JP2600100B2 - 酸化物微粒子積層膜の製法 - Google Patents

酸化物微粒子積層膜の製法

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JP2600100B2
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泰正 高尾
正信 淡野
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化物高温超電導体の厚
膜・堆積膜・傾斜積層膜の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来セラミックス積層膜の成膜法として
は、 ( 1)粉末傾斜組成充填法、 ( 2)粒子噴射配列法、 (
3)PVD法及びCVD法などが知られている。
【0003】 ( 1)は金型内に粉末を一層ずつ積み上げて
ゆく方法で、簡単に行うことができるが組成ステップの
幅に限界があり、微細な制御は難しい。また組成の不連
続部分での剥離・亀裂が起こりやすい問題がある。
【0004】 ( 2)は混合粉末の割合の異なる懸濁液を数
種用い所定の組成になるように噴射ノズルで基盤上に堆
積する方法である。この場合粉末安定供給の問題や、形
状付与性・積層面積の制約という問題がある。
【0005】 ( 3)のPVD法(物理蒸着法)は加熱蒸発
させた金属を基盤上に析出させる方法、CVD法(化学
蒸着法)は金属塩・有機金属ガスを原料に気相反応で加
熱した基盤上に目的とする微粒子を析出させる方法で、
いずれも気相反応に供給する原料の組成を徐々に変化さ
せて積層膜の作製が試みられている。しかしこれらの方
法には反応の安定化や再現性の問題、堆積速度が小さい
ことやコストの問題がある。
【0006】[発明が解決しようとする課題]本発明は
以上の方法の持つ欠点を解消し、超電導体の組成ステッ
プ幅の均一・微細な制御を可能とする成膜法として、高
温酸化物超電導体の厚膜・堆積膜・傾斜積層膜としての
実用化を目的とする。
【0007】[課題を解決するための手段]本発明者は
酸化物高温超電導体の噴霧熱分解法による超微粒子合成
において、熱分解後のエアロゾル状態ですでに超電導特
性を示す超微粒子を比較的簡単に直接合成できることに
着目した。また本方法によれば、溶液の組成を調製して
超電導体の部分的な組成を持つ超電導体前駆体微粒子や
他の微粒子も合成可能である。
【0008】この特徴を生かしエアロゾル状態の微粒子
の供給量を弁などで制御することで、組成ステップ幅を
均一・微細に制御した比較的高速な積層成膜が行い得る
のではないかと考えた。また積層膜を熱処理して、固相
拡散反応を利用し各層の相互作用により結晶粒配向化を
起こさせて、異方性微細構造を持つ超電導体厚膜の作製
が可能となり得る。以上の観点で検討を重ねた結果、本
発明に到達した。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明
は、 ( 1)噴霧熱分解法による超電導体微粒子またはその
前駆体微粒子・超電導以外の金属系微粒子などの2種類
の微粒子の合成、 ( 2)電磁弁などによる複数成分微粒子
の流れの制御とフィルタ−トラップなどによる膜形成、
の2つの構成要素よりなる(図1)。
【0010】 ( 1)では超電導体の組成となるように調製
した硝酸塩などの溶液を霧化装置により微小な液滴と
し、これを所定の温度・雰囲気・流量条件で反応ゾ−ン
内で極めて短時間の内に乾燥−反応−結晶化を起こさせ
て超電導体微粒子を得る。超電導体前駆体や他の微粒子
の場合は、それらの組成に応じた溶液を用いる。
【0011】 ( 2)では合成された各微粒子を捕集部へ交
互に供給して積層膜を作製する。すなわち第1図に示す
ように2つの噴霧熱分解反応部に例えば電磁弁を設け、
一方の弁を開放し他方を閉じる。まず開放している方の
微粒子を捕集部へ送りフィルタ−上に堆積させる。一定
時間後に弁を切り替え、最初の微粒子層の上に次の微粒
子を積層化する。この操作を繰り返すことで積層膜を形
成させる。
【0012】積層する各層の厚みは、電磁弁開放時間お
よび生成した微粒子の大きさにより、サブμm〜数 1
mと制御可能である。
【0013】
【実施例】実施例1 イットリウム系超電導体について、超電導体−銀積層膜
の作製を行った。まずイットリウム、バリウム、銅が原
子比で 1 : 2:3となるように調製した硝酸塩溶液を作製し
た。溶液濃度は 0.03 m ol /l とした。反応ゾ−ン温度 700
℃、キャリアガス流量は酸素 1l 毎分として噴霧熱分解を
行った。得られた超電導体微粒子を捕集部でフィルタ−
上に堆積した。
【0014】一定時間後に電磁弁を切り替え銀の0.2 m ol
/l 硝酸塩溶液を反応ゾ−ン温度 6 00℃、キャリアガス流
量酸素 1l 毎分で噴霧熱分解し、得られた銀粒子を先に堆
積した超電導体層の上に積層化する。電磁弁の切り替え
時間は1時間とした。得られた積層膜は断面観察より超
電導層約 3 0μm、銀層約 5 μmの均一な積層厚膜であっ
た。
【0015】作製された超電導体−銀積層膜を焼結する
ことで積層界面に平行な粒配向化が生じ、超電導臨界電
流特性が向上することがわかった。
【0016】実施例2 ビスマス系超電導体について、異方性微細構造をもつ厚
膜の作製を行った。まずビスマス,鉛が原子比で 2 : 1と
なるように調製した硝酸塩溶液を作製した。溶液濃度は
0.0 7 m ol /l とした.反応ゾ−ン温度 6 00℃、キャリアガ
ス流量は酸素 1l 毎分として噴霧熱分解を行った。得られ
た超電導体前駆体 ( ) 微粒子を捕集部でフィルタ−上に
堆積した。
【0017】一定時間後に電磁弁を切り替え、ストロン
チウム、カルシウム、銅を 2: 1 :2 となるように調製した
溶液濃度 0.0 7 m ol /l 硝酸塩溶液を反応ゾ−ン温度 6 00
℃、キャリアガス流量酸素 1l 毎分で噴霧熱分解し、得ら
れた超電導体前駆体 ( ) 微粒子を先に堆積した超電導体
前駆体 ( ) 層の上に積層化する。電磁弁の切り替え時間
3 0分とした。
【0018】得られた積層膜は断面観察により、超電導
体前駆体 ( ) 層約 1 0μm、 ( ) 層約 2 0μmの均一な積層
膜であった(図2)。これを焼結することで積層界面に
垂直方向に粒成長が起こり、結晶粒の配向化を行わせる
ことができた。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上説明したように他の積層成
膜法に比べ、組成ステップ幅を均一・微細に制御した積
層成膜を可能とするものであり、さらに膜質の向上によ
る臨界電流密度の増大により、厚膜などとしての超電導
材料の実用化を促進するものとして期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本方法の装置構成図を示す。
【図2】図面に代えて、本方法で作製されたビスマス系
超電導体前駆体 ( ) ( ) 積層膜の電子顕微鏡写真を示
す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料溶液を霧化して微小な液滴とし、こ
    れを噴霧熱分解反応に付して、イットリウム系・ビスマ
    ス系超電導体微粒子や超電導体前駆体微粒子または超電
    導体以外の金属系微粒子を噴霧熱分解法によって直接合
    成し、合成された各微粒子をこれらのエアロゾル状態の
    微粒子の供給量を制御して基体上に送り堆積させること
    を特徴とする異なる組成の微粒子層がシーケンシャルに
    堆積された積層膜を作製する方法。
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