JP2599150B2 - ヒドロキシアパタイトおよびその原料となるリン酸カルシウムの製造方法 - Google Patents
ヒドロキシアパタイトおよびその原料となるリン酸カルシウムの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、人工骨、人工関節、人工歯根、歯槽骨保
全等の材料として極めて有望なヒドロキシアパタイトと
その原料となるリン酸カルシウムの製造方法に関する。
全等の材料として極めて有望なヒドロキシアパタイトと
その原料となるリン酸カルシウムの製造方法に関する。
近年、事故、病気等によって失われ、または機能が損
われた骨、関節等を、人造物で代用させようという試み
がなされている。これらはそれぞれの機能を代行する能
力を有することはもちろん、生体内に埋め込まれるもの
であるので以下の条件を有するものでなければならな
い。
われた骨、関節等を、人造物で代用させようという試み
がなされている。これらはそれぞれの機能を代行する能
力を有することはもちろん、生体内に埋め込まれるもの
であるので以下の条件を有するものでなければならな
い。
滅菌が可能であること 生体組織と良くなじむこと 毒性がないこと 生体内で目的に適した機能を長時間持続すること これらの条件を満足する新しい素材として、セラミック
スが注目されている。
スが注目されている。
生体内で安定なセラミックスとしては、アルミナ[Al
2O5]、炭化ケイ素[SiC]、ヒドロキシアパタイト[Ca
10(PO4)6(OH)2]等がある。これらは、優れた組
織親和性や耐摩耗性を有するために蛋白質や血液との適
合性が良く、また機械的な強さも優れているので、人工
骨、人工関節、人工歯根、歯槽骨保全等の素材としての
利用が期待されている。この中でも、特にヒドロキシア
パタイトはその原料がリン酸カルシウムである点で他の
セラミックスとは異なり、その構成成分が生体の骨、歯
組織の構成成分に極めて類似するという特徴を有する。
2O5]、炭化ケイ素[SiC]、ヒドロキシアパタイト[Ca
10(PO4)6(OH)2]等がある。これらは、優れた組
織親和性や耐摩耗性を有するために蛋白質や血液との適
合性が良く、また機械的な強さも優れているので、人工
骨、人工関節、人工歯根、歯槽骨保全等の素材としての
利用が期待されている。この中でも、特にヒドロキシア
パタイトはその原料がリン酸カルシウムである点で他の
セラミックスとは異なり、その構成成分が生体の骨、歯
組織の構成成分に極めて類似するという特徴を有する。
ヒドロキシアパタイトの製造方法としては、リン酸塩
水溶液にカルシウム塩水溶液を添加して1ないし100
℃、および1ないし500気圧の条件で反応させる方法
(特開昭53−81499号公報)、水和石灰にスラリー状リ
ン酸カルシウムを添加して反応させ、反応生成物を1000
℃で焼成する方法(特開昭54−152009号公報)、炭酸カ
ルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、フッ化
カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、および
シュウ酸カルシウムにリン酸水溶液を添加して60ないし
80℃で反応させ、得られたリン酸カルシウムを800℃以
上で固相反応させる方法(特開昭61−46402号公報)、
カルシウムの無機化合物およびリンの有機化合物を有機
溶媒と共に火炎中または加熱帯域中に噴霧して熱分解さ
せる方法(特開昭62−113709号公報)、リン酸を溶解し
たエタノールをカルシウムアルコキシドに滴下混合し、
アンモニア水を添加する方法(特開昭61−295215号公
報)、水に第2リン酸カルシウムを添加してスラリーと
し、生石灰、水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウムを
添加して100℃以下で反応を行なう方法(特開昭61−151
010号および特開昭61−151011号公報)、水酸化カルシ
ウムおよびリン酸塩の懸濁液を摩砕しながら反応させる
方法(特公昭62−4324号公報)、第2リン酸カルシウム
に水酸化カルシウムを添加して反応を行なう方法(特公
昭62−4325号公報)等がある。
水溶液にカルシウム塩水溶液を添加して1ないし100
℃、および1ないし500気圧の条件で反応させる方法
(特開昭53−81499号公報)、水和石灰にスラリー状リ
ン酸カルシウムを添加して反応させ、反応生成物を1000
