JP2602017Y2 - ウエーブコイルスプリング - Google Patents

ウエーブコイルスプリング

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JP2602017Y2
JP2602017Y2 JP1993035951U JP3595193U JP2602017Y2 JP 2602017 Y2 JP2602017 Y2 JP 2602017Y2 JP 1993035951 U JP1993035951 U JP 1993035951U JP 3595193 U JP3595193 U JP 3595193U JP 2602017 Y2 JP2602017 Y2 JP 2602017Y2
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JP
Japan
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coil spring
valleys
wave coil
wave
characteristic
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JP1993035951U
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JPH076537U (ja
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信彦 井上
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Piolax Inc
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Piolax Inc
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車の自動変速機に
おけるクラッチ等に使用されるウエーブコイルスプリン
グに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車の自動変速機(いわゆる、
AT)における多板クラッチを駆動する油圧ピストンの
リターン用バネとしては、従来のコイルバネに比べ密着
高さが低いウエーブコイルスプリングが使用されるよう
になってきている。このウエーブコイルスプリングとし
ては、実開平2−78820号公報に開示されたよう
に、隣接する波形部の山と谷を互に対向させたものもあ
るが、用途により、隣接する波形部の山と山あるいは谷
と谷を互いに重ね合わせたものも使用される。
【0003】そして、この種のウエーブコイルスプリン
グは、従来図3に示すように、弾性を有する帯状薄板1
を、順次波形部を連続して形成しながら、なんら隙間を
積極的に形成しないで厚み方向に重ね合せながら螺旋状
に巻回(図3の場合には2巻)したものであった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上記従来のウエーブコ
イルスプリングでは、理論上荷重−変位特性が線形なも
のしか得られないとともに、この特性の理論予測と実際
との誤差が大きく、このウエーブコイルスプリングを使
用する機器の設計等において問題となることがあった。
【0005】すなわち、通常の理論計算では、この種の
ウエーブコイルスプリングのばね定数は、巻数に比例し
た一定値と計算され、その特性は例えば図4の一点鎖線
又は二点鎖線に示すような線形となる。ところが、実際
のウエーブコイルスプリングの特性は、例えば図4に示
すように、漸増形の非線形となることがあるため、特に
変位の大きな範囲で理論値に対する誤差が大きく生じる
ことがあったのである。
【0006】したがって、例えばこのウエーブコイルス
プリング1を押し縮めるのに要する力(自動車のATで
あればピストンの押圧力)を計算値よりも余裕を持って
設定する等の余分な設計上の配慮が必要となっていたと
ともに、耐久性能等の予測が不正確となり強度等におい
て大きな安全率を設定せざるを得ない等の問題があっ
た。また、用途によって非線形な特性が必要となって
も、実際の特性が必ず漸増形の非線形になるとは限らな
いので、このような特性を積極的に利用することも困難
であった。
【0007】なお、上記のような非線形性の発生の原因
の究明あるいはその理論的な予測を行なうことは、極め
て難しく実用上不可能に近い。
【0008】本考案は、このような従来の事情に着目し
てなされたもので、理論的にも実際上も安定した漸増形
の非線形特性となり、かつその理論値と実測値との誤差
が少ないウエーブコイルスプリングを提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本考案の要旨とするところは、弾性を有する帯状薄
板(11)を順次波形部を連続して形成しながら厚み方
向に沿って螺旋状に巻回してなり、螺旋状に隣接する波
形部の互いに同方向に屈曲する山と山あるいは、前記山
とは反対向きであって互いに同方向に屈曲する谷と谷を
互いに重ね合わせたウエーブコイルスプリングにおい
て、前記隣接する波形部の前記山と山あるいは前記谷と
谷の高さをそれぞれ異ならせて、前記隣接する波形部の
前記山と山あるいは前記谷と谷の間に隙間を形成したこ
とを特徴とするウエーブコイルスプリング。
【0010】
【作用】本考案のウエーブコイルスプリングであると、
荷重が加わって変位が増加する過程において、隣接する
波形部の互いに同方向に屈曲する例えば山と山の間に形
成された隙間がなくなって全体が密着するまでは、この
隙間が形成されていない、山とは反対向きであって互い
に同方向に屈曲する谷と谷においてのみ隣接する波形部
が接触した状態であるので、理論上においても実際上に
おいても帯状薄板(11)を重ね合わせた効果が確実に
