内部に収
めたボール弁体20を抜け止めする蓋部10B となってい
る。
【0010】弁筐体10には、図中左右両端に円板状のフ
ランジ12が設けられている。各フランジ12の中央部に
は、弁筐体10の内外を連通する一対の通路13が一直線状
に連続するように穿設されている。各通路13の外側の開
口部分は、流体の入口14および出口15となっている。
ランジ12が設けられている。各フランジ12の中央部に
は、弁筐体10の内外を連通する一対の通路13が一直線状
に連続するように穿設されている。各通路13の外側の開
口部分は、流体の入口14および出口15となっている。
【0011】ボール弁体20は、セラミクス製等の球体に
貫通孔21を形成したものである。ボール弁体20の図中上
部には、棒状のステム22の基端が嵌合され、ステム22の
先端は弁筐体10の外部に延びている。ステム22の外部に
露出する部分は、回動操作用の把持部となっており、こ
の部分を回動操作することで、内部のボール弁体20が回
動するようになっている。貫通孔21と通路13とが連通す
る開放位置までボール弁体20を回動することにより、ボ
ールバルブ1の内部を流体が流通可能となっている。一
方、この開放位置からボール弁体20を90度回動させて閉
鎖位置にすれば、ボール弁体20が通路13を塞ぎ流体が遮
断されるようになっている。
貫通孔21を形成したものである。ボール弁体20の図中上
部には、棒状のステム22の基端が嵌合され、ステム22の
先端は弁筐体10の外部に延びている。ステム22の外部に
露出する部分は、回動操作用の把持部となっており、こ
の部分を回動操作することで、内部のボール弁体20が回
動するようになっている。貫通孔21と通路13とが連通す
る開放位置までボール弁体20を回動することにより、ボ
ールバルブ1の内部を流体が流通可能となっている。一
方、この開放位置からボール弁体20を90度回動させて閉
鎖位置にすれば、ボール弁体20が通路13を塞ぎ流体が遮
断されるようになっている。
【0012】ボール弁体20の側壁には、閉鎖位置におい
て入口14側へ向かって延びる細孔23が設けられている。
細孔23は、ボール弁体20側に設けられた第1の導圧路で
あり、ボール弁体20が閉鎖位置にあるときに、貫通孔21
の内部と入口14側とを連通するものである。ボール弁体
20の両側には、当該ボール弁体20の表面に密着するリン
グ部材30,31がそれぞれ配置されている。
て入口14側へ向かって延びる細孔23が設けられている。
細孔23は、ボール弁体20側に設けられた第1の導圧路で
あり、ボール弁体20が閉鎖位置にあるときに、貫通孔21
の内部と入口14側とを連通するものである。ボール弁体
20の両側には、当該ボール弁体20の表面に密着するリン
グ部材30,31がそれぞれ配置されている。
【0013】リング部材30, 31は、環状の部材であり、
各通路13の内側の一端の全周にわたって形成された段付
部16に嵌合設置されている。この段付部16は、図からも
明らかなように、弁筺体10の内面に形成された凹部とな
っている。リング部材30, 31には、ボール弁体20の表面
と接触する部分に、当該表面の曲率に対応した摺動接触
面32が設けられいる。摺動接触面32は、ボール弁体20の
表面に隙間なく密着するように高精度に仕上げられたも
のである。この摺動接触面32とボール弁体20との密着に
より、ボール弁体20が閉鎖位置にあるときには、摺動接
触面32とボール弁体20との間から流体が漏れないように
なっている。
各通路13の内側の一端の全周にわたって形成された段付
部16に嵌合設置されている。この段付部16は、図からも
明らかなように、弁筺体10の内面に形成された凹部とな
っている。リング部材30, 31には、ボール弁体20の表面
と接触する部分に、当該表面の曲率に対応した摺動接触
面32が設けられいる。摺動接触面32は、ボール弁体20の
表面に隙間なく密着するように高精度に仕上げられたも
のである。この摺動接触面32とボール弁体20との密着に
より、ボール弁体20が閉鎖位置にあるときには、摺動接
触面32とボール弁体20との間から流体が漏れないように
なっている。
【0014】リング部材30には、弁筐体10およびボール
弁体20の間にできる隙間17と入口14とを連通する導圧路
33が設けられている。導圧路33は、リング部材30等の弁
筐体10側に設けられた第2の導圧路である。ボール弁体
20の閉鎖位置では、貫通孔21の内部と隙間17とが連通さ
れるため、導圧路33は、貫通孔21と入口14とを連通する
ものとなっている。ここで、リング部材30は、図2〜図
