JP2599604B2 - 車両の制動油圧制御装置 - Google Patents

車両の制動油圧制御装置

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JP2599604B2 JP62293145A JP29314587A JP2599604B2 JP 2599604 B2 JP2599604 B2 JP 2599604B2 JP 62293145 A JP62293145 A JP 62293145A JP 29314587 A JP29314587 A JP 29314587A JP 2599604 B2 JP2599604 B2 JP 2599604B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、マスタシリンダの出力油圧を後輪ブレーキ
に減圧して導くとともに前輪ブレーキ側の油圧失陥時に
は後輪ブレーキへの油圧減圧作用を停止すべく、マスタ
シリンダと前輪ブレーキおよび後輪ブレーキとを相互に
独立して結ぶ油路の途中にハウジングが介設される車両
の制動油圧制御装置に関する。
(2) 従来の技術 従来、かかる装置は、たとえば特公昭51−48225号公
報等により公知である。
(3) 発明が解決しようとする課題 ところが上記従来装置では、後輪ブレーキ側の制動油
圧を減圧するために上記ハウジング内に設けられて比例
減圧弁の開閉を後輪制動油圧変化に応じて制御する受圧
ピストン部が、後輪ブレーキ側の出力油圧ばかりか、前
輪ブレーキ側の出力油圧をも受ける構造であるため、そ
の前輪ブレーキ側の出力油圧が後輪ブレーキ側の減圧作
用に少なからず影響(例えば後輪ブレーキ側の制動油圧
の減圧開始点が前輪ブレーキ側の制動油圧によって変動
してしまう)するものであり、後輪ブレーキおよび前輪
ブレーキの制動油圧が相互に影響し合うことになる。
しかも上記従来のものでは、ハウジングに穿設したボ
アの軸方向両端を、栓体でそれぞれ閉塞する必要があ
り、部品点数が多くなるとともに組付作業も煩雑とな
る。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、
正常作動時には前輪ブレーキ側の制動油圧の影響を受け
ずに後輪ブレーキ側制動油圧の減圧特性が得られるよう
にすると共に、部品点数の低減および組付作業の簡略化
を可能にした、車両の制動油圧制御装置を提供すること
を目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は、ハウジングに
は、閉塞端側から順に小径部と大径部とが同軸に連設さ
れて成る有底のシリンダ穴が穿設され、小径部には、後
輪ブレーキに通じる出力油圧室をシリンダ穴閉塞端との
間に画成する有底円筒状の受圧ピストンが摺動可能に嵌
合され、その受圧ピストン内には、マスタシリンダに通
じる入力油圧室を受圧ピストンの閉塞端内面との間に形
成する弁ピストンが摺動可能に嵌合され、受圧ピストン
の閉塞端には入力油圧室および出力油圧室間を結ぶ連通
孔が同軸に穿設され、該連通孔の開閉を司る弁体が、制
限された範囲での軸方向相対移動を可能として入力油圧
室内で弁ピストンの一端部にに連結され、該弁体には、
受圧ピストンがシリンダ穴閉塞端との当接位置を占める
とき、シリンダ穴閉塞端に当接することにより該弁体を
連通孔に対する開弁位置に保持する開弁棒が設けられる
とともに、該開弁棒は、受圧ピストンが該弁体に対して
シリンダ穴閉塞端から離間する方向へ相対移動するとき
該弁体による連通孔の閉弁が行われるように構成され、
該弁体および弁ピストン間には弁体を閉弁方向に付勢す
る弁ばねが介装され、シリンダ穴の大径部には、マスタ
シリンダ及び前輪ブレーキ間の油路から隔離されて受圧
ピストンの開口端部及び弁ピストンの他端部を臨ませる
