JP2599282B2 - 熱定数測定法 - Google Patents
熱定数測定法Info
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- JP2599282B2 JP2599282B2 JP63069309A JP6930988A JP2599282B2 JP 2599282 B2 JP2599282 B2 JP 2599282B2 JP 63069309 A JP63069309 A JP 63069309A JP 6930988 A JP6930988 A JP 6930988A JP 2599282 B2 JP2599282 B2 JP 2599282B2
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明は物質の熱拡散率、熱伝導率あるいは比熱容量
のような熱定数を測定する方法に関する。
のような熱定数を測定する方法に関する。
「従来の技術およびその問題点」一定の厚さを有する平
板状試料の一方の面の全面に熱輻射線を瞬間的に照射し
て、他方の面における温度上昇曲線を測定することによ
り熱拡散率を求める方法がある。しかし温度上昇時間が
照射時間より長くないと、測定を行い得ないから、試料
が薄い場合は測定が困難である。また試料の全面に熱線
を照射する必要があるから、試料が大きい場合はレンズ
等で熱線の断面積を拡大しなければならないと共に単位
面積当たりの供給熱量が減少して測定精度が低下する欠
点もある。更に板状試料の微小部分に熱線を照射し、そ
の点から一定の距離の点における温度上昇曲線を観測す
る方法もあるが、試料の面積が無限大であると共に熱損
失が無いことを条件としているから、汎用性および測定
値の信頼性が低い欠点があると共に熱線の照射点と温度
上昇の検出点との間に非対象的偏寄があるために測定が
容易でない等の欠点もある。また試料の大きさ、熱損
失、熱線照射時間、強度分布等の誤差要因を別個または
2項目について補正することは知られているが、各要因
を同時に補正することはできなかった。
板状試料の一方の面の全面に熱輻射線を瞬間的に照射し
て、他方の面における温度上昇曲線を測定することによ
り熱拡散率を求める方法がある。しかし温度上昇時間が
照射時間より長くないと、測定を行い得ないから、試料
が薄い場合は測定が困難である。また試料の全面に熱線
を照射する必要があるから、試料が大きい場合はレンズ
等で熱線の断面積を拡大しなければならないと共に単位
面積当たりの供給熱量が減少して測定精度が低下する欠
点もある。更に板状試料の微小部分に熱線を照射し、そ
の点から一定の距離の点における温度上昇曲線を観測す
る方法もあるが、試料の面積が無限大であると共に熱損
失が無いことを条件としているから、汎用性および測定
値の信頼性が低い欠点があると共に熱線の照射点と温度
上昇の検出点との間に非対象的偏寄があるために測定が
容易でない等の欠点もある。また試料の大きさ、熱損
失、熱線照射時間、強度分布等の誤差要因を別個または
2項目について補正することは知られているが、各要因
を同時に補正することはできなかった。
従って本発明は上述のような欠点がなく、比熱容量、
熱拡散率、熱伝導率等を必要に応じて同時に測定するこ
とのできる方法を提供する。
熱拡散率、熱伝導率等を必要に応じて同時に測定するこ
とのできる方法を提供する。
「発明の構成」本発明は一定の厚みを有する板状試料の
一方の面に点状または円環状の熱輻射線を瞬間的に入射
させて、他方の面における上記入射点を中心とした円環
状部分の平均温度曲線または円環状入射部の中心点にお
ける温度曲線を測定する。つぎに測定しょうとする上述
のような1つあるいは2つの熱定数を適宜の値に設定し
て、これを温度曲線の理論式に代入して曲線をもとめ
る。その温度曲線が測定された上記温度曲線と一致する
ように上記設定熱定数を調整して、両曲線が一致したと
きの熱定数設定値を、所期の測定値とするものである。
一方の面に点状または円環状の熱輻射線を瞬間的に入射
させて、他方の面における上記入射点を中心とした円環
状部分の平均温度曲線または円環状入射部の中心点にお
ける温度曲線を測定する。つぎに測定しょうとする上述
のような1つあるいは2つの熱定数を適宜の値に設定し
て、これを温度曲線の理論式に代入して曲線をもとめ
る。その温度曲線が測定された上記温度曲線と一致する
ように上記設定熱定数を調整して、両曲線が一致したと
きの熱定数設定値を、所期の測定値とするものである。
「発明の効果」上記方法によるときは、試料の大きさ、
熱損失、照射時間、熱輻射線の強度分布等にもとづく誤
差要因を同時に補正することができて高精度の測定を行
