JP2599495B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は半導体装置の製造方法に関し、更に詳しく
は、TFTタイプのStatic Random Access Memories(SRAM
s)の製造工程において、セルノードにキャパシタを加
えることにより耐α線を向上できるようにしたものであ
る。
(ロ)従来の技術及び発明が解決しようとする課題 従来のSRAMでは、衝突α粒子(hitting α−particl
e)により生じる電荷の流入を防ぐためのバリアを作る
ためにNタイプの基板及びPウエル構造を用いたものが
ある。
Pウエル内に埋没されたP+バリア層を用いることによ
って収集電荷及びソフトエラー比を軽減している。
しかし、メモリセルの大きさが縮小されると、セルノ
ードキャパシタンス(cell node capacitance)がより
小さくなり、α粒子によって発生する電荷発生を補償す
るのに十分な電荷を蓄積することが難しい。
第5図(a)及び(b)には、メモリセルの寄生ノー
ドキャパシタンス(memory cell parasitic node capac
itance)がデザインルールに従って描画されている。第
5図において、Cnはメモリセルの寄生ノードキャパシタ
ンスである。Cnは第6図(a)(b)及び(c)に示さ
れているように、セルトランジスタのゲート酸化膜キャ
パシタンス(gate oxide capacitance)CGと拡散キャパ
シタンスCDBから構成されている。α粒子が蓄積接合ノ
ード(storage junctionnode)に衝突したときに、キャ
リアが粒子経路に沿って発生し、蓄積電荷を放電するノ
イズ電流(noise current)が生じる。ソフトエラー比S
ER(Soft−Error Rate)は、臨界電荷(critical charg
e)Qcritを決めることで記述される。これは、データ反
転を引起こすためにα粒子の衝突から収集されるべき最
小電荷である。メモリセルのノードの寄生キャパシタン
スの増加に対するSERのSRAMセル耐性を増加させること
は分かっており、ポリシリコンの中間結合層を付け加え
て使用することが提案されている。
(ハ)課題を解決するための手段および作用 SRAMセル回路及びその構造を解析するために、第3図
に示すような、簡単な電気的なモデルが使われ、それに
よってα線を衝突させることの効果を見積もることがで
きる。この回路を使うと、データ反転するための臨界電
荷 (critical charge)Qcritは、 Qcrit=VH(Cn+2Cc)/(1−IL/Iα ……(1) となる。
ここで、VH:α線衝突時の信号レベル Cn:メモリセルの寄生ノードキャパシタンス Cc:メモリセルにおけるセルノード間のクロス・カッ
プリングキャパシタンス IL:メモリセルの負荷デバイス電流 Iα:α粒子によって誘起される電流 上記(1)式からわかるように、CcはQcritを増加さ
せるのにCnに比して2倍以上寄与することになる。この
クロス・カップリングキャパシタの効果は第4図(a)
(b)及び(c)のシミュレーション結果に示される。
これらの図においては、メモリセルのフリップ・フロッ
プノード電圧がα粒子の衝突後からの時間に関連づけて
示されている。これらの図において、ノードV1は最初は
信号レベルが1である。第4図(a)に示すように、Cc
=0(fF)、Cn=5(fF)では十分にデータ反転を防ぐ
ことはできない。第4図(b)に示すように、Cc=1
(fF)ではデータ反転を防ぐのに十分余裕がある。本実
施例では、第4図(c)に示すように、Cc=5(fF)で
十分蓄積データを保護している。すなわち、最初はキャ
パシタカップリングに起因して両ノードが共に移動し、
その後、負荷トランジスタによってノード電圧に戻すよ
う電流が供給される。
ソフトエラー比の低下を軽減するために、Qcritを増
加しなければならない訳であるが、新規なメモリセル構
造によればこれらの問題を解決するために、(i)第1
のポリシリコン膜からなるポリシリコンゲートを有する