生じないで、この範囲での荷重−変位特性は、帯状薄板
(11)を一巻きして構成したウエーブスプリングの線
形な特性(ばね定数はK)と略等しくなる。
【0011】ところが、隙間が形成されていた部分が密
着した時点以降は、やはり理論上においても実際上にお
いても帯状薄板(11)を重ね合わせた効果が確実に生
じることになり、当該ウエーブコイルスプリングの巻数
(N)に応じた線形な特性(ばね定数はK2 =N・K
1 )となる。
【0012】すなわち、本考案のウエーブコイルスプリ
ングの荷重−変位特性は、全体として途中で折れ曲がっ
た非線形なものとなり、この特性は理論的にも通常の計
算で誤差少なく予測できる。
【0013】
【実施例】以下、図1に基づき本考案の一実施例を説明
する。図1は、本実施例のウエーブコイルスプリングを
示す斜視図である。このウエーブコイルスプリングは、
弾性を有する帯状薄板11を順次波形部を連続して形成
しながら厚み方向に沿って螺旋状に巻回してなり、隣接
する波形部の山と山あるいは谷と谷を互いに重ね合わせ
たもので、隣接する波形部の山の高さをそれぞれ異なら
せて、前記隣接する波形部の山と山の間に隙間12をそ
れぞれ形成したものである。なお、本実施例のウエーブ
コイルスプリングは、4山で2巻のものであるので、こ
の隙間12は4箇所に存在しており、符号13で示す4
か所の谷の頂点においては隣接する波形部が接触してい
る。
【0014】上記ウエーブコイルスプリングであると、
荷重が加わって変位が増加する過程において、隣接する
波形部の山と山の間に形成された隙間12がなくなって
全体が密着するまでは、この隙間12が形成されていな
い谷の頂点13においてのみ隣接する波形部が接触した
状態であるので、理論上においても実際上においても帯
状薄板11を重ね合わせた効果が確実に生じないで、こ
の範囲での荷重−変位特性は、帯状薄板11を一巻きし
て構成したウエーブスプリングの線形な特性(ばね定数
はK1 )と略等しくなる。
【0015】ところが、隙間12が形成されていた部分
が密着した時点以降は、やはり理論上においても実際上
においても帯状薄板11を重ね合わせた効果が確実に生
じることになり、当該ウエーブコイルスプリングの巻数
(N=2)に応じた線形な特性(すなわち、ばね定数は
2 =2・K1 )となる。
【0016】すなわち、上記ウエーブコイルスプリング
の荷重−変位特性は、全体として図2に実線で示す如く
途中で折れ曲がった非線形なものとなり、この特性は理
論的にも通常の計算で誤差少なく予測できる。
【0017】なお、本実施例のように隣接する波形部を
部分的に接触させる構成であると、製作誤差あるいは使
用時におけるねじり方向の外力によりこの接触位置にず
れが生じ、このために特性が理論予測に対してばらつく
のではないかとの恐れが考えられるが、このような不具
合は起こらない。なぜなら、互いに凹と凸の形状にある
波形部の波頂点において接触させる構成であるため、た
とえ製作誤差等により接触位置に多少のずれが生じて
も、当該ウエーブコイルスプリングを押し縮めようとす
る力の一部がこの波形部の傾斜に沿う方向に働いて接触
位置を波頂点に戻すように作用するので、結局正規の荷
重が加わったときには、この接触位置のずれが少なくと
も理論予測が成り立たなくなる程には生じていない状態
となるのである。
【0018】したがって、上記ウエーブコイルスプリン
グを、例えば自動車のATにおけるクラッチのリターン
用として使用すれば、ピストンの押圧力やクラッチの作
動ストローク等を設計する上での安全率等を小さくする
ことができるとともに、またこのリターンスプリングの
耐久予測等も正確になるため、ひいてはATの性能ある
いは信頼性の向上等に貢献できる。また、積極的に漸増
形の非線形なばね特性が要求される機器の部品として信
頼性高く所定の性能を発揮することができる。
【0019】なお、本考案は上記実施例に限られず各種
の態様が有り得る。例えば、巻数Nは2に限られず、さ
らに複数回巻いたものに本発明を適用しても同様の効果
を奏することができる。すなわち、この場合も山あるい
は谷のいずれかにおいて隣接する波形部間に隙間を形成
するようにすれば、この隙間がなくなった時点からばね
定数がK1 からK2 (=N・K1 )に変化するという非
線形の特性が得られる。
【0020】また、本考案における隙間は、波形部の波
頂点が一つおきに接触するように形成すればよく、この
意味において山ではなく谷の部分に形成されていてもよ
いが、「山」と「谷」は結局ウエーブコイルスプリング
の上下を逆にすれば入れ替わる関係にあるので、実質的
な相違はない。
【0021】
【考案の効果】本考案にかかるウエーブコイルスプリン
グは、波形部に形成した隙間がなくなるまでは、帯状薄
板を一巻して構成したウエーブスプリングと同等な線形
特性(ばね定数はK1 )を示し、変位がその範囲を越え
ると、その巻数Nに応じた線形特性(ばね定数はK2
N・K1 )になるといった具合に、全体として荷重−変
位特性が理論予想に対して誤差の少ない漸増形の非線形
なものとなる。
【0022】したがって、このウエーブコイルスプリン
グを、例えば自動車のATにおけるクラッチのリターン
用として使用すれば、リターンスプリングの設計性能を
信頼性高く発揮して、ひいてはATの性能あるいは信頼
性の向上等に貢献できる。また、積極的に漸増形の非線
形なばね特性が要求される機器の部品として信頼性高く
所定の性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例であるウエーブコイルスプリ
ングを示す斜視図である。
【図2】本考案の一実施例であるウエーブコイルスプリ
ングの荷重−変位特性を示す図である。
【図3】従来のウエーブコイルスプリングを示す斜視図
である。
【図4】従来のウエーブコイルスプリングの荷重−変位
特性を示す図である。
【符号の説明】
11…帯状薄板 12…隙間