い得ると共に照射または検出熱線が円環状であるから、
検出熱線量が大きく高精度の測定を行うことができて薄
膜試料の測定に適する。更に照射または検出熱線の一方
は円環状をなしているために、照射点と検出点との間の
距離を一定に保って、しかも円環の各部に入射する熱線
の量または上記各部の温度変化の平均値が観測されるた
めに高精度の測定が可能である等の効果がある。
熱損失、照射時間、熱輻射線の強度分布等にもとづく誤
差要因を同時に補正することができて高精度の測定を行
い得ると共に照射または検出熱線が円環状であるから、
検出熱線量が大きく高精度の測定を行うことができて薄
膜試料の測定に適する。更に照射または検出熱線の一方
は円環状をなしているために、照射点と検出点との間の
距離を一定に保って、しかも円環の各部に入射する熱線
の量または上記各部の温度変化の平均値が観測されるた
めに高精度の測定が可能である等の効果がある。
「実施例」厚さbの平板状試料における一方の面に内径
r1,外径r2の円筒状熱線をデルタ関数状あるいは方形波
のパルスとして照射すると、他方の面における上記円筒
の軸線からr3およびr4(r4>r3)の円環状領域における
温度Tは次式で与えられる。
r1,外径r2の円筒状熱線をデルタ関数状あるいは方形波
のパルスとして照射すると、他方の面における上記円筒
の軸線からr3およびr4(r4>r3)の円環状領域における
温度Tは次式で与えられる。
ZjJ1(Zj)−LrJ0(Zj)=0 ……(7) 但し、xは試料の厚み方向の距離で照射裏面上において
はx=bである。
はx=bである。
tは熱線照射開始時点からの時間 To=Q/cPπa2bは熱損失が無い場合における熱エネルギ
Qの吸収による試料の平衡上昇温度 α=KPcは試料の熱拡散率 Kは試料の熱伝導率 Pは試料の密度 cは試料の比熱容量 Qは試料の吸収エネルギ Lsは面s(s=1は照射面、2は裏面、rは側面)の熱
損失の無次元数 tgはパルスの重心 βi,Zjは(6)(7)の正根で、添字は小さい順を表す J0,J1は0次および1次のベッセル関数m =(m/n)(r2−r1)+r1 fmは照射域内を同心円状に径方向へ等間隔でn分割して
各区域内の輻射線の相対強度を内側から準次f1……fm…
…fnとし、また p,qは正の整数である。
Qの吸収による試料の平衡上昇温度 α=KPcは試料の熱拡散率 Kは試料の熱伝導率 Pは試料の密度 cは試料の比熱容量 Qは試料の吸収エネルギ Lsは面s(s=1は照射面、2は裏面、rは側面)の熱
損失の無次元数 tgはパルスの重心 βi,Zjは(6)(7)の正根で、添字は小さい順を表す J0,J1は0次および1次のベッセル関数m =(m/n)(r2−r1)+r1 fmは照射域内を同心円状に径方向へ等間隔でn分割して
各区域内の輻射線の相対強度を内側から準次f1……fm…
…fnとし、また p,qは正の整数である。
なお、第1図は円板状試料1における一方の面の中心
に細い熱線2を瞬間的に照射し、他方の面における上記
熱線を中心とする1つの円周上に複数個の熱電対接点3.
3・・・を添着して、この円周上における平均温度上昇
曲線を観測する場合の縦断面図(a)平面図(b)およ
び底面図(c)を示した図である。また第2図は同様の
試料1における一方の面に円筒状の熱線4を照射し、他
方の面における上記円筒の中心線上に1つの熱電対接点
5を添着してその温度上昇曲線を観測する場合における
縦断面図(a)と平面図(b)および底面図(c)であ
る。すなわち試料1に上述のような熱輻射線をデルタ関
数状パルスあるいは方形波パルスとして照射し、裏面の
熱電対3,3・・・または5で円周上平均または中心点の
温度上昇曲線を測定し、a,b,i,j,m,p,q,r1〜r4を測定条
件に基づいて指定し、パラメータα,T0,L1,L2等を評価
する。実測された上記曲線はある値をもった関数と考え
られ、前記a,b,i,j,m,n,p,q,r1,r2,r3,r4という有限の
平板試料内条件を満足させることを条件とする。波形自
体はα,T0,L1,L2,Lrの真の値を満足することが可能で、
前記式(1)にそれぞれの値の初期値を入力して曲線を
一致させることにより、理論波形が測定波形を目指し
て、これらの値を順次変更して最適値を決定することに
より、熱拡散率αが定まると共に C=Q/T0Pπab から比熱Cが求められ、また K=αPC から、熱伝導率Kを求めることができる。なお前記説明
は温度測定に熱電対をもちいたが、赤外線による温度測
定等非接触測定器を用い得ることは勿論である。
に細い熱線2を瞬間的に照射し、他方の面における上記
熱線を中心とする1つの円周上に複数個の熱電対接点3.