℃で焼成する方法(特開昭54−152009号公報)、炭酸カ
ルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、フッ化
カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、および
シュウ酸カルシウムにリン酸水溶液を添加して60ないし
80℃で反応させ、得られたリン酸カルシウムを800℃以
上で固相反応させる方法(特開昭61−46402号公報)、
カルシウムの無機化合物およびリンの有機化合物を有機
溶媒と共に火炎中または加熱帯域中に噴霧して熱分解さ
せる方法(特開昭62−113709号公報)、リン酸を溶解し
たエタノールをカルシウムアルコキシドに滴下混合し、
アンモニア水を添加する方法(特開昭61−295215号公
報)、水に第2リン酸カルシウムを添加してスラリーと
し、生石灰、水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウムを
添加して100℃以下で反応を行なう方法(特開昭61−151
010号および特開昭61−151011号公報)、水酸化カルシ
ウムおよびリン酸塩の懸濁液を摩砕しながら反応させる
方法(特公昭62−4324号公報)、第2リン酸カルシウム
に水酸化カルシウムを添加して反応を行なう方法(特公
昭62−4325号公報)等がある。
これらの製造方法は、いずれもリン酸またはリン酸塩
にカルシウムまたはカルシウム塩を添加して反応させた
ものである。しかし、鉱物資源としてのリンの量には限
界があり、最近はリン鉱石の量的な不足と質の低下が問
題となっている。
にカルシウムまたはカルシウム塩を添加して反応させた
ものである。しかし、鉱物資源としてのリンの量には限
界があり、最近はリン鉱石の量的な不足と質の低下が問
題となっている。
そこで、植物体中に存在するリンが注目されている。
植物体には、フィチンと呼ばれるフィチン酸のアルカリ
土類金属塩としてリンが存在する。米ぬかは特にリンを
多く含むものの一つであり、しかも食糧資源として世界
中で大量に生産されている米から副生するものである。
したがって、この目的における米ぬかの利用価値は高
い。
植物体には、フィチンと呼ばれるフィチン酸のアルカリ
土類金属塩としてリンが存在する。米ぬかは特にリンを
多く含むものの一つであり、しかも食糧資源として世界
中で大量に生産されている米から副生するものである。
したがって、この目的における米ぬかの利用価値は高
い。
一般に、米ぬかからリンを得るためには、米ぬかから
フィチン(C6H6O24P6Mg4CaK2)を抽出し、そののち加水
分解によって第2リン酸カルシウム(CaHPO4)を主成分
とするリン酸カルシウムと、イノシトール(C6H12O6)
とに分解し、リン酸カルシウムとしてリンを得る。この
リン酸カルシウムはそのままヒドロシアパタイトの原料
となる。
フィチン(C6H6O24P6Mg4CaK2)を抽出し、そののち加水
分解によって第2リン酸カルシウム(CaHPO4)を主成分
とするリン酸カルシウムと、イノシトール(C6H12O6)
とに分解し、リン酸カルシウムとしてリンを得る。この
リン酸カルシウムはそのままヒドロシアパタイトの原料
となる。
しかし、フィチンの加水分解によって得られたリン酸
カルシウムには、不純物である第2リン酸マグネシウム
および第2リン酸カリウムが比較的多く含有されるた
め、このままではバイオセラミックス用のヒドロキシア
パタイトの原料としては不適切であり、精製してマグネ
シウム塩およびカリウム塩を除去する必要がある。
カルシウムには、不純物である第2リン酸マグネシウム
および第2リン酸カリウムが比較的多く含有されるた
め、このままではバイオセラミックス用のヒドロキシア
パタイトの原料としては不適切であり、精製してマグネ
シウム塩およびカリウム塩を除去する必要がある。
また、米ぬかから希酸で抽出した抽出液を陽イオン交
換樹脂を用いて精製する方法も報告されているが、この
場合には、米ぬかに含まれる微細なデンプン粒や溶出し
た蛋白質によって樹脂の寿命が極端に短くなる欠点があ
る。
換樹脂を用いて精製する方法も報告されているが、この
場合には、米ぬかに含まれる微細なデンプン粒や溶出し
た蛋白質によって樹脂の寿命が極端に短くなる欠点があ
る。
この発明は、米ぬかより抽出したフィチンからバイオ
セラミックス用のヒドロキシアパタイトおよびその原料
となるリン酸カルシウムを製造する方法であって、フィ
チンの酸性溶液およびフィチン酸の水溶液の段階で精製