ばね室を該大径部と協働して画成するシリンダ体が嵌合
され、そのシリンダ体に隣接してシリンダ穴の開口端を
塞ぐ栓体がハウジングに着脱可能に固着され、その栓体
との当接位置にシリンダ体を弾発保持し且つ受圧ピスト
ンを、出力油圧室を収縮させる方向に弾発付勢して平時
は該受圧ピストンとシリンダ体間を所定距離離間させる
受圧ピストン用ばねが、ばね室内において該シリンダ体
と受圧ピストンとの間に縮設され、シリンダ体には、ス
トッパにより弁ピストン側への摺動限を規制された規制
ピストンが摺動自在に嵌合させると共に、その規制ピス
トンを弁ピストン側へ常時付勢する規制ピストン用ばね
が設けられ、規制ピストンの一端部は、弁ピストンの他
端部に衝合するようにばね室に、また同規制ピストンの
他端部は、シリンダ体内に形成されてマスタシリンダ及
び前輪ブレーキ間の油路に連通する規制油圧室にそれぞ
れ臨ませてあることを特徴としている。
(2) 作用 上記構成によれば、前、後輪何れのブレーキ油圧系統
も正常に作動している場合には、弁ピストン側への摺動
をシリンダ体にストッパを介して規制されている規制ピ
ストンが弁ピストンを定位置に支承することができる。
そして、この状態でマスタシリンダの出力油圧が一定値
を超えると、入力油圧室に臨む受圧ピストンの受圧面積
と出力油圧室に臨む受圧ピストンの受圧面積との差によ
る受圧ピストンの閉じ側への移動、ならびに入力油圧室
の油圧増加による受圧ピストンの開き側への移動の繰返
しによって、マスタシリンダの出力油圧が減圧して後輪
ブレーキに伝達される。この場合、前輪ブレーキ側の制
動油圧が規制ピストンの他端部に作用しても、該規制ピ
ストンの弁ピストン側への摺動は前述の如くストッパに
より確実に規制されていて、その前輪ブレーキ側の制動
油圧が受圧ピストンの往復動や弁ピストンに連なる弁体
の動きに影響を及ぼさないことから、前輪ブレーキ側の
制動油圧の影響を全く受けずに後輪ブレーキ側の制動油
圧の減圧特性が決定される。
また特に前輪ブレーキ側の油圧失陥が生じたときに
は、弁ピストンが規制ピストンを押圧して移動し、これ
により連通孔が開放状態に保持されるから、マスタシリ
ンダの出力油圧が減圧されずにそのまま後輪ブレーキに
供給される。
更にシリンダ穴は有底であり、その開口端のみを栓体
で閉塞すればよいので、部品点数の低減および組付作業
の簡略化が可能となる。
(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、先ず第1図において、自動車の前輪ブレーキBfl、B
frには油路1が接続されており、後輪ブレーキBrl,Brr
には油路2が接続される。一方、タンデム型マスタシリ
ンダMには一対の油路3,4が相互に独立して接続されて
おり、油路1,3;2,4は本発明に従う制動油圧制御装置5
を介して接続される。
第2図において、制動油圧制御装置5のハウジング6
には有底のシリンダ穴7が穿設される。このシリンダ穴
7は、その閉塞端側から順に小径部7aと、大径部7bとが
同軸に連設されて成るものであり、該シリンダ穴7の開
口端には前記大径部7bよりもさらに大径の雌ねじ部7cが
設けられる。
シリンダ穴7の小径部7aには、シリンダ穴7の閉塞端
との間に出力油圧室12を画成する受圧ピストン13が摺動
自在に嵌合され、ハウジング6には出力油圧室12を油路
2に連通するための出口孔14が穿設される。受圧ピスト
ン13は、その閉塞端をシリンダ穴7の閉塞端側に向けた
有底円筒状に形成されており、この受圧ピストン13内に
は、相互間に入力油圧室15を形成する弁ピストン16が摺
動可能に嵌合される。弁ピストン16の外面にはカップシ
ール17が嵌着されており、該カップシール17が受圧ピス
トン13の内面に摺接する。
また受圧ピストン13の中間部外面には環状溝18が設け