3・・・を添着して、この円周上における平均温度上昇
曲線を観測する場合の縦断面図(a)平面図(b)およ
び底面図(c)を示した図である。また第2図は同様の
試料1における一方の面に円筒状の熱線4を照射し、他
方の面における上記円筒の中心線上に1つの熱電対接点
5を添着してその温度上昇曲線を観測する場合における
縦断面図(a)と平面図(b)および底面図(c)であ
る。すなわち試料1に上述のような熱輻射線をデルタ関
数状パルスあるいは方形波パルスとして照射し、裏面の
熱電対3,3・・・または5で円周上平均または中心点の
温度上昇曲線を測定し、a,b,i,j,m,p,q,r1〜r4を測定条
件に基づいて指定し、パラメータα,T0,L1,L2等を評価
する。実測された上記曲線はある値をもった関数と考え
られ、前記a,b,i,j,m,n,p,q,r1,r2,r3,r4という有限の
平板試料内条件を満足させることを条件とする。波形自
体はα,T0,L1,L2,Lrの真の値を満足することが可能で、
前記式(1)にそれぞれの値の初期値を入力して曲線を
一致させることにより、理論波形が測定波形を目指し
て、これらの値を順次変更して最適値を決定することに
より、熱拡散率αが定まると共に C=Q/T0Pπab から比熱Cが求められ、また K=αPC から、熱伝導率Kを求めることができる。なお前記説明
は温度測定に熱電対をもちいたが、赤外線による温度測
定等非接触測定器を用い得ることは勿論である。
第1図および第2図はそれぞれ本発明の実施例における
試料および熱線照射状態を示した図で、(a)は縦断面
図(b)は平面図(c)は底面図である。なお図におい
て、1は試料、2.4は熱線、3.5は熱電対接点である。
試料および熱線照射状態を示した図で、(a)は縦断面
図(b)は平面図(c)は底面図である。なお図におい
て、1は試料、2.4は熱線、3.5は熱電対接点である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−50652(JP,A) 特開 昭63−293454(JP,A) 特開 昭54−110787(JP,A) 特開 昭62−119437(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】平板状試料の一方の面における微小部分に
熱輻射線を瞬間的に照射して他方の面における上記微小
部分を中心とした円形部分の温度上昇曲線を実測すると
共に測定しようとする未知の熱定数を含む温度上昇曲線
の理論式に任意の熱定数の値を仮定して適用することに
より、観測された前記温度上昇曲線とほぼ一致する曲線
を得ることのできる熱定数の値を求める熱定数測定方
法。 - 【請求項2】平板状試料の一方の面に断面が円環状をな
した熱輻射線を瞬間的に照射して上記熱輻射線の中心線
が他方の面を通る点の温度上昇曲線を実測すると共に測
定しようとする未知の熱定数を含む温度上昇曲線の理論
式に任意の熱定数の値を仮定して適用することにより、
観測された前記温度上昇曲線とほぼ一致する曲線を得る
ことのできる熱定数の値を求める熱定数測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63069309A JP2599282B2 (ja) | 1988-03-25 | 1988-03-25 | 熱定数測定法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63069309A JP2599282B2 (ja) | 1988-03-25 | 1988-03-25 | 熱定数測定法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01242947A JPH01242947A (ja) | 1989-09-27 |
JP2599282B2 true JP2599282B2 (ja) | 1997-04-09 |
Family
ID=13398831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63069309A Expired - Lifetime JP2599282B2 (ja) | 1988-03-25 | 1988-03-25 | 熱定数測定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2599282B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106770449A (zh) * | 2017-02-22 | 2017-05-31 | 中国地质调查局南京地质调查中心 | 高温高压条件下岩石导热系数的测量装置 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20110127177A (ko) | 2009-02-05 | 2011-11-24 | 디.아이.알 테크놀로지스 (디텍션 아이알) 엘티디. | 제약 제품의 품질을 결정하는 방법 및 시스템 |
JP5414058B2 (ja) * | 2010-03-10 | 2014-02-12 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 熱拡散率測定装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6250652A (ja) * | 1985-08-30 | 1987-03-05 | Res Dev Corp Of Japan | 熱拡散率の測定方法およびその測定装置 |
JP2529851B2 (ja) * | 1987-05-27 | 1996-09-04 | 東芝セラミックス株式会社 | 高熱伝導性薄板の熱拡散率測定方法およびその装置 |
-
1988
- 1988-03-25 JP JP63069309A patent/JP2599282B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106770449A (zh) * | 2017-02-22 | 2017-05-31 | 中国地质调查局南京地质调查中心 | 高温高压条件下岩石导热系数的测量装置 |
CN106770449B (zh) * | 2017-02-22 | 2020-01-31 | 中国地质调查局南京地质调查中心 | 高温高压条件下岩石导热系数的测量装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01242947A (ja) | 1989-09-27 |
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