することが可能なヒドロキシアパタイトおよびリン酸カ
ルシウムの製造方法を提供することを目的とする。
セラミックス用のヒドロキシアパタイトおよびその原料
となるリン酸カルシウムを製造する方法であって、フィ
チンの酸性溶液およびフィチン酸の水溶液の段階で精製
することが可能なヒドロキシアパタイトおよびリン酸カ
ルシウムの製造方法を提供することを目的とする。
この発明によるヒドロキシアパタイトおよびその原料
となるリン酸カルシウムの製造方法は、希酸を用いて米
ぬかより抽出したフィチンから不純物を取り除いたのち
フィチン酸とし、さらに加水分解を行なうことによって
リン酸カルシウムを生成させ、このリン酸カルシウムを
焼成してヒドロキシアパタイトを得るものである。
となるリン酸カルシウムの製造方法は、希酸を用いて米
ぬかより抽出したフィチンから不純物を取り除いたのち
フィチン酸とし、さらに加水分解を行なうことによって
リン酸カルシウムを生成させ、このリン酸カルシウムを
焼成してヒドロキシアパタイトを得るものである。
以下、この発明による製造方法を詳しく説明する。
まず、原料の米ぬかを脱脂したのち、希酸を添加して
米ぬかに含有されるフィチンを抽出する。脱脂にはノル
マルヘキサンを用いることが好ましい。また、希酸は、
有機酸または無機酸のいずれでも良いが、装置に対する
腐食性、生産コスト等を考慮すると、希硫酸が好まし
い。
米ぬかに含有されるフィチンを抽出する。脱脂にはノル
マルヘキサンを用いることが好ましい。また、希酸は、
有機酸または無機酸のいずれでも良いが、装置に対する
腐食性、生産コスト等を考慮すると、希硫酸が好まし
い。
希酸で抽出した抽出液には、米ぬかに含まれる蛋白
質、デンプン、微細なセルロース等が溶解または混入し
ている。これらの不純物は、後の処理に用いるイオン交
換樹脂等の樹脂類の寿命を短くするので除去する必要が
あり、その方法には2通りある。
質、デンプン、微細なセルロース等が溶解または混入し
ている。これらの不純物は、後の処理に用いるイオン交
換樹脂等の樹脂類の寿命を短くするので除去する必要が
あり、その方法には2通りある。
第1に膜処理を施す方法がある。膜処理に用いる膜の
分画分子量は、通常濃縮を行なう物質の分子量であり、
ここでは蛋白質またはデンプン粒であるが、この場合に
は見かけの分子量の少なくとも10倍の大きさの分画分子
量を有する膜を用いる必要がある。
分画分子量は、通常濃縮を行なう物質の分子量であり、
ここでは蛋白質またはデンプン粒であるが、この場合に
は見かけの分子量の少なくとも10倍の大きさの分画分子
量を有する膜を用いる必要がある。
第2の方法は、抽出液にアルカリ金属水酸化物を添加
して中和し、析出したフィチン酸アルカリ金属塩をろ集
して水で洗浄する方法である。この場合には酸のアルカ
リ金属塩も生成するが、この塩も洗浄の際に除去するた
めには水溶性でなければならず、アルカリ金属水酸化物
を選択する際にはこの点にも留意する必要がある。フィ
チンの抽出に希硫酸を用いた場合には、水酸化ナトリウ
ムまたは水酸化カリウムが好ましい。
して中和し、析出したフィチン酸アルカリ金属塩をろ集
して水で洗浄する方法である。この場合には酸のアルカ
リ金属塩も生成するが、この塩も洗浄の際に除去するた
めには水溶性でなければならず、アルカリ金属水酸化物
を選択する際にはこの点にも留意する必要がある。フィ
チンの抽出に希硫酸を用いた場合には、水酸化ナトリウ
ムまたは水酸化カリウムが好ましい。
第1の方法および第2の方法は、それぞれに十分良好
な結果を得ることができるが、夾雑物の除去にはいずれ
か1つの方法と限られるわけではなく、この両方を行な
うことによりさらに良い結果を得ることが期待できる。
な結果を得ることができるが、夾雑物の除去にはいずれ
か1つの方法と限られるわけではなく、この両方を行な
うことによりさらに良い結果を得ることが期待できる。
精製されたフィチンの酸性溶液またはフィチン酸のア
ルカリ金属塩は、高架橋度のゲル型陽イオン交換樹脂で
処理をする。通常の陽イオン交換樹脂で処理をしてもフ
ィチン酸が得られるが、そのままでは鉄イオン、アルカ
リ金属イオン等が残存するため高架橋度のゲル型樹脂を
用いて除去する。その後、さらに陰イオン交換樹脂、キ
レート交換樹脂、および脱鉄交換樹脂の群の中から適切
な樹脂を選択して順次処理し、無機イオンを可能な限り
除去する。
ルカリ金属塩は、高架橋度のゲル型陽イオン交換樹脂で
処理をする。通常の陽イオン交換樹脂で処理をしてもフ
ィチン酸が得られるが、そのままでは鉄イオン、アルカ