4に示されるように、スリット状の切り欠きを有する有
端のリング状となっている。また、導圧路33としては、
図2〜図4の如く、リング部材30の表面と裏面とを連通
する孔33A 、リング部材30の中心から放射状に延びるス
リット状の切り欠きとなっているスリット33B 、およ
び、入口14側の面30A から周端面30B を通って裏側に連
通する溝33C 、および、摺動接触面32を横断する溝33D
が設けられている。
弁体20の間にできる隙間17と入口14とを連通する導圧路
33が設けられている。導圧路33は、リング部材30等の弁
筐体10側に設けられた第2の導圧路である。ボール弁体
20の閉鎖位置では、貫通孔21の内部と隙間17とが連通さ
れるため、導圧路33は、貫通孔21と入口14とを連通する
ものとなっている。ここで、リング部材30は、図2〜図
4に示されるように、スリット状の切り欠きを有する有
端のリング状となっている。また、導圧路33としては、
図2〜図4の如く、リング部材30の表面と裏面とを連通
する孔33A 、リング部材30の中心から放射状に延びるス
リット状の切り欠きとなっているスリット33B 、およ
び、入口14側の面30A から周端面30B を通って裏側に連
通する溝33C 、および、摺動接触面32を横断する溝33D
が設けられている。
【0015】なお、リング部材31には、第2の導圧路33
に相当するものが一切設けられていない。このリング部
材31は、ボール弁体20の表面と密着することにより、通
路13の一端を全周にわたって密封するシール部材となっ
ている。このリング部材31の介装により、閉鎖時には流
体の漏れが未然に防止されるようになっている。
に相当するものが一切設けられていない。このリング部
材31は、ボール弁体20の表面と密着することにより、通
路13の一端を全周にわたって密封するシール部材となっ
ている。このリング部材31の介装により、閉鎖時には流
体の漏れが未然に防止されるようになっている。
【0016】ここで、リング部材31は、圧縮力等に対す
る変形量が小さく、ボールバルブ1の耐久性を高めるこ
とができる材質で形成されている。具体的には、ポリア
セタール、ポリイミド、ポリイミドアミド等の高分子化
合物と繊維との混合物が採用できる。
る変形量が小さく、ボールバルブ1の耐久性を高めるこ
とができる材質で形成されている。具体的には、ポリア
セタール、ポリイミド、ポリイミドアミド等の高分子化
合物と繊維との混合物が採用できる。
【0017】このような本実施例では、図5の(A)に
示されるように、ボール弁体20の貫通孔21と通路13とが
連通する開放位置では、ボールバルブ1の入口14から入
った流体は通路13および貫通孔21を通って出口15から流
出する。一方、図5の(B)に示すように、開放位置か
らボール弁体20を回動させ、図5の(C)に示すよう
に、ボール弁体20で通路13を塞ぐ閉鎖位置まで回動すれ
ば、ボールバルブ1の内部を流れていた流体が遮断され
る。ここで、ボールバルブ1の入口14側の圧力は、細孔
23等を通ってボール弁体20の貫通孔21内および弁筐体10
内の隙間17に導かれる。これにより、貫通孔21、隙間1
7、および、入口14の全てが等圧となる。従って、ボー
ル弁体20の貫通孔21は入口14側と等圧になるため、ボー
ル弁体20を押し潰す押圧力が生じなくなり、貫通孔21が
潰れる方向に変形することがなくなるうえ、貫通孔21と
隙間17とが等圧となるため、隙間17に向かって作用する
膨張力がなくなり、貫通孔21が膨張する方向に変形する
ことがなくなる。
示されるように、ボール弁体20の貫通孔21と通路13とが
連通する開放位置では、ボールバルブ1の入口14から入
った流体は通路13および貫通孔21を通って出口15から流
出する。一方、図5の(B)に示すように、開放位置か
らボール弁体20を回動させ、図5の(C)に示すよう
に、ボール弁体20で通路13を塞ぐ閉鎖位置まで回動すれ
ば、ボールバルブ1の内部を流れていた流体が遮断され
る。ここで、ボールバルブ1の入口14側の圧力は、細孔
23等を通ってボール弁体20の貫通孔21内および弁筐体10
内の隙間17に導かれる。これにより、貫通孔21、隙間1
7、および、入口14の全てが等圧となる。従って、ボー
ル弁体20の貫通孔21は入口14側と等圧になるため、ボー
ル弁体20を押し潰す押圧力が生じなくなり、貫通孔21が
潰れる方向に変形することがなくなるうえ、貫通孔21と
隙間17とが等圧となるため、隙間17に向かって作用する
膨張力がなくなり、貫通孔21が膨張する方向に変形する
ことがなくなる。