半導体基板上に、全面に、第1絶縁層を積層した後、こ
れに第1のコンタクトホールを開口して第1絶縁膜を形
成し、(ii)第1のコンタクトホールを含む半導体基板
上に、全面に、第2のポリシリコン層を積層した後、こ
れをパターン形成して第2のポリシリコン膜を形成し、
(iii)第2のポリシリコン膜を含む半導体基板上に、
全面に、第2の絶縁層を積層した後、これに第2のコン
タクトホールを開口して第2絶縁膜を形成し、(iv)第
2のコンタクトホールを含む半導体基板上に、全面に、
第3のポリシリコン層を積層した後、これをパターン形
成して第3のポリシリコン膜を形成してキャパシタのキ
ャパシタ下部電極とし、(v)第2のポリシリコン膜の
うちキャパシタ形成領域以外の第2のポリシリコン膜に
イオン注入を行い、ソース・ドレイン領域を形成し、
(vi)続いて、全面に、第3の絶縁層を積層した後、コ
ンタクト窓を開口して第3絶縁膜を形成してこれをキャ
パシタのキャパシタ絶縁膜とし、(vii)更に、コンタ
クト窓を含む半導体基板上に、全面に、第4のポリシリ
コン層を積層した後、これをパターン形成してキャパシ
タ形成領域のみに第4のポリシリコン膜を残存させてこ
れをキャパシタ上部電極とすることを特徴とする半導体
装置の製造方法が提案される。本発明によれば、 (1)メモリセル・フリップフロップ蓄積ノード(memo
ry cell flip−flop storage node)間に、クロス・カ
ップルドキャパシタ(cross−coupledcapacitor)を製
造するようにすること。
(2)能動負荷デバイス(PMOSTFT)を使って、(i)
高速動作で、ロジック“1"を蓄積するノードで電圧の回
復時間を軽減し、(ii)α粒子誘導電流に対する負荷電
流比を改善するようにしたものである。
すなわち、この発明は、TFTタイプのSRAMでセルノー
ドにキャパシタを加えることにより耐α線を向上させ
た。本発明では従来のメモリセルに新たなキャパシタ用
絶縁膜と電極ポリSi層を加えた構造を作成した。
(ニ)実施例 以下図に示す実施例に基づいてこの発明を詳述する。
なお、これによってこの発明は限定を受けるものではな
い。
第2図(a)、第2図(b)及び第2図(c)におい
て、クロス・カップルドキャパシタ(cross−coupledca
pacitor)を加入した新規なメモリセル構造は、ビット
ラインBL及びメモリセルのプルダウンデバイスを構成す
るバルクトランジスタQ3,Q4のドレインに接続されたバ
ルクアクセストランジスタQ1,Q2からなる。
バルクトランジスタのゲートはポリシリコンの第1堆
積層5で形成されている。
ポリシリコンMOSトランジスタQ5,Q6は第1のCVD酸化
層6によってバルクトランジスタから絶縁されている。
第2のポリシリコン層8は、電源線(power supply l
ine)及びポリシリコンMOSトランジスタ本体を構成す
る。
第2のCVD酸化層9は第2のポリシリコン8上に積層
されてポリシリコンMOSトランジスタゲート絶縁膜を形
成する。なお、本実施例では、ゲート絶縁膜9はTFTの
上部ゲート酸化膜であり、これはHTO膜で構成されてい
る。
このゲート絶縁膜9上に、ポリシリコンPMOSデバイス
の上部ゲート電極11が形成されている。
この上部ゲート電極のポリシリコン膜は後述するよう
にクロス・カップルドキャパシタの下部電極11となる。
Q3,Q4,Q5及びQ6は、メモリセルフリップ・フロップを
形成するよう接続されている。
クロス・カップルドキャパシタCは、電極の1つを構
成するポリシリコンPMOS FETのキャパシタ上部ゲート
電極11と、この上部ゲート電極上に積層されたキャパシ
タ絶縁膜15と、第4のポリシリコンによって形成される
キャパシタ上部電極(第2電極)17とからなる。
ポリシリコンPMOSトランジスタの形成後、第3の絶縁
膜15が積層されてクロス・カップルドキャパシタ絶縁膜
15を形成する。
第1図(n)及び第1図(m)に示すように、コンタ
クト窓16が開口され、第4のポリシリコン層17が積層さ
れてパターン形成されクロス・カップルドキャパシタ電