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性を有する帯状薄板を順次波形部を連続
    して形成しながら厚み方向に沿って螺旋状に巻回してな
    り、螺旋状に隣接する波形部の互いに同方向に屈曲する
    山と山あるいは、前記山とは反対向きであって互いに同
    方向に屈曲する谷と谷を互いに重ね合わせたウエーブコ
    イルスプリングにおいて、 前記隣接する波形部の前記山と山あるいは前記谷と谷の
    高さをそれぞれ異ならせて、前記隣接する波形部の前記
    山と山あるいは前記谷と谷の間に隙間を形成したことを
    特徴とするウエーブコイルスプリング。
JP1993035951U 1993-06-30 1993-06-30 ウエーブコイルスプリング Expired - Lifetime JP2602017Y2 (ja)

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JPH076537U JPH076537U (ja) 1995-01-31
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JPH09229118A (ja) * 1996-02-21 1997-09-02 Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd 溝付材を用いたコイルドウェーブスプリング
JPH09229119A (ja) * 1996-02-21 1997-09-02 Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd 回転時の端末部のふくらみを抑える対策を施したコイルドウェーブスプリング
JP3120049B2 (ja) * 1996-03-12 2000-12-25 三菱製鋼株式会社 コイルドウェーブスプリング及びその製造方法
JP6823762B2 (ja) * 2016-06-21 2021-02-03 株式会社昌和発條製作所 圧縮型コイルばね

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