【0018】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。すなわち、第1の導圧路23および第2の導
圧路33を設けることにより、貫通孔21が潰れる方向およ
び貫通孔21が膨張する方向にボール弁体20が変形しない
ようにしたので、リング部材30, 31の摺動接触面32に押
圧力が偏って加わることがなくなり、ボールバルブ1に
大きな差圧が加わっても、偏磨耗がなくなり良好な耐久
性を得ることができるうえ、開閉トルクを小さくするこ
とができる。
効果がある。すなわち、第1の導圧路23および第2の導
圧路33を設けることにより、貫通孔21が潰れる方向およ
び貫通孔21が膨張する方向にボール弁体20が変形しない
ようにしたので、リング部材30, 31の摺動接触面32に押
圧力が偏って加わることがなくなり、ボールバルブ1に
大きな差圧が加わっても、偏磨耗がなくなり良好な耐久
性を得ることができるうえ、開閉トルクを小さくするこ
とができる。
【0019】また、貫通孔21と隙間17とが等圧となるよ
うにしたので、入口14および出口15の間の差圧を受ける
面は、段付部16からボール弁体20とリング部材31の接触
部断面に縮小され、ボール弁体20からリング部材31への
押圧力は従来のボールバルブより小さくなり、開閉トル
クを小さくすることができる。
うにしたので、入口14および出口15の間の差圧を受ける
面は、段付部16からボール弁体20とリング部材31の接触
部断面に縮小され、ボール弁体20からリング部材31への
押圧力は従来のボールバルブより小さくなり、開閉トル
クを小さくすることができる。
【0020】さらに、リング部材31を変形量の小さい硬
い材質、具体的には、ポリアセタール、ポリイミド、ポ
リイミドアミド等の高分子化合物や、これらの高分子化
合物とカーボンの粒子もしくは繊維との混合物、およ
び、ポリイミドとテフロンの混合物のいずれかの材質で
形成したので、この点からもボールバルブ1の耐久性を
高めることができる。ここで、弁筐体10を、その中心か
ら外れた位置で二分割し、入口側にボール弁体20を収納
する収納部10A を設けるとともに、出口側にボール弁体
20を抜け止めする蓋部10B を設け、収納部10A にリング
部材30を取付けるようにしたので、収納部10A の開口か
ら遠い部分に段付部16が有っても、スリット33B を有す
るリング部材30は、弾性変形させることにより、取付作
業が容易に行える。そのうえ、高分子化合物と繊維との
混合物で形成され、靭性が確保されるので、弾性変形さ
せても破損することがない。また、凹部16が露出状態と
なり、治具等の利用が容易な蓋部10B の段付部16には、
切り欠きのないリング部材31を取り付けるようにしたの
で、治具等により、リング部材31の取付作業が容易に行
える。従って、リング部材30, 31の取付作業が容易とな
り、ボールバルブ1の組立作業を容易に行うことができ
る。
い材質、具体的には、ポリアセタール、ポリイミド、ポ
リイミドアミド等の高分子化合物や、これらの高分子化
合物とカーボンの粒子もしくは繊維との混合物、およ
び、ポリイミドとテフロンの混合物のいずれかの材質で
形成したので、この点からもボールバルブ1の耐久性を
高めることができる。ここで、弁筐体10を、その中心か
ら外れた位置で二分割し、入口側にボール弁体20を収納
する収納部10A を設けるとともに、出口側にボール弁体
20を抜け止めする蓋部10B を設け、収納部10A にリング
部材30を取付けるようにしたので、収納部10A の開口か
ら遠い部分に段付部16が有っても、スリット33B を有す
るリング部材30は、弾性変形させることにより、取付作
業が容易に行える。そのうえ、高分子化合物と繊維との
混合物で形成され、靭性が確保されるので、弾性変形さ
せても破損することがない。また、凹部16が露出状態と
なり、治具等の利用が容易な蓋部10B の段付部16には、
切り欠きのないリング部材31を取り付けるようにしたの
で、治具等により、リング部材31の取付作業が容易に行
える。従って、リング部材30, 31の取付作業が容易とな
り、ボールバルブ1の組立作業を容易に行うことができ
る。
【0021】また、ボールバルブ1には、ボール弁体20
側の細孔23や、リング部材30側の孔33A 等、導圧路を多
数形成したので、これらの導圧路の一つが詰まっても、
ボールバルブ1は正常に動作するようになり、流体中に
ごみなどが含まれる場合でも、全ての導圧路が塞がれな
い限り、正常な動作を維持できる。
側の細孔23や、リング部材30側の孔33A 等、導圧路を多
数形成したので、これらの導圧路の一つが詰まっても、