られており、この環状溝18よりも出力油圧室12寄りで受
圧ピストン13の外面にはシリンダ穴7の小径部7a内面に
摺接するOリング19が嵌着され、該Oリング19とは反対
側の環状溝18の端部には前記小径部7a内面に摺接するカ
ップシール20が嵌着される。これにより環状溝18の軸方
向両端がOリング19およびカップシール20でシールされ
ることになる。しかも受圧ピストン13には入力油圧室15
に連通して環状溝18に開口する油孔21が穿設され、ハウ
ジング6には、受圧ピストン13の摺動に拘らず油路4を
環状溝18に連通せしめる入口孔22が穿設される。したが
って油路4は入力油圧室15に常時連通することになる。
受圧ピストン13の閉塞端には、入力油圧室15と出力油
圧室12とを結ぶべくシリンダ穴7と同軸に連通孔23が穿
設されるとともに、受圧ピストン13がシリンダ穴7の閉
塞端に当接した状態でも連通孔23を出力油圧室12に連通
させるべく半径方向に延びる複数の連通路24が穿設され
る。一方、入力油圧室15内には、連通孔23を閉塞可能な
弁体25が収納されており、この弁体25には連通孔23内に
挿通される開弁棒26が一体に設けられる。この開弁棒26
の長さは、第2図で示すように受圧ピストン13がシリン
ダ穴7の閉塞端に当接している状態で該開弁棒26の先端
がシリンダ穴7の閉塞端に当接したときに、弁体25を開
弁位置に保持し得るように設定される。前記弁体25に
は、コネクタ27が取付けられ、弁ピストン16とコネクタ
27とは制限された範囲での軸方向相対移動を許容するよ
うにして連結される。すなわち弁ピストン16の一端部に
はコネクタ27内に突入する連結棒28が一体に設けられて
おり、この連結棒28の先端にはコネクタ27の内端に係合
可能な係合鍔29が設けられる。また弁体25および弁ピス
トン16間には弁体25を閉弁方向に付勢する弁ばね9が縮
設される。
シリンダ穴7における大径部7bには、有底円筒状のシ
リンダ体30がその閉塞端を外方側にして摺動可能に嵌合
され、ねじ穴部7cにはシリンダ体30の閉塞端に当接する
栓体39が螺着される。而して前記シリンダ体30はシリン
ダ穴7の大径部7bと協働して、マスタシリンダMおよび
前輪ブレーキBfl,Bfr間の油路から隔離されて受圧ピス
トン13の開口端部および弁ピストン16の他端部を臨ませ
るばね室Cを画成しており、このばね室C内において、
受圧ピストン13の外周面に係止される支持リング31とシ
リンダ体30との間には、受圧ピストン用ばねとしてのコ
イル状ばね32が縮設される。このばね32のばね力により
受圧ピストン13が出力油圧室12を収縮する方向にばね付
勢されると共に、シリンダ体30が栓体39に押し付けられ
る。
シリンダ体30には規制ピストン34の中間部が摺動自在
に嵌合され、この規制ピストン34の一端部は、弁ピスト
ン16の他端部に衝合するように前記ばね室C内に臨ませ
ており、また同規制ピストン34の他端部は、シリンダ体
30の閉塞端部内面に隣接して画成した規制油圧室33に臨
ませている。前記規制ピストン34の外周面には、シリン
ダ体30の内周面に摺接するカップシール35が嵌着されて
おり、またシリンダ体30の閉塞端と規制ピストン34の他
端部間には、規制ピストン用ばねとしてのバランスばね
36が縮設され、このバランスばね36のばね力により規制
ピストン34は弁ピストン16側に付勢される。しかも規制
ピストン34の受圧面積A1は、弁ピストン16の受圧面積A2
以上(A1≧A2)に設定される。また規制ピストン34には
シリンダ体30内に挿通される規制棒37が同軸に突設され
ており、この規制棒37の先端は弁ピストン16に当接す
る。さらにシリンダ体30の開口端部内面には、規制ピス
トン34の弁ピストン16側への摺動限を規制するストッパ