極を形成する。
第1図(p)、第1図(o)に示すように、絶縁層1
8,22と共通接続金属層20,24によってバルクトランジス
タQ3,Q4のソースに接続されるグランド・ライン(Groun
d Line)と、ビット線が形成され、素子が作成される訳
である。
以下、製造方法について説明する。
MOS形成工程における新規なSRAMセルを構成するに
は、 まず、第1図(a)及び第1図(b)に示すように、
シリコン基板(1)上に、公知のMOS形成工程を用い
て、SiO2のLOCOS酸化膜2、N+拡散層3及びSiO2のサイ
ドウォール4を備えたポリシリコンゲート(第1のポリ
シリコン膜)5からなるバルクNチャネルポリシリコン
ゲートトランジスタTを形成する。
次に、全面に、SiO2のCVD酸化膜層を積層してポリシ
リコンMOSトランジスタ下部ゲート絶縁膜(Polysilicon
MOS transistor Bottomgate dielectric:以下第1絶縁
膜という)6を形成し、続いてこの絶縁膜6に、フォト
エッチング技術を用いて、縦d1が略0.6μm、横d2が略
0.6μmの第1コンタクトホール7を開口する[第1図
(c)及び第1図(d)]。
なお、第1図(c)及び第1図(d)は同一のプロセ
スを異なる方向から見て描画された図であり、第1図
(d)は第1図(c)とは直交する方向から見たときの
工程説明図を示す。上述した第1図(a)、第1図
(a)′以下に述べる第1図(e)及び第1図(c)′
〜第1図(h)及び第1図(h)′もすべて同様であ
る。
続いて、コンタクトホール7を含むシリコン基板上
(1)上に、全面に、ポリシリコン層(第2のポリシリ
コン膜)8を積層し、これをフォトエッチング技術を用
いてパターン形成し、ポリシリコントランジスタ本体
(Polysilicon transistor body)Hを形成する[第1
図(e)及び第1図(c)′参照]。
続いて、パターン化された第2のポリシリコン膜8を
含むシリコン基板上に、全面に、CVD酸化層としてHTO膜
を積層してポリシリコントランジスタ上部ゲート絶縁膜
(Polysilicon transistor top gate dielectric:以下
第2絶縁膜という)9を形成し、続いてこの絶縁膜9に
フォトエッチング技術によって、縦D1が略0.6μm、横D
2が略0.6μmの第2のコンタクトホール10を開口する
[第1図(g)及び第1図(h)参照]。
次に、コンタクトホール10を含むシリコン基板(1)
上に、全面に、ポリシリコン層(第3のポリシリコン
膜)11を積層し、ポリシリコントランジスタ上部ゲート
電極(Polysilicon transistor top gate electrode:以
下上部ゲート電極という)、すなわち、スタック型クロ
スカップルのキャパシタの下部ゲート(Bottom gate of
the stacked cross−coupled capacitor)を形成する
[第1図(i)及び第1図(j)参照]。
次に、フォトレジスト12をマスクにして所定部分の第
3のポリシリコン層11を除去した後、その除去領域にP
型不純物としてのボロンイオン(11B+)13をHTO膜9を
介してイオン注入してTFTポリシリコントランジスタの
ソース及びドレイン領域14を形成する[第1図(k)及
び第1図(l)参照]。
しかる後、HTO膜9及び残存した第3のポリシリコン
膜11を含むシリコン基板(1)上に、全面に、第3の絶
縁層を積層してクロス・カップルドキャパシタ絶縁膜
(cross−coupled capacitor dielectric)15を形成
し、続いて、フォトエッチング技術によってコンタクト
窓16を開口する。続いて、コンタクト窓16を含むシリコ
ン基板(1)上に、全面に、第4のポリシリコン層を積
層し、パターン形成してスタック型キャパシタの上部電
極17を形成する[第1図(m)及び第1図(n)参
照]。
最後に、全面に、周知の方法を用いて、第1層間絶縁
膜18とこれに開口された第1コンタクト部19及びパター
ン形成された第1金属膜20からなる中間結合層21を介し