ボールバルブ1は正常に動作するようになり、流体中に
ごみなどが含まれる場合でも、全ての導圧路が塞がれな
い限り、正常な動作を維持できる。
【0022】なお、本考案は前述の一実施例に限定され
るものではなく、次に示すような変形例をも含むもので
ある。すなわち、ボール弁体としては、セラミクス製の
ものに限らず、例えば、ステンレス鋼等の金属製のもの
でもよく、要するに、耐磨耗性に優れた材質であればよ
い。
るものではなく、次に示すような変形例をも含むもので
ある。すなわち、ボール弁体としては、セラミクス製の
ものに限らず、例えば、ステンレス鋼等の金属製のもの
でもよく、要するに、耐磨耗性に優れた材質であればよ
い。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】さらに、リング部材31としては、ポリアセ
タール、ポリイミド、ポリイミドアミド等の高分子化合
物と繊維との混合物に限らず、他の高分子化合物と繊維
との混合物でもよく、ボールバルブ1の耐久性を高める
ことができ、かつ、組立作業を容易にできるという効果
が達成できれば、具体的な高分子化合物は、実施にあた
り適宜選択できる。
タール、ポリイミド、ポリイミドアミド等の高分子化合
物と繊維との混合物に限らず、他の高分子化合物と繊維
との混合物でもよく、ボールバルブ1の耐久性を高める
ことができ、かつ、組立作業を容易にできるという効果
が達成できれば、具体的な高分子化合物は、実施にあた
り適宜選択できる。
【0027】また、弁筐体10としては、前記実施例のよ
うに左右に分割可能なものに限らず、例えば上下に分割
可能なものでもよく、その他の部分も所期の機能が得ら
れるものであれば、その材質、形式、形状等は任意に選
択できる。
うに左右に分割可能なものに限らず、例えば上下に分割
可能なものでもよく、その他の部分も所期の機能が得ら
れるものであれば、その材質、形式、形状等は任意に選
択できる。
【0028】なお、本考案は、化学プラントや食品加工
設備等の配管に設置されるものに限らず、各種の生産設
備等の任意の配管に設置されるものにも適用できる。
設備等の配管に設置されるものに限らず、各種の生産設
備等の任意の配管に設置されるものにも適用できる。
【0029】
【考案の効果】前述のように本考案によれば、第1の導
圧路および第2の導圧路により、大きな差圧が加わって
も、ボール弁体が変形しなくなるため、摺動接触面の偏
磨耗がなくなって耐久性が向上できるうえ、開閉トルク
を小さくすることができ、かつ、組立作業を容易に行う
ことができる。
圧路および第2の導圧路により、大きな差圧が加わって
も、ボール弁体が変形しなくなるため、摺動接触面の偏
磨耗がなくなって耐久性が向上できるうえ、開閉トルク
を小さくすることができ、かつ、組立作業を容易に行う
ことができる。
【図1】本考案の一実施例の全体を示す断面図である。
【図2】同実施例の第2の導圧路を示す平面図である。
【図3】図2のIII −III 線における断面図である。
【図4】図2の背面図である。
【図5】ボール弁体の動作状態を示す平面図である。
1 ボールバルブ 10 弁筐体 17 隙間 20 ボール弁体 23 第1の導圧路としての細孔 23A 第1の導圧路としての溝 30, 31 リング部材 33 第2の導圧路 33A,33F 第2の導圧路としての孔 33B 第2の導圧路であり、スリット状の切り込みでもあ
るスリット 33C 〜33E 第2の導圧路としての溝
るスリット 33C 〜33E 第2の導圧路としての溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 5/06
Claims (2)
- 【請求項1】弁筐体内に回動自在に収納されかつ流体が
通過する貫通孔が形成されたボール弁体と、このボール
弁体および前記弁筐体の間に介装されるとともに、前記
流体の入口側および出口側の各々で前記ボール弁体の表
面と摺動自在に密着する一対のリング部材とが設けられ
ているボールバルブであって、 閉鎖位置にあるときに前記貫通孔の内部と前記流体の入
口とを連通する導圧路として、前記ボール弁体の側壁を
貫通して前記貫通孔と前記入口とを連通する細孔が設け
られ、前記一対のリング部材は、前記弁筐体の内面に形
成された凹部と嵌合するものであり、これらのリング部
材のうち前記流体の入口側に設けられているリング部材
は、その材質が高分子化合物と繊維との混合物とされ、
その形状がスリット状の切り欠きを有する有端のリング
状とされ、前記スリット状の切り欠きにより、前記弁筐
体および前記ボール弁体の間にできる隙間と前記流体の