としてのストッパリング40を係合すべく止め輪41が嵌着
される。
ハウジング6には、油路3を接続するための入口孔42
と、油路1を接続するための出口孔43とが穿設され、入
口孔42はシリンダ体30に穿設された入口油路44を介して
規制油圧室33に連通し、出口孔43はシリンダ体30に穿設
された出口油路45を介して規制油圧室33に連通する。し
かもシリンダ体30の外面には、入口孔42および入口油路
44、ならびに出口孔43および出口油路45の接続部のシー
ル状態を維持するための環状のシール部材46,47が嵌着
される。
ここで、第2図の状態で弁体25の開弁位置から閉弁位
置までの受圧ピストン13の移動距離をl1、コネクタ27に
弁ピストン16が係合するまでの距離をl2、規制ピストン
34がシリンダ体30の閉塞端に当接するまでの距離をl3、
受圧ピストン13がシリンダ体30に当接するまでの距離を
l4としたときに、各距離l1,l2,l3,l4間には次の関係が
ある。
l1+l3−l2>l4 …(1) 上記(1)式は、弁ピストン16及び規制ピストン34が
当接状態でその右動限までの距離l3を移動し、且つ受圧
ピストン13がその右動限までの距離l4を移動した状態で
は、多少の製作誤差があっても弁体25及び連通孔23間に
l1以上の開弁間隔が確保されること、即ち弁体25の確実
な開弁状態が確保されることを意味する。
次にこの実施例の作用について第3図を併せて参照し
ながら説明すると、マスタシリンダMの非作動時には、
バランスばね36により規制ピストン34はストッパ40に当
接しており、受圧ピストン13はばね32によりシリンダ穴
7の閉塞端に当接しており、弁体25の開弁棒26は弁ばね
9によりシリンダ穴7の閉塞端に当接している。したが
って連通孔23は開放されている。この状態でマスタシリ
ンダMを作動せしめると、一方の油路3に出力された制
動油圧は規制油圧室33および油路1を介して前輪ブレー
キBfl,Bfrにそれぞれ供給され、他方の油路4に出力さ
れた制動油圧は入力油圧室15、連通孔23、出力油圧室12
および油路2を経て後輪ブレーキBrl,Brrにそれぞれ供
給される。
このとき、マスタシリンダMから入力油圧室15に導か
れた油圧をPmとし、受圧ピストン13の出力油圧室12に臨
む受圧面積をA3とし、ばね32の荷重をW1としたときに、
次式が成立する。
Pm・(A3−A2)<W1 …(2) また出力油圧室12の油圧Pwと前記油圧Pmとは等しい
(Pm=Pw)。
マスタシリンダMからの油圧Pmが上昇して或る値に達
すると、受圧ピストン13はばね32のばね力に打ち勝って
右動を開始し、弁体25により連通孔23が閉塞され、入力
油圧室15および出力油圧室12間が遮断される。このよう
に受圧ピストン13が移動を開始するときの油圧Pmは、O
リング19およびカップシール17,20の摺動抵抗をW2とし
たときに次式で表わされる。
また連通孔23が閉塞するときの入力油圧室15の油圧Pm
(=Pc)は、ばね32のばね定数をKとしたときに次式で
表わされる。
マスタシリンダMからの油圧Pmがさらに上昇すると、
受圧ピストン13は左動し、弁体25が連通孔23を開放して
出力油圧室12の油圧を増加させる。この圧力が或る値に
達すると、受圧ピストン13が再び右動して連通孔23が閉
塞され、圧力上昇が止められる。このような作用の繰返
しにより、出力油圧室12の油圧すなわち後輪ブレーキBr
l,Brrの制動油圧は徐々に増加していく。
この減圧作用時の出力油圧室12の油圧Pwは、連通孔23
の断面積をA4としたときに次式で表わされる。
したがって減圧比tanθは、次の第(6)式で表わさ
れる。
この第(6)式より、減圧比tanθは面積A2,A3,A4の
関係により決定されることが判る。しかし実際には各シ
ール部の抵抗が減圧中の特性の安定性に大きな影響を与