リ金属イオン等が残存するため高架橋度のゲル型樹脂を
用いて除去する。その後、さらに陰イオン交換樹脂、キ
レート交換樹脂、および脱鉄交換樹脂の群の中から適切
な樹脂を選択して順次処理し、無機イオンを可能な限り
除去する。
イオン交換樹脂による精製を終えたフィチン酸の水溶
液に、水酸化カルシウムまたは炭酸カルシウムを添加し
て加圧加水分解を行ない、リン酸カルシウムとイノシト
ールに分解する。水酸化カルシウムまたは炭酸カルシウ
ムの量は、リン1モルに対してカルシウム1.6ないし1.7
モルが好ましい。また、加水分解反応における反応温度
は100ないし250℃が好ましい。
液に、水酸化カルシウムまたは炭酸カルシウムを添加し
て加圧加水分解を行ない、リン酸カルシウムとイノシト
ールに分解する。水酸化カルシウムまたは炭酸カルシウ
ムの量は、リン1モルに対してカルシウム1.6ないし1.7
モルが好ましい。また、加水分解反応における反応温度
は100ないし250℃が好ましい。
生成したリン酸カルシウムは、ろ集したのち、乾燥し
てまたは乾燥せずに焼成してヒドロキシアパタイトとす
る。焼成温度は1000ないし1400℃が好ましい。
てまたは乾燥せずに焼成してヒドロキシアパタイトとす
る。焼成温度は1000ないし1400℃が好ましい。
以下にこの発明の実施例について述べる。
〈実施例1〉 n−ヘキサンで脱脂した米ぬか10Kgに、0.5%硫酸水
溶液100を加えて常温で1時間撹拌を行ない、その後
混合液を遠心分離機にかけて米ぬかを分離し、フィチン
の抽出液を得た。この抽出液のpHは2.7ないし2.8程度で
あった。
溶液100を加えて常温で1時間撹拌を行ない、その後
混合液を遠心分離機にかけて米ぬかを分離し、フィチン
の抽出液を得た。この抽出液のpHは2.7ないし2.8程度で
あった。
この抽出液を、分画分子量10000ないし20000の膜に通
し、得られた透過液を強く撹拌しながら10%水酸化ナト
リウムを滴下し中和した。pHを7ないし7.5の範囲に保
持しながら1時間撹拌を続けたのち、析出したフィチン
酸のナトリウム塩をろ集し、充分水洗を行なった。得ら
れたフィチン酸ナトリウムはペースト状であった。
し、得られた透過液を強く撹拌しながら10%水酸化ナト
リウムを滴下し中和した。pHを7ないし7.5の範囲に保
持しながら1時間撹拌を続けたのち、析出したフィチン
酸のナトリウム塩をろ集し、充分水洗を行なった。得ら
れたフィチン酸ナトリウムはペースト状であった。
このフィチン酸ナトリウムを高架橋度のゲル型強酸性
陽イオン交換樹脂(DAIALON SK116)で処理してフィチ
ン酸を得、さらに陰イオン交換樹脂および脱鉄樹脂で処
理して精製した。
陽イオン交換樹脂(DAIALON SK116)で処理してフィチ
ン酸を得、さらに陰イオン交換樹脂および脱鉄樹脂で処
理して精製した。
精製したフィチン酸水溶液に水酸化カルシウム620gを
添加し、オートクレーブにおいて200ないし250℃の範囲
の温度を保ちながら、40気圧で1時間加圧加水分解を行
なった。生成したリン酸カルシウムはイノシトールとろ
別し、さらに1000ないし1200℃の範囲の温度を保ちなが
ら焼成することによりヒドロキシアパタイトを得た。
添加し、オートクレーブにおいて200ないし250℃の範囲
の温度を保ちながら、40気圧で1時間加圧加水分解を行
なった。生成したリン酸カルシウムはイノシトールとろ
別し、さらに1000ないし1200℃の範囲の温度を保ちなが
ら焼成することによりヒドロキシアパタイトを得た。
〈実施例2〉 実施例1と同様の方法で得られたフィチン酸水溶液
に、50℃以上の温度を保ちながら、炭酸カルシウムを撹
拌しながら徐々に添加した。炭酸カルシウムは、リン1
モルに対しカルシウム1.67モルとなる量を添加した。得
られたペースト状スラリーは実施例1と同様の方法で加
圧加水分解を行なったのち、得られたリン酸カルシウム
を焼成してヒドロキシアパタイトを得た。
に、50℃以上の温度を保ちながら、炭酸カルシウムを撹
拌しながら徐々に添加した。炭酸カルシウムは、リン1
モルに対しカルシウム1.67モルとなる量を添加した。得
られたペースト状スラリーは実施例1と同様の方法で加
圧加水分解を行なったのち、得られたリン酸カルシウム
を焼成してヒドロキシアパタイトを得た。
以上述べたように、この発明の方法によれば、米ぬか
より抽出したフィチンからバイオセラミックス用のヒド
ロキシアパタイトおよびその原料となるリン酸カルシウ
ムを製造する方法において、フィチンの酸性溶液または