て第2層間絶縁膜22とこれに開口された第2コンタクト
部23及びパターン形成された第2金属膜24を形成し、デ
バイスを完成する[第1図(o)及び第1図(p)参
照]。
(ホ)発明の効果 以上のようにこの発明によれば、SRAMセルのキャパシ
タンスと臨界蓄積電荷QCritをスタック型クロス・カッ
プルドキャパシタによって増加できる。
また、クロス・カップルドキャパシタをメモリセル上
に積層できるので、セル面積の増加はない。
更に、ダブルゲートMOSポリシリコン薄膜トランジス
タのトランジスタ特性を改善できるとともに、ダブルゲ
ートTFTがクロス・カップルドキャパシタに起因する、
より高いセルキャパシタンスでもって結合されているの
で、その高い駆動電流によってソフトエラーを改善でき
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(p)はこの発明の一実施例を説明する
ための製造工程説明図、第2図(a)は上記実施例によ
って得られた装置の等価回路図、第2図(b)及び
(c)はそれぞれ上記実施例によって得られた装置の構
成説明図及びそのX−X′線矢視図、第3図は本発明に
よって得られる装置の原理を示す簡略した等価回路図、
第4図(a)〜(c)は上記実施例によって得られた装
置の時間対メモリセルフリップフロップノード電圧特性
図、第5図(a)(b)はそれぞれ従来の方法によって
得られた等価回路図及び線幅対SRAMセルノードキャパシ
タンス特性図、第6図(a)は従来のMOSトランジスタ
キャパシタンスを示す説明図、第6図(b)はその動作
を示す説明図、第6図(c)はそのメモリセルのキャパ
シタンスを示す等価回路図である。 1……シリコン基板、 5……ポリシリコンゲート(第1のポリシリコン膜:POL
Y1)、 6……下部ゲート絶縁膜(第1絶縁膜)、 7……第1のコンタクトホール、 8……第2のポリシリコン膜:POLY2、 9……HTO膜(第2絶縁膜)、 10……第2のコンタクトホール、 11……第3のポリシリコン膜:POLY3、 13……ボロンイオン、 14……ソース・ドレイン領域、 15……クロス・カップルドキャパシタ絶縁膜(第3絶縁
膜)、 16……コンタクト窓、 17……上部電極(第4のポリシリコン膜)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)第1のポリシリコン膜からなるポリ
    シリコンゲートを有する半導体基板上に、全面に、第1
    絶縁層を積層した後、これに第1のコンタクトホールを
    開口して第1絶縁膜を形成し、 (ii)第1のコンタクトホールを含む半導体基板上に、
    全面に、第2のポリシリコン層を積層した後、これをパ
    ターン形成して第2のポリシリコン膜を形成し、 (iii)第2のポリシリコン膜を含む半導体基板上に、
    全面に、第2の絶縁層を積層した後、これに第2のコン
    タクトホールを開口して第2絶縁膜を形成し、 (iv)第2のコンタクトホールを含む半導体基板上に、
    全面に、第3のポリシリコン層を積層した後、これをパ
    ターン形成して第3のポリシリコン膜を形成してキャパ
    シタのキャパシタ下部電極とし、 (v)第2のポリシリコン膜のうちキャパシタ形成領域
    以外の第2のポリシリコン膜にイオン注入を行い、ソー
    ス・ドレイン領域を形成し、 (vi)続いて、全面に、第3の絶縁層を積層した後、コ
    ンタクト窓を開口して第3絶縁膜を形成してこれをキャ
    パシタのキャパシタ絶縁膜とし、 (vii)更に、コンタクト窓を含む半導体基板上に、全
    面に、第4のポリシリコン層を積層した後、これをパタ
    ーン形成してキャパシタ形成領域のみに第4のポリシリ
    コン膜を残存させてこれをキャパシタ上部電極とするこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
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