えている。この影響を少なくするには、面積A2,A3を大
きくし、シール部の抵抗の影響を極力少なくすればよ
く、そうすれば常に安定した減圧特性が得られる。
マスタシリンダMの出力油圧Pmが降下するときには、
受圧ピストン13の出力油圧室12に臨む受圧面積A3および
入力油圧室15に臨む受圧面積A2の関係により受圧ピスト
ン13は右動し、出力油圧室12の容積を拡大して出口圧Pw
を降圧する。このときの降圧勾配tanθ′は次式で表わ
される。
tanθ′=A2/A3 …(7) ここでtanθ,tanθ′の差を少なくすることにより昇
圧時特性と降圧時特性とを近付けることができるもので
あり、上記第(6)式で示された昇圧時の特性と第
(7)式で示された降圧時の特性とを比較すると、連通
孔23の断面積A4がtanθおよびtanθ′での相違となって
いる。そこで、受圧面積A2,A3を大きくし、連通孔23の
断面積A4を極力小さくすることにより昇圧時特性と降圧
時特性とを近付けて良好なヒステリシスを得ることがで
きる。
マスタシリンダMからの油圧Pmがさらに降下すると、
ばね32のばね力により受圧ピストン13は非作動時の位置
に戻り、連通孔23が開放されるので、出力室12の油圧Pw
は入力油圧室15の油圧Pmと同圧となって降下する。
次に油圧失陥が生じたときの作動について説明する
と、先ず前輪ブレーキBfl,Bfr側の系統でマスタシリン
ダMの昇圧作動前から油圧失陥が生じている場合には、
規制油圧室33に油圧が作用していないので、マスタシリ
ンダMが昇圧作動して入力油圧室15に油圧Pmが作用する
と、受圧ピストン13がばね32のばね力によりシリンダ穴
7の閉塞端に当接したままであるのに対し、弁ピストン
16はバランスばね36のばね力に打ち勝って規制ピストン
34を押圧しながら距離l3だけ右動する。このとき連通孔
23は開放したままであり、出力油圧室12の油圧Pwは油圧
Pmと同圧となって昇圧する。また油圧Pmが油圧Pcに達す
ると、受圧ピストン13はばね32のばね力に抗して距離l4
だけ右動するが、弁ピストン16が上述のように距離l3だ
け既に右動しているので、連通抗23は開放したまであ
り、したがって出力油圧室12の油圧Pwは第3図の破線で
示すように入力油圧室15の油圧Pmと同圧となる。
マスタシリンダMからの油圧Pmを降下すると、受圧ピ
ストン13はばね32のばね力により左動し、また弁ピスト
ン16はバランスばね36のばね力により左動して第2図の
非作動位置に戻る。
また後輪ブレーキBrl,Brr側の系統でマスタシリンダ
Mの昇圧作動前から油圧失陥が生じている場合には、油
路3,1間は規制油圧室33を介して連通しており、前輪ブ
レーキBfl,Bfr側の制動油圧が確保される。
制動油圧制御装置5の減圧作動中に前輪ブレーキBfl,
Bfr側で油圧失陥が生じた場合には、弁ピストン16およ
び規制ピストン34が距離l3だけ右動した後に、受圧ピス
トン13が距離l4だけ右動して停止し、第(1)式の寸法
関係により弁体25及び連通孔23間にl1以上の開弁間隙が
生じ、したがって通孔23が開放して出力油圧室12の油圧
Pwが第3図の破線で示すように入力油圧室15の油圧Pmと
同圧となる。
また制動油圧制御装置5の減圧作動中に後輪ブレーキ
Brl,Brr側で油圧失陥が生じた場合には、連通孔23が開
放して出力油圧室12の油圧Pwおよび入力油圧室15の油圧
Pmがともに0kg/cm2となる。このとき、油路3,1間は規制
油圧室33を介して連通しており、前輪ブレーキBfl,Bfr
側の制動油圧は確保される。
このような制動油圧制御装置5において、前輪ブレー
キBfl,Bfr側の油路1,3に通じる規制油圧室33の油圧力を
受ける規制ピストン34は、正常作動時にストッパリング
40に当接して弁ピストン16を支承するだけであり、弁ピ