フィチン酸の水溶液の段階で精製することが可能とな
る。
より抽出したフィチンからバイオセラミックス用のヒド
ロキシアパタイトおよびその原料となるリン酸カルシウ
ムを製造する方法において、フィチンの酸性溶液または
フィチン酸の水溶液の段階で精製することが可能とな
る。
Claims (3)
- 【請求項1】脱脂した米ぬかに希酸を添加して米ぬかに
含有されるフィチンを抽出し、抽出液に膜処理および活
性炭処理を施すことにより、または抽出液をアルカリ金
属水酸化物で中和したのち洗浄することにより、または
その両方の処理を行なうことによって夾雑物を除去し、
そののち強酸性陽イオン交換樹脂、次いで陰イオン交換
樹脂、キレート交換樹脂および脱鉄樹脂の群より選択さ
れる適切な樹脂を順次用いて処理し、水酸化カルシウム
または炭酸カルシウムを添加したのち加水分解を行なう
ことを特徴とするリン酸カルシウムの製造方法。 - 【請求項2】脱脂した米ぬかに希酸を添加して米ぬかに
含有されるフィチンを抽出し、抽出液に膜処理および活
性炭処理を施すことにより、または抽出液をアルカリ金
属水酸化物で中和したのち洗浄することにより、または
その両方の処理を行なうことによって夾雑物を除去し、
そののち強酸性陽イオン交換樹脂、次いで陰イオン交換
樹脂、キレート交換樹脂および脱鉄樹脂の群より選択さ
れる適切な樹脂を順次用いて処理し、水酸化カルシウム
または炭酸カルシウムを添加したのち加水分解を行なっ
てリン酸カルシウムを生成せしめ、さらに得られたリン
酸カルシウムを焼成することを特徴とするヒドロキシア
パタイトの製造方法。 - 【請求項3】水酸化カルシウムまたは炭酸カルシウムの
添加量がリン1モルに対しカルシウム1.6ないし1.7モル
となる量であり、加水分解反応における反応温度が100
ないし250℃であり、リン酸カルシウムの焼成温度が100
0ないし1400℃である特許請求の範囲第2項記載の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62325243A JP2599150B2 (ja) | 1987-12-24 | 1987-12-24 | ヒドロキシアパタイトおよびその原料となるリン酸カルシウムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62325243A JP2599150B2 (ja) | 1987-12-24 | 1987-12-24 | ヒドロキシアパタイトおよびその原料となるリン酸カルシウムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01167208A JPH01167208A (ja) | 1989-06-30 |
JP2599150B2 true JP2599150B2 (ja) | 1997-04-09 |
Family
ID=18174627
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62325243A Expired - Lifetime JP2599150B2 (ja) | 1987-12-24 | 1987-12-24 | ヒドロキシアパタイトおよびその原料となるリン酸カルシウムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2599150B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102177267B1 (ko) * | 2020-04-20 | 2020-11-11 | 주식회사 동양케미칼 | 이노시톨 추출과정에서 발생하는 생성물을 이용한 사료용 삼인산칼슘의 제조방법 |
-
1987
- 1987-12-24 JP JP62325243A patent/JP2599150B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102177267B1 (ko) * | 2020-04-20 | 2020-11-11 | 주식회사 동양케미칼 | 이노시톨 추출과정에서 발생하는 생성물을 이용한 사료용 삼인산칼슘의 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01167208A (ja) | 1989-06-30 |
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