入口とが連通し、前記弁筐体は、内面が略球面状に成形
されたものであり、弁筐体の中心から外れた位置で二分
割可能とされ、前記流体の入口側がボール弁体を収納す
る収納部とされ、前記流体の出口側が内部に収めたボー
ル弁体を抜け止めする蓋部となっていることを特徴とす
るボールバルブ。 - 【請求項2】請求項1に記載のボールバルブにおいて、
前記一対のリング部材は、ポリアセタール、ポリイミド
およびポリイミドアミドの中から選択された少なくとも
一の高分子化合物、ポリアセタール、ポリイミドおよび
ポリイミドアミドの中から選択された少なくとも一の高
分子化合物とカーボン粒子との混合物、ポリアセター
ル、ポリイミドおよびポリイミドアミドの中から選択さ
れた少なくとも一の高分子化合物と繊維との混合物、な
らびに、ポリイミドとテフロンの混合物のいずれか一つ
の材質で形成されていることを特徴とするボールバル
ブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992056704U JP2604033Y2 (ja) | 1992-08-12 | 1992-08-12 | ボールバルブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992056704U JP2604033Y2 (ja) | 1992-08-12 | 1992-08-12 | ボールバルブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0618771U JPH0618771U (ja) | 1994-03-11 |
JP2604033Y2 true JP2604033Y2 (ja) | 2000-04-10 |
Family
ID=13034863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992056704U Expired - Fee Related JP2604033Y2 (ja) | 1992-08-12 | 1992-08-12 | ボールバルブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2604033Y2 (ja) |
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JP4687200B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2011-05-25 | Jfeスチール株式会社 | ボール弁 |
JP2010236683A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Keihin Corp | 流路開閉弁 |
JP2013185736A (ja) * | 2012-03-07 | 2013-09-19 | Panasonic Corp | 貯湯式給湯機 |
DE102014015882A1 (de) * | 2014-10-27 | 2016-04-28 | Audi Ag | Abgasturbolader für eine Brennkraftmaschine sowie Verfahren zum Herstellen eines Abgasturboladers |
JP2016028765A (ja) * | 2015-11-05 | 2016-03-03 | ホーチキ株式会社 | 消火栓装置 |
CN111946884B (zh) * | 2019-05-14 | 2023-07-18 | 浙江三花商用制冷有限公司 | 一种旋转式换向阀 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6132674U (ja) * | 1984-07-31 | 1986-02-27 | 旭有機材工業株式会社 | ボ−ルバルブ |
JPS63235781A (ja) * | 1987-03-25 | 1988-09-30 | Tabuchi Seisakusho:Kk | ボ−ル弁 |
JPS6418675U (ja) * | 1987-07-24 | 1989-01-30 |
-
1992
- 1992-08-12 JP JP1992056704U patent/JP2604033Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0618771U (ja) | 1994-03-11 |
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