ストン16を押圧移動せしめることはないので、後輪ブレ
ーキBrl,Brr側の制動油圧の減圧作動には影響を及ぼさ
ず、したがって制動油圧の減圧特性を後輪ブレーキBrl,
Brr側の制動油圧のみで決定することができる。
しかもハウジング6には有底のシリンダ穴7が穿設さ
れ、このシリンダ穴7内に、受圧ピストン13、弁ピスト
ン16、シリンダ体30および規制ピストン34等を開口端側
から順次収納して栓体39で塞げばよいので、栓体39が1
つですみ、組付作業も簡略化される。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、前、後輪何れのブレー
キ油圧系統も正常に作動している場合には、弁ピストン
側への摺動がシリンダ体にストッパを介して規制される
規制ピストンを以て弁ピストンを定位置に支承すること
ができるので、この状態でマスタシリンダの出力油圧が
一定値を超せば、入力油圧室に臨む受圧ピストンの受圧
面積と出力油圧室に臨む受圧ピストンの受圧面積との差
による受圧ピストンの閉じ側への移動、ならびに入力油
圧室の油圧増加による受圧ピストンの開き側への移動の
繰返しによって、マスタシリンダの出力油圧を減圧して
後輪ブレーキに供給することができる。この場合、前輪
ブレーキ側の制動油圧が規制ピストンに強く作用して
も、該規制ピストンの弁ピストン側への摺動は前述の如
くストッパにより確実に規制されている上、受圧ピスト
ンの開口端部及び弁ピストンの他端部が臨むばね室が前
輪ブレーキ及びマスタシリンダ間の油路から隔離されて
いるため、その前輪ブレーキ側の制動油圧が受圧ピスト
ンの往復動や弁ピストンに連なる弁体の動きに影響を及
ぼす虞れはなく、従って前輪ブレーキ側の制動油圧の影
響を全く受けずに後輪ブレーキ側の制動油圧の減圧特性
を決定することができるから、その後輪ブレーキ側の制
動油圧に対し応答性良好で高精度の減圧作用が安定して
得られる。
また特に前輪ブレーキ側の油圧失陥が生じたときに
は、弁ピストンが規制ピストンを押圧して移動し、これ
により連通孔が開放状態に保持されるから、マスタシリ
ンダの出力油圧を減圧せずにそのまま後輪ブレーキに供
給することができ、従って後輪ブレーキを効果的に用い
て制動を行うことができる。
更にハウジングには有底のシリンダ穴が形成され、各
部品を該シリンダ穴に収納して栓体で塞げばよいから栓
体が1個で足り、従って、前記ばね室に収納される受圧
ピストン用ばねが後輪ブレーキ側の制動油圧の減圧開始
圧力を決定するばね手段と、シリンダ体を定位置に保持
する保持手段とを兼用できる効果とを相俟って、装置の
構造簡素化が達成され、コスト節減や組付作業性の向上
に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すものであり、第1図は全
体油圧系統図、第2図は制動油圧制御装置の縦断面図、
第3図は減圧特性図である。 1〜4……油路、5……制動油圧制御装置、6……ハウ
ジング、7……シリンダ穴、9……弁ばね、12……出力
油圧室、13……受圧ピストン、15……入力油圧室、16…
…弁ピストン、23……連通孔、25……弁体、30……シリ
ンダ体、32……受圧ピストン用ばねとしてのコイル状ば
ね、33……規制油圧室、34……規制ピストン、36……規
制ピストン用ばねとしてのバランスばね、39……栓体、
C……ばね室、40……ストッパとしてのストッパリング Bfl,Bfr……前輪ブレーキ、Brl,Brr……後輪ブレーキ、
M……マスタシリンダ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタシリンダ(M)の出力油圧を後輪ブ
    レーキ(Brl,Brr)に減圧して導くと共に前輪ブレーキ
    (Bfl,Bfr)側の油圧失陥時には後輪ブレーキ(Brl,Br
    r)への油圧減圧作用を停止すべく、マスタシリンダ
    (M)と前輪ブレーキ(Bfl,Bfr)および後輪ブレーキ
    (Brl,Brr)とを相互に独立して結ぶ油路(1〜4)の
    途中にハウジング(6)が介設される車両の制動油圧制
    御装置において、ハウジング(6)には、閉塞端側から
    順に小径部(7a)と大径部(7b)とが同軸に連設されて
    成る有底のシリンダ穴(7)が穿設され、小径部(7a)
    には、後輪ブレーキ(Brl,Brr)に通じる出力油圧室(1
    2)をシリンダ穴(7)閉塞端との間に画成する有底円
    筒状の受圧ピストン(13)が摺動可能に嵌合され、その
    受圧ピストン(13)内には、マスタシリンダ(M)に通
    じる入力油圧室(15)を受圧ピストン(13)の閉塞端内
    面との間に形成する弁ピストン(16)が摺動可能に嵌合
    され、受圧ピストン(13)の閉塞端には入力油圧室(1
    5)および出力油圧室(12)間を結ぶ連通孔(23)が同
    軸に穿設され、該連通孔(23)の開閉を司る弁体(25)
    が、制限された範囲での軸方向相対移動を可能として入
    力油圧室(15)内で弁ピストン(16)の一端部に連結さ
    れ、該弁体(25)には、受圧ピストン(13)がシリンダ
    穴(7)閉塞端との当接位置を占めるとき、シリンダ穴
    (7)閉塞端に当接することにより該弁体(25)を連通
    孔(23)に対する開弁位置に保持する開弁棒(26)が設
    けられるとともに、該開弁棒(26)は、受圧ピストン
    (13)が該弁体(25)に対してシリンダ穴(7)閉塞端
    から離間する方向へ相対移動するとき該弁体(25)によ
    る連通孔(23)の閉弁が行われるように構成され、該弁
    体(25)および弁ピストン(16)間には弁体(25)を閉
    弁方向に付勢する弁ばね(9)が介装され、シリンダ穴
    (7)の大径部(7b)には、マスタシリンダ(M)及び
    前輪ブレーキ(Bfl,Bfr)間の油路から隔離されて受圧
    ピストン(13)の開口端部及び弁ピストン(16)の他端
    部を臨ませるばね室(C)を該大径部(7b)と協働して
    画成するシリンダ体(30)が嵌合され、そのシリンダ体
    (30)に隣接してシリンダ穴(7)の開口端を塞ぐ栓体
    (39)がハウジング(6)に着脱可能に固着され、その
    栓体(39)との当接位置にシリンダ体(30)を弾発保持
    し且つ受圧ピストン(13)を、出力油圧室(12)を収縮
    させる方向に弾発付勢して平時は該受圧ピストン(13)
    とシリンダ体(30)間を所定距離(l4)離間させる受圧
    ピストン用ばね(32)が、ばね室(C)内において該シ
    リンダ体(30)と受圧ピストン(13)との間に縮設さ
    れ、シリンダ体(30)には、ストッパ(40)により弁ピ
    ストン(16)側への摺動限を規制された規制ピストン
    (34)が摺動自在に嵌合されると共に、その規制ピスト
    ン(34)を弁ピストン(16)側へ常時付勢する規制ピス
    トン用ばね(36)が設けられ、規制ピストン(34)の一
    端部は、弁ピストン(16)の他端部に衝合するようにば
    ね室(C)に、また同規制ピストン(34)の他端部は、
    シリンダ体(30)内に形成されてマスタシリンダ(M)
    及び前輪ブレーキ(Bfl,Bfr)間の油路に連通する規制
    油圧室(33)にそれぞれ臨ませてあることを特徴とす
    る、車両の制動油圧制御装置。
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